(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の室内ユニットは、複数の吹出口を備えており、運転中には原則として全ての吹出口から空気を吹き出す。吹出口の吹出し風速(即ち、吹出口から吹き出される空気の流速)が低いと、室内ユニットに比較的近い領域だけに暖気や冷気が滞留し、室内空間の各部分における気温の差が大きくなり、室内の快適性が損なわれる。
【0005】
この問題の対策としては、吹出し風速を高め、室内ユニットから離れた場所にも吹出し気流(即ち、吹出口から吹き出される空気の流れ)を到達させることが考えられる。しかし、吹出し風速を高めると、吹出し気流が在室者の体に直接当たり続け、不快感を与えるおそれがある。つまり、吹出し風速を単に高めるだけでは、室内の快適性を向上させることができない。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吹出し気流が在室者の体に直接当たることによる不快感を抑えつつ、室内空間の各部分における気温の差を縮小して快適性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1,第3の各発明は、天井(501)に設置されて室内空間(500)へ調和空気を吹き出す空気調和装置の室内ユニットを対象とする。そして、調和空気の流れを阻害するための気流阻害機構(50)がそれぞれに設けられた複数の吹出し開口(24a〜24d)が形成され、全ての上記吹出し開口(24a〜24d)から上記室内空間(500)へ調和空気を供給する全部吹出し動作と、一部の上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を上記気流阻害機構(50)で阻害することによって残りの上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し風速を高める一部吹出し動作とを切り換えながら繰り返し行う気流ローテーションが実行されるように上記気流阻害機構(50)を制御する制御器(90)を備え、複数の上記吹出し開口(24a〜24d)のそれぞれには、吹出し気流の方向を上下方向に変更するための風向調節羽根(51)が設けられ、上記制御器(90)は、上記一部吹出し動作中に吹出し風速が高くなる上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が水平吹き状態となるように、上記風向調節羽根(51)を制御するものである。
【0008】
第1,第3の各発明の室内ユニット(10)は、全部吹出し動作と、一部吹出し動作とを実行可能である。全部吹出し動作では、全ての吹出し開口(24a〜24d)から調和空気が室内空間(500)へ供給される。一部吹出し動作では、室内ユニット(10)に形成された一部の吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が気流阻害機構(50)によって阻害される。その結果、室内ユニット(10)に形成された残りの吹出し開口(24a〜24d)の吹出し風速が全部吹出し動作中に比べて高くなり、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域にまで吹出し気流が到達する。一部吹出し動作中は、主に残りの吹出し開口(24a〜24d)(即ち、一部吹出し動作中における吹出し風速が全部吹出し動作中に比べて高くなる吹出し開口(24a〜24d))から、調和空気が室内空間(500)へ供給される。
【0009】
第1,第3の各発明の室内ユニット(10)は、気流ローテーションを実行する。この気流ローテーションでは、制御器(90)が気流阻害機構(50)を制御することによって、全部吹出し動作と一部吹出し動作とが切り換えて行われる。つまり、室内ユニット(10)の気流ローテーションでは、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域に調和空気が供給される全部吹出し動作と、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域に調和空気が供給される一部吹出し動作とが行われる。
【0010】
また、
第1,第3の各発明において、室内ユニット(10)の一部吹出し動作中には、室内ユニット(10)に設けられた複数の吹出し開口(24a〜24d)の一部から調和空気が概ね水平方向へ吹き出される。一部吹出し動作では、比較的流速の高い吹出し気流が概ね水平方向へ吹き出される。このため、吹出し気流が在室者の体に直接当たって不快感を与えることなく、室内ユニット(10)から比較的遠い領域へ調和空気を到達させることができる。
【0011】
第1の発明は、
上記の構成に加えて、上記制御器(90)は、加熱された調和空気が上記室内空間(500)へ供給される暖房運転において、上記全部吹出し動作中に全ての上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が下吹き状態となるように、上記風向調節羽根(51)を制御するものである。
【0012】
第1の発明では、室内ユニット(10)の全部吹出し動作中に、全ての吹出し開口(24a〜24d)から調和空気が下向きに吹き出される。このため、全部吹出し動作中は、加熱された調和空気が床面付近の領域(即ち、在室者の足下)へ供給される。一方、室内ユニット(10)の一部吹出し動作中には、室内ユニット(10)に設けられた複数の吹出し開口(24a〜24d)の一部から調和空気が概ね水平方向へ吹き出される。このように、一部吹出し動作では、比較的流速の高い吹出し気流が概ね水平方向へ吹き出される。このため、吹出し気流が在室者の体に直接当たって不快感を与えることなく、室内ユニット(10)から比較的遠い領域へ調和空気を到達させることができる。
【0013】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記制御器(90)は、冷却された調和空気が上記室内空間(500)へ供給される冷房運転において、上記全部吹出し動作中に全ての上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向が変動するように、上記風向調節羽根(51)を制御するものである。
【0014】
第3の発明は、
上記の構成に加えて、上記制御器(90)は、冷却された調和空気が上記室内空間(500)へ供給される冷房運転において、上記全部吹出し動作中に全ての上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向が変動するように、上記風向調節羽根(51)を制御するものである。
【0015】
第2,第3の各発明では、室内ユニット(10)の全部吹出し動作中に、全ての吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の流れ方向が上下方向に変動する。このため、全部吹出し動作中は、冷却された調和空気が室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域へ供給される。一方、室内ユニット(10)の一部吹出し動作中には、室内ユニット(10)に設けられた複数の吹出し開口(24a〜24d)の一部から調和空気が概ね水平方向へ吹き出される。このように、一部吹出し動作では、比較的流速の高い吹出し気流が概ね水平方向へ吹き出される。このため、吹出し気流が在室者の体に直接当たって不快感を与えることなく、室内ユニット(10)から比較的遠い領域へ調和空気を到達させることができる。
【0016】
第4の発明は、上記第1
又は第2の発明において、複数の上記吹出し開口(24a〜24d)は、一部の上記吹出し開口(24b,24d)が第1開口(24X)を、残りの上記吹出し開口(24a,24c)が第2開口(24Y)をそれぞれ構成し、上記制御器(90)は、上記第2開口(24Y)の吹出し気流を上記気流阻害機構(50)で阻害することによって上記第1開口(24X)の吹出し風速を高める第1一部吹出し動作と、上記第1開口(24X)の吹出し気流を上記気流阻害機構(50)で阻害することによって上記第2開口(24Y)の吹出し風速を高める第2一部吹出し動作との少なくとも一方が、上記気流ローテーションにおいて行われるように上記気流阻害機構(50)を制御するものである。
【0017】
第5の発明は、上記
第2又は第3の発明において、複数の上記吹出し開口(24a〜24d)は、一部の上記吹出し開口(24b,24d)が第1開口(24X)を、残りの上記吹出し開口(24a,24c)が第2開口(24Y)をそれぞれ構成し、上記制御器(90)は、上記第2開口(24Y)の吹出し気流を上記気流阻害機構(50)で阻害することによって上記第1開口(24X)の吹出し風速を高める第1一部吹出し動作と、上記第1開口(24X)の吹出し気流を上記気流阻害機構(50)で阻害することによって上記第2開口(24Y)の吹出し風速を高める第2一部吹出し動作との少なくとも一方が、上記気流ローテーションにおいて行われるように上記気流阻害機構(50)を制御するものである。
【0018】
第6の発明は、上記第1
又は第2の発明において、複数の上記吹出し開口(24a〜24d)は、一部の上記吹出し開口(24b,24d)が第1開口(24X)を、残りの上記吹出し開口(24a,24c)が第2開口(24Y)をそれぞれ構成し、上記制御器(90)は、上記第2開口(24Y)の吹出し気流を上記気流阻害機構(50)で阻害することによって上記第1開口(24X)の吹出し風速を高める第1一部吹出し動作と、上記第1開口(24X)の吹出し気流を上記気流阻害機構(50)で阻害することによって上記第2開口(24Y)の吹出し風速を高める第2一部吹出し動作とが、上記気流ローテーションにおいて行われるように上記気流阻害機構(50)を制御するものである。
【0019】
第7の発明は、上記
第2又は第3の発明において、複数の上記吹出し開口(24a〜24d)は、一部の上記吹出し開口(24b,24d)が第1開口(24X)を、残りの上記吹出し開口(24a,24c)が第2開口(24Y)をそれぞれ構成し、上記制御器(90)は、上記第2開口(24Y)の吹出し気流を上記気流阻害機構(50)で阻害することによって上記第1開口(24X)の吹出し風速を高める第1一部吹出し動作と、上記第1開口(24X)の吹出し気流を上記気流阻害機構(50)で阻害することによって上記第2開口(24Y)の吹出し風速を高める第2一部吹出し動作とが、上記気流ローテーションにおいて行われるように上記気流阻害機構(50)を制御するものである。
【0020】
第4,第5の各発明の室内ユニット(10)は、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作の少なくとも一方と、全部吹出し動作とを実行可能である。また、
第6,第7の各発明の室内ユニット(10)は、全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とを実行可能である。
【0021】
全部吹出し動作では、全ての吹出し開口(24a〜24d)から調和空気が室内空間(500)へ供給される。第1一部吹出し動作では、第2開口(24Y)の吹出し気流が気流阻害機構(50)によって阻害される。その結果、第1開口(24X)の吹出し風速が全部吹出し動作中に比べて高くなり、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域にまで吹出し気流が到達する。第1一部吹出し動作中は、主に第1開口(24X)を構成する吹出し開口(24b,24d)から、調和空気が室内空間(500)へ供給される。第2一部吹出し動作では、第1開口(24X)の吹出し気流が気流阻害機構(50)によって阻害される。その結果、第2開口(24Y)の吹出し風速が全部吹出し動作中に比べて高くなり、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域にまで吹出し気流が到達する。第2一部吹出し動作中は、主に第2開口(24Y)を構成する吹出し開口(24a,24c)から、調和空気が室内空間(500)へ供給される。
【0022】
第4,第5の各発明の室内ユニット(10)は、気流ローテーションを実行する。この気流ローテーションでは、制御器(90)が気流阻害機構(50)を制御することによって、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作の少なくとも一方と、全部吹出し動作とが切り換えて行われる。
【0023】
第6,第7の各発明の室内ユニット(10)は、気流ローテーションを実行する。この気流ローテーションでは、制御器(90)が気流阻害機構(50)を制御することによって、全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが切り換えて行われる。
【0024】
つまり、
第4〜第7の各発明の室内ユニット(10)の気流ローテーションでは、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域に調和空気が供給される全部吹出し動作と、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域に調和空気が供給される第1一部吹出し動作または第2一部吹出し動作とが行われる。
