【実施例】
【0025】
図1は、本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例を構成する第1のコネクタを成すリセプタクルコネクタ11及び第2のコネクタを成すプラグコネクタ12を相互に分離された状態をもって示す。リセプタクルコネクタ11は、回路基板13に装着されており、また、プラグコネクタ12には複数のケーブル14が連結されている。そして、リセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12とは、相互係合状態をとるものとされている。
【0026】
図1に示される第1のコネクタを成すリセプタクルコネクタ11は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング15(第1のハウジング)を備えており、ハウジング15は回路基板13における
図1において上方に向いた面(以下、上面という。)に配されている。
【0027】
ハウジング15には、後述される
図9に示されるプラグコネクタ12のハウジング23(第2のハウジング)に設けられた嵌合凸部26が挿入される嵌合凹部16が、ハウジング15の長手方向に沿って伸びる溝部を成すものとして設けられており、プラグコネクタ12のハウジング23に設けられた嵌合凸部26がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に設けられた嵌合凹部16に挿入されたとき、ハウジング23がハウジンング15との嵌合状態におかれる。また、ハウジング15には、各々が弾性を有した導電性板材により形成された屈曲帯状部材を成す複数のリセプタクル側コンタクト17(第1のコンタクト)が、ハウジング15の長手方向に沿って配列配置されている。
図1における二点鎖線円A内を拡大して図示する
図2及び後述される
図9に示されるように、複数のリセプタクル側コンタクト17の夫々には、回路基板13の上面に設けられた配線端子部(図示が省略されている。)に接続される基板接続部17aと、後述されるプラグコネクタ12に備えられるプラグ側コンタクト25(第2のコンタクト)におけるプラグコネクタ12のハウジング23に設けられた嵌合凸部26に配された当接部25bが当接する接触接続部17bとが、夫々帯状部材の両端部分を成すものとして設けられている。接触接続部17bは、嵌合凹部16内に臨むものとされている。
【0028】
さらに、ハウジング15には、その長手方向における一対の端部18の夫々に金属部材とされた固定部材19が取り付けられている。
図3に示されるように、固定部材19は、回路基板13の上面に設けられた接続金属部(図示が省略されている。)に半田付けされる三方に突出する突出板状部20aを形成する半田付け部20と、半田付け部20からハウジング15に対するプラグコネクタ12のハウジング23の嵌合移動方向とは逆の方向に突出する柱状、例えば、円柱状を成すものとされた係合係止部21とを有している。ここで言う嵌合移動方向とは、ハウジング23がハウジング15との嵌合状態におかれる際にハウジング23がハウジング15に向かって移動する方向である。そして、係合係止部21には、その先端部分21aに連なる大径部分を成す段部21bが形成されている。
【0029】
固定部材19は、半田付け部20における突出板状部20aが回路基板13の上面に設けられた接続金属部に半田付けされることにより、回路基板13に固定される。そして、ハウジング15の長手方向における一対の端部18に夫々取り付けられた一対の固定部材19が回路基板13に固定されることにより、ハウジング15が回路基板13の上面に固定されることになる。
【0030】
図1に示される第2のコネクタを成すプラグコネクタ12は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング23(第2のハウジング)とハウジング23を部分的に覆う状態をもってハウジング23に固定されたシェル部材24とを備えている。シェル部材24は、例えば、金属板部材に打ち抜き・屈曲加工が施されて形成されたものとされている。また、プラグコネクタ12には、各々が同軸ケーブルとされた複数のケーブル14が、ハウジング23及びシェル部材24の夫々の長手方向に沿って配列配置されて連結されている。
【0031】
シェル部材24がハウジング23から取り外されたプラグコネクタ12をそれに連結された複数のケーブル14と共に図示する
図4に示されるように、ハウジング23には、各々が弾性を有した導電性板材により形成された屈曲帯状部材を成す複数のプラグ側コンタクト25(第2のコンタクト)が、ハウジング23の長手方向に沿って配列配置されている。
図4における二点鎖線円B内を拡大して図示する
図5及び後述される
図9(後述される
