(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記更新手段は、前記送信手段が送信した前記広告情報に対するユーザのアクションに応じて、前記第1電子コンテンツの可変パラメータ及び前記第2電子コンテンツの可変パラメータの更新度合を変更する、
請求項1又は2に記載の広告制御装置。
前記更新手段は、前記複数の電子コンテンツのうち1つの電子コンテンツの提供者の要求に応じて、前記要求に対応する1つの電子コンテンツの可変パラメータを更新する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の広告制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
〔1〕システム構成例
本実施形態に係る広告制御装置は、以下に説明する広告提供システムに組み込まれている。まず、この広告提供システムの構成例について以下に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る広告制御装置が組み込まれた広告提供システムの構成例を示す図である。
図1に示す広告提供システム1は、複数の電子コンテンツおよび電子コンテンツに対応する広告情報を端末装置14(以下、単に「端末」という)に対して通信ネットワークNTを介して提供するシステムである。
【0014】
上記「電子コンテンツ」とは、ウェブサイト、アプリケーションプログラム等のコンピュータソフト、動画・静止画といったデジタルプロダクトなどの電子情報で構成されたものをいう。以下では、複数の電子コンテンツそれぞれがウェブサイトである場合を説明する。
【0015】
広告提供システム1は、例示的に、本実施形態に係る広告制御装置としての広告制御サーバ10と、コンテンツ提供サーバ12と、複数の端末14と、通信ネットワークNTと、を備える。
【0016】
まず、通信ネットワークNTから説明する。通信ネットワークNTは、無線ネットワークでも有線ネットワークでもよい。通信ネットワークNTの一例としては、インターネットや無線LAN、赤外線通信、3G、WiMax(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、c.Link(登録商標)、HDMI(登録商標)、有線LAN、電話線、携帯電話網、PHS網、電灯線ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークが挙げられる。
【0017】
端末14は、PC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ等のインテリジェントデバイスである。端末14は、必要に応じて通信ネットワークNTを経由して、広告制御サーバ10と通信することができる。
【0018】
コンテンツ提供サーバ12は、電子コンテンツとしてのウェブサイトを格納及び管理する1以上のサーバコンピュータで構成される。コンテンツ提供サーバ12は、端末14からの通信ネットワークNTを経由した要求に応じてウェブサイトを当該端末14に提供(送信)することができる。
【0019】
広告制御サーバ10は、コンテンツ提供サーバ12によって端末14に提供されるウェブサイトに対応する(について広告する)広告情報の配信等を管理及び制御するサーバコンピュータである。
【0020】
具体的には、広告制御サーバ10は、複数のウェブサイトのうち1つのウェブサイトが端末14に表示される第1ウェブサイト(第1電子コンテンツ)として選ばれた場合において、管理している広告情報の中(第1ウェブサイトに対応する広告情報を除く)から少なくとも何れか1つの広告情報を選択する。そして、広告制御サーバ10は、選択した広告情報を第1ウェブサイトに関連付けて端末14へ送信する。なお、「関連付け」とは、端末14に表示される第1ウェブサイトにおいて広告情報に基づく広告が掲載(表示)されるように、広告情報と第1ウェブサイトとの関係を結びつけることを言う。なお、以下では、選択した広告情報に対応するウェブサイトを第2ウェブサイト(第2電子コンテンツ)と称す。なお、上記「広告」は、第2ウェブサイトのウェブ広告や、第2ウェブサイトの記事(見出し画像や簡易テキスト等)を含む。
【0021】
また、広告制御サーバ10は、第1ウェブサイトに関連付けた(第2ウェブサイトの)広告情報を送信したことに基づき、端末14のユーザを第1ウェブサイトが第2ウェブサイトに送客したと判定する。同時に、広告制御サーバ10は、端末14のユーザを第2ウェブサイトが第1ウェブサイトから集客したと判定する。なお、上記「送信したことに基づき」とは、広告情報を送信した場合だけでなく、送信した後に広告情報に基づく広告が表示された場合、表示された後に広告が選択された場合を含む。言い換えれば、広告制御サーバ10は、広告情報が送信された場合、広告情報に基づく広告が表示された場合(広告情報が送信されると必ず広告が表示されると仮定すると、広告情報が送信された場合と同義である。)、表示された後に広告が選択された場合等に、送客及び集客したと判定する。
【0022】
〔2〕広告制御サーバ10による広告制御動作概要
広告制御サーバ10による広告制御動作の概要について
図2を用いて説明する。
図2には、電子コンテンツの一例である4つのウェブサイト間で送客/集客が行なわれる様子を例示している。
【0023】
ここで、端末14にウェブサイトAが表示されている場合において、ウェブサイトAにウェブサイトBの広告(単に、「B広告」と称す。)が掲載されているとする。端末14においてB広告がユーザによって選択(クリック又はタップ等)されると、端末14にはウェブサイトBが表示される。これにより、広告制御サーバ10は、B広告を通じて1人のユーザをウェブサイトAからウェブサイトBに誘導したことになる。これをウェブサイトAからみると、ウェブサイトAは、1人のユーザをウェブサイトBに送客したと捉えることができる。一方で、ウェブサイトBからみると、1人のユーザをウェブサイトAから集客したと捉えることができる。
【0024】
このとき、送客元のウェブサイトAは、送客数に応じたポイント(例えば1人につき+30pt等)を獲得し、送客された(集客した)側のウェブサイトBは、集客数に応じたポイント(例えば1人につき−30pt)を消費する。このようなルールを、他のウェブサイトB−ウェブサイトC間、ウェブサイトC−ウェブサイトD間、ウェブサイトD−ウェブサイトA間についてもそれぞれ同様に適用する。
【0025】
以上のようなウェブサイト間の送客数及び集客数に応じたポイント(以下「送集客ポイント」と称する。)を広告制御サーバ10はデータベースに記録することで管理し、当該送集客ポイントに基づいて、第1ウェブサイトにどの広告情報を関連付けるか(別言すると送信、表示させるか)を制御(選択、決定)する。
【0026】
