特許第6229848号(P6229848)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6229848
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】未転写トナー回収装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/10 20060101AFI20171106BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   G03G21/10
   G03G21/00 386
   G03G21/00 370
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-109021(P2014-109021)
(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公開番号】特開2015-225156(P2015-225156A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 隆
(72)【発明者】
【氏名】村田 耕治
(72)【発明者】
【氏名】吉井 達彦
【審査官】 田代 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−340991(JP,A)
【文献】 特開2011−128657(JP,A)
【文献】 実開平05−037790(JP,U)
【文献】 特開2006−337546(JP,A)
【文献】 特開2003−122220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/10
G03G 21/12
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニング部で感光体ドラム表面から除去された未転写トナーを廃トナーとして回収する回収容器を備え、
該回収容器内には、駆動源に駆動経路を介して接続され、回収された未転写トナーを回転動作により搬送しながら撹拌して均す搬送撹拌スクリューが設けられた未転写トナー回収装置であって、
上記駆動経路には、上記搬送撹拌スクリューの回転トルクを検出し、回転トルクがトナー回収量の増加に伴い設定値まで上昇すると、上記駆動経路を切断して搬送撹拌スクリューへのトルク伝達を遮断するトルクリミッターが設けられ、
上記駆動経路は、互いに並列に設けられた第1駆動経路と第2駆動経路とを有し、
上記トルクリミッターは、上記駆動源に接続された第1トルクリミッターと、上記第2駆動経路に設けられた第2トルクリミッターとを有し、第1トルクリミッターの設定トル
クは、第2トルクリミッターの設定トルクより大きく設定されており、
上記第1駆動経路の上流端及び第2駆動経路の上流端は合流して上記第1トルクリミッターに接続されているとともに、該第1駆動経路の下流端及び該第2駆動経路の下流端は、ワンウェイクラッチを介して合流して上記搬送撹拌スクリューに接続され、
上記ワンウェイクラッチは、未転写トナーの初期回収段階では、上記駆動源の駆動トルクを上記第2駆動経路から上記搬送撹拌スクリューに伝達するが、上記第1駆動経路からは伝達せず、未転写トナー回収量が増加して搬送撹拌スクリューの回転トルクが上記第2トルクリミッターの設定トルク値に達して第2駆動経路が切断されると、駆動源からのトルク伝達を第2駆動経路から第1駆動経路に切り換え、未転写トナー回収量がさらに増加して搬送撹拌スクリューの回転トルクが上記第1トルクリミッターの設定トルク値に達して第1駆動経路が切断されることで、駆動源からのトルク伝達を第1駆動経路からも搬送撹拌スクリューに伝達しないようにするものであり、
上記第1トルクリミッター側には、第1トルクリミッターの作動により第1駆動経路が切断されたことを検知する第1検知手段が設けられ、
上記第2トルクリミッター側には、第2トルクリミッターの作動により第2駆動経路が切断されたことを検知する第2検知手段が設けられ、
これら第1検知手段及び第2検知手段は、制御手段に接続され、
該制御手段は、上記第2検知手段の検知信号に基づいて未転写トナーが満杯に近いニアフル回収段階であるとみなして警告を発する一方、上記第1検知手段の検知信号に基づいて未転写トナーが満杯であるフル回収段階であるとみなして画像形成を禁止することを特徴とする未転写トナー回収装置。