図8におけるIX−IX線断面を示す断面図。)に示されるように、複数のプラグ側コンタクト25の夫々には、ケーブル14の中心導体14aが接続されるケーブル接続部25aと、ハウジング23に設けられた嵌合凸部26に配されて、リセプタクル側コンタクト17における接触接続部17bに当接する当接部25bとが設けられている。ハウジング23に設けられた嵌合凸部26は、それに配された複数のリセプタクル側コンタクト25における当接部25bを伴って、リセプタクルコネクタ11のハウジング15に設けられた嵌合凹部16に挿入されるものとされている。
【0032】
また、ハウジング23には、配列配置された複数のケーブル14の夫々の外側導体14bに接続された接地接続板部材27が、ハウジング23の長手方向に沿って伸びるものとして配されている。
図9に示されるように、接地接続板部材27は複数のケーブル14の夫々の外側導体14bを挟む一対の導電性板材によって構成されている。
【0033】
シェル部材24は、ハウジング23における複数のプラグ側コンタクト25が配列配置された部分及び接地接続板部材27を覆う本体部28と、シェル部材24の長手方向における両端部の夫々において本体部28からシェル部材24の長手方向に沿って伸びる一対の弾性係合腕状部29と、シェル部材24の長手方向における両端部の夫々において本体部28からシェル部材24の長手方向に沿って伸びて弾性係合腕状部29を部分的に覆う蓋状部30を有している。シェル部材24の両端部の夫々に設けられた一対の弾性係合腕状部29は、本体部28から、ハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15との嵌合状態におかれるときリセプタクルコネクタ11に設けられた係合係止部21に対応することになる部位へと伸びて、リセプタクルコネクタ11における係合係止部21の突出方向に直交することになる方向において相互対向するものとされている。また、シェル部材24の両端部の夫々に設けられた蓋状部30は、帯状連結部31によって本体部28の端部に連結されている。そして、蓋状部30における帯状連結部31に近接した部分には、リセプタクルコネクタ11における係合係止部21の先端部分21aが挿入される透孔30aが形成されており、また、蓋状部30における先端部分には、ハウジング23に係合する係合固定部30bが形成されている。
【0034】
図4における二点鎖線枠C内を蓋状部30が切除されたもとで拡大して図示する
図6に示されるように、相互対向する一対の弾性係合腕状部29は、各々が互いに逆方向をもって折返し屈曲されてリセプタクルコネクタ11に設けられた係合係止部21を挟むことになる一対の当接係合部29aが設けられたものとされ、一対の弾性係合腕状部29が係合係止部21に係合するとき、一対の当接係合部29aが係合係止部21に弾性当接する。また、一対の当接係合部29aが夫々有する一対の自由端部29bは、帯状連結部31を挟むことになる位置において相互対向するものとされる。
【0035】
上述のような一対の弾性係合腕状部29,蓋状部30及び帯状連結部31が両端部の夫々に設けられたシェル部材24にあっては、両端部の夫々において、本体部28と蓋状部30との間に帯状連結部31を挟む一対の開口部32が設けられていることになる。従って、シェル部材24にあっては、その両端部に二つの一対の開口部32の組が夫々設けられていることになり、これらの一対の開口部32を通じて、一対の弾性係合腕状部29に夫々設けられた一対の当接係合部29aが夫々有する一対の自由端部29bをシェル部材24の外部から覗くことができる。
【0036】
また、ハウジング23の長手方向における両端部の夫々には、シェル部材24の長手方向における両端部の夫々に設けられた一対の弾性係合腕状部29,蓋状部30及び帯状連結部31を収容する収容空間33を形成する収容空間形成部34が設けられている。そして、
図1に示されるように、一対の弾性係合腕状部29,蓋状部30及び帯状連結部31が収容空間形成部34により形成された収容空間33に収容されたとき、蓋状部30における先端部分に形成された係合固定部30bが収容空間形成部34に固定される。
【0037】
このようなもとで、第1のコネクタを成すリセプタクルコネクタ11のハウジング15に設けられた嵌合凹部16に第2のコネクタを成すプラグコネクタ12のハウジング23に設けられた係合凸部26が挿入されて、ハウジング23がハウジング15との嵌合状態をとるものとされるとき、
図7及び
図8に示されるように、回路基板13に装着されたリセプタクルコネクタ11と複数のケーブル14が連結されたプラグコネクタ12とが相互係合状態におかれる。その際、リセプタクルコネクタ11のハウジング15の一対の端部18の夫々に取り付けられた固定部材19が有する係合係止部21の先端部分21aが、プラグコネクタ12が備えるシェル部材24に設けられ、プラグコネクタ12のハウジング23の長手方向における両端部の夫々に設けられた収容空間形成部34が形成する収容空間33内に収容された蓋状部30における透孔30aに挿入される。
