(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記方法は、前記フィルタ出力セットを、前記対象物の2次元画像強度マップのリアルタイム表示を生成するための単一の推定強度値に変換するステップをさらに含む、請求項1に記載の装置。
前記フィルタ出力セットを変換する前記ステップは、範囲、偏り、標準偏差、分散、またはエントロピーのうちの1つを測定するステップおよび推定するステップのうちの一方を含む、請求項1に記載の装置。
前記対象物の前記2次元画像強度マップは、別の画像診断法によって得られた前記対象物の1つもしくは複数のOCT断面画像を位置合わせするのに使用される、請求項11に記載の装置。
前記方法は、前記対象物の前記2次元画像強度マップを前記対象物の1つもしくは複数のOCT断面画像と並列に表示するステップをさらに含む、請求項11に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
光コヒーレンス断層撮影法(Optical coherence tomography:OCT)は、光信号の取得および処理の方法である。OCTは、表面下の画像が得られるように観察対象の光散乱物体(生物組織など)の表面を越えて貫通させるのに使用することができる干渉に基づく技法である。
【0003】
OCTシステムは、ある特定の医学的状態を診断し、モニタするのに十分な解像度のものである断面画像または断面画像の集合体(3次元画像など)を提供することができる。従来、OCTシステムは、観察対象物から受け取られる後方散乱および後方反射光からのエコー時間遅延の測定値を提供することによって動作する。そのようなOCTシステムは通常、干渉計および機械的に走査される参照光路とを含み、それらのシステムを一般に時間領域OCTと呼ぶ。
【0004】
スペクトル領域OCTシステムまたは波長掃引光源型フーリエ領域OCTシステムは、観察対象物から測定される光と固定参照経路からの光との間の干渉スペクトルからの光のエコー時間遅延の測定値を提供することによって動作する。スペクトル領域OCTシステムは通常、光分散性部品と、観察対象物から受け取られる干渉スペクトルを測定するための、電荷結合デバイス(CCD)カメラといった検出器アレイとからなる分光計を含む。一方、波長掃引光源型システムは通常、高速波長同調レーザーと、干渉スペクトルを測定するための検出・高速データ取得装置とを含む。どちらの種類のシステムでも、観察対象物からの後方散乱および後方反射光のエコー時間遅延は、干渉スペクトルのフーリエ変換を計算することによって求められる。
【0005】
フーリエ領域OCTシステムは時間領域OCTシステムに優る改善である。というのは、観察対象物の異なる軸位置における後方散乱および後方反射光を、順次にではなく同時に測定することができるからである。したがって、ある特定の医学的状態を診断し、モニタするための撮像速度および感度が改善されている。しかし、より効率的で正確な医学的診断、モニタリング他の機能を提供するには、フーリエ領域OCTデータを使用した測定法におけるさらなる改善が有益となるはずである。
【0006】
さらに、眼科OCTシステムは通常、走査レーザー検眼鏡や赤外線眼底カメラといった2次的画像診断法を利用して全般的診断のために眼底を撮像し、正面眼底像を作成することによってOCT走査整合を補助する。しかし、被験者または患者においては、小さい瞳孔や眼球混濁といった撮像状況が存在し、その場合には、たとえ眼科OCTシステムが許容できる画像を生成しうるとしても、すべての2次的画像診断法が有効に働くとは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、2次的画像診断法を置き換え、またはその代用をするように、OCT走査データを利用して正面眼底画像の表示を生成する方法を作成することが望ましい。正面眼底画像の表示は、臨床家がより確実に意図される位置を走査することができる能力を提供し、また、他のデータセットもしくは画像診断法との位置合わせにも、特徴セグメンテーション計算を可能にするためにも使用することのできるOCT走査データの本来的に重ね合わされたマップも提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
