特許第6229613号(P6229613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6229613
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20171106BHJP
   B60K 13/04 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   A01D41/12 E
   B60K13/04 B
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-154703(P2014-154703)
(22)【出願日】2014年7月30日
(65)【公開番号】特開2016-29941(P2016-29941A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2016年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】藤田 靖
(72)【発明者】
【氏名】是久 正喜
【審査官】 大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−172720(JP,A)
【文献】 特開2013−000001(JP,A)
【文献】 特開2011−193833(JP,A)
【文献】 特開2010−006228(JP,A)
【文献】 特開2014−042475(JP,A)
【文献】 特開2010−083331(JP,A)
【文献】 特開2010−051239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/00−41/16
B60K 13/04
B60N 2/00− 2/72
F01N 3/00− 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の上方の一側に脱穀装置(3)を設け、他側にはグレンタンク(5)を設け、該グレンタンク(5)の前方に操縦部(6)を設け、前記機体フレーム(1)の前方に刈取部(4)を設け、前記グレンタンク(5)の前方にはエンジン(11)を設け、該エンジン(11)から排出される排気を浄化する排気浄化装置(15)を設け、前記操縦部(6)の側方パネル(7)には作業部操作部材(35)を設け、左右方向において、作業部操作部材(35)と操縦部(6)の操作席(10)との間のエンジン(11)の上方に排気浄化装置(15)を配置し、前記エンジン(11)の上側を覆う上側カバー(20)の、前記作業部操作部材(35)と操作席(10)との間の部分を、上側に膨出した膨出部(21)に形成し、前記排気浄化装置(15)の上部を膨出部(21)の下方に入り込ませて配置し、前記排気浄化装置(15)の上部は、操作席(10)の支持部材(38)および作業部操作部材(35)の下部よりも高くなるように配置し、前記操縦部(6)の操作席(10)の後方であって、排気浄化装置(15)と左右にずれた位置にエアクリーナー(45)を設け、エアクリーナー(45)の下端部は排気浄化装置(15)の上端部より低く配置し、前記エアクリーナー(45)の内側側方に第二作業部操作部材(50)を設け、前記上側カバー(20)の、前記操作席(10)に対して排気浄化装置(15)とは反対側の部分を、上側に膨出した外側膨出部(42)に形成し、外側膨出部(42)の下方にはラジエータ(56)を設け、前記外側膨出部(42)の下方にはラジエータ(56)を設けさらに、上側カバー(20)の後側部分は凹部面(22)より低い取付面(46)に形成し、取付面(46)上に前記エアクリーナー(45)を配置する構成とし、前記上側カバー(20)は板部材の左右方向の中央部分が凹んだ凹部面(22)に形成し、凹部面(22)の上方に操作席(10)を設けると共に、凹部面(22)の上方空間に操作席(10)の上下位置を調節する座席調節機構(23)を設けたコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運転座席の下方にエンジンを設け、運転座席の側方に排気浄化装置を設けた構成は、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−1132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、排気浄化装置を運転座席の側部後方に配置しているので、運転座席の側方の操縦部の操作機構の配置が制約を受けるという課題がある。
