(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記割り当て情報は、少なくとも、制御対象の前記出力ポートに接続される前記複数の光源のうち、互いに連携した状態で制御される1グループに含まれる光源の数を特定する情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明制御装置。
複数の前記出力ポートに共通の光源が割り当てられている状態で、前記主制御部が前記共通の光源を制御対象とする前記イベント情報を送信する場合には、前記光源に割り当てられた前記複数の出力ポートのうち、いずれか1つの出力ポートを指定する情報を含むイベント情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0025】
<システムの構成例>
本発明の実施形態における照明制御装置100の構成例を
図1に示す。
図1に示した照明制御装置100は、乗用車等の車両に搭載され、車室内の各種照明を制御するために利用される。
【0026】
この照明制御装置100は、車両上に搭載される多数の光源をそれぞれ制御する必要があるので、主要な制御要素として、1つのマスタECU(電子制御ユニット)10と5つのスレーブECU20(1)〜20(5)とを備えている。
【0027】
実際には、マスタECU10とスレーブECU20(1)〜20(5)との間はワイヤハーネスWHで接続されている。また、このワイヤハーネスWHの下流側の各端部にコネクタEC1〜EC5が配置され、コネクタEC1〜EC5の各々にスレーブECU20(1)〜20(5)の電子回路が内蔵されている。
【0028】
ワイヤハーネスWHは、電源線、アース線、および通信線を備えている。したがって、マスタECU10とスレーブECU20(1)〜20(5)の各々との間では、ワイヤハーネスWHの通信線を利用してデータ通信を行うことができる。
【0029】
本実施形態では、マスタECU10とスレーブECU20(1)〜20(5)の各々との間のデータ通信を、一般的な通信と比べて低速の通信回線を用いて実行するように構成してある。データ通信の伝送速度を低速化することにより、外部から到来するノイズの影響を受けにくくなり動作の信頼性が向上する。また、装置コストの低減も可能になる。
【0030】
但し、データ通信の伝送速度を低速化すると、データの伝送に時間がかかるため、伝送するデータ量が多い場合には制御の遅延が生じる可能性がある。本実施形態では、伝送するデータ量を減らすために後述するように制御の内容に特別な工夫を施してある。
【0031】
図1に示した構成においては、スレーブECU20(1)の出力に光源部30(1)を接続し、スレーブECU20(2)の出力に光源部30(2)を接続し、スレーブECU20(3)の出力に光源部30(3)を接続し、スレーブECU20(4)の出力に光源部30(4)を接続し、スレーブECU20(5)の出力に光源部30(5)を接続してある。
【0032】
実際には、スレーブECU20(1)〜20(5)の各々の出力に、6本の独立した出力ポートが備わっている。したがって、6本の出力ポートで制御可能な負荷であれば、様々な種類の光源をスレーブECU20(1)〜20(5)の各々に接続することが可能である。
【0033】
図1に示した構成においては、スレーブECU20(1)の出力に接続した光源部30(1)が、6個の独立した単色のLEDデバイスである場合を想定している。また、スレーブECU20(2)の出力に接続した光源部30(2)が、3色(R、G、B)の発光素子を内蔵した1個のカラーLEDデバイスと、3個の独立した単色のLEDデバイスとで構成される場合を想定している。
【0034】
また、スレーブECU20(3)の出力に接続した光源部30(3)が、3色(R、G、B)の発光素子を内蔵した1個のカラーLEDデバイスと、2色の発光素子を内蔵した1個のカラーLEDデバイスと、1個の独立した単色のLEDデバイスとで構成される場合を想定している。また、スレーブECU20(4)の出力に接続した光源部30(4)は、それぞれが2色の発光素子を内蔵した3個のカラーLEDデバイスで構成される場合を想定している。また、スレーブECU20(5)の出力に接続した光源部30(5)が、パターン演出用に利用される5個1組のLEDデバイスと、1個の独立した単色のLEDデバイスとで構成される場合を想定している。
【0035】
図1に示したマスタECU10は、ユーザ(運転者等)が操作可能な車両上の各種スイッチや、様々な状態を検出する各種センサの状態を監視したり、図示しない上位ECUからから入力される情報に基づいて、光源部30(1)〜30(5)に含まれる各光源を制御すべきか否かを識別する。そして、各光源の制御に必要なデータをマスタECU10が各スレーブECU20に送信する。
【0036】
図1に示したように、各スレーブECU20の出力には様々な種類の光源部30が接続される可能性がある。したがって、各スレーブECU20は実際にその配下に接続された光源部30の種類や構成に合わせて適切な制御を実施する必要がある。しかし、実際に接続された光源部30の種類や構成に合わせて各々のスレーブECU20の内部構成や制御の内容を変更すると、スレーブECU20のハードウェアやソフトウェアの種類数や品番が増えることになり、コスト高になるのは避けられない。
【0037】
