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特許6228979有機発光化合物及びこれを用いた有機電界発光素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228979
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】有機発光化合物及びこれを用いた有機電界発光素子
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20171030BHJP
   C07D 471/14 20060101ALI20171030BHJP
   C07D 471/22 20060101ALI20171030BHJP
   C07D 495/14 20060101ALI20171030BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20171030BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   C07D471/04 102
   C07D471/14 101
   C07D471/22CSP
   C07D495/14 D
   H05B33/14 B
   H05B33/22 D
   C09K11/06 690
【請求項の数】7
【全頁数】65
(21)【出願番号】特願2015-526456(P2015-526456)
(86)(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公表番号】特表2015-531758(P2015-531758A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】KR2013002526
(87)【国際公開番号】WO2014025114
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2015年4月3日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0087997
(32)【優先日】2012年8月10日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0103937
(32)【優先日】2012年9月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504408236
【氏名又は名称】ドゥーサン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、フェ ムン
(72)【発明者】
【氏名】ペク、ヨン ミ
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ホ チョル
(72)【発明者】
【氏名】イ、チャン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ジン ヨン
【審査官】 谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−001513(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/113726(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/107244(WO,A2)
【文献】 特許第5922792(JP,B2)
【文献】 特開2016−040292(JP,A)
【文献】 特許第6022690(JP,B2)
【文献】 PENG,H. et al,Solvent-free synthesis of δ-carbolines/carbazoles from 3-nitro-2-phenylpyridines/2-nitrobiphenyl derivatives using DPPE as a reducing agent,Tetrahedron,2011年 6月16日,Vol.67, No.32,p.5725-5731
【文献】 ZHANG,Y. et al,Synthesis of pyrimido[4,5-b]indoles and benzo[4,5]furo[2,3-d]pyrimidines via palladium-catalyzed intramolecular arylation,Tetrahedron Letters,2002年,Vol.43, No.46,p.8235-8239
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/04
C07D 471/14
C07D 471/22
C07D 495/14
C09K 11/06
H01L 51/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化1で示される化合物:
【化1】
(化1)
式中、
乃至Yは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、N、CRから選択され、
とY、YとY、又はYとYのうちの少なくとも1つは、CRとして、下記化2で示される縮合環を形成し;
【化2】
(化2)
破線は、化1で示される化合物との縮合部位を指し;
乃至Yは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、N、CRから選択され、少なくともY乃至Yのうち1つはNであって、
は、S、または、N(Ar)であり、
は、N(Ar)、または、C(Ar)(Ar)から選択され、ここで、X及びXのうちの少なくとも1つは、N(Ar)であり、
乃至Rは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、水素、および、置換もしくは非置換のC〜C60のアリール基からなる群から選択され、隣接するR同士がそれぞれが結合する炭素原子と一緒になって縮合環を形成し、又は、形成しておらず;
Ar乃至Arは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、C〜C40のアルキル基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリール基、および、核原子数5乃至60のヘテロアリール基からなる群から選択され、
ただし、XまたはXの両方がN(Ar)である場合、複数のAr基の少なくとも1つは核原子数5乃至60のヘテロアリール基であり;
前記C〜C40のアルキル基、C〜C60のアリール基、および、核原子数5乃至60のヘテロアリール基は、それぞれ独立に、C〜C60のアリール基、および、核原子数5乃至60のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の置換基に置換されることができる。
【請求項2】
前記化1で示される化合物は、下記の化3乃至化8のうちのいずれか1つで示されることを特徴とする請求項1に記載の化合物:
【化3】

(化3)
【化4】

(化4)
【化5】

(化5)
【化6】

(化6)
【化7】

(化7)
【化8】

(化8)
式中、X及びX、Y乃至Y、R及びRは、請求項1における定義と同じである。
【請求項3】
前記X及びXは、いずれもN(Ar)であることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記Ar乃至Arは、下記の置換体群から選択されるものであることを特徴とする請求項1に記載の化合物:
【化9】
【請求項5】
(i)陽極、(ii)陰極、及び(iii)前記陽極と陰極との間に介在した1層以上の有機物層を含む有機電界発光素子であって、
前記有機物層のうちの少なくとも1層は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項6】
前記化合物を含む有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、及び発光層からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子。
【請求項7】
前記化合物は、発光層の燐光ホストとして使用されることを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機発光化合物及びこれを用いた有機電界発光素子に関し、より詳しくは、正孔注入及び輸送能、発光能などに優れた新規なインドール(indole)系化合物、並びに、これを1層以上の有機物層に含むことで、発光効率、駆動電圧、寿命などの特性が向上した、有機電界発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
1950年代におけるBernanoseによる有機薄膜発光の観測を始点として、1965年にアントラセン単結晶を用いた青色の電気発光に繋がる有機電界発光(Electroluminescent、EL)素子(以下、「有機EL素子」と略する)に関する研究は、1987年にタング(Tang)らにより、正孔層と発光層との機能層に分けた積層構造の有機EL素子が提示されている。現在、有機EL素子の高効率及び長寿命を図るため、素子内において、それぞれの特徴的な有機物層を導入するかたちで発展し、これに供される、特化された材料の開発が行われている。
【0003】
有機EL素子において両電極の間に電圧をかけると、陽極からは正孔が有機物層に注入され、陰極からは電子が有機物層に注入される。注入された正孔と電子とが結合する時に励起子(exciton)が形成され、この励起子が底状態に遷移する時に発光するようになる。有機物層に使用される材料は、その機能によって、発光物質、正孔注入物質、正孔輸送物質、電子輸送物質、電子注入物質などに分類することができる。
有機EL素子の発光層形成材料は、発光色によって、青色、緑色、赤色の発光物質に区分される。その他、より良好な天然色を具現するための発光材料として、黄色及び橙色の発光材料が使用されている。なお、色純度の増加とエネルギー転移を通じて発光効率を向上させるため、発光材料として、ホスト/ドーパント(dopant)系を使用することが可能である。ドーパント材料としては、有機物質を使用する蛍光ドーパントと、Ir、Ptなどの重原子が含まれた金属錯体化合物を使用する燐光ドーパントとに分類することができる。燐光材料の開発は、理論的に、蛍光に比べて、発光効率を4倍も向上させることができるため、燐光ドーパントだけでなく、燐光ホスト材料についても関心が集まっている。
【0004】
現在、正孔輸送層、正孔遮断層、電子輸送層としては、下記の式で示されるNPB、BCP、Alqなどが広く知られており、発光材料としては、アントラセン誘導体などが、蛍光ドーパント/ホスト材料として報告されている。特に、効率向上の面から見て大きな長所を持っている燐光材料としては、Firpic、Ir(ppy)、(acac)Ir(btp)などのIrを含む金属錯体化合物が、青色、緑色、赤色のドーパント材料として使用されている。現在は、CBPが、燐光ホスト材料として優れた特性を示している。
【化1】



