特許第6229477号(P6229477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6229477
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】無線機器
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/20 20090101AFI20171106BHJP
   H04W 24/08 20090101ALI20171106BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20171106BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20171106BHJP
【FI】
   H04W16/20
   H04W24/08
   H04W64/00 110
   H04W84/12
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-260366(P2013-260366)
(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公開番号】特開2015-119268(P2015-119268A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2016年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】松田 泰典
【審査官】 吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−128225(JP,A)
【文献】 特開2007−027932(JP,A)
【文献】 特開2008−211494(JP,A)
【文献】 特開2005−311471(JP,A)
【文献】 特開2010−278670(JP,A)
【文献】 特開2004−187089(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/169105(WO,A1)
【文献】 特開2013−243691(JP,A)
【文献】 特開2013−162381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置位置を決めるために1以上の位置に移動される無線機器であって、
前記1以上の位置それぞれにおいて、前記無線機器の子機として登録されている複数の機器に応答要求信号を発信する発信部と、
前記複数の機器それぞれからの応答信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した応答信号の電波強度を検出する検出部と、
前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度のうち少なくとも一の電波強度であって前記1以上の位置それぞれでの一の電波強度を通知する通知部と、を備え、
前記無線機器は、IEEE802.11を使用しており、
前記発信部は、前記複数の機器のうち、一の機器を除く他の機器に、デュレーション時間を設定して前記応答要求信号を発信することを繰り返すことにより、前記複数の機器に前記応答要求信号を発信する、
無線機器。
【請求項2】
前記通知部は、
前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した電波強度のうち、最も小さい電波強度を通知する、
請求項1に記載の無線機器。
【請求項3】
前記応答要求信号は、ビーコン信号である
請求項1または2に記載の無線機器。
【請求項4】
前記複数の機器それぞれには、さらに、優先度が設定され、
前記通知部は、前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度のうちの前記優先度が閾値以上の機器からの電波強度の中で、少なくとも一の電波強度であって前記1以上の位置それぞれでの一の電波強度を通知する、
請求項1〜のいずれか1項に記載の無線機器。
【請求項5】
前記通知部は、前記1以上の位置それぞれにおいて、
LEDを列状に並べた表示器であるバー表示器に、前記検出部が検出した前記電波強度のうち、最も小さい電波強度に対応するレベルの長さを表示させることで、前記最も小さい電波強度を通知する、
請求項1〜のいずれか1項に記載の無線機器。
【請求項6】
前記通知部は、
前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度のうちの一の電波強度を表示器に通知することで、前記表示器に前記1以上の位置それぞれにおける前記一の電波強度を表示させる、
請求項1〜のいずれか1項に記載の無線機器。
【請求項7】
前記表示器は、
前記無線機器に構成されている、
請求項に記載の無線機器。
【請求項8】
さらに、前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度を保持する保持部と、
前記1以上の位置それぞれで前記1以上の位置それぞれに関する画像を撮影する撮影部と、を備え、
前記通知部は、前記保持部に保持された電波強度とともに、前記撮影部で撮影された前記1以上の位置それぞれに関する画像を、表示器に通知することで、前記表示器に、前記1以上の位置それぞれでの電波強度と前記1以上の位置のうちの一の位置に関する画像とを表示させる、
請求項1〜のいずれか1項に記載の無線機器。
【請求項9】
前記表示器は、
前記無線機器の配置位置を決めるための情報として、前記1以上の位置それぞれにおける前記検出部が検出した電波強度のうち最も小さい電波強度の中で、極大値を示す電波強度に対応する位置に関する画像を表示する、
請求項に記載の無線機器。
【請求項10】
さらに、加速度センサおよびジャイロセンサと、
前記加速度センサおよびジャイロセンサを用いて、前記1以上の位置それぞれを推定する位置推定部と、
前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度を保持する保持部と、を備え、
前記通知部は、前記保持部に保持された電波強度とともに、前記位置推定部で推定された前記1以上の位置それぞれを、表示器に通知することで、前記表示器に、前記1以上の位置それぞれでの電波強度と、前記1以上の位置を含む軌跡とを表示させる、
請求項1〜のいずれか1項に記載の無線機器。
【請求項11】
前記表示器は、
前記無線機器の配置位置を決めるための情報として、前記1以上の位置それぞれにおける前記検出部が検出した電波強度のうち最も小さい電波強度の中で、極大値を示す電波強度とともに、前記極大値を示す電波強度に対応する軌跡の位置を指し示す、
