(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記貫通孔またはスロット内にプラスチック材料を用いて射出成形法でバックル部および前記バックル部に接続された固定部を形成する段階であって、前記固定部の寸法が貫通孔またはスロットの寸法よりも大きい段階、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
前記封入部が導電性プラスチック材料で作られるとき、前記封入部、前記遮断部、前記バックル部、および前記固定部が、一度の射出成形により金属部材上に形成される、請求項10に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、ダイカスト金属部材自体の厚みが比較的大きいためにダイカスト金属部材の孔またはスロット上に導電性フィルムを貼ることが電子装置の厚みを増加させるという、従来技術における技術的課題を解決する電子装置および遮蔽部材製造方法を提供する。
【0006】
本発明の実施形態の第1の態様は、電子装置を提供し、この電子装置は、金属部材、回路基板、および遮蔽部材を含み、貫通孔またはスロットが金属部材に配置され、金属部材は型打ちされた金属部材または鍛造された金属部材である。電子部品は回路基板上に配置される。遮蔽部材は、遮断部および封入部を含み、遮断部は導電性プラスチック材料で作られ、封入部は金属材料または導電性プラスチック材料で作られる。遮断部は貫通孔またはスロットを遮断するように構成され、封入部は電子部品の周囲に配置され、封入部の一端は金属部材と電気的に接続され、封入部の他端は回路基板の下地銅に電気的に接続される。金属部材、遮断部、封入部、および回路基板は遮蔽空間を形成し、電子部品は遮蔽空間内に位置する。
【0007】
第1の態様の第1の可能な実施方法において、電子装置は、金属部材の強度を高めるように構成され、金属部材に固定された補強部をさらに含む。
【0008】
第1の態様の第1の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第2の可能な実施方法において、補強部は電子部品に対向して配置される。
【0009】
第1の態様および第1の態様の第1のまたは第2の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第3の可能な実施方法において、遮蔽部材は、遮断部に接続されたバックル部をさらに含み、バックル部は貫通孔またはスロット内に曲げられる。
【0010】
第1の態様の第3の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第4の可能な実施方法において、遮蔽部材は、バックル部に接続された固定部をさらに含み、固定部の寸法は貫通孔またはスロットの寸法と比較して大きい。
【0011】
第1の態様および第1の態様の第1から第4の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第5の可能な実施方法において、導電性弾性部材が、封入部と回路基板との間、または封入部と金属部材との間に配置される。
【0012】
第1の態様および第1の態様の第1から第5の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第6の可能な実施方法において、貫通孔またはスロットは電子部品に対向して配置される。
【0013】
第1の態様および第1の態様の第1から第6の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第7の可能な実施方法において、導電性プラスチック材料は特に導電性かつ熱伝導性のプラスチックである。
【0014】
第1の態様および第1の態様の第1から第7の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第8の可能な実施方法において、遮断部の表面上に、金属部材から離れて、絶縁層が配置される。
【0015】
第1の態様および第1の態様の第1から第8の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第9の可能な実施方法において、遮断部および封入部は一体的に射出成形され、または遮断部、封入部、および金属部材は一体的に金属射出成形される。
【0016】
