特許第6229635号(P6229635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6229635
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】弁一体型フィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/48 20060101AFI20171106BHJP
   B01D 46/10 20060101ALI20171106BHJP
   F16K 1/20 20060101ALI20171106BHJP
   F16K 15/03 20060101ALI20171106BHJP
   F26B 21/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   B01D46/48
   B01D46/10 A
   F16K1/20 C
   F16K15/03 Z
   F26B21/00 L
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-217546(P2014-217546)
(22)【出願日】2014年10月24日
(65)【公開番号】特開2016-83614(P2016-83614A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2017年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】贄 宏充
(72)【発明者】
【氏名】伴 定憲
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭48−049072(JP,A)
【文献】 実開平04−070118(JP,U)
【文献】 特開平03−109911(JP,A)
【文献】 特開2010−040746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/48
B01D 46/10
F16K 1/20
F16K 15/03
F26B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる通路部材と、
該通路部材の下方に位置する第1開口部に配置され、該第1開口部を開閉する開閉弁と、
上記通路部材の上方に位置する第2開口部に配置され、流体を通過させる多数の通過孔を有するとともに、流体に混入した異物の通過を阻止して、該異物を捕集するフィルタと、
上記通路部材の上記第1開口部の近傍に設けられた異物受皿と、を備え、
上記開閉弁は、該開閉弁が上記第1開口部を閉じて、上記フィルタへの流体の流れが遮断されたときに、該フィルタに捕集された上記異物の落下を受け止めるよう構成されており、
上記異物受皿は、上記開閉弁に受け止められた上記異物が、該開閉弁が上記第1開口部を開ける動作に伴って集められるよう構成されていることを特徴とする弁一体型フィルタ。
【請求項2】
記開閉弁は、下方からの流体の流れによる圧力を受けて上方へ回動して上記第1開口部を開け、かつ、流体の流れによる圧力を受けなくなったときに下方へ回動して上記第1開口部を閉じるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弁一体型フィルタ。
【請求項3】
上記フィルタは、網目状部材を用いて、複数の山形状と谷形状とが交互に並ぶ波形状に形成されており、
上記多数の通過孔は、上記網目状部材によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弁一体型フィルタ。
【請求項4】
バーナによって加熱された熱風が流体として供給される乾燥炉の入口に配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の弁一体型フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉弁とフィルタとが一体的に設けられた弁一体型フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、種々の金属部品等のワークの塗装を行った後には、塗装後のワークを熱風が供給される乾燥炉内に配置し、このワークにおける塗装面を熱風によって乾燥させている。この際、乾燥炉内に、熱風とともに異物が混入することを避けるために、乾燥炉における循環経路内には、フィルタが設けられている。
例えば、特許文献1においては、炉内に熱風を循環させて被塗装物を乾燥する熱風乾燥炉について開示されている。この熱風乾燥炉においては、炉内上部に、被塗装物に向けて熱風を吐出する吐出口を設けるとともに吐出口にフィルタを設け、炉内下部に、熱風の排出口を設けている。そして、フィルタによって粉塵等を捕集し、被塗装物に粉塵が付着することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−197678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のフィルタを用いる場合において、フィルタによって各種の異物が捕集されたときには、作業者がフィルタ等を取り外して、フィルタ又はその周辺から異物を除去する必要がある。そして、作業者が、フィルタから異物を除去するためのメンテナンスを頻繁に行う必要がある。