請求項10に記載の無線機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線機器に関し、特に配置位置を決めるために1以上の位置に移動される無線機器に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の規格として、IEEE802.11(a/b/g/n)がある。
【0003】
アクセスポイントとなる無線機器すなわち、複数の子機(クライアント機器)をネットワークに接続するために電波を受ける親機となる無線機器は、例えばIEEE802.11(a/b/g/n)の規格の下、親機としての自分の存在を示すパケット信号(ビーコン信号)を定期的に送信する。IEEE802.11(a/b/g/n)の規格では、このビーコン信号の送信間隔は通常100ms以下で設定され、子機もしくは自分以外の親機のノードは親機が送ったビーコン信号を受信することができる。子機はビーコン信号を受信すると親機との通信を開始する。子機が複数存在する場合、親機に対して一番早く通信できた子機が通信可能となる。
【0004】
通信開始の最も重要な要素のひとつとして、電波環境がある。全てのノード(親機と子機)は、電波環境を知る手段として、例えばRSSI(Received Signal Strength Indication, Received Signal Strength Indicator)回路など、無線のRF信号の入力レベルを測定する手段を有する。しかし、受信した入力レベルを自分以外のノードに対して伝える方法は、IEEE802.11(a/b/g/n)の規格では用意されておらず、自分の送った信号がどのレベルで相手に伝わったかを知ることができない。そのため、通信するための電波環境を知ることができない。
【0005】
それに対して、例えば特許文献1では、電波環境を確認する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−86782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1では、1対1で通信することにより電波環境を確認する技術が開示されているに過ぎず、親機と複数の子機とが接続する環境では、ペア同士(親機と一つの子機)で個別に電波環境を確認していく必要がある。そのため、複数の子機に対して最適な親機の配置位置を見つけるには非常に手間がかかる。
【0008】
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたもので、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、複数の子機に対して最適な親機の配置位置を容易に見つけることができる無線機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る無線機器は、配置位置を決めるために1以上の位置に移動される無線機器であって、前記1以上の位置それぞれにおいて、前記無線機器の子機として登録されている複数の機器に応答要求信号を発信する発信部と、前記複数の機器それぞれからの応答信号を受信する受信部と、前記受信部で受信した応答信号の電波強度を検出する検出部と、前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度のうち少なくとも一の電波強度であって前記1以上の位置それぞれでの一の電波強度を通知する通知部と、を備える。
【0010】
この構成により、電波強度のうちの一つの電波強度であって1以上の位置それぞれでの電波強度が通知されるので、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、複数の子機に対する親機の最適な配置位置を容易に見つけることができる。
【0011】
ここで、好ましくは、前記通知部は、前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した電波強度のうち、最も小さい電波強度を通知する。
【0012】
この構成により、電波強度のうち、最も小さい電波強度であって1以上の位置それぞれでの電波強度が通知されるので、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、複数の子機に対して最適な親機の配置位置を容易に見つけることができる。
【0013】
また、例えば、前記無線機器は、IEEE802.11を使用しており、前記発信部は、前記複数の機器のうち、一の機器を除く他の機器に、デュレーション時間を設定して前記応答要求信号を発信することを繰り返すことにより、前記複数の機器に前記応答要求信号を発信するとしても良い。
【0014】
これにより、規格上、受信した入力レベルを自分以外のノードに対して伝える方法が用意されていないのにかかわらず、親機である無線機器は、複数の機器(子機)それぞれからの応答信号から、複数の機器それぞれの電波環境を知ることができる。
【0015】
ここで、例えば、前記応答要求信号は、ビーコン信号である。
【0016】
また、例えば、前記複数の機器それぞれには、さらに、優先度が設定され、前記通知部は、前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度のうちの前記優先度が閾値以上の機器からの電波強度の中で、少なくとも一の電波強度であって前記1以上の位置それぞれでの一の電波強度を通知するとしても良い。
【0017】
また、例えば、前記通知部は、前記1以上の位置それぞれにおいて、LEDを列状に並べた表示器であるバー表示器に、前記検出部が検出した前記電波強度のうち、最も小さい電波強度に対応するレベルの長さを表示させることで、前記最も小さい電波強度を通知するとしても良い。
【0018】
これにより、電波強度のうちの一つの電波強度であって1以上の位置それぞれにおいて、電波強度が通知されるので、ユーザは複数の子機に対する親機の最適な配置位置を容易に見つけることができる。
【0019】
また、例えば、前記通知部は、前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度のうちの一の電波強度を表示器に通知することで、前記表示器に前記1以上の位置それぞれにおける前記一の電波強度を表示させるとしても良い。
【0020】
これにより、電波強度のうちの一つの電波強度であって1以上の位置それぞれにおける電波強度が通知されるので、ユーザは複数の子機に対する親機の最適な配置位置を容易に見つけることができる。