しかし、従来の材料は、発光特性の面では、有利な点があるが、ガラス転移温度が低く、熱的安定性に劣るため、有機EL素子における寿命の面では、満足するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するために案出されたものであって、発光層として使用されることで素子の駆動電圧、発光効率などを向上させることができる、新規なインドール系物質及びこれを用いた有機電界発光素子を提供することを目的としている。
【0006】
なお、本発明の他の技術的課題は、上記で言及した技術的課題に制限されるのではなく、言及していない他の技術的課題については、以下の記載内容から、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の化1で示される化合物を提供する。
【化2】
(化1)
式中、
乃至Yは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、N、CRから選択され、
とY、YとY、又はYとYのうちの少なくとも1つは、CRとして、下記化2で示される縮合環を形成し、
【化3】
(化2)
式中、破線は、化1で示される化合物との縮合部位を指し;
乃至Yは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、N、CRから選択され、
及びXは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、O、S、Se、N(Ar)、C(Ar)(Ar)、及びSi(Ar)(Ar)から選択され、ここで、X及びXのうちの少なくとも1つは、N(Ar)であり、
乃至Rは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のC〜C40のアルキル基、置換もしくは非置換のC〜C40のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の核原子数3乃至40のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリール基、置換もしくは非置換の核原子数5乃至60のヘテロアリール基、置換もしくは非置換のC〜C40のアルキルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のC〜C40のアルキルシリル基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリールシリル基、置換もしくは非置換のC〜C40のアルキルボロン基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリールボロン基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリールホスフィン基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリールホスフィンオキサイド基、及び置換もしくは非置換のC〜C60のアリールアミン基からなる群から選択され、これらは、隣接した基と縮合環を形成し、又は、形成しておらず;
Ar乃至Arは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のC〜C40のアルキル基、置換もしくは非置換のC〜C40のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の核原子数3乃至40のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリール基、置換もしくは非置換の核原子数5乃至60のヘテロアリール基、置換もしくは非置換のC〜C40のアルキルオキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のC〜C40のアルキルシリル基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリールシリル基、置換もしくは非置換のC〜C40のアルキルボロン基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリールボロン基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリールホスフィン基、置換もしくは非置換のC〜C60のアリールホスフィンオキサイド基、及び置換もしくは非置換のC〜C60のアリールアミン基からなる群から選択され、
但し、Y乃至Yは、少なくとも1つ以上のNを含む。
【0008】
また、本発明は、(i)陽極、(ii)陰極、及び(iii)前記陽極と陰極との間に介在した1層以上の有機物層を含む有機EL素子であって、前記有機物層の中の少なくとも1つは、前記化1で示される化合物を1種以上含むことを特徴とする有機EL素子を提供する。
【0009】
ここで、前記化1で示される化合物は、発光層の燐光ホストとして使用されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の化1で示される新規なインドール系化合物は、優れた耐熱性、正孔注入及び輸送能、発光能などを示すことができる。
【0011】
従って、前記化1で示される化合物を正孔注入/輸送層、又は発光層の燐光/蛍光ホスト、ドーパントなどとして含む有機EL素子は、発光性能、駆動電圧、寿命、効率などを大きく向上させることができるため、フルカラーディスプレイパネルなどに効果的に適用することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、従来の有機EL素子用材料[例えば、4,4−dicarbazolybiphenyl(以下、「CBP」と略する)]より高い分子量を有し、かつ、優れた駆動電圧特性及び効率を有する新規なインドール系化合物(indole−based compound)を提供する。
【0013】
本発明に係る前記化1で示される新規なインドール系化合物は、インドール系基本骨格に、縮合炭素環又は縮合ヘテロ環モイエティ、好ましくは、縮合ヘテロ環モイエティが連結され、種々の置換体によりエネルギーレベルが調節されることで、広いバンドギャップ(sky blue〜red)を有する。これにより、素子の燐光特性が改善されると共に、電子及び/又は正孔輸送能力、発光効率、駆動電圧、寿命特性などが改善されるため、発光層だけでなく、種々の置換体の導入で正孔輸送層、電子輸送層、発光ホストなどに応用することができる。特に、インドール系基本骨格により、従来のCBPに比べて、発光ホスト材料としての優れた特性を示すことができる。
【0014】
また、インドール系基本骨格に導入される種々の芳香族環(aromatic ring)置換体により、化合物の分子量が有意に増大することで、ガラス転移温度が向上し、これにより、従来のCBPより高い熱的安定性を有することが可能となる。従って、本発明の化1で示される新規な化合物を含む素子は、耐久性及び寿命特性を大きく向上させることができる。
【0015】
これに加えて、本発明の化1で示される化合物を、有機EL素子の正孔注入/輸送層、青色、緑色及び/又は赤色の燐光ホスト材料又は蛍光ホスト材料として採用する場合、効率及び寿命の面で、CBPより遥かに優れた効果を発揮することができる。従って、本発明に係る化合物は、有機EL素子の性能改善及び寿命の向上に大きく寄与することが可能である。
【0016】
なお、前記化1中のR〜R、Ar〜Arにおいて「置換もしくは非置換の」という語句が記載された置換基、一例として、C〜C40のアルキル基、C〜C40のシクロアルキル基、核原子数3乃至40のヘテロシクロアルキル基、C〜C60のアリール基、核原子数5乃至60のヘテロアリール基、C〜C40のアルキルオキシ基、C〜C60のアリールオキシ基、C〜C40のアルキルシリル基、C〜C60のアリールシリル基、C〜C40のアルキルボロン基、C〜C60のアリールボロン基、C〜C60のアリールホスフィン基、C〜C60のアリールホスフィンオキサイド基、C〜C60のアリールアミン基は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、C〜C40のアルキル基、C〜C40のシクロアルキル基、核原子数3乃至40のヘテロシクロアルキル基、C〜C60のアリール基、核原子数5乃至60のヘテロアリール基、C〜C40のアルキルオキシ基、C〜C60のアリールオキシ基、C〜C40のアルキルシリル基、C〜C60のアリールシリル基、C〜C40のアルキルボロン基、C〜C60のアリールボロン基、C〜C60のアリールホスフィン基、C〜C60のアリールホスフィンオキサイド基、及びC〜C60のアリールアミン基からなる群から選択される1つ以上の置換基に置換されることができる。
【0017】
本発明に係る化1で示される化合物において、R乃至Rは、互いに、同一又は異なっており、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C〜C40のアルキル基、C〜C40のシクロアルキル基、核原子数3乃至40のヘテロシクロアルキル基、C〜C60のアリール基、核原子数5乃至60のヘテロアリール基、C〜C40のアルキルオキシ基、C〜C60のアリールオキシ基、C〜C40のアルキルシリル基、C〜C60のアリールシリル基、C〜C40のアルキルボロン基、C〜C60のアリールボロン基、C〜C60のアリールホスフィン基、C〜C60のアリールホスフィンオキサイド基、及びC〜C60のアリールアミン基からなる群から選択されることが好ましい。この時、広いバンドギャップと熱安定性を考慮して、前記R乃至Rは、それぞれ独立に、水素、C〜C60のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、ビスフェニル)、核原子数5乃至60のヘテロアリール基(例えば、ピリジン)であることがより好ましい。
【0018】
また、本発明に係る化1で示される化合物において、X及びXは、それぞれ独立に、O、S、Se、N(Ar)、C(Ar)(Ar)、及びSi(Ar)(Ar)から選択され、ここで、X及びXのうちの少なくとも1つは、N(Ar)であることができ、好ましくは、X及びXのいずれもがN(Ar)である。
【0019】
また、Y乃至Yは、それぞれ独立に、N、CRから選択されるが、少なくとも1つ以上のNを含む。好ましくは、Nは1個である。
【0020】
これに加えて、本発明に係る化1で示される化合物において、Ar乃至Arは、それぞれ独立に、C〜C40のアルキル基、C〜C40のシクロアルキル基、核原子数3乃至40のヘテロシクロアルキル基、C〜C60のアリール基、核原子数5乃至60のヘテロアリール基、C〜C40のアルキルオキシ基、C〜C60のアリールオキシ基、C〜C40のアルキルシリル基、C〜C60のアリールシリル基、C〜C40のアルキルボロン基、C〜C60のアリールボロン基、C〜C60のアリールホスフィン基、C〜C60のアリールホスフィンオキサイド基、及びC〜C60のアリールアミン基からなる群から選択されることができる。好ましくは、Ar乃至Arは、それぞれ独立に、C〜C40のアルキル基、C〜C60のアリール基、核原子数5乃至60のヘテロアリール基、又はC〜C60のアリールアミン基であることができ、この時、前記C〜C60のアリール基、核原子数5乃至60のヘテロアリール基、及びC〜C60のアリールアミン基は、それぞれ、C〜C40のアルキル基、C〜C60のアリール基、核原子数5乃至60のヘテロアリール基に置換されることができる。
【0021】
本発明に係る化1において化合物の置換体である、Ar乃至Arは、それぞれ独立に、下記の置換体(官能基)群、一例として、S1〜S177から選択されることが好ましいが、これらに限定されない。
【化4】