【0025】
第8の発明は、上記
第6の発明において、上記制御器(90)は、上記気流ローテーションにおいて、上記全部吹出し動作と、上記第1一部吹出し動作と、上記全部吹出し動作と、上記第2一部吹出し動作とが順に繰り返されるように上記気流阻害機構(50)を制御するものである。
【0026】
第9の発明は、上記
第7の発明において、上記制御器(90)は、上記気流ローテーションにおいて、上記全部吹出し動作と、上記第1一部吹出し動作と、上記全部吹出し動作と、上記第2一部吹出し動作とが順に繰り返されるように上記気流阻害機構(50)を制御するものである。
【0027】
第8,第9の各発明では、室内ユニット(10)の気流ローテーションにおいて、制御器(90)が気流阻害機構(50)を制御することにより、全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが順に繰り返し行われる。つまり、
これらの発明の気流ローテーションでは、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作の間に、全部吹出し動作が行われる。
【0028】
第10の発明は、上記
第8の発明において
、上記制御器(90)は、上記気流ローテーションにおいて、上記各全部吹出し動作の継続時間と、上記第1一部吹出し動作の継続時間と、上記第2一部吹出し動作の継続時間とが互いに等しくなるように、上記気流阻害機構(50)を制御するものである。
【0029】
第10の発明では、室内ユニット(10)の全部吹出し動作中に、第1開口(24X)及び第2開口(24Y)から調和空気が下向きに吹き出される。このため、全部吹出し動作中は、加熱された調和空気が床面付近の領域(即ち、在室者の足下)へ供給される。一方、室内ユニット(10)の第1一部吹出し動作中には、第1開口(24X)から調和空気が概ね水平方向へ吹き出され、室内ユニット(10)の第2一部吹出し動作中には、第2開口(24Y)から調和空気が概ね水平方向へ吹き出される。このように、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、比較的流速の高い吹出し気流が概ね水平方向へ吹き出される。このため、吹出し気流が在室者の体に直接当たって不快感を与えることなく、室内ユニット(10)から比較的遠い領域へ調和空気を到達させることができる。
【0030】
また、
第10の発明では、気流ローテーションにおいて、一回目と二回目のそれぞれの全部吹出し動作の継続時間と、第1一部吹出し動作の継続時間と、第2一部吹出し動作の継続時間とが一致する。つまり、この発明の室内ユニット(10)では、一定の時間が経過する毎に、吹出し動作が切り換わる。
【0031】
第11の発明は、上記
第9の発明において、上記制御器(90)は、冷却された調和空気が上記室内空間(500)へ供給される冷房運転において、上記全部吹出し動作中は上記第1開口(24X)及び上記第2開口(24Y)の吹出し気流の方向が変動し、上記第1一部吹出し動作中は上記第1開口(24X)の吹出し気流が水平吹き状態となり、上記第2一部吹出し動作中は上記第2開口(24Y)の吹出し気流が水平吹き状態となるように、上記風向調節羽根(51)を制御し、更に、上記制御器(90)は、上記気流ローテーションにおいて、上記各全部吹出し動作の継続時間が、上記第1一部吹出し動作の継続時間と上記第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれよりも長くなるように、上記気流阻害機構(50)を制御するものである。
【0032】
第11の発明では、室内ユニット(10)の全部吹出し動作中に、第1開口(24X)及び第2開口(24Y)から吹き出される調和空気の流れ方向が上下方向に変動する。このため、全部吹出し動作中は、冷却された調和空気が室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域へ供給される。一方、室内ユニット(10)の第1一部吹出し動作中には、第1開口(24X)から調和空気が概ね水平方向へ吹き出され、室内ユニット(10)の第2一部吹出し動作中には、第2開口(24Y)から調和空気が概ね水平方向へ吹き出される。このように、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、比較的流速の高い吹出し気流が概ね水平方向へ吹き出される。このため、吹出し気流が在室者の体に直接当たって不快感を与えることなく、室内ユニット(10)から比較的遠い領域へ調和空気を到達させることができる。
【0033】
また、
第11の発明では、気流ローテーションにおいて、一回目と二回目のそれぞれの全部吹出し動作の継続時間が、第1一部吹出し動作の継続時間よりも長く、且つ第2一部吹出し動作の継続時間よりも長くなる。
【0034】
第12の発明は、上記第1〜
第11のいずれか一つの発明において、上記風向調節羽根(51)は、上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を阻害する姿勢に変位可能に構成され、上記気流阻害機構(50)を兼ねるものである。
【0035】
第12の発明では、吹出し気流の方向を上下方向に変更するための風向調節羽根(51)が、調和空気の流れを阻害するための気流阻害機構(50)を兼ねている。つまり、所定の姿勢となった風向調節羽根(51)が、吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の流れを妨げる。
【0036】
第13の発明は、上記
第4〜第11のいずれか一つの発明において、上記第1開口(24X)及び上記第2開口(24Y)のそれぞれは、複数且つ同数の上記吹出し開口(24a〜24d)によって構成されるものである。
【0037】
第13の発明では、第1開口(24X)と第2開口(24Y)のそれぞれが複数の吹出し開口によって構成される。また、第1開口(24X)を構成する吹出し開口(24b,24d)の数と、第2開口(24Y)を構成する吹出し開口(24a,24c)の数が一致する。
【0038】
第14の発明は、上記
第13の発明において、下面が矩形状のケーシング(20)を備え、上記吹出し開口(24a〜24d)は、上記ケーシング(20)の下面の四辺のそれぞれに沿って一つずつ配置され、上記ケーシング(20)の下面の四辺のうち対向する二辺の一方に沿った上記吹出し開口(24b)と他方に沿った上記吹出し開口(24d)とが上記第1開口(24X)を、残りの二つの上記吹出し開口(24a,24c)が上記第2開口(24Y)を、それぞれ構成するものである。
【0039】
第14の発明では、ケーシング(20)の下面に四つの吹出し開口(24a〜24d)が形成される。これら四つの吹出し開口(24a〜24d)は、そのうちの二つの吹出し開口(24b,24d)が第1開口(24X)を構成し、残りの二つの吹出し開口(24a,24c)が第2開口(24Y)を構成する。第1開口(24X)を構成する二つの吹出し開口(24b,24d)は、ケーシング(20)の下面の四辺のうちの第1の辺に沿って一方の吹出し開口(24b)が配置され、その第1の辺に対向する第2の辺に沿って他方の吹出し開口(24d)が配置される。第2開口(24Y)を構成する二つの吹出し開口(24a,24c)は、ケーシング(20)の下面の四辺のうちの第3の辺に沿って一方の吹出し開口(24a)が配置され、その第3の辺に対向する第4の辺に沿って他方の吹出し開口(24c)が配置される。
【0040】
第15の発明は、上記第1
〜第14のいずれか一つの発明において、上記制御器(90)は、上記室内空間(500)の気温の指標となる指標温度が設定温度となるように、上記室内ユニットの運転状態を、空気の温度調節が行われる温度調節状態と、空気の温度調節が休止する休止状態とに切り換え、更に、上記制御器(90)は、上記室内空間(500)の空調負荷を示す空調負荷指標が所定の判定基準値以下の場合は、上記休止状態から上記温度調節状態に切り換わった上記室内ユニットが上記全部吹出し動作を常に行い、上記空調負荷指標が上記判定基準値を超える場合は、上記休止状態から上記温度調節状態に切り換わった上記室内ユニットが上記気流ローテーションを実行するように、上記気流阻害機構(50)を制御するものである。
【0041】
第15の発明において、制御器(90)は、指標温度を設定温度にすることを目的として、室内ユニット(10)の運転状態を、温度調節状態と休止状態とに切り換える。つまり、制御器(90)は、室内ユニット(10)が休止状態であるときに指標温度が設定温度から離れると、指標温度を設定温度に近づけるために、室内ユニット(10)を休止状態から温度調節状態へ切り換える。
【0042】
第15の発明の制御器(90)は、室内ユニット(10)が休止状態から温度調節状態に切り換わる際に、空調負荷指標を判定基準値と比較する。空調負荷指標が所定の判定基準値以下の場合、制御器(90)は、室内ユニット(10)が全部吹出し動作を常時行うように、上記気流阻害機構(50)を制御する。一方、空調負荷指標が所定の判定基準値を超える場合、制御器(90)は、室内ユニット(10)が気流ローテーションを行うように、上記気流阻害機構(50)を制御する。
【発明の効果】
【0043】
上記
第1,第3の各発明の室内ユニット(10)の気流ローテーションでは、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域に調和空気が供給される全部吹出し動作と、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域に調和空気が供給される一部吹出し動作とが行われる。
【0044】
また、上記
第4,第5の各発明の室内ユニット(10)の気流ローテーションでは、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域に調和空気が供給される全部吹出し動作と、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域に調和空気が供給される第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作の少なくとも一方とが行われる。
【0045】
また、上記
第6,第7の各発明の室内ユニット(10)の気流ローテーションでは、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域に調和空気が供給される全部吹出し動作と、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域に調和空気が供給される第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作とが行われる。
【0046】
従って、本発明によれば、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域と、室内ユニット(10)から比較的遠い領域とに調和空気を供給することができ、室内空間(500)の各部分における気温の差を縮小することが可能となる。
【0047】
ここで、
第1,第3の各発明の一部吹出し動作では、吹出し流速が全部吹出し動作中に比べて高くなるため、吹出し気流が在室者の体に直接当たる可能性がある。しかし、
第1,第3の各発明の室内ユニット(10)は、気流ローテーションにおいて、一部吹出し動作を実行し続けるのでは無く、一部吹出し動作と全部吹出し動作とを切り換えて行う。
【0048】
また、
第4〜第7の各発明の第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、吹出し流速が全部吹出し動作中に比べて高くなるため、吹出し気流が在室者の体に直接当たる可能性がある。しかし、
第4,第5の各発明の室内ユニット(10)は、気流ローテーションにおいて、第1一部吹出し動作または第2一部吹出し動作を実行し続けるのでは無く、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作の少なくとも一方と全部吹出し動作とを切り換えて行う。また、
第6,第7の各発明の室内ユニット(10)は、気流ローテーションにおいて、第1一部吹出し動作または第2一部吹出し動作を実行し続けるのでは無く、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作と全部吹出し動作とを切り換えて行う。
【0049】
このため、
第1,第3〜第7の各発明では、吹出し気流が長時間に亘って在室者の体に直接当たり続ける場合に比べ、在室者の不快感が抑えられる。従って、
これらの発明によれば、吹出し気流が在室者の体に直接当たることによる不快感を抑えつつ、室内空間(500)の各部分における気温の差を縮小して快適性を向上させることができる。
【0050】
上記
第8,第9の各発明では、室内ユニット(10)の気流ローテーションにおいて、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作の間に、全部吹出し動作が行われる。つまり、気流ローテーションでは、第1開口(24X)と第2開口(24Y)の一方から調和空気を室内空間(500)へ供給する動作(即ち、第1一部吹出し動作または第2一部吹出し動作)の次に、第1開口(24X)と第2開口(24Y)の両方から調和空気を室内空間(500)へ供給する全部吹出し動作が行われる。従って、
