(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6229068
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】光触媒モジュールを備えた車両用空調装置
(51)【国際特許分類】
B60H 3/00 20060101AFI20171030BHJP
B60H 3/06 20060101ALI20171030BHJP
A61L 2/08 20060101ALI20171030BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20171030BHJP
A61L 101/02 20060101ALN20171030BHJP
【FI】
B60H3/00 F
B60H3/06 A
A61L2/08 110
A61L2/10
A61L101:02
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-546054(P2016-546054)
(86)(22)【出願日】2015年1月27日
(65)【公表番号】特表2017-503708(P2017-503708A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】KR2015000824
(87)【国際公開番号】WO2015167110
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2016年7月11日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0052076
(32)【優先日】2014年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0052080
(32)【優先日】2014年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジェ ホ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ソン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン ジュ
【審査官】
佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−070885(JP,A)
【文献】
特開2012−158320(JP,A)
【文献】
特開平10−244829(JP,A)
【文献】
特開2004−100585(JP,A)
【文献】
特開2001−171343(JP,A)
【文献】
特開2012−017006(JP,A)
【文献】
特開平05−104946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 3/00
A61L 2/08
A61L 2/10
B60H 3/06
A61L 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口側に空気流入口(143)が形成され、出口側に空気吐出口(144)が形成され、内部に空気通路が形成される空調ケース(140)と、前記空調ケース(140)の空気通路上に設けられる蒸発器(141)と、前記空調ケース(140)の内部に空気を送風する送風装置(110)と、を備える車両用空調装置において、
前記空調ケース(140)の一側に光触媒モジュール(200)が設けられ、
前記光触媒モジュール(200)は、照射される光により光触媒反応を引き起こし、ラジカル(201)を発生させる触媒部(210)、及び前記触媒部(210)側に紫外線(UV)光を照射する少なくとも一つの光源部(220)を有し、
前記光触媒モジュール(200)は、前記空調ケース(140)の内部の空気流動方向に並んで配置される平面部を有することを特徴とする光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項2】
入口側に空気流入口(143)が形成され、出口側に空気吐出口(144)が形成され、内部に空気通路が形成される空調ケース(140)と、前記空調ケース(140)の空気通路上に設けられる蒸発器(141)と、前記空調ケース(140)の内部に空気を送風する送風装置(110)と、を備える車両用空調装置において、
前記空調ケース(140)の一側に光触媒モジュール(200)が設けられ、
前記光触媒モジュール(200)は、照射される光により光触媒反応を引き起こし、ラジカル(201)を発生させる触媒部(210)、及び前記触媒部(210)側に紫外線(UV)光を照射する少なくとも一つの光源部(220)を有し、
前記光触媒モジュール(200)は、前記空調ケース(140)の内部の空気流動方向に対して傾斜して配置される平面部を有することを特徴とする光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項3】
前記光触媒モジュール(200)は、その内部に前記光源部(220)と触媒部(210)を内蔵するように取り囲むモジュールケース(260)を有し、前記モジュールケース(260)は、前記触媒部(210)が前記空気流路と接触するように前記空調ケース(140)の内側に連通して設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項4】
前記光触媒モジュール(200)は、空気流動方向へ、前記蒸発器(141)の上流側の前記空調ケース(140)の壁面に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項5】
前記空調ケース(140)は、前記蒸発器(141)の上流側において空気の流動方向が転換される流路転換部を有し、前記光触媒モジュール(200)は、前記流路転換部に設けられることを特徴とする請求項4に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項6】
前記光触媒モジュール(200)は、前記空調ケース(140)の流路転換部のうち、空気流動経路が相対的に短く、前記蒸発器(141)にさらに隣接した屈曲部の内側壁面に配置されることを特徴とする請求項5に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項7】