【0021】
ここで、例えば、前記表示器は、前記無線機器に構成されているとしても良い。
【0022】
また、例えば、さらに、前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度を保持する保持部と、前記1以上の位置それぞれで前記1以上の位置それぞれに関する画像を撮影する撮影部と、を備え、前記通知部は、前記保持部に保持された電波強度とともに、前記撮影部で撮影された前記1以上の位置それぞれに関する画像を、表示器に通知することで、前記表示器に、前記1以上の位置それぞれでの電波強度と前記1以上の位置のうちの一の位置に関する画像とを表示させるとしても良い。
【0023】
これにより、電波強度のうちの一つの電波強度であって1以上の位置それぞれにおける電波強度が通知され、また、1以上の位置に関する画像が選択により表示できるので、ユーザは複数の子機に対する親機の最適な配置位置を容易に見つけることができる。
【0024】
ここで、例えば、前記表示器は、前記無線機器の配置位置を決めるための情報として、前記1以上の位置それぞれにおける前記検出部が検出した電波強度のうち最も小さい電波強度の中で、極大値を示す電波強度に対応する位置に関する画像を表示するとしても良い。
【0025】
また、例えば、さらに、加速度センサおよびジャイロセンサと、前記加速度センサおよびジャイロセンサを用いて、前記1以上の位置それぞれを推定する位置推定部と、前記1以上の位置それぞれにおいて前記検出部が検出した前記電波強度を保持する保持部と、を備え、前記通知部は、前記保持部に保持された電波強度とともに、前記位置推定部で推定された前記1以上の位置それぞれを、表示器に通知することで、前記表示器に、前記1以上の位置それぞれでの電波強度と、前記1以上の位置を含む軌跡とを表示させるとしてても良い。
【0026】
これにより、電波強度のうちの一つの電波強度であって1以上の位置それぞれにおける電波強度が通知され、また、1以上の位置に関する軌跡の位置が選択により表示できるので、ユーザは複数の子機に対する親機の最適な配置位置を容易に見つけることができる。
【0027】
また、例えば、前記表示器は、前記無線機器の配置位置を決めるための情報として、前記1以上の位置それぞれにおける前記検出部が検出した電波強度のうち最も小さい電波強度の中で、極大値を示す電波強度とともに、前記極大値を示す電波強度に対応する軌跡の位置を指し示すとしても良い。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、複数の子機に対して最適な親機の配置位置を容易に見つけることができる無線機器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施の形態1に係る空間環境における無線機器と複数の機器の配置位置の一例を示す図ある。
図2】実施の形態1に係る無線機器の構成の一例を示す図である。
図3A】RTSのフレームフォーマットの一例を示す図である。
図3B】CTSのフレームフォーマットの一例を示す図である。
図4】実施の形態1に係る無線機器と複数の機器との接続構成の一例を示す図である。
図5】実施の形態1に係る複数の機器の接続機器リストの一例を示す図である。
図6】実施の形態1に係るバー表示器とその通知例を示す図である。
図7】実施の形態2に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図8】実施の形態2に係る表示装置の通知例を示す図である。
図9】実施の形態3に係る表示装置の通知例を示す図である。
図10】実施の形態4に係る無線機器の構成の一例を示す図である。
図11】実施の形態4に係る表示装置の通知例を示す図である。
図12】実施の形態5に係る無線機器の構成の一例を示す図である。
図13】実施の形態5に係るセンサ部の詳細構成の一例を示す図である。
図14】実施の形態5に係る表示装置の通知例を示す図である。
図15】他の実施の形態に係る表示装置の通知例を示す図である。
図16】他の実施の形態に係る表示装置の通知例を示す図である。
図17】他の実施の形態に係る表示装置の通知例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0031】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る空間環境における無線機器と複数の機器の配置位置の一例を示す図ある。
【0032】
図1には、屋内などの空間1に、TV11、STB(Set Top Box)12、ノートPC13、プリンター14および携帯端末15などの複数の機器が配置され、それらの親機として配置される無線機器10が示されている。
【0033】
無線機器10は、複数の無線通信(無線LAN)を有し、TV11、STB12、ノートPC13およびプリンター14といった子機とインフラストラクチャーモードで安定的な接続を維持するべく配置位置が決定される。
【0034】
これは、機器(子機)によっては容易に移動できないものもあり、空間1の空間構造によっては、空間1における位置により接続維持ができないまたは接続状態が悪い場合があるからである。つまり、本実施の形態では、上記理由から子機ではなく親機である無線機器10の配置位置を変更することで無線接続の品質を確保する。なお、携帯端末15は、必要に応じて親機である無線機器10と接続され、かつ、移動が容易であることから、無線機器10の配置位置を決定するのには用いられないとして、以下説明する。
【0035】
[無線機器の構成]
図2は、実施の形態1に係る無線機器の構成の一例を示す図である。図3AはRTSのフレームフォーマットの一例を示す図であり、図3BはCTSのフレームフォーマットの一例を示す図である。図4は、実施の形態1に係る無線機器と複数の機器との接続構成の一例を示す図である。図5は、実施の形態1に係る複数の機器の接続機器リストの一例を示す図である。図6は、実施の形態1に係るバー表示器とその通知例を示す図である。
【0036】
図2に示す無線機器10は、配置位置を決定するために1以上の位置に移動される。無線機器10は、発信部101と、デュレーション設定部102と、受信部103と、検出部104と、通知部105と、保持部106とを備える。
【0037】
ここで、無線機器10は、IEEE802.11を使用してインフラストラクチャーモードで通信し、無線機器10がアクセスポイントとして働く通常動作モードに加えて、インフラストラクチャーモード下で配置位置を決めるため配置位置決定モードがあるとする。
【0038】
本実施の形態では、IEEE802.11の規格で用意されている2つの機能を使用して通常動作モードと配置位置決定モードとを実行する。