【請求項2】
請求項記載の未転写トナー回収装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コピー機やプリンター等の画像形成装置と、そこに設置される未転写トナー回収装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、感光体ドラムの静電潜像に付着したトナーを記録紙に転写した際、トナーの一部が転写後に感光体ドラムに残る。この未転写トナーは、クリーニング部で感光体ドラム表面から除去されて未転写トナー回収装置の回収容器に廃トナーとして回収される。回収容器は、未転写トナーで満杯になると、空の回収容器と交換される。
【0003】
特許文献1には、回収容器内に搬送撹拌スクリュー及びフロート板を配置した未転写トナー回収装置が開示されている。この未転写トナー回収装置では、回収された未転写トナーを搬送撹拌スクリューで搬送しながら撹拌して均し、フロート板が、時間の経過に伴って増量する未転写トナーにより上方に押し上げられると、フォトインタラプターがこのことを検知して回収トナー量が所定量に達したことを検知するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−167327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、フォトインタラプターを用いた特許文献1では、未転写トナーが搬送撹拌スクリューの回転動作により回収容器内で舞い上がるため、舞い上がった未転写トナーにより回収容器の交換時期が誤検知される懸念があり、そのために検出部を頻繁に清掃する必要があるなど不安定要素が多い。
【0006】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回収容器内で舞い上がった未転写トナーによる誤検知をなくし、回収容器の交換時期を適正に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る未転写トナー回収装置は、クリーニング部で感光体ドラム表面から除去された未転写トナーを廃トナーとして回収する回収容器を備え、該回収容器内には、駆動源に駆動経路を介して接続され、回収された未転写トナーを回転動作により搬送しながら撹拌して均す搬送撹拌スクリューが設けられた未転写トナー回収装置であって、上記駆動経路には、上記搬送撹拌スクリューの回転トルクを検出し、回転トルクがトナー回収量の増加に伴い設定値まで上昇すると、上記駆動経路を切断して搬送撹拌スクリューへのトルク伝達を遮断するトルクリミッターが設けられ、上記駆動経路は、互いに並列に設けられた第1駆動経路と第2駆動経路とを有し、上記トルクリミッターは、上記駆動源に接続された第1トルクリミッターと、上記第2駆動経路に設けられた第2トルクリミッターとを有し、第1トルクリミッターの設定トルクは、第2トルクリミッターの設定トルクより大
きく設定されており、上記第1駆動経路の上流端及び第2駆動経路の上流端は合流して上記第1トルクリミッターに接続されているとともに、該第1駆動経路の下流端及び該第2駆動経路の下流端は、ワンウェイクラッチを介して合流して上記搬送撹拌スクリューに接続され、上記ワンウェイクラッチは、未転写トナーの初期回収段階では、上記駆動源の駆動トルクを上記第2駆動経路から上記搬送撹拌スクリューに伝達するが、上記第1駆動経路からは伝達せず、未転写トナー回収量が増加して搬送撹拌スクリューの回転トルクが上記第2トルクリミッターの設定トルク値に達して第2駆動経路が切断されると、駆動源からのトルク伝達を第2駆動経路から第1駆動経路に切り換え、未転写トナー回収量がさらに増加して搬送撹拌スクリューの回転トルクが上記第1トルクリミッターの設定トルク値に達して第1駆動経路が切断されることで、駆動源からのトルク伝達を第1駆動経路からも搬送撹拌スクリューに伝達しないようにするものであり、上記第1トルクリミッター側には、第1トルクリミッターの作動により第1駆動経路が切断されたことを検知する第1検知手段が設けられ、上記第2トルクリミッター側には、第2トルクリミッターの作動により第2駆動経路が切断されたことを検知する第2検知手段が設けられ、これら第1検知手段及び第2検知手段は、制御手段に接続され、該制御手段は、上記第2検知手段の検知信号に基づいて未転写トナーが満杯に近いニアフル回収段階であるとみなして警告を発する一方、上記第1検知手段の検知信号に基づいて未転写トナーが満杯であるフル回収段階であるとみなして画像形成を禁止することを特徴とする。