前記光触媒モジュール(200)は、前記空調ケース(140)の流路転換部のうち、前記空調ケース(140)の高さ方向へ下部領域に配置されることを特徴とする請求項5に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項8】
前記モジュールケース(260)は、前記空調ケース(140)に脱着可能に結合されることを特徴とする請求項3に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項9】
前記触媒部(210)は、ハニカム構造体(213)に触媒を担持して構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項10】
前記モジュールケース(260)の内部には、多数個の前記光源部(220)が前記触媒部(210)に並んで配置されることを特徴とする請求項3に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項11】
前記光触媒モジュール(200)は、空気流動方向へ、前記送風装置(110)の内・外気流入口(121、122)に対して反対側方向に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項12】
前記光触媒モジュール(200)は、前記送風装置(110)のカットオフ(115)よりも空気流動方向へ下流側に配置されることを特徴とする請求項11に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項13】
前記光触媒モジュール(200)は、モジュールケース(260)に前記光源部(220)と触媒部(210)が順次配列された構造からなり、前記モジュールケース(260)が、前記空調ケース(140)に前記光源部(220)と触媒部(210)の配列方向に並んで締め付けられ、
前記モジュールケース(260)の締付方向は、前記送風装置(110)の送風ファン(135)の軸方向に並んで構成されることを特徴とする請求項12に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項14】
前記光触媒モジュール(200)は、モジュールケース(260)に前記光源部(220)と触媒部(210)が順次配列された構造からなり、前記モジュールケース(260)が、前記空調ケース(140)に前記光源部(220)と触媒部(210)の配列方向に並んで締め付けられ、
前記モジュールケース(260)は、前記送風装置(110)の送風ファン(135)の半径方向へ延長線上に構成されることを特徴とする請求項12に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項15】
前記光触媒モジュール(200)は、前記送風装置(110)側に供給される電源を制御するレジスタ(119)に対して空気流動方向へ反対側方向に配置されることを特徴とする請求項12に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項16】
前記空調ケース(140)内に、前記蒸発器(141)、ヒーターコア(142)、及び送風装置(110)が一体からなるセンターマウンティングタイプからなることを特徴とする請求項11に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項17】
前記空調ケース(140)内に送風装置(110)及び前記蒸発器(141)が一体に形成されるとともに、車両の後席側に設けられる車両用のリア空調装置からなり、
前記光触媒モジュール(200)は、空気流動方向へ前記送風装置(110)のカットオフ(115)を通過した流路上において、送風ファン(135)と前記蒸発器(141)のうち、前記蒸発器(141)に隣接して配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項18】
前記光触媒モジュール(200)は、前記蒸発器(141)の上下の長手方向へ下部側に配置されることを特徴とする請求項17に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項19】
前記空調ケース(140)には、前記送風装置(110)から流入する空気が、前記蒸発器(141)に向かう流路を上下方向に拡張させるように、下部に向かって延長する段差壁(1401)が形成され、前記光触媒モジュール(200)は、上下方向へ前記段差壁(1401)に位置することを特徴とする請求項18に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項20】
前記空調ケース(140)には、前記送風装置(110)から流入する空気が、前記蒸発器(141)に向かう流路を上下方向に拡張させるように、下部に向かって延長する段差壁(1401)が形成され、
前記光触媒モジュール(200)は、上下方向へ前記段差壁(1401)よりも上部に位置することを特徴とする請求項18に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項21】
前記蒸発器(141)は、前記光触媒モジュール(200)に対して傾斜して配列されて設けられることを特徴とする請求項18に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【請求項22】
前記光触媒モジュール(200)の横軸と前記蒸発器(141)の縦軸との間の傾きβが90゜以上に形成されることを特徴とする請求項21に記載の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒モジュールを備えた車両用空調装置に係り、さらに詳しくは、空調ケースの内部に流入する空気を浄化し、蒸発器を殺菌及び脱臭する光触媒モジュールを備えた車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用空調装置は、外部の空気を室内に導入し、または室内の空気を循環させ、加熱または冷却させることにより、車両の室内を暖房または冷房する装置である。すなわち、車両用空調装置は、送風機により車両の室内に空気が流入され、流入した空気は、冷媒が流れる蒸発器(Evaporator)を通過した後、テンパドアの開閉により、ヒーターコア(Heater Core)を選択的に通過し、ドアにより車両室内の各部分へ選択的に送風されるように構成される。
