【実施例】
【0039】
一般方法
全てのNMR をブルカー装置で400 MHz で得た。
MSデータをLC/MS ウォーターズZMD (ESI) 又はマイクロマスZQ、単一四極子LC-MS(ESCI) で得た。
IUPAC 名を、ケンブリッジソフト・Chemistry Cartridge ソフトウェアを使用して作成した。
空気又は水分感受性試薬を伴なう全ての反応を窒素雰囲気下で乾燥溶媒及びガラス器具を使用して行なった。
HPLC方法 (保持時間は下記の方法により精製された化合物に関する)
方法 A: カラム: - ウォーターズXterra MS 5μm C18 , 100 x 4.6 mm, ACN / 10 mM重炭酸アンモニウム (4分後に95% ACN)及び2 mL/分の流量で溶離
方法 B: カラム: - フェノメネクス・ルナ5μm C18 (2), 100 x 4.6 mm, ACN/水/0.1%ギ酸 (3.5 分後に100% ACN) 及び2 mL/分の流量で溶離
方法 C: カラム: - フェノメネクス・ジェミニNX, 3μm C18, 150 x 4.6 mm, ACN/10 mM 重炭酸アンモニウム(9分後に100% ACN) 及び1 mL/分の流量で溶離
方法 D: カラム: - スペルコ、アセンチス(登録商標)・エクスプレスC18 又はハイクロム・ハロC18, 2.7μm C18, 150 x 4.6 mm, ACN/水/0.1% ギ酸 (9分後に100% ACN) で1 mL/分の流量で溶離
方法 E: カラム: - ハイクロムACE 3 C18-AR混合様式カラム, 2.7μm C18, 100 x 4.6 mm,ACN/水/0.1% ギ酸 (12分後に100% ACN) で1 mL/分の流量で溶離
方法 F: カラム:- キラルパックIC, 250 x 4.6mm x 5 μm, 50/50 EtOH (0.1% ギ酸) / ヘプタンで1 mL/分の流量で溶離
方法 G: カラム:- キラルパックIB, 250 x 4.6mm x 5μm, 50/50 IPA/MeOH (50/50/0.1% ギ酸) / ヘプタンで4 mL/分の流量で溶離
方法 H: カラム:- X-ブリッジ C8, 50 x 4.6mm x 3.5μm; H
2O 中0.1%TFA 、そしてACN 中0.1%TFAで2.0 mL/分の流量で溶離
方法 I: キラルパックIC(ダイセル), 250 x 20 mm; 20/80の比のヘプタン (0.1% ジエチルアミンを含むエタノール) で10 ml/分の流量で溶離、254 nmでUV検出
【0040】
分析方法 (a-i)は以下の書類に概説されるデータの表に言及される。
質量誘導分取HPLC精製をウォーターズ・フラクションリンクス分取HPLCシステム (2525ポンプ, 2996/2998 UV/VIS検出器, 2767液体ハンドラー) で行なった。ウォーターズ2767液体ハンドラーは自動サンプラー及び画分コレクターの両方として作用した。
化合物の分取精製に使用したカラムは10 um 19 × 150 mm のウォーターズ・サンファイアーOBD フェノメネクス・ルナ・フェニル・ヘキシル又はウォーターズ・Xブリッジ・フェニルであった。
適当な集中勾配を酸性又は塩基性条件下でアセトニトリル及びメタノール溶媒系に基づいて選んだ。使用した標準勾配は1分間にわたって5% ACN〜20% 、1分間保持、5分間にわたって80% ACN へ、そして4分間保持であった。続いて1分間の100% ACNそして初期条件で1.5 分間の再平衡。20 mL/分の流量を使用した。
中間体 - 1の合成
【0041】
【化11】
【0042】
工程 1: tert-ブチル 7-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ヘプト-2-イノエート(イノエート) B
2-(ヘキサ-5-インイルオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン A (16 g, 87.9 ミリモル, EP1144368 に記載された) をTHF (120 mL) に溶解し、窒素雰囲気下で-78 ℃に冷却した。n-ブチルリチウム (ヘキサン中1.6 M, 60 mL, 96 ミリモル) を45分間にわたって滴下して添加し、内部温度を-65 ℃より下に維持した。次いでその混合物を1.5 時間にわたって-78 ℃で撹拌した。THF (40 mL) 中のジ-tert-ブチルジカーボネート (21 g, 96 ミリモル)の溶液を-78 ℃で徐々に添加した。添加が一旦完結すると、その混合物を2時間にわたって25℃に徐々に温めた。次いでその混合物を0℃に冷却し、飽和NH
4Cl 水溶液で反応停止し、Et
2Oで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ (MgSO
4)、濾過し、真空で蒸発させてtert-ブチル 7-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ヘプト-2-イノエート B (23.7 g, 87 ミリモル, 99%)を黄色の油として得た。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 4.57 (1 H, d, J = 4.25 Hz), 3.90-3.82 (1 H, m), 3.80-3.71 (1 H, m), 3.53-3.46 (1 H, m), 3.44-3.37 (1 H, m), 2.35 (2 H, t, J = 6.56 Hz), 2.06-1.28 (19 H, m).
工程 2: tert-ブチル 7-ヒドロキシヘプト-2-イノエート C
tert-ブチル 7-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ヘプト-2-イノエート B (23.7 g, 87 ミリモル) をMeOH (175 mL) に溶解し、水 (17.5 mL) 続いてp-トルエンスルホン酸 (2 g, 10.5 ミリモル) を添加した。その混合物を25℃で22時間撹拌した。反応進行をTLCにより追跡した。その反応が一旦完結したと考えられると、その混合物をNaHCO
3水溶液 (水20 mL 中4 g のNaHCO
3) で処理し、10分間撹拌し、その後に真空で濃縮してMeOHの大半を除去した。得られるスラリーをEt
2O (× 2) で抽出し、合わせた有機抽出液を食塩水で洗浄し、乾燥させ (MgSO
4)、濾過し、真空で蒸発させて粗油17 gを得た。粗生成物をイソ-ヘキサン中0-50% EtOAcの勾配溶離を使用してカラムクロマトグラフィーにより精製して純粋なtert-ブチル 7-ヒドロキシヘプト-2-イノエート C (10 g, 53.4 ミリモル, 62%)を無色の液体として得た。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 3.67 (2 H, t, J = 5.40 Hz), 2.38-2.33 (2 H, m), 1.70-1.65 (4 H, m), 1.49 (9 H, s), 1.35 (1 H, t, J = 5.33 Hz).
工程 3: tert-ブチル 7-オキソヘプト-2-イノエート D
DCM (225 mL)中の塩化オキサリル(12.8 g, 100 ミリモル, 8.66 mL) の溶液を窒素雰囲気下で3口丸底フラスコ中で-78 ℃に冷却した。DCM (5 mL)中のDMSO (9.45 g, 120 ミリモル, 8.6 mL) の溶液を滴下ロートにより滴下して添加し、その混合物を15分間撹拌した。DCM (20 mL) 中のtert-ブチル 7-ヒドロキシヘプト-2-イノエート C (10 g, 50 ミリモル) の溶液を滴下して添加し、-78 ℃の温度を維持して、白色の懸濁液を得、これを更に15分間撹拌した。次いでトリエチルアミンを徐々に添加し、その混合物を-78 ℃で15分間撹拌し、その後に25℃に徐々に温め、次いで更に30分間撹拌した。その反応混合物を水に注ぎ、有機相を分離した。次いで有機相を1N HCl水溶液、次いで食塩水で洗浄し、乾燥させ (MgSO
4)、真空で蒸発させてtert-ブチル 7-オキソヘプト-2-イノエート D (10 g, 50 ミリモル, 定量的) を淡黄色の油として得た。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 9.80 (1 H, s), 2.66-2.59 (2 H, m), 2.39 (2 H, t, J = 6.92 Hz), 1.90 (2 H, p, J = 7.05 Hz), 1.49 (9 H, s).