3次元OCTインターフェログラムデータから2次元眼底画像を生成するための方法および装置が提供される。一実施形態によれば、光源からの光ビームがサンプル経路と参照経路とに沿って分割される。光ビームはサンプル経路に沿ってX−Y平面内の異なる位置に向けられる。サンプル経路および参照経路の各々から返された光が受け取られる。複数の出力セットが生成され、複数の出力セットの各々は、光ビームが特定のX−Y平面位置に向けられるときに光源の異なる波長で受け取られる光強度に対応し、光強度は、特定のX−Y平面位置における深さ方向Zの対象物内の光反射率分布に関する情報を含む。光ビームを特定のX−Y平面位置に向けることにより生成される出力セットが高域フィルタリングされてフィルタ出力セットが生成される。フィルタ出力セットは、任意選択で、ダウンサンプリングされ、または切り捨てられてもよい。フィルタ出力セットは、逆累積分布関数に基づいて、特定のX−Y平面位置についての深さ方向Zの単一の推定強度値に変換され、その場合、1つもしくは複数のX−Y平面位置に対応する1つもしくは複数の単一の推定強度値が、対象物の2次元画像強度マップを生成するのに適する。フィルタ出力セットは二乗され、またはソートされてよい。光源は広帯域光ビームを生成してよく、検出器は、回折格子と検出器アレイとを含む分光計とすることができる。また光源は、可同調掃引光ビームを生成してもよく、光源の異なる波長での光強度が時間の関数として得られてもよい。
【0009】
一実施形態によれば、フィルタ出力セットはリアルタイムで単一の推定強度値に変換されてよい。
【0010】
一実施形態によれば、対象物の2次元画像強度マップはディスプレイにおいて提示されてよい。
【0011】
一実施形態によれば、対象物の2次元画像強度マップの少なくとも一部が、画像診断法と関連付けられた走査取り込み整合プロセスに使用されてよい。また対象物の2次元画像強度マップは、別の画像診断法によって得られた対象物の1つもしくは複数の画像を位置合わせするのに使用されてもよい。画像診断法は、OCTまたは眼底撮像カメラ、走査レーザー検眼鏡、眼底自発蛍光または血管造影法のうちの1つとすることができる。
【0012】
一実施形態によれば、フィルタ出力セットを単一の推定強度値に変換することは、少なくとも1つの選択パーセンタイル値に対応するフィルタ出力セットのうちの少なくとも1つの出力を選択すること、少なくとも1つの出力を単一の推定強度値に変換することをさらに含む。少なくとも1つの選択パーセンタイル値は、最小値、中間値もしくは最大値のうちの1つに対応してもよく、フィルタ出力セット内の任意の事前選択パーセンタイル値としてもよい。
【0013】
一実施形態によれば、光源からの光ビームがサンプル経路と参照経路とに沿って分割される。光ビームはサンプル経路に沿ってX−Y平面内の異なる位置に向けられる。サンプル経路および参照経路の各々から返された光が受け取られる。複数の出力セットが生成され、複数の出力セットの各々は、光ビームが特定のX−Y平面位置に向けられるときに光源の異なる波長で受け取られる光強度に対応し、光強度は、特定のX−Y平面位置における深さ方向Zの対象物内の光反射率分布に関する情報を含む。出力セットが高域フィルタリングされ、フィルタ出力セットは、逆累積分布関数に基づいて、特定のX−Y平面位置についての深さ方向Zの単一の推定強度値に変換され、その場合、1つもしくは複数のX−Y平面位置に対応する1つもしくは複数の単一の推定強度値が、対象物の2次元画像強度マップを生成するのに適し、出力セットは、特定のX−Y平面位置についての深さ方向Zの強度情報を有する3次元データセットに変換され、その場合、1つもしくは複数の3次元データセットが対象物の1つもしくは複数のOCT断面画像を生成するのに使用される。3次元データセットは、1つもしくは複数のランドマークに基づいてセグメント化されてよく、ランドマークは深さ方向Zの強度情報から識別されうる。ランドマークは、対象物の1つもしくは複数の物理境界を含みうる。
【0014】
一実施形態によれば、対象物の2次元画像強度マップは、対象物の1つもしくは複数のOCT断面画像を位置合わせするのに使用されてよく、対象物の2次元画像強度マップは、対象物の1つもしくは複数のOCT断面画像と並列に表示されうる。
【0015】
一実施形態によれば、対象物の眼球マップが、2次元画像強度マップおよびセグメント化3次元データセットのうちの1つに基づいて生成されうる。加えて、対象物の液体充満空間が、セグメント化3次元データセットに基づいて定量化されてもよい。
【0016】