このような空調装置は、送風機ユニット、蒸発器ユニット、及びヒーターコアユニットの独立的な構造に応じて、3つのユニットが独立的に設けられるスリーピースタイプと、蒸発器ユニット及びヒーターコアユニットが空調ケースに内蔵され、送風機ユニットが別途のユニットとして設けられるセミセンタータイプと、3つのユニットが全て空調ケースに内蔵されるセンターマウンティングタイプとに分けられる。
先出願された特許文献1には、自動車用脱臭器付き冷房装置が開示されている。
図1は、従来の自動車用脱臭器付き冷房装置を示す断面図である。
【0003】
図1に示したとおり、従来の自動車用脱臭器付き冷房装置は、ケース20に外気吸入口21と内気吸入口22とが設けられ、外気吸入口21と内気吸入口22とを選択的に開閉するインテークドア23が回動自在に設けられる。インテークドア23の回動軸にはアクチュエータ30が連結され、制御手段31により制御される。
インテークドア23の下流側には、内・外気吸入口21、22から導入した空気を下流側に送風するための送風機25が設けられ、送風機25は、ファン32と、当該ファン32を回転させるモータ33と、からなる。送風機25の下流側には、蒸発器26が内設され、これを通過する空気と熱交換を行うことにより空気を冷却させる。蒸発器26の下流側の空気通路28には、長波長光の照射により活性酸素を発生する光触媒フィルタ27が設けられる。
光触媒フィルタ27は、紫外線ランプ29の照射により活性酸素を発生し、この活性酸素が異臭を放つ物質を極低濃度の被酸化性化合物まで酸化分解する。紫外線ランプ29は、蒸発器26と光触媒フィルタ27との間に設けられる。光触媒フィルタ27の下流側には、流動空気中に含まれるオゾンを除去するための金属触媒フィルタ34が設けられる。未説明符号の35は温度センサであり、36は臭気レベルを測定するセンサであり、37はファンスイッチであり、24は空気吹出口である。
【0004】
しかしながら、従来の自動車用脱臭器付き冷房装置は、光触媒の光源として用いられる紫外線ランプ29が、内部に水銀を含有したものであり、水銀が人体に有害であり、多様な環境的要件により車両に適用できないという問題点があった。しかも、光触媒フィルタ27は、蒸発器26の下流側に設けられるため、蒸発器26から発生する異臭を吸着して脱臭させることにより、ほこりの量が過多の時には、風量が低下し、頻繁にフィルタを交替しなければならないという問題点があった。
また、従来の自動車用脱臭器は、その設置位置により、流動空気の抵抗体として作用し、騒音が増大し、殺菌及び脱臭性能と空調性能が低下するという問題点があった。
また、従来の自動車用脱臭器は、蒸発器の殺菌及び脱臭効率が全般的に劣り、蒸発器部位のうちでも、細菌及び異臭が脆弱な部位に集中的に殺菌及び脱臭を行うことができないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国実用新案登録第2549032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、空調ケースの内部に流入する空気を浄化するとともに、蒸発器を殺菌及び脱臭し、光触媒モジュールの設置位置を最適化し、光触媒モジュールの脱着が容易であり、メンテナンスにおける利点がある車両用空調装置を提供することにある。
本発明の他の目的とするところは、流動空気に対する光触媒モジュールの抵抗を最小化し、風量の損失を最小化し、騒音問題を解決することができる車両用空調装置を提供することにある。
本発明のまた他の目的とするところは、光触媒モジュールの設置位置と蒸発器との間の配列構造を最適化し、殺菌及び脱臭効果を極大化することができる光触媒モジュールを備えた車両用空調装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するためになされた、本発明の光触媒モジュールを備えた車両用空調装置は、入口側に空気流入口が形成され、出口側に空気吐出口が形成され、内部に空気通路が形成される空調ケースと、空調ケースの空気通路上に設けられる蒸発器と、空調ケースの内部に空気を送風する送風装置と、を備え、空調ケースの一側に光触媒モジュールが設けられ、光触媒モジュールは、照射される光により光触媒反応を引き起こし、ラジカルを発生させ、発生したラジカルを空調ケースの内部の空気流路に供給するように配置される触媒部、及び触媒部側に紫外線(UV)光を照射する少なくとも一つの光源部を有することを特徴とする。
【0008】
上記において、触媒部及び光源部は、空気流動方向へ、送風装置の内・外気流入口に対して反対側方向に配置されることができる。
上記において、空調ケース内に送風装置及び蒸発器が一体に形成されるとともに、車両の後席側に設けられる車両用のリア空調装置からなり、触媒部及び光源部は、空気流動方向へ、送風装置のカットオフを通過した流路上において、送風ファンと蒸発器のうち、蒸発器に隣接して配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、光触媒モジュールを備えた車両用空調装置は、光触媒モジュールの設置構造を最適化し、風量の低下が防止され、担体の種類の選択または光源部の適宜なオン/オフ制御を通じて、光触媒モジュールがほぼ半永久的に使用でき、空調ケースの内部に流入する空気を浄化するとともに、蒸発器を殺菌及び脱臭するだけでなく、光触媒モジュールの設置位置を最適化し、光触媒モジュールの脱着が容易になるため、メンテナンスにおける利点もある。
また、本発明による光触媒モジュールを備えた車両用空調装置は、光触媒モジュールの設置位置を最適化し、触媒部を通過する空気の風量を増大させることにより、殺菌及び脱臭性能を極大化し、流動空気の抵抗を最小化することにより、騒音問題を解決する効果がある。
また、本発明による光触媒モジュールを備えた車両用空調装置は、蒸発器の下端側に集中的にラジカルを発生させ、凝縮水を下部に集中させ、光触媒モジュールの性能を極大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】従来の自動車用脱臭器付き冷房装置を示す断面図である。
【
図2】本発明の第1の実施例による車両用空調装置の概略的な構成を示す断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施例による車両用空調装置を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施例による車両用空調装置の光触媒モジュールを概略的に示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施例による空調ケースの一部切断面を示す断面図である。