これらの発明によれば、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的近い領域の快適性を充分に確保することができる。
【0051】
上記
第1の発明において、室内ユニット(10)は、吹出し流速が比較的低い全部吹出し動作中に、全ての吹出し開口(24a〜24d)から調和空気を下向きに吹き出す一方、吹出し流速が比較的高い一部吹出し動作中に、室内ユニット(10)に形成された吹出し開口(24a〜24d)のうちの一部から調和空気を概ね水平方向に吹き出す。
【0052】
また、上記
第10の発明において、室内ユニット(10)は、吹出し流速が比較的低い全部吹出し動作中に、第1開口(24X)および第2開口(24Y)から調和空気を下向きに吹き出す一方、吹出し流速が比較的高い第1一部吹出し動作中または第2一部吹出し動作中に、第1開口(24X)または第2開口(24Y)から調和空気を概ね水平方向に吹き出す。
【0053】
このため、
第1,第10の各発明によれば、暖房運転中において、吹出し気流が在室者の体に直接当たって不快感を与えることなく、室内空間(500)の各部分における気温の差を縮小して快適性を向上させることができる。
【0054】
上記
第2,第3の各発明において、室内ユニット(10)は、吹出し流速が比較的低い全部吹出し動作中に、全ての吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向を変動させる一方、吹出し流速が比較的高い一部吹出し動作中に、室内ユニット(10)に形成された吹出し開口(24a〜24d)のうちの一部から調和空気を概ね水平方向に吹き出す。
【0055】
また、上記
第11の発明において、室内ユニット(10)は、吹出し流速が比較的低い全部吹出し動作中に、第1開口(24X)および第2開口(24Y)の吹出し気流の方向を変動させる一方、吹出し流速が比較的高い第1一部吹出し動作中または第2一部吹出し動作中に、第1開口(24X)または第2開口(24Y)から調和空気を概ね水平方向に吹き出す。
【0056】
このため、
第2,第3,第11の各発明によれば、冷房運転中において、吹出し気流が在室者の体に直接当たって不快感を与えることなく、室内空間(500)の各部分における気温の差を縮小して快適性を向上させることができる。
【0057】
上記
第14の発明では、室内ユニット(10)における各吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向が互いに異なる。また、この発明の室内ユニット(10)は、ケーシング(20)の下面の各辺と直交する方向(即ち、四つの方向)へ調和空気を吹き出すことが可能である。従って、この発明によれば、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)の周囲の領域へ調和空気を確実に供給することが可能となる。
【0058】
上記第15の発明の制御器(90)は、空調負荷指標が所定の判定基準値を超える状態で室内ユニット(10)の運転状態が休止状態から温度調節状態に切り換わると、気流ローテーションが実行されるように気流阻害機構(50)を制御する。
【0059】
室内ユニット(10)の気流ローテーションでは、一部吹出し動作が行われる。この一部吹出し動作では、全部吹出し動作に比べて、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域に調和空気を供給することができる。
【0060】
このため、
第15の発明によれば、空調負荷指標が所定の判定基準値を超える状態(即ち、室内空間(500)の空調負荷が比較的大きい状態)で室内ユニット(10)の運転状態が休止状態から温度調節状態に切り換わると、室内ユニット(10)が気流ローテーションを行うことによって、室内空間(500)の気温の指標となる指標温度を設定温度に速やかに近づけることができ、室内空間(500)の快適性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0063】
−室内ユニットの構成−
図1に示すように、本実施形態の室内ユニット(10)は、いわゆる天井埋込型に構成されている。この室内ユニット(10)は、図外の室外ユニットと共に空気調和装置を構成する。空気調和装置では、室内ユニット(10)と室外ユニットを連絡配管で接続することによって、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路が形成されている。
【0064】
図2及び
図3に示すように、室内ユニット(10)は、ケーシング(20)と、室内ファン(31)と、室内熱交換器(32)と、ドレンパン(33)と、ベルマウス(36)と、制御器(90)とを備えている。また、室内ユニット(10)には、吸込温度センサ(61)と熱交温度センサ(62)とが設けられている。
【0065】
〈ケーシング〉
ケーシング(20)は、室内空間(500)の天井(501)に設置されている。ケーシング(20)は、ケーシング本体(21)と化粧パネル(22)とによって構成されている。このケーシング(20)には、室内ファン(31)と、室内熱交換器(32)と、ドレンパン(33)と、ベルマウス(36)とが収容されている。
【0066】
ケーシング本体(21)は、室内空間(500)の天井(501)に形成された開口に挿入されて配置されている。ケーシング本体(21)は、下面が開口する概ね直方体状の箱形に形成されている。このケーシング本体(21)は、概ね平板状の天板(21a)と、天板(21a)の周縁部から下方に延びる側板(21b)とを有している。
【0067】
〈室内ファン〉
図3に示すように、室内ファン(31)は、下方から吸い込んだ空気を径方向の外側に向けて吹き出す遠心送風機である。室内ファン(31)は、ケーシング本体(21)の内部中央に配置されている。室内ファン(31)は、室内ファンモータ(31a)によって駆動される。室内ファンモータ(31a)は、天板(21a)の中央部に固定されている。
【0068】
〈ベルマウス〉
ベルマウス(36)は、室内ファン(31)の下方に配置されている。このベルマウス(36)は、ケーシング(20)へ流入した空気を室内ファン(31)へ案内するための部材である。ベルマウス(36)は、ドレンパン(33)と共に、ケーシング(20)の内部空間を、室内ファン(31)の吸い込み側に位置する一次空間(21c)と、室内ファン(31)の吹き出し側に位置する二次空間(21d)とに仕切っている。
【0069】
〈室内熱交換器〉
室内熱交換器(32)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器である。
図2に示すように、室内熱交換器(32)は、平面視でロ字状に形成され、室内ファン(31)の周囲を囲むように配置されている。つまり、室内熱交換器(32)は、二次空間(21d)に配置されている。室内熱交換器(32)は、その内側から外側へ向かって通過する空気を、冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
【0070】
〈ドレンパン〉
ドレンパン(33)は、いわゆる発泡スチロール製の部材である。
図3に示すように、ドレンパン(33)は、ケーシング本体(21)の下端を塞ぐように配置されている。ドレンパン(33)の上面には、室内熱交換器(32)の下端に沿った水受溝(33b)が形成されている。水受溝(33b)には、室内熱交換器(32)の下端部が入り込んでいる。水受溝(33b)は、室内熱交換器(32)において生成したドレン水を受け止める。
【0071】
図2に示すように、ドレンパン(33)には、主吹出し通路(34a〜34d)と副吹出し通路(35a〜35d)とが四つずつ形成されている。主吹出し通路(34a〜34d)及び副吹出し通路(35a〜35d)は、室内熱交換器(32)を通過した空気が流れる通路であって、ドレンパン(33)を上下方向に貫通している。主吹出し通路(34a〜34d)は、断面が細長い長方形状の貫通孔である。主吹出し通路(34a〜34d)は、ケーシング本体(21)の四つの辺のそれぞれに沿って一つずつ配置されている。副吹出し通路(35a〜35d)は、断面がやや湾曲した矩形状の貫通孔である。副吹出し通路(35a〜35d)は、ケーシング本体(21)の四つの角部のそれぞれに一つずつ配置されている。つまり、ドレンパン(33)では、その周縁に沿って、主吹出し通路(34a〜34d)と副吹出し通路(35a〜35d)とが交互に配置されている。
【0072】
〈化粧パネル〉
化粧パネル(22)は、四角い厚板状に形成された樹脂製の部材である。化粧パネル(22)の下部は、ケーシング本体(21)の天板(21a)よりも一回り大きな正方形状に形成されている。この化粧パネル(22)は、ケーシング本体(21)の下面を覆うように配置されている。また、化粧パネル(22)の下面は、ケーシング(20)の下面を構成し、室内空間(500)に露出している。
【0073】
図3及び
図4に示すように、化粧パネル(22)の中央部には、正方形状の一つの吸込口(23)が形成されている。吸込口(23)は、化粧パネル(22)を上下に貫通し、ケーシング(20)内部の一次空間(21c)に連通する。ケーシング(20)へ吸い込まれる空気は、吸込口(23)を通って一次空間(21c)へ流入する。吸込口(23)には、格子状の吸込グリル(41)が設けられている。また、吸込グリル(41)の上方には、吸込フィルタ(42)が配置されている。
【0074】
化粧パネル(22)には、概ね四角い輪状の吹出口(26)が、吸込口(23)を囲むように形成されている。
図4に示すように、吹出口(26)は、四つの主吹出し開口(24a〜24d)と、四つの副吹出し開口(25a〜25d)とに区分されている。
【0075】
主吹出し開口(24a〜24d)は、主吹出し通路(34a〜34d)の断面形状に対応した細長い開口である。主吹出し開口(24a〜24d)は、化粧パネル(22)の四つの辺のそれぞれに沿って一つずつ配置されている。本実施形態の室内ユニット(10)では、化粧パネル(22)の互いに対向する二つの辺に沿った第2主吹出し開口(24b)及び第4主吹出し開口(24d)が第1開口(24X)を構成し、残りの第1主吹出し開口(24a)及び第3主吹出し開口(24c)が第2開口(24Y)を構成する。
【0076】
化粧パネル(22)の主吹出し開口(24a〜24d)は、ドレンパン(33)の主吹出し通路(34a〜34d)と一対一に対応している。各主吹出し開口(24a〜24d)は、対応する主吹出し通路(34a〜34d)と連通する。つまり、第1主吹出し開口(24a)は第1主吹出し通路(34a)と、第2主吹出し開口(24b)は第2主吹出し通路(34b)と、第3主吹出し開口(24c)は第3主吹出し通路(34c)と、第4主吹出し開口(24d)は第4主吹出し通路(34d)と、それぞれ連通する。
【0077】
副吹出し開口(25a〜25d)は、1/4円弧状の開口である。副吹出し開口(25a〜25d)は、化粧パネル(22)の四つの角部のそれぞれに一つずつ配置されている。化粧パネル(22)の副吹出し開口(25a〜25d)は、ドレンパン(33)の副吹出し通路(35a〜35d)と一対一に対応している。各副吹出し開口(25a〜25d)は、対応する副吹出し通路(35a〜35d)と連通する。つまり、第1副吹出し開口(25a)は第1副吹出し通路(35a)と、第2副吹出し開口(25b)は第2副吹出し通路(35b)と、第3副吹出し開口(25c)は第3副吹出し通路(35c)と、第4副吹出し開口(25d)は第4副吹出し通路(35d)と、それぞれ連通する。
【0078】
〈風向調節羽根〉
図4に示すように各主吹出し開口(24a〜24d)には、風向調節羽根(51)が設けられている。風向調節羽根(51)は、吹出し気流の方向(即ち、主吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の流れの方向)を調節するための部材である。
【0079】
風向調節羽根(51)は、吹出し気流の方向を上下方向に変更する。つまり、風向調節羽根(51)は、吹出し気流の方向と水平方向のなす角度が変化するように、吹出し気流の方向を変化させる。
【0080】
風向調節羽根(51)は、化粧パネル(22)の主吹出し開口(24a〜24d)の長手方向の一端から他端に亘って延びる細長い板状に形成されている。
図3に示すように、風向調節羽根(51)は、その長手方向に延びる中心軸(53)まわりに回動自在となるように、支持部材(52)に支持されている。風向調節羽根(51)は、その横断面(長手方向と直交する断面)の形状が揺動運動の中心軸(53)から遠ざかる方向に凸となるように湾曲している。
【0081】
図4に示すように、各風向調節羽根(51)には、駆動モータ(54)が連結されている。風向調節羽根(51)は、駆動モータ(54)によって駆動され、中心軸(53)まわりに所定の角度範囲で回転移動する。また、詳しくは後述するが、風向調節羽根(51)は、主吹出し開口(24a〜24d)を通過する空気の流れを妨げる気流ブロック位置に変位可能となっており、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を阻害する気流阻害機構(50)を兼ねている。
