(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書及び図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
即ち、
遊技媒体と衝突する障害物が盤面に設けられた遊技盤と、
前記遊技盤に遊技媒体を投入する投入部と、
遊技者がゲーム操作を行うための操作部と、
遊技者からのゲーム操作に応答して、前記投入部から前記遊技盤に遊技媒体を投入させることにより、メインゲームの進行を制御するメインゲーム制御部と、
前記盤面上の遊技媒体の位置を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記メインゲームの進行中に前記盤面上の遊技媒体が静止状態にあるか否かを判定する判定部と、
前記盤面上の遊技媒体を静止状態から解放させるためのサブゲームの進行を制御するサブゲーム制御部と、
を備える遊技装置であって、
前記サブゲーム制御部は、
前記メインゲームにおいて、前記盤面上の前記遊技媒体が静止状態にあると前記判定部によって判定された場合に、前記メインゲームを中断させ、
前記盤面上で静止状態にある第1の前記遊技媒体に対して、前記遊技者からのゲーム操作に応答して前記投入部から前記遊技盤に第2の前記遊技媒体を投入させる、ことを特徴とする遊技装置である。
このような遊技装置によれば、メインゲームの進行中に不具合が発生すると、不具合を解消させるためのサブゲームが進行することになるため、遊技者の遊技を継続させつつ、不具合を解消させることが可能となる。すなわち、遊技が中断されることがないので、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。また、遊技場の店員を呼ぶ必要もないので、遊技者の遊技が中断されることによる遊技場の収益低下も抑えることができる。
【0008】
また、前記検出部の検出結果に基づいて、前記サブゲームの進行中に不具合が解消されたと前記判定部によって判定された場合に、前記遊技者に対して報酬を付与する報酬付与部と、を備えることとしてもよい。
このような遊技装置によれば、遊技者は、報酬を獲得すべく、積極的にサブゲームを行うようになるので、遊技者の遊技に対する興趣をより高めることができる。
【0009】
次に、遊技媒体と衝突する障害物が盤面に設けられた遊技盤と、
前記遊技盤に遊技媒体を投入する投入部と、
遊技者がゲーム操作を行うための操作部と、
遊技者からのゲーム操作に応答して、前記投入部から前記遊技盤に遊技媒体を投入させることにより、メインゲームの進行を制御するメインゲーム制御部と、
前記盤面上の遊技媒体の位置を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記メインゲームの進行中に前記盤面上の遊技媒体が静止状態にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記盤面上の遊技媒体が静止状態にあると判定された場合に、
前記遊技者からのゲーム操作に応答して、前記投入部から前記遊技盤に遊技媒体を投入させることにより、前記盤面上の遊技媒体を静止状態から解放させるためのサブゲームの進行を制御するサブゲーム制御部と、
を備える遊技装置である。
このような遊技装置によれば、メインゲームの進行中に遊技媒体が静止状態になると、遊技媒体を静止状態から解放させるためのサブゲームが進行することになるため、遊技者の遊技を継続させつつ、遊技媒体を静止状態から解放させることが可能となる。すなわち、遊技が中断されることがなく、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。また、遊技場の店員を呼ぶ必要もないので、遊技者の遊技が中断されることによる遊技場の収益低下も抑えることができる。
【0010】
また、前記盤面外へ移動した遊技媒体を回収する回収部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、静止状態から解放された遊技媒体及び前記投入部から投入された遊技媒体が前記盤面外へ移動した状態にあると前記サブゲームの進行中に前記判定部によって判定された場合に、前記遊技者に対して報酬を付与する報酬付与部と、
を備えることとしてもよい。
このような遊技装置によれば、遊技者が、報酬を獲得すべく、盤面上の遊技媒体を静止状態から確実に解放させるまで遊技者がサブゲームをプレイするようになるため、遊技者の遊技に対する興趣をより高めることができる。
【0011】
また、前記検出部の検出結果に基づいて、前記サブゲームの進行中に前記盤面上の遊技媒体が静止状態から解放され運動状態にあると前記判定部によって判定された場合に、前記遊技者に対して報酬を付与する報酬付与部と、を備えることとしてもよい。
このような遊技装置によれば、遊技者が、報酬を獲得すべく、盤面上の遊技媒体を静止状態から運動状態にさせるまでサブゲームをプレイするようになるため、遊技者の遊技に対する興趣をより高めることができる。