【
図6】本発明の第1の実施例による蒸発器の前面を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第1の実施例による光触媒モジュールの装着位置別の菌除去率を示す表である。
【
図8】本発明の第1の実施例による車両用空調装置の光触媒モジュールを示す拡大断面図である。
【
図9】本発明の第1の実施例による車両用空調装置の触媒部を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第1の実施例による触媒部の配置方向を示す図である。
【
図11】
図10の変形例による触媒部の配置方向を示す図である。
【
図12】
図8の変形例による車両用空調装置の光触媒モジュールを示す拡大断面図である。
【
図13】本発明の第2の実施例による送風装置のカットオフを示すためのスクロール部を上部から示す図である。
【
図14】本発明の第2の実施例による光触媒モジュールを示す斜視図である。
【
図15】本発明の第2の実施例による光触媒モジュールを示す断面図である。
【
図16】本発明の第2の実施例によるセンターマウンティングタイプの空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す正面図である。
【
図17】本発明の第2の実施例によるセンターマウンティングタイプの空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す側面図である。
【
図18】
図16の変形例によるセンターマウンティングタイプの空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す正面図である。
【
図19】
図17の変形例によるリア空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す図である。
【
図20】本発明の第3の実施例によるリア空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す斜視図である。
【
図21】本発明の第3の実施例によるリア空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す断面図である。
【
図22】
図21の変形例によるリア空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す断面図である。
【
図23】
図21の他の変形例によるリア空調装置への光触媒モジュールと蒸発器の配置状態を示す断面図である。
【
図24】
図23による光触媒モジュールと蒸発器との間の配置構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面に基づき、光触媒モジュールを備えた車両用空調装置の技術的構成について詳述する。
図2は、本発明の第1の実施例による車両用空調装置の概略的な構成を示す断面図であり、
図3は、本発明の第1の実施例による車両用空調装置を示す斜視図である。
図2及び
図3に示したとおり、本発明の第1の実施例による車両用空調装置100は、セミセンタータイプの空調装置であって、空調ケース140と、蒸発器141及びヒーターコア142と、送風装置110と、温度調節ドア145と、多数のモードドア146と、光触媒モジュール200と、を備える。
空調ケース140は、入口側に空気流入口143が形成され、出口側に多数の空気吐出口144が形成され、内部に空気通路が形成される。蒸発器141及びヒーターコア142は、空調ケース140の内部の空気通路上に、順次に一定の間隔を置いて設けられる。蒸発器141は、空気通路を流動する空気と熱交換され、空気を冷却する機能を行い、ヒーターコア142は、空気通路を流動する空気と熱交換され、空気を加熱する機能を行う。
送風装置110は、空調ケース140の内部に空気を送風するものであって、内気流入口121と外気流入口122が一側に形成され、内気流入口121及び外気流入口122を選択して開閉するように、内・外気転換ドア123が設けられる。また、送風装置110は、内気または外気を、空調ケース140の空気流入口143側に強制送風するための送風ファン135を有する。
温度調節ドア145は、蒸発器141とヒーターコア142との間に設けられ、ヒーターコア142を通過する温風通路と、ヒーターコア142をバイパスする冷風通路との開度を調節することにより、空気の吐出温度を調節する。多数のモードドア146は、それぞれの空気吐出口144に設けられ、多様な空調モードにより、各空気吐出口144を選択的に開閉する。
【0012】
図4は、本発明の第1の実施例による車両用空調装置の光触媒モジュールを概略的に示す図であり、
図5は、本発明の第1の実施例による空調ケースの一部切断面を示す断面図であり、
図6は、本発明の第1の実施例による蒸発器の前面を示す斜視図であり、
図7は、本発明の第1の実施例による光触媒モジュールの装着位置別の菌除去率を示す表であり、
図8は、本発明の第1の実施例による車両用空調装置の光触媒モジュールを示す拡大断面図であり、
図9は、本発明の第1の実施例による車両用空調装置の触媒部を示す斜視図である。
図4乃至
図9に示したとおり、光触媒モジュール200は、空調ケース140の一側に設けられるものであって、触媒部210及び光源部220を有する。光触媒モジュール200は、触媒部210と光源部220が一つにモジュール化して構成される。したがって、光触媒モジュール200の脱着が容易であり、メンテナンスにおける利点がある。
触媒部210は、照射される光により光触媒反応を引き起こし、ラジカル201を発生させる。触媒部210は、発生したラジカル201を空調ケース140の内部の空気流路に供給するように配置される。触媒部210は、セラミック類等の担体からなり、空気抵抗の多くない物質からなり、触媒部210を通過する流動空気の風量が低下することを最小化する。
【0013】
触媒部210は、後述する光源部220から照射される光により、光触媒反応を引き起こし、光触媒反応において発生したラジカル201の酸化作用により、空調ケース140の内部に流入する汚染物質と、蒸発器141内の菌類、各種の汚染物質及び悪臭を除去する。
