(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態にかかる無線通信システム1のシステム構成を示す図である。同図に示すように、無線通信システム1は、基地局装置10と多数の無線端末装置30とを含んで構成される。基地局装置10は、通信データをマルチキャスト送信し、各無線端末装置30は、マルチキャスト送信された通信データを受信する。基地局装置10がマルチキャスト送信した通信データを受信する無線端末装置30の数は、実際には1000以上となることもある。なお、本実施形態では、上記マルチキャスト送信を含む基地局装置10と無線端末装置30との間の通信はOFDM方式により行われるものとするが、この例に限定されない。
【0024】
図2は、マルチキャスト送信の概略の説明図である。基地局装置10は、複数の無線端末装置30(
図2では無線端末装置30−1乃至5)に対して、同時にパケットを送信する(
図2のt
1〜t
2)。各無線端末装置30は、例えば巡回冗長符号等を用いて受信パケットの誤り検出を行なう。各無線端末装置30は、誤り検出の有無に関わらず、受信状態報知(ACK:ACKnowledge)信号を生成して送信するとともに、受信パケットに誤りが検出された場合には、再送要求(NAK:Negative AcKnowledge)信号を生成し、送信する。
【0025】
なお、ここで送信される受信状態報知信号は、通常のACKとは異なるものである。すなわち、通常のACKは「通信がエラーなく到達したこと」を示すものであるが、受信状態報知信号は単に「通信が到達したこと」を示している。以下では、適宜、受信状態報知信号および再送要求信号を応答信号と総称する。
【0026】
受信状態報知信号及び再送要求信号は、本実施の形態では1個のOFDMシンボルで構成される。通常、OFDMシンボルは、直交するN個のサブキャリアに変調信号を重畳してIFFT(逆フーリエ変換)処理を行なって生成するが、本実施形態では、N個のサブキャリアのうちの一部を利用して再送要求信号を生成する。また、N個のサブキャリアのうちの一部を利用して再送要求信号を生成する。これらの信号の生成手法の詳細は後述する。
【0027】
基地局装置10がパケットを同報するタイムスロット(
図2のt
1〜t
2)と、そのパケットに対し端末局が受信状態報知信号及び再送要求信号を応答するタイムスロット(
図2ではt
2〜t
3)は、事前の手順により定められており、各無線端末装置30は、指定されたタイムスロット(
図2ではt
2〜t
3)を用いて受信状態報知信号及び再送要求信号を基地局装置10に送信する。
【0028】
次に、無線端末装置30の詳細について説明する。
図3は、無線端末装置30の構成の一例を示す概略ブロック図である。同図に示すように、無線端末装置30は、アンテナ31、RF(Radio Frequency)部32、OFDMシンボル検出器33、P/S(Parallel
/ Serial)変換器34、復調器35、符号器36、制御部37、第1の個数記憶部39、第1の所定値記憶部40、第2の個数記憶部41、第2の所定値記憶部42、符号器42、多重部43、変調器44、S/P(Serial / Parallel)変換器45、OFDMシンボル生成器46、RF部47を含んで構成される。制御部37は、その内部に、受信状態報知信号送信部370、再送要求信号送信部371、位相設定部372を含んで構成される。
【0029】
RF部32は、アンテナ31で受信された通信データの無線周波数信号をダウンコンバートして直交復調を行う。OFDMシンボル検出器33は、RF部32の出力に対してFFT(Fast Fourier Transform)処理を行って通信データのOFDMシンボルを検出する。P/S変換器34は、OFDMシンボルをパラレル/シリアル変換する。復調器35は、シリアル変換された通信データのOFDMシンボルを復調する。符号器36は、巡回冗長符号等を用いて復調信号の誤り検出を行うことにより、通信データが正常に受信されているか否かを判定する判定手段として機能する。
【0030】
受信状態報知信号送信部370(受信状態報知信号送信手段)は、通信データを受信した場合に、第1のサブキャリア群の中から選択される第1の個数(以下、Lo個とする。)のサブキャリアに係る変調処理を行い、各サブキャリアの電力レベルを第1の所定値(以下、Poとする。)とすることにより、受信状態報知信号を送信する。また、再送要求信号送信部371(再送要求信号送信手段)は、符号器36により通信データが正常に受信されていないと判定された場合に、上記第1のサブキャリア群とは重複しない第2のサブキャリア群の中から選択される第2の個数(以下、L個とする。)のサブキャリアに係る変調処理を行い、各サブキャリアの電力レベルを第2の所定値(以下、Pとする。)とすることにより、再送要求信号を送信する。
【0031】