【0082】
〈センサ〉
吸込温度センサ(61)は、一次空間(21c)におけるベルマウス(36)の入口付近に配置されている。吸込温度センサ(61)は、一次空間(21c)を流れる空気の温度(即ち、室内空間(500)から吸込口(23)を通って室内ユニット(10)へ吸い込まれた空気の温度)を計測する。一方、熱交換器温度センサ(62)は、室内熱交換器(32)に取り付けられている。熱交換器温度センサ(62)は、室内熱交換器(32)の表面の温度を計測する。吸込温度センサ(61)の計測値と熱交換器温度センサ(62)の計測値とは、制御器(90)へ入力される。
【0083】
〈制御器〉
制御器(90)は、室内ユニット(10)の動作を制御するように構成されている。図示しないが、制御器(90)には、演算処理を行うCPU、データを記憶するメモリ、設置作業者や保守作業者が制御器(90)の動作を設定するためのディップスイッチなどが設けられている。
【0084】
図5に示すように、制御器(90)は、風向制御部(91)と、室内気温制御部(92)と、吹出しモード決定部(93)とを備えている。また、制御器(90)は、室内ファン(31)の回転速度の制御等も行う。
【0085】
風向制御部(91)は、駆動モータ(54)を作動させることによって風向調節羽根(51)の位置を制御するように構成されている。この制御器(90)は、四つの風向調節羽根(51)の位置を個別に制御するように構成されている。また、風向制御部(91)は、室内ユニット(10)が後述する全部吹出し動作、第1一部吹出し動作、及び第2一部吹出し動作を実行できるように、風向調節羽根(51)の位置を制御するように構成されている。更に、風向制御部(91)は、室内ユニット(10)が標準吹出しモードと気流ローテーションとを選択的に行うように、各主吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を変更するように構成されている。
【0086】
標準吹出しモードにおいて、室内ユニット(10)は、全部吹出し動作だけを行う。つまり、標準吹出しモードは、室内ユニット(10)が全部吹出し動作を常時行う運転モードである。一方、室内ユニット(10)は、気流ローテーションとして、後述する第1吹出しモード、第2吹出しモード、及び第3吹出しモードを実行可能である。室内ユニット(10)が気流ローテーションとして行う吹出しモードは、室内ユニット(10)の設置作業者や保守作業者が制御器(90)のディップスイッチを操作することによって設定される。
【0087】
室内気温制御部(92)は、温度制御動作を行う。この温度制御動作は、室内空間(500)の気温の指標となる指標温度が設定温度となるように、室内ユニット(10)の運転状態を、調和空気の温度調節が行われる温度調節状態と、調和空気の温度調節が休止する休止状態とに切り換える動作である。温度制御動作の詳細は後述する。
【0088】
吹出しモード決定部(93)は、モード決定動作を行う。このモード決定動作は、温度制御動作によって運転状態が休止状態から温度調節状態に切り換わる室内ユニット(10)に標準吹出しモードと気流ローテーションのどちらを実行させるかを決定する動作である。モード決定動作の詳細は後述する。
【0089】
なお、室内ユニット(10)の設置作業者等が気流ローテーションとして実行される吹出しモードを設定するためのディップスイッチは、室内ユニット(10)の制御器(90)以外に設けられていてもよい。このディップスイッチは、例えば、空気調和装置の室外ユニットの制御器や、空気調和装置のリモコンに設けられていてもよい。
【0090】
また、室内ユニット(10)の設置作業者等が気流ローテーションとして実行される吹出しモードを設定するため手段は、ディップスイッチに限定されない。例えば、室内ユニット(10)の設置作業者等がリモコンを操作することによって、気流ローテーションとして実行される吹出しモードを設定するようにしてもよい。その場合には、リモコンの表示画面に室内ユニット(10)が実行可能な吹出しモードを表示すると、設定作業が容易となる。
【0091】
−室内ユニットの冷房運転と暖房運転−
室内ユニット(10)は、室内空間(500)を冷房するための冷房運転と、室内空間(500)を暖房するための暖房運転とを選択的に行う。
【0092】
冷房運転中の室内ユニット(10)は、室内熱交換器(32)が蒸発器として機能して室内熱交換器(32)において空気が冷却される温度調節状態と、室内熱交換器(32)への冷媒の供給が停止して室内熱交換器(32)における空気の冷却が休止する休止状態とに切り換わる。なお、冷房運転中の室内ユニット(10)は、温度調節状態と休止状態の両方において室内ファン(31)が作動する。
【0093】
暖房運転中の室内ユニット(10)は、室内熱交換器(32)が凝縮器として機能して室内熱交換器(32)において空気が加熱される温度調節状態と、室内熱交換器(32)への冷媒の供給が停止して室内熱交換器(32)における空気の加熱が休止する休止状態とに切り換わる。なお、暖房運転中の室内ユニット(10)は、温度調節状態と休止状態の両方において室内ファン(31)が作動する。
【0094】
−室内ユニット内における空気の流れ−
室内ユニット(10)の運転中には、室内ファン(31)が回転する。室内ファン(31)が回転すると、室内空間(500)の室内空気が、吸込口(23)を通ってケーシング(20)内の一次空間(21c)へ流入する。一次空間(21c)へ流入した空気は、室内ファン(31)に吸い込まれ、二次空間(21d)へ吹き出される。
【0095】
二次空間(21d)へ流入した空気は、室内熱交換器(32)を通過する間に冷却され又は加熱され、その後に四つの主吹出し通路(34a〜34d)と四つの副吹出し通路(35a〜35d)へ分かれて流入する。主吹出し通路(34a〜34d)へ流入した空気は、主吹出し開口(24a〜24d)を通って室内空間(500)へ吹き出される。副吹出し通路(35a〜35d)へ流入した空気は、副吹出し開口(25a〜25d)を通って室内空間(500)へ吹き出される。
【0096】
−風向調節羽根の動作−
上述したように、風向調節羽根(51)は、中心軸(53)まわりに回転移動することによって、吹出し気流の方向を変更する。風向調節羽根(51)は、
図6に示す水平吹き位置と、
図7に示す下吹き位置との間を移動可能となっている。また、風向調節羽根(51)は、
図7に示す下吹き位置から更に回転移動することによって、
図8に示す気流ブロック位置にも移動可能となっている。
【0097】
風向調節羽根(51)の位置が
図6に示す水平吹き位置になっている場合は、主吹出し通路(34a〜34d)を下向きに流れてきた空気の流れの方向が横方向に変更され、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が水平吹き状態となる。この場合、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向(即ち、主吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の流れの方向)は、水平方向に対して例えば20°程度に設定される。この場合、厳密に言えば吹出し気流の方向は水平方向よりも僅かに下向きとなるが、気流の方向は実質的に水平方向であると言って差し支えない。
【0098】
風向調節羽根(51)の位置が
図7に示す下吹き位置になっている場合は、主吹出し通路(34a〜34d)を下向きに流れてきた空気の流れの方向が概ねそのまま維持され、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が下吹き状態となる。この場合、吹出し気流の方向は、厳密に言えば、真下よりも吸込口(23)から離れる方向に若干傾いた斜め下方向となる。
【0099】
風向調節羽根(51)の位置が
図8に示す気流ブロック位置になっている場合は、主吹出し開口(24a〜24d)の大半が風向調節羽根(51)によって塞がれた状態になると共に、主吹出し通路(34a〜34d)を下向きに流れてきた空気の流れの方向が吸込口(23)側に変更される。この場合、主吹出し開口(24a〜24d)を通過する際の空気の圧力損失が大きくなるため、主吹出し開口(24a〜24d)を通過する調和空気の流量が少なくなる。また、調和空気は、主吹出し開口(24a〜24d)から吸込口(23)側へ向かって吹き出される。このため、主吹出し開口(24a〜24d)から吹き出された調和空気は、すぐに吸込口(23)へ吸い込まれることとなる。つまり、風向調節羽根(51)が気流ブロック位置となっている主吹出し開口(24a〜24d)からは、調和空気が室内空間(500)へ実質的に供給されない。
【0100】
−風向制御部の動作−
風向制御部(91)は、室内ユニット(10)が気流ローテーションを行うように、各主吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を変更する。なお、この気流ローテーション中において、制御器(90)は、室内ファン(31)の回転速度を実質的に最大値に保つ。
【0101】
ここでは、先ず、室内ユニット(10)が気流ローテーションとして第1吹出しモードを行う場合の風向制御部(91)の動作について詳しく説明し、その後に、室内ユニット(10)が気流ローテーションとして第2及び第3の各吹出しモードを行う場合の風向制御部(91)の動作について説明する。
【0102】
〈第1吹出しモード〉
図9に示すように、気流ローテーションとして行われる第1吹出しモードの一つのサイクルでは、一回目の全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、二回目の全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが順に行われる。つまり、第1吹出しモードの一つのサイクルでは、二回の全部吹出し動作と、一回の第1一部吹出し動作と、一回の第2一部吹出し動作とが行われる。
【0103】
〈暖房運転時の第1吹出しモード(気流ローテーション)〉
暖房運転時の全部吹出し動作において、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、下吹き位置に設定する。このため、暖房運転時の全部吹出し動作では、四つの主吹出し開口(24a〜24d)から調和空気が下向きに吹き出される。
【0104】
暖房運転時の第1一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第1開口(24X)を構成する二つの主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を水平吹き位置に設定し、第2開口(24Y)を構成する二つの主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。このため、調和空気は、第2主吹出し開口(24b)及び第4主吹出し開口(24d)から室内空間(500)へ吹き出され、第1主吹出し開口(24a)及び第3主吹出し開口(24c)からは室内空間(500)へ実質的に吹き出されない。また、第2主吹出し開口(24b)及び第4主吹出し開口(24d)の吹出し風速は、全部吹出し動作における吹出し風速よりも高くなる。つまり、この第1一部吹出し動作では、第2主吹出し開口(24b)及び第4主吹出し開口(24d)から、調和空気が、全部吹出し動作中よりも高い流速で、実質的に水平方向へ向かって吹き出される。
【0105】
暖房運転時の第2一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第2開口(24Y)を構成する二つの主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を水平吹き位置に設定し、第1開口(24X)を構成する二つの主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。このため、調和空気は、第1主吹出し開口(24a)及び第3主吹出し開口(24c)から室内空間(500)へ吹き出され、第2主吹出し開口(24b)及び第4主吹出し開口(24d)からは室内空間(500)へ実質的に吹き出されない。また、第1主吹出し開口(24a)及び第3主吹出し開口(24c)の吹出し風速は、全部吹出し動作における吹出し風速よりも高くなる。つまり、この第2一部吹出し動作では、二つの第1主吹出し開口(24a)及び第3主吹出し開口(24c)から、調和空気が、全部吹出し動作中よりも高い流速で、実質的に水平方向へ向かって吹き出される。
【0106】
なお、全部吹出し動作、第1一部吹出し動作、及び第2一部吹出し動作の何れにおいても、副吹出し開口(25a〜25d)からは調和空気が吹き出される。
【0107】
