(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6229849
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】集塵機
(51)【国際特許分類】
B01D 46/42 20060101AFI20171106BHJP
A47L 9/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
B01D46/42 Z
A47L9/00 Z
A47L9/00 101
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-188607(P2014-188607)
(22)【出願日】2014年9月17日
(65)【公開番号】特開2016-59854(P2016-59854A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(72)【発明者】
【氏名】今井 輝雄
(72)【発明者】
【氏名】掛川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】圓谷 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】小吹 隆之
【審査官】
菊地 寛
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第03236032(US,A)
【文献】
特開2003−135321(JP,A)
【文献】
米国特許第07644469(US,B1)
【文献】
米国特許第07824456(US,B1)
【文献】
実開昭56−060455(JP,U)
【文献】
特開2002−361018(JP,A)
【文献】
特開昭52−028068(JP,A)
【文献】
実開昭53−019874(JP,U)
【文献】
特開2006−218149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/42
A47L 5/00−9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用の一対のフレームを設け、
前記タンク部は、前記ヘッド部を着脱可能に取り付ける取付機構を収容する一対の凹部を互いに対向するように外側面に有し、前記一対のフレームの少なくとも一部が上部開口に沿って前記対向する凹部の上側の裏側にそれぞれ位置することを特徴とする、集塵機。
【請求項2】
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用のフレームを設け、
前記フレームの一部を前記タンク部の底面内側に設けたことを特徴とする、集塵機。
【請求項3】
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用のフレームを設け、
前記タンク部は、前記ヘッド部を着脱可能に取り付ける取付機構を収容する凹部を外側面に有し、前記フレームの少なくとも一部が前記凹部の下方に位置することを特徴とする、集塵機。
【請求項4】
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用のフレームを設け、
前記フレームの少なくとも一部は、前記タンク部の内側に向けて突出した補強用突出部を有することを特徴とする、集塵機。
【請求項5】
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用のフレームを設け、
前記フレームの一部は、前記タンク部の角部を挟んで相互に隣り合う少なくとも2面に跨って設けられ、前記角部の曲率が前記フレームの前記角部と対向する部分の曲率より僅かに大きいことを特徴とする、集塵機。
【請求項6】
前記タンク部がブロー成形によって形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の集塵機。
【請求項7】
前記タンク部の横断面が略角形である、請求項1から6のいずれか一項に記載の集塵機。
【請求項8】
前記タンク部はホース取付口を有し、前記フレームは前記ホース取付口を避けた位置に設けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の集塵機。
【請求項9】
前記フレームが前記タンク部にネジ止めされている、請求項1から8のいずれか一項に記載の集塵機。
【請求項10】
前記フレームのネジ止め部は、弾性体ワッシャーにより気密構造とされている、請求項9に記載の集塵機。
【請求項11】
前記フレームのネジ止めが、少なくとも前記タンク部内のナットとそれに螺合するボルトによって行われ、前記ナットは前記ボルトの端部を覆う曲面部を有する、請求項9又は10に記載の集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉塵等を収集する集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
集塵機は、主に床面を掃除したり、電動工具などから排出される切削粉塵を集塵する用途で使用される。集塵機は、一般に、粉塵を収集するタンク部と、モータ及び集塵ファンを内蔵したヘッド部とを備え、集塵ファンがモータと一体に回転してタンク部側面のホース取付口に吸込み力を発生させ、ホース取付口から粉塵等をタンク部内に吸い込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−078703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集塵機において、集塵用ホースやホース取付口に詰まりが発生して空気の吸込みが妨げられると、タンク部内は真空に近い状態になり、大きな負圧が発生する。そうするとタンク部の外気接触面には大きな面圧が加わり、タンク部が変形するリスクがあった。