本願は、排気浄化装置の配置を工夫して、操縦部の操作性と排気浄化装置の設置スペースのコンパクト化の両立を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、下方に走行装置2を設けた機体フレーム1の上方の一側に脱穀装置3を設け、他側にはグレンタンク5を設け、該グレンタンク5の前方に操縦部6を設け、前記機体フレーム1の前方に刈取部4を設け、前記グレンタンク5の前方にはエンジン11を設け、該エンジン11から排出される排気を浄化する排気浄化装置15を設け、前記操縦部6の側方パネル7には作業部操作部材35を設け、左右方向において、作業部操作部材35と操縦部6の操作席10との間のエンジン11の上方に排気浄化装置15を配置し、前記エンジン11の上側を覆う上側カバー20の、前記作業部操作部材35と操作席10との間の部分を、上側に膨出した膨出部21に形成し、前記排気浄化装置15の上部を膨出部21の下方に入り込ませて配置し、前記排気浄化装置15の上部は、操作席10の支持部材38および作業部操作部材35の下部よりも高くなるように配置し、前記操縦部6の操作席10の後方であって、排気浄化装置15と左右にずれた位置にエアクリーナー45を設け、エアクリーナー45の下端部は排気浄化装置15の上端部より低く配置し、前記エアクリーナー45の内側側方に第二作業部操作部材50を設け、前記上側カバー20の、前記操作席10に対して排気浄化装置15とは反対側の部分を、上側に膨出した外側膨出部42に形成し、外側膨出部42の下方にはラジエータ56を設け、前記外側膨出部42の下方にはラジエータ56を設け、さらに、上側カバー20の後側部分は凹部面22より低い取付面46に形成し、取付面46上に前記エアクリーナー45を配置する構成とし、前記上側カバー20は板部材の左右方向の中央部分が凹んだ凹部面22に形成し、凹部面22の上方に操作席10を設けると共に、凹部面22の上方空間に操作席10の上下位置を調節する座席調節機構23を設けたコンバインとしたものであり、操縦者は、操縦部6の側方パネル7の作業部操作部材35の操作をしつつ収穫作業を行う。作業中のエンジン11から排出される排気ガスは、排気浄化装置15内に入って浄化され、浄化された排気ガスが機外に排気され、膨出部21の下方に入り込んだ排気浄化装置15が排気ガスを浄化し、支持部材38は操作席10を支持し、操縦部6の操作席10の後方のエアクリーナー45により浄化された空気をエンジン11に供給して、エンジン11を駆動し、操作席10の側部後方の第二作業部操作部材50を適宜操作して作業を行い、外側膨出部42の下方のラジエータ56はエンジン冷却水を冷却し、作業者の体格や作業姿勢に応じて操作席10の位置を座席調節機構23により調節する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、作業者の作業姿勢の良好化と排気浄化装置15の設置スペースのコンパクト化を図ることができ、操縦部6の側方パネル7の作業部操作部材35の操作性の低下を最小限にしつつ排気浄化装置15を配置でき、操縦部6の操作性と排気浄化装置15の設置スペースのコンパクト化の両立を図ることができ、排気浄化装置15の上部を操作席10の支持部材38および作業部操作部材35の下部よりも高くしているので、排気浄化装置15の設置スペースのコンパクト化を図ることができ、操作席10の高さを低くすることができ、また、エアクリーナー45の容積の拡大化を図ることができ、エアクリーナー45の下端部を操作席10の支持部材38よりも低くしているので、コンパクト化を図ることができ、大型のラジエータ56を搭載でき、ラジエータ56の冷却風路広くできるので、エンジン11の冷却効率を向上でき、また、外側膨出部42の上面に、操縦者が操作しやすい位置に各種操作部材を配置でき、作業者の体格や作業姿勢に応じて操作席10の位置を座席調節機構23により調節できるので、コンパクト化を損なわずに、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンバインの側面図。
図2】エンジンおよび排気浄化装置(DOC)付近の概略斜視図。
図3】同一部正面図。
図4】操縦部の概略平面図。
図5】エンジンおよび排気浄化装置(DOC)付近の一部正面図。
図6】同側面図。
図7】排気浄化装置(DOC)およびエアクリーナーの付近の側面図。
図8】ブロック図。