【0039】
より具体的には、IEEE802.11の規格では応答要求(Beacon)信号を100ms以下で親機が発信し、子機は返答する通信がある。この機能を通常動作モードとして使用することができる。また、IEEE802.11の規格では、無線端末の距離や電波を通さない障害物などの影響により、互いの無線信号が到達しない状態(キャリアセンスが機能しない伝搬環境)が起こりえる。IEEE802.11の規格では、この状態(隠れ端末問題)を解決するために、例えば、図3Aおよび図3Bに示すフレームフォーマットにより、RTS(Request to Send:送信要求)/CTS(Clear to Send:受信準備完了)と呼ばれる対策が定義されている。図3Aおよび図3Bに示す上段の数値は、バイト数を示しており、数値の長さで対策の定義がなされることを示している。RTS/CTSのフレームフォーマットは、伝えたい相手のアドレスを記載する構成になっており、子機を指定して通信させることができる。この構成を配置位置決定モードに利用することができる。
【0040】
以下では、配置位置決定モードに関係する無線機器10の構成および動作について説明をする。
【0041】
発信部101は、1以上の位置それぞれにおいて、無線機器10の子機として登録されている複数の機器に応答要求信号をインフラストラクチャーモードで発信する。ここで、応答要求信号とは、典型的にはビーコン信号である。発信部101は、複数の機器のうち、一の機器を除く他の機器に、デュレーション設定部102により設定されたデュレーション時間を付与して、発信部101が応答要求信号を発信することを繰り返すことにより、1以上の位置それぞれにおいて複数の機器に応答要求信号を発信する。
【0042】
本実施の形態では、複数の機器とは、例えば図1に示すTV11、STB12、ノートPC13およびプリンター14といった子機である。また、本実施の形態の1以上の位置は、ビーコン信号を発信した時間を時系列にグラフ化することで、時間と関連付けられた位置であって特定される位置でもある。
【0043】
デュレーション設定部102は、後述する保持部106に保持されている機器リストに従って、複数の機器のうち、一の機器を除く他の機器に発信部101が発信する応答要求信号にデュレーション時間を設定する。本実施の形態では、デュレーション設定部102は、電波強度を確認したい子機以外にあらかじめデュレーション時間を設定し、発信部101に応答要求信号を発信させることで、電波強度を確認したい子機だけ先に親機に送信させることができる。
【0044】
そして、デュレーション設定部102は、その一の機器を発信部101が応答要求信号を発信する送信間隔ごとに変更する。それにより、受信部103は、すべての子機に順に応答信号を受信することができる。
【0045】
受信部103は、複数の機器それぞれからの応答信号を受信する。本実施の形態では、受信部103は、図1に示すTV11、STB12、ノートPC13およびプリンター14といった子機それぞれからの応答信号を受信する。
【0046】
検出部104は、例えばRSSI回路を有し、受信部103で受信した応答信号の電波強度を検出する。本実施の形態では、検出部104は、図1に示すTV11、STB12、ノートPC13およびプリンター14といった子機それぞれからの応答信号の電波強度を検出する。
【0047】
通知部105は、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出した電波強度のうちの少なくとも一の電波強度であって1以上の位置それぞれでの一の電波強度を通知する。本実施の形態では、通知部105は、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出した電波強度のうち、最も小さい電波強度を通知する。より具体的には、通知部105は、1以上の位置それぞれにおいて、図6に示すLED161を列状に並べた表示器であるバー表示器16に、検出部104が検出した電波強度のうち、最も小さい電波強度を通知することで、バー表示器16に通知した電波強度に対応するレベルの長さを表示させる。それにより、通知部105は、最も小さい電波強度をユーザに通知することができる。なお、本実施の形態では、バー表示器16は、無線機器10とは別体であり、無線機器10と接続されているとして説明している。
【0048】
保持部106は、例えば、図4に示す接続構成図または図5に示す接続機器リストを機器リストとして保持する。ここで、図4または図5に示す例では、本実施の形態の説明の便宜上、品名を含めているが、実際には表示されない場合も多い。Device nameはユーザもしくは製造者が登録していれば表示され、子機(機器)のMACアドレスは親機(無線機器)に必ず通知されるので表示される。もちろん、図4および図5に示す表示内容はこれら項目に限定されない。また、図5では、接続維持欄を設け、接続維持を期待する子機を○とし、接続維持を期待させないものを×として登録している。
【0049】
なお、図4および図5に示す機器リストは、無線機器10に無線接続もしくは有線(LAN、USB、RS−232C等)接続した設定用のPCで表示させた上で編集するとしてもよい。また、無線機器10が表示部(不図示)を有し、この表示部に表示させた上で機器リストを編集するとしてもよい。
【0050】
[効果]
以上のように構成された無線機器10によれば、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、安定的な接続維持を期待する複数の子機に対する親機の最適な配置位置をユーザが容易に見つけることができる。
【0051】
IEEE802.11の規格では応答要求信号(ビーコン信号)を100ms以下で親機である無線機器10が発信し、子機(機器)は応答信号を送信する。通常動作モードでは、応答要求信号(ビーコン信号)を受けた子機はすぐに応答信号を送信(返信)するが、無線機器10は、応答信号を送信した子機のうち、無線機器10に最も早く応答信号が到達した子機とのみ通信する。
【0052】
一方、本実施の形態における配置位置決定モードでは、例えば図5に示すように子機(機器)の機器リストが保持部に保持(登録)されていれば、無線機器10は電波強度を確認したい子機以外にあらかじめデュレーション時間を与えて応答要求信号を発信する。デュレーション時間が与えられた子機は返信(送信)がデュレーション時間だけ遅くなるので無線機器10と通信できないが、デュレーション時間が与えられない子機は無線機器10と通信できる。つまり、無線機器10は、電波強度を確認したい子機以外にあらかじめデュレーション時間を与えて応答要求信号を発信することで、電波強度を確認したい子機だけに無線機器10に返信させることができる。それにより応答信号を受信した子機を特定できるので、親機は、特定した子機の応答信号の電波強度を検出することができる。このようにして、無線機器10は、すべての子機それぞれを特定した上で電波強度を検出することができる。