なお、上記Lo,L,Po,Pは、ユーザにより決定され、それぞれ第1の個数記憶部39,第2の個数記憶部41,第1の所定値記憶部40,第2の所定値記憶部42に記憶されている。受信状態報知信号送信部370及び再送要求信号送信部371は、各記憶部から上記Lo,L,Po,Pを読み出して用いる。本実施の形態では、Lo=L、Po=Pであるとして説明する。
【0032】
また、ここでは第1のサブキャリア群を、
図2に示した時刻t
2〜t
3に送信されるOFDMシンボルを構成するサブキャリアのうちのMo個とし、第2のサブキャリア群を、
図2に示した時刻t
2〜t
3に送信されるサブキャリアのうちの他のM個とする。第1のサブキャリア群及び第2のサブキャリア群は予め決められている。
【0033】
受信状態報知信号送信部370及び再送要求信号送信部371は、それぞれMo個のサブキャリア及びM個のサブキャリアの中から、それぞれLo個のサブキャリア及びL個のサブキャリアを選択する。この選択方法としては、毎回ランダムに選択する方法や、通信開始時のみランダムに選択し、それ以降は同一のサブキャリアを選択する方法や、固定のサブキャリアを選択する方法などがあり、どの方法で選択してもよい。そして、それぞれ選択したLo個又はL個のサブキャリアのみに変調信号を重畳し、他のサブキャリアはヌルとなるような信号系列を生成する。
【0034】
位相設定部372は、基地局装置10からマルチキャスト送信された通信データを受信した際に応答信号を送信するための1又は複数のサブキャリアの各位相を設定して変調器44に供給する。位相設定部372は、上記応答信号の送信の度に上記サブキャリアの各位相を変更する。即ち、上記応答信号の送信の度に、位相設定部372は、第1のサブキャリア群の中から選択されたサブキャリアの各位相を設定すると共に、第2のサブキャリア群の中から選択されたサブキャリアの各位相を設定する。
【0035】
本実施の形態では、位相設定部372は、乱数を発生させ、この乱数に応じて上記サブキャリアの各位相を設定する。これにより、各無線端末装置から送信された応答信号の統計多重加算値のばらつきを抑制し、マルチキャスト送信の制御を実施するか否かの判定を精度よく行うことを可能とするが、その詳細については後述する。
【0036】
符号器42は、送信用の信号を符号化して信号系列を生成する。多重部43は、符号器42、受信状態報知信号送信部370、及び再送要求信号送信部371で生成された各信号系列を多重化し、多重化信号を生成する。変調器44は、生成された多重化信号を変調する。変調器44は、例えば4QAMによる変調処理等を行うものであるが、これに限定されない。S/P変換器45は、変調器44が行う変調によって得られる変調信号をパラレル信号に変換する。OFDMシンボル生成器46は、S/P変換器45の出力に対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行ってOFDMシンボルを生成する。RF部47は、OFDMシンボルを変調して無線周波数にアップコンバートする。RF部47の出力はアンテナ31から送信される。
【0037】
多重部43の処理について、より詳しく説明する。多重部43は、受信状態報知信号送信部370が受信状態報知信号を生成せず、再送要求信号送信部371も再送要求信号を生成しなかった場合には、符号器42が生成した信号系列を出力する。一方、受信状態報知信号送信部370が受信状態報知信号を生成し、又は再送要求信号送信部371が再送要求信号を生成した場合には、生成された信号に対応する信号系列と、符号器42が生成した信号系列と、を多重化する。
【0038】
なお、図面では本発明を説明するための最小限の構成しか示していないが、例えば、インターリーブや誤り訂正(FEC:Forward Error Collection)を行なう場合は、符号器42の直後にインターリーバ、符号器36の直前にデインターリーバなどが必要となる。
【0039】
図4は無線端末装置30が送信する再送要求信号の一例を示す図であり、特にL=1の場合を示している。一方、
図5は基地局装置10が受信した再送要求信号の一例を示す図である。なお、
図4及び
図5では、斜線部が再送要求信号を示している。
【0040】
図5に示すように、基地局装置10では、各無線端末装置30が送信した再送要求信号がそれぞれ受信される。なお、各無線端末装置30はそれぞれ独立した処理によりL個のサブキャリアを選択しているので、同じサブキャリアを選択する場合もあり得る。この場合、各無線端末装置30が送信した再送要求信号の位相が互いに逆相となっていれば、打ち消しあって受信レベルが下がることになる。また、各無線端末装置30が送信した再送要求信号の位相が互いに同相となっていれば、受信レベルが上がることになる。しかしながら、本実施の形態によれば、後述するように、各無線端末装置30が送信した再送要求信号の位相が互いに逆相または同相となる頻度が低減されるので、各無線端末装置30から送信された再送要求信号の統計多重加算値のばらつきが抑制される。