図9に示すように、暖房運転時の第1吹出しモードの一つのサイクルでは、一回目の全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、二回目の全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが順に行われる。暖房運転時の第1吹出しモードの一つのサイクルでは、一回目の全部吹出し動作の継続時間、第1一部吹出し動作の継続時間、二回目の全部吹出し動作の継続時間、及び第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれが、互いに同じ時間(例えば、120秒)に設定される。
【0108】
なお、暖房運転時の第1吹出しモードの一つのサイクルでは、一回目と二回目の全部吹出し動作のそれぞれの継続時間が、第1一部吹出し動作の継続時間と第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれよりも長い時間に設定されてもよい。
【0109】
〈暖房運転時の室内空間の温度分布〉
暖房運転時の室内空間(500)の温度分布について、
図10A及び
図10Bを参照しながら説明する。
【0110】
図10A及び
図10Bは、室内ユニット(10)の暖房運転中における室内空間(500)の温度分布のシミュレーション結果を示している。
図10A及び
図10Bは、室内ユニット(10)が暖房運転を開始してから20分後の、室内空間(500)の床面から60cmの位置における気温を示している。また、
図10A及び
図10Bでは、ハッチングの密度が高い領域ほど気温が高い。
【0111】
なお、シミュレーションの対象となる部屋は、床面が概ね正方形状であり、中央にパーティション(510)が設けられた細長い二つのデスク(511)が平行に配置されている。また、室内ユニット(10)は、室内空間(500)の天井の概ね中央に配置されている。
【0112】
まず、室内空間(500)に従来の室内ユニット(610)が設置されている場合の、室内空間(500)の温度分布について、
図10Aを参照しながら説明する。
【0113】
暖房運転時において、従来の室内ユニット(610)では、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)が下吹き位置に設定される。そして、従来の室内ユニット(610)は、室内熱交換器(32)を通過する際に加熱された空気を、全ての主吹出し開口(24a〜24d)から実質的に床面に向かって吹き出す。
【0114】
図10Aに示すように、室内空間(500)では、室内ユニット(610)の下方に位置する中央部の領域において、気温が非常に高くなっている。これは、室内ユニット(610)から下向きに吹き出された暖かい調和空気が、二つのパーティション(510)に挟まれた室内空間(500)の中央部の領域に滞留するからだと推定される。
【0115】
一方、室内空間(500)では、室内ユニット(610)から離れた周辺部の領域において、気温が充分に上昇していない。これは、室内ユニット(610)から下向きに吹き出された暖かい調和空気が、パーティション(510)よりも壁(502)側の領域に到達できないからだと推定される。
【0116】
次に、室内空間(500)に本実施形態の室内ユニット(10)が設置されている場合の、室内空間(500)の温度分布について、
図10Bを参照しながら説明する。
【0117】
暖房運転時において、第1吹出しモードを行う本実施形態の室内ユニット(10)は、一回目の全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、二回目の全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作と順に繰り返し行う。
【0118】
全部吹出し動作では、室内ユニット(10)から下向きに吹き出された暖かい調和空気が、二つのパーティション(510)に挟まれた室内空間(500)の中央部の領域に供給される。このため、室内空間(500)では、室内ユニット(10)の下方に位置する中央部の領域において、気温が上昇する。ただし、全部吹出し動作が間欠的に行われるため、室内空間(500)の中央部の領域における気温が過度に上昇することは無い。
【0119】
一方、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、室内ユニット(10)から吹き出された暖かい調和空気が、概ね水平方向へ、全部吹出し動作中よりも高い流速で吹き出される。従って、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、室内ユニット(10)から吹き出された暖かい調和空気が、パーティション(510)の上方を流れて室内空間(500)の壁(502)にまで到達する。このため、室内空間(500)では、室内ユニット(10)から離れた周辺部の領域においても、気温が上昇する。
【0120】
また、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、室内ユニット(10)から吹き出された暖かい調和空気が、室内空間(500)の壁(502)にまで到達し、壁(502)に沿って下方へと流れる。このため、室内空間(500)の壁(502)が調和空気によって暖められ、その結果、室内空間(500)の壁(502)の温度が上昇する。従って、室内空間(500)の周辺部の領域では、壁(502)が調和空気によって暖められることによっても、気温の低下が抑えられる。
【0121】
また、室内ユニット(10)から吹き出されて室内空間(500)の壁(502)に到達した暖かい調和空気が、壁(502)から床に沿って流れることによって、室内空間(500)の全体を包み込むような気流が形成される。そして、このような気流を形成することによっても、室内空間(500)の全体に暖かい調和空気が行き渡り、室内空間(500)の中央部と周辺部の気温差が小さく抑えられる。
【0122】
このように、暖房運転時に本実施形態の室内ユニット(10)が第1吹出しモード(即ち、気流ローテーション)を行う場合は、従来の室内ユニット(610)が暖房運転を行う場合に比べて、室内空間(500)の中央部と周辺部における気温の差が大幅に縮小する。
【0123】
〈冷房運転時の第1吹出しモード(気流ローテーション)〉
冷房運転時の全部吹出し動作において、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、水平吹き位置と下吹き位置の間で往復移動させる。このため、冷房運転時の全部吹出し動作では、四つの主吹出し開口(24a〜24d)から調和空気が吹き出されると共に、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向が変動する。なお、冷房運転時の全部吹出し動作では、風向調節羽根(51)の移動範囲の下限を、下吹き位置よりも高い位置(即ち、水平吹き位置寄りの位置)に設定してもよい。
【0124】
冷房運転時の第1一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、暖房運転時の第1一部吹出し動作と同様に、第1開口(24X)を構成する二つの主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を水平吹き位置に設定し、第2開口(24Y)を構成する二つの主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。従って、冷房運転時の第1一部吹出し動作では、暖房運転時の第1一部吹出し動作と同様に、第2主吹出し開口(24b)及び第4主吹出し開口(24d)から、調和空気が、全部吹出し動作中よりも高い流速で、実質的に水平方向へ向かって吹き出される。
【0125】
冷房運転時の第2一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、暖房運転時の第2一部吹出し動作と同様に、第2開口(24Y)を構成する二つの主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を水平吹き位置に設定し、第1開口(24X)を構成する二つの主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。従って、冷房運転時の第2一部吹出し動作では、暖房運転時の第2一部吹出し動作と同様に、第1主吹出し開口(24a)及び第3主吹出し開口(24c)から、調和空気が、全部吹出し動作中よりも高い流速で、実質的に水平方向へ向かって吹き出される。
【0126】
なお、全部吹出し動作、第1一部吹出し動作、及び第2一部吹出し動作の何れにおいても、副吹出し開口(25a〜25d)からは調和空気が吹き出される。
【0127】
図9に示すように、冷房運転時の第1吹出しモードの一つのサイクルでは、一回目の全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、二回目の全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが順に行われる。冷房運転時の第1吹出しモードの一つのサイクルでは、一回目と二回目の全部吹出し動作のそれぞれの継続時間が、第1一部吹出し動作の継続時間と第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれよりも長い時間に設定される。例えば、一回目と二回目の全部吹出し動作のそれぞれの継続時間が600秒に設定され、第1一部吹出し動作の継続時間と第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれが120秒に設定される。
【0128】
なお、冷房暖房運転時の第1吹出しモードの一つのサイクルでは、一回目の全部吹出し動作の継続時間、第1一部吹出し動作の継続時間、二回目の全部吹出し動作の継続時間、及び第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれが、互いに同じ時間に設定されてもよい。
【0129】
〈冷房運転時の室内空間の温度分布〉
冷房運転時の室内空間(500)の温度分布について、
図11A及び
図11Bを参照しながら説明する。
【0130】
図11A及び
図11Bは、室内ユニット(10)の冷房運転中における室内空間(500)の温度分布のシミュレーション結果を示している。
図11A及び
図11Bは、室内ユニット(10)が冷房運転を開始してから20分後の、室内空間(500)の床面から60cmの位置における気温を示している。また、
図11A及び
図11Bでは、ハッチングの密度が高い領域ほど気温が低い。
【0131】
なお、シミュレーションの対象となる部屋は、床面が概ね正方形状であり、中央にパーティション(510)が設けられた細長い二つのデスク(511)が平行に配置されている。また、室内ユニット(10)は、室内空間(500)の天井の概ね中央に配置されている。
【0132】
まず、室内空間(500)に従来の室内ユニット(610)が設置されている場合の、室内空間(500)の温度分布について、
図11Aを参照しながら説明する。
【0133】
冷房運転時において、従来の室内ユニット(610)では、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)が水平吹き位置と下吹き位置の間を周期的に往復する。そして、従来の室内ユニット(610)は、室内熱交換器(32)を通過する際に冷却された空気を、全ての主吹出し開口(24a〜24d)から室内空間(500)へ供給する。
【0134】
図11Aに示すように、室内空間(500)では、室内ユニット(610)の下方に位置する中央部の領域において、気温が非常に低くなっている。室内ユニット(610)から吹き出された冷たい調和空気は、室内空間(500)に存在する空気よりも温度が低く、比重が大きい。従って、風向調節羽根(51)が移動することによって主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向が変動していても、温度の低い調和空気は、床面に向かって降下してゆく。このため、室内ユニット(610)から吹き出された冷たい調和空気は、二つのパーティション(510)に挟まれた室内空間(500)の中央部の領域に滞留し、その結果、室内空間(500)の中央部の領域の温度が非常に低くなると推定される。
【0135】
一方、室内空間(500)では、室内ユニット(610)から離れた周辺部の領域において、気温が充分に低下していない。これは、室内ユニット(610)から吹き出された冷たい調和空気が、パーティション(510)よりも壁(502)側の領域に到達できないからだと推定される。
【0136】
次に、室内空間(500)に本実施形態の室内ユニット(10)が設置されている場合の、室内空間(500)の温度分布について、
図11Bを参照しながら説明する。
【0137】
冷房運転時において、第1吹出しモードを行う本実施形態の室内ユニット(10)は、一回目の全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、二回目の全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作と順に行う。
【0138】