【0043】
工程 4: 中間体 E
tert-ブチル 7-オキソヘプト-2-イノエート D (6 g, 30 ミリモル) をTHF (40 mL)に溶解し、その溶液を窒素雰囲気下で-78 ℃に冷却した。適当に置換されたフェニルグリニヤール試薬 (36 ミリモル) の溶液を滴下して添加し、-65 ℃より下の内部温度を維持した。次いでその混合物を-78 ℃で2時間撹拌し、次いで25℃に徐々に温め、更に1時間撹拌した。その反応を飽和NH
4Cl 水溶液で停止し、EtOAc (× 2)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ (MgSO
4)、濾過し、真空で蒸発させて粗生成物を得、これをイソ-ヘキサン中0-40% EtOAc の勾配溶離を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して純粋なアルコール Eを得た。例えば、tert-ブチル 7-(3,4-ジクロロフェニル)-7-ヒドロキシヘプト-2-イノエート (3.35 g, 32%) を黄色の油として単離した。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.48-7.39 (2 H, m), 7.21-7.15 (1 H, m), 4.77-4.60 (1 H, m), 2.35 (2 H, t, J = 6.98 Hz), 1.99 (1 H, d, J = 3.59 Hz), 1.86-1.79 (2 H, m), 1.75-1.50 (2 H, m), 1.49 (9 H, s).
工程 5: 中間体 F
アルコール E (9.7 ミリモル) を乾燥Et
2O (150 mL) に溶解し、四臭化炭素 (6.46 g, 19 ミリモル) を添加した。その混合物を塩−氷浴中で冷却し、次いで固体のトリフェニルホスフィン (5.11 g, 19 ミリモル) を少しづつ添加した。白色の沈澱が生成し、その反応液を2時間撹拌した。固体の沈澱を濾過により除去し、母液を真空で蒸発、乾燥させてた(最小の加熱を使用した)。粗残渣をイソ-ヘキサン中0-15% EtOAcの勾配溶離を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して純粋なブロミド Fを得た。例えば、tert-ブチル 7-ブロモ-7-(3,4-ジクロロフェニル)ヘプト-2-イノエート (0.73 g, 19%) を無色の油として単離した。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.49 (1 H, d, J = 2.19 Hz), 7.43 (1 H, d, J = 8.31 Hz), 7.26-7.21 (1 H, m), 4.86 (1 H, dd, J = 8.47, 6.50 Hz), 2.40-2.14 (4 H, m), 1.87-1.73 (1 H, m), 1.66-1.52 (1 H, m), 1.49 (9 H, s).LC/MS 407 (MH
+).
【0044】
工程 6: 中間体 G
ブロミド F (1.7 ミリモル) をDMF (10 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (0.116 g, 1.7ミリモル)を添加した。その混合物を40℃で一夜加熱した。その反応混合物を真空で濃縮した (注意: 残留アジ化物が依然として存在する場合には、混合物を完全乾燥まで蒸発させてはならない) 。残渣を水に溶解し、9:1 のEtOAc:イソ-ヘキサン (× 2)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ (MgSO
4)、濾過し、真空で蒸発、乾燥させて粗生成物を得、これをイソ-ヘキサン中0-50% EtOAcの勾配溶離を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して純粋なテトラヒドロ-トリアゾロピリジン G を得た。例えば、tert-ブチル 7-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレートを無色の油 (0.555 g, 66%)として単離した。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.40 (1 H, d, J = 8.34 Hz), 7.03 (1 H, d, J = 2.22 Hz), 6.75 (1 H, dd, J = 8.35, 2.24 Hz), 5.74 (1 H, t, J = 5.34 Hz), 3.23 (1 H, dt, J = 18.37, 5.71 Hz), 3.11 (1 H, dt, J = 18.42, 7.27 Hz), 2.43-2.33 (1 H, m), 2.21-2.09 (1 H, m), 1.92-1.77 (2 H, m), 1.64 (8 H, s).LC/MS 369 (MH
+).
【0045】
工程 7: 中間体 H
テトラヒドロ-トリアゾロピリジン G (1.7 ミリモル) をDCM (20 mL) に溶解し、トリフルオロ酢酸 (1.30 mL, 17 ミリモル) を滴下して添加した。その混合物を25℃で一夜撹拌した。溶媒を真空で除去し、粗残渣をEt
2Oですり砕いてトリアゾロカルボン酸 Hを固体として得、これを真空濾過により集めた。例えば、7-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボン酸 (0.45 g, 83%)をオフホワイトの固体として単離した。
1H NMR δ (ppm)(DMSO-d
6): 7.67-7.60 (1 H, m), 7.49 (1 H, d, J = 2.12 Hz), 7.10 (1 H, dd, J = 8.37, 2.15 Hz), 5.82 (1 H, t, J = 6.20 Hz), 3.10 (2 H, t, J = 6.34 Hz), 2.39-2.29 (1 H, m), 2.12-2.01 (1 H, m), 1.80 (2 H, d, J = 7.16 Hz).LC/MS 313 (MH
+).
工程 8: 中間体 I
乾燥tert-ブタノール (15 mL) 中のトリアゾロカルボン酸 H (1.44 ミリモル) 及びトリエチルアミン (0.24 mL, 1.72 ミリモル) の溶液にアジ化ジフェニルホスホリル (0.38 mL, 1.72 ミリモル) を添加した。その反応混合物を85℃で一夜加熱した。その反応混合物を減圧で蒸発させ、残渣をシリカに直接装填し、イソ-ヘキサン中0-50% EtOAcの勾配溶離を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して純粋なトリアゾロ tert-ブチルカルバメート Iを得た。例えば、tert-ブチル 7-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルカルバメート (0.117 g, 21%) を無色のフォームとして単離した。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.44-7.37 (1 H, m), 7.12 (1 H, s), 6.82 (1 H, dd, J = 8.33, 2.21 Hz), 6.62 (1 H, s), 5.58 (1 H, t, J = 5.86 Hz), 3.04-2.87 (2 H, m), 2.43-2.33 (1 H, m), 2.14-2.03 (1 H, m), 1.92-1.78 (2 H, m), 1.51 (9 H, s).LC/MS 384 (MH
+).
【0046】
工程 9: 中間体 J
トリアゾロ tert-ブチルカルバメート I (0.26 ミリモル) をジオキサン (4 mL) 中の4M HClに溶解し、その混合物を25℃で一夜撹拌した。溶媒を真空で除去し、粗残渣をEt
2Oですり砕いて固体を得、これを真空濾過により集めた。固体をDCM に溶解し、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機相を集め、乾燥させ (MgSO
4) 、濾過し、真空で蒸発、乾燥させてトリアゾロアミン Jを得た。例えば、7-(4-クロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-アミン (0.135 g, 37%) をオフホワイトの固体として単離した。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.31-7.26 (2 H, m), 6.92-6.85 (2 H, m), 5.60 (1 H, t, J = 5.56 Hz), 3.48 (2 H, br s), 2.81-2.64 (2 H, m), 2.38-2.28 (1 H, m), 2.13-2.03 (1 H, m), 1.90-1.79 (2 H, m).LC/MS 249 (MH
+).