なお、
図4及び
図5では再送要求信号について説明したが、受信状態報知信号についても同様である。
【0041】
次に、本実施の形態にかかる基地局装置10である基地局装置10aの詳細について説明する。
図6は、基地局装置10aの内部構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置10aは、制御部11、符号器12、変調器13、S/P変換器14、OFDMシンボル生成器15、RF部16、アンテナ17、RF部18、OFDMシンボル検出器19、第1受信レベル合計値取得部20、第2受信レベル合計値取得部21、P/S変換器22、復調器23、符号器24、マルチキャスト送信制御部25aを含んで構成される。マルチキャスト送信制御部25aは、さらにその内部に、基準再送要求率入力受付部250、閾値算出部251a、比較部252を含んで構成される。
【0042】
RF部18は、アンテナ17で受信された無線周波数信号をダウンコンバートして直交復調を行う。OFDMシンボル検出器19は、RF部18の出力に対してFFT処理を行ってOFDMシンボルを検出する。
【0043】
第1受信レベル合計値取得部20(第1合計値取得手段)は、第1のサブキャリア群(Mo個のサブキャリア)を受信し、各サブキャリアごとの信号成分の受信レベルを検出する。そして、検出した受信レベルを合計(統計多重加算)することにより、第1のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値(第1合計値)を取得する。同様に、第2受信レベル合計値取得部21(第2合計値取得手段)は、第2のサブキャリア群(M個のサブキャリア)を受信し、各サブキャリアごとの信号成分の受信レベルを検出する。そして、検出した受信レベルを合計(統計多重加算)することにより、第2のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値(第2合計値)を取得する。
【0044】
P/S変換器22は、OFDMシンボルをパラレル/シリアル変換する。復調器23は、シリアル変換されたOFDMシンボルを復調する。符号器24は、復調信号に基づいて誤り検出を行う。制御部11は、誤り検出後の復調信号を受信する。
【0045】
マルチキャスト送信制御部25a(マルチキャスト送信制御手段)は、上記第1合計値に対する上記第2合計値の割合に基づき、マルチキャスト送信の制御を行う。以下、マルチキャスト送信制御部25aの処理について、詳しく説明する。
【0046】
まず、基準再送要求率入力受付部250は、ユーザによる基準再送要求率の入力を受け付ける。ここで入力される基準再送要求率は、受信状態報知信号を送信した無線端末装置数に対する再送要求信号を送信した無線端末装置数の割合の基準値である。
【0047】
閾値算出部251a(閾値算出手段)は、第1合計値に上記基準再送要求率を乗算することにより、第2合計値の閾値を算出する。式(1)は、この閾値の算出式である。
閾値=第1合計値×基準再送要求率 ・・・(1)
【0048】
比較部252(比較手段)は、閾値算出部251aにより算出された閾値と、第2受信レベル合計値取得部21により取得された第2合計値と、を比較する。そして、比較結果に基づき、制御部11による通信データのマルチキャスト送信を制御する。具体的な例を挙げると、比較結果により第2合計値が閾値より高いことが示された場合、マルチキャスト送信の送信レートを下げ、誤り率が下がるようにすることができる。また、比較結果により第2合計値が閾値より高いことが示された場合のみ、その再送要求信号に対応するパケットを再送する再送制御を行うように制御部11を制御することもできる。いずれの制御用に本実施の形態を用いるかは、基準再送要求率の設定次第である。制御部11は、比較部252の制御に従って、送信レート制御やパケットの再送制御を行う。
【0049】
符号器12は、送信用の信号を符号化して信号系列を生成する。変調器13は、送信電力情報TPが多重化された各信号系列を変調する。S/P変換器14は、変調信号をパラレル信号に変換する。OFDMシンボル生成器15は、S/P変換器14の出力に対してIFFT処理を行ってOFDMシンボルを生成する。RF部16は、OFDMシンボルを直交変調して無線周波数にアップコンバートする。RF部16の出力はアンテナ17から送信される。
【0050】
なお、制御部11は、パケットを送信すると、そのパケットを一定時間にわたりバッファリングする。そして、比較部252から再送するよう指示されると、バッファリングしていたパケットを読み出してマルチキャスト送信する。ただし、パケットのバッファリングは必ずしも制御部11で行なう必要はなく、例えば、変調器13で変調した後の信号やOFDMシンボル生成器15で生成したOFDMシンボルをバッファリングしてもよい。この場合、比較部252の制御を、バッファリングしている場所に送ればよい。