【0022】
本発明に係る化1で示される化合物は、下記の化3乃至化8のうちのいずれか1つの化合物として、より具体化することができる。
【化5】
(化3)
【化6】
(化4)
【化7】
(化5)
【化8】
(化6)
【化9】
(化7)
【化10】
(化8)
式中、X及びX、Y乃至Y、R及びRは、前記化1における定義と同じである。
【0023】
より詳しくは、X及びXは、それぞれ独立に、O、S、Se、N(Ar)、C(Ar)(Ar)、及びSi(Ar)(Ar)から選択され、ここで、X及びXのうちの少なくとも1つは、N(Ar)であることができ、好ましくは、X及びXのいずれもがN(Ar)である。
【0024】
また、Y乃至Yは、それぞれ独立に、N、CRから選択され、少なくとも1つのNを含む。好ましくは、Nは1個である。
【0025】
本発明において使用された「非置換のアルキル」とは、炭素数1乃至40の直鎖又は側鎖の飽和炭化水素であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどを含む。
【0026】
「非置換のアリール」とは、単環又は2以上の環の組み合わせからなる、炭素数6乃至60の芳香族部位を意味する。2以上の環が、互いに単にペンダント(pendant)又は縮合により結合されることができる。
【0027】
「非置換のヘテロアリール」とは、核原子数5乃至60のモノヘテロサイクリック又はポリヘテロサイクリックの芳香族部位を意味し、環中の1以上の炭素、好ましくは、1乃至3個の炭素が、N、O、S又はSeのようなヘテロ原子に置換される。2以上の環が互いに単にペンダント又は縮合により結合されることができ、さらには、アリール基との縮合を含むものと解釈される。
【0028】
「縮合環」とは、縮合脂肪族環、縮合芳香族環、縮合ヘテロ脂肪族環、縮合ヘテロ芳香族環、又はこれらの組み合わせを含む意味である。
【0029】
上述の本発明の化1で示される化合物は、以下に例示する化学式、例えば、式C−1〜式C−291によってより具体化される。しかし、本発明の化1で示される化合物は、以下に例示したものに限定されない。
【化11】




















【0030】
上記の式C−1〜C−291において、Arは、同様に表記されている場合でも、互いに同じであるか又は異なっていることができ、上記の化1における定義と同じである。なお、前記Arとしては、下記の置換体群から選択されることが好ましい。
【化12】
【0031】
本発明に係る化1で示される化合物は、通常の合成方法で合成することができる。本発明の化合物に関する詳細な合成過程については、下記の合成例で詳述する。
【0032】
<有機電界発光素子>
また、本発明の他の側面は、上述の本発明に係る化1で示される化合物を含む有機電界発光素子に関する。
【0033】
具体的に、本発明に係る有機電界発光素子は、(i)陽極(anode)、(ii)陰極(cathode)、及び(iii)前記陽極と陰極との間に介在した1層以上の有機物層を含み、前記有機物層の中の少なくとも1つは、前記化1で示される化合物を1種以上含むことを特徴とする。
【0034】
ここで、本発明の化1で示される化合物を含む有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層のうちいずれか1つ以上であることができる。具体的に、前記有機物層は、正孔輸送層、発光層、又は電子輸送層であることが好ましく、発光層であることがより好ましい。
【0035】
本発明に係る有機電界発光素子の発光層は、ホスト材料を含むことができるが、この時、ホスト材料としては、前記化1で示される化合物のうちのいずれか1つを使用することができる。このように発光層が前記化1で示される化合物のうちのいずれか1つを含む場合は、発光層において正孔と電子との結合力が高くなるため、効率(発光効率及び電力効率)、寿命、輝度、駆動電圧などに優れた有機電界発光素子を提供することができる。前記化1で示される化合物は、青色、緑色及び/又は赤色の燐光ホスト、蛍光ホスト、又はドーパント材料として有機発光素子に含むことができる。また、ドーパント材料として使用されることができる。
【0036】
本発明に係る有機電界発光素子の構造としては、特に限定されないが、例えば、基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び陰極が順に積層されるものであることができるが、これに制限されない。この時、正孔注入層、正孔輸送層及び発光層のうちの1つ以上は、前記化1で示される化合物を1種以上含むことができる。また、本発明の化合物は、発光層の燐光ホスト又は蛍光ホストとして使用されることができる。前記電子輸送層の上には、電子注入層が位置することがあり得る。
【0037】
また、本発明に係る有機EL素子は、前述のように、陽極、1層以上の有機物層、及び陰極が順に積層される構造だけでなく、電極と有機物層との界面に絶縁層又は接着層が挿入されることができる。
【0038】
本発明に係る有機EL素子において、前記化1で示される化合物を含む有機物層は、真空蒸着法や溶液塗布法により形成されることができる。前記溶液塗布法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、インクジェット印刷法又は熱転写法などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本発明に係る有機EL素子は、有機物層のうちの1層以上を本発明の化1で示される化合物を含むように形成する以外は、当業界で周知の材料及び方法を用いて有機物層及び電極を形成することで、製造することができる。
【0040】
例えば、基板としては、シリコン、ウェハ、石英、又はガラス板、金属板、プラスチックフィルム又はシートなどを使用することができる。
【0041】
陽極材料としては、例えば、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属もしくはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物、ZnO:Al又はSnO:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロール及びポリアニリンのような導電性高分子;又は、カーボンブラックなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
陰極材料としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、錫、又は鉛のような金属もしくはこれらの合金;LiF/Al又はLiO/Alのような多層構造物質などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
なお、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、及び電子輸送層としては、特に限定されず、当業界で周知の物質を使用することができる。
【実施例】
【0044】
以下、本発明を実施例を挙げて詳述する。但し、下記の実施例は、本発明の例示に過ぎないものであり、本発明は、下記の実施例により限定されるものではない。
【0045】
[準備例1]IC−1の合成
<ステップ1>6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化13】

窒素気流下、6−ブロモ−1H−インドール(25g、0.128mol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(48.58g、0.191mol)、Pd(dppf)Cl(5.2g、5mol%)、KOAc(37.55g、0.383mol)及びDMF(500ml)を混合し、130℃で12時間攪拌した。
【0046】
反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSOで水分を除去し、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EA=10:1(v/v))で精製して6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール(20.15g、収率65%)を得た。
1H-NMR: δ 1.25(s, 12H),6.47(d, 1H), 7.28(d,1H), 7.43(d, 1H),7.54(d, 1H), 7.99(s,1H), 8.25(s, 1H)
【0047】
<ステップ2>6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化14】