【0012】
また、前記報酬付与部は、前記サブゲームを開始してから前記盤面上の遊技媒体が静止状態から解放されるまでの時間をカウントし、カウントされた前記時間に応じて報酬を異ならせることとしてもよい。
このような遊技装置によれば、遊技者が、報酬を獲得すべく、より早く不具合を解消させようとしてサブゲームをプレイするようになるため、遊技者の遊技が中断又は中止されることによる遊技場の収益低下を早急に抑えることができる。
【0013】
また、前記報酬付与部は、前記盤面の上流側で前記投入部に投入された遊技媒体が前記盤面の下流側に向かって移動した結果、前記盤面の上流側で遊技媒体が静止状態になった場合と、前記盤面の下流側で遊技媒体が静止状態となった場合とで、前記遊技者に付与する報酬を異ならせることとしてもよい。
このような遊技装置によれば、盤面の上流側で遊技媒体が静止状態になった場合と、盤面の下流側で遊技媒体が静止状態となった場合とで、サブゲームの難易度が異なるため、難易度に応じた報酬を付与することができる。
【0014】
また、前記盤面と平行であって、かつ、当該盤面から見て下側に設けられ、
静止状態となった遊技媒体が位置する前記盤面上の位置に対応させてマークを表示する表示部と、を備えることとしてもよい。
このような遊技装置によれば、静止状態となった遊技媒体の位置を遊技者に即座に認識させることができる。
【0015】
===実施形態===
<<遊技装置1の全体構成>>
図1は、本実施形態の遊技装置1の斜視図である。
図2は、ボール3の移動経路を説明するための上面図である。
【0016】
本実施形態の遊技装置1では、奥側から手前側へ向けて低くなるように傾斜した盤面21にボール3が投入され、盤面21に設けられたピン22や隔壁23にボール3が衝突しながら移動し、回収口となるチャッカー24にボール3が進入する。
【0017】
以下の説明では、盤面21に平行な方向をXY方向とし、遊技者の左右方向をX方向とし、X方向と垂直な方向をY方向とする。Y方向におけるボール3の移動方向に従って、Y方向の上流側と下流側を定義する。ボール3は盤面21のY方向上流側で投入され、盤面21のY方向下流側のチャッカー24に入ることになる。また、盤面21に垂直な方向をZ方向とする。
【0018】
遊技装置1は、遊技盤10と、ボール投入機構50と、ボール循環機構60と、操作パネル70とを備えている。
【0019】
遊技盤10の盤面21にはピン22やチャッカー24が設けられており、透明な盤面21の下側にディスプレイ40(表示部)が配置されている。遊技盤10は、盤面21上のボール3の位置を検出するための検出部30を備えている。遊技盤10は、検出部30の検出結果に基づいて、ボール3の位置や軌跡を示す画像や、遊技者に付与された報酬を示す画像をディスプレイ40に表示し、ボール3の入ったチャッカー24を特定する。遊技盤10の詳しい構成については、後述する。
【0020】
ボール投入機構50(投入部)は、遊技盤10へボール3を投入する機構である。ボール投入機構50は、発射機構51と、発射ガイド52と、キャリッジ機構53とを備えている。発射機構51は、ボール3を発射するための機構である。発射ガイド52は、発射機構51から発射されたボール3をキャリッジ531まで案内するガイドであり、例えばレールのような形状の部材である。キャリッジ機構53は、ボール投入口531Aを有するキャリッジ531をX方向に往復移動させる機構である。発射機構51から発射されたボール3は、キャリッジ531内の方向変換部でX方向からY方向に向きを変えられて、ボール投入口531Aから盤面21へ投入されることになる。
【0021】
ボール循環機構60は、遊技盤10からボール3を回収し、ボール投入機構50にボール3を供給する機構である。ボール循環機構60は、回収ガイド61と、搬送機構62と、供給ガイド63とを備えている。回収ガイド61(回収部)は、遊技盤10からボール3を回収し、ボール3を搬送機構62まで案内するガイドであり、例えばスロープのような形状の部材である。搬送機構62は、回収されたボール3を供給ガイド63まで搬送する機構であり、例えば回転スクリューにより構成される。供給ガイド63は、発射機構51にボール3を供給するガイドであり、スロープのような形状の部材である。供給ガイド63は、発射前のボール3をストックする機能もある。
【0022】
操作パネル70は、遊技者が操作を行うパネルであり、操作ボタン71を有する。操作ボタン71には、ベットボタン71A、発射ボタン71B、回収ボタン71Cが設けられている。また、操作パネル70には、操作ボタン71以外の各種ボタン、遊技者がメダルやコインなどを投入する投入口72、カードリーダーなども設けられている。
【0023】
図3は、遊技装置1の機能上の構成を示すブロック図である。