本発明の実施形態の第2の態様は、遮蔽部材の製造方法を提供し、この方法は、金属部材に貫通孔またはスロットを配置する段階であって、金属部材が型打ちされた金属部材または鍛造された金属部材である段階;導電性プラスチック材料を用いて、金属部材上に遮断部を射出成形法で形成する段階であって、遮断部が貫通孔またはスロットを遮断するよう構成される段階;および金属材料または導電性プラスチック材料を用いて封入部を形成する段階であって、封入部は回路基板上の電子部品の周囲に配置されるように構成され、封入部の一端は金属部材に電気的に接続され、封入部の他端は回路基板の下地銅に電気的に接続され、電子部品が封入された遮蔽空間内にあるようにする段階;を含む。
【0017】
第2の態様の第1の可能な実施方法において、本方法は、貫通孔またはスロット内にプラスチック材料を用いた射出成形法でバックル部およびバックル部に接続された固定部を形成する段階であって、固定部の寸法が貫通孔またはスロットの寸法よりも大きい段階、をさらに含む。
【0018】
第2の態様の第1の可能な実施方法に関連して、第2の態様の第2の可能な実施方法において、封入部が導電性プラスチック材料で作られるとき、封入部、遮断部、バックル部、および固定部は、一度の射出成形により金属部材上に形成される。
【0019】
本発明の実施形態の有利な効果は以下のとおりである。
【0020】
前述の電子装置によれば、金属部材の貫通孔またはスロットを遮断するように構成された遮断部および電子部品の周囲に配置された封入部が配置され、封入部の一端は金属部材に電気的に接続され、封入部の他端は回路基板の下地銅に電気的に接続される。下地銅は回路基板上に配置され、封入部は導電性材料で作られ、その結果、電子部品が内部に配置される封入空間が、金属部材、回路基板、遮断部、および封入部によって形成され、金属部材上で生じた電磁波が封入部により回路基板の下地銅に伝達され、取り除かれ、電子部品を封入する遮蔽空間が形成されるようにし、電子部品により生じた電磁波の外側への放射を低減しまたは防ぐようにして、それによって他の電子部品の動作が影響を受けることを防ぐ。
【0021】
前述の電子装置において、金属部材は型打ちされた金属部材または鍛造された金属部材であり、型打ちされた金属部材の厚みまたは鍛造された金属部材の厚みはダイカスト金属部材の厚みよりも小さく、それ故たとえ遮蔽部材が金属部材上に形成された後であっても、金属部材の厚みおよび遮蔽部材の厚みの合計もまた、ダイカスト金属部材の厚みと導電性フィルムの厚みとの合計よりも小さい。したがって、前述の電子装置は、ダイカスト金属部材自体の厚みが相対的に大きいためダイカスト金属部材の孔またはスロット上に導電性フィルムを貼付することが電子装置の厚みを増加するという、従来技術の技術的課題を解決する。
【0022】
本発明の実施形態または従来技術における技術的解決方法をより明確に説明するために、実施形態を説明するのに必要とされる添付の図面を以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明において、添付の図面は本発明の幾つかの実施形態を単に示すのみである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
当業者が本発明の問題解決手法をより理解することを可能にするために、以下には、本発明の実施形態において添付の図面を参照して、明確にかつ完全に本発明の実施形態における技術的解決方法を記載する。明らかに、記載された実施形態は、本発明の全ての実施形態ではなく、むしろ単なる一部である。
【0025】
実施形態1
図1に示されるように、
図1は本発明の実施方法による電子装置100の概略構造図である。電子装置は、携帯電話、PAD、コンピュータ、テレビ、またはサーバなどの装置であってよい。電子装置100は、金属部材10、回路基板20、および遮蔽部材30を含む。
【0026】
貫通孔またはスロット11が金属部材10に配置され、孔またはスロット11の形状および寸法は必要に応じて設定されてよい。貫通孔またはスロット11を配置することの目的は、主に、電子装置100の金属の重量を低減するためであるか、または応力を開放するためであるか、または電子装置100内の電子部品を避けるためであるか、または金属部材10上に固定される必要がある要素を固定するためである。したがって、必要に応じて、貫通孔またはスロット11の数は、1つであってよく、または複数であってよい。
図1に示されるように、貫通孔またはスロット11の数は1つであり、貫通孔またはスロット11を配置するのは電子装置100の重量を低減するためである。もしも貫通孔またはスロット11の寸法が電子部品21の寸法と比較して大きい場合、貫通孔またはスロット11を配置する目的は、電子部品を避けるためである場合がある。