窒素気流下、2−クロロ−3−ニトロピリジン(10.95g、69.07mmol)、前記<ステップ1>で得られた6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール(20.15g、82.88mmol)、NaOH(8.29g、207.21mmol)、及びTHF/H(300ml/150ml)を混合した後、40℃でPd(PPh(3.99g、5mol%)を入れ、80℃で12時間攪拌した。
【0048】
反応終了後、メチレンクロライドで抽出し、MgSOを入れ、ろ過した。得られた有機層から溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EA=1:1(v/v))で精製して6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドール(11.90g、収率72%)を得た。
1H-NMR: δ 6.45(d, 1H),7.26(m, 2H), 7.44(d,1H), 7.56(d, 1H),7.98(s, 1H), 8.24(s,1H), 8.32(d, 1H),8.89(d, 1H)
【0049】
<ステップ3>1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化15】

窒素気流下、前記<ステップ2>で得られた6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドール(11.90g、49.74mmol)、3−ブロモビフェニル(17.39g、74.61mmol)、Cuパウダー(0.32g、4.97mmol)、KCO(6.87g、49.74mmol)、NaSO(7.07g、49.74mmol)、ニトロベンゼン(200ml)を混合し、190℃で12時間攪拌した。
【0050】
反応終了後、ニトロベンゼンを除去し、メチレンクロライドで有機層を分離し、MgSOを用いて水を除去した。水が除去された有機層から溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン:MC:1:1(v/v))で精製して1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドール(10.51g、収率54%)を得た。
1H-NMR: δ 6.45(d, 1H),7.26(m, 2H), 7.44(m,5H), 7.52(m, 4H),7.57(d, 1H), 7.98(s,1H), 8.05(s, 1H),8.32(d, 1H), 8.89(d,1H)
【0051】
<ステップ4>IC−1の合成
【化16】

窒素気流下、前記<ステップ3>で得られた1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドール(10.51g、26.85mmol)、トリフェニルホスフィン(17.61g、67.13mmol)、及び1,2−ジクロロベンゼン(200ml)を混合し、12時間攪拌した。
【0052】
反応終了後、1,2−ジクロロベンゼンを除去し、ジクロロメタンで抽出した。得られた有機層について、MgSOで水を除去し、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EA=3:1(v/v))で精製してIC−1(3.67g、収率38%)を得た。
1H-NMR:δ 6.46(d, 1H),7.25(m, 2H), 7.45(m,5H), 7.53(m, 4H),7.59(d, 1H), 7.88(s,1H), 8.27(s, 1H),8.33(d, 1H), 8.87(d,1H)
【0053】
[準備例2]IC−2の合成
<ステップ1>5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化17】

6−ブロモ−1H−インドールの代わりに、5−ブロモ−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ1>と同様にして5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 1.25(s, 12H),6.46(d, 1H), 7.25(d,1H), 7.43(d, 1H), 7.54(d, 1H), 7.97(s, 1H),8.23(s, 1H)
【0054】
<ステップ2>5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化18】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 6.45(d, 1H),7.24(m, 2H), 7.42(d,1H), 7.53(d, 1H),7.96(s, 1H), 8.22(s,1H), 8.31(d, 1H),8.88(d, 1H)
【0055】
<ステップ3>5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1−フェニル−1H−インドールの合成
【化19】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、ヨードベンゼンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1−フェニル−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 6.44(d, 1H),7.23(m, 2H), 7.41(m,3H), 7.51(m, 4H),7.95(s, 1H), 8.33(d,1H), 8.86(d, 1H)
【0056】
<ステップ4>IC−2の合成
【化20】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ3>で得られた5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1−フェニル−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−2を得た。
1H-NMR:δ 6.44(d, 1H),7.23(m, 2H), 7.45(m,3H), 7.53(m, 4H),8.25(s, 1H), 8.33(d,1H), 8.86(d, 1H)
【0057】
[準備例3]IC−3の合成
<ステップ1>1−(ナフタレン−2−イル)−5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化21】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上述の準備例2の<ステップ3>で得られた5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、2−ブロモナフタレンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして1−(ナフタレン−2−イル)−5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 6.44(d, 1H), 7.23(m,2H), 7.36(d, 1H),7.41(d, 1H), 7.55(m,3H), 7.82(s, 1H),7.98(m, 4H), 8.33(d,1H), 8.86(d, 1H)
【0058】
<ステップ2>IC−3の合成
【化22】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた1−(ナフタレン−2−イル)−5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−3を得た。
1H-NMR:δ 6.44(d, 1H),7.23(m, 2H), 7.36(d,1H), 7.41(d, 1H),7.55(m, 3H), 7.82(s,1H), 7.98(m, 3H),8.23(s, 1H), 8.33(d,1H), 8.86(d, 1H)
【0059】
[ステップ4]IC−4の合成
<ステップ1>5−クロロ−3−フェニル−1H−インドールの合成
【化23】

2−クロロ−3−ニトロピリジンと、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、3−ブロモ−5−クロロ−1H−インドールと、フェニルボロン酸を使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして5−クロロ−3−フェニル−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 7.18(d, 1H),7.25(d, 1H), 7.45(m,3H), 7.55(m, 2H),7.68(s, 1H), 8.24(s,1H), 8.31(s, 1H)
【0060】
<ステップ2>3−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化24】

6−ブロモ−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた5−クロロ−3−フェニル−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ1>と同様にして3−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 1.24(s, 12H),7.15(d, 1H), 7.24(d,1H), 7.43(m, 3H),7.54(m, 2H), 7.67(s,1H), 8.23(s, 1H),8.30(s, 1H)
【0061】
<ステップ3>5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−3−フェニル−1H−インドールの合成
【化25】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた3−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−3−フェニル−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 7.17(d, 1H),7.24(m, 2H), 7.44(m,3H), 7.55(m, 2H),7.66(s, 1H), 8.24(s,1H), 8.32(m, 2H),8.86(d, 1H)
【0062】
<ステップ4>5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1,3−ジフェニル−1H−インドールの合成
【化26】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上記の<ステップ3>で得られた5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−3−フェニル−1H−インドールと、ヨードベンゼンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1,3−ジフェニル−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 7.18(d, 1H),7.25(m, 2H), 7.44(m,4H), 7.51(d, 2H),7.56(m, 4H), 7.67(s,1H), 8.31(m, 2H),8.85(d, 1H)
【0063】
<ステップ5>IC−4の合成
【化27】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ4>で得られた5−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1,3−ジフェニル−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−4を得た。
1H-NMR:δ 7.18(d, 1H),7.25(d, 1H), 7.44(m,4H), 7.51(d, 2H),7.56(m, 4H), 7.67(s,1H), 8.25(s, 1H),8.31(m, 2H), 8.85(d,1H)
【0064】
[準備例5]IC−5の合成
<ステップ1>7−クロロ−3−フェニル−1H−インドールの合成
【化28】

2−クロロ−3−ニトロピリジンと、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、3−ブロモ−7−クロロ−1H−インドールと、フェニルボロン酸を使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして7−クロロ−3−フェニル−1H−インドールを得た。
1H-NMR: δ 7.04(t, 1H),7.17(d, 1H), 7.41(m,1H), 7.52(m, 4H),7.64(d, 1H), 8.24(s,1H), 8.31(s, 1H)
【0065】
<ステップ2>3−フェニル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化29】