光源部220は、一つまたは多数個からなり、触媒部210側に紫外線(UV)光を照射する作用をする。触媒部210を構成する光触媒担体は、光源部220により光を吸収すると、電子の詰まった価電子帯(Valence Band:VB)の電子は、この光エネルギーを吸収し、電子の空いた伝導帯(Conduction Band:CB)に飛び越えるようになる。価電子帯の空いた電子の準位である正孔(Hole)は、表面に水分子を酸化させ、自身は本来の状態となり、酸化した水分子はOHラジカル(・OH)を形成する。また、伝導帯に励起された励起電子(Excited Electron)という電子は、酸素と反応し、強い酸化力の過酸素ラジカル(・О
2)を生成する。
このように、光触媒モジュール200が、触媒部210及び光源部220で構成され、光触媒反応により、ラジカル201を発生させる構造は、悪臭が含まれた汚染空気を吸着して脱臭させる構造に比べて、別途にフィルタを交替しなくてもよく、担体の種類の選択または光源部の適宜なオン/オフ制御を通じて、光触媒モジュール200がほぼ半永久的に使用できる。すなわち、本発明の第1の実施例による光触媒モジュール200は、寿命に優れる。
光源部220は、380nm以下の波長を有するUVA(Ultra Violet‐A)光またはUVC(Ultra Violet‐C)光を照射する発光ダイオード(LED)で構成される。光源部220がLEDで構成されることにより、既存の水銀ランプにおいて問題点であった水銀使用の問題を解決し、小さな電力で、効果的な光の照射が可能である。この場合、UVAは、比較的安価であるため、費用的な側面において有利であり、光触媒担体の光触媒反応を効果的に活性化させる。また、UVCは、比較的高価であるが、光触媒反応を活性化させる作用をするとともに、自体的に殺菌機能を行い、殺菌効率を向上させることができる。
【0014】
光触媒モジュール200は、空気の流路上に通過部209を形成するように、空調ケース140の一側壁に設けられる。すなわち、光触媒モジュール200は、空調ケース140の内壁または空気通路の中央の一部分に装着され、空調ケース140の内部を流動する空気の風量低下を最小化することができる。通過部209は、空調ケース140の内部の空気流路中において、光触媒モジュール200が占めていない空き空間であって、これを通過する空気の風量を円滑に確保するようにする。
すなわち、光触媒モジュール200は、一側が開口され、他側が閉鎖され、内部に空間部を形成するモジュールケース260を有する。光源部220は、モジュールケース260の内部の空間部に結合され、モジュールケース260の開口部に触媒部210が結合される。触媒部210は、空調ケース140の内側に引き込まれて設けられる。このような構成を通じて、比較的簡単な構成により、光触媒モジュール200を空調ケース140に容易に設置可能である。
モジュールケース260は、その内部に光源部220と触媒部210を内蔵するように取り囲むものであって、空調ケース140に脱着可能に結合される。モジュールケース260は、触媒部210が空気流路と接触が可能なように、空調ケース140の内側に連通して構成される。モジュールケース260は、ボルト265を介して空調ケース140に螺合され、またはその他の締付構造を介して空調ケース140に脱着可能に結合される。このように、モジュールケース260が、空調ケース140に脱着可能に結合される構成を通じて、組立時の装着性に優れ、メンテナンスが容易になる。
モジュールケース260は、開口部が形成された側が空調ケース140の外側に結合され、光源部220は、空調ケース140の外側に配置される。触媒部210は、空調ケース140の内側に配置される。したがって、光触媒モジュール200が空調ケース140の内部に最小限に引き込まれ、空調ケース140の内部の空気流動路の抵抗が最小化し、触媒部210が空調ケース140の内部に露出して発生したラジカル201が、円滑に蒸発器141側に供給される。
【0015】
図9に示したとおり、触媒部210は、ハニカム構造体213に触媒を担持して構成されることが好ましい。触媒部210は、メッシュ状のケース214を有してもよく、ケース214の内部にハニカム構造体213を有し、ハニカム構造体213に光触媒担体を担持して構成することができる。このような構成により、触媒部210を通過する流動空気の抵抗が最小化し、風量の低下を最小化することができる。
光触媒モジュール200は、空気流動方向へ、蒸発器141の上流側の空調ケース140の壁面に配置される。光触媒モジュール200は、蒸発器141の上流側である空調ケース140の内部の空気通路上に形成される。または、光触媒モジュール200は、送風装置110と空調ケース140を連結する送風ダクトの上に設けられてもよく、送風装置110の内部に配置されることも可能である。
光触媒モジュール200が蒸発器141の上流側に配置されることにより、光触媒モジュール200から発生するラジカル201が、流動空気と一緒に、蒸発器141側に流動され、蒸発器141に存在する微細物、有害ガス等の臭気誘発物質1411を除去するようになる。
結局、本発明の第1の実施例による車両用空調装置100は、蒸発器141の臭気誘発物質1411を蒸発器141の下流側において捕集する構造に比べて、蒸発器141の上流側においてラジカル201を蒸発器141に供給し、蒸発器141の臭気誘発物質1411を根本的に除去することにより、より効率的な悪臭除去が可能であり、フィルタの交替周期をさらに短くすることができる。
空調ケース140は、蒸発器141の上流側において空気の流動方向が転換される流路転換部を有する。流路転換部は、送風装置110から送風される空気が90°方向転換される区間であって、流路転換部に光触媒モジュール200が設けられる。さらに詳しくは、光触媒モジュール200は、空調ケース140の流路転換部のうち、空気流動経路が相対的に短く、蒸発器141にさらに隣接した屈曲部の内側壁面に配置される。
【0016】
図5は、流路転換部の前端において空調ケース140を切断した断面図であって、光触媒モジュール200は、
図5の1番位置、2番位置、3番位置、4番位置に配置されてもよい。このとき、空気流動経路が相対的に短く、蒸発器141にさらに隣接した屈曲部の内側壁面は、3番位置及び4番位置である。好ましくは、光触媒モジュール200は、空調ケース140の流路転換部のうち、空調ケース140の高さ方向へ下部領域に配置される。高さ方向へ下部領域は、2番位置及び4番位置である。結局、光触媒モジュール200は、流路転換部の屈曲部の内側壁面及び高さ方向へ下部領域、すなわち、4番位置に配置されることが最も好ましい。