【0038】
リセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12とが相互係合状態におかれて、プラグコネクタ12のハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15との嵌合状態をとるもとにあっては、
図9に示されるように、ハウジング23に設けられた係合凸部26がハウジング15に設けられた嵌合凹部16に挿入されており、係合凸部26に配されたプラグ側コンタクト25における当接部25bが、嵌合凹部16内に臨むものとされたリセプタクル側コンタクト17における接触接続部17bに当接する。それにより、プラグコネクタ12のハウジング23に配列配置された複数のプラグ側コンタクト25がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に配列配置された複数のリセプタクル側コンタクト17に夫々接触接続される。その結果、各々の中心導体14aが複数のプラグ側コンタクト25の夫々におけるケーブル接続部25aに接続された複数のケーブル14が、複数のプラグ側コンタクト25及び複数のリセプタクル側コンタクト17を介して、複数のリセプタクル側コンタクト17の夫々における基板接続部17aが接続された配線端子部を有する回路基板13に電気的に連結される。
【0039】
また、斯かる際には、プラグコネクタ12のハウジング23の長手方向における両端部の夫々に設けられた収容空間形成部34が形成する収容空間33内に収容された一対の弾性係合腕状部29が、プラグコネクタ12のハウジング23のリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する嵌合移動方向に移動しつつ、リセプタクルコネクタ11のハウジング15の一対の端部18の夫々に取り付けられた固定部材19が有する係合係止部21に係合する。プラグコネクタ12のハウジング23のリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する嵌合移動方向は、係合係止部21の固定部材19における半田付け部20からの突出方向とは逆の方向、即ち、係合係止部21の先端部分21aから固定部材19における半田付け部20に向かう方向である。従って、一対の弾性係合腕状部29は、係合係止部21にその先端部分21aから固定部材19における半田付け部20に向かう方向に移動しつつ係合することになる。
【0040】
このように一対の弾性係合腕状部29が係合係止部21に係合するときにおける係合過程においては、先ず、
図10に示されるように、一対の弾性係合腕状部29が夫々有する一対の当接係合部29aが、係合係止部21に形成された先端部分21aに連なる大径部分を成す段部21bに、それを係合係止部21の固定部材19における半田付け部20からの突出方向に直交する方向において挟んで弾性当接するものとされる。このとき、一対の当接係合部29aは、大径部分を成す段部21bによって押し広げられて、相互間隔が拡大された状態におかれる。また、一対の当接係合部29aが、係合係止部21に形成された先端部分21aから大径部分を成す段部21bに至る過程において、一対の弾性係合腕状部29が生じる虞のある、係合係止部21の固定部材19における半田付け部20からの突出方向への変形が、弾性係合腕状部29を部分的に覆う蓋状部30によって抑制される。
【0041】
続いて、一対の弾性係合腕状部29は、係合係止部21の先端部分21aから固定部材19における半田付け部20に向かう方向の更なる移動に伴って係合係止部21に形成された段部21bを通過し、
図8におけるXI−XI線断面を示す
図11に示されるように、一対の当接係合部29aが、係合係止部21における段部21bに隣接した段部21bより小なる径を有する小径部分に、それを係合係止部21の固定部材19における半田付け部20からの突出方向に直交する方向において挟んで弾性当接する状態をとって停止する。このとき、一対の当接係合部29aは、係合係止部21における大径部分を成す段部21bによって押し広げられた状態を脱し、相互間隔が低減されて係合係止部21における段部21bに隣接した小径部分にそれを挟んで弾性当接するものとされる。それにより、一対の弾性係合腕状部29と係合係止部21とによって、一対の弾性係合腕状部29が設けられたシェル部材24が固定されたプラグコネクタ12のハウジング23が、係合係止部21が設けられた固定部材19が取り付けられたリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対して機械的に係止される。なお、