6−ブロモ−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた7−クロロ−3−フェニル−1H−インドールを使用する以外は、上記の<準備例1>と同様にして3−フェニル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR: δ1.25(s, 12H), 7.05(t,1H), 7.13(d, 1H),7.43(m, 1H), 7.53(m,4H), 7.65(d, 1H),8.25(s, 1H), 8.30(s, 1H)
【0066】
<ステップ3>7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−3−フェニル−1H−インドールの合成
【化30】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた3−フェニル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモ−4−ニトロピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−3−フェニル−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 7.05(t, 1H),7.13(d, 1H), 7.43(m,1H), 7.53(m, 4H),7.65(d, 1H), 7.92(d, 1H), 8.25(s, 1H), 8.30(m, 2H), 8.52(s, 1H)
【0067】
<ステップ4>1−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−3−フェニル−1H−インドールの合成
【化31】

窒素気流下、上記の<ステップ3>で得られた7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−3−フェニル−1H−インドール(5g、15.85mmol)を、DMF50mlに溶かし、ここにNaH(0.57g、23.77mmol)を入れ、1時間攪拌した。ここに、DMF100mlに溶かした2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(6.36g、23.77mmol)を徐々に加えた。2時間攪拌後、反応を終了させ、混合物のシリカフィルタリングを行い、水とメタノールで洗浄した後、溶媒を除去して、1−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−3−フェニル−1H−インドール(6.58g、収率76%)を得た。
GC−Mass(理論値:546.18g/mol、測定値:546g/mol)
【0068】
<ステップ5>IC−5の合成
【化32】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ4>で得られた1−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−3−フェニル−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−5を得た。
GC−Mass(理論値:514.19g/mol、測定値:514g/mol)
【0069】
[準備例6]IC−6の合成
<ステップ1>6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1H−インドールの合成
【化33】

2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、上述の準備例1の<ステップ1>で得られた3−フェニル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、4−クロロ−3−ニトロピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR:δ 6.47(d, 1H),7.28(d, 1H), 7.43(d,1H), 7.54(d, 1H), 7.99(s, 1H), 8.25(s, 1H), 8.32(d, 1H), 8.45(d, 1H), 8.52(s, 1H)
【0070】
<ステップ2>6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1−(4−フェニルピリジン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化34】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1H−インドールと、2−ブロモ−4−フェニルピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1−(4−フェニルピリジン−2−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR: δ 6.47(d, 1H), 7.28(d, 1H), 7.43(m, 4H), 7.53(m, 3H), 7.62(s, 1H), 7.99(s, 1H), 8.25(s, 1H), 8.32(d, 1H), 8.45(m, 2H), 8.52(m, 2H)
【0071】
<ステップ3>IC−6の合成
【化35】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1−(4−フェニルピリジン−2−イル)−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−6を得た。
1H-NMR: δ 6.47(d, 1H), 7.28(d, 1H), 7.43(m, 4H), 7.53(m, 3H), 7.62(s, 1H), 8.03(s, 1H), 8.25(s, 1H), 8.32(d, 1H), 8.45(m, 2H), 8.52(m, 2H)
【0072】
[準備例7]IC−7の合成
<ステップ1>1−(4−(ナフタレン−1−イル)フェニル)−6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1H−インドールの合成
【化36】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上述の準備例6の<ステップ1>で得られた6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1H−インドールと、1−(4−ブロモフェニル)ナフタレンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして1−(4−(ナフタレン−1−イル)フェニル)−6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR: δ 6.47(d, 1H), 7.28(d, 1H), 7.43(d, 1H), 7.54(m, 3H), 7.61(m, 3H), 7.79(d, 2H), 7.99(m, 2H), 8.25(d, 1H), 8.32(m, 2H), 8.45(m, 2H), 8.52(s, 1H)
【0073】
<ステップ2>IC−7の合成
【化37】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた1−(4−(ナフタレン−1−イル)フェニル)−6−(3−ニトロピリジン−4−イル)−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−7を得た。
GC−Mass(理論値:409.16g/mol、測定値:409g/mol)
【0074】
[準備例8]IC−8の合成
<ステップ1>7−クロロ−2,3−ジフェニル−1H−インドールの合成
【化38】

2−クロロ−3−ニトロピリジンと、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、2,3−ジブロモ−7−クロロ−1H−インドールと、フェニルボロン酸を使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして7−クロロ−2,3−ジフェニル−1H−インドールを得た。
GC−Mass(理論値:303.08g/mol、測定値:303g/mol)
【0075】
<ステップ2>2,3−ジフェニル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化39】

6−ブロモ−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた7−クロロ−2,3−ジフェニル−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例2の<ステップ1>と同様にして2,3−ジフェニル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールを得た。
GC−Mass(理論値:395.21g/mol、測定値:395g/mol)
【0076】
<ステップ3>7−(3−ニトロピリジン−4−イル)−2,3−ジフェニル−1H−インドールの合成
【化40】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた3−フェニル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、4−クロロ−3−ニトロピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして7−(3−ニトロピリジン−4−イル)−2,3−ジフェニル−1H−インドールを得た。
GC−Mass(理論値:391.13g/mol、測定値:391.13g/mol)
【0077】
<ステップ4>7−(3−ニトロピリジン−4−イル)−2,3−ジフェニル−1−(4−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1H−インドールの合成
【化41】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上記の<ステップ3>で得られた7−(3−ニトロピリジン−4−イル)−2,3−ジフェニル−1H−インドールと、2−(4−ブロモフェニル)ピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして7−(3−ニトロピリジン−4−イル)−2,3−ジフェニル−1−(4−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1H−インドールを得た。
GC−Mass(理論値:544.19g/mol、測定値:544g/mol)
【0078】
<ステップ5>IC−8の合成
【化42】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた7−(3−ニトロピリジン−4−イル)−2,3−ジフェニル−1−(4−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−8を得た。
GC−Mass(理論値:512.20g/mol、測定値:512g/mol)
【0079】
[準備例9]IC−9の合成
<ステップ1>7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの合成
【化43】

6−ブロモ−1H−インドールの代わりに、7−ブロモ−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ1>と同様にして7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR: δ 1.25(s, 12H),6.43(d, 1H), 7.25(d,1H), 7.45(t, 1H),7.56(d, 1H), 7.71(d,1H), 8.22(s, 1H)
【0080】
<ステップ2>7−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−インドールの合成
【化44】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモ−2−ニトロピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして7−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−インドールを得た。
1H-NMR: δ 6.45(d, 1H), 7.26(d, 1H), 7.44(t, 1H), 7.55(d, 1H), 7.72(d, 1H), 8.22(m, 2H), 8.41(d, 1H), 8.52(d, 1H)
【0081】
<ステップ3>1−(2,2’−ビピリジン−5−イル)−7−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−インドールの合成
【化45】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた7−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−インドールと、5−ブロモ−2,2’−ビピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ1>と同様にして1−(2,2’−ビピリジン−5−イル)−7−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−インドールを得た。
GC−Mass(理論値:393.12g/mol、測定値:393g/mol)
【0082】
<ステップ4>IC−9の合成
【化46】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ3>で得られた1−(2,2’−ビピリジン−5−イル)−7−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−インドールを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−9を得た。
GC−Mass(理論値:361.13g/mol、測定値:361g/mol)
【0083】
[準備例10]IC−10の合成
<ステップ1>6−(2−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンの合成
【化47】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、6−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンと、2−ニトロフェニルボロン酸を使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして6−(2−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 6.45(d, 1H), 7.53(d, 1H), 7.67(t, 1H), 7.97(t, 1H), 7.97(s, 1H), 8.03(m, 2H), 8.23(s, 1H), 8.52(s, 1H)
【0084】
<ステップ2>1−(4,6−ジ(ビフェニル−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−6−(2−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンの合成
【化48】