一実施形態によれば、光源からの光ビームがサンプル経路と参照経路とに沿って分割される。光ビームはサンプル経路に沿ってX−Y平面内の異なる位置に向けられる。サンプル経路および参照経路の各々から返された光が受け取られる。複数の出力セットが生成され、複数の出力セットの各々は、光ビームが特定のX−Y平面位置に向けられるときに光源の異なる波長で受け取られる光強度に対応し、光強度は、特定のX−Y平面位置における深さ方向Zの対象物内の光反射率分布に関する情報を含む。光ビームを特定のX−Y平面位置に向けることにより生成される出力セットが高域フィルタリングされてフィルタ出力セットが生成される。フィルタ出力セットは、任意選択で、ダウンサンプリングされ、または切り捨てられてもよい。フィルタ出力セットは、特定のX−Y平面位置についての深さ方向Zの単一の推定強度値に変換され、その場合、1つもしくは複数のX−Y平面位置に対応する1つもしくは複数の単一の推定強度値が、対象物の2次元画像強度マップを生成するのに適し、対象物の2次元画像強度マップの少なくとも一部が、画像診断法と関連付けられた走査取り込み整合プロセスに使用されうる。
【0017】
本発明の上記その他の利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照すれば当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0024】
様々な実施形態によれば、フーリエ領域(例えば分光計や波長掃引光源型の)光断層撮影収束(OCT)データが、OCT撮像システムで入力として受け取られ、2次元画像強度マップが、逆累積分布関数に基づいてインターフェログラムデータから生成されうる。
図1に、一実施形態による、3次元OCTインターフェログラムデータから2次元画像を生成するのに使用されうるシステムの図を示す。
図1では、システム100は、光ビームを生成するための光源102(広帯域光源など)を含む。ビームスプリッタ104が光源102からの光ビームをサンプル経路106と参照経路108とに沿って分割する。参照経路108は光源102からの参照光ビームを調整するための(例えば、最大干渉を達成するための)偏光コントローラ110と、レンズ114を通して反射鏡115に向けられる参照光ビームを平行にするためのコリメータ112とを含んでいてよく、空間的に調整可能でありうる。
【0025】
サンプル経路106は、光源102からの光ビームを、コリメータ117および1つもしくは複数の対物レンズ118を介して対象物120上のX−Y平面内の異なる位置を照明するように向けるための2次元スキャナ116を含む。一実施形態では、対象物120は(図示のように)患者の眼とすることができ、システム100は一般に、眼科画像を得ることを対象としうる。しかし、本明細書の様々な実施形態は、(それだけに限らないが)表皮、歯科、および脈管系の臨床撮像を含む様々な分野に適用されるため、対象物120は、対象となる様々な臨床分野(人間の組織、歯など)または非臨床分野のいずれを含んでいてもよい。したがって、本明細書のいくつかの例は眼底撮像および患者の眼である対象物120に言及しうるが、システム100は眼科用途だけに限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、様々な実施形態は様々な用途に関連したものとすることができ、本明細書に記載する技法は広範に適用することができる。
【0026】
光ビームがスキャナ116によって対象物120上の特定のX−Y平面位置に向けられた結果として、インターフェログラム検出部122はサンプル経路106から返された光を受け取る。またインターフェログラム検出部122は、対象物120から測定された光と参照経路108から測定された光との間の干渉スペクトルから光のエコー時間遅延を測定するために、参照経路108から返される光も受け取る。一実施形態では、光源102は広帯域光ビームを生成してよく、インターフェログラム検出部122は、検出器アレイと、サンプル経路106から返される光および参照経路108から返される光を波長の関数として角度分散させるための回折格子とを含む分光計とすることができる。あるいは、光源102は可同調掃引光ビームを生成してもよく、光源の異なる波長の光強度が、インターフェログラム検出部122によって時間の関数として得られてもよい。
【0027】
一実施形態では、インターフェログラム検出部122は、サンプル経路106および参照経路108から受け取られる光(すなわちインターフェログラムデータ)に基づいて複数の出力セットを生成する。例えば、インターフェログラム検出部122によって生成される複数の出力セットの各々は、光源102の異なる波長で受け取られる光強度に対応しうる。したがって、光源102からの光ビームがスキャナ116によって特定のX−Y平面位置に向けられるときに、検出される光強度は、特定のX−Y平面位置における深さ方向Zの対象物120内の光反射分布に関する情報を含むことができる。したがって、各出力セットは3次元データセットを含む。