図11においては、係合係止部21における大径部分を成す段部21bが仮想線をもってあらわされている。
【0042】
斯かるもとで、プラグコネクタ12のハウジング23に、リセプタクルコネクタ11のハウジング15から離隔させようとする、ハウジング23のハウジング15に対する嵌合移動方向とは逆の方向の力が作用すると、係合係止部21における段部21bに隣接した小径部分を挟んだ一対の弾性係合腕状部29における一対の当接係合部29aが、係合係止部21における段部21bに当接して位置規制され、一対の弾性係合腕状部29のハウジング23のハウジング15に対する嵌合移動方向とは逆の方向への移動が禁止される。その結果、プラグコネクタ12のハウジング23のリセプタクルコネクタ11のハウジング15からの離隔が充分な信頼性をもって確実に阻止される。
【0043】
このようにして、プラグコネクタ12のハウジング23の長手方向における両端部及びリセプタクルコネクタ11のハウジング15における長手方向における一対の端部18において、ハウジング23に固定されたシェル部材24に設けられた一対の弾性係合腕状部29がハウジング15における端部18に取り付けられた固定部材19に設けられた係合係止部21に係合することにより、ハウジング23のハウジング15に対する機械的係止が、充分な信頼性をもって確実かつ安定に行われ、ハウジング23がハウジング15に嵌合した状態が安定に維持される。
【0044】
上述のようにプラグコネクタ12のハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に嵌合した状態がとられたもとで、ハウジング23のハウジング15との嵌合状態を解除させる必要が生じた場合には、予め用意された、例えば、
図12に示されるような解除ジグ40が用いられる。解除ジグ40は、例えば、剛性が比較的大とされた金属板部材に打抜き・屈曲加工が施されて形成されたものとされ、一端縁部に、相互対向する一対の係合解除部41の組が二つ設けられている。これら二つの一対の係合解除部41の組のうちの一方の組と他方の組との間の間隔は、プラグコネクタ12のシェル部材24に設けられた二つの一対の開口部32の組のうちの一方の組と他方の組との間の間隔に相当するものに選定されている。
【0045】
そして、ハウジング23のハウジング15との嵌合状態を解除させるにあたっては、解除ジグ40が、
図12に示されるような、回路基板13に装着されたリセプタクルコネクタ11に係合したプラグコネクタ12に対向した位置から、プラグコネクタ12に向かって移動せしめられ、
図13及び
図14に示されるように、解除ジグ40に設けられた一対の係合解除部41が、プラグコネクタ12のシェル部材24に設けられた一対の開口部32を夫々通じてシェル部材24の外部から内部へと挿入されることになる位置をとるものとされる。シェル部材24の内部へと挿入された一対の係合解除部41は、
図14におけるXV−XV線断面を示す
図15及び
図14における XVI−XVI 線断面を示す
図16に示されるように、シェル部材24に設けられた一対の弾性係合腕状部29に夫々設けられた一対の当接係合部29aが夫々有する一対の自由端部29bに当接係合して、一対の自由端部29bの各々を相互離隔させる方向(
図16における一対の矢印Mによって示される方向)に変位させ、一対の自由端部29b間の間隔を増大させる。それに伴い、一対の弾性係合腕状部29に夫々設けられた一対の当接係合部29aが相互離隔する方向に変位せしめられて、一対の当接係合部29a間の間隔が、一対の当接係合部29aが係合係止部21における大径部分を成す段部21bをハウジング15に対するハウジング23の嵌合移動方向とは逆の方向に通過し得るように拡大される。
【0046】
このようにして、シェル部材24の内部へと挿入された一対の係合解除部41により、一対の当接係合部29aが夫々有する一対の自由端部29bの各々が相互離隔する方向に変位せしめられたもとで、プラグコネクタ12のハウジング23が、リセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する嵌合移動方向とは逆の方向に移動せしめられると、一対の弾性係合腕状部29に夫々設けられた一対の当接係合部29aが、係合係止部21における大径部分を成す段部21bをハウジング15に対するハウジング23の嵌合移動方向とは逆の方向に通過するものとされ、一対の弾性係合腕状部29が係合係止部21との係合を解除して、係合係止部21から離隔する。それにより、一対の弾性係合腕状部29と係合係止部21とによるハウジング23のハウジング15に対する機械的係止が解かれて、ハウジング23のハウジング15との嵌合状態が解除される。