7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−3−フェニル−1H−インドールと、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた6−(2−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンと、2,4−ジ(ビフェニル−3−イル)−6−クロロ−1,3,5−トリアジンを使用する以外は、上述の準備例5の<ステップ5>と同様にして1−(4,6−ジ(ビフェニル−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−6−(2−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを得た。
GC−Mass(理論値:622.21g/mol、測定値:622g/mol)
【0085】
<ステップ3>IC−10の合成
【化49】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた1−(4,6−ジ(ビフェニル−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−6−(2−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−10を得た。
GC−Mass(理論値:590.22g/mol、測定値:590g/mol)
【0086】
[準備例11]IC−11の合成
<ステップ2>7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンの合成
【化50】

6−ブロモ−1H−インドールの代わりに、7−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ1>と同様にして7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 1.25(s, 12H), 6.43(d, 1H), 7.25(d, 1H), 8.22(s, 1H), 8.32(s, 1H), 8.41(s, 1H)
【0087】
<ステップ2>7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンの合成
【化51】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンと、3−ブロモ−4−ニトロピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 6.43(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.95(d, 1H), 8.14(d, 1H), 8.22(s, 1H), 8.32(s, 1H), 8.41(m, 2H)
【0088】
<ステップ3>7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−1−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンの合成
【化52】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンと、ヨードベンゼンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−1−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 6.43(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.47(m, 3H), 7.56(d, 2H), 7.95(d, 1H), 8.14(d, 1H), 8.22(s, 1H), 8.32(s, 1H), 8.41(m, 2H)
【0089】
<ステップ4>IC−11の合成
【化53】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ3>で得られた7−(4−ニトロピリジン−3−イル)−1−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−11を得た。
1H-NMR: δ 6.44(d, 1H), 7.26(d, 1H), 7.46(m, 3H), 7.55(d, 2H), 7.96(d, 1H), 8.15(d, 1H), 8.23(m, 2H), 8.32(s, 1H)
【0090】
[準備例12]IC−12の合成
<ステップ1>5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの合成
【化54】

6−ブロモ−1H−インドールの代わりに、5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ1>と同様にして5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た。
*1H-NMR: δ 1.25(s, 12H), 6.43(d, 1H), 7.25(d, 1H), 8.22(s, 1H), 8.32(s, 1H), 8.41(s, 1H)
【0091】
<ステップ2>5−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの合成
【化55】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンと、3−ブロモ−2−ニトロピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして5−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 6.44(d, 1H), 7.26(d, 1H), 8.21(m, 2H), 8.32(s, 1H), 8.41(m, 2H), 8.53(d, 1H)
【0092】
<ステップ3>1−(ビフェニル−4−イル)−5−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの合成
【化56】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた5−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンと、4−ブロモビフェニルを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして1−(ビフェニル−4−イル)−5−(20ニトロピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 6.45(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.41(m, 1H), 7.52(m, 4H), 7.68(d, 2H), 7.79(d, 2H), 8.22(m, 2H), 8.42(m, 2H), 8.52(d, 1H)
【0093】
<ステップ4>IC−12の合成
【化57】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ3>で得られた1−(ビフェニル−4−イル)−5−(2−ニトロピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−12を得た。
1H-NMR: δ 6.45(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.41(m, 1H), 7.52(m, 4H), 7.68(d, 2H), 7.79(d, 2H), 8.22(m, 2H), 8.32(s, 1H), 8.42(m, 2H)
【0094】
[準備例13]IC−13の合成
<ステップ1>5−(2−ブロモ−5−ニトロピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの合成
【化58】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、上述の準備例12の<ステップ1>で得られた5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンと、2,4−ジブロモ−5−ニトロピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして5−(2−ブロモ−5−ニトロピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 6.43(d, 1H), 7.25(d, 1H), 8.25(m, 2H), 8.32(s, 1H), 8.41(s, 1H), 8.54(s, 1H)
【0095】
<ステップ2>5−(5−ニトロ−2−フェニルピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの合成
【化59】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた5−(2−ブロモ−5−ニトロピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンと、フェニルボロン酸を使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして5−(5−ニトロ−2−フェニルピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 6.43(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.47(m, 1H), 7.54(d, 2H), 7.86(d, 2H), 8.25(m, 2H), 8.32(s, 1H), 8.41(s, 1H), 8.50(s, 1H)
【0096】
<ステップ3>2−(5−(5−ニトロ−2−フェニルピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)キノリンの合成
【化60】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた5−(5−ニトロ−2−フェニルピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンと、2−ブロモキノリンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして2−(5−(5−ニトロ−2−フェニルピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)キノリンを得た。
GC−Mass(理論値:443.14g/mol、測定値:443g/mol)
【0097】
<ステップ4>IC−13の合成
【化61】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ3>で得られた2−(5−(5−ニトロ−2−フェニルピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)キノリンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−13を得た。
GC−Mass(理論値:411.15g/mol、測定値:411g/mol)
【0098】
[準備例14]IC−14の合成
<ステップ1>4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンの合成
【化62】

6−ブロモ−1H−インドールの代わりに、4−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ1>と同様にして4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 1.24(s, 12H), 6.44(d, 1H), 7.24(d, 1H), 8.41(s, 2H)
【0099】
<ステップ2>4−(1−ニトロナフタレン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンの合成
【化63】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンと、2−ブロモ−1−ニトロナフタレンを使用する以外は、上述の準備例1<ステップ2>と同様にして4−(1−ニトロナフタレン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 6.45(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.76(m, 2H), 7.85(m, 2H), 7.98(m, 2H), 8.42(s, 2H)
【0100】
<ステップ3>4−(1−ニトロナフタレン−2−イル)−1−フェニル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンの合成
【化64】

6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールと、3−ブロモビフェニルの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた4−(1−ニトロナフタレン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンと、ヨードベンゼンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ3>と同様にして4−(1−ニトロナフタレン−2−イル)−1−フェニル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを得た。
GC−Mass(理論値:365.12g/mol、測定値:365g/mol)
【0101】
<ステップ4>IC−14の合成
【化65】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ3>で得られた4−(1−ニトロナフタレン−2−イル)−1−フェニル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−14を得た。
GC−Mass(理論値:333.13g/mol、測定値:333g/mol)
【0102】
[準備例15]IC−15の合成
<ステップ1>2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
【化66】

6−ブロモ−1H−インドールの代わりに、5−ブロモベンゾ[b]チオフェンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ1>と同様にして2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た。
1H-NMR: δ 1.24(s, 12H), 7.65(d, 1H), 7.85(d, 1H), 7.98(d, 1H), 8.07(d, 1H), 8.12(s, 1H)
【0103】
<ステップ2>2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−3−ニトロピリジンの合成
【化67】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−3−ニトロピリジンを得た。
1H-NMR: δ 7.66(d, 1H), 7.89(d, 1H), 7.97(d, 1H), 8.01(d, 1H), 8.09(m, 2H), 8.14(s, 1H), 8.42(d, 1H)
【0104】
<ステップ3>IC−15の合成
【化68】