本実施形態では、広告制御サーバ10は、送集客ポイントそのものではなく、送集客ポイントから算出される選択確率に基づいて、関連付ける広告情報を選択する。この選択確率は、複数のウェブサイトのうち1つのウェブサイトが第1ウェブサイトとして選ばれた場合に残りのウェブサイトの広告情報の中から1つの広告情報を選択する選択確率である。なお、広告情報を選択すると、ユーザを広告情報に対応するウェブサイト(第2ウェブサイト)に送客することに繋がるので、選択確率は、第1ウェブサイトから第2ウェブサイトへの送客率と称することもできる。
【0027】
図3は、ウェブサイトAが端末14に表示される第1ウェブサイトとして選ばれた場合において、残りウェブサイトの広告情報の選択確率を例示する図である。
【0028】
図3に示す例では、ウェブサイトAが端末14に表示される第1ウェブサイトとして選ばれた場合において、ウェブサイトBに対応する広告情報の選択確率が80%、ウェブサイトCに対応する広告情報の選択確率が15%、ウェブサイトDに対応する広告情報の選択確率が5%である。このような場合において、広告情報を選択する際、広告制御サーバ10は、ウェブサイトBの広告情報を80%の選択確率で選択し、ウェブサイトCの広告情報を15%の選択確率で選択し、ウェブサイトDの広告情報を5%の選択確率で選択する。
【0029】
このように、広告制御サーバ10は、送集客パラメータに基づいた選択確率で選択することにより、送客数及び集客数の状況に応じて広告情報を選択することができ、もって、ウェブサイトの送客数と集客数のバランスを取ることができる。
【0030】
例えば、詳細な算出は後述するが、広告情報に対応するウェブサイトの送客数が多いとき、すなわち当該ウェブサイトの送集客ポイントが高いときに、高い確率となるように選択確率を算出すれば、多くのユーザを送客しているウェブサイトの広告情報が選択され易くなり、この結果、多くのユーザを集客できるようになる。このような場合を
図3に示す例で説明すると、選択確率は、各広告情報の中でもウェブサイトBに対応する広告情報の選択確率(80%)が最も高い。選択確率が最も高いということは、ウェブサイトBは最も多くのユーザを送客している(別言すると、ウェブサイトB以外のウェブサイトに貸しが有る)。したがって、本実施形態では、ウェブサイトAにウェブサイトBの広告を最も多く表示されるようにすることで、多くのユーザを送客しているウェブサイトBが多くのユーザを集客させ、ウェブサイトの送客数と集客数のバランスを取るようにしている。
【0031】
なお、送集客ポイントは、可変パラメータの一例である。送集客ポイントは、上述したように、ユーザがウェブサイトAからB広告が選択された場合だけでなく、B広告が送信(表示)された場合にも増減されてもよい。この場合、送集客ポイントの増減幅は、B広告が送信(表示)された場合と、B広告が選択された場合とで異ならせることもできる。すなわち、送信された広告情報に対するユーザのアクションに応じて、送集客ポイントの更新度合が変更されてもよい。
【0032】
なお、上記の例は、送集客ポイントが送客側ウェブサイトと被送客(集客)側ウェブサイトとで連動して、また、同じ増減幅で更新される例であり、単純なロジックで実現可能である。ただし、これに限られない。
【0033】
例えば、いずれか一方についての送集客ポイントだけを更新するようにしてもよいし、送客側ウェブサイトと集客側ウェブサイトとの間で相対的に異なる増減幅で更新するようにしてもよい。いずれにしても、上記の例と同等の制御を実現できる。
【0034】
〔3〕端末14の構成例
次に、端末14のハードウェア的な構成は、従来の技術を適宜採用することが可能であるため、以下に簡単に説明する。
【0035】
端末14は、例えば、プロセッサと記憶装置と出力装置と入力装置と通信装置等を備える。
【0036】
プロセッサは、ウェブサイト等を表示制御するためのものである。記憶装置は、メモリやハードディスクドライブが挙げられ、ウェブサイト等を記憶するためのものである。出力装置は、ディスプレイ等を含み、ウェブサイトを出力(表示)するためのものである。入力装置は、広告情報に対する操作やウェブサイトのインストール操作をするためのものである。通信装置は、通信ネットワークNTへの接続を可能にする装置あるいはインターフェースである。
【0037】
〔4〕広告制御サーバ10の構成例
次に、広告制御サーバ10のハードウェア的な構成と機能的な構成とを以下に説明する。なお、コンテンツ提供サーバ12のハードウェア的な構成は、広告制御サーバ10の構成と同等とすることができる。
【0038】
(4.1)ハードウェア構成例
図4は、本実施形態に係る広告制御サーバ10のハードウェア的な構成例を示す図である。
図4に示す広告制御サーバ10は、例示的に、制御部101、入力装置103、外部記憶装置105、及び出力装置106を備える。また、広告制御サーバ10は、通信インターフェース(IF)107を備えてもよい。
【0039】
制御部101は、広告制御サーバ10全体の動作を制御する。制御部101は、例えば、CPU111や、ROM112、メインメモリ113、グラフィックメモリ114、オーディオメモリ115、GPU116、オーディオプロセッサ118等を含む。
【0040】
入力装置103は、サーバ管理者等が制御部101に操作信号を入力するために用いられる。入力装置103の一例としては、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等が挙げられる。また、入力装置103には、後述するディスプレイ106Bに備えられたタッチパッドやタッチパネルが含まれてもよい。
【0041】
外部記憶装置105は、例示的に、ペリフェラルインタフェース(I/F)121を介して制御部101に着脱可能に接続することができる。当該ペリフェラレルI/F121には、1又は複数の周辺機器を追加的に接続してもよい。なお、外部記憶装置105は、広告制御サーバ10内に内蔵される記憶装置であってもよい。
【0042】
外部記憶装置105には、ハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等を用いることができる。外部記憶装置105には、広告制御に用いられるプログラム(以下「広告制御プログラム」ともいう。)やサーバ内で生成した及び/又は端末から受信したパラメータ等の各種データのほか、広告情報等を記憶することができる。コンピュータの一例である広告制御サーバ10は、外部記憶装置105から広告制御プログラム等を読み取って後述するメインメモリ113等の内部メモリに転送し格納して用いる。
【0043】
広告制御プログラム等は、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供することができる。記録媒体には、例えば、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disk)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれてよい。また、広告制御プログラム等は、通信IF107により通信ネットワークNT経由で広告制御サーバ10に提供してもよい。