全部吹出し動作では、室内ユニット(10)から吹き出された冷たい調和空気が、主に二つのパーティション(510)に挟まれた室内空間(500)の中央部の領域に供給される。このため、室内空間(500)では、室内ユニット(10)の下方に位置する中央部の領域において、気温が低下する。ただし、全部吹出し動作が間欠的に行われるため、室内空間(500)の中央部の領域における気温が過度に低下することは無い。
【0139】
一方、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、室内ユニット(10)から吹き出された冷たい調和空気が、概ね水平方向へ、全部吹出し動作中よりも高い流速で吹き出される。従って、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、室内ユニット(10)から吹き出された冷たい調和空気が、パーティション(510)の上方を流れて室内空間(500)の壁(502)にまで到達する。このため、室内空間(500)では、室内ユニット(10)から離れた周辺部の領域においても、気温が低下する。
【0140】
また、室内ユニット(10)から吹き出されて室内空間(500)の壁(502)に到達した冷たい調和空気が、壁(502)から床に沿って流れることによって、室内空間(500)の全体を包み込むような気流が形成される。そして、このような気流を形成することによっても、室内空間(500)の全体に冷たい調和空気が行き渡り、室内空間(500)の中央部と周辺部の気温差が小さく抑えられる。
【0141】
このように、冷房運転時に本実施形態の室内ユニット(10)が第1吹出しモード(即ち、気流ローテーション)を行う場合は、従来の室内ユニット(610)が冷房運転を行う場合に比べて、室内空間(500)の中央部と周辺部における気温の差が大幅に縮小する。
【0142】
〈第2吹出しモード〉
図12に示すように、気流ローテーションとして行われる第2吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作とが順に行われる。つまり、第2吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作と第1一部吹出し動作とが一回ずつ行われる。
【0143】
〈暖房運転時の第2吹出しモード〉
第1吹出しモードと同様に、暖房運転時の全部吹出し動作において、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、下吹き位置に設定する。また、第1吹出しモードと同様に、暖房運転時の第1一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第1開口(24X)を構成する二つの主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を水平吹き位置に設定し、第2開口(24Y)を構成する二つの主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。
【0144】
このため、暖房運転中において、第2吹出しモードの全部吹出し動作では、第1吹出しモードの全部吹出し動作と同様に室内ユニット(10)から調和空気が吹き出され、第2吹出しモードの第1一部吹出し動作では、第1吹出しモードの第1一部吹出し動作と同様に室内ユニット(10)から調和空気が吹き出される。
【0145】
暖房運転時の第2吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作の継続時間と、第1一部吹出し動作の継続時間とのそれぞれが、互いに同じ時間(例えば、120秒)に設定される。
【0146】
〈冷房運転時の第2吹出しモード〉
第1吹出しモードと同様に、冷房運転時の全部吹出し動作において、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、水平吹き位置と下吹き位置の間で往復移動させる。また、第1吹出しモードと同様に、冷房運転時の第1一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第1開口(24X)を構成する二つの主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を水平吹き位置に設定し、第2開口(24Y)を構成する二つの主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。
【0147】
このため、冷房運転中において、第2吹出しモードの全部吹出し動作では、第1吹出しモードの全部吹出し動作と同様に室内ユニット(10)から調和空気が吹き出され、第2吹出しモードの第1一部吹出し動作では、第1吹出しモードの第1一部吹出し動作と同様に室内ユニット(10)から調和空気が吹き出される。
【0148】
冷房運転時の第2吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作の継続時間が、第1一部吹出し動作の継続時間よりも長い時間に設定される。例えば、全部吹出し動作の継続時間が600秒に設定され、第1一部吹出し動作の継続時間が120秒に設定される。
【0149】
〈第3吹出しモード〉
図13に示すように、気流ローテーションとして行われる第3吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが順に行われる。つまり、第3吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作と第2一部吹出し動作とが一回ずつ行われる。
【0150】
〈暖房運転時の第3吹出しモード〉
第1吹出しモードと同様に、暖房運転時の全部吹出し動作において、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、下吹き位置に設定する。また、第1吹出しモードと同様に、暖房運転時の第2一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第2開口(24Y)を構成する二つの主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を水平吹き位置に設定し、第1開口(24X)を構成する二つの主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。
【0151】
このため、暖房運転中において、第3吹出しモードの全部吹出し動作では、第1吹出しモードの全部吹出し動作と同様に室内ユニット(10)から調和空気が吹き出され、第3吹出しモードの第2一部吹出し動作では、第1吹出しモードの第2一部吹出し動作と同様に室内ユニット(10)から調和空気が吹き出される。
【0152】
暖房運転時の第3吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作の継続時間と、第2一部吹出し動作の継続時間とのそれぞれが、互いに同じ時間(例えば、120秒)に設定される。
【0153】
〈冷房運転時の第3吹出しモード〉
第1吹出しモードと同様に、冷房運転時の全部吹出し動作において、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、水平吹き位置と下吹き位置の間で往復移動させる。また、第1吹出しモードと同様に、冷房運転時の第2一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第2開口(24Y)を構成する二つの主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を水平吹き位置に設定し、第1開口(24X)を構成する二つの主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。
【0154】
このため、冷房運転中において、第3吹出しモードの全部吹出し動作では、第1吹出しモードの全部吹出し動作と同様に室内ユニット(10)から調和空気が吹き出され、第3吹出しモードの第2一部吹出し動作では、第1吹出しモードの第2一部吹出し動作と同様に室内ユニット(10)から調和空気が吹き出される。
【0155】
冷房運転時の第3吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作の継続時間が、第2一部吹出し動作の継続時間よりも長い時間に設定される。例えば、全部吹出し動作の継続時間が600秒に設定され、第2一部吹出し動作の継続時間が120秒に設定される。
【0156】
−室内気温制御部の動作−
制御器(90)の室内気温制御部(92)は、温度制御動作を行う。温度制御動作において、室内気温制御部(92)は、吸込温度センサ(61)の計測値を指標温度Tiとして用いると共に、制御器(90)のメモリが記憶する設定温度Tsを用いる。設定温度Tsは、空気調和装置のユーザーがリモコン等を操作することによって、制御器(90)のメモリに入力される。
【0157】
室内気温制御部(92)は、指標温度Tiが設定温度Tsとなるように、室内ユニット(10)の運転状態を、温度調節状態と休止状態に切り換える。具体的に、室内気温制御部(92)は、設定温度Tsを中心とする目標温度範囲(例えば、(Ts−1)℃以上(Ts+1)℃以下の範囲)に指標温度Tiが入るように、室内ユニット(10)の運転状態を、温度調節状態と休止状態に切り換える。
【0158】
室内ユニット(10)の冷房運転中において、室内ユニット(10)の運転状態が温度調節状態であるときに指標温度Tiが(Ts−1)℃を下回ると(Ti<Ts−1)、室内気温制御部(92)は、室内空間(500)の気温が下がり過ぎないように、室内ユニット(10)の運転状態を温度調節状態から休止状態に切り換える。また、室内ユニット(10)の冷房運転中において、室内ユニット(10)の運転状態が休止状態であるときに指標温度Tiが(Ts+1)℃を上回ると(Ts+1<Ti)、室内空間(500)の気温を引き下げるため、室内気温制御部(92)は、室内ユニット(10)の運転状態を休止状態から温度調節状態に切り換える。
【0159】
室内ユニット(10)の暖房運転中において、室内ユニット(10)の運転状態が温度調節状態であるときに指標温度Tiが(Ts+1)℃を上回ると(Ts+1<Ti)、室内気温制御部(92)は、室内空間(500)の気温が上がり過ぎないように、室内ユニット(10)の運転状態を温度調節状態から休止状態に切り換える。また、室内ユニット(10)の暖房運転中において、室内ユニット(10)の運転状態が休止状態であるときに指標温度Tiが(Ts−1)℃を下回ると(Ti<Ts−1)、室内空間(500)の気温を引き上げるため、室内気温制御部(92)は、室内ユニット(10)の運転状態を休止状態から温度調節状態に切り換える。
【0160】
なお、室内気温制御部(92)は、室内ユニット(10)の運転状態が温度調節状態から休止状態に切り換わってから所定時間(例えば、5分間)が経過するまでは、休止状態から温度調節状態への切り換えを禁止する。これは、室外ユニットに設けられた圧縮機の頻繁な起動と停止を回避し、圧縮機の故障を未然に防ぐためである。
【0161】
−吹出しモード決定部の動作−
制御器(90)の吹出しモード決定部(93)は、モード決定動作を行う。このモード決定動作は、室内気温制御部(92)が室内ユニット(10)の運転状態を休止状態から温度調節状態に切り換える際に行われる。
【0162】
モード決定動作において、吹出しモード決定部(93)は、吸込温度センサ(61)の計測値Trと、制御器(90)のメモリが記憶する設定温度Tsを用いる。
【0163】
また、吹出しモード決定部(93)は、制御器(90)のメモリが記憶する基準温度差ΔT0(例えば、3℃)を、判定基準値として用いる。基準温度差ΔT0は、目標温度範囲の上限値または下限値と設定温度の差(本実施形態では1℃)よりも大きな値に設定される。
【0164】
更に、吹出しモード決定部(93)は、室内空間(500)の空調負荷を示す空調負荷指標として、冷房運転時には吸込温度センサ(61)の計測値Trから設定温度Tsを減じて得られる冷房時温度差ΔTc(=Tr−Ts)を用い、暖房運転時には設定温度Tsから吸込温度センサ(61)の計測値Trを減じて得られる暖房時温度差ΔTh(=Ts−Tr)を用いる。冷房時温度差ΔTcは、室内の冷房負荷が大きいほど大きくなり、暖房時温度差ΔThは、室内の暖房負荷が大きいほど大きくなる。
【0165】
室内気温制御部(92)が室内ユニット(10)の運転状態を休止状態から温度調節状態に切り換えることを決定すると、吹出しモード決定部(93)は、空調負荷指標を判定基準値と比較する。具体的に、吹出しモード決定部(93)は、冷房運転中であれば冷房時温度差ΔTcを基準温度差ΔT0と比較し、暖房運転中であれば暖房時温度差ΔThを基準温度差ΔT0と比較する。
【0166】
〈空調負荷指標≦判定基準値〉
空調負荷指標が判定基準値以下である場合(即ち、冷房運転中にΔTc≦ΔT0となっている場合と、暖房運転中にΔTh≦ΔT0となっている場合)は、室内空間(500)の空調負荷が比較的小さいと判断できる。そこで、この場合、吹出しモード決定部(93)は、運転状態が休止状態から温度調節状態に切り換わる室内ユニット(10)に実行させる吹出しモードを、標準吹出しモードに決定する。
【0167】