一方、各スレーブECU20の配下に接続された光源部30の種類や構成に合わせた制御内容の変更をマスタECU10側で実施する場合には、複数のスレーブECU20(1)〜20(5)の構成および制御の内容を共通化できるので、スレーブECU20のコストを低減できる。
【0038】
しかし、各スレーブECU20の配下に接続された光源部30の種類や構成に適合する詳細な制御のほとんどをマスタECU10側で実施する場合には、制御内容を変更する毎に、情報量の大きいデータをマスタECU10からスレーブECU20に送信しなければならない。
【0039】
例えば、各スレーブECU20の1つの出力ポートに接続される1つの光源あたり、1バイト(8ビット)のデータを必要とする制御を実施する場合には、スレーブECU20毎の出力ポート数が6、マスタECU10に接続されるスレーブECU20の数の最大値が7の場合(
図1の構成では「5」)を想定すると、全体で42バイト(6×7)のデータが必要になる。また、例えば照明の点灯/消灯のためのフェードイン/フェードアウトの滑らかな調光制御を、例えば0.1秒毎に繰り返し行うことを想定すると、0.1秒毎に42バイトのデータを、マスタECU10から各スレーブECU20に繰り返し送信しなければならない。しかし、マスタECU10と各スレーブECU20との間の通信回線の伝送速度が低速である場合には、42バイトのデータを短時間で送ることができない。
【0040】
そこで、本実施形態では伝送する情報量を減らすために、マスタECU10が特別なデータを送信する。すなわち、マスタECU10は、複数のスレーブECU20の各々の出力ポートに対する光源の割り当て状態を表す「割り当て情報」と、前記光源の点灯形態を指定する「イベント情報」とをそれぞれ送信する。各スレーブECU20は、マスタECU10から受け取った前記割り当て情報およびイベント情報をそれぞれ解読し、実際に接続された光源部30の構成に合わせた適切な制御を実施する。
【0041】
したがって、
図1に示した5つのスレーブECU20(1)〜20(5)は全て共通のハードウェア構成を有し、各々が搭載するソフトウェアの内容も共通になっている。また、スレーブECU20(1)〜20(5)の各々は、その配下に実際に接続されている光源部30(1)〜30(5)の構成や各出力ポートとの接続状態を把握していないが、マスタECU10から受信した前記割り当て情報に基づいて適切な制御を行うことができる。
【0042】
<細部の構成の説明>
図1に示した照明制御装置100の一部分についての詳細な構成を
図2に示す。すなわち、
図1に示した照明制御装置100のうち、3番目のスレーブECU20(3)、および光源部30(3)の詳細が
図2に示されている。
【0043】
図2に示した光源部30(3)は、3個のLEDデバイス31、32、および33により構成されている。LEDデバイス31は、R(赤色)、G(緑色)、およびB(青色)の波長でそれぞれ発光する3個のLED素子を内蔵している。つまり、LEDデバイス31はフルカラーLEDデバイスである。LEDデバイス32は、それぞれ異なる波長で発光する2個のLED素子を内蔵している。LEDデバイス33は単色の1個のLED素子で構成されている。
【0044】
図2に示す構成においては、光源部30(3)はサブハーネス27を経由してスレーブECU20(3)の出力側の出力コネクタ26と接続されている。サブハーネス27には7本の電線27a、27b、27c、27d、27e、27f、および27gが含まれている。
【0045】
サブハーネス27の1番目の電線27aは、一端がLEDデバイス31内の1番目のLED素子のカソード(負極)と接続され、他端が出力コネクタ26の1番目の端子26aと接続されている。また、サブハーネス27の2番目の電線27bは、一端がLEDデバイス31内の2番目のLED素子のカソードと接続され、他端が出力コネクタ26の2番目の端子26bと接続されている。サブハーネス27の3番目の電線27cは、一端がLEDデバイス31内の3番目のLED素子のカソードと接続され、他端が出力コネクタ26の3番目の端子26cと接続されている。
【0046】
また、サブハーネス27の4番目の電線27dは、一端がLEDデバイス32内の1番目のLED素子のカソードと接続され、他端が出力コネクタ26の4番目の端子26dと接続されている。サブハーネス27の5番目の電線27eは、一端がLEDデバイス32内の2番目のLED素子のカソードと接続され、他端が出力コネクタ26の5番目の端子26eと接続されている。
【0047】
また、サブハーネス27の6番目の電線27fは、一端がLEDデバイス33内のLED素子のカソードと接続され、他端が出力コネクタ26の6番目の端子26fと接続されている。また、サブハーネス27の7番目の電線27gは、一端が各LEDデバイス31、32、33内の全てのLED素子のアノード(正極)と共通に接続され、他端が出力コネクタ26の7番目の端子26gと接続されている。
【0048】
図2に示すように、スレーブECU20(3)の内部には、制御回路21、LEDドライバ22、通信インタフェース23、割り当て情報解読用参照テーブル24、およびイベント情報解読用参照テーブル25が備わっている。
【0049】
制御回路21は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、予め組み込まれたプログラムに従って、スレーブECU20に必要とされる所定の制御を実施する。例えば、通信インタフェース23およびワイヤハーネスWHの通信線を経由して、マスタECU10との間で双方向のデータ通信を実施する。また、マスタECU10から送信される「割り当て情報」および「イベント情報」のデータに基づいて、出力コネクタ26の配下に接続された光源部30(3)の各光源を制御する。
