(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6229102
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20171030BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20171030BHJP
F21L 4/02 20060101ALI20171030BHJP
F21L 4/06 20060101ALI20171030BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20171030BHJP
【FI】
F21S9/02 410
F21L4/00 410
F21L4/02 100
F21L4/06
F21S9/02 420
F21Y101:00 100
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-205546(P2016-205546)
(22)【出願日】2016年9月30日
【審査請求日】2016年11月9日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】516315007
【氏名又は名称】▲榊▼原 元子
(72)【発明者】
【氏名】▲榊▼原 元子
【審査官】
下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭55−112307(JP,U)
【文献】
特開2016−066530(JP,A)
【文献】
米国特許第05716121(US,A)
【文献】
実開昭60−059305(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21L 4/00
F21L 4/02
F21L 4/06
F21Y 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
机上に載置するための本体と、
前記本体に収容された電源と、
前記電源に接続され、前記本体の上端から突出する複数のケーブルと、
前記複数のケーブルの先端に設けられ、前記電源から供給される電力によって発光する発光部と、
前記本体の外周面に嵌合され、前記ケーブルを囲繞する上昇位置と前記ケーブルが露出する下降位置との間において、前記本体に対して相対変位可能な筒体とを備え、
前記筒体が前記上昇位置にあるとき、前記発光部は前記筒体の中に収容され、
前記筒体が前記下降位置にあるとき、前記ケーブルは前記発光部が前記本体の外周面から径方向外方に突出するように変形可能であることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記発光部が光を照射する電球と、前記電球の外周を囲繞し、前記ケーブルに向かって窄まる円錐形状を有する傘状部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記傘状部材が可撓性を有することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常時等には懐中電灯として利用され、通常は室内の装飾用として使用可能な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、懐中電灯と室内装飾品を兼ねる照明装置として特許文献1に開示されたものが知られている。この照明装置は、電池とランプを収容する本体に、有底筒状のカバーを上方から被せて構成される。ランプは本体の下端部に設けられ、カバーの開口部の近傍に位置しており、照明装置は通常、開口部すなわちランプを下にして机上に載置される。この載置状態において、カバーを本体に対して持ち上げることにより本体の下端部が露出し、ランタンとして機能する。またカバーの外周面を把持することにより、照明装置を懐中電灯として使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2002−313102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の照明装置は、本体に対してカバーをスライドさせることにより、本体のランプの部分をカバーから出没させるだけの構成であり、室内装飾品として機能する場合の照明効果は不十分であった。
【0005】
本発明は、懐中電灯として利用できるだけでなく、室内装飾品として機能する場合にも十分な照明効果を発揮することができる照明装置を提供すること目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明装置は、机上に載置するための本体と、本体に収容された電源と、電源に接続され、本体の上端から突出する複数のケーブルと、複数のケーブルの先端に設けられ、電源から供給される電力によって発光する発光部と、本体の外周面に嵌合され、ケーブルを囲繞する上昇位置とケーブルが露出する下降位置との間において、本体に対して相対変位可能な筒体とを備え、筒体が上昇位置にあるとき、発光部は筒体の中に収容され、筒体が下降位置にあるとき、ケーブルは発光部が本体の外周面から径方向外方に突出するように変形可能であることを特徴としている。
【0007】