中間体 - 2の合成
【0047】
【化12】
【0048】
工程 1: 中間体 L
DCM (180 mL) 中の好適に置換されたフェニル-4-オキソブタン酸 K (84.71 ミリモル) にトリエチルアミン (10.3 g, 0.102モル) を添加し、0℃に冷却した。エチルクロロホルメート (12.9 g, 0.118モル) を15分間にわたって撹拌しながら滴下して添加し、続いてDMAP (2.1 g, 16.9 ミリモル) を添加し、25℃で18時間後にその反応混合物を水 (3 × 50mL)で抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ (MgSO
4)、減圧で濃縮してフェニル4-オキソブタノエートエステル Lを得た。例えば、エチル 4-(4-クロロフェニル)-4-オキソブタノエートを89% の収率で単離した。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.92 (2 H, d), 7.45 (2H, d), 4.18 (2H, q), 3.28 (2H, d), 2.76 (2H, d), 1.28 (3H, t).LC/MS (M+H)+ 241
工程 2: 中間体 M
MeOH (450 mL) 中のフェニル4-オキソブタノエートエステル L (81.9 ミリモル) に酢酸アンモニウム (63.1 g, 0.819 モル) を添加した。その反応混合物を25℃で1時間撹拌した。シアノホウ水素化ナトリウム (5.14 g, 81.9 ミリモル) をその反応液に添加し、還流して撹拌した。18時間後にその反応液を冷却し、次いで減圧で濃縮した。残渣を酢酸エチル (100 mL) に溶解し、水 (3 × 50mL)で洗浄した。有機相を乾燥させ (MgSO
4)、減圧で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー (シリカ, EtOAc/MeOH) により精製して純粋なピロリジン-2-オン M を得た。例えば、5-(4-クロロフェニル)ピロリジン-2-オンを60%の収率で単離した。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.34 (2 H, d), 7.25 (2H, d), 6.15 (1H, bs), 4.74 (2H, t), 2.62-2.50 (1H, m), 2.50-2.35 (2H, m), 1.98-1.89 (1H, m).LC/MS (M+H)
+ 196
【0049】
工程 3: 中間体 N
ジクロロメタン (450 mL) 中のピロリジン-2-オン M (51.3 ミリモル) 及び炭酸カリウム (205 ミリモル) の撹拌懸濁液にトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート (102 ミリモル) を添加した。その反応混合物を25℃で18時間撹拌した。その反応を飽和NaHCO
3水溶液で停止し、酢酸エチル (3 × 100 mL)で抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ (MgSO
4)、減圧で濃縮して3,4-ジヒドロ-2H-ピロール Nを得た。例えば、2-(4-クロロフェニル)-5-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピロールを93% の収率で得た。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.29 (2 H, d), 7.22 (2H, d), 4.94 (1H, t), 3.90 (3H, s), 2.60-2.55 (3H, m), 1.84-1.79 (1H, M)
工程 4: 中間体 O
3,4-ジヒドロ-2H-ピロール N (23.9 ミリモル) をニトロ酢酸エチル (94 ミリモル) 中で懸濁させ、65℃で加熱した。7時間後、その反応液を冷却し、次いで減圧で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー (シリカ, イソ-ヘキサン / EtOAc) により精製して純粋なニトロエステル Oを得た。例えば、エチル 2-(5-(4-クロロフェニル)ピロリジン-2-イリデン)-2-ニトロアセテートを46% の収率で得た。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 9.82 (0.4H, bs), 9.53 (0.6H, bs), 7.37 (2H, d), 7.21 (2H, d), 5.09-5.02 (1H, m), 4.36-4.27 (2H, m), 3.46-3.16 (2H, m), 2.64-2,58 (1H, m), 2.04-1.31 (1H, m), 1.35 (3H, m) - 生成物はE異性体とZ異性体の1:1 混合物である。
【0050】
工程 5: 中間体 P
5℃の酢酸 (50 mL)中のニトロエステル O (16 ミリモル) に亜鉛ダスト (98 ミリモル) を添加し、25℃で1時間撹拌し、その反応液を濾過し、合わせた濾液を撹拌し、5℃に冷却し、TFA (57 ミリモル) 続いて亜硝酸t-ブチル(53 ミリモル) で処理し、25℃に温め、2時間撹拌した。その混合物を水 (50 ml)で処理し、減圧で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー (シリカ, EtOAc/MeOH) により精製して純粋なジヒドロ-4H-ピロロ-トリアゾール Pを得た。例えば、エチル 6-(4-クロロフェニル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[1,2-c][1,2,3]トリアゾール-3-カルボキシレートを55% の収率で得た。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.32 (2H, d), 7.08 (2H, d), 5.68 (1H, q), 4.39 (2H, q), 3.38-3.12 (3H, m), 2.78-2.70 (1H, m), 1.41 (3H, t).
工程 6: 中間体 Q
ジオキサン (15 mL) 及びMeOH (5 ml) 中のジヒドロ-4H-ピロロ-トリアゾール P (3.6 ミリモル) に水(5 mL)中の水酸化リチウム (4.6 ミリモル) を添加し、25℃で18時間撹拌し、その反応液を減圧で濃縮した。残渣を水 (20 mL) に溶解し、HCl 水溶液でpH 7に調節し、濾過してトリアゾロカルボン酸 Qを得た。例えば、6-(2-クロロフェニル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[1,2-c][1,2,3]トリアゾール-3-カルボン酸を73% の収率でオフホワイトの固体として単離した。
1H NMR δ (ppm)(DMSOd
6): 13.20 (1H, bs), 7.58 (1H, d), 7.45-7.01(2H, m), 6.98-6.91 (1H, m), 6.20-6.11 (1H, m), 3.40-3.30 (1H, m), 3.20-3.09 (2H, m), 2.70-2.58 (1H, m).
工程 7: 中間体 R
トリアゾロカルボン酸 Qをトリアゾロアミン Jへのトリアゾロカルボン酸 Hの変換について既に記載されたプロトコルを使用してトリアゾロアミン Rに変換した。例えば、6-(4-フルオロフェニル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[1,2-c][1,2,3]トリアゾール-3-アミンを50%の収率で無色の油として単離した。
1H NMR δ (ppm)(CHCl
3-d): 7.15-6.98 (4H, m), 5.51-5.47 (1H, q), 3,97 (2H, bs), 3.19-3.10 (1H, m), 2.90-2.77 (2H, m), 2.61-2.50 (1H, m).
中間体 - 3の合成
【0051】
【化13】
【0052】
工程 1: 中間体 T
蒸留水 (120 mL) 中の適当に置換されたフェニルオキシラン S (22.64 ミリモル) にアジ化ナトリウム (4.41g, 68.1 ミリモル) を添加した。その反応混合物を5時間にわたって70℃で加熱し、25℃への冷却後に水 (20mL) 及びDCM (150 mL)で希釈した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発、乾燥させて粗生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー (60-120 メッシュのシリカゲル; 溶離剤: 石油エーテル中20 % のEtOAc)により精製して、中間体 Tを得た。例えば、4-クロロフェニルオキシランを使用して、2-アジド -2-(4-クロロフェニル) エタノールを白色の粉末 (4.2 g, 94 %) として得た。
1H NMR (CDCl
3, 300MHz) δ 7.40 (d, J = 7 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 7 Hz, 2H), 4.71 (dd, J = 7, 3 Hz, 1H), 3.78-3.73 (m, 2H), 1.90 (t, J = 7.5 Hz, 1H).HPLC (方法 H) Rt 3.48 分 (純度: 99.9%).
工程 2: 中間体 U
無水THF (10 mL) 中の水素化ナトリウム (57-63% の油分散液, 447 mg, 11.2 ミリモル) の氷冷却懸濁液に適当に置換されたアジドアルコール T (8.6 ミリモル) のTHF 溶液 (10 mL)を滴下して添加した。その反応混合物を0℃で30分間撹拌し、その後に18-クラウン-6 エーテル (2.95 g, 11.2 ミリモル) 及び3-ブロモ-プロピン (2.05 g, 17.2 ミリモル) のTHF 溶液 (5 mL) を導入した。その反応混合物を0℃で30分間撹拌し、18時間にわたって25℃に徐々に温めた。その反応混合物を水で反応停止し、EtOAc で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発、乾燥して粗物質を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー (60-120メッシュのシリカゲル; 溶離剤: 石油エーテル中5 % のEtOAc)により精製して、中間体 Uを得た。例えば、1-(1-アジド-2-(プロプ-2-インイルオキシ)エチル)-4-クロロベンゼンを白色の油 (2.1 g, 98 %)として得た。
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 7.40-7.37 (m, 2H), 7.35-7.30 (m, 2H), 4.76-4.72 (m, 1H), 4.26-4.24 (m, 2H), 3.76-3.71 (m, 2H), 2.49 (t, J = 7 Hz, 1H).HPLC (方法 H) Rt 4.76 分 (純度: 96.2%).