【0050】
スレーブECU20がマスタECU10から受信する前記「割り当て情報」および「イベント情報」は、事前に定義された特別な型式のデータである。したがって、制御回路21はスレーブECU20内に備わっている割り当て情報解読用参照テーブル24の内容を参照して前記「割り当て情報」の内容を解読し、イベント情報解読用参照テーブル25の内容を参照して前記「イベント情報」の内容を解読する。
【0051】
図2に示した制御回路21の出力には、6本の出力ポートPo1、Po2、Po3、Po4、Po5、およびPo6が備わっている。したがって、これらの出力ポートPo1〜Po6を個別に制御することにより、6個の負荷をそれぞれ制御できる。
【0052】
図2に示した構成においては、制御回路21の出力ポートPo1〜Po6がLEDドライバ22の6個の制御入力とそれぞれ接続されており、LEDドライバ22の6個の出力が出力コネクタ26の端子26a〜26fとそれぞれ接続されている。また、出力コネクタ26の端子26gは所定の直流電圧Vbを供給する電源ラインと接続されている。
【0053】
LEDドライバ22は、6個のスイッチング素子(例えばトランジスタ)Q1〜Q6、および電流制限用の抵抗器R1〜R6を備えている。スイッチング素子Q1〜Q6のオンオフを切り替えることにより、出力コネクタ26の各端子26a〜26fを低電位に引き込むか否かを制御できる。
【0054】
例えば、制御回路21の出力ポートPo1が高電位になると、スイッチング素子Q1がオンになり、出力コネクタ26の端子26aが低電位に引き込まれ、LEDデバイス31の1番目(
図2において最も左)のLED素子が通電状態になり発光する。また、出力ポートPo1が低電位になると、スイッチング素子Q1がオフになり、LEDデバイス31の1番目のLED素子のカソードが開放されて通電が停止し、発光も停止する。
【0055】
また、高電位と低電位とがパルス状に繰り返すような制御信号を制御回路21が出力ポートPo1に出力することにより、LEDデバイス31の1番目のLED素子の通電/非通電が周期的に切り替わり、発光量の平均値が調整される。つまり、制御信号のパルスのデューティを調整することで光量を調節できる。
【0056】
上記と同様に、制御回路21が出力ポートPo2に出力する制御信号によって、スイッチング素子Q2のオンオフが切り替わり、LEDデバイス31の2番目のLED素子の通電/非通電が制御される。また、出力ポートPo3に出力する制御信号によって、スイッチング素子Q3のオンオフが切り替わり、LEDデバイス31の3番目のLED素子の通電/非通電が制御される。
【0057】
また、制御回路21が出力ポートPo4に出力する制御信号によって、スイッチング素子Q4のオンオフが切り替わり、LEDデバイス32の1番目のLED素子の通電/非通電が制御される。また、出力ポートPo5に出力する制御信号によって、スイッチング素子Q5のオンオフが切り替わり、LEDデバイス32の1番目のLED素子の通電/非通電が制御される。また、制御回路21が出力ポートPo6に出力する制御信号によって、スイッチング素子Q6のオンオフが切り替わり、LEDデバイス33のLED素子の通電/非通電が制御される。
【0058】
図2に示す構成においては、LEDデバイス31がR、G、B色の3色のLED素子を内蔵したデバイスであるので、これら3色のLED素子の通電状態の組み合わせを制御することにより、照明光の色度も調整できる。つまり、制御回路21が3つの出力ポートPo1、Po2、およびPo3に出力する制御信号の組み合わせにより色度を制御できる。
【0059】
同様に、LEDデバイス32が2色のLED素子を内蔵したデバイスであるので、これら2色のLED素子の通電状態の組み合わせを制御することにより、照明光の色度も調整できる。つまり、制御回路21が2つの出力ポートPo4およびPo5に出力する制御信号の組み合わせにより色度を制御できる。
【0060】
但し、制御回路21は各出力ポートPo1〜Po6の配下にどのようなLEDデバイスが接続されているのかを把握できるわけではなく、事前に定められた全スレーブECUに共通の制御アルゴリズムに従って制御を実施する。本実施形態では、各出力ポートPo1〜Po6とその配下に接続されている各LED素子の種類や色との対応関係は、マスタECU10が送信する「割り当て情報」により特定することができる。つまり、制御回路21はマスタECU10から受信したデータに従って各出力ポートPo1〜Po6に制御信号を出力し、配下に接続された各LED素子の通電を制御する。
【0061】
図1に示されている他のスレーブECU20(1)、20(2)、20(4)、および20(5)のそれぞれについても、
図2に示したスレーブECU20(3)と同様の構成を有している。但し、スレーブECU20(1)、20(2)、20(4)、および20(5)の配下に接続された光源部30(1)、30(2)、30(4)、および30(5)の構成は、
図2の光源部30(3)とは異なっている。
【0062】
<送信データの概要>
マスタECU10が各スレーブECU20に送信するデータの概要を
図3(A)、
図3(B)に示す。
図3(A)は「割り当て情報」の構成を示し、
図3(B)は「イベント情報」の構成を示す。
【0063】