【0028】
処理装置124は、インターフェログラム検出部122によって生成された複数の出力セットを、コンピュータバスによって、あるいは無線で、あるいは、公衆もしくは専用のネットワークを介して(例えばインターネットやアクセス制限イントラネットワークを介して)など、様々な通信手段のいずれかによって受け取る。一実施形態では、処理装置124は、例えば、相互にリモートに位置しうる複数の処理装置を含みうる。
【0029】
図2に、一実施形態による、3次元OCTインターフェログラムデータから2次元画像を生成するための機能ステップの図を示す。例えば、OCTインターフェログラムデータ(インターフェログラム検出部122によって生成された複数の3次元出力セットなど)を使用して(200)、処理装置124において、医学的診断用の眼底マップといった、2次元強度マップOCT画像を生成し(202)、表示する(204)ためのコンピュータプログラム命令が実行されうる。一実施形態では、生成画像は、例えば、生成画像を表示し、位置合わせし、セグメント化するための、対象物120の2次元画像強度マップ、またはそのセグメント化もしくは変換の結果を生成するのに適したものとすることができる。あるいは、生成画像は、OCTや眼底撮像カメラといった画像診断法と関連付けられた走査取り込み整合プロセスを実施するのに適したものであってもよい。加えて、または代替として、3次元断面画像を生成する(208)ためにOCTインターフェログラムデータを変換する(206)コンピュータプログラム命令が実行されてもよい。
【0030】
フーリエ変換計算を利用して1つもしくは複数のフィルタ出力セットを生成することができる。一般的なフーリエ領域OCTインターフェログラム方程式が次式で与えられる。
【数1】
式中、vは光ビームの周波数であり、R
nおよびR
mは、それぞれ、対象物120からの、特定のX−Y平面位置nおよびmにおける強度反射であり、G
s(v)は光源102のスペクトル密度であり、参照アームの反射は均一であり、距離は、サンプル経路106における伝搬時間τ
nおよびτ
mならびに参照経路108における伝搬時間τ
rによって表されている。括弧内の第3項は対象物120内で散乱するすべての光についての相互干渉であり、最後の項は、対象物120からの散乱光と参照経路108との間の干渉を含み、そこからA走査(すなわち軸方向長走査)が計算される。
【0031】
インターフェログラム検出部122が分光計である実施形態では、パラメータvは、ライン・スキャン・カメラ上の位置も表す。したがって、最初の2項はカメラ画素の線形アレイの端から端までの緩慢な変動を表し、最後の2項は振動(すなわち干渉じま)を表しうる。同様に、光源102が可同調掃引光源であり、ある範囲の周波数vを掃引される実施形態では、1次方程式の最初の2項は検出される信号の緩慢な時間的変動を表し、最後の2項は振動を表す。
【0032】
一実施形態では、高域フィルタリングにより式の右辺の第3項および第4項を除くすべてが消去され、低反射率を有する対象物がサンプル経路106に沿って存在するときには第4項の大きさが通常は第3項よりもずっと大きいものと仮定して、事実上、第4項が分離されることになる。さらに、高域フィルタリングされたスペクトルの範囲、偏り、標準偏差、分散、またはエントロピーを使用して、対象物120の2次元画像強度マップが生成されてもよい。
【0033】
図3に、一実施形態による、OCTインターフェログラムデータを処理するためのワークフロー図を示す。
図3に示す方法は、高域フィルタリングされたインターフェログラムデータの分布を推定し、定量化して、対象物120上の1つもしくは複数のX−Y平面位置に対応する1つもしくは複数の単一の推定強度値を求めるステップを含む。例えば、300で、インターフェログラムデータ(複数の出力セットなど)がインターフェログラム検出部122から受け取られる。インターフェログラムデータは、フーリエ領域インターフェログラム式の各項を簡約して前述のように第4項を事実上分離するために、302で高域フィルタリングされてよい。一実施形態では、高域フィルタリングされたインターフェログラムデータのデータ率またはサイズは、例えば、より高い処理効率やより高速な計算を可能にするために、304で、様々な公知のダウンサンプリングまたは切り捨ての技法によってさらに低減されてよい。あるいは、データは、インターフェログラムデータの高域フィルタリングの前に切り捨てられ、またはダウンサンプリングされてもよい。例えば、(高域フィルタリングの前または後の)インターフェログラムデータは、n番目ごとの出力を保持し、他のすべてを廃棄することによってダウンサンプリングされてもよい。別の例では、インターフェログラムデータは、選択された範囲内のデータを保持し、他のすべてのデータを廃棄することによって切り捨てられてもよい。あるいは、1サンプルがnサンプルごとの中からランダムに、または疑似ランダムに選択される疑似ランダム・ダウンサンプリング・プロセスが用いられてもよい。