図2および
図5に示されるように、貫通孔またはスロット11の数は3つであり、ここで貫通孔またはスロット11の幾つかは電子装置100の重量を低減するためのものであり、他の2つの貫通孔またはスロット11を配置する目的は、金属部材10に固定される必要がある要素を固定することである。この実施方法において、要素は遮蔽部材30であってよい。
図3、
図4、および
図6に示されるように、貫通孔またはスロット11の数は2つであり、2つの貫通孔またはスロット11を配置する目的は、金属部材10に固定される必要がある要素を固定することである。この実施方法において、要素は遮蔽部材30であってよい。
【0027】
金属部材10は、型打ちされた金属部材または鍛造された金属部材であってよい。型打ちされた金属部材は、微細な熱伝導性フィーチャ(熱伝導率は250W/m・Kよりも大きくてよい)を有し、製造コストが低く、壁の厚みが小さい(強度の要求が無い場合、壁の厚みは〜0.1mmであってよい)。さらに、型打ちされた金属部材の溶接性は、ダイカスト金属部材と比較して良好であるが、型打ちされた金属部材には複雑な遮蔽キャビティを作ることが出来ず、また型打ちされた金属部材において局部的な厚肉化を実施することが出来ず、簡単な構造上の要求を備え均一な壁の厚みを有する機械的部品のみを作製することができる(局部的な薄肉化はエッチング法によって実施され得るが、方法およびコストを考慮して、厚みの差は一般的に0.2mmの範囲内である)。ダイカスト金属部材の熱伝導性フィーチャは、型打ちされた部材のものと比較して劣るが、複雑な遮蔽キャビティが作られることができ、かつ局所的な厚肉化が実施されることができ、ダイカスト金属部材に高い構造強度をもたらす。さらに、ダイカストまたは粉末冶金の後、CNC(完全な名称:computer numerical control machine、コンピュータ数値制御装置)などがダイカスト金属部材上で機械加工を実施する必要があり、結果的に製造コストが高い。さらに、ダイカスト金属部材の壁の厚みは型打ちされた金属部材と比較して大きく(壁の厚み:大部分が0.4mm以上、局所的に0.3mm以上)、ダイカスト金属部材の溶接は困難である。しかしながら、鍛造された金属部材の性能は、ダイカスト金属部材の性能と型打ちされた金属部材の性能との間にある。
【0028】
電子部品は回路基板20上に配置され、
図1を参照すると、回路基板20は電子部品21および電子部品22を含んでよい。電子部品22の高さは、電子部品21の高さと比較して高い。電子部品21および電子部品22は、貫通孔またはスロット11に対向して配置されてよく、または貫通孔またはスロット11に対向して配置されなくてよい。
図1に示されるように、電子部品21は1つの貫通孔またはスロット11に対向して配置されるが、電子部品22は貫通孔またはスロット11に対向して配置されない。
図3および
図4において、電子部品21および電子部品22のどちらも貫通孔またはスロット11に対向して配置されない。孔またはスロット11の寸法は、必要に応じて設定されてよく、すなわち電子部品21の寸法は孔またはスロット11の寸法と比較して大きくてよく、または孔またはスロット11の寸法と比較して小さくてよい。例えば、回路基板20の厚みと比較して電子部品21の厚みが相対的に大きいとき、孔またはスロット11の寸法は電子部品21の寸法と比較して大きくてよく、電子部品21の一部は、金属部材10と回路基板20との間の距離を小さくするために、孔またはスロット11内に配置され、結果的に電子装置100の全厚みを低減する。
【0029】
遮蔽部材30は金属部材10に固定され、電子部品21によって生じる電磁波を遮蔽するように構成される。遮蔽部材30は遮断部31および封入部33を含む。遮蔽部材30は1つの部分によって形成されてよく、遮断部31および封入部33などの2つの別個の部分を接続することによって形成されてよく、若しくは遮断部31および封入部33を接続するために接続部を用いて形成されてよく;または遮断部31および封入部33は2つの独立した別個の部分であってよい。
【0030】
遮断部31は導電性プラスチック材料で作られ、封入部33は金属材料または導電性プラスチック材料で作られ、遮断部31および封入部33は一体的に射出成形されてよく、または遮断部31、封入部33、および金属部材10は一体的に金属射出成形されてよい。