本実施形態では、マスタECU10は様々なイベントの発生とは無関係に、一定の周期で「割り当て情報」を繰り返しスレーブECU20に送信する。この「割り当て情報」は、
図3(A)に示すように割り当てパターンを示す1バイト(byte)長のデータDA1と、それに続く3バイト長のデータDA2とで構成される。
【0064】
また、マスタECU10は対象となる照明を制御すべきイベントが発生すると、その直後のタイミングで「イベント情報」を該当するスレーブECU20に対して送信する。この「イベント情報」には、複数の種類があり、
図3(B)に示すように調光度変更のための「イベント情報」、色変更のための「イベント情報」、パターン演出のための「イベント情報」がある。
【0065】
図3(B)に示すように、調光度変更のための「イベント情報」は、1バイト長の出力指示データDB11と、それに続く6バイト長の対象ポート指定データDB12とで構成されている。また、色変更のための「イベント情報」は、1バイト長の出力指示データDB21と、それに続く3バイト長の対象ポート指定データDB22とで構成されている。パターン演出のための「イベント情報」は、1バイト長の出力指示データDB31と、それに続く1バイト長の対象ポート指定データDB32とで構成されている。
【0066】
したがって、ある光源に対する色変更イベントをマスタECU10が検知した時に、既に必要な「イベント情報」がスレーブECU20に届いていると仮定すれば、マスタECU10は
図3(B)に示す「データDB21+DB22」の4バイトを今回の「イベント情報」として送信するだけで、データ送信が完了する。また、調光度を変更する場合は、
図3(B)に示す「データDB11+DB12」の7バイトを今回の「イベント情報」として送信するだけで、データ送信が完了する。パターン演出を指示する場合は、
図3(B)に示す「データDB31+DB32」の2バイトを今回の「イベント情報」として送信するだけで、データ送信が完了する。
【0067】
したがって、一般的な制御を行う場合のように、全ての出力ポートに対して1バイトのデータを送信する場合のデータ量(42バイト)と比べると大幅に少ないデータ量で制御が実現する。そのため、使用する通信回線のデータ伝送速度が低速であっても、短時間で必要なデータを全て転送することができ、例えばフェードイン/フェードアウトの際の滑らかな調光制御を行うために、短い周期で調光制御を繰り返す場合であっても、制御の遅延が生じるのを防止することが可能である。
【0068】
ところで、
図3(B)に示すように、「イベント情報」を送信する場合には、制御対象の出力ポートをデータDB12、DB22、またはDB32で指定する必要がある。また、例えば
図2に示すLEDデバイス31が制御対象の場合には、制御対象の出力ポートとしてスレーブECU20(3)内の出力ポートPo1、Po2、Po3の3つがある。しかし、マスタECU10は出力ポートPo1、Po2、Po3のそれぞれに接続されたLEDデバイス31が共通のデバイスであることを事前に把握しているし、この関係を表す「割り当て情報」をスレーブECU20に送信しているので、出力ポートPo1、Po2、Po3の各々を指定しなくても制御対象の共通のLEDデバイス31を特定できる。したがって、このような場合は、制御対象の共通のLEDデバイス31に接続された複数の出力ポート(Po1、Po2、Po3)の中のいずれか1つだけをマスタECU10がデータDB12、DB22、またはDB32で指定する。これにより、データDB12、DB22、DB32のデータ長を削減できる。
【0069】
<割り当てパターンの具体例>
マスタECU10が送信する「割り当て情報」におけるパターン番号と割り当て内容との対応関係の具体例を
図4に示す。
図4に示した例では、11個のパターン番号PT01〜PT11のそれぞれに割り当てた11種類の割り当て内容を定義してある。これらの定義の内容は次の通りである。
【0070】
PT01:6本の出力ポートPo1〜Po6のそれぞれに、6個の単色光源M1〜M6が接続されていることを表す。
【0071】
PT02:3本の出力ポートPo1〜Po3に1個の3色カラー光源の3つの発光素子A11、A12、A13が接続され、残りの3本の出力ポートPo4〜Po6のそれぞれに、3個の単色光源M4〜M6が接続されていることを表す。
【0072】
PT03:3本の出力ポートPo1〜Po3に1番目の1個の3色カラー光源の3つの発光素子A11、A12、A13が接続され、他の3本の出力ポートPo4〜Po6に2番目の1個の3色カラー光源の3つの発光素子A24、A25、A26が接続されていることを表す。
【0073】
PT04:3本の出力ポートPo1〜Po3に1個の3色カラー光源の3つの発光素子A11、A12、A13が接続され、他の2本の出力ポートPo4、Po5に1個の2色カラー光源の2つの発光素子B14、B15が接続され、残りの出力ポートPo6に1個の単色光源M6が接続されていることを表す。
【0074】
PT05:2本の出力ポートPo1、Po2に1個の2色カラー光源の2つの発光素子B11、B12が接続され、他の4本の出力ポートPo3〜Po6に4個の単色光源M3〜M6が接続されていることを表す。
【0075】
PT06:2本の出力ポートPo1、Po2に1番目の1個の2色カラー光源の2つの発光素子B11、B12が接続され、他の2本の出力ポートPo3、Po4に2番目の2色カラー光源の2つの発光素子B23、B24が接続され、残りの2本の出力ポートPo5、Po6に2個の単色光源M5、M6が接続されていることを表す。