図9】油圧回路図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施例を図により説明すると、1は作業機の機体フレームであり、本願はコンバインの実施例である。
機体フレーム1の下方には走行装置2を設け、機体フレーム1の上方の一側には脱穀装置3を設ける。脱穀装置3の前方には刈取部4を設け、脱穀装置3の側部にはグレンタンク5を設ける。
グレンタンク5の前方には、操縦部6を設け、操縦部6は側方パネル7と前側パネルにより包囲されたフロア9を有し、フロア9の後側に操作席10を設けている。
操縦部6の操作席10の下方にはエンジン11を設け、エンジン11には排気装置12の排気管14を接続し、排気管14の途中に排気浄化装置15を設ける。
排気浄化装置15は、DOC17(Diesel Oxidation Catalyst)により構成し、DOC17は排気ガス中の未燃燃料等を酸化させて排気ガスを浄化する。
【0009】
なお、DOC17に代えてDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を設置してもよく、また、両者を前後に並設してもよい。
DOC17は、エンジン11の上側を覆う上側カバー20における前記操縦部6の側方パネル7の下方の上側に膨出した部位となる膨出部21の下方に入り込ませて設ける(図3、なお、図3を含めて、理解を容易にするためにマーカーを付して図示しているが、これによって、構成は限定されない)。
そのため、エンジン11とDOC17と操作席10とを、上下方向においてコンパクト化が図れる。
即ち、上側カバー20は板部材の中央部分が凹んだ凹部面22に形成し、凹部面22の上方に操作席10を設け、膨出部21の上面と凹部面22の上面との間の空間に操作席10の前後あるいは上下等の位置を調節する座席調節機構23を設け、DOC17の上部を膨出部21の下面下方に臨ませることにより、座席調節機構23を含めた操作席10とDOC17とを側面視において一部重ね合わせ、上下方向におけるコンパクト化を実現している。
【0010】
上側カバー20の支持構成は、任意であるが、一例を示すと、エンジンフレーム(操作席フレーム)25により支持する。エンジンフレーム25はエンジン11の内側に設けた前後の縦杆26と、ラジエータ56を支持するラジエータフレーム58を備え、前後の縦杆26の上部を前後方向の連結杆28で連結し、この内側連結杆28の後部とラジエータフレーム58を左右方向の横杆27を有するエアクリーナーフレーム45Aで連結している。
なお、ラジエータフレーム58の外側には、ラジエータカバー57を支持するラジエータカバーフレーム57Aを設ける。
上側カバー20は、その後部を横杆27により支持し、その機体内側部を連結杆28により支持し、その機体外側部をラジエータフレーム58により支持している。
なお、上側カバー20の機体外側部は、ラジエータカバーフレーム57Aにて支持することも可能である。
【0011】
また、上側カバー20の前部には、エンジン11の前側を覆う前側カバー部20Aを一体的に設けている。
前記側方パネル7には、作業部操作部材35を設け、左右方向において、作業部操作部材35と操作席10との間のエンジン11の上方にDOC17を配置する。
そのため、作業部操作部材35と作業部とを連結するリンクやワイヤ等により構成される操作伝達機構36と、DOC17との干渉を回避して、DOC17を配置できる。
本実施形態の作業部操作部材35は、エンジン11と脱穀装置3および刈取装置4との伝動を入切する脱穀クラッチ(図示省略)および刈取クラッチ(図示省略)を入切操作する刈取・脱穀レバー37により構成している。
また、DOC17の上部は、操作席10の支持部材38および作業部操作部材35の下部よりも高くなるように配置する。
そのため、エンジン11とDOC17と操作席10とを、上下方向においてコンパクト化が図れる。
【0012】
前記操作席10の支持部材38は、操作席10を支持する部材であり、棒状部材により構成し、上側カバー20側に取付ける。
即ち、作業部操作部材35の下部は前記側方パネル7や上側カバー20を支持するエンジンフレーム25に軸40により回動自在に取付け、作業部操作部材35の下部に前記操作伝達機構36を連結し、作業部操作部材35の下部および操作伝達機構36の外側にDOC17の上部を位置させ、上下方向のコンパクト化を図っている。
前記上側カバー20の、前記操作席10に対してDOC17とは反対側の部分を、上側に膨出した外側膨出部42に形成し、外側膨出部42の下方にはラジエータ56を設ける。