【0031】
具体的には、遮断部31は導電性プラスチック材料から作られてよく、遮断部31は、電子部品21により生じた電磁波が貫通孔またはスロット11を通過することを低減または阻止するために、貫通孔またはスロット11を遮断するように構成される。遮断部31の数は貫通孔またはスロット11の数に従って決定され、遮断部31の数が2つまたは2つ以上であるとき、遮断部31が接続されるか否かは必要に応じて設定されてよい。
図1に示されるように、貫通孔またはスロット11の数は1つであり、それ故、遮断部31の数が1つであってよい。
図2および
図5において、貫通孔またはスロット11の数は3つであり、それ故、遮断部31の数が3つであり、ここで3つの遮断部31のうちの1つは分離されており、他の2つの遮断部31に接続されておらず、他の2つの遮断部31の間の金属部材10の強度が向上される必要があるため、または空間が十分であるため、2つの遮断部31を接続するよう構成された接続部または補強部37が、他の2つの遮断部31の間に配置される。1つ以上の補強部37は必要に応じて配置されてよく、補強部37は独立していてよく、または遮断部31と一体的に形成されてよい。さらに、各補強部37の各部分の厚みは異なっていてよい。この実施方法において、補強部37の材料は、遮断部31の材料と同じであり、他の実施方法では、補強部37はプラスチック絶縁材料で作られてよい。
【0032】
図3に示されるように、貫通孔またはスロット11の数は2つであり、それ故遮断部31の数は2つであり、2つの遮断部31は独立であり、すなわち2つの遮断部31は互いに接続されず、または2つの遮断部31は構造設計上の要求に従って他の部分で全体として接続されてよい。金属部材10の、電子部品21に対向する部分の強度を増やす必要があり、それ故、2つの遮断部31の1つに接続される補強部37が、金属部材10の、電子部品21に対向する表面上に配置される。この実施方法において、補強部37は、1つの遮断部31に接続され、他の実施方法では、補強部37は独立であってよく、遮断部31または封入部33に接続されなくてよい。
図4および
図6に示されるように、貫通孔またはスロット11の数は2つであり、それ故、遮断部31の数は2つであり、2つの遮断部31は独立であり、すなわち2つの遮断部31は互いに接続されておらず、構造設計上の要求に従って、端部など、製品の厚みにより許容される位置および相対的に短い部品が存在する位置に、接続部が配置されてよい。
【0033】
電子装置100内に十分な空間が存在する場合、遮断部31は、射出成形された後、結合方式で、またはねじ止め方式で金属部材10に固定されてよい。電子装置100内に限定された空間が存在するとき、遮断部31は金属部材10上に直接射出成形されてよく、この方法で、電子装置100の厚みを低減するために、遮断部31の厚みを相対的に薄く作製してよい。さらに、遮断部31と金属部材10との間の結合力をさらに増やすために、遮断部31は金属射出成形法で金属部材10上に形成されてよい。
【0034】
導電性プラスチック材料は、特に電気的にかつ熱的に伝導性のプラスチックであってよく、これは所望の熱伝導性を有し、それ故、遮断部31が導電性プラスチック材料であるとき、遮断部31は電子部品21と直接接触してよい。遮断部31と電子部品21との間の熱伝導効率をさらに向上するために、熱伝導性パッドなどのサーマルインターフェイス材料が電子部品21と遮断部31との間に加えられてよく、それによって低い熱伝達、耐熱性を実現し、かつ遮断部31と電子部品21との間の熱伝導効率を増加させる。さらに、絶縁層が遮断部31の表面上に、金属部材10から離れて、設けられる。絶縁層を設けることによって、遮断部31が変形された後、電子部品21により生じる電磁波をなおも遮蔽することができる。
【0035】
金属部材10の孔またはスロット11が電子部品21と比較して大きいとき、電子部品21の一部は孔またはスロット11内に配置され、この場合、電子部品21を覆う構造体(例えば、この構造体は絶縁層であってよい)が、電子部品21によって生じる電磁波が金属部材10の孔またはスロット11を通過することを阻止するために、射出成形法などで金属部材10上に形成されてよい。
【0036】
