特許第6228961号(P6228961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228961
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】隙間埋め構造
(51)【国際特許分類】
   E01B 19/00 20060101AFI20171030BHJP
   E01F 8/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   E01B19/00 C
   E01F8/00
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-211713(P2015-211713)
(22)【出願日】2015年10月28日
(62)【分割の表示】特願2013-222914(P2013-222914)の分割
【原出願日】2008年12月18日
(65)【公開番号】特開2016-29260(P2016-29260A)
(43)【公開日】2016年3月3日
【審査請求日】2015年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】関 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 千博
(72)【発明者】
【氏名】小口 貴士
【審査官】 西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−042141(JP,A)
【文献】 特開平03−147905(JP,A)
【文献】 特開平08−068125(JP,A)
【文献】 特開昭57−051308(JP,A)
【文献】 特開2007−284946(JP,A)
【文献】 特開2003−119727(JP,A)
【文献】 特開2001−140388(JP,A)
【文献】 特開2006−089961(JP,A)
【文献】 特開2007−303214(JP,A)
【文献】 米国特許第5671685(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 19/00
E01F 8/00
E04B 1/684
E04B 2/82
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間部において、パネル(1)の下端部の側面に該隙間を塞ぐ遮音板(33)が設けられており、遮音板(33)は、1枚の横長矩形のもので、遮音板(33)の両端部には垂直方向に長い長孔(47)が開けられ、長孔(47)を通りパネル(1)を貫通するボルト(48)とナット(49)によって、遮音板(33)がパネル(1)の下端部に対して上下設置位置調節可能となされており、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間が変動しても該隙間が常に塞がれている、隙間埋め構造。
【請求項2】
パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間部において、パネル(1)の下端部の側面に該隙間を塞ぐ多数枚の遮音板(34)が設けられており、各遮音板(34)には垂直方向に長い長孔(47)がそれぞれ開けられ、長孔(47)を通りパネル(1)を貫通するボルト(48)とナット(49)によって、各遮音板(34)がパネル(1)の下端部に対して上下設置位置調節可能となされており、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間が変動しても該隙間は各遮音板(34)によって常に塞がれている、隙間埋め構造。
【請求項3】
パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間部において、パネル(1)の下端部に下方開口状の空洞部(36)が形成され、空洞部(36)内に、下端部が空洞部(36)から下方に突出して道床(32)に受けられている隙間隠し片(37)がパネル(1)の下端部に対して上下動自在に嵌め入れられており、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間が変動しても該隙間が常に塞がれている、隙間埋め構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新幹線のような高速鉄道の騒音を低減する吸音パネル及び防音壁に関し、より詳しくは、隣接する吸音パネル及び防音壁の間の隙間を埋める隙間埋め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道軌道において生じる騒音には、車両上部で発生する集電系音(上部音という)と車輛下部で発生する転動音や機器音(下部音という)、車両の空気摩擦により生じる空力音という複数の音源があり、それぞれが防音壁と車輌の間で多重反射をして防音壁外部に漏れる。特に新幹線のような高速鉄道においては、下部音を主体とする防音壁より低い位置で発生する騒音が特に問題となっている。
【0003】
このような騒音問題を解決するものとして、特許文献1記載のような吸音パネルが提案された。すなわち、吸音パネル(51)は、図5に示すように、アルミニウムフレームからなる筺体(53)の内部において、筺体(53)を既存の防音壁(56)に固定する固定部材(55)の音源側の面に複数枚の傾斜反射板(52)が上下多段状に設けられ、筺体(53)内の各反射板間の空間に吸音材としてグラスウール(54)が充填されたものである。
【0004】
この構造の吸音パネルは隣接するパネルが互いに密接しておれば、音漏れの恐れはないが、実際の施工ではどうしても隣接パネルの間やパネルと道床の間に数mmから最大10cmの隙間が生じることが避けられない。非特許文献1に記載されているように、吸音パネルの性能が向上するに連れてこのような隙間の処理が重要視されてきている。
【0005】
従来、図6に示すように、隣接する吸音パネル(61)(62)(63)の間にゴム製の隙間埋め部材(64)を介在させ、隣接パネルどうしを押し付けて隙間埋め部材(64)を潰してパネル間に固定し、これらパネルにわたって複数本の胴縁(65)をボルト(66)止めすることで、パネル間の隙間を埋めていた。
【0006】