1−(ビフェニル−3−イル)−6−(3−ニトロピリジン−2−イル)−1H−インドールの代わりに、上記の<ステップ2>で得られた2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−3−ニトロピリジンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ4>と同様にしてIC−15を得た。
1H-NMR: δ 7.65(d, 1H), 7.86(d, 1H), 7.98(d, 1H), 8.03(d, 1H), 8.10(m, 2H), 8.32(s, 1H), 8.41(d, 1H)
【0105】
[準備例16]IC−16の合成
<ステップ1>6−(2−イソプロピルフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンの合成
【化69】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−3−ニトロピリジンの代わりに、6−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンと、2−イソプロピルフェニルボロン酸を使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして6−(2−イソプロピルフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを得た。
1H-NMR: δ 1.20(s, 6H), 2.87(s, 1H),6.45(d, 1H), 7.25(d, 1H), 7.34(m, 3H), 7.71(d, 1H), 7.97(s, 1H), 8.40(s, 1H )
【0106】
<ステップ2>IC−16の合成
【化70】

窒素気流下、上記の<ステップ1>で得られた6−(2−イソプロピルフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(5g、21.16mmol)と、RhCl(PPh(97.88mg、0.5mol%)を、1,4−ジオキサン50mlに溶かした後、135℃で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン:MC=3:1(v/v))で精製してIC−16(3.92g、収率79%)を得た。
1H NMR: δ 1.21(s, 6H), 6.44(d, 1H), 7.26(d, 1H), 7.35(m, 3H), 7.72(d, 1H), 8.43(s, 1H)
【0107】
[準備例17]IC−17の合成
<ステップ1>4−(2−ベンズヒドリルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンの合成
【化71】

6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールと、2−クロロ−ニトロピリジンの代わりに、上述の準備例14の<ステップ1>で得られた4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンと、((2−ブロモフェニル)メチレン)ジベンゼンを使用する以外は、上述の準備例1の<ステップ2>と同様にして4−(2−ベンズヒドリルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを得た。
GC−Mass(理論値:360.16g/mol、測定値:360g/mol)
【0108】
<ステップ2>IC−17の合成
【化72】

6−(2−イソプロピルフェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンの代わりに、上記の<ステップ1>で得られた4−(2−ベンズヒドリルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを使用し、準備例16の<ステップ2>と同様にしてIC−17を得た。
GC−Mass(理論値:358.15g/mol、測定値:358g/mol)
【0109】
[合成例1]Inv−1の合成
【化73】

窒素気流下、準備例1で製造された化合物であるIC−1(5g、13.91mmol)、ヨードベンゼン(4.26g、20.87mmol)、Cuパウダー(0.09g、1.39mmol)、KCO(1.92g、13.91mmol)、NaSO(1.98g、13.91mmol)、及びニトロベンゼン(100ml)を混合し、190℃で12時間攪拌した。反応終了後、ニトロベンゼンを除去し、メチレンクロライドで有機層を分離した後、MgSOを用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EA=3:1(v/v))で精製して、目的化合物であるInv−1(4.60g、収率76%)を得た。
GC−Mass(理論値:435.17g/mol、測定値:435g/mol)
【0110】
[合成例2]Inv−2の合成
【化74】

窒素気流下、準備例1で製造された化合物であるIC−1(5g、13.91mmol)を、DMF100mlに溶かし、ここにNaH(0.50g、20.87mmol)を入れ、1時間攪拌した。ここにDMF100mlに溶かした2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(5.59g、20.87mmol)を徐々に加えた。3時間攪拌後、反応を終了させ、混合物のシリカフィルタリングを行い、水とメタノールで洗浄した後、溶媒を除去した。溶媒が除去された固体をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EA=1:1(v/v))で精製して、目的化合物であるInv−2(6.00g、収率73%)を得た。
GC−Mass(理論値:590.22g/mol、測定値:590g/mol)
【0111】
[合成例3]Inv−3の合成
【化75】

IC−1の代わりに、準備例2で製造された化合物であるIC−2を使用する以外は、上記の合成例2と同様にして、目的化合物であるInv−3(7.63g、収率84%)を得た。
GC−Mass(理論値:514.19g/mol、測定値:514g/mol)
【0112】
[合成例4]Inv−4の合成
【化76】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例2で製造された化合物であるIC−2と、2−ブロモ−4,6−ジフェニルピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−4(6.06g、収率67%)を得た。
GC−Mass(理論値:512.20g/mol、測定値:512g/mol)
【0113】
[合成例5]Inv−5の合成
【化77】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例2で製造された化合物であるIC−2と、6−ブロモ−2,3’−ビピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−5(4.63g、収率60%)を得た。
GC−Mass(理論値:437.16g/mol、測定値:437g/mol)
【0114】
[合成例6]Inv−6の合成
【化78】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例3で製造された化合物であるIC−3と、2−ブロモ−6−フェニルピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−6(4.09g、収率56%)を得た。
GC−Mass(理論値:486.18g/mol、測定値:486g/mol)
【0115】
[合成例7]Inv−7の合成
【化79】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例3で製造された化合物であるIC−3と、6−ブロモ−2,4’−ビピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−7(3.95g、収率54%)を得た。
GC−Mass(理論値:487.18g/mol、測定値:487g/mol)
【0116】
[合成例8]Inv−8の合成
【化80】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例3で製造された化合物であるIC−3と、2−ブロモ−9,9−ジメチル−9H−フルオレンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−8(5.20g、収率66%)を得た。
GC−Mass(理論値:525.22g/mol、測定値:525g/mol)
【0117】
[合成例9]Inv−9の合成
【化81】

IC−1と、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンの代わりに、準備例4で製造された化合物であるIC−4と、2−クロロ−4,6−ジフェニルピリミジンを使用する以外は、上記の合成例2と同様にして、目的化合物であるInv−9(6.15g、収率75%)を得た。
GC−Mass(理論値:589.23g/mol、測定値:589g/mol)
【0118】
[合成例10]Inv−10の合成
【化82】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例4で製造された化合物であるIC−4と、5−ブロモ−2−フェニルピリミジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−10(3.64g、収率51%)を得た。
GC−Mass(理論値:513.20g/mol、測定値:513g/mol)
【0119】
[合成例11]Inv−11の合成
【化83】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例5で製造された化合物であるIC−5と、3−ブロモビフェニルを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−11(4.66g、収率72%)を得た。
GC−Mass(理論値:666.25g/mol、測定値:666g/mol)
【0120】
[合成例12]Inv−12の合成
【化84】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例5で製造された化合物であるIC−5と、2−ブロモ−4,6−ジフェニルピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−12(4.48g、収率62%)を得た。
GC−Mass(理論値:743.28g/mol、測定値:743g/mol)
【0121】
[合成例13]Inv−13の合成
【化85】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例6で製造された化合物であるIC−6と、4−(4−ブロモフェニル)イソキノリンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−13(4.54g、収率58%)を得た。
GC−Mass(理論値:563.21g/mol、測定値:563g/mol)
【0122】
[合成例14]Inv−14の合成
【化86】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例6で製造された化合物であるIC−6と、5−ブロモ−2−フェニルピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−14(3.35g、収率47%)を得た。
GC−Mass(理論値:513.20g/mol、測定値:513g/mol)
【0123】
[合成例15]Inv−15の合成
【化87】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例7で製造された化合物であるIC−7と、5−ブロモ−2−フェニルピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−15(3.16g、収率46%)を得た。
GC−Mass(理論値:562.22g/mol、測定値:562g/mol)
【0124】
[合成例16]Inv−16の合成
【化88】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例7で製造された化合物であるIC−7と、3−ブロモキノリンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−16(4.00g、収率61%)を得た。
GC−Mass(理論値:536.20g/mol、測定値:536g/mol)
【0125】
[合成例17]Inv−17の合成
【化89】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例8で製造された化合物であるIC−8と、2−(3−ブロモフェニル)ピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−17(4.42g、収率68%)を得た。
GC−Mass(理論値:665.26g/mol、測定値:665g/mol)
【0126】
[合成例18]Inv−18の合成
【化90】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例8で製造された化合物であるIC−8と、2−(4−ブロモフェニル)ナフタレンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−18(3.97g、収率57%)を得た。
GC−Mass(理論値:714.28g/mol、測定値:714g/mol)
【0127】
[合成例19]Inv−19の合成
【化91】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例9で製造された化合物であるIC−9と、1−ブロモ−3,5−ジフェニルベンゼンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−19(5.14g、収率63%)を得た。
GC−Mass(理論値:589.23g/mol、測定値:589g/mol)
【0128】
[合成例20]Inv−20の合成
【化92】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例9で製造された化合物であるIC−9と、2−ブロモ−5−フェニルピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−20(4.20g、収率59%)を得た。
GC−Mass(理論値:514.19g/mol、測定値:514g/mol)
【0129】
[合成例21]Inv−21の合成
【化93】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例10で製造された化合物であるIC−10と、2−ブロモ−6−フェニルピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−21(4.41g、収率70%)を得た。
GC−Mass(理論値:743.28g/mol、測定値:743g/mol)
【0130】
[合成例22]Inv−22の合成
【化94】