【0053】
工程 3: 中間体 V
窒素雰囲気下の-70 ℃の乾燥THF (150 mL) 中の溶液に好適に置換されたアジドアルキン U (9.34 ミリモル) 続いてn-ブチルリチウム (2.5 M, 4.1 mL, 10.3 ミリモル) を添加した。その反応混合物をこの温度で30分間撹拌し、その後にBOC 酸無水物 (3.05 g, 14ミリモル) のTHF 溶液 (15 mL)を滴下して添加した。その反応混合物を一夜にわたって25℃に温め、次いで氷−水溶液 (100 mL) で反応停止し、続いて得られる混合物をEt
2O (2x 50mL)で抽出した。その抽出液を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒の除去後に、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー (60-120 メッシュのシリカゲル; 溶離剤: 石油エーテル中50 %のEtOAc)により精製して、中間体 Vを得た。例えば、tert-ブチル 7-(4-クロロフェニル)-6,7-ジヒドロ-4H-[1,2,3]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-3-カルボキシレートを白色の油 (0.37 g, 12 %)として得た。
1H NMR (CDCl
3, 300MHz) δ 7.34 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.08 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 5.64 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 5.26 (d, J = 12 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.26 (dd, J=7, 2 Hz, 1H), 4.10 (dd, J = 7, 2 Hz, 1H), 1.63 (s, 9H).LC/MS 336.2 (M+H)
+.HPLC (方法 H) Rt 4.44 分 (純度: 95.9%).
【0054】
工程 4: 中間体 W
HCl/ジオキサン (4 M, 10 mL) を適当に置換されたtert-ブチルエステル (1.10 ミリモル) に添加し、その反応液を室温で12時間撹拌した。反応の完結後に、有機溶媒を真空で除去し、残渣をDCM (20 mL) と飽和炭酸水素ナトリウム溶液 (10 mL)の混合物に溶解した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発、乾燥させて中間体 Wを粗生成物として得た。例えば、7-(4-クロロフェニル)-6,7-ジヒドロ-4H [1,2,3]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-3-カルボン酸を褐色の油 (220 mg, 71%) として得、これは更に精製しないで使用するのに充分に純粋であった。
1H NMR (CDCl
3, 300MHz) δ 7.34 (d, J = 7 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 7 Hz, 2H), 5.50 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 5.30-5.20 (m, 2H), 4.20-4.10 (m, 2H).LC/MS 280.1 (M+H)
+.HPLC (方法 H) Rt (2.97分 (純度: 94.2%).
中間体 - 4の合成
【0055】
【化14】
【0056】
工程1: (6-ブロモ-ピリジン-2-イル)-酢酸 tert-ブチルエステル (X)
ジイソプロピルアミン (19.6 mL, 0.14モル) をTHF (200 mL) に溶解し、-70 ℃に冷却し、そこでn-ブチルリチウムの市販溶液を滴下して添加した (79 mL,ヘキサン中1.6 M, 0.13 モル) 。20分後に、その混合物を-10 ℃に徐々に温め、次いで-70 ℃に再度冷却した。この溶液に、THF (100 mL)中の2-ブロモ-6-メチルピリジン(20 g, 0.11モル) を添加し、得られる混合物をこの温度で30分間撹拌した。THF (50 mL) 中のBoc 酸無水物 (27.7 g, 0.13モル) を添加し、その反応を-70 ℃で2時間放置し、次いで4時間の期間にわたって室温に徐々に温めた。その反応混合物を水で反応停止し、EtOAc (3 x 200 mL)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機溶媒を減圧で除去し、粗物質をシリカゲルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー(60-120 メッシュのシリカゲル; 溶離剤: 石油エーテル中10 %のEtOAc)により精製して標題化合物 (15 g, 48 %) を淡黄色の液体として得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 7.73-7.69 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.54-7.52 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.38-7.36 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 3.73 (s, 2H ), 1.44 (s, 9H).
【0057】
工程 2: 7-ブロモ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボン酸 tert-ブチルエステル (Y)
MeCN (10 mL)中の(6-ブロモ-ピリジン-2-イル)-酢酸 tert-ブチルエステル (40 g, 0.15モル) の溶液に0℃で窒素雰囲気下でDBU (78.5 g, 0.52モル) を添加した。この冷溶液に、4-アセトアミドベンゼンスルホニルアジド (52.9 g, 0.22モル) を少しづつ添加した。その反応混合物を0℃で2時間撹拌し、2時間の期間にわたって室温に徐々に温めた。その反応混合物を水 (10 mL)で反応停止し、EtOAc (3 x 300 mL)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機溶媒を減圧で除去し、粗物質をシリカゲルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー (60-120メッシュのシリカゲル; 溶離剤: 石油エーテル中10 %のEtOAc)により精製して標題化合物 (15 g, 34 %) を白色の固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ 8.17-8.15 (d , J = 8.6 Hz, 1H), 7.76-7.74 ( d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.67-7.63 (m, 1H), 1.60 (s, 9H). LC/MS (方法 A): 298.2 (M+H)
+.HPLC (方法 A) Rt 4.06分 (純度: 98.1%).
工程 3: 中間体 Z
7-ブロモ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボン酸 tert-ブチルエステル (4.5 g, 0.015 モル) 及び好適に置換されたフェニルボロン酸 (0.017 モル) をジオキサンと水の混合物(80 mL:20 mL)に溶解した。炭酸ナトリウム (1.6 g, 0.020 モル) 及びビス (トリフェニルホスフィン)パラジウム (II) クロリド (0.53 g, 0.7 ミリモル) を窒素雰囲気下で添加し、その反応混合物を5時間にわたって80℃で加熱した。反応の完結後に、その反応混合物を室温に冷却し、セライトパッドにより濾過した。濾液を減圧で濃縮し、得られる残渣をEtOAc (200 mL)で希釈し、水 (2 x 100 mL) 、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機溶媒を減圧で除去し、粗物質をシリカゲルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー (60-120メッシュのシリカゲル; 溶離剤: 石油エーテル中20 %のEtOAc)により精製して中間体 Zを得た。例えば、tert-ブチル 7-(4-フルオロフェニル)[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレートを白色の固体 (3 g, 61 %)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, 400MHz) δ 8.17-8.15 (d , J = 8.6 Hz, 1H), 7.76-7.74 ( d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.67-7.63 (m, 1H), 1.60 (s, 9H).LC/MS (方法 A): 298.2 (M+H)
+.HPLC (方法 A) Rt 4.06分 (純度: 98.1%).
また、tert-ブチル 7-[3-(トリフルオロメチル)フェニル][1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレートを白色の固体(66%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, 400MHz) δ 8.38 (s, 1H), 8.30-8.28 (d , J = 7.8 Hz, 1H), 8.22-8.20 ( dd, J= 1.0 Hz, 8.8 Hz, 1H), 7.98-7.96 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.88-7.82 (m, 1H), 7.62-7.60 (m, 1H), 1.62 (s, 9H).
【0058】
工程 4: 中間体 AA
EtOAc (70 mL) 中の中間体 Z (9.2 ミリモル) の溶液に酢酸 (19.4 g, 0.139 モル) 及びPd/C (3 g, 10 % w/w)を添加した。この混合物を30 Kg/cm
2 の圧力で48時間にわたって水素化した。その溶液をセライトパッドに通し、濾液を減圧で濃縮した。粗物質をシリカゲルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー (60-120メッシュのシリカゲル; 溶離剤: 石油エーテル中20 %のEtOAc)により精製して中間体AAを得た。例えば、tert-ブチル 7-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレートを白色の固体 (1.5 g, 51 %)として得た。
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 7.04-7.0 (m, 2H), 6.90-6.86 (m , 2H), 5.81-5.78 (t, 1H), 3.26-3.20 (m, 1H), 3.14-3.05 (m, 1H), 2.40-2.33 (m, 1H), 2.18-2.13 (m, 1H), 1.89-1.86 (m, 2H), 1.56 (s, 9H).