【0008】
これによれば、駆動経路がトルクリミッターにより切断されることにより、未転写トナーが回収容器内に所定量収容されたことが判る。したがって、特許文献1の如き回収容器内で舞い上がった未転写トナーによる誤検知がなく、回収容器の交換タイミングが適正に行われる。
【0009】
また、回収容器内に収容された未転写トナーの回収量が段階的に判る。
【0010】
また、未転写トナーがニアフル回収段階であること、及びフル回収段階であることが判り、回収容器の交換時期を見誤ることがない。
また、この発明に係る画像形成装置は、上記未転写トナー回収装置を備えている。
これによれば、回収容器の交換タイミングが適正に行われる画像形成装置とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、回収容器内で舞い上がった未転写トナーによる誤検知がなく、回収容器の交換時期を適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、この発明の実施形態に係る未転写トナー回収装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。
図2図2は、この発明の実施形態に係る未転写トナー回収装置において、未転写トナーが初期回収段階であることを説明する説明図である。
図3図3は、この発明の実施形態に係る未転写トナー回収装置において、未転写トナーがニアフル回収段階であることを説明する説明図である。
図4図4は、この発明の実施形態に係る未転写トナー回収装置において、未転写トナーがフル回収段階であることを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、この発明の実施形態に係る未転写トナー回収装置を備えた画像形成装置1の概略構成図を示す。この画像形成装置1は、タンデム方式のカラープリンターであって、箱形のケーシング2内に画像形成部3を備えている。この画像形成部3は、ネットワーク接続等がされたコンピューター等の外部機器から伝送されてくる画像データーに基づき画像を記録紙Pに転写形成する部署である。画像形成部3の下方には、レーザー光を照射する露光装置4が配置され、画像形成部3の上方には、転写ベルト5が配置されている。露光装置4の下方には、記録紙Pを貯留する用紙貯留部6が配置され、用紙貯留部6の側方には、手差し給紙部7が配置されている。転写ベルト5の側方上部には、記録紙Pに転写形成された画像に定着処理を施す定着部8が配置されている。9は、ケーシング2上部に配置され、定着部8で定着処理が施された記録紙Pを排出する用紙排出部である。
【0015】
画像形成部3は、転写ベルト5に沿って一列に配置された4つの画像形成ユニット10を備えている。これら画像形成ユニット10は、感光体ドラム11を有している。各感光体ドラム11の直下には、帯電器12が配置され、各感光体ドラム11の一側方には、現像装置13が配置され、各感光体ドラム11の直上には、1次転写ローラー14が配置され、各感光体ドラム11の他側方には、感光体ドラム11の周面をクリーニングするクリーニング部(以下、クリーニング装置という)15が配置されている。
【0016】
そして、各感光体ドラム11は、帯電器12によって周面が一様に帯電され、当該帯電後の感光体ドラム11の周面に対して、上記コンピューター等から入力された画像データーに基づく各色に対応したレーザー光が露光装置4から照射され、各感光体ドラム11の周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置13から現像剤が供給されて、各感光体ドラム11の周面にイエロー、マゼンタ、シアン、又はブラックのトナー像が形成される。これらトナー像は、1次転写ローラー14に印加された転写バイアスにより転写ベルト5にそれぞれ重ねて転写される。
【0017】
16は、定着部8の下方に転写ベルト5と当接した状態で配置された2次転写ローラーであり、用紙貯留部6又は手差し給紙部7から用紙搬送路17を搬送される記録紙Pを2次転写ローラー16と転写ベルト5とで挟持し、2次転写ローラー16に印加された転写バイアスにより転写ベルト5上のトナー像を記録紙Pに転写するようにしている。
【0018】