封入部33は金属材料または導電性プラスチック材料で作られ、封入部33は電子部品21の周囲に配置され、封入部33の一端は導電性弾性部材40を通じて金属部材10と接触し、封入部33の他端は回路基板20と接触する。具体的には、封入部33の他端は、回路基板20の下地銅に電気的に接続される。下地銅は回路基板20上に配置され、封入部33は導電性材料で作られ、それ故、金属部材10上に生じる電荷は、封入部33を用いることによって回路基板20の下地銅に伝達されてよく、取り除かれ、それによって電子部品21によって生じる電磁波により起こる周囲への放射および干渉を低減または阻止する。この実施方法において、封入部33は、導電性弾性部材40を用いることによって金属部材10と接触するようになり、他の実施方法では、封入部33は金属部材10と直接接触してよい。
【0037】
さらに、封入部33の数は、電子部品の数に従って設定されてよい。
図1、
図2、
図5、および
図6に示されるように、電子部品21および電子部品22の双方は遮蔽される必要があり、それ故、2つの遮蔽キャビティが形成され、一方は電子部品21を遮蔽し、他方は電子部品22を遮蔽する。
【0038】
図5に示されるように、電子部品21の周囲に配置される封入部33が金属材料で作られるとき、電子部品22の周囲に配置される封入部33が導電性プラスチック材料で作られ、封入部33は別個の要素である。封入部33が金属材料で作られるとき、封入部33は溶接によって回路基板20上に固定されてよい。封入部33が導電性材料で作られるとき、封入部33はねじなどの締結部材を用いることによって回路基板20上に固定されてよい。
図6に示されるように、電子部品21周囲に配置される封入部33および電子部品22周囲に配置される封入部33の双方は金属材料で作られる。
図1から
図4に示されるように、封入部33が導電性プラスチック材料で作られるとき、封入部33は別個の要素であってよく、または遮断部31と一体的に形成されてよく、射出成形法で金属部材10上に形成されてよい。
【0039】
さらに、回路基板20上の部品に関してさらにレイアウト空間を残すため回路基板20上の露出された銅の領域を低減するために、封入部33は、別個の金属部材として設けられてよく、
図5に示されるように、電子部品21周囲に配置された封入部33は別個の金属部材である。
図6に示されるように、電子部品21の周囲に配置される封入部33および電子部品22の周囲に配置される封入部33の双方は別個の金属部材である。
【0040】
金属部材10、回路基板20、遮断部31、および封入部33を用いることによって、電子部品21は遮蔽空間内に存在し、電子部品21により生じる電磁波が他の電子部品に影響を及ぼすことを防ぐようにする。電子部品21が動作するとき、電子部品21によって生じる電磁波は遮断部31、封入部33、および金属部材10によって遮蔽されることができ、電子部品21によって生じる電磁波の外側への放射を低減しまたは阻止するようにし、それによって他の電子部品の動作が影響を受けることを阻止する。代替的に、金属部材10、封入部33、および回路基板が遮蔽空間を形成し、
図1に示されるように、電子部品22が遮蔽空間内にあるようにする。
【0041】
さらに、熱伝導効率を高めるために、熱伝導率kが1W/m・Kと比較して大きい熱伝導性材料が選択され、導電性プラスチック材料として使用されてよい。
【0042】
前述の電子装置100によれば、金属部材10の貫通孔またはスロット11を遮断するように構成された遮断部31および電子部品21周囲に配置された封入部33が配置され、ここで封入部33の一端は金属部材10に電気的に接続され、封入部33の他端は回路基板20に電気的に接続される。下地銅は回路基板20上に配置され、封入部33は導電性材料で作られ、それ故、電子部品21が設置される封入空間が、金属部材10、回路基板20、遮断部31、および封入部33の間に形成され、金属部材10上で生じる電磁波は封入部33によって回路基板20の下地銅に伝達され、取り除かれ、電子部品21を封入する遮蔽空間が形成されるようにし、電子部品21によって生じる電磁波の外側への放射を低減または阻止するようにして、それによって他の電子部品の動作が影響を受けることを防ぐ。
【0043】
前述の電子装置100において、金属部材10は型打ちされた金属部材または鍛造された金属部材であってよく、型打ちされた金属部材の厚みまたは鍛造された金属部材の厚みはダイカスト金属部材の厚みと比較して小さく、それ故、たとえ金属部材10上に遮蔽部材30が形成された後であっても、金属部材10の厚みおよび遮蔽部材30の厚みの合計もまた、ダイカスト金属部材の厚みと導電性フィルムの厚みとの合計と比較して小さい。したがって、前述の電子装置100は、ダイカスト金属部材自体の厚みが相対的に大きいためにダイカスト金属部材の孔またはスロット上に導電性フィルムを貼付することで電子装置の厚みがさらに増加するという、従来技術における技術的課題を解決する。