【0044】
なお、「コンピュータ」とは、例えば、ハードウェアとオペレーティングシステム(OS)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウェアを意味することがある。また、OSが不要でプログラム単独でハードウェアを動作可能な場合には、そのハードウェアがコンピュータに相当するとみることができる。ハードウェアは、CPU等の演算装置と、記録媒体に記録されたプログラムを読み取り可能な読み取り装置とを含むことができる。
【0045】
広告制御プログラム等は、上述のようなコンピュータに、広告制御サーバ10としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。その機能の一部はプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【0046】
出力装置106は、例示的に、スピーカ106Aやディスプレイ106Bを備え、広告制御サーバ10のオペレータ等に広告制御プログラム等の実行状態に応じた映像や音声を提供する。ディスプレイ106Bには、液晶ディスプレイや、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等を適用することができる。また、ディスプレイ106Bは、複数のディスプレイを有して成る大画面の統合ディスプレイとしてもよい。
【0047】
通信IF107は、通信ネットワークNTへの接続を可能にする装置あるいはインターフェースである。通信IF107を介して、広告制御サーバ10は、通信ネットワークNTに接続された端末14等と適宜に通信することができる。
【0048】
なお、広告制御サーバ10およびコンテンツ提供サーバ12において、グラフィックメモリ114、オーディオメモリ115、GPU116、オーディオプロセッサ118、及び出力装置106(別言すると、グラフィック関連機能及びオーディオ関連機能)の一部又は全部は備えないこととしても構わない。
【0049】
(4.2)広告制御サーバ10の機能的構成例
図5は、広告制御サーバ10の機能的な構成例を示す図である。
【0050】
図5に例示する広告制御サーバ10は、CPU111が広告制御プログラムをメインメモリ113から読み取って実行することによって具現される複数の機能を備える。この複数の機能の一例としては、記憶手段130と、選択手段132と、送信手段134と、更新手段136と、更新手段136と、を備える。
【0051】
記憶手段130は、複数のウェブサイトそれぞれの広告情報130Aを記憶する。また、記憶手段130は、端末14からの要求に基づいて複数のウェブサイトのうち1つのウェブサイトが第1電子コンテンツとして選ばれた場合に残りのウェブサイトの広告情報130Aの中から1つの広告情報130Aを選択する選択確率を記録した選択確率テーブル130B、及び、複数のウェブサイトそれぞれの送集客ポイントを記録したポイントテーブル130Cを記憶する。これらの他に、記憶手段130は、広告提供システム1の枠組みに参加しているウェブサイトの名前やID等を記録した参加サイトテーブル130D、どのウェブサイトからどのウェブサイトにユーザを送客したかを示す送客履歴を記録した送客履歴テーブル130Eを記憶する。他にも、記憶手段130は、送集客ポイントから重み値としてのスコアを取得する際に参照され、送集客ポイントとスコアとの対応関係を示す対応関係テーブル130F、取得したスコアを記録したスコアテーブル130Gを記憶する。これらテーブルの詳細については後述する。なお、これらテーブルは、一例であって特に限定されるものではなく、各テーブルが一つに纏められていてもよいし、さらに細分化されていてもよい。また、各テーブルに記録されている情報は、テーブル化されていない状態で記憶手段130に記憶されていてもよい。
【0052】
選択手段132は、選択確率テーブル130Bに記述されている選択確率に基づいて、各広告情報130Aの中から少なくとも何れか1つの広告情報130Aを選択し、選択した広告情報130Aに対応するウェブサイトを第2ウェブサイトとする。
本実施形態では、選択手段132は、この選択の前に、例えば或るウェブサイトのIDを端末14等から取得(受信)することで、取得したIDが示すウェブサイトを、第2ウェブサイトの広告情報130Aを掲載する第1ウェブサイトとして選んでおく。そして、選択手段132は、選択確率テーブル130Bに記述されている選択確率の中でも、選んだ第1ウェブサイトに対応する選択確率に基づき、広告情報を選択する。
【0053】
送信手段134は、選択手段132により選択された広告情報130Aを第2ウェブサイトに関連付けて端末14へ送信する。
【0054】
更新手段136は、送信手段134が広告情報130Aを送信したことに基づき、端末14のユーザを第2ウェブサイトが第1ウェブサイトに送客したと判定する。判定後、更新手段136は、ポイントテーブル130C内において、第1ウェブサイトの送集客ポイント及び第2ウェブサイトの送集客ポイントを更新する。そして、更新手段136は、更新した送集客ポイントに基づいて選択確率を更新する。
【0055】
本実施形態では、更新手段136は、送客履歴テーブル130Eに基づき、送集客ポイントを更新する。また、更新手段136は、1日毎、1週間毎、1ヶ月毎等の所定期間毎に、送集客ポイントや選択確率を更新する。なお、更新手段136は、所定期間毎でなく、送信手段134が広告情報130Aを送信したタイミング等で、随時、更新してもよい。また、更新手段136は、送信手段134が送信した広告情報130Aに対するユーザのアクション(表示・選択等)に応じて、第1ウェブサイトの送集客ポイント及び第2ウェブサイトの送集客ポイントの更新度合を変更する。また、更新手段136は、送集客ポイントそのものから選択確率を更新するのではなく、対応関係テーブル130Fに基づき、送集客ポイントからスコアを取得し、取得したスコアに基づき、選択確率を更新する。これらの更新の詳細については後述する。
【0056】
〔5〕テーブルの説明
次に、上述した各テーブルについて説明する。なお、以下では、広告提供システム1の枠組みに参加しているウェブサイトは、ウェブサイトA(ID=1)と、ウェブサイトB(ID=2)と、ウェブサイトC(ID=3)と、ウェブサイトD(ID=4)の4つのみであるものとする。
【0057】
図6は、選択確率テーブル130Bの一例を示す図である。
図6に示す選択確率テーブル130Bには、関連付けIDと、選択可能IDと、選択確率がそれぞれ対応付けて記録されている。なお、