【0051】
また、
図6では、本発明を説明するための最小限の構成しか示していないが、無線端末装置30と同様に、インターリーブや誤り訂正を行う場合は、インターリーバやデインターリーバ等が必要となる。
【0052】
次に、
図7を参照して、基地局装置10aからマルチキャスト送信された通信データを受信した際に無線端末装置30において応答信号を送信するためのサブキャリアの各位相を設定する手法を説明する。
図7は、本実施の形態に係る無線端末装置30の動作を説明するための図である。
ここでは、説明の簡略化のため、応答信号である受信状態報知信号および再送要求信号を送信するために選択されたサブキャリアは、それぞれ1個(Lo=L=1)であるものとし、無線端末装置30に相当する2台の無線端末装置30A,30B(図示なし)が、それぞれ、同じ周波数帯域のサブキャリアsub1を用いて再送要求信号を送信する場合を想定する。ただし、これに限定されず、2台の無線端末装置30A,30Bが1又は複数の任意の個数のサブキャリアを用いて再送要求信号を送信してもよく、また、相互に異なるサブキャリアを用いて再送要求信号を送信してもよい。受信状態報知信号のサブキャリアの位相の設定についても同様である。
【0053】
以下に説明するように、本実施の形態では、無線端末装置30A,30Bは、乱数を用いて各再送要求信号のサブキャリアの位相を設定する。
無線端末装置30Aは、基地局装置10aからマルチキャスト送信された通信データを受信すると、再送要求信号を送信するために、前述した第1のサブキャリア群のM個のサブキャリアの中から1個(L=1)のサブキャリアsub1を選択し、このサブキャリアsub1に係る変調処理を行う。そして、無線端末装置30Aは、サブキャリアsub1の電力レベルを所定の電力レベル(P)とすることにより、タイムスロットT1(
図7)において再送要求信号を送信する。この場合、無線端末装置30Aの位相設定部372は、乱数RA1を発生させ、この乱数RA1を用いて再送要求信号のサブキャリアsub1の位相を設定し、この位相を用いて変調器44に再送要求信号の変調処理を実施させる。
【0054】
同様に、無線端末装置30Bは、基地局装置10aからマルチキャスト送信された通信データを受信すると、第1のサブキャリア群のM個のサブキャリアの中から1個(L=1)のサブキャリアsub1を選択し、このサブキャリアsub1に係る変調処理を行う。そして、無線端末装置30Bは、サブキャリアsub1の電力レベルを所定の電力レベル(P)とすることにより、タイムスロットT1(
図7)において再送要求信号を送信する。この場合、無線端末装置30Bの位相設定部372は、乱数RB1を発生させ、この乱数RB1を用いて再送要求信号のサブキャリアsub1の位相を設定し、この位相を用いて変調器44に再送要求信号の変調処理を実施させる。
【0055】
図7の例では、タイムスロットT1の後に、基地局装置10aが図示しないマルチキャスト送信を実施し、この送信に対して各無線端末装置30が再送要求信号を送信するための新たなタイムスロットT2が発生している。このタイムスロットT2において、2台の無線端末装置30A,30Bは、それぞれ、乱数RA2,RB2を新たに発生させ、この乱数RA2,RB2を用いて各サブキャリアsub1の位相を設定する。その後も同様に、無線端末装置30A,30Bは、再送要求信号の送信の度に乱数を発生させて各サブキャリアの位相を設定する。
【0056】
ここで、2台の無線端末装置30A,30Bは、各タイムスロットにおいて何れも同一のサブキャリアsub1を用いて再送要求信号を送信するが、各無線端末装置で使用されるサブキャリアsub1の位相は乱数に基づいて個別に決定される。このため、2台の無線端末装置30A,30Bからそれぞれ送信される再送要求信号のサブキャリアsub1が互いに同相の関係になる確率(位相差がゼロになる確率)、または、互いに逆相の関係になる確率(位相差が180度になる確率)が低減される。
【0057】
サブキャリアsub1が同相または逆相の関係になる確率が低減されると、サブキャリアsub1の位相と無線端末装置30の台数との間の相関が低減され、各無線端末装置30から送信された再送要求信号の統計多重加算値のばらつきが抑制される。これにより、各無線端末装置30から送信された再送要求信号の統計多重加算値のばらつきに起因した受信レベルの変動が抑制され、基地局装置10aにおいて再送要求信号の信号レベルを統計多重加算することにより得られる電力の平均値は、無線端末装置30の台数に応じたものとなる。
【0058】
このように、本実施形態によれば、各無線端末装置30から基地局装置10aに送信される受信状態報知信号および再送要求信号のキャリア周波数位相関係がランダム化され、固定されることがないため、無線端末装置30の数が少ない場合においても、再送要求信号の統計多重加算値の偏りが少なくなる。従って、パケットの再送等のマルチキャスト送信の制御を必要とする無線端末装置30の存在を精度よく判定することができ、マルチキャスト送信の制御を実施するか否かの判定を精度よく行うことが可能となる。