【0044】
さらに、型打ちされた金属部材または鍛造された金属部材および導電性プラスチック部材の組み合わせは、元々の、鍛造された金属部材と通常のプラスチックとの組み合わせと比較して、金属部材およびプラスチック部材の機械的信頼性を高めるだけではなく、熱伝導性である通常の絶縁性プラスチックを用いるコストと比較して、導電性かつ熱伝導性のプラスチック部材を用いることのコストもまた低減される。
【0045】
特定の実施方法においては、プラスチックの精密射出成形特性および複合成形特性を用いて、導電性遮蔽キャビティまたは分離キャビティが作られてよく、すなわち遮断部31と封入部33とが一度に金属部材10上に形成されてよい。遮蔽部材30の各部分の厚みは、金属部材10の厚みと異なってよく、金属部材10の一部の強度を高める必要があるとき、導電性プラスチックは金属部材10のこの部分上に射出成形される必要があり、導電性プラスチックの厚みは必要に応じて設定されてよい。電子装置100の厚み方向の空間が限られているとき、プラスチックはその厚みが制限されている金属部材10の一部上に射出成形されなくてよく、製品の全厚みが増加しないようにする。
【0046】
特定の実施方法において、
図1を参照すると、遮断部31が電子部品21と金属部材10との間に位置するとき、遮断部31と金属部材10との間の構造的な結合力を増すために、遮蔽部材30は、遮断部31に接続されたバックル部32をさらに含んでよく、バックル部32は貫通孔またはスロット11内に曲げられ、それによって遮断部31と金属部材10との間の構造的結合力を高め、遮断部31の安定性を高め、遮断部31が金属部材10から分離する可能性を低減する。遮断部31およびバックル部32は一体的に形成されてよく、明らかに、2つの要素であってもよく、ここで遮断部31およびバックル部32は結合方式で組み合わされる。
【0047】
さらに、遮断部31と金属部材10との間の構造的結合力およびバックル部32と金属部材10との間の構造的結合力を高めるために、遮蔽部材30はバックル部32に接続された固定部34をさらに含み、ここで固定部34および遮断部31は金属部材10の両側に別個に配置され、固定部34の寸法は貫通孔またはスロット11の寸法と比較して大きい。遮断部31、バックル部32、および固定部34は一体的に形成されてよく、明らかに、遮断部31、バックル部32、および固定部34は結合方式で組み合わされてもよい。金属部材10の他の側の、貫通孔またはスロット11の寸法と比較して大きな寸法を有する固定部34は、それによって遮蔽部材30が金属部材10から離れることを防ぎ、遮蔽部材30の安定性を高める。
【0048】
さらに、封入部33と回路基板20との間の電気的接触の安定性を高めるために、特に、導電性弾性部材40が封入部33と回路基板20との間に配置される。導電性弾性部材40は、導電性エラストマーまたは導電性発泡体であってよい。封入部33は回路基板20の下地銅と直接接触しなくてよいが、導電性弾性部材40を用いることによって下地銅と接触するようになってよい。回路基板20の下地銅は、回路基板20の表面層上の銅層であってよい。
【0049】
前述の電子装置100によれば、金属部材10の貫通孔またはスロット11を遮断するように構成された遮断部31および電子部品21の周囲に配置された封入部33が配置され、ここで封入部33の一方の端は金属部材10に電気的に接続され、封入部33の他方の端は回路基板20の下地銅に電気的に接続される。下地銅は回路基板20上に配置され、封入部33は導電性材料で作られ、したがって、電子部品21が位置する封入空間が、金属部材10、回路基板20、遮断部31、および封入部33の間に形成され、金属部材10上に生じた電磁波は封入部33によって回路基板20の下地銅に伝達され、取り除かれ、電子部品21を封入する遮蔽空間が形成されるようにし、電子部品21によって生じる電磁波の外側への放射を低減しまたは阻止するようにして、それによって他の電子部品の動作が影響を受けることを防ぐ。
【0050】
前述の電子装置100において、金属部材10は型打ちされた金属部材または鍛造された金属部材であってよく、型打ちされた金属部材の厚みまたは鍛造された金属部材の厚みはダイカスト金属部材の厚みと比較して小さく、したがって、たとえ遮蔽部材30が金属部材10上に形成された後でも、金属部材10の厚みおよび遮蔽部材30の厚みの合計もまた、ダイカスト金属部材の厚みおよび導電性フィルムの厚みの合計と比較して小さい。したがって、前述の電子装置100は、ダイカスト金属部材自体の厚みが相対的に大きいのでダイカスト金属部材の孔またはスロット上への導電性フィルムの貼付が電子装置の厚みをさらに増やすという、従来技術における技術課題を解決する。