遊技装置1は、CPU、メモリ及び記憶装置などから構成されたコントローラ80を備えている。記憶装置は、各種のデータやプログラムを記憶している。コントローラ80は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUがメモリに読み出して実行することによって、遊技装置1の他の構成要素を制御し、各種機能を実現する。
【0024】
本実施形態におけるコントローラ80は、設定部81、報酬付与部82、判定部83、ゲーム制御部84、位置算出部85、画像生成部86、機構制御部87、記憶部88としての機能を備えている。
【0025】
設定部81は、ディスプレイ40に表示されるフィールドマップに関する各種設定を行なう処理を実行する機能を有している。本実施形態における設定部81は、フィールドマップに配置されるターゲットの位置、種類、個数等を設定する。
【0026】
報酬付与部82は、遊技者に報酬を付与する処理を実行する機能を有している。本実施形態における報酬付与部82は、メインゲームの進行中にターゲットが獲得された場合に、ターゲットに設定された報酬を遊技者に対して付与したり、サブゲームの進行中に不具合が解消された場合に、遊技者に対して報酬を付与したりする。
【0027】
判定部83は、各種の判定処理を実行する機能を有している。本実施形態の判定部83は、メインゲームの進行中に、検出部30が検出したボール3の検出領域の位置と、設定部81が予め設定したターゲットの表示領域の位置とを比較することにより、ターゲットの表示領域をボール3が通過したか否かを判定する。また、本実施形態の判定部83は、メインゲームの進行中に、不具合が発生したか否かを判定する。すなわち、メインゲームの進行中に、盤面上21のボール3が静止状態にあるか否かを判定する。
【0028】
ゲーム制御部84は、遊技者が行なうゲームの進行を制御する処理を実行する機能を有している。ゲーム制御部84は、メインゲーム制御部84A及びサブゲーム制御部84Bを有する。メインゲーム制御部84Aは、メインゲームの進行を制御する処理を実行する機能を有している。サブゲーム制御部84Bは、サブゲームの進行を制御する処理を実行する機能を有している。
【0029】
位置算出部85は、検出部30からの検出信号に基づき、検出領域36におけるボール3の位置(盤面21上におけるボールの位置)を算出する機能を有している。実施形態では、位置算出部85が算出したボールの位置情報を利用することで、ボール3が当たったターゲットを特定したり、ボール3が進入したチャッカー24を特定したりすることができる。
【0030】
画像生成部86は、ディスプレイ40に表示されるゲーム画像を生成する処理を実行する機能を有している。本実施形態における画像生成部86は、位置算出部85により算出されたボール3の位置に基づくゲーム画像を生成する。例えば本実施形態では、画像生成部86がボール3の位置に合わせて炎の画像を生成することにより、ボール3の軌跡を坑道のように生成させることによって、ファイアボールが坑道を掘り進めるような迫力ある演出が行われる。また、画像生成部86は、ディスプレイ40上の各チャッカー24の位置に表示させるための、当たり又は外れを示す画像を生成したり、遊技者が獲得した報酬を示す画像を生成したりすることも可能である。
【0031】
機構制御部87は、ゲーム制御部84からの指令に従って、各種機構の動作を制御する機能を有している。本実施形態の機構制御部87は、発射ボタン71Bが押されたことを示す発射信号をゲーム制御部84が操作パネル70から取得したときに、ゲーム制御部84からの指令に基づきボール投入機構50の発射機構51を動作させて、ボール3を発射させる機能を有している(発射制御機能)。また、機構制御部87は、ゲーム制御部84からの指令に基づき、ボール投入機構50の往復移動機構532を動作させてキャリッジ531を往復移動させる機能(往復移動制御機能)、ボール循環機構60の搬送機構62を動作させてボール3を搬送させる機能(搬送制御機能)を有している。
【0032】
記憶部88は、プログラムやデータの記憶領域としての機能や、ゲーム制御部84などによる演算処理のワーク領域としての機能を有している。本実施形態の記憶部88は、システムプログラム、フィールドマップ情報、ペイアウト率に関する情報などを記憶している。
【0033】
<<遊技盤10の構成と検出部30の配置>>
図4は、本実施形態の遊技盤10の分解斜視図である。
図5は、本実施形態の遊技盤10をX方向から見た図である。
【0034】
遊技盤10は、透明ベース20と、検出部30とを備えている。
透明ベース20は、ピン22や隔壁23が盤面21に設けられた透明な板であり、例えばアクリル板から構成されている。透明ベース20の盤面21は、水平方向に対して15度ほど傾斜している。盤面21が傾斜しているため、ボール3が盤面21に投入されると、ボール3がY方向下流側に向かって転がって移動する。
【0035】