図6中に示す計算式は、選択確率を導出する計算式が理解できるように図示したものであって、実際には選択確率テーブル130Bに記録されなくてもよい。
【0058】
関連付けIDは、広告情報130Aを表示する(関連付ける)ウェブサイトのIDである。また、選択可能IDは、関連付けIDが示すウェブサイトに掲載される広告情報130Aとして選択が可能な広告情報に対応するウェブサイトのIDである。言い換えれば、関連付けIDが示すウェブサイトからユーザが送客される送客先のウェブサイト候補となるウェブサイトのIDである。関連付けIDが示すウェブサイトは送客先のウェブサイト候補とならないので、選択可能IDは、対応する関連付けIDのウェブサイトを除く残りのウェブサイトそれぞれのIDとなる。
【0059】
選択確率は、上述したように、関連付けIDのウェブサイトが端末14に表示される第1ウェブサイトとして選ばれた場合に、残りのウェブサイトの広告情報の中から1つの広告情報を選択する選択確率である。この選択確率は、1つの関連付けIDに対して対応付けられている選択可能ID(が示すウェブサイトの広告情報)毎に設定されている。
【0060】
図7は、ポイントテーブル130Cの一例を示す図である。
図7に示すポイントテーブル130Cには、ウェブサイトのIDと、日次送集客ポイントP1(pt)と、送集客ポイントP(pt)がそれぞれ対応付けて記録されている。
【0061】
日次送集客ポイントP1は、或るウェブサイト(例えばウェブサイトA)が1日で獲得したポイントの合計値である。また、送集客ポイントPは、日次送集客ポイントP1の合計値である(P=P+P1)。
【0062】
図8は、参加サイトテーブル130Dの一例を示す図である。
図8に示す参加サイトテーブル130Dには、電子コンテンツ(ウェブサイト)の名前と、ウェブサイトのIDと、記憶手段130における広告情報130Aの格納先とがそれぞれ対応付けられて記録されている。
【0063】
図9は、送客履歴テーブル130Eの一例を示す図である。
図9に示す送客履歴テーブル130Eには、日時と、送客種類(区分)、送客元IDと、送客先IDとがそれぞれ対応付けて記録されている。
【0064】
日時は、ユーザを送客したときの日時である。送客種類は、本実施形態では2種類存在する。1つ目の種類は、広告情報に基づく広告が表示された場合の「表示」という種類である。2つ目の種類は、表示された後に広告がユーザのクリックより選択された場合の「クリック」という種類である。これらの送客種類は、ユーザのアクションの種類と考えることもできる。送客元IDは、ユーザを送客したウェブサイトのIDである。送客先IDは、送客元IDが示すウェブサイトからユーザが送客された(ユーザを集客した)ウェブサイトのIDである。
【0065】
図10は、対応関係テーブル130Fの一例を示す図である。
図10に示す対応関係テーブル130Fには、送集客ポイントPと、重み値としてのスコアS(sc)との対応関係が記録されている。具体的には、対応関係テーブル130Fには、送集客ポイントPが複数の範囲(〜50,000ptの範囲、50,001pt〜150,000ptの範囲等)に分けられており、送集客ポイントPの各区分とスコアSとの対応関係が記録されている。
【0066】
対応関係は、
図11に示すように、送集客ポイントPが高くなるにつれて、スコアSが高くなる関係である。また、対応関係は、スコアSが送集客ポイントPを変数として2次以上の増加関数で表される関係である。例外的に、送集客ポイントPが〜50,000ptの範囲である場合は、スコアSが「集客停止」とされ、送集客ポイントPが4,750,001pt〜の範囲である場合は、スコアSが「送客停止」とされている。
【0067】
図11は、対応関係テーブル130Fの他の例を示す図であり、
図10に示す対応関係テーブル130Fの対応関係が更新された場合の例を示す図である。この対応関係の更新については後述する。
【0068】
図12は、スコアテーブル130Gの一例を示す図である。
図12に示すスコアテーブル130Gには、ウェブサイトのIDと、スコアS(sc)と、スコア合算値St(sc)とがそれぞれ対応付けて記録されている。なお、
図12中の送集客ポイントP(pt)は、送集客ポイントPとスコアSの対応関係が理解できるように図示したものであって、実際にはスコアテーブル130Gに記録されなくてもよい。
【0069】
スコアS(sc)は、送集客ポイントPから換算されたスコアを示す。スコア合算値St(sc)は、IDに対応するスコアS以外の残りのスコアを合算した値を示す。例えば、ID=1に対応するスコアSが250scである場合、これに対応するスコア合算値Stは、ID=2に対応するスコアSの250scと、ID=3に対応するスコアSの100scと、ID=4に対応するスコアSの50scを合算した値400scとなる。
【0070】
〔6〕システム動作説明
以下、上述のごとく構成された広告提供システム1の動作について説明する。
【0071】
図13は、広告提供システム1の動作(相互送客処理)の流れを説明するフローチャートである。この相互送客処理は、例えば、コンテンツ提供サーバ12から端末14が、広告提供システム1の枠組みに参加しているウェブサイトA〜Cのうち何れか1つのウェブサイトを受信した場合に開始される。以下では、端末14がウェブサイトA(第1ウェブサイト)を受信する場合について説明する。言い換えれば、端末14からの(アクセス)要求に基づいて複数のウェブサイトのうち1つのウェブサイトAが、広告情報を関連付ける第1ウェブサイトとして選ばれる。なお、このウェブサイトAには、対応するID「1」が埋め込まれている。
【0072】
(ステップSP10)
端末14は、ウェブサイトAの受信に応答して、当該ウェブサイトA(のトップページ)を画面上に表示する。
図16(A)は、端末14に表示されるウェブサイトAの一例を示す図である。ウェブサイトAには、他のウェブサイトの広告を表示するための広告枠140が設けられているが、本ステップSP10では広告枠140の中は空欄の状態となっている。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP12)
端末14は、広告制御サーバ10に対して、広告の送信を要求する広告要求を送信する。なお、この広告要求には、ウェブサイトAのIDが含まれる。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP14)
広告制御サーバ10は、端末14から広告要求を受信する。この受信に応答して、広告制御サーバ10は、広告要求に含まれるIDを取得する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP16)