【0076】
PT07:2本の出力ポートPo1、Po2に1番目の1個の2色カラー光源の2つの発光素子B11、B12が接続され、他の2本の出力ポートPo3、Po4に2番目の2色カラー光源の2つの発光素子B23、B24が接続され、残りの2本の出力ポートPo5、Po6に3番目の2色カラー光源の2つの発光素子B31、B32が接続されていることを表す。
【0077】
PT08:6本の出力ポートPo1〜Po6のそれぞれに、パターン演出用の6個の(単色)光源C1〜C6が接続されていることを表す。これらの6個の光源C1〜C6の全体が、1組として一括して制御できるようにグループ化されている。
【0078】
PT09:5本の出力ポートPo1〜Po5のそれぞれに、パターン演出用のグループ化された5個の光源C1〜C5が接続され、残りの1本の出力ポートPo6に1個の単色光源M6が接続されていることを表す。
【0079】
PT10:4本の出力ポートPo1〜Po4のそれぞれに、パターン演出用のグループ化された4個の光源C1〜C4が接続され、残りの2本の出力ポートPo5、Po6に2個の単色光源M5、M6がそれぞれ接続されていることを表す。
【0080】
PT11:4本の出力ポートPo1〜Po4のそれぞれに、パターン演出用のグループ化された4個の光源C1〜C4が接続され、残りの2本の出力ポートPo5、Po6に1個の2色カラー光源の2つの発光素子B15、B16が接続されていることを表す。
【0081】
例えば、
図1に示した照明制御装置100において、1番目のスレーブECU20(1)の出力に接続された光源部30(1)は6個の独立した単色LEDデバイスにより構成されているので、上記のパターン番号PT01の割り当て内容に該当する。
【0082】
また、2番目のスレーブECU20(2)の出力に接続された光源部30(2)は1個の3色カラーLEDデバイスと、3個の独立した単色LEDデバイスにより構成されているので、上記のパターン番号PT02の割り当て内容に該当する。
【0083】
また、3番目のスレーブECU20(3)の出力に接続された光源部30(3)は1個の3色カラーLEDデバイスと、1個の2色カラーLEDデバイスと、1個の単色LEDデバイスにより構成されているので、上記のパターン番号PT03の割り当て内容に該当する。
【0084】
また、4番目のスレーブECU20(4)の出力に接続された光源部30(4)は3個の2色カラーLEDデバイスにより構成されているので、上記のパターン番号PT07の割り当て内容に該当する。
【0085】
また、5番目のスレーブECU20(5)の出力に接続された光源部30(5)はパターン演出用の1組のLEDデバイス(5個の発光素子を含む)と、1個の独立したLEDデバイスとで構成されているので、上記のパターン番号PT09の割り当て内容に該当する。
【0086】
なお、
図4に示した例では11種類のパターンを定義しているが、必要に応じてパターンの種類を更に増やすこともできる。パターン番号を4ビットで表現する場合には、最大で16種類のパターンを表現できる。ビット数を増やせば更に種類を増やすこともできる。
【0087】
マスタECU10は、各スレーブECU20(1)〜20(5)の配下に実際に接続されている光源部30(1)〜30(5)の構成および各出力ポートとの対応関係を事前に把握しており、
図4に示したような定義の内容も把握している。そして、マスタECU10は各スレーブECU20(1)〜20(5)の各出力ポートと、実際に接続されている光源部30(1)〜30(5)の構成との対応関係を表すパターン番号の情報を、
図4に示した定義に従って特定し、このパターン番号(PT01〜PT11のいずれか)の情報(4ビット)を、
図3(A)に示した「割り当て情報」の割り当てパターンのデータDA1として該当するスレーブECU20に送信する。
【0088】
例えば、
図1に示した構成の照明制御装置100においては、マスタECU10は、5つのスレーブECU20(1)、20(2)、20(3)、20(4)、および20(5)のそれぞれに対して、パターン番号PT01、PT02、PT03、PT07、およびPT09を含む「割り当て情報」を送信する。
【0089】
したがって、例えばスレーブECU20(1)は、マスタECU10から受信した「割り当て情報」に含まれるパターン番号PT01に基づき、スレーブECU20(1)の出力ポートPo1〜Po6に接続されている光源部30(1)の構成と、マスタECU10が送信するイベント情報とを対応付けることができる。
【0090】
同様に、スレーブECU20(2)〜20(5)のそれぞれは、マスタECU10から受信した「割り当て情報」に含まれるパターン番号PT02、PT03、PT07、およびPT09に基づき、各スレーブECUの出力ポートPo1〜Po6に接続されている光源部30(2)〜30(5)の構成と、マスタECU10が送信するイベント情報とを対応付けることができる。
【0091】
各スレーブECU20に備わっている割り当て情報解読用参照テーブル24(
図2参照)は、
図4に示した各パターン番号から対応する割り当て内容を解読するために必要なデータを保持している。したがって、各スレーブECU20は、受信したパターン番号に基づき、出力ポートPo1〜Po6の配下に実際に接続されている光源部30の各発光素子の構成に合わせて適切な制御を実施することができる。
【0092】
<装置の動作>
<マスタECU10の動作>
マスタECU10の動作の概要を