【0051】
遮断部31に接続されるバックル部32は、貫通孔またはスロット11内に形成され、それによって遮断部31と金属部材10との間の構造的な結合力を高め、遮断部31の安定性を増大させ、遮断部31が金属部材10から分離される可能性を低減する。
【0052】
その寸法が貫通孔またはスロット11と比較して大きい固定部34が金属部材10の他の側に配置され、それによって遮蔽部材30が金属部材10から離れることを防ぎ、遮蔽部材30の安定性を増加させる。
【0053】
実施形態2
同じ発明概念に基づき、
図7に示されるように、本願は遮蔽部材製造方法をさらに提供し、ここで
図7は本発明の実施方法による遮蔽部材製造方法のフローチャートである。
図1も参照して、遮蔽部材製造方法は以下の段階を含む。
段階210:金属部材10上に貫通孔またはスロット11を配置する段階であって、金属部材10が型打ちされた金属部材または鍛造された金属部材であってよい段階、
段階220:導電性プラスチック材料を用いることによって、射出成型法で金属部材10上に遮断部31を形成する段階であって、遮断部31が貫通孔またはスロット11を遮断するように構成される段階、
段階230:金属材料または導電性プラスチック材料を用いることによって封入部33を形成する段階であって、封入部33が回路基板20上の電子部品21の周囲に配置されるよう構成される段階。
【0054】
特に、本方法は、以下をさらに含む。段階240:プラスチック材料を用いることによって射出成型法で、貫通孔またはスロット11内に、バックル部32およびバックル部32に接続される固定部34を形成する段階であって、固定部34および遮断部31は金属部材10の両側に別個に配置され、固定部34の寸法は貫通孔またはスロット11の寸法と比較して大きい。
【0055】
さらに、封入部33は導電性プラスチック材料で作られ、封入部33、遮断部31、バックル部32、および固定部34は、一度の射出成形によって金属部材10上に形成される。
【0056】
特に、本発明は以下をさらに含む。段階250:プラスチック絶縁材料を用いることによって、射出成型法で金属部材10上に、アンテナ設計に用いられるプラスチック絶縁部材を形成する段階。
【0057】
前述の遮蔽部材製造方法によれば、金属部材10の貫通孔またはスロット11を遮断するように構成される遮断部31、および電子部品21の周囲に配置される封入部33が配置され、ここで封入部33の一方の端は金属部材10と接触し、封入部33の他方の端は回路基板20と接触する。下地銅は回路基板20上に配置され、封入部33は導電性材料で作られ、それ故、金属部材10上で生じる電磁波は、封入部33を用いることによって回路基板20の下地銅に伝達され、取り除かれ、電子部品21を封入する遮蔽空間が形成されるようにし、電子部品21によって生じる電磁波の外側への放射を低減しまたは防ぐようにして、それによって他の電子部品の動作が影響を受けることを防ぐ。
【0058】
前述の電子装置100において、型打ちされた金属部材の厚みまたは鍛造された金属部材の厚みは、ダイカスト金属部材の厚みと比較して小さく、それ故、たとえ金属部材10上に遮蔽部材30が形成された後であっても、金属部材10の厚みおよび遮蔽部材30の厚みの合計もまた、ダイカスト金属部材の厚みと導電性フィルムの厚みとの合計と比較して小さい。したがって、前述の電子装置100は、ダイカスト金属部材自体の厚みが相対的に大きいためにダイカスト金属部材の孔またはスロット上に導電性フィルムを貼付することで電子装置の厚みがさらに増加するという、従来技術における技術的課題を解決する。
【0059】
本発明の幾つかの例示的実施形態が記述されたが、当業者は基本的な発明概念を知ればこれらの実施形態に変更および修正を加えることができる。したがって、以下の請求項は、本発明の範囲内の例示的実施形態および全ての変更および修正を包含すると解釈されることが意図される。
【0060】
明らかに、当業者は本発明
の範囲から逸脱せずに本発明に様々な修正および変更を加えることが出来る。本発明は、以下の請求項によって規定される保護の範囲内およびそれらと同等の技術の範囲内であるならばこれらの修正および変更を包含することを意図する。