受信状態報知信号のサブキャリアの位相の設定手法についても、上述の再送要求信号と同様である。
【0059】
また、本実施の形態によれば、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、マルチキャスト送信の制御を行うことができる。
また、第1合計値に、基準再送要求率を乗算することにより、閾値を算出しているので、基準再送要求率を指標として、マルチキャスト送信の制御を行うことができるようになる。
さらに、第1合計値に基づいて閾値を決定するため、再送要求信号の誤検出確率や検出見逃し確率を低減することができる。
【0060】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について、上述した実施の形態1の構成を援用して説明する。
本実施の形態2では、上述した実施の形態1における無線端末装置30の位相設定部372は、Kを2以上の任意の整数としたときに、複数のサブキャリアの各位相を、2π/m(m=1,…,K)によって与えられるK個の位相候補2π/1,2π/2,2π/3,…,2π/Kの中の何れかに設定するように構成される。本実施の形態2では、例えば、Kは、変調器44における変調処理の種類に応じて決定され、コンスタレーションプロット(Q−I)上のシンボルを表す位相の数に相当する。一例として、変調器44が4QAMによる変調処理を行うものとした場合、Kの値は「4」である。ただし、この例に限定されず、Kは任意に設定し得る。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0061】
図8は、本実施の形態2に係る無線端末装置の動作を説明するための図である。
ここでは、2台の無線端末装置30A,30B(図示なし)が、それぞれ、2個(L=2)のサブキャリアsub1,sub2を選択し、これらのサブキャリアを用いて再送要求信号を基地局装置10に送信する場合を想定する。また、K=4とし、2π/mによって与えられる位相候補を「2π/1,2π/2,2π/3,2π/4」とする。
【0062】
無線端末装置30Aは、基地局装置10から通信データを受信すると、再送要求信号のサブキャリアsub1,sub2に係る変調処理を行う。そして、無線端末装置30Aは、サブキャリアsub1,sub2の各電力レベルを所定の電力レベル(P)とすることにより、タイムスロットT1(
図8)において再送要求信号を送信する。このとき、無線端末装置30Aの位相設定部372は、タイムスロットT1におけるサブキャリアsub1,sub2の位相PH1,PH2を、それぞれ、上記位相候補「2π/1,2π/2,2π/3,2π/4」の中の例えば位相2π/1及び位相2π/2に設定し、これらの位相を用いて変調器44に再送要求信号の変調処理を実施させる。
【0063】
同様に、無線端末装置30Bは、基地局装置10から通信データを受信すると、再送要求信号のサブキャリアsub1,sub2を選択し、これらのサブキャリアsub1,sub2に係る変調処理を行う。そして、無線端末装置30Bは、サブキャリアsub1,sub2の各電力レベルを所定の電力レベル(P)とすることにより、タイムスロットT1(
図8)において再送要求信号を送信する。このとき、無線端末装置30Bの位相設定部372は、タイムスロットT1におけるサブキャリアsub1,sub2の位相PH1,PH2を、それぞれ、上記位相候補の中の例えば位相2π/3及び位相2π/4に設定し、これらの位相を用いて変調器44に再送要求信号の変調処理を実施させる。
【0064】
図8の例では、タイムスロットT1の後のタイムスロットT2において、無線端末装置30Aの位相設定部372は、サブキャリアsub1,sub2の位相PH1,PH2を、それぞれ、上記位相候補の中の位相2π/3及び位相2π/4に設定し、これらの位相を用いて変調器44に再送要求信号の変調処理を実施させる。また、無線端末装置30Bの位相設定部372は、サブキャリアsub1,sub2の位相PH1,PH2を、それぞれ、上記位相候補の中の位相2π/1及び位相2π/2に設定し、これらの位相を用いて変調器44に再送要求信号の変調処理を実施させる。この例では、タイムスロットT1とタイムスロットT2とでは、無線端末装置30Aが使用するサブキャリアの位相PH1,PH2の各値と、無線端末装置30Bが使用するサブキャリアの位相PH1,PH2の各値とが入れ替わっているが、各位相の値はこの例に限定されず、上記位相候補の中から任意に設定され得る。例えば、上記位相候補の各値を任意の規則に従ってタイムスロットごとに巡回させることにより、各タイムスロットにおいて各無線端末装置が使用するサブキャリアの位相を設定してもよい。
【0065】