【0034】
次いでフィルタ出力セットは、逆累積分布関数(CDF)に基づいて、特定のX−Y平面位置についての深さ方向Zの単一の推定強度値に変換されうる。一般に、CDF関数は、所与の確率分布を有する実数値の確率変数xがx以下の値において見つかる確率を示す。確率変数の逆CDFは、分位関数とも呼ばれ、所与の確率について、確率変数がその確率でその値以下になる値を特定する。
【0035】
あるいは、逆CDFは、クイックセレクト(quick select)関数またはホーア(Hoare)の選択関数とすることもでき、その場合一般に、全フィルタ出力セットをソートする必要はない。そうではなく、フィルタ出力セットの一部分だけ、例えば、所望の分位点選択を含むピボット値の前後のサブアレイなどが実際にソートされる。
【0036】
別の代替形態では、逆CDFまたは分位関数は、フィルタ出力セットのソートを必要とせずに分位点の値を推定するように動作するヒューリスティックセットを用いてもよい。
【0037】
最初の逆CDFの手法に戻って、フィルタ出力セットは、306で二乗され(すなわち、正の値および負の値が同じ範囲に存在するように)、310の逆CDF関数のために308でソートされてよい。一実施形態では、フィルタ出力セットは、308で、逆CDF計算のために選択されうる任意のパーセンタイルに対応する値を求めるために、昇順または降順にソートされてよい。例えば、0番目のパーセンタイル値は最小パーセンタイル値および最小フィルタ出力値に対応していてよく、50番目のパーセンタイルは中央パーセンタイル値および中央フィルタ出力値に対応していてよく、100番目のパーセンタイル値は最大パーセンタイル値および最大フィルタ出力値に対応していてよい。したがって、2048個のフィルタ出力があり、90番目のパーセンタイルが選択される場合、1843番目のソート値が選択値である。一例示的実施形態では、少なくとも1つの選択パーセンタイル値は、50番目のパーセンタイル値と100番目のパーセンタイル値との間の値に対応しうる。しかし、少なくとも1つの選択パーセンタイル値は、フィルタ出力セット内の任意の事前選択パーセンタイル値に対応しうる。したがって、任意のパーセンタイルに対応するソート値が選択されると、ソート値は312で単一の推定強度値に変換されうる。
【0038】
最初の逆CDFの手法の一変形では、308で、フィルタ出力セットのソートを必要とせずに分位点の値を推定するように動作するヒューリスティックセットが用いられてよい。推定値は次いで312で単一の推定強度値に変換されうる。
【0039】
代替の例示的実施形態では、単一の推定強度値を求めるのに、逆CDFの手法と概念的に類似した、最大値および最小値に基づく手法が用いられうる。最大値および最小値に基づく手法では、フィルタ出力セットは、単一の推定強度値を生成するためにソートされる必要がない。例えば、最大パーセンタイルに基づく手法は一般に、100番目のパーセンタイルが選択されるときに逆CDFの手法に対応する。一実施形態では、314で負の値の可能性を無くすためにフィルタ出力の二乗または絶対値が求められてよく、316でこれらの結果から求められた最大(100番目の)パーセンタイル値が単一の推定強度値(312)を表しうる。最大値および最小値に基づく一手法では、318で最大パーセンタイル値および最小パーセンタイル値が求められ、320で負の値の可能性を無くすために最大パーセンタイル値および最小パーセンタイル値の二乗または絶対値が求められうる。次いで322で、結果として得られる値が組み合わされて単一の推定強度値(312)が求められうる。例えば、組み合わせ演算は、2つの結果として得られる値の最小値、最大値、または平均値を取ることを含んでいてよい。また、単一の推定強度値(312)の大きさは、例えば、生成値の対数または根(二乗根、三乗根、四乗根など)を取ることによってさらに変換されてもよい。さらに、最小値および最大値に基づく一手法は、ブロック318で上位n個の最小値および上位n個の最大値が求められるように一般化されてもよい。この一般化された実施形態では、322の組み合わせ演算は、2n個の値の平均値を取ること、または逆CDF法を使用して事前選択パーセンタイル値を取ることからなっていてもよいはずである。1つもしくは複数のX−Y平面位置(すなわち複数のAライン)に対応する1つもしくは複数の単一の推定強度値が、対象物120の2次元画像強度マップを生成するのに適しうる。