図5に示す。
図5に示したマスタECU10の動作について以下に説明する。
【0093】
各スレーブECU20が「割り当て情報」を確実に把握できるように、マスタECU10は最初に各スレーブECU20に対して「割り当て情報」を送信する(S11)。つまり、
図3(A)に示したような割り当て情報(DA1+DA2)をマスタECU10が送信する。
【0094】
マスタECU10は、図示しないセンサやスイッチの状態を常時監視して、照明の制御に関する状況の変化を把握する(S12)。
【0095】
マスタECU10は、ステップS12の監視結果に基づき、照明制御イベントの有無を識別する(S13)。例えば、各光源の点灯/消灯、調光のフェードイン/フェードアウト、照明色の変更、演出パターン変更などのイベントを識別する。そして、イベント発生を検知するとS13からS14に進み、イベント発生を検知しない時にはS16に進む。
【0096】
マスタECU10は、イベント発生を検知すると、そのイベントの種類に応じた制御内容を示す「イベント情報」を生成する(S14)。つまり、
図3(B)に示したデータDB11+DB12、データDB21+DB22、データDB31+DB32のような「イベント情報」をその時の状況に合わせて生成する。
【0097】
マスタECU10は、ステップS14で生成した「イベント情報」を対応するスレーブECU20に対して送信する(S15)。
【0098】
また、一定時間が経過する毎に、マスタECU10は「割り当て情報」を各スレーブECU20に対して送信する(S16、S17)。したがって、例えば装置の仕様の変更などに伴って各スレーブECU20に接続される光源部30(1)〜30(5)の構成や種類などが変更された場合であっても、マスタECU10の送信する「割り当て情報」を変更するだけで、各スレーブECU20は適切な最新の「割り当て情報」を把握できる。
【0099】
<スレーブECU20の動作>
スレーブECU20の動作の概要を
図6に示す。
図6に示したスレーブECU20の動作について以下に説明する。
【0100】
スレーブECU20は、マスタECU10から送信されたデータを受信すると(S21)、受信したデータの種類を識別する(S22、S24)。そして、「割り当て情報」を受信した時にはステップS23に進み、「イベント情報」を受信した時にはS25に進む。
【0101】
スレーブECU20は、「割り当て情報」を受信すると、割り当て情報解読用参照テーブル24の内容に基づいて受信した「割り当て情報」の内容を解読し、出力ポートPo1〜Po6にそれぞれ接続された光源部30の割り当て状態を把握する(S23)。
【0102】
スレーブECU20は、「イベント情報」を受信すると、イベント情報解読用参照テーブル25の内容に基づいて受信した「イベント情報」の内容を解読する(S25)。例えば、
図3(B)に示したデータDB11+DB12の「イベント情報」を受信した時には、イベント情報解読用参照テーブル25の内容に基づき、データDB11が調光度の変更を指示する命令であることを認識すると共に、データDB12の内容から制御対象の出力ポートを特定することができる。
【0103】
そして、スレーブECU20は受信した「イベント情報」の内容と、ステップS23の結果として把握している各出力ポートPo1〜Po6の割り当て状態とに基づき、制御対象の光源の制御を実行する(S26)。
【0104】
<制御仕様の細部の具体例>
<メッセージID>
マスタECU10が指定するスレーブECUを表すメッセージIDの構成例を
図7に示す。
【0105】
本実施形態では照明制御装置100に最大で7つのスレーブECU20を接続可能な状況を想定している。そして、
図7に示すように「メッセージID」は各スレーブECU20に対応する7ビットのデータにより構成されている。つまり、「メッセージID」の中の最下位ビットが1番目のスレーブECU20(1)に対応し、下から2番目のビットが2番目のスレーブECU20(2)に対応し、下から3番目のビットが3番目のスレーブECU20(3)に対応する。このようにして7つのスレーブECU20の各々を「メッセージID」で特定できる。
【0106】
<割り当て情報の構成の具体例>
「割り当て情報」として定期的に送信するデータの具体的な構成例を
図8に示す。すなわち、
図3(A)に示した「割り当て情報」のより詳細な内容(パターンPT02の場合)が
図8に示されている。
【0107】
図8に示すように、「割り当て情報」の一部分である8ビットデータDA1の上位4ビットが、割り当てパターンのパターン番号(
図4中のPT01〜PT11のいずれか)を表している。
【0108】
また、「割り当て情報」のデータDA2は、8ビットデータDA2aと、8ビットデータDA2bと、8ビットデータDA2cとで構成されている。1番目の8ビットデータDA2aは、光源部30(2)に含まれる1個の3色カラー光源を制御するためのデータを表し、上位4ビットは出力ポートPo1〜Po3の調光度、下位4ビットは出力ポートPo1〜Po3の色番号を表す。
【0109】
2番目の8ビットデータDA2bは、下位の4ビットが4番目の出力ポートPo4に接続される単色光源の調光度を表す。3番目の8ビットデータDA2cは、上位の4ビットが5番目の出力ポートPo5に接続される単色光源の調光度を表し、下位の4ビットが6番目の出力ポートPo6に接続される単色光源の調光度を表す。
【0110】
<イベント情報の構成の具体例>
<命令の種類>