図7によると、光触媒モジュール200の装着位置を変化させ、それぞれ1、2、3、4番位置に配置したとき、各装着位置別に蒸発器の前面部の菌除去率を測定した。この場合、
図6に示した蒸発器における菌測定位置を、前面1、前面2、前面3、前面4、前面5の5つの位置とした。実験の結果、
図7に示したとおり、光触媒モジュール200を4番位置に装着したとき、蒸発器の菌除去率が最も高いことが確認された。
【0017】
図10は、本発明の第1の実施例による触媒部の配置方向を示す図である。
図10に示したとおり、触媒部210は、空調ケース140の内部の空気流動方向に並んで配置される平面部を有する。すなわち、触媒部210は、所定の厚さを有する板状からなり、平面部を有し、平面部が空調ケース140内に空気流動方向に並んで配置される。このような構造は、触媒部210が、空調ケース140内において空気流動抵抗を最小化するようになる。
一方、
図11は、
図10の変形例による触媒部の配置方向を示す図である。
図11に示すとおり、触媒部210は、空調ケース140の内部の空気流動方向に対して傾斜して配置される平面部を有する。すなわち、触媒部210は、所定の厚さを有する板状からなり、平面部を有し、平面部が空気流動方向に対して傾斜して配置される。この場合、触媒部210の傾斜方向は、流動空気が触媒部210により蒸発器141側に案内されるように形成される。このように、触媒部210の傾斜方向を流路転換部の方向とし、ラジカル生成機能のみならず、流路転換部における蒸発器側への空気流動をガイドする機能を一緒に行うことができる。
図12は、
図8の変形例による車両用空調装置の光触媒モジュールを示す拡大断面図である。
図12に示したとおり、モジュールケース260の内部には、多数個の光源部220が触媒部210に並んで配置される。本実施例において、光源部220は、符号220aと220bの1対からなるが、個数を3つ以上にすることも可能である。好ましくは、光源部220を
図5の3番位置及び4番位置にそれぞれ設ける構造である。このような構造を通じて、多数個の光源部220から照射される光が、触媒部210の反応をさらに促進させ、より多くのラジカルを発生させることができる。
【0018】
図13は、本発明の第2の実施例による送風装置のカットオフを示すためのスクロール部を上部から示す図であり、
図14は、本発明の第2の実施例による光触媒モジュールを示す斜視図であり、
図15は、本発明の第2の実施例による光触媒モジュールを示す断面図である。
第2の実施例の構成は、上述した第1の実施例の構成と重複する構成については、同一の符号を用い、詳細な説明を省略する。
図2、
図13乃至
図15に示したとおり、本発明の第2の実施例による光触媒モジュールを備えた車両用空調装置100は、空調ケース140と、蒸発器141及びヒーターコア142と、送風装置110と、温度調節ドア145及び多数のモードドア146と、光触媒モジュール200と、を備える。
送風装置110は、内気流入口121と外気流入口122が形成され、内・外気転換ドア123が設けられたインレットダクトと、インレットダクトの下部に結合され、送風ファン135が設けられたスクロールケースと、で構成される。
図13は、インレットダクトをスクロールケースから分離し、スクロールケースを上部から見たものを示す図である。
図13に示すとおり、送風ファン135が回転可能に配置されるスクロール部111が設けられ、スクロール部111に連通するとともに、スクロール部111の出口方向に延長する出口部112が形成される。これにより、スクロール部111のスクロール開始部と出口部112との境界部にカットオフ115が形成される。
光触媒モジュール200は、触媒部210と、光源部220と、モジュールケース260と、放熱部230と、を有する。光触媒モジュール200は、触媒部210と光源部220がモジュールケース260内に設けられ、一つにモジュール化して構成される。したがって、空調ケース140に光触媒モジュール200を設置しやすく、脱着が簡便であり、メンテナンスにおける利点がある。
【0019】
放熱部230は、光源部220の一側に設けられ、光源部220から発生する熱を放出する機能を行う。放熱部230は、LED221で構成された光源部220の過熱を防ぎ、光触媒モジュール200の性能が低下することを防止する。光触媒モジュール200の温度が上昇する場合、光源部220の光量が低下し、これにより、過酸素ラジカルの生成量が減少する。したがって、放熱部230は、光触媒モジュール200の温度が上昇することを抑制し、過酸素ラジカルの生成量を一定の水準に維持することが可能となる。
光源部220は、LED221と、LED221を固定するLEDパネル222と、を有する。この場合、放熱部230は、多数の放熱ピン231を有する。放熱ピン231は、LED221が形成されたLEDパネル222の反対面に接触結合される。放熱ピン231は、LEDパネル222に接触された状態で、反対側に多数個が突出形成され、外部空気との熱交換面積を増やすことにより、放熱効果を向上させる。また、放熱部230がLEDパネル222に直接接触して、LED221から発生した熱をより効果的に放熱することができる。
モジュールケース260は、内部に光源部220と触媒部210を有するものであって、開口部261と、段部262と、傾斜部263と、触媒部収容溝264と、で構成されてもよい。開口部261は、モジュールケース260の一側に形成され、放熱部230が開口部261に挿入結合される。段部262は、開口部261において内側に段差をもって突設され、LEDパネル222を支持する。触媒部収容溝264は、モジュールケース260の他側に形成され、触媒部210を収容する。傾斜部263は、光源部220から照射された光を、触媒部210側に案内して集中させることにより、触媒反応量を増加させる。モジュールケース260は、空調ケース140の壁面に締め付けられるための締付孔266が形成されたブラケット267を有する。
【0020】
図16は、本発明の第2の実施例によるセンターマウンティングタイプの空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す正面図であり、
図17は、本発明の第2の実施例によるセンターマウンティングタイプの空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す側面図である。
