(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る光源装置1の模式図である。
光源装置1は、ライトガイド4の端面4Aに光を入射する装置であり、光源6と、集光光学系2とを備えている。この集光光学系2は、光源6の光をライトガイド4の端面4Aに集光する反射型の光学系である。
ライトガイド4は、少なくとも一方向に延在する導光部材であり、一端側の端面4Aに入射した光を全反射によって内部を伝搬させながら他端側に導光し、当該他端側の端面(図示せず)から出射し、目的の照射物に照射される。このライトガイド4の具体例としては、例えば複数の光ファイバの素線を束ねて成るバンドルファイバや導光ロッドが挙げられる。
またライトガイド4には開口数NAが設定されている。開口数NAは、内部を伝搬可能な入射光の最大入射角θmaxを規定し、開口数NAと最大入射角θmaxとの間には、開口数NA=sin(最大入射角θmax)の関係が成立する。
【0017】
光源6は、実装基板8に実装された発光素子を備え、この発光素子にはLED7が用いられている。LED7は、発光部7Aを表面に向けて実装基板8に実装されており、この光源6では、実装基板8の実装面の法線方向に光軸Kを一致させてLED7が実装されている。LED7は、発光部7Aの放射角αが非常に広く、発光部7Aの光軸Kに対して略垂直な方向まで(発光部7Aの発光面に略水平な方向)まで光を放射し、この発光部7Aに対面して上記集光光学系2が設けられている。
なお、LED7は、1個のLEDの素子から成るものに限らず、複数のLEDの素子を集積して高出力化したものでも良い。集積化したLEDの例としては、例えばCOB型LED等が挙げられる。
【0018】
集光光学系2は、光源6の光を当該光源6の側に反射し、当該光源6を超えた箇所に位置する所定の集光箇所Saに所定の光束断面径Dで光束を集束させる反射型の光学系であり、この集光箇所Saに上記ライトガイド4の端面4Aが配置されている。すなわち、集光箇所Saにおける光束の所定の光束断面径Dは、少なくともライトガイド4の端面4Aの大きさ、より正確には、当該端面4Aに含まれる入射可能範囲内に設定されている。
この集光光学系2は、光源6とライトガイド4の結合効率を高めるために、集光箇所Saにおいて、光束に含まれる光成分の各々の入射角θが上記最大入射角θmaxを超えないように設計されている。これにより、理想的には、集光光学系2によって集束した光の全てがライトガイド4の端面4Aに入射し、その内部を全反射により伝搬して他端側に導光されることとなる。
【0019】
集光光学系2の構成について詳述すると、集光光学系2は、光源6の周囲に、1又は複数(図示例では1対)の集光反射面10を有する。それぞれの集光反射面10は、互いに光学的に同一な構成、及び機能を有し、それぞれが光源6の光を反射し、集光箇所Saに所定の光束断面径Dで、上記最大入射角θmaxを超えない光成分から成る光束を集束する。
【0020】
ところで、集光機能を有する反射面には、一般的に楕円反射面が用いられる。
図2は、集光反射面10を単一の楕円反射面14のみで構成した場合の説明図である。
同図に示すように、楕円反射面14の形状を、光源6の発光部7Aの中心を第1焦点S1とし、集光箇所Saの中心を第2焦点S2とする形状にすることで、発光部7Aの光が第2焦点S2に集光される。
また、楕円反射面14を、光軸K(楕円反射面14の長軸)との交点Mから第1焦点S1までの大きさとした場合、第2焦点S2での入射角θが最大となる光成分は、第1焦点S1から光軸Kに垂直方向(楕円反射面14の短軸方向)に放射されて光成分Hxである。この光成分Hxの入射角θHxは、楕円反射面14における光成分Hxの反射点をPHx、当該反射点PHxと第1焦点S1の距離をL1Hx、反射点PHxと第2焦点S2の距離をL2Hxとした場合、Arcsin(距離L1Hx/距離L2Hx)により求められる。