また、tert-ブチル 7-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレートを白色の固体(82%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, 400MHz) δ 7.71-7.61 (d, J= 7.8 HZ, 1H), 7.61-7.57 (m , 2H), 7.36-7.34 ( d, J= 7.8 Hz, 1H), 5.90-5.87 (m, 1H), 3.11-3.08 (m, 2H), 2.34-2.32 (m, 1H), 2.10-2.06 (m, 1H), 1.85-1.77 (m, 2H), 1.54 (s, 9H).
【0059】
工程 5: 中間体 AB
中間体AA (0.005 モル) をジオキサン (20 mL)に溶解した。ジオキサン中のHCl の市販溶液 (4 M, 20 mL) を徐々に添加し、その反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応の完結 (TLC: CHCl
3: MeOH (9:1), R
f- 0.7)後に、有機溶媒を減圧で蒸発させた。粗物質をジエチルエーテルでスラリー化し、濾過して中間体ABを得た。例えば、7-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボン酸をオフホワイトの固体 (1.0 g, 82 %)として得た。
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 12.9 (s, 1H), 7.21-7.11 (m, 4H), 5.82-5.79 (t , J = 11.9 Hz, 1H), 3.10-3.07 (m, 2H), 2.30-2.23 (m, 1H), 2.05-2.0 (m, 1H), 1.80-1.75 (m, 2H).LC/MS (方法 A): 263.2 (M+H)
+.HPLC (方法 A) Rt 3.20分 (純度: 99.4%).
また、7-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボン酸を白色の固体 (62%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, 400MHz) δ 7.71-7.69 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.62-7.58 (m , 2H), 7.37-7.35 ( d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.92-5.88 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 3.12-3.09 (m, 2H), 2.38-2.33 (m, 1H), 2.11-2.06 (m, 1H), 1.82-1.78 (m, 2H).LC/MS (方法 A): 313.1 (M+H)
+.HPLC (方法 A) Rt 3.90分 (純度: 99.3%).
一般方法
一般方法 A:
カルーセル(carousel)管に好適に置換されたアリールハライド (0.247 ミリモル) 、好適に置換されたトリアゾロアミン J (0.247 ミリモル) 、Pd
2dba
3 (11 mg, 0.012 ミリモル) 、キサントフォス (21 mg, 0.037 ミリモル) 及びCs
2CO
3 (80 mg, 0.247 ミリモル) を仕込んだ。ジオキサン (3 mL)を添加し、窒素を5分間にわたってその混合物に吹き込んだ。カルーセル管をシールし、反応液を110 ℃で一夜撹拌した。その反応混合物を25℃に冷却し、次いでDCM (30 mL) と水 (25 mL) の間に分配した。有機相を集め、水相をDCM (2 × 30 mL) で抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥させ (MgSO
4)、濾過し、真空で蒸発、乾燥させた。粗残渣をDMSOに溶解し、分取HPLCにより精製した。
下記の化合物を中間体 Jから調製した。
【0060】
【化15】
【0061】
【0062】
【0063】
一般方法 B:
カルーセル管に好適に置換されたアリールハライド (0.247 ミリモル) 、好適に置換されたトリアゾロアミン J (0.247 ミリモル) 、Pd
2dba
3 (11 mg, 0.012 ミリモル) 、キサントフォス (21 mg, 0.037 ミリモル) 及びCs
2CO
3 (80 mg, 0.247 ミリモル) を仕込んだ。ジオキサン(3 mL)を添加し、窒素を5分間にわたってその混合物に吹き込んだ。カルーセル管をシールし、反応液を70℃で一夜撹拌した。その反応混合物を25℃に冷却し、次いでDCM (30 mL) と水 (25 mL)の間に分配した。有機相を集め、水相をDCM (2 × 30 mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥させ (MgSO
4)、濾過し、真空で蒸発、乾燥させた。粗残渣をDMSOに溶解し、分取HPLCにより精製した。
下記の化合物を中間体 Rから調製した。
【0064】
【化16】
【0065】
一般方法 C:
DMF (1 mL)中の好適に置換されたトリアゾロカルボン酸 H (0.224 ミリモル) に好適に置換されたアニリン (0.224 ミリモル) 、HATU (O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N′,N′-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート) (0.246 ミリモル) 続いてジイソプロピルエチルアミン (0.673 ミリモル) を添加し、25℃で18時間撹拌した。その反応混合物を分取HPLCにより直接精製して純粋なアミドを得た。
下記の化合物を中間体 Hから調製した。
【0066】
【化17】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
下記の化合物を中間体 Qから調製した。
【化18】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
下記の化合物を中間体 Wから調製した。
【化19】
【0076】
一般方法 D:
DMF (1 mL)中の好適に置換されたトリアゾロアミン (0.247 ミリモル) に好適に置換されたカルボン酸 (0.247 ミリモル) 、HATU (O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N′,N′-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート) (0.272 ミリモル) 続いてジイソプロピルエチルアミン (0.742 ミリモル) を添加し、25℃で18時間撹拌した。その反応混合物を分取HPLCにより直接精製して純粋なアミドを得た。
下記の化合物を中間体 Jから調製した。
【0077】
【化20】
【0078】
【0079】
【0080】
下記の化合物を中間体 Rから調製した。
【化21】
【0081】
一般方法 E:
THF (4 ml)中の好適に置換されたアミド (0.422 ミリモル) にNaH (0.422 ミリモル,油中60%)を添加し、その反応液を25℃で1時間撹拌した。次いでこれをシールした管中で25℃で24時間にわたって撹拌しながらヨウ化メチル (0.422 モル) で処理した。その反応液をDCM と水の間に分配した。合わせた有機抽出液を乾燥させ (MgSO
4)、濾過し、真空で蒸発、乾燥させた。粗残渣をDMSOに溶解し、分取HPLCにより精製した。
例えば、7-(4-クロロフェニル)-N-(3-メトキシ-4-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル)-N-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキサミドを19% の収率で単離した。
1H NMR δ (ppm) (CHCl
3-d): 7.71 (1H, s), 7.28 (2H, m), 7.21 (1H, d), 6.97 (1H, s), 6.87 (4H, m), 5.63 (1H, t), 3.81 (3H, s), 3.67 (3H, bs), 3.22-3.12 (2H, m), 2.4-2.33 (1H m), 2.30 (3H, s), 2.16-2.08 (1H, m), 1.91-1.83 (2H, m).LC/MS (M+H)
+ 477
【0082】
【化22】
【0083】
本発明の化合物は適当な溶媒からの結晶化又は適当な溶媒の蒸発により溶媒分子と会合して単離し得る。
塩基性中心を含む、式 (I)の化合物の医薬上許される陰イオン塩は、通常の様式で調製し得る。例えば、遊離塩基の溶液が、ニート又は好適な溶液中で、好適な酸で処理されてもよく、得られる塩が濾過又は反応溶媒の真空下での蒸発により単離されてもよい。