広告制御サーバ10は、記憶手段130を参照して、取得したIDに対応するウェブサイトAの送客停止フラグF1がオン(F1=1)になっているか否かを判定する。そして、左記判定が肯定判定された場合には、送客が停止、すなわち広告表示が停止されている旨を広告制御サーバ10が端末14に通知するとともに、処理は、ステップSP18の処理に移行する。また、上記判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP20の処理に移行する。なお、送客停止フラグF1がオフのときは、F1=0とされている。
【0076】
(ステップSP18)
端末14は、広告制御サーバ10から、広告表示が停止されている旨を受信する。この受信に応答して、端末14は、広告枠140に他のウェブサイトの広告を表示しない。なお、端末14は、他のウェブサイトの広告を表示しない代わりに、ウェブサイトA自身の広告を表示してもよい。そして、相互送客処理が終了する。
【0077】
(ステップSP20)
広告制御サーバ10(選択手段132)は、取得したIDに対応するウェブサイトAの広告枠140に掲載する広告として選択可能な各広告情報の選択確率を取得する。具体的には、広告制御サーバ10は、選択確率テーブル130Bを参照し、取得したIDと一致する関連付けIDを検索し、検索した関連付けIDに紐付いた複数の選択可能IDそれぞれの選択確率を取得する。広告制御サーバ10は、取得した各選択確率に基づき、選択可能IDの中から少なくとも何れか1つの選択可能IDを選択する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。なお、上記選択に際し、ウェブサイトに対応する選択可能IDではなく、広告情報130AのIDが選択されてもよい。
【0078】
(ステップSP22)
広告制御サーバ10は、選択した選択可能IDに対応するウェブページの集客停止フラグF2がオン(F2=1)になっているか否かを判定する。そして、左記判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP20の処理に戻り、上記判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP24の処理に移行する。なお、集客停止フラグF2がオフのときは、F2=0とされている。また、ステップSP20において、集客停止フラグF2がオンになっているウェブページを除いた上で選択可能IDを選択してもよい。この場合、ステップSP22は省略することができる。
【0079】
(ステップSP24)
広告制御サーバ10(送信手段134)は、選択した選択可能IDを送客先IDとして確定する。そして、広告制御サーバ10は、参加サイトテーブル130Dを参照して、確定した送客先IDに対応するウェブサイトの広告情報130Aの格納先を特定し、特定した格納先から広告情報130Aを取得する。そして、広告制御サーバ10(送信手段134)は、取得した広告情報130Aを、広告要求に含まれるID(送客元ID)のウェブサイトAに関連付けて端末14へ送信する。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0080】
(ステップSP26)
端末14は、広告制御サーバ10から広告情報130Aを受信する。この受信に応答して、端末14は、受信した広告情報130Aに基づく広告を、画面上においてウェブサイトAの広告枠140に表示(掲載)する。
図16(B)は、
図16(A)に示す画面から遷移する端末14の画面であって、当該画面に、広告142が掲載されたウェブサイトAが表示されている状態を示す図である。
図16(B)では、広告枠140にウェブサイトBの広告142が表示されている。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0081】
(ステップSP28)
広告制御サーバ10(更新手段136)は、例えば、上記広告情報130Aを送信した現在の日時と、送客種類(表示)と、送客元IDと、送客先IDと、を送客履歴として送客履歴テーブル130Eの最後の行に追加する(
図9内矢印参照。)ことで、当該送客履歴を送客履歴テーブル130Eに保存する。そして、処理は、ステップSP30の処理に移行する。
【0082】
(ステップSP30)
広告制御サーバ10は、端末14において広告142がクリック(選択)されたか否かを判定する。この判定は、広告制御サーバ10が端末14から広告142がクリックされたことを示すクリック情報を受信した場合に肯定判定され、当該クリック情報を受信しなかった場合に否定判定される。そして、上記判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP32の処理に移行し、上記判定が否定判定された場合には、相互送客処理が終了する。
【0083】
(ステップSP32)
広告制御サーバ10は、例えば、クリックされた現在の日時と、送客種類(クリック)と、送客元IDと、送客先IDと、を送客履歴として送客履歴テーブル130Eの最後の行に追加する(
図9内矢印参照。)ことで、当該送客履歴を送客履歴テーブル130Eに保存する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0084】
(ステップSP34)
広告制御サーバ10は、クリックされた広告142に対応するウェブサイト(例えばウェブサイトB)にリダイレクトするように端末14を制御する。この制御に応答して、端末14は、コンテンツ提供サーバ12(
図1参照。)に対してウェブサイトBのアクセス要求をする。このアクセス要求に応答して、コンテンツ提供サーバ12は、ウェブサイトBを自身の記憶手段から取得し、取得したウェブサイトBを端末14に対して送信する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0085】
(ステップSP36)
端末14は、ウェブサイトBを受信する。この受信に応答して、端末14は、ウェブサイトBを表示する。
図16(C)は、
図16(B)に示す画面から遷移する端末14の画面であって、当該画面に、広告142が広告するウェブサイトBが表示されている状態を示す図である。このウェブサイトBには、広告枠140が設けられていても、設けられていなくてもよい。例えば、広告枠140が設けられている場合には、処理は、ステップSP10の処理に戻り、広告枠140が設けられていない場合には、相互送客処理が終了する。
【0086】
図14は、広告制御サーバ10の動作(選択確率計算処理)の流れを説明するフローチャートである。この選択確率計算処理は、例えば、1日毎に実行される。
図15は、
図14に示す選択確率計算処理の続きの処理の流れを説明するフローチャートである。
【0087】
(ステップSP50)
広告制御サーバ10(更新手段136)は、送客履歴テーブル130Eを参照し、送客履歴テーブル130E内の送客履歴のうち前日24時間の送客履歴(日次送客履歴)を取得する。そして、処理は、ステップSP52の処理に移行する。