【0005】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、フィルタに捕集された異物を極めて簡単に集めることができ、異物の回収に伴うメンテナンスの頻度を少なくすることができる弁一体型フィルタを提供しようとして得られたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、流体が流れる通路部材と、
該通路部材の下方に位置する第1開口部に配置され、該第1開口部を開閉する開閉弁と、
上記通路部材の上方に位置する第2開口部に配置され、流体を通過させる多数の通過孔を有するとともに、流体に混入した異物の通過を阻止して、該異物を捕集するフィルタと、
上記通路部材の上記第1開口部の近傍に設けられた異物受皿と、を備え、
上記開閉弁は、該開閉弁が上記第1開口部を閉じて、上記フィルタへの流体の流れが遮断されたときに、該フィルタに捕集された上記異物の落下を受け止めるよう構成されており、
上記異物受皿は、上記開閉弁に受け止められた上記異物が、該開閉弁が上記第1開口部を開ける動作に伴って集められるよう構成されていることを特徴とする弁一体型フィルタにある。
【発明の効果】
【0007】
上記弁一体型フィルタは、開閉弁とフィルタとを一体的に備えるものであり、開閉弁を利用して、フィルタに捕集された異物(ゴミ、ブツ、塵等)集めることができるものである。
具体的には、弁一体型フィルタは、開閉弁及びフィルタの他に、異物受皿を備えている。異物受皿は、通路部材の第1開口部の近傍に設けられており、第1開口部を開閉する開閉弁を利用して異物を受ける。
【0008】
通路部材に流体が流れる流通時においては、開閉弁が第1開口部を開け、第1開口部からフィルタに流れる流体は、フィルタにおける多数の通過孔を通過する。このとき、流体に混入した異物は、フィルタによって通過孔を通過することが阻止され、フィルタの表面に捕集される。
次いで、通路部材への流体の流れが停止された流通停止時においては、開閉弁が第1開口部を閉じる。このとき、フィルタへの流体の流れが遮断され、フィルタに捕集された異物は、開閉弁へ落下して、開閉弁によって受け止められる。
【0009】
次いで、再び流通時において、開閉弁が第1開口部を開けるときには、開閉弁が開く動作に伴って、開閉弁に受け止められた異物が、異物受皿に集められる。その後、流通停止時と流通時とが繰り返されるごとに、フィルタに捕集された異物が、開閉弁が第1開口部を開ける動作に伴って異物受皿に集められる。これにより、フィルタに捕集される異物は、流体の流通及び流通の停止が繰り返されるごとに、開閉弁が第1開口部を開ける動作を利用して集めることができる。なお、異物受皿に集められた異物は、定期的なメンテナンスによって除去(回収)することができる。
【0010】
それ故、上記弁一体型フィルタによれば、フィルタに捕集された異物を極めて簡単に集めることができ、異物の回収に伴うメンテナンスの頻度を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例にかかる、弁一体型フィルタを正面から見た状態で示す説明図。
図2】実施例にかかる、弁一体型フィルタを側面から見た状態で示す説明図。
図3】実施例にかかる、閉位置に回動した開閉弁に異物が受け止められる状態の弁一体型フィルタを正面から見た状態で示す説明図。
図4】実施例にかかる、開閉弁から異物受皿に異物が集められる状態の弁一体型フィルタを正面から見た状態で示す説明図。
図5】実施例にかかる、弁一体型フィルタが配設された乾燥炉を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述した弁一体型フィルタにおける好ましい実施の形態について説明する。
上記弁一体型フィルタにおいては、上記開閉弁は、下方からの流体の流れによる圧力を受けて上方へ回動して上記第1開口部を開け、かつ、流体の流れによる圧力を受けなくなったときに下方へ回動して上記第1開口部を閉じるよう構成されていることが好ましい。
【0013】
この場合には、開閉弁を開閉するためにアクチュエータを用いる必要がなく、開閉弁を、流体の流れを利用したチャッキ弁として動作させることができる。これにより、開閉弁の構造が簡単であり、弁一体型フィルタの構造を簡単にすることができる。
また、開閉弁は、流体の流れによる圧力を受けなくなったときには、自重、バネ等による力によって閉じることができる。また、開閉弁は、流体の流れを利用して動作させる以外にも、アクチュエータを用いて動作させることもできる。この場合には、通路部材に流体が流れる流通時においても、開閉弁を強制的に閉じて、フィルタに捕集された異物の落下を開閉弁によって受け止めることができる。
【0014】
また、上記フィルタは、網目状部材を用いて、複数の山形状と谷形状とが交互に並ぶ波形状に形成されており、上記多数の通過孔は、上記網目状部材によって形成されていることが好ましい。