酸性中心を含む、式 (I)の化合物の医薬上許される陽イオン塩は、通常の様式で調製し得る。例えば、遊離酸の溶液が、ニート又は好適な溶液中で、好適な塩基で処理されてもよく、得られる塩が濾過又は反応溶媒の真空下での蒸発により単離されてもよい。或る場合には、塩は、式 (I)の化合物の所望のアルカリ塩又はアルカリ土類塩が沈澱し、又はそれ以外に濃縮及び非溶剤の添加により単離し得る溶媒を使用して、酸の溶液をアルカリ塩又はアルカリ土類塩(例えば、エチルヘキサン酸ナトリウム、オレイン酸マグネシウム)と混合することにより調製し得る。
塩の両方の型がイオン交換樹脂技術を使用して精製又は相互変換し得る。
使用される条件に応じて、反応時間が一般に数分〜14日である。反応温度は約-30 ℃〜約140 ℃、通常-10 ℃〜90℃、特に約0℃〜70℃である。
更に、式 (I)及び関連式の化合物は式 (I)の化合物を加溶媒分解剤又は水素化分解剤による処理によりそれらの官能性誘導体の一つから遊離することにより得られる。
加溶媒分解又は水素化分解に好ましい出発物質は式I及び関連式に合致するが、一つ以上の遊離アミノ基及び/又はヒドロキシル基に代えて相当する保護されたアミノ基及び/又はヒドロキシル基を含むもの、好ましくはN原子に結合されたH原子に代えてアミノ保護基を有するもの、特にHN基に代えてR*-N基(式中、R*はアミノ保護基を表す)を有するもの、及び/又はヒドロキシル基のH原子に代えてヒドロキシル保護基を有するもの、例えば、式Iに合致するが、-COOH 基に代えて-COOR** 基(式中、R** はヒドロキシル保護基を表す)を有するものである。
また、複数の同じ又は異なる保護されたアミノ基及び/又はヒドロキシル基が出発物質の分子中に存在することが可能である。存在する保護基が互いに異なる場合、それらは多くの場合に選択的に開裂し得る。
【0084】
“アミノ保護基”という用語は一般用語で知られており、アミノ基を化学反応に対して保護(ブロック)するのに適しているが、所望の化学反応が分子中のいずれかで行なわれた後に除去するのに容易である基に関する。このような基の典型例は、特に、未置換又は置換アシル基、アリール基、アラルコキシメチル基又はアラルキル基である。アミノ保護基は所望の反応(又は反応順序)後に除去されるので、それらの型及びサイズは更に重要ではないが、1-20個、特に1-8 個の炭素原子を有するものが好ましい。“アシル基”という用語は本方法に関して最も広い意味で理解されるべきである。それは脂肪族、芳香族脂肪族、芳香族又は複素環のカルボン酸又はスルホン酸から誘導されたアシル基、特に、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、特にアラルコキシカルボニル基を含む。このようなアシル基の例はアルカノイル、例えば、アセチル、プロピオニル及びブチリル;アラルカノイル、例えば、フェニルアセチル;アロイル、例えば、ベンゾイル及びトリル;アリールオキシアルカノイル、例えば、POA ;アルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、BOC (tert-ブトキシカルボニル) 及び2-ヨードエトキシカルボニル;アラルコキシカルボニル、例えば、CBZ (“カルボベンゾキシ”) 、4-メトキシベンジルオキシカルボニル及びFMOC;並びにアリールスルホニル、例えば、Mtr である。好ましいアミノ保護基はBOC 及びMtr 、更にCBZ 、Fmoc、ベンジル及びアセチルである。
“ヒドロキシル保護基”という用語は同様に一般用語で知られており、ヒドロキシル基を化学反応に対して保護するのに適しているが、所望の化学反応が分子中のいずれかで行なわれた後に除去するのに容易である基に関する。このような基の典型例は上記された未置換又は置換アリール基、アラルキル基又はアシル基、更にまたアルキル基である。ヒドロキシル保護基の性質及びサイズは重要ではない。何とならば、それらが所望の反応又は反応順序後に除去されるからである。1-20個、特に1-10個の炭素原子を有する基が好ましい。ヒドロキシル基の例は、とりわけ、ベンジル、4-メトキシベンジル、p-ニトロベンゾイル、p-トルエンスルホニル、tert-ブチル及びアセチルであり、ベンジル及びtert-ブチルが特に好ましい。
【0085】
式I及び関連式の化合物は、使用される保護基に応じて、例えば、強無機酸、例えば、塩酸、過塩素酸又は硫酸、強有機カルボン酸、例えば、トリクロロ酢酸、TFA 又はスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸又はp-トルエンスルホン酸によりそれらの官能性誘導体から遊離される。付加的な不活性溶媒の存在が可能であるが、常に必要であるとは限らない。好適な不活性溶媒は有機酸、例えば、カルボン酸、例えば、酢酸、エーテル、例えば、テトラヒドロフラン又はジオキサン、アミド、例えば、DMF 、ハロゲン化炭化水素、例えば、ジクロロメタン、更にまたアルコール、例えば、メタノール、エタノール又はイソプロパノール、及び水であることが好ましい。上記溶媒の混合物が更に好適である。TFA が更なる溶媒を添加しないで過剰に使用されることが好ましく、また過塩素酸が9:1 の比の酢酸と70%の過塩素酸の混合物の形態で使用されることが好ましい。開裂のための反応温度は有利には約0℃〜約50℃、好ましくは15℃〜30℃(室温)である。
BOC 基、OtBut 基及びMtr 基は、例えば、好ましくは15-30 ℃でジクロロメタン中のTFA を使用して、又はジオキサン中の約3-5 N HCl を使用して開裂でき、またFMOC基は15-30 ℃でDMF 中のジメチルアミン、ジエチルアミン又はピペリジンの約5 〜50% の溶液を使用して開裂し得る。
水素化分解により除去し得る保護基(例えば、CBZ 、ベンジル又はそのオキサジアゾールからのアミジノ基の遊離)は、例えば、触媒(例えば、有利にはカーボンの如き担体上の貴金属触媒、例えば、パラジウム)の存在下で水素による処理により開裂し得る。ここで好適な溶媒は先に示されたもの、特に、例えば、アルコール、例えば、メタノールもしくはエタノール、又はアミド、例えば、DMF である。その水素化分解は一般に約0℃〜100 ℃の温度及び約1バール〜200 バールの圧力、好ましくは20-30 ℃及び1-10バールで行なわれる。CBZ 基の水素化分解は、例えば、メタノール中で5 〜10% のPd/Cで、又は20-30 ℃でメタノール/DMF中でPd/Cでギ酸アンモニウム (水素に代えて) を使用してうまくいく。
【0086】
好適な不活性溶媒の例は炭化水素、例えば、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン又はキシレン; 塩素化炭化水素、例えば、トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、テトラクロロメタン、トリフルオロメチルベンゼン、クロロホルム又はジクロロメタン; アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール又はtert-ブタノール; エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン (THF) 又はジオキサン; グリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル又はエチレングリコールジメチルエーテル (ジグライム);ケトン、例えば、アセトン又はブタノン; アミド、例えば、アセトアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン (NMP)又はジメチルホルムアミド (DMF); ニトリル、例えば、アセトニトリル; スルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシド (DMSO);二硫化炭素; カルボン酸、例えば、ギ酸又は酢酸; ニトロ化合物、例えば、ニトロメタン又はニトロベンゼン; エステル、例えば、酢酸エチル、或いは前記溶媒の混合物である。
エステルは、例えば、0℃〜100 ℃の温度で、水、水/THF、水/THF/エタノール又は水/ジオキサン中でHCl 、H2SO4 を使用して、又はLiOH、NaOHもしくはKOH を使用して加水分解し得る。
更に、遊離アミノ基は通常の様式で塩化アシルもしくは酸無水物を使用してアシル化でき、又は有利には不活性溶媒、例えば、ジクロロメタン又はTHF 中で、かつ/又は塩基、例えば、トリエチルアミン又はピリジンの存在下で、-60 ℃〜+30 ℃の温度で未置換又は置換アルキルハライドを使用してアルキル化し得る。
【0087】
式 (I)及び関連式はまたこれらの化合物の光学活性形態(立体異性体)、鏡像体、ラセミ体、ジアステレオマー及び水和物並びに溶媒和物を含む。“化合物の溶媒和物”という用語はそれらの相互の吸引力により生成する化合物への不活性溶媒分子の付加を意味すると解される。溶媒和物は、例えば、一水和物もしくは二水和物又はアルコラートである。
“医薬上使用できる誘導体”という用語は、例えば、式Iの化合物の塩及び所謂プロドラッグ化合物を意味すると解される。