続いて、吹出しモード決定部(93)は、室内ユニット(10)に標準吹出しモードを実行させる旨の指令信号を、風向制御部(91)へ出力する。吹出しモード決定部(93)からの指令信号を受信した風向制御部(91)は、室内ユニット(10)が標準吹出しモードを実行するように、各主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を制御する。その結果、運転状態が休止状態から温度調節状態に切り換わった室内ユニット(10)は、標準吹出しモードを実行する。
【0168】
標準吹出しモードは、室内ユニット(10)が全部吹出し動作を常時行う運転モードである。このため、室内ユニット(10)では、全ての主吹出し開口(24a〜24d)から温度調節された調和空気が吹き出される。暖房運転中であれば、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、下吹き位置に設定する。冷房運転中であれば、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、水平吹き位置と下吹き位置の間で往復移動させる。
【0169】
〈判定基準値<空調負荷指標〉
空調負荷指標が判定基準値を上回る場合(即ち、冷房運転中にΔT0<ΔTcとなっている場合と、暖房運転中にΔT0<ΔThとなっている場合)は、室内空間(500)の空調負荷が比較的大きいと判断できる。そこで、この場合、吹出しモード決定部(93)は、運転状態が休止状態から温度調節状態に切り換わる室内ユニット(10)に実行させる吹出しモードを、気流ローテーションに決定する。
【0170】
上述したように、第1吹出しモードと第2吹出しモードと第3吹出しモードのうち室内ユニット(10)が気流ローテーションとして実行する吹出しモードは、室内ユニット(10)の設置作業者や保守作業者が制御器(90)のディップスイッチを操作することによって予め設定されている。吹出しモード決定部(93)は、気流ローテーションとして予め設定された第1吹出しモードと第2吹出しモードと第3吹出しモードの何れかを室内ユニット(10)に実行させる旨の指令信号を、風向制御部(91)へ出力する。
【0171】
吹出しモード決定部(93)からの指令信号を受信した風向制御部(91)は、室内ユニット(10)が第1吹出しモードと第2吹出しモードと第3吹出しモードの何れかを実行するように、各主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を制御する。その結果、運転状態が休止状態から温度調節状態に切り換わった室内ユニット(10)は、気流ローテーションを実行する。
【0172】
室内ユニット(10)が気流ローテーションとして行う第1吹出しモードと第2吹出しモードと第3吹出しモードの何れにおいても、一部吹出し動作が行われる。つまり、第1吹出しモードでは第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作とが行われ、第2吹出しモードでは第1一部吹出し動作が行われ、第3吹出しモードでは第2一部吹出し動作が行われる。これらの一部吹出し動作では、全部吹出し動作に比べて、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域に調和空気を供給することができる。
【0173】
そこで、空調負荷指標が判定基準値を上回っており、室内の空調負荷が比較的大きいと判断できる場合は、室内ユニット(10)に気流ローテーションを実行させ、気流ローテーションにおいて行われる一部吹出し動作によって、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域へ調和空気を供給する。その結果、室内空間(500)の全体の気温を、速やかに設定温度に近づけることが可能となる。
【0174】
−実施形態の効果−
本実施形態の室内ユニット(10)が行う気流ローテーションでは、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域に調和空気が供給される全部吹出し動作と、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)から比較的遠い領域に調和空気が供給される第1一部吹出し動作または第2一部吹出し動作とが行われる。このため、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域と、室内ユニット(10)から比較的遠い領域とに調和空気を供給することができ、室内空間(500)の各部分における気温の差を縮小することが可能となる。
【0175】
ここで、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、吹出し流速が全部吹出し動作中に比べて高くなるため、吹出し気流が在室者の体に直接当たる可能性がある。しかし、室内ユニット(10)は、気流ローテーションにおいて、第1一部吹出し動作または第2一部吹出し動作を実行し続けるのでは無く、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作と全部吹出し動作とを切り換えて行う。このため、吹出し気流が長時間に亘って在室者の体に直接当たり続ける場合に比べ、在室者の不快感が抑えられる。従って、本実施形態によれば、吹出し気流が在室者の体に直接当たることによる不快感を抑えつつ、室内空間(500)の各部分における気温の差を縮小して快適性を向上させることができる。
【0176】
また、本実施形態の室内ユニット(10)が気流ローテーションとして行う第1吹出しモードでは、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作の間に、全部吹出し動作が行われる。つまり、第1吹出しモードにおいて、第1開口(24X)と第2開口(24Y)の一方から調和空気を室内空間(500)へ供給する動作(即ち、第1一部吹出し動作または第2一部吹出し動作)の次に、第1開口(24X)と第2開口(24Y)の両方から調和空気を室内空間(500)へ供給する全部吹出し動作が行われる。
【0177】
このように、本実施形態では、第1吹出しモードの1サイクルにおいて、全部吹出し動作が二回行われる。また、本実施形態の第1吹出しモードでは、ある全部吹出し動作と次の全部吹出し動作の間に第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作の一方だけが行われる。このため、室内空間(500)の床面近傍への暖かい調和空気の供給量を充分に確保できる。従って、本実施形態によれば、外気温が比較的低い場合であっても、室内空間(500)の床面付近の気温(即ち、在室者の足下付近の気温)を確実に上昇させることができ、その結果、室内空間(500)の快適性を充分に確保することができる。
【0178】
また、暖房運転中の本実施形態の室内ユニット(10)は、吹出し流速が比較的低い全部吹出し動作中に、第1開口(24X)および第2開口(24Y)から調和空気を下向きに吹き出す一方、吹出し流速が比較的高い第1一部吹出し動作中および第2一部吹出し動作中に、第1開口(24X)または第2開口(24Y)から調和空気を概ね水平方向に吹き出す。このため、暖房運転中において、吹出し気流が在室者の体に直接当たって不快感を与えることなく、室内空間(500)の各部分における気温の差を縮小して室内空間(500)の快適性を向上させることができる。
【0179】
また、冷房運転中の本実施形態の室内ユニット(10)は、吹出し流速が比較的低い全部吹出し動作中に、第1開口(24X)および第2開口(24Y)の吹出し気流の方向を変動させる一方、吹出し流速が比較的高い第1一部吹出し動作中および第2一部吹出し動作中に、第1開口(24X)または第2開口(24Y)から調和空気を概ね水平方向に吹き出す。このため、冷房運転中において、吹出し気流が在室者の体に直接当たって不快感を与えることなく、室内空間(500)の各部分における気温の差を縮小して室内空間(500)の快適性を向上させることができる。
【0180】
また、本実施形態の室内ユニット(10)では、各吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向が互いに異なる。また、本実施形態の室内ユニット(10)は、化粧パネル(22)の各辺と直交する方向(即ち、四つの方向)へ調和空気を吹き出すことが可能である。従って、本実施形態によれば、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)の周囲の領域へ調和空気を確実に供給することが可能となる。
【0181】
ところで、冷房運転中に主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を長時間に亘って気流ブロック位置に設定すると、風向調節羽根(51)の表面において結露が生じ、風向調節羽根(51)から水滴が落下するおそれがある。この問題について、
図8を参照しながら説明する。
【0182】
風向調節羽根(51)が
図8に示す気流ブロック位置に設定されている場合、主吹出し開口(24a〜24d)から流出する調和空気の流れは、風向調節羽根(51)の表面(
図8における右側の凸面)の全体に沿う。このため、風向調節羽根(51)の温度は、低温の調和空気と同程度となる。一方、主吹出し開口(24a〜24d)から流出する調和空気の流れは、風向調節羽根(51)の裏面(
図8における左側の凹面)の途中で剥離してしまう。このため、風向調節羽根(51)は、その裏面のうち先端(
図8における下端)寄りの領域が比較的湿度の高い室内空気と接触し、この領域において空気中の水蒸気が凝縮する。そして、この状態が長時間(例えば、5分間以上)に亘って継続し、風向調節羽根(51)の裏面において生じた凝縮水の量がある程度以上に達すると、凝縮水が水滴となって落下するおそれがある。
【0183】
これに対し、本実施形態の室内ユニット(10)では、気流ローテーションとして行われる第1〜第3吹出しモードの全てにおいて、何れかの主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)が気流ブロック位置に設定される一部吹出し動作の継続時間が、比較的短い時間(本実施形態では、120秒)に設定されている。従って、本実施形態によれば、気流ブロック位置に設定された風向調節羽根(51)からの水滴の落下を、未然に防ぐことができる。
【0184】
−実施形態の変形例1−
本実施形態の室内ユニット(10)は、全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とを一回ずつ繰り返し行う第4吹出しモードを、第1吹出しモードに代えて、または第1〜第3吹出しモードに加えて実行可能に構成されていてもよい。この第4吹出しモードは、気流ローテーションとして実行される。
【0185】
図14に示すように、本変形例の第4吹出しモードを行う室内ユニット(10)は、全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とを順に繰り返し行う。第4吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが一回ずつ行われる。なお、本変形例の室内ユニット(10)は、全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作と、第1一部吹出し動作とを順に繰り返し行う動作を、第4吹出しモードとして実行してもよい。
【0186】
暖房運転時の第4吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作の継続時間と、第1一部吹出し動作の継続時間と、第2一部吹出し動作の継続時間とのそれぞれが、互いに同じ時間(例えば、120秒)に設定される。また、冷房運転時の第4吹出しモードの一つのサイクルでは、全部吹出し動作の継続時間が、第1一部吹出し動作の継続時間と第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれよりも長い時間に設定される。例えば、全部吹出し動作の継続時間が600秒に設定され、第1一部吹出し動作の継続時間と第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれが120秒に設定される。
【0187】
例えば、外気温がそれほど高くない状況で冷房運転を行う場合は、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作を続けて行っても、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域の気温はそれ程上昇しない。また、外気温がそれ程低くない状況で暖房運転を行う場合は、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作を続けて行っても、室内空間(500)のうち室内ユニット(10)に比較的近い領域の気温はそれ程低下しない。従って、空調負荷が比較的低い場合は、本変形例のように、気流ローテーションの一つのサイクルにおいて、全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とを一回ずつ行ってもよい。