ここで、2台の無線端末装置30A,30Bは、各タイムスロットにおいて何れも同一のサブキャリアsub1,sub2を用いて再送要求信号を送信するが、各無線端末装置で使用されるサブキャリアsub1,sub2の位相PH1,PH2は上記位相候補の中から任意に設定され得る。このため、2台の無線端末装置30A,30Bからそれぞれ送信される再送要求信号のサブキャリアsub1,sub2が互いに同相または逆相の関係になる確率が低減される。従って、本実施形態によれば、上述の実施の形態1と同様に、無線端末装置30の数が少ない場合においても、再送要求信号の統計多重加算値の偏りが少なくなり、マルチキャスト送信の制御を実施するか否かの判定を精度よく行うことが可能となる。
受信状態報知信号のサブキャリアの位相の設定手法についても、上述の再送要求信号と同様である。
【0066】
また、本実施の形態によれば、例えば、無線端末装置30Aにおいて選択された複数のサブキャリアの中の一つと、他方の無線端末装置30Bにおいて選択された複数のサブキャリアの中の一つとが逆相の関係になったとしても、他のサブキャリアにおいて同相の関係となるものが発生する。このため、双方のサブキャリアによる信号レベルを統計多重加算することにより信号レベルが平滑化される。この結果、統計多重加算値の偏りが少なくなり、基地局装置におけるマルチキャスト送信を正確に制御することが可能となる。
なお、前述した実施の形態1によるサブキャリアの位相の設定手法と本実施の形態2によるサブキャリアの位相の設定手法を併用してもよい。
【0067】
なお、上述の例では、無線端末装置30Aおよび無線端末装置30Bで使用されるサブキャリアの個数は合計4個であり、この4個のサブキャリアの位相に対し、上記位相候補としてサブキャリアと同数の4個の位相値を用いたが、位相候補の個数は2以上であれば任意であり、複数の無線端末装置で使用されるサブキャリアの個数の合計値以上であってもよく、その合計値未満であってもよい。
【0068】
また、各サブキャリアの位相の値が固定されないことを限度として、同じ値の位相が複数の無線端末装置におけるサブキャリアの位相として設定されてもよい。例えば、
図8のタイムスロットT1において、無線端末装置30Aで使用されるサブキャリアの位相PH1と無線端末装置30Bで使用されるサブキャリアの位相PH2の値とが同じであり、タイムスロットT2において、無線端末装置30Aで使用されるサブキャリアの位相PH2と無線端末装置30Bで使用されるサブキャリアの位相PH1の値とが同じであってもよい。このように各サブキャリアの位相が固定されなければ、時間的な統計多重加算効果により、再送要求信号の統計多重加算値の偏りが更に少なくなる。
【0069】
[実施の形態3]
実施の形態1ではLo=L、Po=Pである場合について説明したが、実施の形態3では、Lo≠L、Po=Pである場合について説明する。本実施の形態と実施の形態1とでは、基地局装置10の構成に違いがあり、以下、その違いを中心に説明する。
なお、各無線端末装置30における応答信号のサブキャリアの位相の設定手法については、上述の実施の形態1または実施の形態2と同様である。
【0070】
図9は、本実施の形態にかかる基地局装置10である基地局装置10bの内部構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置10bは、基地局装置10aの構成に加え、第1の個数記憶部271及び第2の個数記憶部272を含んで構成される。また、マルチキャスト送信制御部25aに代えてマルチキャスト送信制御部25bを含んで構成される。マルチキャスト送信制御部25bは、閾値算出部251aに代えて閾値算出部251bを含む点で、マルチキャスト送信制御部25aと相違している。
【0071】
マルチキャスト送信制御部25bは、第1合計値に対する第2合計値の割合と、第1の個数に対する第2の個数の割合と、に基づき、マルチキャスト送信の制御を行う。以下、具体的に説明する。
【0072】
第1の個数記憶部271及び第2の個数記憶部272は、それぞれ上記Lo及びLを記憶している。閾値算出部251bは各記憶部から上記Lo,Lを読み出し、第1合計値と、第1の個数に対する第2の個数の割合L/Loと、に基づき、前記閾値を算出する。式(4)は、この閾値の算出式である。
閾値=第1合計値×基準再送要求率×(L/Lo) ・・・(4)
閾値を算出した後の処理は、実施の形態1と同様である。
【0073】
本実施の形態によれば、マルチキャスト送信制御部25bは、第1の個数と第2の個数とが異なる場合であっても、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、適切にマルチキャスト送信の制御を行うことができる。
【0074】
[実施の形態4]
実施の形態4では、Lo=L、Po≠Pである場合について説明する。本実施の形態と実施の形態1及び2とでは、基地局装置10の構成に違いがあり、以下、その違いを中心に説明する。