【0088】
(ステップSP52)
広告制御サーバ10は、取得した日次送客履歴に基づき、各ウェブサイトA〜Dの日次送集客ポイントP1を算出する。例えば、日次送客履歴のうち1つの履歴が、送客種類「表示」、送客元ID「1」、送客先「2」を示す場合、送客元ID「1」のウェブサイトAの日次送集客ポイントP1に「+0.03」を加算する(P1=P1+0.03)。また、送客先ID「2」のウェブサイトBの日次送集客ポイントP1に「−0.03」を加算する(P1=P1+(−0.03))。また、日次送客履歴のうち1つの履歴が、送客種類「クリック」、送客元ID「1」、送客先「2」を示す場合、送客元ID「1」のウェブサイトAの日次送集客ポイントP1に「+30」を加算する(P1=P1+30)。また、送客先ID「2」のウェブサイトBの日次送集客ポイントP1に「−30」を加算する(P1=P1−30)。なお、日次送集客ポイントP1の初期値は例えば「0」とする。
【0089】
広告制御サーバ10は、上記のような算出を日次送客履歴の一つ一つ繰り返すことで、各ウェブサイトA〜Dの日次送集客ポイントP1を算出し、算出結果をポイントテーブル130Cに保存する(
図7参照)。なお、
図7に示すように、この算出結果の一例は、ウェブサイトA(ID=1)の日次送集客ポイントP1が600,000pt、ウェブサイトB(ID=2)の日次送集客ポイントP1が3000pt、ウェブサイトC(ID=3)の日次送集客ポイントP1が−3000pt、ウェブサイトD(ID=4)の日次送集客ポイントP1が−600000ptといった算出結果となる。そして、処理は、ステップSP54の処理に移行する。
【0090】
(ステップSP54)
広告制御サーバ10は、各ウェブサイトA〜Dの送集客ポイントPに、対応する日次送集客ポイントP1を加算する(P=P+P1)。なお、送集客ポイントPの初期値は、例えば1,000,000ptとする。そして、処理は、ステップSP56の処理に移行する。
【0091】
(ステップSP56)
広告制御サーバ10は、加算により得られた送集客ポイントPをポイントテーブル130Cに保存することで、ポイントテーブル130Cにおける各ウェブサイトA〜Dの送集客ポイントPを更新する(
図7参照。)。例えば、相互送客処理が初めて実行された日を1日目としたとき次の日(2日目)のときに選択確率計算処理が初めて実行されたときは、ウェブサイトAの送集客ポイントPは、初期値の1,000,000ptに日次送集客ポイントP1の600,000ptを加算した1,600,000ptとなる。そして、処理は、ステップSP58の処理に移行する。
【0092】
(ステップSP58)
広告制御サーバ10は、各ウェブサイトA〜Dの送集客ポイントPの平均値を算出する。そして、処理は、ステップSP60の処理に移行する。
【0093】
(ステップSP60)
広告制御サーバ10は、算出した平均値が過去(前日)に算出した平均値と異なるか否か(ずれているか否か)を判定する。そして、上記判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP62の処理に移行し、上記判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP66の処理に移行する。この平均値は、例えば、1,000,000ptとされている。
【0094】
なお、送客と集客について送集客ポイントPが同じ増減幅で更新されると、算出した平均値が前日算出した平均値と異なることはない。しかしながら、記憶手段130が記憶している広告情報130Aに対応するウェブサイトの品揃え、すなわち、広告提供システム1の枠組みに参加しているウェブサイトの品揃えに変更があった場合には、算出した平均値が前日算出した平均値と異なり得る。ここで、品揃えの変更が起こる事例としては、ウェブサイトの新規加入や参加しているウェブサイトの解約が挙げられるが、本実施形態では、参加しているウェブサイトの解約による品揃えの変更を想定する。
【0095】
(ステップSP62)
広告制御サーバ10は、対応関係テーブル130Fにおける送集客ポイントPとスコアSとの対応関係を調整する。この対応関係は、送集客ポイントPの初期値(1,000,000pt)の平均値を基準として予め設定されているため、算出した平均値が前日算出した平均値と異なれば、予め設定されていた対応関係が崩れる虞がある。このため、広告制御サーバ10は、対応関係が崩れることを抑制するために、対応関係の調整を行う。
【0096】
具体的には、広告制御サーバ10は、算出した送集客ポイントPの平均値から、送集客ポイントPの前日の平均値を減算し、この結果を調整値とする。次に、広告制御サーバ10は、対応関係テーブル130Fに記述されている送集客ポイントPに調整値を加算する。すなわち、平均値のずれに応じた値(調整値)を、対応関係テーブル130Fに記述されている送集客ポイントPに加算する。そして、処理は、ステップSP64の処理に移行する。
【0097】
(ステップSP64)
広告制御サーバ10は、ステップSP62での加算結果を、対応関係テーブル130Fに上書きする。これにより、対応関係テーブル130Fにおける送集客ポイントPとスコアSとの対応関係が更新(調整)される。例えば調整値が20,000ptの場合、対応関係テーブル130Fの対応関係は、
図10から
図11に示す内容に調整される。なお、広告制御サーバ10は、初期の対応関係テーブル130Fは残したまま、当該対応関係テーブル130Fをコピーし、コピーした対応関係テーブル130Fに加算結果を上書きしてもよい。そして、処理は、ステップSP66の処理に移行する。
【0098】
(ステップSP66)
広告制御サーバ10は、ポイントテーブル130Cを参照して、各送集客ポイントPを取得する。そして、広告制御サーバ10は、対応関係テーブル130Fの対応関係に基づき、取得した各送集客ポイントPからスコアSを取得し、この取得結果をスコアテーブル130Gに保存する(
図12参照。)。そして、処理は、
図15に示すステップSP68の処理に移行する。
【0099】
(ステップSP68,82)
広告制御サーバ10は、各ウェブサイトA〜Dについて、ステップSP68,82の間の、ステップSP70〜ステップPS80の処理を繰り返す。
【0100】
(ステップSP70)
広告制御サーバ10は、スコアテーブル130Gを参照して、処理対象のウェブサイト(以下、「該当ウェブサイト」と称す。)のスコアSが「送客停止」を示しているか否かを判定する。左記判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP72の処理に移行し、左記判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP74の処理に移行する。
【0101】
(ステップSP72)