【0188】
−実施形態の変形例2−
本実施形態の室内ユニット(10)は、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作として、隣り合う二つの主吹出し開口(24a〜24d)から調和空気を室内空間(500)へ供給する動作を行ってもよい。本変形例では、第1主吹出し開口(24a)及び第2主吹出し開口(24b)が第1開口(24X)を構成し、残りの第3主吹出し開口(24c)及び第4主吹出し開口(24d)が第2開口(24Y)を構成する。
【0189】
本変形例の第1一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第1主吹出し開口(24a)の風向調節羽根(51)と第2主吹出し開口(24b)の風向調節羽根(51)とを水平吹き位置に設定し、第3主吹出し開口(24c)の風向調節羽根(51)と第4主吹出し開口(24d)の風向調節羽根(51)とを気流ブロック位置に設定する。このため、調和空気は、第1主吹出し開口(24a)及び第2主吹出し開口(24b)から室内空間(500)へ吹き出され、第3主吹出し開口(24c)及び第4主吹出し開口(24d)からは室内空間(500)へ実質的に吹き出されない。
【0190】
本変形例の第2一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第3主吹出し開口(24c)の風向調節羽根(51)と第4主吹出し開口(24d)の風向調節羽根(51)とを水平吹き位置に設定し、第1主吹出し開口(24a)の風向調節羽根(51)と第2主吹出し開口(24b)の風向調節羽根(51)とを気流ブロック位置に設定する。このため、調和空気は、第3主吹出し開口(24c)及び第4主吹出し開口(24d)から室内空間(500)へ吹き出され、第1主吹出し開口(24a)及び第2主吹出し開口(24b)からは室内空間(500)へ実質的に吹き出されない。
【0191】
−実施形態の変形例3−
本実施形態の室内ユニット(10)は、第1一部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とを交互に繰り返し行う第5吹出しモードを、第1〜第3吹出しモードに加えて実行可能に構成されていてもよい。この第5吹出しモードは、気流ローテーションとして実行される。
【0192】
図15に示すように、第5吹出しモードの一つのサイクルでは、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作が一回ずつ行われる。暖房運転時と冷房運転時の何れにおいても、第5吹出しモードの一つのサイクルでは、第1一部吹出し動作の継続時間と、第2一部吹出し動作の継続時間とが互いに同じ時間に設定される。
【0193】
−実施形態の変形例4−
本実施形態の室内ユニット(10)は、暖房運転中に、主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)の位置が、水平吹き位置よりも下向きの位置に設定される場合がある。例えば、暖房運転時の全部吹出し動作では、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)が下吹き位置に設定される。この状態において室内ユニット(10)から吹き出される調和空気の温度が低くなると、あまり暖かくない調和空気が在室者に直接に当たり、在室者に不快感を与えるおそれがある。
【0194】
そこで、本変形例の室内ユニット(10)の制御器(90)は、暖房運転中に判定用温度が基準値を下回ると、風向調節羽根(51)の位置を水平吹き位置へ強制的に変更する強制変更動作を行うように構成される。本変形例の制御器(90)は、吸込温度センサ(61)の計測値を判定用温度として用いて強制変更動作を行う。
【0195】
暖房運転中に風向調節羽根(51)の位置が水平吹き位置よりも下向きの位置に設定されている状態において、本変形例の制御器(90)は、熱交換器温度センサ(62)の計測値を所定の基準値(例えば、30℃)と比較する。そして、本変形例の制御器(90)は、熱交換器温度センサ(62)の計測値が基準値以上であれば、風向調節羽根(51)の位置をそのままにする一方、熱交換器温度センサ(62)の計測値が基準値未満であれば、風向調節羽根(51)の位置を水平吹き位置へ強制的に変更する。
【0196】
なお、本変形例の制御器(90)は、吹出口(26)から室内空間(500)へ吹き出される調和空気の温度の実測値を判定用温度として用いて強制変更動作を行うように構成されていてもよい。この場合、本変形例の制御器(90)は、吹出口(26)から室内空間(500)へ吹き出される調和空気の温度の実測値を所定の基準値と比較し、その結果に応じて上述した動作を行う。
【0197】
−実施形態の変形例5−
本実施形態の室内ユニット(10)は、気流ローテーションとして行う吹出しモードを自動的に選択するように構成されていてもよい。
【0198】
図16に示すように、本変形例の室内ユニット(10)は、室内ユニット(10)から部屋の壁面までの距離を計測する距離センサ(63)を備えている。この距離センサ(63)としては、例えば、照射した超音波が壁面で反射して戻ってくるまでの時間に基づいて距離を計測するセンサを用いることができる。
【0199】
本変形例の室内ユニット(10)に設けられた距離センサ(63)は、図示しないが四つのセンサユニットを備えており、四つの方向の距離を計測する。具体的に、この距離センサ(63)は、第1主吹出し開口(24a)の吹出し方向(
図16における上方向)に位置する壁面までの距離と、第2主吹出し開口(24b)の吹出し方向(
図16における右方向)に位置する壁面までの距離と、第3主吹出し開口(24c)の吹出し方向(
図16における下方向)に位置する壁面までの距離と、第4主吹出し開口(24d)の吹出し方向(
図16における左方向)に位置する壁面までの距離とを個別に計測する。
【0200】
第3主吹出し開口(24c)の吹出し方向に位置する壁面から室内ユニット(10)までの距離と、第4主吹出し開口(24d)の吹出し方向に位置する壁面から室内ユニット(10)までの距離とは、距離センサ(63)の計測値と実質的に等しい。一方、第1主吹出し開口(24a)の吹出し方向に位置する壁面から室内ユニット(10)までの距離と、第2主吹出し開口(24b)の吹出し方向に位置する壁面から室内ユニット(10)までの距離とは、距離センサ(63)の計測値から化粧パネル(22)の一辺の長さを減じた値と実質的に等しい。
【0201】
ここで、例えば大きな部屋に複数台の室内ユニット(10)が設置される場合、各主吹出し開口(24a〜24d)からの調和空気の吹出し方向に位置する壁面のそれぞれから室内ユニット(10)までの距離は、必ずしも一致しない。そして、部屋の壁面へ向けて主吹出し開口(24a〜24d)から調和空気を高い流速で吹き出しても、室内ユニット(10)からその壁面までの距離が長いと、その壁面まで調和空気が到達せず、室内空間を包み込むような気流を形成することができないおそれがある。
【0202】
そこで、本変形例の室内ユニット(10)の制御器(90)は、距離センサ(63)の計測値に基づいて、気流ローテーションとして行う吹出しモードを選択する自動選択動作を行う。
【0203】
例えば、第2主吹出し開口(24b)の吹出し方向に位置する壁面と、第4主吹出し開口(24d)の吹出し方向に位置する壁面とは室内ユニット(10)から比較的近いが、第1主吹出し開口(24a)の吹出し方向に位置する壁面と、第3主吹出し開口(24c)の吹出し方向に位置する壁面とは室内ユニット(10)から離れているとする。
【0204】
この場合において、第2主吹出し開口(24b)及び第4主吹出し開口(24d)の吹出し風速を高める第1一部吹出し動作では、調和空気が壁面に到達し、室内空間を包み込むような気流が形成される。一方、第1主吹出し開口(24a)及び第3主吹出し開口(24c)の吹出し風速を高める第2一部吹出し動作では、調和空気が壁面に到達できないため、室内空間を包み込むような気流が形成されない。
【0205】
そこで、このような場合、本変形例の制御器(90)は、室内ユニット(10)が行う気流ローテーションとして、
図12に示す第2吹出しモードを選択する。つまり、この場合、本変形例の制御器(90)は、気流ローテーションにおいて実行される一部吹出し動作として、第1一部吹出し動作を選択する。この第2吹出しモードでは、全部吹出し動作と第1一部吹出し動作とが交互に行われ、調和空気を壁面に到達させることができない第2一部吹出し動作は行われない。
【0206】
また、各主吹出し開口(24a〜24d)からの調和空気の吹出し方向に位置する壁面のそれぞれから室内ユニット(10)までの距離が所定の基準距離以下である場合、本変形例の制御器(90)は、室内ユニット(10)が行う気流ローテーションとして、
図9に示す第1吹出しモードを選択する。つまり、この場合、本変形例の制御器(90)は、気流ローテーションにおいて実行される一部吹出し動作として、第1一部吹出し動作と第2一部吹出し動作の両方を選択する。
【0207】
なお、壁面から室内ユニット(10)までの距離が所定の基準距離を上回る場合は、気流ローテーションを実行しても室内空間(500)の快適性が充分に向上しない可能性がある旨や、室内ユニット(10)が実行可能な複数種類の一部吹出し動作のうちの何れかを禁止する旨を、リモコンの表示画面などに表示してもよい。
【0208】
−実施形態の変形例6−
本実施形態の室内ユニット(10)には、床温度センサが設けられていてもよい。この床温度センサとしては、例えば、対象物が放射する赤外線の量に基づいて温度を計測する非接触型の温度センサを用いることができる。
【0209】
本変形例の室内ユニット(10)において、制御器(90)の室内気温制御部(92)は、床温度センサの計測値を用いて温度制御動作を行ってもよい。
【0210】
この場合、室内気温制御部(92)は、吸込温度センサ(61)の計測値Taと床温度センサの計測値Tfの平均値((Ta+Tf)/2)を指標温度Tiとして用いて温度制御動作を行う。つまり、室内気温制御部(92)は、指標温度Ti(=(Ta+Tf)/2)が設定温度Tsとなるように、室内ユニット(10)の運転状態を、温度調節状態と休止状態に切り換える。
【0211】
また、本変形例の室内ユニット(10)において、制御器(90)の吹出しモード決定部(93)は、床温度センサの計測値を用いてモード決定動作を行ってもよい。
【0212】
この場合、吹出しモード決定部(93)は、室内空間(500)の空調負荷を示す空調負荷指標として、冷房運転時には床温度センサの計測値Tfから吸込温度センサ(61)の計測値Trを減じて得られる値(Tf−Tr)を用い、暖房運転時には吸込温度センサ(61)の計測値Trから床温度センサの計測値Tfを減じて得られる値(Tr−Tf)を用いる。冷房運転時の空調負荷指標(Tf−Tr)は、室内の冷房負荷が大きいほど大きくなる。また、暖房運転時の空調負荷指標(Tr−Tf)は、室内の暖房負荷が大きいほど大きくなる。
【0213】
室内気温制御部(92)が室内ユニット(10)の運転状態を休止状態から温度調節状態に切り換えることを決定すると、吹出しモード決定部(93)は、空調負荷指標を判定基準値と比較し、その結果に基づいて、室内ユニット(10)に標準吹出しモードと気流ローテーションのどちらを実行させるかを決定する。
【0214】
−実施形態の変形例7−
本実施形態の室内ユニット(10)には、
図17〜
図19に示すような幅の広い風向調節羽根(51)が設けられていてもよい。
図17〜
図19に示す風向調節羽根(51)は、その長手方向の中央部における幅(即ち、中心軸(53)と直交する方向の長さ)が、
図6〜8に示す風向調節羽根(51)よりも広くなっている。
図17〜
図19に示す幅の広い風向調節羽根(51)を用いると、主吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の流れを、意図した方向へ確実に案内することが可能となる。
【0215】
−実施形態の変形例8−
本実施形態の室内ユニット(10)は、風向調節羽根(51)が設けられた主吹出し開口(24a〜24d)を複数備えていればよく、この主吹出し開口(24a〜24d)の数は四つに限定されない。例えば、室内ユニット(10)に二つの主吹出し開口が形成されている場合、室内ユニット(10)は、第1の主吹出し開口の吹出し気流を風向調節羽根(51)で阻害することによって第2の主吹出し開口の吹出し風速を高める動作を第1一部吹出し動作として行い、第2の主吹出し開口の吹出し気流を風向調節羽根(51)で阻害することによって第1の主吹出し開口の吹出し風速を高める動作を第2一部吹出し動作として行う。
【0216】
−実施形態の変形例9−
本実施形態の室内ユニット(10)は、主吹出し開口(24a〜24d)を塞ぐためのシャッタを、気流阻害機構として備えていてもよい。本変形例の室内ユニット(10)では、四つの主吹出し開口(24a〜24d)のそれぞれに、開閉式のシャッタが設けられる。
【0217】
−実施形態の変形例10−
本実施形態の室内ユニット(10)は、天井(501)の開口部に嵌め込まれる天井埋込型ではなく、ケーシング(20)が天井(501)に吊り下げられた状態で設置される天井吊下型であってもよい。