定着部8は、加熱ローラー18と加圧ローラー19とを備え、これら加熱ローラー18と加圧ローラー19とにより記録紙Pを挟持して加熱加圧し、記録紙Pに転写されたトナー像を記録紙Pに定着させるようにしている。定着処理後の記録紙Pは、用紙排出部9に排出される。20は、両面印刷時に定着部8から排出された記録紙Pを反転させるための反転搬送路である。
【0019】
各クリーニング装置15の下部には、この発明の実施形態に係る未転写トナー回収装置21が配置されている。この未転写トナー回収装置21は、図2に示すように、クリーニング装置15のクリーニングブレード(図示せず)で感光体ドラム11表面から除去された未転写トナーを廃トナーとして回収する回収容器22を備えている。
【0020】
回収容器22の一端側上部には、上方に開口するトナー流入口部22aが突設されている。回収容器22内には、搬送撹拌スクリュー23が配置されている。この搬送撹拌スクリュー23は、駆動源である駆動モーター24に駆動経路25を介して接続され、回収容器22内に回収された未転写トナーを回転動作により回収容器22の奥部に搬送しながら撹拌して均すようになっている。
【0021】
駆動経路25には、搬送撹拌スクリュー23の回転トルクを検出し、回転トルクがトナー回収量の増加に伴い設定値まで上昇すると、駆動経路25を切断して搬送撹拌スクリュー23へのトルク伝達を遮断するトルクリミッターが設けられている。
【0022】
駆動モーター24の出力ギヤ24aには、第1伝達軸26の一端(図2左端)に設けられた第1ギヤ26aが噛合し、第1伝達軸26の他端(図2右端)には、第1トルクリミッター27が接続されている。
駆動経路は、第1駆動経路28(図3参照)と第2駆動経路29(図2参照)とを有する。
【0023】
トルクリミッターは、第1トルクリミッター27のほかに、第2駆動経路29に設けられた第2トルクリミッター30を有している。そして、第1トルクリミッター27の設定
トルクは、第2トルクリミッター30の設定トルクより大きく設定されている。
【0024】
第1駆動経路28及び第2駆動経路29の上流端(図2左端)は、第1トルクリミッター27に接続されている。第1駆動経路28の下流端(図2右端)は、第1ワンウェイクラッチ31を介して搬送撹拌スクリュー23に接続され、第2駆動経路29の下流端(図2右端)は、第2ワンウェイクラッチ32を介して搬送撹拌スクリュー23に接続されている。
【0025】
具体的に説明すると、第1トルクリミッター27には、一端(図2右端)に第2ギヤ33aを有する第2伝達軸33の他端(図2左端)が接続され、第2ギヤ33aは、第3伝達軸34の一端(図2左端)に設けられた第3ギヤ34aに噛合している。第3伝達軸34の他端(図2右端)には、第4ギヤ34bが設けられ、第4ギヤ34bは、第1ワンウェイクラッチ31に噛合している。第1ワンウェイクラッチ31は、第4伝達軸35の中程に設けられ、第4伝達軸35の一端(図2右端)は、カップリング36を介して搬送撹拌スクリュー23に接続されている。
【0026】
また、第2ギヤ33aは、第2トルクリミッター30に設けられた第5ギヤ30aに噛合している。第2トルクリミッター30には、第5伝達軸37の一端(図2左端)が接続され、第5伝達軸37の他端(図2右端)には、第2ワンウェイクラッチ32が設けられている。第2ワンウェイクラッチ32は、第4伝達軸35の他端(図2左端)に設けられた第6ギヤ35aが噛合している。
【0027】
第2伝達軸33の第1トルクリミッター27側には、第1円板38が設けられ、第1円板38には、第1検知手段としての第1フォトインタラプター39が付設され、第1トルクリミッター27の作動により、つまり搬送撹拌スクリュー23の回転トルクが第1トルクリミッター27の設定トルク値に達して第1トルクリミッター27がスリップすることにより、第1円板38の回転が停止して第1駆動経路28が切断され、トルク伝達が遮断されたことを第1フォトインタラプター39で検知するようになっている。
【0028】
第5伝達軸37の第2トルクリミッター30側には、第2円板40が設けられ、第2円板40には、第2検知手段としての第2フォトインタラプター41が付設され、第2トルクリミッター30の作動により、つまり搬送撹拌スクリュー23の回転トルクが第2トルクリミッター30の設定トルク値に達して第2トルクリミッター30がスリップすることにより、第2円板40の回転が停止して第2駆動経路29が切断され、トルク伝達が遮断されたことを第2フォトインタラプター41で検知するようになっている。
【0029】