【0005】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、タンク部が変形しにくい構造の集塵機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、集塵機である。この集塵機は、
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用の
一対のフレームを設け
、
前記タンク部は、前記ヘッド部を着脱可能に取り付ける取付機構を収容する一対の凹部を互いに対向するように外側面に有し、前記一対のフレームの少なくとも一部が上部開口に沿って前記対向する凹部の上側の裏側にそれぞれ位置することを特徴とする。
【0007】
本発明のもう1つの態様は、集塵機である。この集塵機は、
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用のフレームを設け、
前記フレームの一部を前記タンク部の底面内側に設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明のもう1つの態様は、集塵機である。この集塵機は、
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用のフレームを設け、
前記タンク部は、前記ヘッド部を着脱可能に取り付ける取付機構を収容する凹部を外側面に有し、前記フレームの少なくとも一部が前記凹部の下方に位置することを特徴とする。
【0009】
本発明のもう1つの態様は、集塵機である。この集塵機は、
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用のフレームを設け、
前記フレームの少なくとも一部は、前記タンク部の内側に向けて突出した補強用突出部を有することを特徴とする。
【0010】
本発明のもう1つの態様は、集塵機である。この集塵機は、
粉塵を収集するタンク部と、
前記タンク部に着脱可能で、モータ及び該モータにより回転するファンを有するヘッド部とを備え、
前記タンク部の内側に、変形防止用のフレームを設け、
前記フレームの一部は、前記タンク部の角部を挟んで相互に隣り合う少なくとも2面に跨って設けられ、前記角部の曲率が前記フレームの前記角部と対向する部分の曲率より僅かに大きいことを特徴とする。
【0011】
前記タンク部がブロー成形によって形成されてもよい。
【0012】
前記タンク部の横断面が略角形であってもよい
【0013】
前記タンク部はホース取付口を有し、前記フレームは前記ホース取付口を避けた位置に設けられてもよい。
【0014】
前記フレームが前記タンク部にネジ止めされてもよい。
【0015】
前記フレームのネジ止め部は、弾性体ワッシャーにより気密構造とされてもよい。
【0016】
前記フレームのネジ止めが、少なくとも前記タンク部内のナットとそれに螺合するボルトによって行われ、前記ナットは前記ボルトの端部を覆う曲面部を有してもよい。
【0018】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、タンク部が変形しにくい構造の集塵機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係る集塵機1の正面図。
【
図3】前記集塵機1に他の電動工具2を接続した状態の概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る集塵機1の正面図である。
図2は、集塵機1の右側断面図である。
図3は、集塵機1に他の電動工具2を接続した状態の概略斜視図である。本実施の形態の集塵機1は、相互に分離可能なタンク部10及びヘッド部20を備える。ヘッド部20は、
図1及び
図3に示すように、取付機構としてのクランプ機構5によってタンク部10の上部に着脱可能に固定される。
【0023】
タンク部10は、上部が開放された底付の筒状であり、ホース4(
図3)を接続するためのホース取付口11を側面(前側の側面)に有する。タンク部10内には、吸引した粉塵をろ過するほぼ円錐台形状のフィルタ12が設けられる。フィルタ12は、タンク部10及びヘッド部20に上下から気密に挟持される。設置面上を転動可能な複数のキャスター13が、タンク部10の下部に取り付けられる。少なくとも一つのキャスター13は、
図2に示すように好ましくはストッパ機構13aを有し転動を規制可能である。
【0024】
ヘッド部20は、ヘッドカバー21及びモータカバー22からなるヘッドハウジングの内側に、モータ23を有する。モータ23は、その出力軸26が鉛直方向上下に延びるようにヘッド部20内に配設される。出力軸26の上部には、軸方向に気流を発生させるモータ冷却用ファン24が直結される。出力軸26の下部には、遠心方向に気流を発生させる集塵ファン25が直結される。
【0025】
ヘッド部20の前側の側面は、タンク部10側(下側)に向かうに従い外側(前側)に向かう傾斜面29となっていて、傾斜面29には操作部30が設けられている。操作部30は、メイン電源スイッチ31と、強弱切替スイッチ32と、単動/連動切替スイッチ33と、照明部用スイッチ34とを有する。なお、単動とは、集塵機1が単体で動作するモードであり、連動とは、