「イベント情報」として送信するデータに含まれる命令の一覧を
図9に示す。本実施形態では、
図9に示すように5種類の命令がある。すなわち、4ビットで表現される「0001」の命令は「調光度設定&実行」を表し、4ビットで表現される「0010」の命令は「色番号指定」を表し、4ビットで表現される「0011」の命令は「色フェード指示&色替え実行」を表し、4ビットで表現される「0100」の命令は「パターン演出設定&実行」を表し、4ビットで表現される「0101」の命令は「色補正」を表す。
【0111】
<各命令のイベント情報の構成>
「イベント情報」として送信するデータの具体例を
図10(A)、
図10(B)、
図10(C)、および
図10(D)に示す。
図10(A)は調光命令の場合、
図10(B)は色指定命令の場合、
図10(C)は色フェード指定命令の場合、
図10(D)はパターン演出命令の場合をそれぞれ示す。
【0112】
図10(A)に示した調光命令の「イベント情報」は、1バイト(8ビット)のデータDB11と、それに続く7バイトのデータDB12とで構成されている。データDB11は、上位4ビットが調光命令「0001」を表し、下位4ビットが調光度指定を表す。7バイトのデータDB12は、最初の4ビットが出力指示を表し、続く2ビットがオプションとして使用され、これに続く42ビットが出力ポートの指定を表している。
【0113】
つまり、照明制御装置100に接続可能なスレーブECU20の数の最大値が7であり、各スレーブECU20に6個の出力ポートPo1〜Po6がそれぞれ存在するので、全体の出力ポート数の最大値は42である。データDB12中の42ビットのそれぞれを、42個の出力ポートの各々を指定するために利用できる。したがって、マスタECU10は42個の各々の出力ポートに接続された光源の各々を指定して調光の命令を含む「イベント情報」を送信できる。
【0114】
図10(B)に示した色指定命令の「イベント情報」は、1バイトのデータDB21と、それに続く3バイトのデータDB22とで構成されている。データDB21は、上位4ビットが色指定命令「0010」を表し、下位4ビットが色番号指定を表す。3バイトのデータDB22は、最初の3ビットがオプションとして使用され、これに続く21ビットが出力ポートの指定を表している。
【0115】
色指定命令の制御対象となる光源は、3色カラーLEDデバイスや2色カラーLEDデバイスの場合である。このようなデバイスは、
図2に示したLEDデバイス31のように、互いに隣接する複数の出力ポート(Po1〜Po3)に接続された複数の発光素子の組み合わせとして構成されている。つまり、出力ポートPo1を制御対象とする命令、出力ポートPo2を制御対象とする命令、出力ポートPo3を制御対象とする命令のいずれも共通の1つのLEDデバイス31が実際の制御対象となる。
【0116】
したがって、例えば3つの出力ポートPo1〜Po3に共通のLEDデバイス31が接続されていることを把握している場合には、出力ポートPo1〜Po3のそれぞれを指定しなくても、制御対象のLEDデバイス31を特定できる。したがって、このような場合は、制御対象となるLEDデバイス31が接続されている出力ポートPo1〜Po3のいずれか1つ(例えば先頭)だけをマスタECU10が指定する。これにより、データDB22のビット数を減らすことができる。
【0117】
色指定命令を送信する場合の制御対象のカラー光源は、それぞれが2つまたは3つの出力ポートを使うので、出力ポート数の最大値が42であっても、データDB22のように21ビットのデータだけで該当する出力ポートの指定が可能である。
【0118】
図10(C)に示した色フェード指定&実行命令の「イベント情報」は、1バイトのデータDB41と、それに続く3バイトのデータDB42とで構成されている。データDB41は、上位4ビットが色フェード指定&実行命令「0011」を表し、下位4ビットがカラーフェード指定を表す。3バイトのデータDB42は、最初の3ビットがオプションとして使用され、これに続く21ビットが出力ポートの指定を表している。データDB41中のカラーフェード指定は、1番目の指定色から2番目の指定色までの間で滑らかに色を変化させるために必要な色の指定を行う。
【0119】
図10(D)に示したパターン演出指定&実行命令の「イベント情報」は、1バイトのデータDB31と、それに続く1バイトのデータDB32とで構成されている。データDB31は、上位4ビットがパターン演出指定&実行命令「0100」を表し、下位4ビットが「流れる演出パターン」指定を表す。1バイトのデータDB32は、最初の1ビットがオプションとして使用され、これに続く71ビットが出力ポートの指定を表している。
【0120】
パターン演出指定&実行命令の制御対象は、
図1に示した光源部30(5)のように、一括して制御できるようにグループ化された複数のLED素子の組み合わせであり、互いに隣接する複数の出力ポートに接続されている。したがって、上記のカラーLEDデバイスを制御する場合と同様に、グループに含まれるLED素子が接続されている全ての出力ポートを指定する必要はない。一括して制御するグループに含めるLED素子の数は必要に応じて増減できるが、各々のスレーブECU20に接続可能な光源の一括制御グループを最大で1つのみに限定する場合を想定すると、出力ポートの指定は不要になる。つまり、制御対象の1つのスレーブECU20を特定するだけで、制御対象の一括制御グループを特定できる。
【0121】