盤面21上のピン22や隔壁23は、遊技媒体であるボール3と衝突する障害物であり、盤面21からZ方向に突出して形成されている。ピン22は、ボール3の移動方向を転換する部材であり、盤面21のY方向上流側のピン領域に多数配置されている。隔壁23は、盤面21のY方向下流側に配置されており、隣接するチャッカー24を隔てる部材である。隔壁23は、盤面21からY方向下流側にも突出して形成されており、チャッカー24を通過したボール3は、透明ベース20の盤面21から落下し、回収ガイド61によって回収される。
【0036】
本実施形態では、遊技盤10は、透明ベース20の下側にディスプレイ40を備えている。つまり、遊技者から見て奥から順に、ディスプレイ40、透明ベース20、検出部30が配置されている。
【0037】
ディスプレイ40は、画面を表示する表示部であり、盤面21に平行に配置されている。これにより、遊技者は、ディスプレイ40の画面を透明ベース20越しに見ることになり、盤面と重なった状態でディスプレイ40の画像を視認できる。遊技盤10がディスプレイ40を備えることによって、ボール3の位置に応じて変化する画面を遊技者に表示できる。
【0038】
検出部30は、ボール3のXY方向の位置を検出する位置検出センサである。検出部30は、X発光フレーム31Xと、X受光フレーム32Xと、Y発光フレーム31Yと、Y受光フレーム32Yとを有し、4つのフレームによって長方形の枠状に構成されている。X発光フレーム31XとX受光フレーム32Xは、互いに対向して配置されている。同様に、Y発光フレーム31YとY受光フレーム32Yは、互いに対向して配置されている。
【0039】
また、検出部30は、盤面21上において不具合が発生したことを検出するセンサでもある。本実施形態では、ボール3が運動状態から静止状態に変化すると、検出部30がこれを不具合の発生として検出することができる。
【0040】
4つのフレームによって構成された枠の内部が、検出部30の検出領域36(
図5のハッチング領域)となる。検出領域36は、検出部30の検出光が照射される領域であって、ボール3が検出光を遮る領域である。本実施形態では、検出部30の検出領域が、ディスプレイ40の表示領域に対応するように(ディスプレイ40及び検出部30の座標系が対応するように)、設置される。
【0041】
枠状に構成された検出部30は、ボール3のXY方向の移動範囲を制限する機能も有する。盤面21上のボール3は、検出部30のフレームによって、検出部30の外側への移動が制限される。このため、検出部30のフレームを乗り越えて検出部30の長方形の枠内にボール3が投入されるように、キャリッジ531のボール投入口531Aが構成されている。
【0042】
図6は、検出部30の検出光の概略説明図である。
検出部30のX発光フレーム31Xは、X方向に等間隔で並ぶ複数の発光部33を有する。X受光フレーム32Xは、X方向に等間隔で並ぶ複数の受光部34を有する。Y発光フレーム31Yは、Y方向に等間隔で並ぶ複数の発光部33を有する。Y受光フレーム32Yは、Y方向に等間隔で並ぶ複数の受光部34を有する。発光部33は、対向する受光部34へ検出光を照射する。受光部34は、検出光の受光の有無を示す受光信号を出力する。図中には検出光が矢印で示されている。なお、
図6では、発光部33及び受光部34の数を実際よりも減らして簡略化されている。
【0043】
検出光を遮る物体が検出領域36に存在すると、その物体とX方向に対向する受光部34及びY方向に対向する受光部34が検出光を受光しなくなる。このため、受光部34の出力する受光信号に基づいて、検出光を受光しない受光部34が特定できるので、その受光部34の位置に基づいて物体のX方向及びY方向の位置を検出することができる。
【0044】
また、検出光を遮る物体が検出領域36を移動すると、検出光を受光しない受光部34が時々刻々と変化するため、物体のX方向及びY方向の位置も時々刻々と変化する。このため、その受光部34の時々刻々と変化する位置に基づいて、物体の運動状態を検出することができる。
【0045】
その一方で、検出光を遮る物体が検出領域36に停止すると、検出光を受光しない受光部34が時々刻々と変化することなく固定されることになるため、物体のX方向及びY方向の位置も固定位置となる。このため、その受光部34の固定位置に基づいて、物体の静止状態を検出することができる。
【0046】
なお、検出部30は、物体の位置の検出信号として、物体のX方向及びY方向の位置(座標)を示す位置信号を出力しても良いし、受光部34の受光信号をそのまま出力しても良い。
【0047】
検出部30を構成する4つのフレームは、盤面21と平行なXY平面内に設けられており、これにより、検出部30の複数の発光部33及び複数の受光部34は、盤面21と平行なXY平面内に設けられている。本実施形態では、発光部33と受光部34の間の領域が検出部30の検出領域36になるので、検出部30の検出領域36は、盤面21と平行になる(
図5のハッチング領域を参照)。
【0048】