図3に示すように集塵機1に丸のこ等の他の電動工具2を電源ケーブル3で接続して電源供給を可能にしておき、他の電動工具2への電源供給を検出すると、すなわち他の電動工具2が駆動されると集塵機1が駆動するモード(機能)である。
図3に示すように、集塵機1と他の電動工具2は集塵用ホース4で接続され、他の電動工具2で発生した切屑等を吸引することができる。単動/連動切替スイッチ33が単動側にセットされていれば、メイン電源スイッチ31をオンにすることで集塵機1が直ちに稼働する。一方、単動/連動切替スイッチ33が連動側にセットされていれば、メイン電源スイッチ31をオンにしても連動機能の対象となる他の電動工具を駆動しない限り集塵機1は稼働しないので、その状態で照明部用スイッチ34をオンにすることで、集塵機1を稼働せずに(モータ23の駆動状態に関わらず)後述のLED36を点灯することができる。その後、単動/連動切替スイッチ33を連動側から単動側に切り替えればモータ23を起動して集塵機1を稼働することができ、さらに単動側から連動側に切り替えればモータ23を停止して集塵機1の稼働を停止することができる。すなわち、単動/連動切替スイッチ33をモータ駆動用スイッチとして使用することができる。なお、単動/連動切替スイッチ33とは別にモータ駆動用スイッチを設けてもよい。
【0026】
ヘッド部20は、操作部30の近傍に透明カバー35を有し、透明カバー35の後方に照明部としての複数のLED36を有する。なお、照明部はLED以外の発光部によって構成されてもよい。複数のLED36は、同一の照明用基板37上に、ヘッド部20の上面と平行に配列される。
図1では、LED36は1列あたり5個で2列、合計10個設けられる。照明用基板37は、集塵機1を水平面に配置したときに透明カバー35より鉛直に近くなるように(集塵機1の設置面に対して垂直に近くなるように)ヘッド部20内に配設される(ヘッドカバー21に取り付け固定される)。LED36の前方を覆う透明カバー35と照明用基板37及びLED36との間には、空間が設けられる。なお、照明用基板37は、発光面(LED36の搭載面)が斜め下を向いてもよい。
【0027】
LED36は、ヘッド部20より外方、好ましくはホース取付口11の前方に光を照射する。一部のLED36はホース取付口11の上方にあり、残りのLED36は、ホース取付口11の上方かつホース取付口11の側方(ホース取付口11の斜め上方)にある。すなわち、照明部は全体として、ホース取付口11の上方に設けられ、ホース取付口11の上方においてホース取付口11の側方に延在する。
【0028】
本実施の形態の集塵機1において、モータ23を駆動すると、モータ冷却用ファン24及び集塵ファン25が回転駆動される。集塵ファン25の回転により、タンク部10内が負圧になり、ホース取付口11に吸込み力が発生する。すると、粉塵は空気と共に、不図示のホースを介して、
図2に矢印Aで示すようにホース取付口11からタンク部10内に吸い込まれる。その後、フィルタ12によって粉塵と空気は分離される。すなわち、粉塵はフィルタ12の外周面で捕集され、空気は同矢印Aで示すようにフィルタ12を通過してフィルタ12の内部を通りヘッド部20内に吸引され、ヘッド部20後部の排気口28から排気される。一方、モータ冷却用ファン24の回転により、ヘッド部20内が負圧になる。すると、
図2に矢印Bで示すように、ヘッド部20の前面下端部の吸気口(ファン風流入部)27からファン風(冷却風)が吸い込まれる。ヘッド部20内に吸い込まれたファン風は、同矢印Bで示すように、モータ23を冷却した後、ヘッド部20後部の排気口28から排気される。照明用基板37及びLED36は、ヘッド部20内の、吸気口27とモータ冷却用ファン24との間の空間(モータ冷却用ファン24によって負圧になる側の空間)に配置され、当該空間をファン風が通過する。
【0029】
図4は、集塵機1のタンク部10の右側断面図である。
図5は、
図4のC−C断面図である。
図6は、
図4のD−D断面図である。タンク部10は、樹脂製であってブロー成形によって形成され、補強用のリブは設けられていない。タンク部10の水平断面(横断面)は、
図6に示すように略四角形(図示の例では丸みを帯びた正方形ないし長方形)となっている。すなわち、タンク部10は、平面的な側面と、側面同士を接続する丸みを角部とを有する。タンク部10の外側面には、
図1及び
図3に示すクランプ機構5を収容する凹部14が設けられ、凹部14の裏面は凸部15となっている。
【0030】
タンク部10の内側には、変形防止用に、一対の開口部フレーム41と、一対の側面部フレーム42と、底面部フレーム43とが設けられている。各フレームは例えば鉄やアルミ等の金属製(板金)である。各フレームは、ホース取付口11を避けた位置に設けられる。具体的には、一対の開口部フレーム41は、コの字状ないしU字状であってタンク部10の上部開口に沿って設けられる。一対の側面部フレーム42は、コの字状ないしU字状であってタンク部10の凹部14(及びその裏の凸部15)の下方に設けられる。底面部フレーム43は、タンク部10の底面内側に設けられる。底面部フレーム43は、タンク部10の底面内側の、左右方向中央の前端部から後端部にかけて延びる。底面部フレーム43は、タンク部10の内側に向けて突出した補強用突出部43aを有する。なお、他のフレームにも同様に補強用突出部を設けてもよい。
【0031】
各フレームは、タンク部10の内側に、ネジ止めにより固定されている。ネジ止めは、
図5に拡大して示すように、ボルト51、ナット52及び弾性体ワッシャー53によって行われる。なお、