したがって、入射角θHxがライトガイド4の最大入射角θmaxを超えないように楕円反射面14を設計することで、第2焦点S2に集光する光成分のそれぞれの入射角θを最大入射角θmax以下に抑えることができる。
【0021】
しかしながら、発光部7Aは大きさを有することから、発光部7Aの光が全て第2焦点S2に集光される訳ではない。すなわち、発光部7Aの端部7Atから出射した光成分は第2焦点S2から逸れてしまい、このような光成分の入射角θが最大入射角θmaxを超えることがあり、結合効率の低下の要因となる。
詳述すると、発光部7Aの中心、すなわち第1焦点S1から出射した光成分をHaとし、発光部7Aの端部7Atから出射し、楕円反射面14において光成分Haと同じ反射点PHaに入射する光成分をHbとする。この場合、
図2に示すように、発光部7Aの中心(すなわち、第1焦点S1)から端部7Atまでの距離dに起因して、光成分Hbは、集光箇所Saにおいて第2焦点S2からズレ量δだけ離れた位置に入射する。このズレ量δは、距離dが大きいほど、すなわち発光部7Aが大きくなるほど大きくなる。例えばLED7がCOB型LED等である場合、COB型LED等は、発光部7Aが比較的大きな面状を成し、いわゆる面状光源となることから、発光部7Aの大きさに起因するズレ量δは無視できないほど大きくなる。
【0022】
さらに、ズレ量δは、発光部7Aの大きさが同じであっても、楕円反射面14における反射点PHaの位置によっても相違する。すなわち、光成分Haと光軸Kとが成す角度をβとすると、光成分Haに対応する光成分Hbのズレ量δは、光成分Haの角度βが小さいほど大きくなる。この理由は、次の通りである。
すなわち、楕円反射面14においては、楕円の特性により、第1焦点S1から反射点PHaまでの距離L1Haは、光成分Haの角度βが小さくなるほど短くなり、反射点PHaが発光部7Aに近付く。一方、第1焦点S1、反射点PHa、及び端部7Atの3点から成る角度をγとすると、この角度γが大きいほど、光成分Hbのズレ量δは大きくなる。
図3に示すように、角度β1の光成分Ha1と、この角度β1よりも小さな角度β2の光成分Ha2を例にすると、これらの光成分Ha1、Ha2では、光成分Ha1の反射点PHa1よりも光成分Ha2の反射点PHa2が発光部7Aに近付く。このため、光成分Ha1についての角度γ1よりも光成分Ha2についての角度γ2が大きくなる。
この結果、角度β1の光成分Ha1に対応する光成分Hb1のズレ量δ1に対し、角度β1よりも小さな角度β2の光成分Ha2に対応する光成分Hb2のズレ量δ2が大きくなる。
また、光成分Hbの入射角θは、ズレ量δが大きい大きくなるほど、対応する光成分Haの入射角θよりも大きくなることから、最大入射角θmaxを超えるような光成分Hbも多分に生じることになる。
【0023】
以上の事から、大きさを有する発光部7Aの光を楕円反射面14で反射しても、発光部7Aの大きさ(距離d)によっては、集光箇所Saにおける光束を所定の光束断面径Dに収めることができない。係る光をライトガイド4に単に入射させるだけであれば、当該ライトガイド4の端面4Aを大きくすれば可能である。しかしながら、上記の通り、集光箇所Saの光束の光成分には、最大入射角θmaxを超えるような光成分Hbも多分に含まれることから、ライトガイド4に入射しても導光することがなく、結局は無駄な光となる。
【0024】
そこで、この光源装置1では、光成分Hbのズレ量δを小さくすべく、集光反射面10を次のように構成している。
すなわち、単一の楕円反射面14において、光成分Hbのズレ量δは、角度βが小さくなるほど、換言すれば反射点PHaが光軸Kに近付くほど、その反射点PHaと発光部7A(第1焦点S1)の距離L1Haが短くなる事に起因して増大する。
つまり、光成分Haの角度βが小さくなるほど、その光成分Haの反射点PHaと発光部7A(第1焦点S1)の距離L1Haを長くできれば、その反射点PHaに入射する光成分Hbのズレ量δの増大が抑えられることになる。
したがって、光源6に対して単一の楕円反射面14を配置するのではなく、