発光部は例えば、光を照射する電球と、電球の外周を囲繞し、ケーブルに向かって窄まる円錐形状を有する傘状部材とを有する。傘状部材は可撓性を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、懐中電灯として利用できるだけでなく、室内装飾品として機能する場合にも十分な照明効果を発揮することができる照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態である照明装置であって、筒体が上昇位置にある状態を示す平面図である。
【
図2】筒体が上昇位置にあるときの照明装置の縦断面図である。
【
図3】筒体が下降位置にあるときの照明装置の平面図である。
【
図4】筒体が下降位置にあるときの照明装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1、2は本発明の一実施形態の照明装置であって、懐中電灯として使用する状態を示している。
本体10は有底筒状を有し、本体10内には電源11が収容される。電源11は例えば乾電池である。本体10内には支持板12が設けられ、支持板12には複数本のケーブル13が挿通する。ケーブル13は可撓性の材料から成り、各ケーブル13の基端は電源11に電気的に接続される。各ケーブル13は本体10の上端から突出し、その先端には、電源11から供給される電力によって発光する発光部20が設けられる。
【0011】
発光部20は、本実施形態では5つ設けられる。各発光部20は、光を照射する電球21と、電球21の外周を囲繞する傘状部材22とを有する。傘状部材22はケーブル13に向かって窄まる円錐形状を有し、ケーブル13に固着される。傘状部材22は合成樹脂等のように弾性を有する可撓性材料によって成形され、傘状部材22の内壁面は、電球21からの光を反射するための薄膜層によって被覆されることが好ましい。
【0012】
本体10の外周面には筒体15が嵌合され、筒体15は本体10と略同じ軸方向長さを有する。筒体15はケーブル13を囲繞する上昇位置(
図2)とケーブル13が露出する下降位置(
図4)との間において、本体10に対して相対変位可能である。筒体15が上昇位置にある状態において筒体15を本体10に固定するため、本体10には従来公知のロック機構(図示せず)が設けられる。
【0013】
図3、4は照明装置を室内装飾品として使用する状態を示している。この状態では、筒体15は下降位置にあり、筒体15の下端は本体10の下端に略一致している。一方、筒体15の上端は本体10の上端よりも若干低い位置にある。ケーブル13は可撓性を有し、発光部20が本体10の外周面から径方向外方に突出するように変形可能である。
【0014】
発光部20の個数すなわちケーブル13の本数は本実施形態では5であり、照明装置を上方から見ると、発光部20は中央に1個、その周囲に4個設けられる。筒体15が上昇位置にあるとき、筒体15は周囲に位置する4つの発光部20に干渉し、これらの発光部20の傘状部材22は扁平に変形しているが(
図2参照)、筒体15が下降位置に定められた状態では、これらの発光部20が取付けられた4本のケーブル13を径方向外方へ湾曲させることができ、これにより4つの発光部20は筒体15から外方へ向き(
図3参照)、また各傘状部材22は弾性力によって円錐状になる。
【0015】
本体10は
図3、4の状態では発光部20が上方を向くようにして机上に載置されるが、このような使用に限定されず、本体10が横になるように載置してもよい。一方、
図1、2の状態では本体10あるいは筒体15を把持して懐中電灯として使用できる。
【0016】
発光部20の電球21を点灯させるためのスイッチ(図示せず)は例えば、本体10の外側底面を凹陥させて設ければよい。
【0017】
また本体10の上端10aと筒体15の上端15aはそれぞれ面取りすることが好ましく、これにより、筒体15が下降位置にあるとき、
図4に示すように傘状部材22の外面が上端10a、15aに対して面接触することになり、傘状部材22は円錐形状を維持することができる。
【0018】
以上のように本実施形態によれば、筒体15を下降位置に定めた状態において、発光部20が筒体15よりも外側に突出するので、広範囲にわたって照明することができる。すなわち本実施形態の照明装置は、懐中電灯として利用できるだけでなく、室内装飾品として機能する場合にも十分な照明効果を発揮することができる。
【0019】
なお、ケーブル13を柔軟性の高い材料によって成形すれば、筒体15が下降位置に定めた状態において周囲の4つの発光部20の自重によってケーブル13が湾曲することも可能である。また発光部20の数を本実施形態よりも増加させ、筒体15が下降位置にある状態において、各発光部20が傘状部材22の弾性力によって外方に広がるように構成することもできる。
【符号の説明】
【0020】
10 本体
11 電源
13 ケーブル
15 筒体
20 発光部
【要約】
【課題】懐中電灯として利用できるだけでなく、室内装飾品として機能する場合にも十分な照明効果を発揮することができる照明装置を提供する。
【解決手段】本体10には電源11が収容される。複数のケーブル13は電源11に接続され、本体10の上端から突出する。これらのケーブル13の先端には、電源から供給される電力によって発光する発光部20が設けられる。筒体15は本体10の外周面に嵌合され、ケーブル13を囲繞する上昇位置とケーブル13が露出する下降位置との間において、本体10に対して相対変位可能である。筒体15が上昇位置にあるとき、発光部20は筒体15の中に収容され、筒体15が下降位置にあるとき、ケーブル13は発光部20が本体10の外周面から径方向外方に突出するように変形可能である。
【選択図】
図4