図5は側面部フレーム42の1箇所のネジ止め部を示すが、側面部フレーム42の他のネジ止め部、及び他のフレームの各ネジ止め部も同様である。弾性体ワッシャー53は、ゴム等の弾性体からなり、ボルト51の頭部とタンク部10の外側面との間に設けられる(挟持される)。弾性体ワッシャー53により、各フレームの各ネジ止め部が気密構造とされている。ボルト51と螺合するナット52は、袋ナットであり、ボルト51の先端部を覆う曲面部52aを有する。
【0032】
開口部フレーム41及び側面部フレーム42はそれぞれ、タンク部10の角部を挟んで相互に隣り合う少なくとも2面に跨って設けられ、本実施の形態の例では、タンク部10の左右いずれかの側面と、前側の側面と、後側の側面とに跨って設けられる。タンク部10の角部の曲率は、開口部フレーム41及び側面部フレーム42の前記角部と対向する部分の曲率より僅かに大きく、
図6に示すようにタンク部10の角部と側面部フレーム42との間には隙間44が存在する(タンク部10の角部と開口部フレーム41との間にも同様に隙間が存在する)。各フレームのネジ止めは、タンク部10の角部の両側の側面においてそれぞれ行われる。開口部フレーム41及び側面部フレーム42は、タンク部10の角部との間に隙間がある他は、タンク部10の内面に沿う。底面部フレーム43は、補強用突出部43aを除き、タンク部10の底面に沿う。
【0033】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0034】
(1) タンク部10の内側に変形防止用のフレーム(開口部フレーム41、側面部フレーム42、及び底面部フレーム43)を設けているため、タンク部10の強度が高められる。このため、集塵用ホースやホース取付口11(空気吸入経路)に詰まりが発生して空気の吸込みが妨げられてもタンク部10が変形しにくい。
【0035】
(2) 開口部フレーム41、側面部フレーム42、及び底面部フレーム43が、タンク部10の変形しやすい箇所をそれぞれ補強しているため、強度向上効果が高い。
【0036】
(3) タンク部10は、ブロー成形品であるため、射出成形品と比較してコスト安である。ここで、ブロー成形品であるがゆえに、タンク部10には補強用のリブが立てにくく変形しやすいが、上記のとおりタンク部10の内側には変形防止用のフレームが設けられているため、タンク部10の強度は十分に確保される(タンク部10は空気の吸込みが妨げられても変形しにくい)。
【0037】
(4) タンク部10は、略角筒形状のため、幅、奥行き、高さが同じであれば、円筒形状の場合と比較して容量が大きい。ここで、略角筒形状であるがゆえに、タンク部10の側面は略平面であり、面圧が加わった際に円筒面の場合と比較して変形しやすいが、上記のとおりタンク部10の内側には変形防止用のフレームが設けられているため、タンク部10の強度は十分に確保される(タンク部10は空気の吸込みが妨げられても変形しにくい)。
【0038】
(5) タンク部10の底面部は、1つの底面部フレーム43のみによって補強されるが、底面部フレーム43は補強用突出部43aを有するため、1つでも十分な補強効果を奏することができる。なお、2つの底面部フレーム43を例えば十字状に配してもよく、そうした場合には補強用突出部43aを省略してもよい。
【0039】
(6) 各フレームがタンク部10にネジ止めにより固定されるため、接着剤等による固定と比較して固定強度が高い。ここで、ネジ止め部は弾性体ワッシャー53により気密構造とされているため、ネジ止め部からタンク部10内に空気が流入することは防止される。
【0040】
(7) ナット52がボルト51の先端部を覆う曲面部52aを有するため、タンク部10内にポリ袋を挿入しポリ袋内に粉じんを収集する場合に、ポリ袋がボルト51の先端に引っかかり破けることを抑制できる。
【0041】
(8) タンク部10の角部の曲率が開口部フレーム41及び側面部フレーム42の前記角部と対向する部分の曲率より僅かに大きいため、タンク部10の側面に開口部フレーム41及び側面部フレーム42から変形力が加わることを防止できる。例えばタンク部10の角部の曲率を開口部フレーム41及び側面部フレーム42の前記角部と対向する部分の曲率と同じにしようとすると、製造過程の誤差等により、タンク部10の角部の曲率が開口部フレーム41及び側面部フレーム42の前記角部と対向する部分の曲率よりも小さくなることがある。そうすると、開口部フレーム41及び側面部フレーム42のネジ止め部に、タンク部10の側面を内側に引っ張る変形力が加わるが、本実施の形態ではそうした変形力が加わることを防止できる。
【0042】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0043】
1 集塵機、2 他の電動工具、3 電源ケーブル、4 集塵用ホース、5 クランプ機構、10 タンク部、11 ホース取付口、12 フィルタ、13 キャスター、13a ストッパ機構、14 凹部、20 ヘッド部、21 ヘッドカバー、22 モータカバー、23 モータ、24 モータ冷却用ファン、25 集塵ファン、26 出力軸、27 吸気口(ファン風流入部)、28 排気口、29 傾斜面、30 操作部、31 メイン電源スイッチ、32 強弱切替スイッチ(タクトスイッチ)、33 単動/連動切替スイッチ、34 照明部用スイッチ、35 透明カバー、36 LED、37 照明用基板、41 開口部フレーム、42 側面部フレーム、43 底面部フレーム、43a 補強用突出部、44 隙間、51 ボルト、52 ナット、52a 曲面部、53 弾性体ワッシャー、