図4に示すように、光源6に対し、それぞれが第1焦点S1、及び第2焦点S2を焦点とし、曲率が光源6から離れるについて順次に
小さくなる(短軸、及び長軸が順次に長くなる)複数の楕円反射面14、14、・・・を配置する。これらの楕円反射面14、14、・・・によれば、光成分Haの角度βが小さくなるほど、その光成分Haは、光源6から離れた楕円反射面14で反射されることとなる。これにより、光成分Haの角度βが小さくなるほど、反射点PHaと第1焦点S1の距離L1Haが長くなる。この結果、光成分Haの角度βが小さくなっても、角度γの増大が抑えられるから、対応する光成分Hbのズレ量δの増大も抑えられることとなる。
【0025】
この光源装置1の集光反射面10は、以上のようにしてズレ量δの増大を抑えるべく、次ように構成されている。すなわち、前掲
図1に示すように、集光反射面10は、複数の楕円反射面14を備え、それぞれが共に同じ第1焦点S1、及び第2焦点S2を焦点とし、かつ、曲率が互いに異なっている。なお、上述の通り、第1焦点S1は、発光部7Aの中心であり、第2焦点S2は集光箇所Saの中心である。そして、第1焦点S1から反射点PHaまでの距離L1Haが大きくなるにしたがって
小さな曲率の楕円反射面14が位置するように、それぞれの楕円反射面14を階段状に連設して上記集光反射面10が構成される。
【0026】
図5は集光反射面10の一部拡大図である。
この集光反射面10では、同図に示すように、それぞれの楕円反射面14の上端Qaと下端Qbとを連結面16によって連結して構成されている。このとき、この集光反射面10では、それぞれ楕円反射面14の上端Qaを結ぶ線Eと、光軸Kの方向とが成す角度εが上記最大入射角θmaxとなり、なおかつ、楕円反射面14の反射光が連結面16に入射しないように、各楕円反射面14の上端Qaから下端Qbまでの長さ(反射面の広さ)が規定されている。
【0027】
なお、上述したように、ライトガイド4の端面4Aに入射させる光の入射角θは、最大入射角θmax以下であることが必要である。
集光反射面10にあっては、角度β=90の光成分である上記光成分Hxの入射角θHxが最大入射角θmaxを超えないように、当該光成分Hxを反射する楕円反射面14が形成されている。この光成分Hxを反射する楕円反射面14は、
図1に示すように、集光反射面10の上端部10Aに位置する。その下に連設される各々の楕円反射面14は、上記の通り、共に同じ第2焦点S2を有することから、下端部10B(すなわち光軸K)に近い楕円反射面14で反射された光成分Haほど入射角θは小さくなる。このとき、光軸Kに近い楕円反射面14であっても、第1焦点S1たる発光部7Aからの距離L1Haが
図2、
図3に示す単一の楕円反射面14に比べて延長される位置に設けられる。このため、光軸Kに近い楕円反射面14においても、発光部7Aの端部7Atの光成分Hbのズレ量δが抑えられるから、所定の光束断面径Dの範囲に光束を収めることができる。また、その光成分Hbの入射角θについても最大入射角θmax以下に収められる。
【0028】
このように構成された集光反射面10にあっては、それぞれの楕円反射面14は、ともに同じ第1焦点S1、第2焦点S2を焦点としているので、反射点PHaから第1焦点S1までの上記距離L1Haと、反射点PHaから第2焦点S2までの距離L2Haとの比が各々等しくなる。
換言すれば、この集光反射面10は、共に同じ第1焦点S1、第2焦点S2を有し、かつ、それぞれの距離L1Ha、距離L2Haとの比が各々等しくなる複数の楕円反射面14、14、・・・を連設して構成しているとも表現できる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態によれば、集光反射面10には、光源6の発光部7Aの中心を第1焦点S1とし、集光箇所Saの中心を第2焦点S2とする、互いに曲率が異なる複数の楕円反射面14、14、・・・を含み、各々の楕円反射面14、14、・・・が、発光部7Aから離れるほど曲率が