しかし、この施工法では、操作が面倒である上に、パネルを1枚だけ交換したいときには、隙間に余裕がないため、パネルの出し入れが困難で交換ができないという問題がある。また、胴縁が温度変化により伸縮するため隙間幅が変わることで吸音パネル間に隙間が生じ、またはゴム製の隙間埋め部材が徐々に劣化することで吸音パネル間に隙間が生じ、そこから音漏れが生じるために、吸音パネルの防音効果が低下するという問題もある。さらに防音パネルと道床の間にも隙間があり、同様に防音効果を低下する一因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−255098号公報
【非特許文献1】「公害防止の技術と法規 騒音編」 公害防止の技術と法規 編集委員会編 第94〜96頁、第124〜126頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来技術の問題を解決することができる、吸音パネルと道床の間の隙間を埋めて音漏れを防ぐ隙間埋め構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、
パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間部において、パネル(1)の下端部の側面に該隙間を塞ぐ遮音板(33)が設けられており、遮音板(33)は、1枚の横長矩形のもので、遮音板(33)の両端部には垂直方向に長い長孔(47)が開けられ、長孔(47)を通りパネル(1)を貫通するボルト(48)とナット(49)によって、遮音板(33)がパネル(1)の下端部に対して上下設置位置調節可能となされており、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間が変動しても該隙間が常に塞がれている、隙間埋め構造である。
【0011】
請求項に係る発明は、
パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間部において、パネル(1)の下端部の側面に該隙間を塞ぐ多数枚の遮音板(34)が設けられており、各遮音板(34)には垂直方向に長い長孔(47)がそれぞれ開けられ、長孔(47)を通りパネル(1)を貫通するボルト(48)とナット(49)によって、各遮音板(34)がパネル(1)の下端部に対して上下設置位置調節可能となされている、隙間埋め構造である。
【0012】
請求項に係る発明は、
パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間部において、パネル(1)の下端部に下方開口状の空洞部(36)が形成され、空洞部(36)内に、下端部が空洞部(36)から下方に突出して道床(32)に受けられている隙間隠し片(37)がパネル(1)の下端部に対して上下動自在に嵌め入れられており、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間が変動しても該隙間が常に塞がれている、隙間埋め構造である。

【発明の効果】
【0013】
本発明の隙間埋め構造によれば、従来技術における問題点を全て解決することが可能となる。
【0014】
すなわち、パネル下部と道床との隙間の問題に関し、従来、パネルの操作が面倒である上に、パネルを1枚だけ交換したいときには、隙間に余裕がないため、パネルの出し入れが困難で交換できなかったが、本発明の隙間埋め構造の採用により、容易な交換が可能となる。また、胴縁の温度変化に伴う伸縮によるパネル隙間幅の変化や、またはゴム製の隙間埋め部材の劣化による隙間幅の拡大により、音漏れが生じ、防音パネルの効果が低下するという問題があったが、本発明の隙間埋め構造により、低下の問題は解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1の1の隙間埋め構造を示す正面図である。
図2】実施例1の2の隙間埋め構造を示す正面図である。
図3】実施例2の隙間埋め構造を示す隣接パネルの隙間部における垂直縦断面図である。
図4】実施例2の隙間埋め構造を示す隣接パネルの隙間部における垂直縦断面図である。
図5】従来の吸音パネルを示す垂直縦断面図である。
図6】従来の吸音パネルの隙間埋め構造を示す胴縁側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、本発明を具体的に説明するために、本発明の実施例をいくつか挙げる。
実施例1の1
図1において、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間部にて、パネル(1)の下端部に該隙間を塞ぐ1枚の横長矩形の遮音板(33)が配置されている。遮音板(33)の両端部には垂直方向に長い長孔(47)が開けられ、長孔(47)を通りパネル(1)を貫通するボルト(48)とナット(49)によって、遮音板(33)は上下設置位置調節可能となされている。この構造によってパネル(1)の下端部と道床(32)の隙間が変動しても該隙間は遮音板(33)によって常に塞がれている。
実施例1の2
図2において、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間部にて、パネル(1)の下端部に該隙間を塞ぐ多数枚の縦長矩形の遮音板(34)が配置されている。これらの遮音板(33)には垂直方向に長い長孔(47)がそれぞれ開けられ、長孔(47)を通りパネル(1)を貫通するボルト(48)とナット(49)によって、遮音板(34)は上下設置位置調節可能となされている。この構造によって、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間が変動しても該隙間は遮音板(34)によって常に塞がれている。
実施例2
図3において、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間部にて、パネル(1)の下端部に下方開口状の空洞部(36)が形成されている。空洞部(36)内にはブロック状の隙間隠し片(37)が配置され、その下端部が空洞部(36)から下方に突出して道床(32)に受けられている。こうして隙間隠し片(37)は空洞部(36)内にて上下動自在となされている。この構造によって、パネル(1)の下端部と道床(32)の隙間が変動しても該隙間は隙間隠し片(37)によって常に塞がれている。
【0017】
図4において、隙間隠し片(37)は上下開口角筒状である。その他の点は図3の構成と同じである。
【符号の説明】
【0018】
(1)(2) パネル
(32) 道床
(33)(34) 遮音板
(36) 空洞部
(37) 隙間隠し片
図1
図2
図3
図4
図5
図6