図10(D)に示したデータDB32の下位7ビットは、パターン演出指定のための1つの一括制御グループを指定するデータであり、最大で7つのスレーブECU20の各々をそれぞれ1ビットに対応付けて指定できるように構成してある。
【0122】
<通信に用いる信号の具体例>
マスタECU10とスレーブECU20との間の通信に用いる信号の具体例を
図11(A)および
図11(B)に示す。
図11(A)は各信号の定義を表し、
図11(B)は各信号の内容を表す。ここでは、車両用の標準通信規格のCXPI(Clock Extension Peripheral Interface)に準拠する型式の信号を用いている。
【0123】
図11(A)に示すように、マスタECU10が各スレーブECU20に送信する信号には、「出力ポートの割り当てパターン」、「点灯消灯調光指示信号」、「調光度フェードイン/フェードアウト指示信号」、「色番号の指定信号」、「色替えフェード指示信号」、「色補正値指示信号」、「パターン演出の指定信号」、および「フェードウエイトフラグ」の8種類がある。また、各スレーブECU20がマスタECU10に送信する信号には、スイッチオン(SW_ON)確定信号と、出力完了フラグとがある。
【0124】
図11(B)に示すように、「出力ポートの割り当てパターン」は11種類、「点灯消灯調光指示信号」は16種類、「調光度フェードイン/フェードアウト指示信号」は16種類、「色番号の指定信号」は16種類、「色替えフェード指示信号」は16種類、「色補正値指示信号」は4種類、「パターン演出の指定信号」は16種類、それぞれ存在するように定義されている。
【0125】
<照明制御装置100の利点>
図3(A)および
図3(B)に示したように、マスタECU10は「割り当て情報」と、「イベント情報」とを各スレーブECU20に送信するので、出力ポートPo1〜Po6の配下に接続された光源部30の構成や接続状態を把握できないスレーブECU20を用いる場合であっても、少ない情報の送信だけで適切な照明制御を行うことが可能になる。
【0126】
特に、割り当てパターンを、イベント情報とは異なるタイミングで定期的に送信することにより、実際の制御を行う際にはイベント情報を送信するだけでよく、短時間でデータ送信を完了できる。このため、短い周期で制御の内容を更新し、滑らかな調光制御や滑らかな色調整を行うことも可能になる。
【0127】
例えば、
図3(B)に示したように、調光度変更を行う場合のイベント情報はデータDB11+DB12の7バイトであり、一般的な制御における42バイトのデータと比べてデータ量が大幅に削減されている。また、色変更の場合のイベント情報はデータDB21+DB22の4バイトであり、パターン演出の場合のイベント情報はデータDB31+DB32の2バイトのみである。
【0128】
また、各スレーブECU20が出力ポートPo1〜Po6の配下に接続された光源部30の構成や接続状態を把握する必要がないので、スレーブECU20のハードウェア構成およびソフトウェアの共通化が可能になり、システム全体の装置コストの低減が可能になる。
【0129】
ここで、上述した本発明に係る照明制御装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両に搭載された複数の光源(光源部30)を制御するための照明制御装置であって、
それぞれが前記光源の通電を制御するための複数の出力ポート(Po1〜Po6)を有する、複数の副制御部(スレーブECU20(1)〜20(5))と、
所定の通信用伝送路を介して前記複数の副制御部とそれぞれ接続され、前記複数の副制御部を介して前記複数の光源を制御する主制御部(マスタECU10)と、を備え、
前記複数の副制御部の各々は、前記主制御部から入力された信号に応じて前記光源の点灯形態を制御し(S26)、
前記主制御部は、前記複数の副制御部の各々の出力ポートに対する前記光源の割り当て状態を表す割り当て情報(DA1+DA2)と、前記光源の点灯形態を指定するイベント情報(DB11+DB12)とをそれぞれ前記複数の副制御部の各々に送信し、
前記副制御部は、前記割り当て情報に応じて前記出力ポートに対応する前記光源の割り当て状態を特定し(S23)、前記光源の点灯形態を制御する、
ことを特徴とする照明制御装置。
【0130】
[2] 前記割り当て情報は、少なくとも、制御対象の前記出力ポートに接続される前記光源に含まれる発光素子の色数を特定する情報(
図4中のAn、Bn)を含む、
ことを特徴とする上記[1]に記載の照明制御装置。
【0131】
[3] 前記割り当て情報は、少なくとも、制御対象の前記出力ポートに接続される前記複数の光源のうち、互いに連携した状態で制御される1グループに含まれる光源の数を特定する情報(
図4中のCn)を含む、
ことを特徴とする上記[1]に記載の照明制御装置。
【0132】
[4] 複数の前記出力ポートに共通の光源が割り当てられている状態で、前記主制御部が前記共通の光源を制御対象とする前記イベント情報を送信する場合には、前記光源に割り当てられた前記複数の出力ポートのうち、いずれか1つの出力ポートを指定する情報(DB22、DB32、DB42)を含むイベント情報を送信する、
ことを特徴とする上記[1]に記載の照明制御装置。
【0133】
[5] 前記主制御部は、前記割り当て情報を所定の時間間隔で定期的に送信する(S16、S17)、
ことを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の照明制御装置。