“プロドラッグ誘導体”という用語は、例えば、アルキル基もしくはアシル基、糖又はオリゴペプチドで変性され、生物中で迅速に開裂されて活性化合物を生成する式Iの化合物を意味すると解される。好ましくは、式Iの化合物の“プロドラッグ”は、例えば、血液中の加水分解により生体内で迅速に変換されて式Iの親化合物を生じる誘導体化合物を表す。T.Higuchi 及びV.Stellaは“新規送出系としてのプロドラッグ” A.C.S. シンポジウムシリーズの14巻, American Chemical Society (1975)にプロドラッグ概念の充分な説明を提示している。カルボキシル基を含む化合物についてのプロドラッグとして有益なエステルの例が“ドラッグデザインにおける生物可逆性キャリヤー:理論及び適用”, E.B.Roche 編集, Pergamon Press: New York (1987) の14-21 ページに見られる。これらの文献、並びにこの明細書中に引用されたあらゆるその他の文献が、本明細書に参考として含まれることが意図されている。
これらとして、例えば、Int.J.Pharm.115, 61-67 (1995) に記載されたような、本発明の化合物の生分解性ポリマー誘導体がまた挙げられる。
式 (I)及び関連式はまた式Iの化合物の混合物、例えば、比1:1 、1:2 、1:3 、1:4 、1:5 、1:10、1:100 又は1:1000の2種のジアステレオマーの混合物を含む。
これらは特に立体異性体化合物の混合物であることが特に好ましい。
【0088】
医薬製剤は投薬単位の形態で投与でき、これらは投薬単位当り前もって決められた量の活性成分を含む。このような単位は、治療される症状、投与の方法並びに患者の年齢、体重及び状態に応じて、例えば、0.5 mg〜1 g 、好ましくは1 mg〜700 mg、特に好ましくは5 mg〜100 mgの本発明の化合物を含むことができ、又は医薬製剤は投薬単位当り前もって決められた量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与し得る。好ましい投薬単位製剤は先に示されたような毎日の用量もしくは部分用量、又はその相当する分率の活性成分を含むものである。更に、この型の医薬製剤は医薬業界で一般に知られている、方法を使用して調製し得る。
医薬製剤はあらゆる所望の好適な方法、例えば、経口(頬又は舌下を含む)方法、直腸方法、鼻内方法、局所(頬、舌下又は経皮を含む)方法、膣又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内又は皮内を含む)方法による投与に適し得る。このような製剤は医薬業界で知られている全ての方法を使用して、例えば、活性成分を一種以上の賦形剤又は一種以上のアジュバントと合わせることにより調製し得る。
経口投与に適した医薬製剤は別々の単位、例えば、カプセル又は錠剤;粉末又は顆粒;水性又は非水性液体中の溶液又は懸濁液;食用フォーム又はフォームフード;或いは水中油液体エマルション又は油中水液体エマルションとして投与し得る。
こうして、例えば、錠剤又はカプセルの形態での経口投与の場合には、活性成分が経口の無毒性かつ医薬上許される不活性賦形剤、例えば、エタノール、グリセロール、水等と合わせられる。粉末は化合物を好適な微細サイズに微粉砕し、それを同様の様式で微粉砕された医薬賦形剤、例えば、食用炭水化物、例えば、澱粉又はマンニトールと混合することにより調製される。風味料、防腐剤、分散剤及び色素が同様に存在してもよい。
【0089】
カプセルは上記粉末混合物を調製し、成形されたゼラチンシェルにそれを充填することにより製造される。滑剤及び潤滑剤、例えば、高度に分散されたケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム又は固体形態のポリエチレングリコールが、その充填操作の前に粉末混合物に添加し得る。崩壊剤又は可溶化剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム又は炭酸ナトリウムが、カプセルが服用された後の薬物の利用能を改良するために同様に添加されてもよい。
加えて、所望又は必要の場合、好適なバインダー、潤滑剤及び崩壊剤だけでなく、色素が混合物に同様に混入し得る。好適なバインダーとして、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えば、グルコース又はベータ−ラクトース、トウモロコシからつくられた甘味料、天然及び合成のゴム、例えば、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等が挙げられる。これらの剤形中に使用される潤滑剤として、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤として、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等が挙げられるが、これらに限定されない。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、その混合物を造粒又は乾式プレスし、潤滑剤及び崩壊剤を添加し、全混合物をプレスして錠剤を得ることにより製剤化される。粉末混合物は好適な様式で微粉砕された化合物を上記希釈剤又はベース、必要によりバインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン又はポリビニル−ピロリドン、溶解遅延剤、例えば、パラフィン、吸収促進剤、例えば、四級塩、及び/又は吸収剤、例えば、ベントナイト、カオリン又はリン酸二カルシウムと混合することにより調製される。粉末混合物はそれをバインダー、例えば、シロップ、澱粉ペースト、アラビアゴム粘液又はセルロースもしくはポリマー材料の溶液で湿らせ、それを篩中でプレスすることにより造粒し得る。造粒の別法として、粉末混合物が錠剤形成機中を走らされて、非一様の形状の塊を得、これらが分解されて顆粒を形成する。顆粒は錠剤キャスティング金型への粘着を防止するためにステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク又は鉱油の添加により潤滑し得る。次いで潤滑された混合物がプレスされて錠剤を得る。活性成分はまた易流動性の不活性賦形剤と合わされ、次いで直接プレスされて造粒又は乾式プレス工程を行なわずに錠剤を得ることができる。セラックシール層、糖又はポリマー材料の層及びワックスの光沢層からなる透明又は不透明の保護層が存在してもよい。色素が異なる投薬単位を区別することができるためにこれらの被覆物に添加し得る。
【0090】
経口液、例えば、溶液、シロップ及びエリキシル剤は、所定の量が前もって特定された量の化合物を含むように投薬単位の形態で調製し得る。シロップは化合物を好適な風味料とともに水溶液に溶解することにより調製でき、一方、エリキシル剤は無毒性アルコールビヒクルを使用して調製される。懸濁液は無毒性ビヒクル中の化合物の分散により製剤化し得る。可溶化剤及び乳化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール及びポリオキシエチレンソルビトールエーテル、防腐剤、風味添加剤、例えば、ペパーミントオイル又は天然甘味料もしくはサッカリン、又はその他の人工甘味料等が、同様に添加し得る。
経口投与のための投薬単位製剤は、所望される場合、マイクロカプセル中に封入し得る。製剤はまた放出が延長又は遅延されるような方法で、例えば、ポリマー、ワックス等中の粒状材料の被覆又は埋封により調製し得る。
式 (I)、及び関連式の化合物並びにこれらの塩、溶媒和物及び生理学的に機能性の誘導体並びにその他の活性成分はまたリポソーム送出系、例えば、小さい単層小胞、大きい単層小胞及び多層小胞の形態で投与し得る。リポソームは種々のリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンから形成し得る。
式 (I)、及び関連式の化合物並びにこれらの塩、溶媒和物及び生理学的に機能性の誘導体並びにその他の活性成分はまた化合物分子がカップリングされる個々の担体としてモノクローナル抗体を使用して送出し得る。化合物はまた標的薬物担体としての可溶性ポリマーにカップリングし得る。このようなポリマーはポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピル−メタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミド−フェノール又はポリエチレンオキサイドポリリシン(パルミトイル基により置換された)を含んでもよい。化合物は更に薬物の制御された放出を得るのに適している生分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリ−エプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ−オルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレート及びヒドロゲルの架橋又は両親媒性ブロックコポリマーにカップリングし得る。