そのため、外側膨出部42の下方に大型のラジエータ56を搭載でき、ラジエータ56の冷却風路(冷却面積)を広くできるので、エンジン11の冷却効率を向上させられる。
【0013】
即ち、外側膨出部42は、上側カバー20の凹部面22の走行方向における右側に形成し、外側膨出部42にはキースイッチ(図示省略)やカップホルダ(図示省略)を設けることができ、凹部面22の左右両側に膨出部21と外側膨出部42を形成して、上側カバー20の剛性を向上させると共に、外側膨出部42の上側平面部分および上面上方空間を有効利用できる。
操作席10の後方であって、DOC17と左右にずれた位置にエアクリーナー45を設け、エアクリーナー45の下端部はDOC17の上端部より低く配置する。
そのため、エアクリーナー45とDOC17とを、左右および上下方向において一部重ねて配置することができ、左右および上下方向においてコンパクト化が図れる。
即ち、上側カバー20の後側部分は、凹部面22の下面より低い取付面46に形成し、取付面46上にエアクリーナー45を左右方向となるように配置し、エアクリーナー45の内側端は、DOC17よりも外側に位置させ、側面視において、エアクリーナー45とDOC17の後部とを重ねて配置し、コンパクト化を図っている。
【0014】
また、操作席10の後方でエンジン11の上方の空間を利用してエアクリーナー45を配置しているので、エアクリーナー45の容積を大きくできる作用も期待する。
また、エアクリーナー45の下端部は操作席10の支持部材38よりも低く配置する。
そのため、後傾する操作席10の背面をエアクリーナー45に接近させて配置することができ、また、操作席10の座面下方にエアクリーナー45を臨ませることができ、操作席10とエアクリーナー45とを前後方向にコンパクトに配置できる。
エアクリーナー45の内側側方に第二作業部操作部材50を設ける。
そのため、DOC17の後側であって、エアクリーナー45の内側の空間を有効利用できる。
本実施形態の第二作業部操作部材50は、排藁処理をカッタ(図示省略)とドロッパ(図示省略)とに切り替える作業機切替レバー51とグレンタンク5内の穀粒を機外に排出する籾排出レバー52により構成している。
【0015】
前記ラジエータ56を設けたラジエータフレーム(図示省略)には冷却用ファン55の外周周縁を包囲するシュラウド(図示省略)を設ける。
シュラウドには、エンジン11の上方通してDOC17に冷却風を案内する上方案内部(図示省略)を一体または別体で設ける。
そのため、DOC17の周辺の温度上昇を抑制し、操作席10の周辺の温度上昇を抑制する。
前記上方案内部は、上面部(図示省略)の左右両側に下方に垂下する垂下部(図示省略)を設けて、断面下向き「コ」型形状とする。
そのため、シュラウドは、効率よく、エンジン11の上方通してDOC17に冷却風を案内する。
脱穀装置3の側方には、刈取装置4で刈取った穀稈を供給搬送するフィードチェン(図示省略)を設け、フィードチェン65は、無段変速装置66(図9)により車速に応じて、搬送速度を変速する構成とし、操縦部6に設けた掻込ペダル(図示省略・畦際の穀稈刈取時に使用)の踏み込み操作を行うと、フィードチェンの搬送速度をを一定速度とする。
【0016】
そのため、フィードチェンの搬送速度が優先して切り替わるので、刈取装置4からフィードチェンへの引き継ぎを良好にする。
また、刈取装置4を停止させて行う手刈り穀稈の供給である手扱ぎ作業の切替も容易となる。
前記無段変速装置66は、フィードチェンを逆転させる必要がないので、逆転側のチェックバルブを廃止し、逆転駆動を規制する。
そのため、フィードチェン停止の調節を容易とし、逆転を必ず防止するので、調整不良による逆転で刈取装置4との引き継ぎ部分の詰まりを防止できる。
また、逆転側のオリフィス67の径を大きくして、ニュートラル幅を大きくする。
68はポンプ、69はモータ、70はタンクである。
【0017】
(実施形態の作用)
エンジン11を始動し、エンジン11の回転により脱穀装置3と刈取装置4の各部を駆動し、走行装置2を駆動して走行して刈取脱穀作業を行う。
エンジン11は供給された燃料を燃焼させて得た駆動力を各部に伝達し、燃焼した燃料は排気ガスとして排気装置12を通して機外に排出する。
排気装置12には、排気浄化装置15を設けているので、排気浄化装置15によりエンジン11の排気ガスを浄化する。
排気浄化装置15は、DOC17により構成しているので、エンジン11からの排気ガスをDOC17に送って未燃燃料を酸化させて浄化する。