この場合には、フィルタを波形状に形成することによって、フィルタの表面積を増やすことができ、流体に混入した異物をさらに効果的に捕集することができる。また、網目状部材を用いることにより、多数の通過孔の形成を容易にすることができる。
【0015】
また、弁一体型フィルタは、バーナによって加熱された熱風が流体として供給される乾燥炉の入口に配設することができる。
この場合には、バーナの燃焼によって生じる異物としての煤、バーナから通路部材に繋がるダクト内に蓄積された異物としてのゴミ、ヤニ等を、弁一体型フィルタによって捕集することができる。
【実施例】
【0016】
以下に、弁一体型フィルタにかかる実施例について、図面を参照して説明する。
本例の弁一体型フィルタ1は、図1図2に示すように、流体Rが流れる通路部材2と、通路部材2の一方の第1開口部21に配置され、第1開口部21を開閉する開閉弁3と、通路部材2の他方の第2開口部22に配置され、流体Rを通過させる多数の通過孔411を有するとともに、流体Rに混入した異物Xの通過を阻止して、異物Xを捕集するフィルタ4と、通路部材2の第1開口部21の周囲に設けられた異物受皿5とを備えている。開閉弁3は、図3に示すように、開閉弁3が第1開口部21を閉じて、フィルタ4への流体Rの流れが遮断されたときに、フィルタ4に捕集された異物Xの落下を受け止めるよう構成されている。異物受皿5は、図4に示すように、開閉弁3に受け止められた異物Xが、開閉弁3が第1開口部21を開ける動作に伴って集められるよう構成されている。
【0017】
以下に、本例の弁一体型フィルタ1について、図1図5を参照して詳説する。
図5に示すように、本例の弁一体型フィルタ1は、バーナ71によって加熱された熱風が流体Rとして供給される乾燥炉6の入口61に配設されて用いられる。乾燥炉6は、塗装を行った金属製のワーク8の塗装表面を、熱風によって乾燥するものである。バーナ71の出口712と乾燥炉6の入口61とは入口側ダクト73によって接続されており、乾燥炉6の出口62とバーナ71の入口711とは、出口側ダクト74によって接続されている。そして、バーナ71の燃焼によって生成される熱風(流体R)は、乾燥炉6に供給された後、再びバーナ71に循環される。
【0018】
入口側ダクト73は、配管途中で複数のダクト分岐部731に分岐しており、弁一体型フィルタ1は、ダクト分岐部731の下流側端部と、乾燥炉6の入口61とに跨って配置されている。乾燥炉6の入口61付近には、流体Rの流れを整流する整流ボックス63が配置されている。流体ボックス63は、流体Rが流出するための複数の流出口631を有している。弁一体型フィルタ1のフィルタ4は、整流ボックス63内に配置されている。
【0019】
出口側ダクト74におけるバーナ71の入口711付近には、フレッシュエアとしての外気を取り込む外気入口75と、外気から混入した異物、又は乾燥炉6、出口側ダクト74において発生した異物を捕集するための捕集フィルタ76が設けられている。入口側ダクト73におけるバーナ71の出口712付近には、バーナ71によって生成された熱風を乾燥炉6へ送り出すためのファン72が設けられている。
【0020】
図5に示すように、弁一体型フィルタ1における通路部材2は、入口側ダクト73のダクト分岐部731内に配置されている。開閉弁3は、通路部材2の下方に位置する第1開口部21に、上方に向けて開くように配置されている。フィルタ4は、通路部材2の上方に位置する第2開口部22から上方に配置されている。
【0021】
図1に示すように、開閉弁3は、第1開口部21に近い下側に回動軸部31を有している。開閉弁3は、回動軸部31を中心に上方に回動して、第1開口部21を開ける開位置301になり、回動軸部31を中心に下方に回動して、第1開口部21を閉じる閉位置302になるよう構成されている。通路部材2には、開閉弁3に閉位置302に回動するための自重が作用する状態で、開閉弁3の開位置301への回動を止めるストッパー23が設けられている。ストッパー23は、開位置301に回動した開閉弁3に当接する位置に設けられている。
【0022】
ストッパー23の上面は、異物Xが蓄積することを防止するために、傾斜状に形成されている。本例の第1開口部21は、通路部材2の下方位置において、水平方向に並んで一対に形成されている。開閉弁3は、一対の第1開口部21において、通路部材2の内側に位置する回動軸部31の回りに回動するよう構成されている。
なお、開閉弁3の回動軸部31は、通路部材2の外側に配置することもできる。また、開閉弁3は、1つの第1開口部21に対して1つ又は複数設けることもできる。
【0023】
また、ストッパー23には、開位置301に回動した開閉弁3を閉位置302に付勢するためのバネ等の弾性部材を設けることができる。この場合には、弾性部材によって、開位置301に開いた開閉弁3に対して、閉位置302に回動するための力を付与することができ、開閉弁3を自重によって開位置301から閉位置302へ回動させることが容易になる。
【0024】
図1図2に示すように、本例の開閉弁3は、下方から上方への流体Rを通過させる一方、上方から下方へは流体Rを通過させないチャッキ弁として作用する。すなわち、開閉弁3は、下方からの流体Rの流れによる圧力を受けて上方へ回動して第1開口部21を開け、かつ、流体Rの流れによる圧力を受けなくなったときに自重によって下方へ回動して第1開口部21を閉じるよう構成されている。開閉弁3が閉位置302にあるときには、開閉弁3における、回動軸部31が形成されていない各端部32が、異物受皿5の上に載置されている。そして、開閉弁3は、閉位置302から、上方にのみ回動するよう構成されている。