【0047】
上述のようなリセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12とを含んで構成される本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例においては、プラグコネクタ12におけるシェル部材24が有する一対の弾性係合腕状部29が、リセプタクルコネクタ11における固定部材19が有する係合係止部21にそれを挟んで係合して係合係止部21に形成された大径部分を成す段部21bに当接することにより位置規制されるものとされて、プラグコネクタ12のハウジング23をリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対して機械的に係止するときには、一対の弾性係合腕状部29が係合係止部21をその突出方向に直交する方向において挟むものとされ、それにより、ハウジング23のハウジング15に対する嵌合移動方向とは逆の方向の力がハウジング23に作用するときには、係合係止部21を挟んだ一対の弾性係合腕状部29が係合係止部21に形成された段部21bに当接して位置規制される。その結果、プラグコネクタ12のハウジング23のリセプタクルコネクタ11のハウジング15から離隔しようとする方向の移動が阻止される。
【0048】
このように、本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例によれば、プラグコネクタ12のハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対して機械的に係止されるにあたっては、一対の弾性係合腕状部29が係合係止部21をその突出方向に直交する方向において挟んで当該係合係止部21に係合するものとされ、ハウジング23のハウジング15に対する嵌合移動方向とは逆の方向の力がハウジング23に作用するときには、係合係止部21を挟んだ一対の弾性係合腕状部29が係合係止部21に形成された段部21bに当接して位置規制されるので、一対の弾性係合腕状部29と係合係止部21とにより、ハウジング23についてのハウジング15に対する係止を、十分な信頼性をもって確実かつ安定に行うことができる。
【0049】
また、本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例にあっては、一対の弾性係合腕状部29及び係合係止部21の夫々が比較的大なる剛性を有した金属部材とされるので、一対の弾性係合腕状部29の係合係止部21に対する係合は、金属部材の金属部材に対する係合となり、それゆえ強固に行われることになる。その結果、一対の弾性係合腕状部29と係合係止部21とによるハウジング23のハウジング15に対する係止を、十分な信頼性をもって堅固に行うことができる。
【0050】
さらに、本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例によれば、プラグコネクタ12におけるシェル部材24が有する一対の弾性係合腕状部29が、各々が互いに逆方向をもって折返し屈曲されて係合係止部21を挟むことになる一対の当接係合部29aが設けられたものとされ、一対の弾性係合腕状部29が係合係止部21にそれを挟んで係合するときには、一対の当接係合部29aが係合係止部21に弾性当接するので、一対の弾性係合腕状部29と係合係止部21とによるハウジング23についてのハウジング15に対する係止を、より一層確実かつ安定に行うことができることになる。
【0051】
なお、上述の本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例にあっては、リセプタクルコネクタ11のハウジング15に取り付けられた固定部材19が有する係合係止部21が円柱状を成すものとされているが、係合係止部21は、円柱状ではなく、板柱状を成すものとされてもよい。斯かる場合には、先端部分に連なる段部が広幅部とされた頸部によって形成され、その頸部に狭幅部が隣接するものとされる。また、上述の本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例にあっては、プラグコネクタ12がそれに複数のケーブル14が連結されるものとされているが、本願発明に係る相互係合コネクタ装置にあっては、プラグコネクタが、それに、複数のケーブルに代えて、フレキシブル配線基板あるいは回路基板が連結されるものとされてもよい。斯かる際には、プラグコネクタに連結されたフレキシブル配線基板あるいは回路基板が、複数のプラグ側コンタクト及び複数のリセプタクル側コンタクトを介して、複数のリセプタクル側コンタクトの夫々ににおける基板接続部が接続された配線端子部を有する回路基板に電気的に連結される。