DOC17は、エンジン11の上側を覆う上側カバー20における操縦部6の側方パネル7の下方の上側に膨出した部位となる膨出部21の下方に入り込ませて設けているので、エンジン11とDOC17と操作席10とを、上下方向においてコンパクト化が図れる。
【0018】
即ち、上側カバー20は板部材の中央部分が凹んだ凹部面22に形成し、凹部面22の上方に操作席10を設け、膨出部21の上面と凹部面22の上面との間の空間に操作席10の座席調節機構23を設け、DOC17の上部を膨出部21の下面下方に臨ませているので、座席調節機構23を含めた操作席10とDOC17とを側面視において一部重ね合わせることができ、上下方向におけるコンパクト化を実現している。
左右方向において、側方パネル7に設けた作業部操作部材35と操作席10との間のエンジン11の上方にDOC17を配置しているので、作業部操作部材35と作業部とを連結するリンクやワイヤ等により構成される操作伝達機構36と、DOC17との干渉を回避して、DOC17を配置できる。
また、DOC17の上部は、操作席10の支持部材38および作業部操作部材35の下部よりも高くなるように配置しているので、エンジン11とDOC17と操作席10とを、上下方向においてコンパクト化が図れる。
【0019】
即ち、作業部操作部材35の下部は前記側方パネル7や上側カバー20を支持するエンジンフレーム25に軸40により回動自在に取付け、作業部操作部材35の下部に操作伝達機構36を連結し、作業部操作部材35の下部および操作伝達機構36の外側にDOC17の上部を位置させているので、上下方向のコンパクト化を図れる。
上側カバー20の凹部面22の走行方向における右側には外側膨出部42を形成し、外側膨出部42にはキースイッチ(図示省略)やカップホルダ(図示省略)を設けているので、凹部面22の左右両側に内側膨出部21と外側膨出部42を形成して、上側カバー20の剛性を向上させると共に、外側膨出部42の上側平面部分および上面上方空間を有効利用できる。
操作席10の後方であって、DOC17と左右にずれた位置にエアクリーナー45を設け、エアクリーナー45の下端部はDOC17の上端部より低く配置しているので、エアクリーナー45とDOC17とを、左右および上下方向において一部重ねて配置することができ、左右および上下方向においてコンパクト化が図れる。
【0020】
即ち、上側カバー20の後側部分は、凹部面22の下面より低い取付面46に形成し、取付面46上にエアクリーナー45を左右方向となるように配置し、エアクリーナー45の内側端は、DOC17よりも外側に位置させ、側面視において、エアクリーナー45とDOC17の後部とを重ねて配置しているので、コンパクト化を図れる。
また、操作席10の後方でエンジン11の上方の空間を利用してエアクリーナー45を配置しているので、エアクリーナー45の容積を大きくできる効果も期待する。
また、エアクリーナー45の下端部は操作席10の支持部材38よりも低く配置しているので、後傾する操作席10の背面をエアクリーナー45に接近させて配置することができ、また、操作席10の座面下方にエアクリーナー45を臨ませることができ、操作席10とエアクリーナー45とを前後方向にコンパクトに配置できる。
【0021】
エアクリーナー45の内側側方に第二作業部操作部材50を設けているので、DOC17の後側であって、エアクリーナー45の内側の空間を有効利用できる。
本実施形態の第二作業部操作部材50は、作業機切替レバー51とグレンタンク5内の穀粒を機外に排出する籾排出レバー52により構成しているので、作業機切替レバー51と籾排出レバー52の操作を容易にする。
【符号の説明】
【0022】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部、5…グレンタンク、6…操縦部、7…側方パネル、8…前側パネル、9…フロア、10…操作席、11…エンジン、15…排気浄化装置、17…DOC、20…上側カバー、21…膨出部、22…凹部面、23…座席調節機構、25…エンジンフレーム、26…縦杆、27…横杆、28…内側横杆、35…作業部操作部材、36…操作伝達機構、37…刈取・脱穀レバー、38…支持部材、40…軸、42…外側膨出部、45…エアクリーナー、46…取付面、50…第二作業部操作部材、51…作業機切替レバー、52…籾排出レバー、55…冷却用ファン、56…ラジエータ、57…ラジエタカバー、58…ラジエータフレーム、65…フィードチェン、66…無段変速装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9