発光部33が発光する光は、盤面21に平行な光だけでなく、盤面21に対し傾いた光が含まれても良い。但し、盤面21に対し傾いた光は、受光部34に受光されないため、物体を検出するための検出光にはならない。すなわち、検出光とは、盤面21に平行な検出領域36へ照射される光であって、発光部33から発光され受光部34に受光される光を指し、受光部34から外れる方向(XY平面と交差する方向)の光は検出光には含まれない。検出光は、赤外光でも良いし、可視光でも良い。
【0049】
なお、検出部30は、複数個(例えば10個)のボール3の位置を同時に検出可能である。これにより、2個以上のボール3が盤面21に投入されても、検出部30は、各ボール3の位置をそれぞれ検出できる。
【0050】
図7は、盤面21及びピン22に対する検出部30の配置の説明図である。
検出部30がボール3の位置を検出するためには、ボール3が検出部30の検出光を遮るように検出部30を配置する必要がある。このため、検出部30の検出光は、盤面21から見てボール3の直径Dよりも高い位置に配置させることはできない。一方、仮に盤面21から見て検出部30の検出光が障害物と同じ高さ(障害物の頂部より低い高さ)に配置されてしまうと、検出光が障害物によって遮られるおそれがある。このため、
図5や
図7に示すように、本実施形態では、盤面21から見て、検出部30の検出光が障害物(ピン22及び隔壁23)よりも高く配置されている。なお、本実施形態では、ピン22の高さHpよりも大きな直径Dのボール3を使用する必要がある。仮にピン22の高さHpよりも小さな直径のボール3が使用されてしまうと、ボール3が検出部30の検出光を遮らないため、検出部30がボール3の位置を検出できないからである。
【0051】
<<遊技装置1の動作>>
<全体動作>
図8は、遊技装置1の動作例を説明するためのフローチャートである。
本実施形態における遊技装置1では、先ずは、メイン制御部84Aがメインゲームの動作を開始させる(S101)。
【0052】
そして、判定部83は、検出部30の検出結果に基づいて、メインゲームの動作中に不具合が発生したか否かを判定する(S102)。本実施形態では、盤面21上で運動状態にあるボール3が、埃や塵が付着したピン22に引っ掛かることによって静止状態になったか否かが判定される。
【0053】
次いで、メインゲームの動作中に不具合が発生した場合には(S102:YES)、サブゲーム制御部84Bは、メインゲームを中断させて、その不具合を解消させるためのサブゲームの動作を開始させる(S103)。
【0054】
そして、判定部83は、検出部30の検出結果に基づいて、サブゲームの動作中に不具合が解消したか否かを判定する(S104)。本実施形態では、盤面21上で静止状態にあったボール3が運動状態となって盤面21上から取り除かれたか否かが判定される。
【0055】
次いで、サブゲームの動作中に不具合が解消された場合には(S104:YES)、報酬付与部82が遊技者に対し報酬を付与する(S105)。そして、ステップ101に戻り、メイン制御部84Aは、サブゲームの終了後、メインゲームを再開させる。
【0056】
その一方で、サブゲームの動作中に不具合が解消されなかった場合には(S104:NO)、ディスプレイ40にエラー表示がなされる(S106)。かかる場合には、遊技場の店員が静止状態にあるボール3を盤面21上から取り除くことにより、不具合を解消させることになる。
【0057】
<メインゲームの動作>
本実施形態におけるメインゲームでは、通常ゲーム及び特別ゲームが行なわれる。通常ゲームでは、ディスプレイ40に表示されたフィールドマップ上をボール3が移動することによって、そのフィールドマップに隠されているターゲットを出現させるゲームが行なわれる。ターゲットを出現させることによって獲得に成功すると、獲得されたターゲットに設定された報酬が、遊技者に対して付与される。特別ゲームでは、ディスプレイ40に表示されたフィールドマップ上をボール3が移動することによって、そのフィールドマップに配置されたターゲットを獲得させるゲームが繰り返し行なわれる。ターゲットの獲得に成功すると、獲得されたターゲットの総数に応じた報酬が、特別ボーナスとして遊技者に付与される。
【0058】
本実施形態におけるメインゲームでは、先ず始めに通常ゲームが開始される。通常ゲームの開始にあたって、設定部81は、記憶部88に記憶されているフィールドマップ情報を参照することにより、ディスプレイ40に表示されるフィールドマップに関する各種設定を行なう。
【0059】
このフィールドマップ情報には、複数パターンのフィールドマップを構成するための各種データ(フィールドマップにおけるターゲットの配置、フィールドマップに配置されるターゲットの種類や個数等)が含まれている。そのため、設定部81は、複数パターンの中からいずれかをランダムに選択し、各種類のターゲットをそれぞれ配置したフィールドマップを設定する。
【0060】
図9は、メインゲーム(通常ゲーム)のゲーム画面100を説明するための図である。