【0053】
そして、本実施の形態では、図6に示すバー表示器16により、1以上の位置それぞれにおいて、検出部104が検出した電波強度のうち、最も小さい電波強度に対応するレベルの長さ(受信レベル)を表示させる。それにより、ユーザは親機の1以上の位置それぞれにおいて、すべての子機の応答信号の電波強度のうち最も低い電波強度(受信レベル)を知ることができるので、ユーザは、1以上の位置の中で、バー表示器16により最も高く受信レベルが表示された位置を親機の最適な配置位置として決定することができる。
【0054】
このようにして、ユーザは、無線機器10を移動した位置それぞれにおいて子機の電波環境を知ることができるので、各位置における複数の子機の電波強度のうち最も低い電波強度に基づいて、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、安定的な接続維持を期待する複数の子機に対して最適な親機(無線機器10)の配置位置を容易に見つけることができる。
【0055】
なお、映像の配信を主とする子機(機器)がある場合には、電波強度が他の子機(機器)よりも必要でなる。その場合、例えば、図5に示す機器リストにそれぞれ優先度を設定するとよい。すなわち、複数の子機(機器)それぞれは、さらに、優先度が設定されるとしてもよい。換言すると、通知部105は、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出した電波強度のうちの優先度が閾値以上の子機(機器)からの電波強度の中で、少なくとも一の電波強度であって1以上の位置それぞれでの一の電波強度を通知するとしてもよい。それにより、優先度が高い子機(機器)または優先度が高い子機(機器)のグループの電波強度が有利になる(電波強度がより大きくなる)親機(無線機器10)の配置位置を容易に見つけることができる。
【0056】
(実施の形態2)
実施の形態1では、ユーザが子機の電波環境を知る方法として、バー表示器16を用いる場合を説明したが、それに限らない。本実施の形態では、PC等の表示装置26を用いてユーザが子機の電波環境を知る方法について説明する。
【0057】
本実施の形態に係る無線機器10は、実施の形態1に係る無線機器10に対して、通知部105A(不図示)の通知方法が異なる。すなわち、本実施の形態では、通知部105Aは、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出した電波強度のうちの一の電波強度を表示装置26に通知することで、表示装置26に1以上の位置それぞれにおける電波強度のうちの一の電波強度を表示させる。典型的には、通知部105Aは、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出した電波強度のうち、最も小さい電波強度を通知する。
【0058】
なお、その他の構成は、実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
【0059】
[表示装置の構成]
図7は、実施の形態2に係る表示装置の構成の一例を示す図である。図8は、実施の形態2に係る表示装置の通知例を示す図である。
【0060】
図7に示す表示装置26は、表示部261と、演算部262とを備える。
【0061】
表示部261は、本実施の形態の無線機器10(通知部105A)により、1以上の位置それぞれにおいて無線機器10(検出部104)が検出した電波強度のうちの最も小さい電波強度が通知され、1以上の位置それぞれにおける電波強度のうち最も小さい電波強度を表示する。
【0062】
より具体的には、図8に示すように、表示部261は、親機である無線機器10の1以上の位置それぞれ(図ではA〜E)において、すべての子機の応答信号の電波強度のうち最も低い電波強度を表示する。
【0063】
なお、表示装置26無線機器10(通知部105A)により、1以上の位置それぞれにおいて無線機器10(検出部104)が検出した電波強度が一括して通知されるとしてもよい。その場合、演算部262は、1以上の位置それぞれにおいて無線機器10(検出部104)が検出した電波強度のうちで最も小さい電波強度(図でA〜E)を演算した上で、表示部261に表示させればよい。ここで、演算部262は、通知部105Aより一括して通知されたもののなかでユーザにより指定された複数の位置(例えばA〜E)における最も小さい電波強度を表示部261に表示させるとしてもよい。
【0064】
[効果]
以上のように、ユーザは、表示部261により、無線機器10を移動した複数の位置における子機の電波環境(最も低い電波強度)を知ることができる。そのため、表示された複数の位置での子機の電波環境を比較することで、安定的な接続維持を期待する複数の子機に対する親機(無線機器10)の最適な配置位置を容易に見つけることができる。
【0065】
より具体的には、ユーザは、図8に示すように、表示部261により、親機の1以上の位置それぞれにおいて、すべての子機の応答信号の電波強度のうち最も低い電波強度を知ることができるので、複数の位置の中で、最も高い電波強度が表示された位置(図で位置B)を親機の最適な配置位置として決定することができる。
【0066】
このようにして、ユーザは、無線機器10を移動した複数の位置における子機の電波環境を知ることができるので、各位置における複数の子機の電波強度のうち最も低い電波強度に基づいて、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、安定的な接続維持を期待する複数の子機に対して最適な親機(無線機器10)の配置位置を容易に見つけることができる。
【0067】
なお、本実施の形態では、無線機器10とは別の表示装置26が有する表示部261を用いるとして説明したがそれに限らない。例えば、無線機器10が表示部261を備えるとしてもよい。また、その場合に、無線機器10に、ユーザの好みの位置で子機の中で最低電波レベルを記録できるようにボタン等を用意し、ボタンが押された位置での子機の電波環境を表示部261に表示させるとしてもよい。
【0068】
(実施の形態3)
実施の形態1および実施の形態2では、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出した電波強度のうちの一つをユーザに通知する方法について説明したが、それに限らない。本実施の形態では、1以上の位置それぞれについて検出部104が検出した電波強度すべてをユーザに通知する場合の例について説明する。