以下の説明において、
図16の左右方向が「送風ファンの軸方向」及び「空調装置の幅方向」であり、上下方向が「送風ファンの半径方向」である。また、
図17の左側方向が「前方」であり、右側方向が「後方」である。また、
図16及び
図17において、二点鎖線で示された部分は、カットオフの水平方向の延長線である。
図16及び
図17に示したとおり、光触媒モジュール200は、空気流動方向へ、送風装置110の内・外気流入口121、122に対して反対側方向に配置される。すなわち、光触媒モジュール200は、空調装置の幅方向へ、内・外気流入口121、122に対して互いに反対方向に位置する。
図16の矢印のように、内・外気流入口121、122から流入した空気は、水平方向、すなわち、送風ファン135の軸方向に並んだ方向に流動された後、送風ファン135の回転により、垂直方向、すなわち送風ファン135の半径方向に流動され、空調ケース140の内部に流動される。
この場合、光触媒モジュール200が内・外気流入口121、122に対して反対方向に向かい合っており、内・外気流入口121、122から流入する空気が、光触媒モジュール200を通過する風量が相対的に多くなる。これにより、触媒部210を通過する空気の流動量が多くなり、光触媒モジュール200の殺菌及び脱臭性能を向上させることができる。
また、光触媒モジュール200は、送風装置110のスクロール開始部と出口部との境界であるカットオフ115よりも、空気流動方向へ、下流側に配置される。すなわち、光触媒モジュール200は、空調装置の上下方向へカットオフ115の延長線よりも下部に位置するものであって、空気がカットオフ115を通過した部位に位置する。これにより、カットオフ115にかかる抵抗を減らし、騒音問題を解決することができる。光触媒モジュール200が、空気流動方向へ、カットオフ115の上流側に配置される場合、光触媒モジュール200によりカットオフ115にかかる抵抗が増加し、騒音が大きくなる問題が発生するが、光触媒モジュール200の配置を最適化して、騒音問題を解決することができる。
【0021】
本発明の第2の実施例による車両用空調装置は、空調ケース140内に、蒸発器141、ヒーターコア142及び送風装置110が一体からなるセンターマウンティングタイプからなる。このようなセンターマウンティングタイプの空調装置は、カットオフ115の部位において抵抗が急に増加し、これにより、騒音が大きくなるという問題点があるが、光触媒モジュール200の位置を、カットオフ115よりも空気流動方向へ下流側に配置し、騒音問題を解決することができる。
また、上述のように、光触媒モジュール200は、触媒部210及び光源部220が単一のモジュールケース260に設けられるが、光源部220と触媒部210が順次配列された構造からなる。この場合、モジュールケース260は、空調ケース140に光源部220と触媒部210の配列方向に並んで締め付けられる。モジュールケース260に設けられたブラケット267の締付孔266にボルト等を螺合し、光触媒モジュール200が空調ケース140に締め付けられてもよい。
図16に示したとおり、モジュールケース260の締付方向は、送風装置110の送風ファン135の軸方向に並んで構成される。内・外気流入口121、122から流入した空気は、送風ファン135の回転により半径方向に流動しながら、カットオフ115を経て光触媒モジュール200の触媒部210を通過するが、触媒部210の締付方向は、送風ファン135の軸方向に並んだ方向となり、触媒部210を通過する空気の風量を相対的に多くすることができる。
【0022】
一方、
図18は、
図16の変形例によるセンターマウンティングタイプの空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す正面図である。
図18に示したとおり、モジュールケース260は、送風装置110の送風ファン135の半径方向へ延長線上に構成されることも可能である。内・外気流入口121、122から流入した空気は、送風ファン135の回転により半径方向に流動しながら、カットオフ115を経て光触媒モジュール200の触媒部210を通過するが、触媒部210は、送風ファン135の半径方向へ延長線上に配置され、触媒部210を通過する空気の抵抗を相対的に少なくすることができる。
また、光触媒モジュール200は、レジスタ119に対して空気流動方向へ反対側方向に配置される。すなわち、光触媒モジュール200は、空調装置の幅方向へ、レジスタ119に対して互いに反対方向に位置する。レジスタ119は、送風装置110側に供給される電源を制御するために設けられるものであって、ブロワーモータの回転速度を制御する機能等を行い、送風装置110のスクロールケースの吐出口側の内部に設けられる。光触媒モジュール200とレジスタ119が、同じ側に位置する場合、片側にかかる抵抗が大きくなり、騒音が増大され、性能が低下する問題が発生するが、光触媒モジュール200の配置を最適化し、騒音問題及び性能低下問題を解決することができる。
一方、
図19は、
図17の変形例によるリア空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す図である。
図19に示したとおり、上述した実施例の光触媒モジュール200の配置は、リア空調装置にも同様に適用することができる。すなわち、光触媒モジュールが、内・外気流入口の反対側に配置された構造、カットオフを通過した部位に配置された構造、及びレジスタの反対方向に配置された構造等は、センターマウンティングタイプ、セミセンタータイプに全て適用可能であり、リア空調装置にも同様に適用することができる。
【0023】
図20は、本発明の第3の実施例によるリア空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す斜視図であり、
図21は、本発明の第3の実施例によるリア空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す断面図である。
第3の実施例の構成は、上述した第1の実施例または第2の実施例の構成と重複する構成については、同一の符号を用い、詳細な説明を省略する。
以下の説明において、
図21の左側から右側に向かう方向が「空気流動方向」である。
図20及び