通常ゲームでは、ディスプレイ40の表示領域全体にゲーム画面100が表示される。ゲーム画面100には、設定部81によって設定されたフィールドマップFMが表示される。
【0061】
フィールドマップFMには、フィールドマップ情報に基づき配置された各種のターゲットが含まれている。ここでは、ターゲットTG、スロットマークSM、チャッカーマークCM、獲得メダル情報101、ボーナスゲージ102が、フィールドマップFMに配置されている。
【0062】
ターゲットTGは、遊技者の獲得対象となるものであって、獲得時の報酬となるメダル枚数(数値)が表示されている。スロットマークSM、及び、チャッカーマークCMは、遊技者の獲得対象外となるものであって、ゲームにおいて所定の機能が発揮されることを遊技者に示すための指標である。スロットマークSMをボール3が通過した場合に、スロット抽選が行われる。チャッカーマークCMをボール3が通過した場合には、ゲームの続行又は停止が決定される。獲得メダル情報101は、報酬として付与されたメダル枚数を示す情報である。ボーナスゲージ102は、特別ゲームを開始させるボーナスポイントの蓄積量を棒グラフ状にして示す情報である。ボーナスゲージ102が最大ポイントに達すると、特別ゲームが行なわれる。
【0063】
通常ゲームは、ゲーム画面100にフィールドマップFMが表示されている際に、ボール投入機構50がボール3を遊技盤10に投入させることによって行われる。通常ゲームを行うためには、遊技者はメダルをベットしなければならない。
【0064】
先ず、遊技者が投入口72からメダルを投入すると、遊技者のメダル枚数がクレジットされる。遊技者は、クレジットされたメダル枚数の範囲内で、ベットボタン71Aを操作して1回の通常ゲームに賭けるメダル枚数を決定する(ベットする)。
【0065】
次いで、判定部83は、遊技者によって発射ボタン71Bが押されたか否かを判定する。メインゲーム制御部84Aは、判定部83により発射ボタン71Bが押されたと判定された場合に、機構制御部87に対してボール3を投入するように指令を出す。機構制御部87は、メインゲーム制御部84Aからの指令に基づきボール投入機構50の発射機構51を動作させてボール3を発射させる。
【0066】
次いで、判定部83は、ボール3がターゲットに当たったか否かを判定するためのヒットチェック処理を行う。本実施形態における判定部83は、位置算出部85が検出部30からの検出信号に基づき検出領域36全体に対するボール3の検出位置を算出すると、ボール3の検出位置とディスプレイ40のターゲットの表示位置とを比較することにより、ターゲットTG上をボール3が通過したか否かを判定する。ボール3がターゲットTG上を通過した場合には、ターゲットTGの獲得権が遊技者に付与される。
【0067】
次いで、判定部83は、検出部30からの検出信号に基づき、ボール3がチャッカー24(回収口)に対応するチャッカーマークCMを通過したか否かを判定する。そして、ボール3がチャッカーマークCMを通過したと判定された場合に、ターゲットを獲得できなかったものと決定される。一方で、ボール3がチャッカーマークCMを通過しないと判定された場合には、ターゲットを獲得できたものと決定される。
【0068】
次いで、判定部83は、発射ボタン71B又は回収ボタン71Cからの操作入力があったか否かを判定する。発射ボタン71Bが押下されたと判定された場合は、機構制御部87が、ゲーム制御部84からの指令に基づき、再びボール投入機構50の発射機構51を動作させてボール3を発射させる。一方で、回収ボタン71Cが押下されたと判定された場合には、遊技者が獲得したターゲットに設定された報酬が報酬付与部82により付与される。
【0069】
ここで、判定部83により通常ゲームの進行中にボーナスゲージ102が最大ポイントに達したと判定されると、メインゲーム制御部84Aは特別ゲームを開始させる。また、判定部83により通常ゲームの進行中にボール3がスロットマークSMを通過したと判定されると、メインゲーム制御部84Aはスロット抽選を開始する。抽選の結果として所定の役が揃うと、メインゲーム制御部84Aは特別ゲームを開始させる。
【0070】
特別ゲームでは、複数種類のゲームステージが設定されており、ゲームステージ毎にフィールドマップに配置されたターゲットを獲得するゲームが行われる。各ゲームステージのフィールドマップは、設定部81によってターゲットの位置・大きさ・個数がそれぞれ設定されている。各ゲームステージにおいて、遊技者はフィールドマップに対してボール3を1度だけ投入することができる。遊技者によって投入されたボール3がターゲットTGを通過できれば、遊技者はそのターゲットTGを獲得することができる。そして、複数種類のゲームステージのうちの或るゲームステージをクリアーできなかった時点で特別ゲームが終了し、それまでのゲームステージにて獲得されたターゲットの総数に応じた報酬がボーナスとして遊技者に付与される。
【0071】
<サブゲームの動作>
図10は、サブゲームの動作例を説明するためのフローチャートである。