【0069】
図9は、実施の形態3に係る表示装置の通知例を示す図である。なお、図9では、ビーコン信号を発信した時間を時系列にグラフ化している。
【0070】
本実施の形態では、通知部105B(不図示)は、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出したすべての電波強度を表示装置26に通知することで、表示装置26に1以上の位置それぞれにおけるすべての電波強度を表示させる。
【0071】
表示装置26は、通知された電波強度に基づき、子機の電波環境を表示する。より具体的には、表示装置26は、例えば図9に示すように、表示部261で、親機である無線機器10の1以上の位置それぞれにおけるすべての子機の応答信号の電波強度を表示する。
【0072】
[効果]
ユーザは、表示部261により、図9に示されるように、無線機器10を移動した1以上の位置における子機の電波環境(すべての電波強度)を知ることができる。そのため、ユーザは、1以上の位置それぞれにおけるすべての子機の電波強度のうち最も小さい電波強度を確認し、1以上の位置にわたる最も小さい電波強度の極大値を確認することで、その極大値に対応するA点やB点の位置が複数の子機に対する親機(無線機器10)の最適な配置位置だとわかる。なお、ユーザは、無線機器10を移動しながら、これら受信強度を無線機器に受信させているので、時系列から、移動位置が大よそであるがわかる。
【0073】
このようにして、ユーザは、無線機器10を移動した複数の位置における子機の電波環境を知ることができるので、各位置における複数の子機の電波強度のうち最も低い電波強度に基づいて、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、安定的な接続維持を期待する複数の子機に対する最適な親機(無線機器10)の配置位置を容易に見つけることができる。
【0074】
(実施の形態4)
実施の形態4では、無線機器にカメラ機能を搭載した場合の例について、説明する。
【0075】
[無線機器の構成]
図10は、実施の形態4に係る無線機器の構成の一例を示す図である。
【0076】
図10に示す無線機器30は、発信部101と、デュレーション設定部102と、受信部103と、検出部104と、通知部305と、保持部306と、撮影部307とを備える。
【0077】
本実施の形態に係る無線機器30は、実施の形態1に係る無線機器10に対して、通知部305の構成が異なり、保持部306と、撮影部307とが追加されている。
【0078】
保持部306は、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出した電波強度のすべてを保持している。
【0079】
撮影部307は、1以上の位置それぞれにおいて、上記1以上の位置それぞれに関する画像を撮影する。撮影部307は、撮影した画像を保持部306に保存する。
【0080】
なお、撮影部307は、1以上の位置それぞれに関する画像を撮影する場合に限らず、無線機器30の移動中にわたる画像(動画像)を撮影するとしてもよい。
【0081】
通知部305は、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出したすべての電波強度であって1以上の位置それぞれでの電波強度を通知する。
【0082】
より具体的には、通知部305は、保持部306に保持されているすべての電波強度とともに、撮影部307で撮影された上記1以上の位置それぞれに関する画像を、表示装置26に通知する。それにより、表示装置26に、上記1以上の位置それぞれでの電波強度と上記1以上の位置のうちの一の位置に関する画像とを表示させることができる。
【0083】
次に、無線機器30により通知された情報を表示装置26が表示してユーザに通知する場合の例について説明する。
【0084】
図11は、実施の形態4に係る表示装置の通知例を示す図である。
【0085】
表示装置26は、通知された電波強度と画像とに基づき、子機の電波環境とこの電波環境にリンクされた一の場所(位置)に関する画像を表示する。
【0086】
ここで、例えば、表示装置26は、無線機器30の配置位置を決めるための情報として、1以上の位置それぞれにおける検出部104が検出した電波強度のうち最も小さい電波強度の中で、極大値を示す電波強度に対応する位置に関する画像を表示する。より具体的には、表示部261は、例えば図11に示すように、画面領域308に、親機である無線機器30の1以上の位置それぞれにおけるすべての子機の応答信号の電波強度を表示するともに、画面領域309に1以上の位置のうちの一の位置に関する画像を表示する。
【0087】
なお、図11の画面領域308では、実施の形態3と同様に、ビーコン信号を発信した時間を時系列にグラフ化している。ユーザは、無線機器30を移動しながら、これら受信強度を無線機器に受信させている。
【0088】
また、本実施の形態では、さらに、画面領域308に表示される1以上の位置(横軸)に対応づけられた(リンクされた)スクロールバー310とカーソルボタン311とが表示される。このカーソルボタン311を、1以上の位置において最も小さい電波強度の極大値に対応するA点にあわせると、そのA点に関する画像が画面領域309に表示される。それにより、ユーザは、複数の子機に対する親機(無線機器30)の最適な配置位置(図ではA点またはB点)とともに、その配置位置がどの場所かわかる。
【0089】
[効果]
以上のように、ユーザは、表示部261により、図11に示されるように、無線機器30を移動した1以上の位置にわたる子機の電波環境(すべての電波強度)を知ることができる。そのため、ユーザは、1以上の位置それぞれにおける子機の電波強度のうち最も小さい電波強度を確認し、1以上の位置にわたる最も小さい電波強度の極大値を確認することができる。
【0090】
そして、確認した極大値に対応するスクロールバー310の位置にカーソルボタン311をあわせることで、その極大値に対応する位置に関する画像が画面領域309に表示されるので、複数の子機に対する親機(無線機器10)の最適な配置位置が具体的にわかる。
【0091】
このように、無線機器30にカメラ機能を搭載することで、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、各位置における複数の子機の電波強度のうち最も低い電波強度に基づいて、安定的な接続維持を期待する複数の子機に対する最適な親機(無線機器10)の配置位置を容易に見つけることができる。