小さくなり、発光部7Aから離れた楕円反射面14で反射された光成分Hbほど集光箇所Saに入射する入射角θが小さくなるように連ねられた構成としている。
換言すれば、集光反射面10には、光源6の発光部7Aの中心を第1焦点S1とし、集光箇所Saの中心を第2焦点S2とする、互いに曲率が異なる複数の楕円反射面14、14、・・・を含み、各々の楕円反射面14、14、・・・が、第1焦点S1からの距離L1Haと、第2焦点S2までの距離L2Haとの比が略等しくなるように連ねられた構成としている。
この構成の集光反射面10によれば、発光部7Aが大きさを有している場合であっても、所定の光束断面径Dの範囲に光束を収めることができ、また、光束に含まれる各光成分の入射角θを最大入射角θmaxに収めることができる。
【0030】
なお、この光源装置1では、1又は複数の集光反射面10を、光軸Kの周りに配置する場合を例示した。しかしながら、これに限らず、集光反射面10を、光軸Kを軸とした1個の回転体によって構成しても良い。
【0031】
[第2実施形態]
図6は、本実施形態に係る光源装置100の模式図である。なお、同図において、第1実施形態と同じ部材については同一の符号を付して、その説明を省略する。
同図に示すように、この光源装置100は、光源6の光を平行光化する平行光化光学系102を備え、この平行光化光学系102が光源6に対面配置される平行光化反射面110を備えている点で、第1実施形態の光源装置1と構成を大きく異にしている。
詳述すると、ライトガイド4の端面4Aが比較的大きい場合、当該発光部7Aの光を集光する必要はなく、略平行光化して端面4Aに入射することで、その入射角θを非常に小さくできる。特に、光源6がLED7である場合、放射角αのうち、光軸Kの近傍の放射角αhに光量が集中することから、この放射角αhの範囲の平行光によって端面4Aでの光束断面径Dが規定される。換言すれば、平行光化反射面110による全ての平行光が端面4Aに入射せずとも、この光束断面径Dが端面4Aに含まれれば、十分な効率が得られるとも言える。
【0032】
ところで、平行光化機能を有する反射面には、一般的に放物反射面が用いられる。
図7は、平行光化反射面110を単一の放物反射面114のみで構成した場合の説明図である。
同図に示すように、放物反射面114の形状を、光源6の発光部7Aの中心を焦点Sとする放物面形状にすることで、発光部7Aの光を平行光化して端面4Aに照射することができる。
【0033】
しかしながら、発光部7Aは大きさを有することから、発光部7Aの端部7Atから出射した光成分Hbは完全には平行光化されず、焦点Sから出射した光成分Haの平行光からズレ量δだけ逸れてしまい、この光成分Hbの入射角θが最大入射角θmaxを超えてしまうことがある。
特に、この光成分Hbのズレ量δは、第1実施形態の楕円反射面14と同様の理由により、反射点PHaが光軸Kに近付くほど、すなわち光成分Haの角度βが小さいほど顕著になる。上述した通り、LED7にあっては、光軸Kの近傍に光量が集中するため、係るズレは、端面4Aでの光束断面径Dの増大に大きく影響を与える。
【0034】
そこで、この光源装置100の平行光化反射面110では、前掲
図6に示すように、光源6に対し、それぞれが共に焦点Sを焦点とし、曲率が光源6から離れるについて順次に
小さくなる複数の放物反射面114、114、・・・を、互いに光軸Kを同軸にして配置する。
これにより、平行光化反射面110では、光成分Haの角度βが小さくなるほど、その光成分Haは、光源6から離れた放物反射面114で反射される。これにより、第1実施形態で説明した理由と同様の理由により、光成分Haの角度βが小さくなっても、対応する光成分Hbのズレ量δの増大が抑えられることとなる。