広告制御サーバ10は、該当ウェブサイトの送客停止フラグF1をオンする(F1=1)。そして、処理は、ステップSP82の処理に移行する。
【0102】
(ステップSP74)
広告制御サーバ10は、スコアテーブル130Gを参照して、該当ウェブサイトのスコアSが「集客停止」を示しているか否かを判定する。左記判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP76の処理に移行し、左記判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP78の処理に移行する。
【0103】
(ステップSP76)
広告制御サーバ10は、該当ウェブサイトの集客停止フラグF2をオンする(F2=1)。そして、処理は、ステップSP82の処理に移行する。
【0104】
(ステップSP78)
広告制御サーバ10は、記憶手段130を参照して、送客停止フラグF1又は集客停止フラグF2がオンか否かを判定する。左記判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP80の処理に移行し、左記判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP82の処理に移行する。
【0105】
(ステップSP80)
広告制御サーバ10は、オンと判定したフラグをオフにする(F1=0又はF2=0)。そして、処理は、ステップSP82の処理に移行する。
【0106】
(ステップSP82)
各ウェブサイトA〜Dについて繰り返しの処理が終っていれば、処理は、ステップSP84の処理に移行する。
【0107】
(ステップSP84,92)
広告制御サーバ10は、各ウェブサイトA〜Dについて、ステップSP84,92の間の、ステップSP86〜ステップPS90の処理を繰り返す。
【0108】
(ステップSP86)
広告制御サーバ10は、該当ウェブサイトから見たときの他のウェブサイトそれぞれのスコアSを合算することで、該当ウェブサイトに対応するスコア合算値Stを算出する。なお、他のウェブサイトのスコアSが送客停止又は集客停止を示す場合には、そのスコアSの合算は除外する。そして、広告制御サーバ10は、算出したスコア合算値Stを該当ウェブサイトに対応付けてスコアテーブル130Gに保存する。この算出について
図12の例で説明すると、該当ウェブサイトがウェブサイトA(ID=1)である場合、ウェブサイトAから見たときの他のウェブサイトはウェブサイトC〜D(ID=2〜4)となる。したがって、広告制御サーバ10は、ウェブサイトCのスコアS「250pt」と、ウェブサイトDのスコアS「100pt」と、ウェブサイトCのスコアS「50pt」を合算し、この結果を該当ウェブサイトに対応するスコア合算値Stとする(St=250pt+100pt+50pt)。そして、処理は、ステップSP88の処理に移行する。
【0109】
(ステップSP88)
広告制御サーバ10は、該当ウェブサイトのスコア合算値Stと残りのウェブサイトのスコアSに基づき、該当ウェブサイトが端末14に表示される第1ウェブサイトとして選ばれた場合に、残りのウェブサイトの広告情報130Aの中から1つの広告情報を選択する選択確率を算出する。
【0110】
本実施形態では、広告制御サーバ10は、残りのウェブサイトそれぞれのスコアSをスコア合算値Stで除算して「100」を乗算することで選択確率を算出する。具体的には、
図6に示す例において、該当ウェブサイトのID(関連付けID)が「1」である場合、広告制御サーバ10は、関連付けID「1」に対応する選択可能IDである「2」、「3」、「4」を取得する。そして、広告制御サーバ10は、取得した選択可能ID「2」に対応するスコアSを関連付けID「1」に対応するスコア合算値Stで除算して「100」を乗算することで、選択可能ID「2」に対応する広告情報130Aの選択確率を算出する。また、広告制御サーバ10は、取得した選択可能ID「3」に対応するスコアSを関連付けID「1」に対応するスコア合算値Stで除算して「100」を乗算することで、選択可能ID「3」に対応する広告情報130Aの選択確率を算出する。さらに、広告制御サーバ10は、取得した選択可能ID「4」に対応するスコアSを関連付けID「1」に対応するスコア合算値Stで除算して「100」を乗算することで、選択可能ID「4」に対応する広告情報130Aの選択確率を算出する。このような算出方法で得られる選択確率は、該当ウェブサイトから見たときの残りのウェブサイトの送客実績の割合を示す送客実績率を示すことになる。したがって、この送集客実績率(選択確率)が高いウェブサイトは、残りのウェブサイトの中で過去に送客した送客数が多いことを意味することになる。
【0111】
(ステップSP88)
広告制御サーバ10は、算出した選択確率を選択確率テーブル130Bに上書きする。この結果、広告制御サーバ10は、選択確率テーブル130Bの選択確率を更新する。そして、選択確率計算処理が終了する。
【0112】
〔7〕結び
以上のように、本実施形態によれば、更新手段136は、ユーザを送客したと判定する度に、すなわち、ユーザの送客数に応じて、第1ウェブサイトの送集客ポイントP及び第2ウェブサイトの送集客ポイントPを更新する。そして、この更新手段136が、送信手段134が送信する対象となる広告情報130Aを選択する選択確率を送集客ポイントP(から取得するスコアS)に基づいて更新すると、選択確率は送客数に応じた値を取るようになる。したがって、選択手段132が、このような送客数に応じた選択確率に基づき広告情報を選択すると、送客数の状況に応じて第1ウェブサイトからユーザを集客する第2ウェブサイトの広告情報を選択することができる。例えば、送客数が多い(送集客ポイントPが高い)ウェブサイトは、その広告情報の選択確率が高くなり、この結果、多くのユーザを集客できるようになる。一方で、送客数が少ない(送集客ポイントPが低い)ウェブサイトは、その広告情報の選択確率が低くなり、この結果、少ないユーザを集客するようになる。したがって、ウェブサイトの送客数と集客数のバランスを取ることができる。
【0113】
図17は、広告提供システム1によるユーザの送集客をシミュレーションした結果を示す図である。本シミュレーションは、「GPGSiM」というライブラリ(
https://www.gpgsim.net/gpgsim/)を用いた。また、本シミュレーションは、上述した相互送客処理と選択確率計算処理に従って行っている。また、本シミュレーションでは、広告提供システム1の枠組みにウェブサイトA〜Dのみが参加していることを前提とした。
【0114】
図17に示すように、各ウェブサイトA〜Dは、所定の日数にて、送集客ポイントPが何れかの値(例えばウェブサイトAは200万pt)で安定化していることが分かる。送集客ポイントPが安定化しているということは、広告提供システム1の処理により、ウェブサイトの送客数と集客数のバランスが取れていることを意味する。