【0025】
異物受皿5は、通路部材2の第1開口部21の周囲に形成された受皿として形成されている。異物受皿5を構成する受皿は、通路部材2における、第1開口部21の縁部を上方に折り曲げることによって形成されている。
また、開閉弁3の各端部32は、異物受皿5内に配置されるよう、開閉弁3の本体部から屈曲して形成されている。
【0026】
図3図4に示すように、異物受皿5は、開閉弁3が閉位置302から開位置301へ回動するときに、開閉弁3から落下する異物Xを受けるメイン受皿51と、フィルタ4から直接落下する異物Xを受けるサブ受皿52とによって構成されている。メイン受皿51は、ストッパー23の下方に形成されている。本例のメイン受皿51は、一対の第1開口部21同士の間の内側位置に形成されている。本例のサブ受皿52は、内側位置を除く、一対の第1開口部21の外側位置に形成されている。
【0027】
図2に示すように、フィルタ4は、網目状部材41を用いて、複数の山形状42と谷形状43とが交互に並ぶ波形状に形成されている。フィルタ4を波形状に形成することによって、フィルタ4の表面積を増やすことができる。本例の波形状における各山形状42及び各谷形状43を形成する側面は、傾斜状に形成されている。網目状部材41は、各山形状42及び各谷形状43を形成する側面に設けられている。そして、流体Rが通過する多数の通過孔411は、各側面に設けられた網目状部材41によって形成されている。なお、フィルタ4には、網目状部材41を用いる以外にも、多数の通過孔411が形成された種々の部材を用いることができる。
【0028】
次に、本例の弁一体型フィルタ1の動作及び作用効果について説明する。
図5に示すように、乾燥炉6内に搬送されたワーク8を乾燥させる際には、バーナ71の燃焼が行われ、バーナ71の燃焼によって生成された熱風が流体Rとして乾燥炉6へ供給される。このとき、図1に示すように、流体Rの流通時として、乾燥炉6の入口61に配置された弁一体型フィルタ1の通路部材2に流体Rが流れる。そして、流体Rの圧力によって、開閉弁3が持ち上げられて上方へ回動し、開閉弁3が第1開口部21を開ける。このとき、第1開口部21からフィルタ4に流れる流体Rは、フィルタ4における多数の通過孔411を通過する。そして、流体Rに混入した異物Xは、フィルタ4によって通過孔411を通過することが阻止され、フィルタ4の表面に捕集される。こうして、乾燥炉6内に流体Rが供給される間は、フィルタ4による異物Xの捕集が行われる。
【0029】
次いで、乾燥炉6内のワーク8の乾燥を終了する際には、バーナ71の燃焼及びファン72の動作が停止され、乾燥炉6への流体Rの供給が停止される。このとき、図3に示すように、流体Rの流通停止時として、弁一体型フィルタ1の通路部材2への流体Rの流れが停止される。そして、開閉弁3がその自重によって下方へ回動し、開閉弁3が第1開口部21を閉じる。このとき、フィルタ4への下方からの流体Rの流れが遮断され、フィルタ4の内部に捕集された異物Xの多くは、開閉弁3へ落下して、開閉弁3によって受け止められる。また、フィルタ4の内部に捕集された異物Xの一部は、異物受皿5のサブ受皿52の上に落下する。
【0030】
次いで、乾燥炉6に別のワーク8が搬送されて、このワーク8の乾燥を行う際には、流体Rの流通時として、乾燥炉6の入口61に配置された弁一体型フィルタ1の通路部材2に再び流体Rが流れる。そして、図4に示すように、流体Rの圧力によって、開閉弁3が持ち上げられて上方へ回動し、開閉弁3が第1開口部21を再び開ける。このとき、開閉弁3が開く動作に伴って、開閉弁3の上に受け止められた異物Xが、開閉弁3の回動軸部31の側へ集められ、開閉弁3の回動軸部31の付近から異物受皿5のメイン受皿51の上に落下する。こうして、開閉弁3の上に受け止められた異物Xが、メイン受皿51に集められる。
【0031】
その後、流通停止時と流通時とが繰り返されるごとに、フィルタ4の内部に捕集された異物Xが、開閉弁3の動作に伴って異物受皿5のメイン受皿51に集められる。これにより、フィルタ4に捕集される異物Xは、流体Rの流通及び流通の停止が繰り返されるごとに、開閉弁3が第1開口部21を開ける動作を利用して集めることができる。また、異物受皿5のメイン受皿51及びサブ受皿52に集められた異物Xは、定期的なメンテナンスによって除去(回収)することができる。
【0032】
それ故、本例の弁一体型フィルタ1によれば、フィルタ4に捕集された異物Xを極めて簡単に集めることができ、異物Xの回収に伴うメンテナンスの頻度を少なくすることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 弁一体型フィルタ
2 通路部材
21 第1開口部
22 第2開口部
3 開閉弁
4 フィルタ
41 網目状部材
411 通過孔
42 山形状
43 谷形状
5 異物受皿
6 乾燥炉
71 バーナ
R 流体
X 異物
図1
図2
図3
図4
図5