【0091】
経皮投与に適した医薬製剤はレシピエントの表皮との延長された、密接な接触のための独立のプラスターとして投与し得る。こうして、例えば、活性成分はPharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986) に一般に記載されたような、イオン導入法によりプラスターから送出し得る。
局所投与に適した医薬化合物は軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル又はオイルとして製剤化し得る。
眼又はその他の外部組織、例えば、口及び皮膚の治療のために、製剤が局所軟膏又はクリームとして適用されることが好ましい。軟膏を得るための製剤化の場合、活性成分がパラフィン性又は水混和性のクリームベースとともに使用し得る。また、活性成分が水中油クリームベース又は油中水ベースを含むクリームを得るために製剤化し得る。
眼への局所適用に適した医薬製剤として、点眼液が挙げられ、その中に活性成分が好適な担体、特に水性溶媒に溶解又は懸濁される。
口中の局所適用に適した医薬製剤はロゼンジ、香錠及び口洗浄液を含む。
直腸投与に適した医薬製剤は座薬又は浣腸の形態で投与し得る。
鼻投与に適した医薬製剤(その中で、担体物質が固体である)は、例えば、20-500ミクロンの範囲の粒子サイズを有する粗い粉末を含み、これは嗅剤が服用される様式で、即ち、鼻の近くに保持された粉末を含む容器からの鼻通過による迅速な吸入により投与される。担体物質としての液体を含む鼻スプレー又は点鼻薬としての投与に適した製剤は水又は油中に活性成分溶液を含む。
【0092】
吸入による投与に適した医薬製剤は微粒状ダスト又はミストを含み、これらはエアロゾル、ネブライザー又は吹送装置を備えた種々の型の加圧ディスペンサーにより生成し得る。
膣投与に適した医薬製剤はペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー製剤として投与し得る。
非経口投与に適した医薬製剤として、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬及び溶質を含む水性及び非水性の無菌注射液(これらにより製剤が治療されるレシピエントの血液と等張性にされる);並びに水性及び非水性の無菌懸濁液(これらは懸濁媒体及び増粘剤を含んでもよい)が挙げられる。製剤は単一投薬又は多投薬容器、例えば、シールされたアンプル及びバイアル中で投与でき、凍結乾燥状態で貯蔵でき、その結果、使用直前の無菌担体液体、例えば、注射目的のための水の添加のみが必要である。
そのレシピに従って調製される注射溶液及び懸濁液は無菌粉末、顆粒及び錠剤から調製し得る。
特別に上記された成分に加えて、製剤がまた製剤の特別な型に関して当業界で通常のその他の薬剤を含んでもよいことは言うまでもなく、こうして、例えば、経口投与に適している製剤は風味料を含んでもよい。
式 (I)、及び関連式の化合物並びにその他の活性成分の治療有効量は、例えば、動物の年齢及び体重、治療を必要とする正確な症状、及びその重度、製剤の性質並びに投与の方法を含む幾つかの因子に依存し、最終的に治療医師又は獣医により決められる。しかしながら、化合物の有効量は一般に1日当りレシピエント(哺乳類)の体重1kg当り0.1 〜100 mgの範囲、特に典型的には1日当り体重1kg当り1〜10mgである。こうして、体重70kgの成体哺乳類について1日当りの実際の量は通常70〜700 mgであり、この場合、この量が1日当りの個々の用量として、又は通常1日当りの一連の部分用量(例えば、2回、3回、4回、5回又は6回)で投与でき、その結果、合計の毎日の用量が同じである。これらの塩もしくは溶媒和物又は生理学的に機能性の誘導体の有効量は化合物それ自体の有効量の分数として決められる。
【0093】
実施例49: In vitroアッセイ
IC
50 値を測定するためのアミロイドβペプチド放出 (Aβ42 & Aβ合計) アッセイ
アミロイドβペプチド放出 (Aβ42 & Aβ合計) アッセイを、試験化合物に暴露されたAPPswe-HEK細胞から生じる上澄みを使用して、20μl の最終容積で384 ウェル・ミクロタイタプレート (パーキン・エルマーアルファプレート# 6008350)中で行なう。化合物を100% DMSO に溶解し、希釈し、24時間にわたって37℃で5% CO
2中でAPPswe-HEK細胞とともにインキュベートする。APPswe-HEK細胞からの上澄みを抗体:
Aβ 42検出のために: AlphaLisa緩衝液 (供給業者の指示のため) 中で希釈されたAlphaLisa アミロイドAβ 1-42 キット (パーキン・エルマーAL203L) 坑アミロイドβ1-42-特異性抗体アクセプタービーズ、ビオチニル化坑アミロイド“β1-42”抗体及びストレプトアビジン(SA)ドナービーズと混合する。
Aβ 合計検出のために: AlphaLisa緩衝液 (供給業者の指示のため) 中で希釈された注文坑アミロイドβ合計アクセプタービーズ (6E10アクセプタービーズ) 、ビオチニル化坑アミロイド“β1-42”抗体(パーキン・エルマーAL203L)及びストレプトアビジン(SA)ドナービーズ。抗体混合物への上澄みの添加後に、そのアッセイを4時間30分インキュベートする。アミロイドβペプチド放出 (Aβ42 & Aβ 合計) をアルファスクリーンモジュールを使用するフェラスターFS (BMG) マルチモードリーダーで測定する。
IC
50 値を測定するための細胞生存アッセイ
細胞生存アッセイを24時間にわたって試験化合物に暴露されたAPPswe-HEK細胞を含むプレートを使用して、384 ウェル・ミクロタイタプレート (コーニング# 3712) 中で30μlの最終容積で行なう。細胞への等容積のCellTiter-Glo (プロメガ)の添加後に、そのアッセイを10分間インキュベートする。細胞生存をルミネセンス・プラスモジュールを使用するフェラスターFS (BMG) マルチモードリーダーで測定する。
【0094】
免疫沈澱及びMALDI-TOF 質量分析法
APP Swedish 変異体
K595N/M596L を過剰発現するヒト胚性腎臓細胞 (HEK-APPsw)を16時間にわたって0.5%のジメチルスルホキシド (DMSO) 又は化合物の存在下で増殖させた。Aβペプチドを室温で3時間にわたってならし培地からモノクローナルマウス抗体6E10及び4G8(両方ともコバンス、プリンストン、NJ、USA)で免疫沈澱させた。全てのサンプルを免疫沈澱の前に60 ng の同位元素標識
13C
15N ベータ−アミロイド (1-40) (Anaspec, Fremont, CA, USA) 内部較正物質でスパイクした。免疫複合体を一夜にわたって4℃でヤギ坑マウスIgG 磁性ダイナビーズ (インビトロゲン、パイスレイ、UK) で捕捉し、続いて (Beher, 2002, J.Neurochem.82: 563-575) に従ってビーズを繰り返し洗浄した。ペプチドをビーズから0.1%のトリフルオロ酢酸で溶離した。サンプルをMALDI TOF プレートにスポットし、0.1%のトリフルオロ酢酸、50% のアセトニトリル中のα-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸基質の均等の1:1 容積をまたプレートにスポットした。続いてAβペプチドの基質補助レーザー脱着/イオン化飛行時間 (MALDI-TOF)質量分析を夫々のサンプルについて平均5回100 ショットの線形陽イオンモードでVoyager-DE
TM PRO 質量分析装置 (アプライド・バイオシステムズ、フォスター・シティ、CA、USA)で行なった。データ分析のために、個々のピーク強さを、ペプチド対較正物質ピーク強さの比を計算することにより内部較正物質に対して標準化した。化合物処理後の変化をDMSO対照について得られた個々の比に対して表した。
【0095】
【化23】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【表1】
【0108】
実施例49: In vivo アッセイ:
脳中のAβペプチドの測定
ラット脳を50 mM NaCl, pH 10 (10% v/w) 中の0.2%のジエチルアミン (サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック社、ワルタム、MA、USA)中で均一にし、35分間にわたって355, 000 x gで遠心分離した。上澄みを除去し、0.5 M Tris HCl pH 6.8 (10% v/v) で中和した。DEA 脳抽出液を、ビオチニル化中間領域Aβ抗体、4G8(コバンス、プリンストンNJ、USA)及びルテニル化C末端Aβ40抗体G2-10(ミリポア、ビレリカ、MA、USA)を使用する感受性イムノアッセイを使用してAβについてアッセイした。プレートをSECTOR(登録商標)イメージャー6000 (メソ・スケール・ディスカバリイ、ガイザースブルグ、MD、USA)で分析した。脳抽出液をヒト/ラットベータアミロイド (42) ELISA キット (ワコウ・ケミカルズ、GmbH、ノイス、ドイツ) を使用してAβ42についてアッセイした。