なお、各無線端末装置30における応答信号のサブキャリアの位相の設定手法については、上述の実施の形態1または実施の形態2と同様である。
【0075】
図10は、本実施の形態にかかる基地局装置10である基地局装置10cの内部構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置10cは、基地局装置10aの構成に加え、第1の所定値記憶部273及び第2の所定値記憶部274を含んで構成される。また、マルチキャスト送信制御部25aに代えてマルチキャスト送信制御部25cを含んで構成される。マルチキャスト送信制御部25cは、閾値算出部251aに代えて閾値算出部251cを含む点で、マルチキャスト送信制御部25aと相違している。
【0076】
マルチキャスト送信制御部25cは、第1合計値に対する第2合計値の割合と、第1の所定値に対する第2の所定値の割合と、に基づき、マルチキャスト送信の制御を行う。以下、具体的に説明する。
【0077】
第1の所定値記憶部273及び第2の所定値記憶部274は、それぞれ上記Po及びPを記憶している。閾値算出部251cは各記憶部から上記Po,Pを読み出し、第1合計値と、第1の所定値に対する第2の所定値の割合P/Poと、に基づき、前記閾値を算出する。式(5)は、この閾値の算出式である。
閾値=第1合計値×基準再送要求率×(P/Po) ・・・(5)
閾値を算出した後の処理は、実施の形態1及び2と同様である。
【0078】
本実施の形態によれば、マルチキャスト送信制御部25cは、第1の所定値と第2の所定値とが異なる場合であっても、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、適切にマルチキャスト送信の制御を行うことができる。
【0079】
[実施の形態5]
実施の形態5では、Lo≠L、Po≠Pである場合について説明する。本実施の形態と実施の形態1乃至4とでは、基地局装置10の構成に違いがあり、以下、その違いを中心に説明する。
なお、各無線端末装置30における応答信号のサブキャリアの位相の設定手法については、上述の実施の形態1または実施の形態2と同様である。
【0080】
図11は、本実施の形態にかかる基地局装置10である基地局装置10dの内部構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置10dは、基地局装置10aの構成に加え、第1の個数記憶部271、第2の個数記憶部272、第1の所定値記憶部273、第2の所定値記憶部274を含んで構成される。これらの各記憶部は、実施の形態2又は3で説明したものと同様である。また、マルチキャスト送信制御部25aに代えてマルチキャスト送信制御部25dを含んで構成される。マルチキャスト送信制御部25dは、閾値算出部251aに代えて閾値算出部251dを含む点で、マルチキャスト送信制御部25aと相違している。
【0081】
マルチキャスト送信制御部25dは、第1合計値に対する第2合計値の割合と、第1の個数に対する第2の個数の割合と、第1の所定値に対する第2の所定値の割合と、に基づき、マルチキャスト送信の制御を行う。以下、具体的に説明する。
【0082】
閾値算出部251dは各記憶部から上記Lo,L,Po,Pを読み出し、第1合計値と、第1の個数に対する第2の個数の割合L/Loと、第1の所定値に対する第2の所定値の割合P/Poと、に基づき、前記閾値を算出する。式(6)は、この閾値の算出式である。
閾値=第1合計値×基準再送要求率×(L/Lo)×(P/Po) ・・・(6)
閾値を算出した後の処理は、実施の形態1乃至3と同様である。
【0083】
本実施の形態によれば、マルチキャスト送信制御部25dは、第1の個数と第2の個数、第1の所定値と第2の所定値、がそれぞれ異なる場合であっても、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、適切にマルチキャスト送信の制御を行うことができる。
【0084】
以上本発明の実施の形態1乃至5について説明したが、ここで、上記Lo,L,Po,Pの最適値について説明する。上述したように、これらはユーザにより決定されるものであるが、次のようにして決定される値を使用することが好ましい。すなわち、Loに対するLの比(L/Lo)は、基準再送要求率に基づいて決定されることが好ましい。例えば、基準再送要求率とLo/Lが等しくなるようにすることが好ましい。また、Poに対するPの比(P/Po)も、基準再送要求率に基づいて決定されることが好ましい。例えば、基準再送要求率とPo/Pが等しくなるようにすることが好ましい。
【0085】