【0092】
なお、本実施の形態では、無線機器30とは別の表示装置26が有する表示部261を用いる場合について説明したがそれに限らない。例えば、無線機器30が表示部261を備えるとしてもよい。
【0093】
また、本実施の形態では、無線機器30が撮影部307を備えるとして説明したが、それに限らない。無線機器30は、撮影部307を備えない場合、例えばUSB接続可能なWebカメラに接続されるとしてもよく、1以上の位置それぞれにおいて、上記1以上の位置それぞれに関する画像を撮影することができればその構成は問わない。
【0094】
(実施の形態5)
実施の形態4では、ユーザに無線機器の最適な配置位置を提示するために無線機器にカメラ機能を搭載する場合について説明したが、それに限らない。実施の形態5では、ユーザに無線機器の最適な配置位置を提示するために無線機器の移動した軌跡を提示する場合の例について、説明する。
【0095】
[無線機器の構成]
図12は、実施の形態5に係る無線機器の構成の一例を示す図である。図13は、実施の形態5に係るセンサ部の詳細構成の一例を示す図である。
【0096】
図12に示す無線機器40は、発信部101と、デュレーション設定部102と、受信部103と、検出部104と、通知部405と、保持部406と、センサ部408と、位置推定部409と、を備える。
【0097】
本実施の形態に係る無線機器40は、実施の形態1に係る無線機器10に対して、通知部405の構成が異なり、保持部406と、センサ部408と、位置推定部409とが追加されている。
【0098】
保持部406は、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出した電波強度のすべてを保持している。
【0099】
センサ部408は、図13に示すように、加速度センサ4081とジャイロセンサ4082とを備えている。ここで、加速度センサ4081は、3軸加速度センサで構成され、ジャイロセンサ4082は、3軸ジャイロセンサで構成されている。
【0100】
位置推定部409は、加速度センサおよびジャイロセンサを用いて、1以上の位置それぞれを推定する。位置推定部409は、推定した位置(推定位置)を保持部406に保存する。
【0101】
なお、位置推定部409は、1以上の位置として、無線機器40の移動中すべての位置を推定しながら、その推定位置を保持部406に保存するとしてもよい。
【0102】
通知部405は、1以上の位置それぞれにおいて検出部104が検出したすべての電波強度であって1以上の位置それぞれでの電波強度を通知する。
【0103】
より具体的には、通知部405は、保持部406に保持されているすべての電波強度とともに、位置推定部409で推定された上記1以上の位置の推定位置すべてを、表示装置26に通知する。それにより、表示装置26に、上記1以上の位置それぞれでの電波強度と上記1以上の位置(推定位置)を含む軌跡とを表示させることができる。
【0104】
なお、軌跡は、通知された推定位置を積分することで算出できる。
【0105】
次に、無線機器40により通知された情報を表示装置26が表示してユーザに通知する場合の例について説明する。
【0106】
図14は、実施の形態5に係る表示装置の通知例を示す図である。
【0107】
表示装置26は、通知された電波強度と推定位置とに基づき、子機の電波環境とこの電波環境にリンクされた軌跡を表示する。
【0108】
ここで、例えば、表示装置26は、無線機器40の配置位置を決めるための情報として、1以上の位置それぞれにおける検出部104が検出した電波強度のうち最も小さい電波強度の中で、極大値を示す電波強度とともに、極大値を示す電波強度に対応する軌跡の位置を指し示す。より具体的には、表示部261は、例えば図14に示すように、画面領域308に、親機である無線機器40の1以上の位置それぞれにおけるすべての子機の応答信号の電波強度を表示するともに、画面領域410に1以上の位置を含む軌跡の画像を表示する。
【0109】
なお、図14の画面領域308では、実施の形態2および3と同様に、ビーコン信号を発信した時間を時系列にグラフ化している。ユーザは、無線機器40を移動しながら、これら受信強度を無線機器に受信させている。
【0110】
また、本実施の形態では、さらに、画面領域308に表示される1以上の位置(横軸)に対応づけられた(リンクされた)スクロールバー411とカーソルボタン412とが表示される。このカーソルボタン412を、1以上の位置において最も小さい電波強度の極大値に対応するA点にあわせると、そのA点に対応する軌跡上の位置(対応位置)が画面領域410に表示される。それにより、ユーザは、複数の子機に対する親機(無線機器30)の最適な配置位置(図ではA点またはB点)とともに、軌跡における対応位置から配置位置がどの場所か推測できる。
【0111】
[効果]
以上のように、ユーザは、表示部261により、図14に示されるように、無線機器40を移動した1以上の位置にわたる子機の電波環境(すべての電波強度)を知ることができる。そのため、ユーザは、1以上の位置それぞれにおける子機の電波強度のうち最も小さい電波強度を確認し、1以上の位置にわたる最も小さい電波強度の極大値を確認することができる。
【0112】
そして、確認した極大値に対応するスクロールバー411の位置にカーソルボタン412をあわせることで、その極大値に対応する軌跡上の位置が画面領域410に表示されるので、複数の子機に対する親機(無線機器40)の最適な配置位置が具体的にわかる。
【0113】
このように、無線機器40に位置推定機能を搭載することで、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、各位置における複数の子機の電波強度のうち最も低い電波強度に基づいて、安定的な接続維持を期待する複数の子機に対する最適な親機(無線機器40)の配置位置を容易に見つけることができる。
【0114】
なお、本実施の形態では、無線機器40とは別の表示装置26が有する表示部261を用いる場合について説明したがそれに限らない。例えば、無線機器40が表示部261を備えるとしてもよい。
【0115】
以上のように、本実施の形態によれば、電波強度のうちの一つの電波強度であって1以上の位置それぞれでの電波強度が通知されるので、インフラストラクチャーモードの無線通信環境で、複数の子機に対する親機の最適な配置位置を容易に見つけることができる。
【0116】
(他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態に係る無線機器について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0117】