この結果、ライトガイド4の端面4Aにおいて、入射角θの増大、及び光束断面径Dの拡がりが抑えられ、光源6とライトガイド4の結合効率を良好にできる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、平行光化反射面110には、光源6の発光部7Aの中心を焦点Sとし、ライトガイド4の端面4Aに平行光を照射する、互いに曲率が異なる複数の放物反射面114、114、・・・を含み、各々の放物反射面114、114、・・・が、同軸に、かつ、光源6から遠いほど曲率が
小さくなるように連ねられる構成とした。
この構成によれば、発光部7Aが大きさを有している場合であっても、光束断面径Dの拡がりを抑え、かつ平行光の光束に含まれる各光成分の入射角θの増大を抑えることができる。
【0036】
なお、この第2実施形態において、平行光化反射面110の放物反射面114、114、・・・の各々を光軸Kを軸に回転させた回転放物面とした。しかしながら、これに限らず、第1実施形態と同様に、互いに光学的に同一な構成、及び機能を有する1又は複数の平行光化反射面110を、光軸Kの周りに配置した構成としても良い。
【0037】
上述した第1、及び第2実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0038】
[変形例]
例えば、上述した第1、及び第2実施形態において、第1焦点S1、又は焦点Sに平坦な反射面を配置することで、集光箇所Sa、又は照射箇所を鏡像反転した位置に設けても良い。この例について、第1実施形態を例に説明する。
図8は、本変形例に係る光源装置300の構成を示す模式図である。なお、同図において、第1実施形態と同じ部材については同一の符号を付して、その説明を省略する。
この図に示すように、光源装置300は、第1焦点S1の直近に、法線方向gを光軸Kに平行にして、集光反射面10と対面配置された平面ミラー330を備えている点で、第1実施形態の光源装置100と構成を大きく異にする。
【0039】
この構成によれば、集光反射面10の第2焦点S2が平面ミラー330によって鏡像反転した位置に第2焦点S2aとして設定される。この鏡像の第2焦点S2aは、光源6の光軸K上であって、発光部7Aの照射方向の側に位置する。この光源装置300では、光軸Kを挟んで一対の集光反射面10を備え、集光反射面10の下端側には、光軸Kを含んで隙間19が設けられており、この隙間19から平面ミラー330で反射した光が出射される。また、この鏡像の第2焦点S2aには、平面ミラー330の反射光(すなわち、集光反射面10の反射光)のみならず、発光部7Aの直射光Hsも到達することとなり、第2焦点S2aの照度が高められる。これにより、非常に高輝度な光源が構成される。また、平面ミラー330の背後に冷却機構を配置して、光源6を冷却するといった事も可能となる。
【0040】
なお、この光源装置300において、
図9に示すように、多数の光源6を、光の出射方向を同じくし、かつ光軸Kを互いに平行にして、列状に並べて配置し、各光源6の光軸Kを挟んで集光反射面410を対面配置することで、ライン状に延びた光を出射する構成としても良い。この集光反射面410においては、階段状に連設される楕円反射面414の各々が光源6の配列方向mに延びるように形成される。
また、係る平面ミラー330は、第2実施形態についても適用可能であることは勿論である。
【0041】
[応用例]
上述した光源装置300の応用例として、ライトガイドの一態様たるバンドルファイバに光を入射する光源装置500を説明する。
図10は本応用例に係る光源装置500の構成を示す斜視図であり、
図11は光源装置500の組立図である。
これらの図に示すように、箱型のケース体550を備え、ケース体550の裏面には冷却ファン552が設けられ、またケース体550の上面550Aにはファイバコネクタ554が設けられている。ケース体550は、上下に分離可能な上ケース560と、下ケース562とを備え、