図21に示したとおり、本発明の第3の実施例による光触媒モジュール200は、空気流動方向へ、送風装置110のカットオフ115を通過した流路上において、送風ファン135と蒸発器141のうち、蒸発器141に隣接して配置される。すなわち、光触媒モジュール200は、送風ファン135と蒸発器141との間に位置し、カットオフ115を通過した流路上において蒸発器141側に最大限隣接して配置される。
これにより、光触媒モジュール200が、送風ファン135と蒸発器141との間において、空気の流れが円滑な部位に位置され、触媒部210を通過する風量が十分に確保できることにより、殺菌及び脱臭性能を向上させることができ、これと同時に、カットオフ115にかかる抵抗を減らし、騒音問題を解決することができる。また、光触媒モジュール200が蒸発器141に隣接して配置された構成を通じて、蒸発器141の殺菌及び脱臭効果を極大化することができる。
【0024】
本発明の第3の実施例によるリア空調装置は、空調ケース140内に送風装置110及び蒸発器141が一体に形成され、車両の後席側に設置される。リア空調装置において、送風ファン135と蒸発器141との間は、空気の流れが円滑に形成されることにより、送風ファン135と蒸発器141との間に光触媒モジュール200を位置させ、光触媒モジュール200の触媒反応を増大させることができる。
より好ましくは、光触媒モジュール200は、空調ケース140の上下方向に配置された蒸発器141の長手方向下部に配置される。すなわち、光触媒モジュール200は、蒸発器141が空調ケース140の内部に設けられた状態で、上下の長手方向の中間部位を基準として下部側に配置される。これにより、凝縮水が相対的に多く生じる蒸発器141の下端側に光触媒モジュール200が位置し、ラジカルを蒸発器141の下端側に吐き出すことにより、微生物の繁殖が容易な蒸発器141の下端側を集中的に脱臭及び殺菌し、触媒性能を最大化することができる。
【0025】
このように光触媒モジュール200の位置を限定した構成は、蒸発器141の凝縮水が荷重により下部方向に偏重する原因から問題点を見出して創出されたものであって、単純な設計変更事項ではなく、光触媒モジュール200の位置範囲の臨界点により、蒸発器における微細物の繁殖が集中する箇所の殺菌ができるか否かに対する異質的な効果を発揮している。
また、空調ケース140には、送風装置110から流入する空気が、蒸発器141に向かう流路を上下方向に拡張させるように、下部に向かって延長する段差壁1401が形成される。この場合、光触媒モジュール200は、上下方向へ段差壁1401に位置する。結局、光触媒モジュール200は、蒸発器141の上下の長手方向へ下部側に配置されるとともに、上下の高さが段差壁1401に収容されるように段差壁1401に位置することにより、光触媒モジュール200が空気流動に殆ど影響せず、抵抗を最小化することができる。
【0026】
一方、
図22は、
図21の変形例によるリア空調装置への光触媒モジュールの配置状態を示す断面図であって、
図22に示したとおり、光触媒モジュール200は、上下方向へ段差壁1401よりも上部に位置することも可能である。すなわち、光触媒モジュール200は、蒸発器141の上下の長手方向へ下部側に配置されるとともに、段差壁1401の最上端よりも上部に配置される。結局、光触媒モジュール200は、上下の長手方向へ、段差壁1401と蒸発器141との中間に位置するようになる。これにより、光触媒モジュール200が、送風装置110から蒸発器141に向かって送風される空気流路の中央部側に位置するようになり、光触媒モジュール200を通る風量が最大化することにより、ラジカル発生量を極大化することができる。
【0027】
また、
図23は、
図21の他の変形例によるリア空調装置への光触媒モジュールと蒸発器の配置状態を示す断面図である。
図23に示したとおり、蒸発器141は、光触媒モジュール200に対して傾斜して配列されて設けられる。すなわち、蒸発器141と光触媒モジュール200は、一定の角度αだけ傾斜して配列される。この場合、光触媒モジュール200は、上述のように、蒸発器141の上下の長手方向へ下部側に配置される。蒸発器141が傾斜して配列された構成を通じて、凝縮水が蒸発器141の下部へさらに円滑に排水され、蒸発器141の下部に位置した光触媒モジュール200が、蒸発器141の下部に向かって集中的にラジカルを吐き出すことにより、蒸発器141の全体的な殺菌及び脱臭効果をさらに向上させることができる。
【0028】
より詳しくは、
図24に示すとおり、光触媒モジュール200の横軸と蒸発器141の縦軸との間の傾きβが90゜以上に形成される。すなわち、光触媒モジュール200に対して蒸発器141の装着角度を傾けることにより、凝縮水排水性の容易さと、蒸発器141の前後のラジカル吐き出しにより、相互シナジー効果を最大化することができる。
【0029】
以上、本発明による光触媒モジュールを備えた車両用空調装置は、図示した実施例を基に説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者であれば、誰でも、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることは自明である。したがって、本願特許の保護範囲は、添付した特許請求の範囲の技術的思想により定められなければならない。
【符号の説明】
【0030】
20:ケース
21:外気吸入口
22:内気吸入口
23:インテークドア
24:空気吹出口
25:送風機
26:蒸発器
27:光触媒フィルタ
28:空気通路
29:紫外線ランプ
30:アクチュエータ
31:制御手段
32:ファン
33:モータ
34:金属触媒フィルタ
35:温度センサ
36:臭気レベルを測定するセンサ
37:ファンスイッチ
100:車両用空調装置
110:送風装置
111:スクロール部
112:出口部
115:カットオフ
119:レジスタ
121:内気流入口
122:外気流入口
123:内・外気転換ドア
135:送風ファン
140:空調ケース
141:蒸発器
142:ヒーターコア
143:空気流入口
144:空気吐出口
145:温度調節ドア
146:モードドア
200:光触媒モジュール
201:ラジカル
209:通過部
210:触媒部
213:ハニカム構造体
214:ケース
220:光源部
221:LED
222:LEDパネル
230:放熱部
231:放熱ピン
260:モジュールケース
261:開口部
262:段部
263:傾斜部
264:触媒部収容溝
265:ボルト
266:締付孔
267:ブラケット
1401:段差壁
1411:臭気誘発物質