図11乃至
図17は、サブゲームのゲーム画面200の一例を示す図である。
【0072】
本実施形態では、メインゲームの動作中に不具合が発生すると、
図9に示すメインゲームのゲーム画面100から、
図11に示すサブゲームのゲーム画面200に切り替わり、不具合を解消させるためのサブゲームの動作が開始される。
【0073】
なお、通常ゲームの進行中に不具合が発生した場合には、通常ゲームを行う際にベットされたメダル枚数を遊技者に返却した上で、サブゲームが開始される。
【0074】
本実施形態におけるサブゲームでは、ディスプレイ40の表示領域全体に、
図11に示すゲーム画面200が表示される。このゲーム画面200には、時間情報201、得点ゲージ202、案内情報203、マーク204が表示される。
【0075】
時間情報201は、サブゲームの制限時間を示す情報である。本実施形態では、制限時間が60秒に設定されている。得点ゲージ202は、遊技者に付与される得点を棒グラフ状にして示す情報である。案内情報203は、ゲームルール等を遊技者に案内する情報である。マーク204は、静止状態のボール3Aが位置する盤面21上の位置に対応させて表示される標識である。
【0076】
本実施形態におけるサブゲームは、
図12に示すゲーム画面200がディスプレイ40に表示されている際に、遊技者が静止状態のボール3Aを狙ってボールを発射させることによって行われる。サブゲームを行うためには、通常ゲームとは異なり、遊技者はメダルをベットする必要がない。
【0077】
サブゲームが開始されると、
図10に示すように、先ず、サブゲーム制御部84Bは、時間情報201に示す制限時間のカウントを開始させると共に、得点ゲージ202の減少を開始させる(S201)。例えば、
図13に示すように、時間情報201には、初期値の60秒から5秒が経過した場合に、55秒と表示される。得点ゲージ202は、時間の経過に伴って、その長さが短くなるように表示される。
【0078】
次に、判定部83は、サブゲームの制限時間が残っているか否か判定する(S202)。かかる判定が肯定された場合は、ステップ203に進み、否定された場合には、ステップ211に進む。
【0079】
次に、判定部83は、ボール投入機構50の発射機構51によってボール3を発射させることが可能であるか否かを判定する(S203)。かかる判定が肯定された場合は、ステップ204に進み、否定された場合には、ステップ202に戻る。
【0080】
次に、判定部83は、遊技者によって発射ボタン71Bが押されたか否かを判定する(S204)。かかる判定が否定された場合は、ステップ202に戻る。かかる判定が肯定された場合には、サブゲーム制御部84Bは、機構制御部87に対してボール3を投入するように指令を出す。機構制御部87は、サブゲーム制御部84Bからの指令に基づきボール投入機構50の発射機構51を動作させてボール3を発射させる(S205)。この際、
図13に示すように、発射されたボール3B(発射ボール)がゲーム画面200(盤面21)の上流側から下流側へ向かって移動する。
【0081】
次に、判定部83は、検出部30の検出結果に基づいて、静止状態のボール3Aが転がり始めたか否かを判定する(S206)。かかる判定が肯定された場合は、ステップ207に進み、否定された場合には、ステップ202に戻る。例えば、
図14に示すように、静止状態のボール3Aに運動状態のボール3Bが衝突した場合には、ボール3Aは静止状態から解放されて下流側へ向かって転がり始める。
【0082】
次に、判定部83は、検出部30の検出結果に基づいて、ボール3A及びボール3Bが新たに静止状態となったか否かを判定する(S207)。かかる判定が否定された場合は、ステップ208に進む。かかる判定が肯定された場合には、
図17に示すように、ゲーム画面200においてエラー表示206を行う(S213)。
【0083】
次に、判定部83は、不具合が解消されたか否かを判定する。すなわち、判定部83は、検出部30の検出結果に基づいて、ボール3A及びボール3Bがチャッカー24に進入して盤面21外へ移動したか否かを判定する(S208)。かかる判定が否定された場合は、ステップ207に戻る。一方で、例えば、
図15に示すように、ボール3A及びボール3Bがチャッカー24に進入した場合には、かかる判定が肯定され、制限時間のカウントを停止させると共に、ゲージ202の減少を停止させる(S209)。
【0084】
次に、遊技者に対して報酬を付与するための報酬付与処理が行なわれる(S210)。すなわち、報酬付与部82は、サブゲーム開始から不具合が解消されるまでの経過時間をカウントし、カウントされた経過時間に応じた報酬を遊技者に付与する。本実施形態では、カウントされた経過時間が短いほど報酬が多くなるように設定されている。例えば、
図16に示すように、サブゲームを行った結果として得点ゲージ202に示された得点を遊技者が獲得したとすると、その得点に応じたポイントが報酬としてボーナスゲージ205に加算される。