図11に示すように、下ケース562の底面562Aには、冷却ファン552の冷却風を導入/排出する開口564が形成されている。下ケース562の底面562Aには、熱伝導性に優れた金属材等から成る通風板568が開口564を覆って取り付けられる。通風板568の面内には多数の貫通孔569が形成され、また、上ケース560の側面にも多数の貫通孔571が形成されており、これらの貫通孔569、571によって冷却ファン552による冷却風がケース体550の内部を冷却し外部に放出される。
【0042】
このケース体550には、光源モジュール506と、集光光学ユニット502と、平面ミラー530とが収められている。
光源モジュール506は、第1及び第2実施形態の光源6に対応し、集光光学ユニット502は、第1実施形態の集光光学系2に対応し、また平面ミラー530は変形例の平面ミラー330に対応するものである。
この光源モジュール506は、
図11に拡大して示すように、実装基板508の上面に、LEDチップ507を実装したものである。このLEDチップ507は、平面視矩形状の複数のCOB型LED509を略隙間無く格子状に並べることで、実装基板508の実装面の法線方向を光軸Kとした平面視矩形状の面上光源を構成したものである。このように、LEDチップ507は、複数のCOB型LED509を備えるため、非常に高出力な光源となる。このようなLEDチップ507では、発熱が非常に大きくなるが、上述の通り、直下の冷却ファン552により冷却されて放熱することで適切な温度に維持される。なお、光源モジュール506の放熱手段としては、冷却ファン552に限らず、例えば光源モジュール506と熱的に結合される放熱フィン等を、通風板568の裏面(すなわち、平面ミラー530の裏面側)に設けても良い。
【0043】
平面ミラー530は、面内に露出孔530Aが形成された円板状の反射鏡であり、光源モジュール506を覆い、露出孔530AからLEDチップ507を露出させるように取り付けられる。
集光光学ユニット502は、集光反射面510が内部に形成されたユニットである。この集光反射面510は、第1実施形態で説明した集光反射面10を、光軸Kを軸にして回転した回転曲面形状を成している。この集光光学ユニット502では、光軸Kを境に2つのブロック502A、502Bに2分割可能に構成されている。
この集光反射面510は、光軸Kに同軸に貫通孔519が形成されており、この貫通孔519と同軸に、上記ファイバコネクタ554が取り付けられている。この集光反射面510では、貫通孔519の位置に第2焦点S2が設定されており、ファイバコネクタ554にバンドルファイバが装着されると、このバンドルファイバの端面が第2焦点S2に位置するように構成されている。
【0044】
集光光学ユニット502は、集光反射面510の光源モジュール506側の開口端510Aに上記LEDチップ507が位置するように、上記通風板568に取り付けられることで、集光反射面510の各楕円反射面14の第1焦点S1に507の発光部507Aの中心が配置される。また、集光光学ユニット502と通風板568を組んだ状態では、集光反射面510の開口端510Aが平面ミラー530によって閉じられた状態となる。換言すれば、楕円反射面514と平面ミラー530から形成される全面が反射面の空間内に光源モジュール506が収められた状態となる。
そして、光源モジュール506の光が集光反射面510によって貫通孔519の第2焦点S2に集まめられ、光源モジュール506の直射光Hsとともに、バンドルファイバに入射されることとなる。
【0045】
図12は第2焦点S2における集束光の光束断面Wを示す図であり、
図12(A)は光源装置500の光束断面Wを示し、
図12(B)は前掲
図2に示した単一の楕円反射面14で集光反射面10を構成した場合の光束断面Wを示す。
この図に示すように、単一の楕円反射面14で集光反射面10を構成した場合(
図12B)に比べ、光源装置500によれば、光束断面Wでの光の拡がりΔが十分に抑えられていることがわかる。
つまり、光源装置500によれば、ライトガイド4の端面4Aに応じた所定の光束断面径Dに、入射角θの増大を十分に抑えた光成分を集束させ、ライトガイド4との結合効率を十分に高められる。