【0115】
また、更新手段136は、対応関係テーブル130Fが示す対応関係を参照して、送集客ポイントPに対応するスコアSを取得し、取得したスコアSに基づいて選択確率を更新する。したがって、本実施形態によれば、送集客ポイントPそのものではなく、送集客ポイントPに対して重み付けした値(スコアS)に基づいて選択確率を更新することができる。
【0116】
また、対応関係テーブル130Fの対応関係は、送集客ポイントPを変数としてスコアSが2次以上の関数で表される関係である。
【0117】
図18は、送集客ポイントPを変数としてスコアSを2次関数とした場合と、1次関数とした場合とでそれぞれ、広告提供システム1によるユーザの送集客をシミュレーションした結果を示す模式図である。
【0118】
図18に示すように、スコアSを2次関数(離散値)とした場合(実線)において送集客ポイントPが安定化する値をXとし、値Xに到達する日数(送集客ポイントPが安定化する日数)をD1とし、スコアSを1次関数とした場合(一点鎖線)において値Xに到達する日数(送集客ポイントPが安定化する日数)をD2としたとき、スコアSを2次関数とした場合は、スコアSを1次関数とした場合に比べて、送集客ポイントPが値Xに到達する日数(送集客ポイントPが安定化する日数)が少ないことが分かる(D1<D2)。シミュレーションの結果は、スコアSを3次以上の関数とした場合でも同様となる。したがって、本実施形態によれば、スコアSを2次以上の関数としているので、送集客ポイントPが早く安定化するようになる。すなわち、本実施形態によれば、ウェブサイトの送客数と集客数のバランスが取れるようになるまでの時間を短縮することができる。なお、上記「安定化」とは、例えば日数を1週間で見たときにウェブサイトの送客数と集客数が同一になることを言う。
【0119】
また、更新手段136は、送集客ポイントPの平均値が前日に算出した平均値にずれがある場合に、言い換えれば、参加しているウェブサイトの解約によるウェブサイトの品揃えの変更があった場合に、対応関係テーブル130Fの送集客ポイントPとスコアSとの対応関係を更新する。したがって、本実施形態によれば、上述したように、予め設定されていた対応関係が崩れることを抑制することができる。また、本実施形態によれば、ウェブサイトの解約後に新たなウェブサイトが加入した場合を想定すると、シミュレーションの結果、各ウェブサイトにおける安定化する送集客ポイントPの値が解約前の送集客ポイントPとほぼ同じ値をとるようになり、送集客ポイントPの再現性を高めることができる。
【0120】
また、更新手段136は、送信手段134が送信した広告情報130Aに対するユーザのアクションに応じて、第1ウェブサイトの送集客ポイントP及び第2ウェブサイトの送集客ポイントPの更新度合を変更する。ここで、広告情報130Aに基づく広告の効果は、広告情報130Aに対するユーザのアクションによって変化する。したがって、本実施形態によれば、ユーザのアクションに応じて更新度合を変更することで、広告の効果に応じた送集客ポイントPを更新することができるようになる。
【0121】
〔8〕変形例
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0122】
例えば、上記実施形態において送集客ポイントPの大小等は、送客や集客の量や差を示す情報(可変パラメータ)の一例に過ぎず、送集客ポイントの「加減算」は、上述した実施形態で示した態様に限られない。例えば送集客ポイントを加算するのか減算するのかは、一方が加算で他方が減算となっていればどちらでも良い。また、送集客ポイントPは、ウェブサイトそれぞれに対応付けて記憶手段130に記憶される場合を説明したが、ウェブサイトそれぞれの提供元の(提供)会社に対応付けて記憶されてもよい。すなわち、記憶手段130には、提供会社それぞれの送集客ポイントPが記憶されてもよい。この場合、選択手段132は、選択確率に基づいて、各提供会社の中から少なくとも何れか1つの提供会社を選択し、選択した提供会社が提供するウェブサイトのうち何れか1つに対応するウェブサイトを第2ウェブサイトとする。また、更新手段136は、送信手段134が広告情報を送信したことに基づき、第1ウェブサイトを提供する提供会社の送集客ポイントP及び第2ウェブサイトを提供する提供会社の送集客ポイントPを更新し、更新した送集客ポイントPに基づいて選択確率を更新するようにしてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、更新手段136は、第1ウェブサイトの送集客ポイント及び第2ウェブサイトの送集客ポイントを更新する場合を説明したが、更に、複数のウェブサイトのうち1つのウェブサイトの提供者の要求に応じて、要求に対応する1つのウェブサイトの送集客ポイントPを更新してもよい。例えば、更新手段136は、送集客ポイントPが高くなるように更新すれば、要求に対応する1つのウェブサイトの集客を多くすることができるようになる。この場合、要求に対応する1つのウェブサイトの提供者は、当該ウェブサイトの集客を多くしてもらう対価として、広告提供システム1の管理者等に金銭等の支払をする。また、例えば、更新手段136は、広告提供システム1の枠組みに参加する毎月の参加料を減額してほしいとの要求に応じて、送集客ポイントPが低くなるように更新することで、要求に対応する1つのウェブサイトの集客を少なくすることもできる
【0124】
また、広告制御サーバ10としての機能は、複数のサーバコンピュータによって分散的に実現されてもよい。例えば、選択手段132、送信手段134及び更新手段136はそれぞれ別のサーバコンピュータによって分散的に実現されてもよい。また、広告情報130Aは、記憶手段130ではなく、別のサーバコンピュータに記憶されていてもよい。また、各テーブル130B〜130Gのうち少なくとも何れか1つも、記憶手段130ではなく、別のサーバコンピュータに記憶されていてもよい。また、広告制御サーバ10とコンテンツ提供サーバ12は、同じサーバコンピュータによって構成されてもよい。
【解決手段】広告制御装置は、複数の電子コンテンツそれぞれに対応する広告情報、1つの電子コンテンツが第1電子コンテンツとして選ばれた場合に残りの電子コンテンツの広告情報の中から1つの広告情報を選択する選択確率、及び、複数の電子コンテンツそれぞれの可変パラメータを記憶する記憶手段と、選択確率に基づいて、各広告情報の中から少なくとも何れか1つの広告情報を選択し、選択した広告情報に対応する電子コンテンツを第2電子コンテンツとする選択手段と、選択手段により選択された広告情報を第1電子コンテンツに関連付けて端末装置へ送信する送信手段と、送信手段が広告情報を送信したことに基づき、第1電子コンテンツの可変パラメータ及び第2電子コンテンツの可変パラメータを更新し、更新した可変パラメータに基づいて選択確率を更新する更新手段と、を備える。