【0085】
その一方で、上述したステップ202における判定が否定された場合には、制限時間のカウントを停止させると共に、ゲージ202の減少を停止させる(S211)。この際、
図17に示すように、ゲーム画面200において案内情報203に「TIME UP」が表示される。
【0086】
次に、判定部83は、不具合が解消されたか否かを判定する。すなわち、判定部83は、検出部30の検出結果に基づいて、ボール3A及びボール3Bがチャッカー24に進入して盤面21外へ移動したか否かを判定する(S212)。かかる判定が肯定された場合は、ステップ210に進む。かかる判定が否定された場合には、
図17に示すように、ボール3Aが静止状態のままとなり、ゲーム画面200においてエラー表示206を行う(S213)。
【0087】
以上のとおり、本実施形態に係る遊技装置1によれば、メインゲームの進行中に不具合が発生すると、不具合を解消させるためのサブゲームが進行することになるため、遊技者の遊技を継続させつつ、遊技者のゲームプレイを利用して不具合を解消させることが可能となる。すなわち、遊技者側のメリットとしては、遊技が中断されることがないので、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。遊技場の店員側のメリットとしては、遊技場の店員が不具合を解消させるための作業を行う必要がなく、遊技者の遊技が中断されることによる遊技場の収益低下も抑えることができる。
【0088】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下のような形態も本発明に含まれる。
【0089】
<遊技装置1について>
前述の実施形態では、スマートボールのような遊技装置1であったが、遊技装置はこれに限られるものではない。例えば、遊技装置は、パチンコ機や、ピンボール機のような装置でもよい。
また、前述の遊技装置1では、盤面21が傾斜していたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機の盤面のように、盤面が鉛直方向に平行であってもよいし、盤面が水平方向でもよい。また、遊技者が盤面の角度を自由に変更できるような遊技装置でもよい。
【0090】
<検出部30について>
前述の実施形態では、発光部33及び受光部34を用いて盤面21上のボール3の位置や動作状態を検出していたが、これに限られるものではない。例えば、盤面21全体を撮影可能なカメラ(イメージセンサー)を設け、画像処理を行うことによってボール3の位置や動作状態を検出するようにしてもよい。
【0091】
<ディスプレイ40について>
前述の遊技装置1では、ディスプレイ40が透明な盤面21の下側に配置されていたが、これに限られるものではない。例えば、プロジェクターによって遊技盤の背面側から投射された光を透過させることにより、遊技盤の前面にゲーム画像を映し出すようにしてもよい。また、プロジェクターによって遊技盤の前面側からゲーム画像を投影するようにしてもよい。
【0092】
<サブゲームの動作について>
前述の実施形態では、判定部83が不具合解消を判定する際、ボール3A及びボール3Bがチャッカー24に進入して盤面21外へ移動したか否かを判定する場合(
図10、S208)を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、静止状態のボール3Aが転がり始めたか否かを判定することで(
図10、S206)、不具合解消を判定してもよい。
また、前述の実施形態では、ボール3がピン22に引っ掛かることで静止状態となった場合を不具合の一例として説明したが、詰まり(スタック)等の不具合があった場合にも、サブゲームの動作を行うことで不具合を解消することができる。
【0093】
<報酬付与部82について>
前述の実施形態では、報酬付与部82がサブゲームの結果として遊技者に報酬を付与する際、カウントされた経過時間が短いほど報酬を多くする場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、報酬付与部82は、盤面21の上流側でボール3が静止状態になった場合と、盤面21の下流側でボール3が静止状態となった場合とで、遊技者に付与する報酬を異ならせるようにしてもよい。本実施形態における遊技装置1は、盤面21の上流でボール3を発射させるため、盤面21の上流側で静止状態となったボール3Aの方が、盤面21の下流側で静止状態となったボール3Aよりも狙い易い。このようにサブゲームの難易度が盤面21の上流側と下流側とで異なるため、難易度に応じた報酬を付与することができる。
【0094】
<遊技媒体について>
前述の実施形態では、遊技媒体としてボール3が採用されていた。但し、遊技媒体は球形状に限られるものではない。例えば、遊技媒体が、円柱状、円筒状、角柱状、多面体などの別の形状であってもよい。また、遊技媒体は、ボールではなく、メダル等であってもよい。