(1)上記実施の形態2では、1以上の位置それぞれにおける電波強度のうち最も小さい電波強度を表示する場合の例について説明したが、これに限るものではない。
【0118】
例えば、図5の機器リストに子機の重み付けを設定する、すなわち、子機の優先度を設定するとしてもよい。この場合、例えば図8に示す電波強度において、優先度の高い子機のグラフに色や強調線等を施すなどして、ユーザがより識別しやすい表示を行うとしてもよい。それにより、優先度が高い子機(機器)の電波強度がより大きくなる親機(無線機器10)の配置位置も容易に見つけることができる。
【0119】
(2)上記実施の形態3では、1以上の位置それぞれについて検出部104が検出した電波強度すべてをユーザに通知する場合の例について説明したが、これに限るものではない。例えば、検出部104が検出した電波強度のうち優先度の高い子機の電波強度のみをグラフに表示するとしてもよい。それによりユーザは、優先度が高い子機(機器)の電波強度がより大きくなる親機(無線機器10)の配置位置も容易に見つけることができる。この一例について図15を用いて説明する。図15は、他の実施の形態に係る表示装置の通知例を示す図である。
【0120】
例えば、ユーザは、図1に示す別々の部屋のSTB12(dddSTB)とノートPC(eee)を優先度の高い子機として設定していたとする。この場合には、例えば図15に示すように、表示部261で、親機である無線機器10の1以上の位置それぞれにおけるすべての位置にわたる電波強度のうち優先度の高い2つの子機の応答信号の電波強度を表示するとしてもよい。また、親機である無線機器10の1以上の位置それぞれにおけるすべての位置にわたる最も小さい電波強度を薄灰色線等でさらに示されるとしてもよい。それにより、C点やD点の位置が優先度の高い子機(機器)に対する親機(無線機器10)の最適な配置位置だとわかる。なお、C点やD点が親機(無線機器10)の最適な配置位置であることをユーザが容易に判断できるように、おすすめ配置としてC点やD点の周囲を枠に囲むなどC点やD点に装飾を施すとしてもよい。このようにして、ユーザは親機の最適な配置位置を簡単に判断できる。
【0121】
(3)上記実施の形態4においても、(2)と同様に優先度の高い子機の電波強度のみをグラフに表示するとしてもよい。図16は、他の実施の形態に係る表示装置の通知例を示す図である。すなわち、図16の308Aに示すように、親機である無線機器10の1以上の位置それぞれにおけるすべての子機の応答信号の電波強度のうち優先度の高い2つの子機の応答信号の電波強度を表示するとしてもよい。また、C点やD点が親機(無線機器10)の最適な配置位置であることをユーザが容易に判断できるように、おすすめ配置としてスクロールバー310内に枠312および枠313などを表示してもよい。このようにして、ユーザは親機の最適な配置位置を簡単に判断できる。
【0122】
(4)また、上記実施の形態5においても、(2)と同様に優先度の高い子機の電波強度のみをグラフに表示するとしてもよい。図17は、他の実施の形態に係る表示装置の通知例を示す図である。すなわち、図17の308Aに示すように、親機である無線機器10の1以上の位置それぞれにおけるすべての子機の応答信号の電波強度のうち優先度の高い2つの子機の応答信号の電波強度を表示するとしてもよい。そして、C点やD点が親機(無線機器10)の最適な配置位置であることをユーザが容易に判断できるように、おすすめ配置としてスクロールバー411内に枠413および枠413を表示してもよい。このようにして、ユーザは親機の最適な配置位置を簡単に判断できる。
【0123】
(5)また、上記実施の形態1〜5では、無線機器が、無線通信の規格として、IEEE802.11(a/b/g/n)を用いる場合について説明したが、これに限るものではない。他の無線規格でも同様の課題を有していれば、本願の発明を適用できる。
【0124】
(6)また、上記の各部は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット等などから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各部は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0125】
さらに、上記の各部を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0126】
さらにまた、上記の各部を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0127】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
【0128】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
【0129】
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
【0130】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
【0131】
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を、上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【0132】
さらに、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、無線機器に利用でき、特に、IEEE802.11を使用して、配置位置を決定するアクセスポイントや親機などの無線機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0134】
1 空間
10、30、40 無線機器
11 TV
12 STB
13 ノートPC
14 プリンター
15 携帯端末
16 バー表示器
26 表示装置
101 発信部
102 デュレーション設定部
103 受信部
104 検出部
105、305、405 通知部
106、306、406 保持部
261 表示部
262 演算部
307 撮影部
308、308A、309、410、410A 画面領域
310、411 スクロールバー
311、412 カーソルボタン
312、313、413、414 枠
408 センサ部
409 位置推定部
4081 加速度センサ
4082 ジャイロセンサ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17