IC−1の代わりに、準備例10で製造された化合物であるIC−10を使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−22(4.29g、収率76%)を得た。
GC−Mass(理論値:666.25g/mol、測定値:666g/mol)
【0131】
[合成例23]Inv−23の合成
【化95】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例11で製造された化合物であるIC−11と、4−ブロモジベンゾ[b,d]チオフェンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−23(5.42g、収率66%)を得た。
GC−Mass(理論値:466.13g/mol、測定値:466g/mol)
【0132】
[合成例24]Inv−24の合成
【化96】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例11で製造された化合物であるIC−11と、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−24(7.18g、収率69%)を得た。
GC−Mass(理論値:591.22g/mol、測定値:591g/mol)
【0133】
[合成例25]Inv−25の合成
【化97】

IC−1の代わりに、準備例12で製造された化合物であるIC−12を使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−25(4.54g、収率75%)を得た。
GC−Mass(理論値:436.17g/mol、測定値:436g/mol)
【0134】
[合成例26]Inv−26の合成
【化98】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例12で製造された化合物であるIC−12と、4−ブロモ−N,N−ジフェニルアニリンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−26(4.61g、収率55%)を得た。
GC−Mass(理論値:603.24g/mol、測定値:603g/mol)
【0135】
[合成例27]Inv−27の合成
【化99】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例13で製造された化合物であるIC−13と、3−(4−ブロモフェニル)ピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−27(4.32g、収率63%)を得た。
GC−Mass(理論値:564.21g/mol、測定値:564g/mol)
【0136】
[合成例28]Inv−28の合成
【化100】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例13で製造された化合物であるIC−13と、3−ブロモ−9−フェニル−9H−カルバゾールを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−28(5.16g、収率65%)を得た。
GC−Mass(理論値:652.24g/mol、測定値:652g/mol)
【0137】
[合成例29]Inv−29の合成
【化101】

IC−1の代わりに、準備例14で製造された化合物であるIC−14を使用する以外は、上記の合成例2と同様にして、目的化合物であるInv−29(6.86g、収率81%)を得た。
GC−Mass(理論値:564.21g/mol、測定値:564g/mol)
【0138】
[合成例30]Inv−30の合成
【化102】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例14で製造された化合物であるIC−14と、6−ブロモ−2,4’−ビピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−30(4.24g、収率58%)を得た。
GC−Mass(理論値:487.18g/mol、測定値:487g/mol)
【0139】
[合成例31]Inv−31の合成
【化103】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例15で製造された化合物であるIC−15と、4−ブロモビフェニルを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−31(4.03g、収率48%)を得た。
GC−Mass(理論値:376.10g/mol、測定値:376g/mol)
【0140】
[合成例32]Inv−32の合成
【化104】

IC−1の代わりに、準備例15で製造された化合物であるIC−15を使用する以外は、上記の合成例2と同様にして、目的化合物であるInv−32(7.92g、収率78%)を得た。
GC−Mass(理論値:455.12g/mol、測定値:455g/mol)
【0141】
[合成例33]Inv−33の合成
【化105】

IC−1と、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンの代わりに、準備例16で製造された化合物であるIC−16と、2−クロロ−4,6−ジフェニルピリミジンを使用する以外は、上記の合成例2と同様にして、目的化合物であるInv−33(6.34g、収率64%)を得た。
GC−Mass(理論値:464.20g/mol、測定値:464g/mol)
【0142】
[合成例34]Inv−34の合成
【化106】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例16で製造された化合物であるIC−16と、2−ブロモ−6−フェニルピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−34(4.88g、収率59%)を得た。
GC−Mass(理論値:387.17g/mol、測定値:387g/mol)
【0143】
[合成例35]Inv−35の合成
【化107】

IC−1の代わりに、準備例17で製造された化合物であるIC−16を使用する以外は、上記の合成例2と同様にして、目的化合物であるInv−35(6.00g、収率73%)を得た。
GC−Mass(理論値:589.23g/mol、測定値:589g/mol)
【0144】
[合成例36]Inv−36の合成
【化108】

IC−1と、ヨードベンゼンの代わりに、準備例17で製造された化合物であるIC−17と、6−ブロモ−2,3’−ビピリジンを使用する以外は、上記の合成例1と同様にして、目的化合物であるInv−36(4.43g、収率62%)を得た。
GC−Mass(理論値:512.20g/mol、測定値:512g/mol)
【0145】
[実施例1〜36]有機EL素子の製作
合成例1〜36で合成した化合物Inv−1〜Inv−36を、常法で高純度の昇華精製を行った後、下記の過程に従って緑色の有機EL素子を製作した。
【0146】
先ず、ITO(Indium Tin Oxide)が150Åの厚さで薄膜コーティングが施されたガラス基板を、蒸留水超音波で洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄を行い、乾燥させた後、UV OZONE洗浄機(Power sonic 405、ファシンテック製)へ移送した後、UVを用いて前記基板を5分間洗浄し、真空蒸着機に基板を移送した。
【0147】
このように用意されたITO透明電極の上に、m−MTDATA(60nm)/TCTA(80nm)/Inv−1〜Inv−36のそれぞれの化合物+10%Ir(ppy)(300nm)/BCP(10nm)/Alq(30nm)LiF(1nm)/Al(200nm)の順に積層することで、有機EL素子を製作した。
【0148】
m−MTDATA、TCTA、Ir(ppy)、CBP及びBCPの構造は、以下の通りである。
【化109】


【0149】
[比較例1]有機EL素子の製作
発光層の形成時、発光ホスト材料として、化合物Inv−1の代わりに、CBPを使用する以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製作した。
【0150】
[評価例]
実施例1〜36及び比較例1で製作されたそれぞれの有機EL素子について、電流密度10mA/cmでの駆動電圧、電流効率及び発光ピークを測定し、その結果を下記表1に示した。
【0151】
【表1】
【0152】
表1に示されるように、本発明に係る化合物(Inv−1〜Inv−36)を緑色の有機EL素子の発光層として使用する実施例1乃至36の有機EL素子は、従来のCBPを使用する比較例1の緑色の有機EL素子に比べて、効率及び駆動電圧の面において、より優れた性能を発揮できることがわかる。