上述したように、マルチキャスト送信制御部25a等は、第1合計値に対する第2合計値の割合に基づき、マルチキャスト送信の制御を行うが、第1受信レベル合計値取得部20及び第2受信レベル合計値取得部21がそれぞれ取得する第1合計値及び第2合計値には、ノイズ成分が含まれる。そして、ノイズ成分を含まない理想的な上記割合と、実際に取得された第1合計値及び第2合計値に基づいて求められる割合と、は第1合計値及び第2合計値の差が大きいほど、大きく乖離する。それ故、第1合計値と第2合計値の差が大きくなりすぎることは好ましくないところ、上記のようにして上記Lo,L,Po,Pを決定しておけば、第1合計値と第2合計値の差が大きくなりすぎないようにすることができる。
【0086】
上述した各実施形態では、本発明を無線通信システムとして表現したが、本発明は無線通信方法として表現することもできる。この場合、本発明による無線通信方法は、基地局装置が通信データをマルチキャスト送信し、複数の無線端末装置がマルチキャスト送信された前記通信データを受信する無線通信方法であって、前記複数の無線端末装置の各無線端末装置が、前記通信データを受信した際に応答信号を送信するための1又は複数のサブキャリアの各位相を設定し、前記応答信号の送信の度に前記1又は複数のサブキャリアの各位相を変更する位相設定ステップを含むことを特徴とする無線通信方法として表現することができる。
【0087】
また、上記の無線通信方法において、更に、前記各無線端末装置が、前記通信データを受信した場合に、第1のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアにより、前記応答信号として受信状態報知信号を送信する受信状態報知信号送信ステップと、前記各無線端末装置が、前記通信データが正常に受信されているか否かを判定する判定ステップと、前記各無線端末装置が、前記判定ステップにおいて前記通信データが正常に受信されていないと判定された場合に、前記第1のサブキャリア群とは重複しない第2のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアにより、前記応答信号として再送要求信号を送信する再送要求信号送信ステップと、前記基地局装置が、前記第1のサブキャリア群を受信し、該第1のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第1合計値を取得する第1合計値取得ステップと、前記基地局装置が、前記第2のサブキャリア群を受信し、該第2のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第2合計値を取得する第2合計値取得ステップと、前記基地局装置が、第1合計値に対する前記第2合計値の割合に基づき、マルチキャスト送信の制御を行うマルチキャスト送信制御ステップと、を含んでもよい。
【0088】
なお、本発明は、以上説明した実施の形態1乃至5に何等限定されるものではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0089】
例えば、上記各実施の形態では、第1のサブキャリア群を、
図2に示した時刻t
2〜t
3に送信されるOFDMシンボルを構成するサブキャリアのうちのMo個とし、第2のサブキャリア群を、
図2に示した時刻t
2〜t
3に送信されるサブキャリアのうちの他のM個としたが、例えば
図10に示すように、第1のサブキャリア群を、時刻t
2〜t
3に送信されるOFDMシンボルを構成するサブキャリアのうちのMo個とし、第2のサブキャリア群を、時刻t
3〜t
4(t
4はt
3の後)に送信されるサブキャリアのうちの他のM個としてもよい。こうすれば、より多くのサブキャリアを受信状態報知信号及び再送要求信号の送信に用いることができるようになる。
【0090】
また、上記実施の形態では、上記Lo,L,Po,Pをユーザが決定するものとして説明したが、基地局装置10が、基準再送要求率入力受付部250によって受け付けられた基準再送要求率に基づいて、Lo,L,Po,Pの上記最適値を算出し、算出した値を第1の個数記憶部271,第2の個数記憶部272,第1の所定値記憶部273,第2の所定値記憶部274に記憶させるとともに、各無線端末装置30に送信することとしてもよい。この場合、各無線端末装置30は、受信したLo,L,Po,Pを、第1の個数記憶部39,第2の個数記憶部41,第1の所定値記憶部40,第2の所定値記憶部42に記憶させることが好適である。
【0091】
また、基地局装置10や無線端末装置30の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、各装置の上記各処理を行ってもよい。
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、この「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
さらに、上記プログラムは、上述した各機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した各機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。