これら第1フォトインタラプター39及び第2フォトインタラプター41は、制御手段としてのコントローラー42に接続されている。このコントローラー42は、画像形成装置1全体の制御を司っており、駆動モーター24にも接続されている。
【0030】
そして、図2に示す未転写トナーの初期回収段階では、第2ワンウェイクラッチ32は第5伝達軸37に噛合していて、第6ギヤ35a及び第4伝達軸35を介して搬送撹拌スクリュー23に駆動連結されている。このとき、搬送撹拌スクリュー23の回転トルクは、第1トルクリミッター27及び第2トルクリミッター30の設定トルク値に達していなくてそれほど高くなく、第1トルクリミッター27及び第2トルクリミッター30は共に作動(スリップ)しておらず、第2駆動経路29は切断されていない。一方、第1ワンウェイクラッチ31は第4伝達軸35に噛合しておらず、空転していて、第1駆動経路28は切断されている。したがって、駆動モーター24の駆動トルクは、図2で矢印で示す第2駆動経路29を経て搬送撹拌スクリュー23に伝達され、搬送撹拌スクリュー23は高速回転している。
【0031】
回収容器22内で未転写トナーの収容量が増加し、満杯に近いニアフル回収段階になると、搬送撹拌スクリュー23の回転トルクが第2トルクリミッター30の設定トルク値に達し、図3に「×」印で示すように、第2トルクリミッター30が作動(スリップ)して第2駆動経路29が切断される。これにより、駆動モーター24の駆動トルクは、第2駆動経路29から搬送撹拌スクリュー23に伝達されない。第2フォトインタラプター41はこのことを検知し、検知信号がコントローラー42に入力される。コントローラー42は警告を発し、オペレーターは満杯に近いニアフル状態を認識できる。一方、第1トルクリミッター27は未だ作動(スリップ)しておらず、また、上記の第2駆動経路29切断により、今まで空転していた第1ワンウェイクラッチ31が第4伝達軸35に噛合する。したがって、駆動モーター24の駆動トルクは、図3で矢印で示す第1駆動経路28を経て搬送撹拌スクリュー23に伝達され、搬送撹拌スクリュー23は低速回転することになる。
【0032】
回収容器22内で未転写トナーの収容量がさらに増加し、満杯であるフル回収段階になると、搬送撹拌スクリュー23の回転トルクが第1トルクリミッター27の設定トルク値に達し、図4に「×」印で示すように、第1トルクリミッター27が作動(スリップ)して第1駆動経路28も切断される。これにより、駆動モーター24の駆動トルクは第1駆動経路28からも搬送撹拌スクリュー23に伝達されず、駆動伝達系全体が完全に切断されて搬送撹拌スクリュー23が停止する。第1フォトインタラプター39はこのことを検知し、検知信号がコントローラー42に入力される。コントローラー42は駆動モーター24に停止信号を出力するとともに、画像形成装置1の他の駆動系にも停止信号を出力し、画像形成を禁止する。
【0033】
このように、実施形態の未転写トナー回収装置21では、第2駆動経路29を第2トルクリミッター30が切断することで未転写トナーのニアフル回収段階であることを、さらに、第1駆動経路28を第1トルクリミッター27が切断することで未転写トナーのフル回収段階であることをそれぞれ判別するので、特許文献1の如き回収容器内で舞い上がった未転写トナーにより誤検知する事態を回避でき、回収容器22の交換タイミングを適正に行うことができる。
【0034】
また、回収容器22内に収容された未転写トナーの収容量がニアフル回収段階とフル回収段階の2段階で判るので、回収容器22の交換時期を確実に知ることができる。
【0035】
なお、上記の実施形態では、第1駆動経路28及び第2駆動経路29の2つの経路を示したが、必要に応じて3つ以上の駆動経路を組み合わせて多段階に未転写トナーの収容量が判るようにしてよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
この発明は、コピー機やプリンター等の画像形成装置、及びそれに設置される未転写トナー回収装置に有用である。
【符号の説明】
【0037】
11 感光体ドラム
15 クリーニング装置(クリーニング部)
21 トナー回収装置
22 回収容器
23 搬送撹拌スクリュー
24 駆動モーター(駆動源)
27 第1トルクリミッター
28 第1駆動経路
29 第2駆動経路
30 第2トルクリミッター
31 第1ワンウェイクラッチ
32 第2ワンウェイクラッチ
39 第1フォトインタラプター(第1検知手段)
41 第2フォトインタラプター(第2検知手段)
42 コントローラー(制御手段)






図1
図2
図3
図4