【0040】
図4に、一実施形態による、3次元OCTインターフェログラムデータから2次元画像を生成するための流れ図を示す。
図1のシステムを例として使用すると、402で、光源102からの光ビームが生成され、サンプル経路106および参照経路108に沿って分割される。例えば、光源102は広帯域光ビームを生成してよく、インターフェログラム検出部122は、回折格子と検出器アレイとを含む分光計とすることができる。あるいは、光源102は、可同調掃引光ビームを生成してもよく、光源の異なる波長の光強度が、インターフェログラム検出部122によって時間の関数として得られてもよい。
【0041】
404で、光ビームは、スキャナ116により、サンプル経路106に沿って、対象物120上のX−Y平面内の異なる位置に向けられる。406で、サンプル経路106および参照経路108の各々から返された光が、インターフェログラム検出部122で受け取られる。408でインターフェログラム検出部122は複数の出力セットを生成し、複数の出力セットの各々は、光ビームが特定のX−Y平面位置に向けられるときに光源の異なる波長で受け取られる光強度に対応する。例えば、光強度は、特定のX−Y平面位置における深さ方向Zの対象物120内の光反射率分布に関する情報を含みうる。
【0042】
410で、光ビームを特定のX−Y平面位置に向けることにより生成される出力セットは、任意選択で、フィルタ出力セットを生成するために高域フィルタリングされてもよい。412で、フィルタリングされた、またはフィルタリングされていない出力のセットは、上記で
図3に関連して説明したように、逆累積分布関数に基づいて、特定のX−Y平面位置についての深さ方向Zの単一の推定強度値に変換される。414で、対象物の2次元画像強度マップが、1つもしくは複数のX−Y平面位置に対応する1つもしくは複数の単一の推定強度値から生成される。2次元画像強度マップは、ディスプレイにおける提示に適したものとすることができる。一実施形態では、単一の推定強度値は、画像強度マップのリアルタイム表示のために変換されうる。
【0043】
図5に、一実施形態による、2次元画像強度マップが利用される撮像セッションのための流れ図を示す。対象物120の2次元画像強度マップは、画像診断法と関連付けられた走査取り込み整合プロセスに使用されうる。例えば、画像診断法は、OCTまたは別のシステム(眼科のための眼底撮像カメラなど)のうちの1つとすることができる。さらに、走査取り込み整合プロセスは自動的に行われてもよく、画像診断法は、例えば技術者などによって、手作業で整合されてもよい。502で、被験者(患者など)がOCT(眼底など)画像のために位置決めされ、504で画像診断法が固定される(例えば、画像診断法のシャシが特定の位置で固定して設定される)。506で、必要に応じて、画像診断法の焦点が合わせられる。
【0044】
上記
図4で説明したように、508で3次元OCTインターフェログラムが取り込まれてよく、510で2次元画像強度マップが自動的に生成され、リアルタイムで表示されてよい。一実施形態では、対象物120のOCT画像が、それだけに限らないが、逆累積分布関数を含む方法を含む様々な手段のいずれかによって生成されうる。512でOCT走査または眼底画像取り込みが開始される。一実施形態では、画像診断法が手作業で整合されてよく、506で(例えば、別の画像を取り込むのに必要な場合などに)画像診断法の焦点を再度合わせる前に、514で固定状態が調整されてよい。
【0045】
様々な実施形態において、走査取り込み整合プロセスは、非散瞳状態においてさえも、正常な撮像セッションを可能にするように機能しうる。また対象物120の2次元画像強度マップは、別の画像診断法によって得られた対象物120の画像を位置合わせするのに使用されてもよい。
【0046】
加えて、(フィルタリングされていない)出力のセットは、特定のX−Y平面位置についての深さ方向Zの強度情報を有する3次元データセットに変換されてもよく、その場合、1つもしくは複数の3次元データセットが対象物120のOCT断面画像を生成するのに使用される。例えば、3次元データセットは、1つもしくは複数のランドマーク、例えば対象物120の1つもしくは複数の物理境界などに基づいてセグメント化されてよく、ランドマークは深さ方向Zの強度情報から識別されうる。様々な実施形態において、セグメント化3次元データセットは、対象物120の部分強度画像もしくは眼球マップを生成し、または対象物120の液体充満空間を定量化するのに利用されうる。
【0047】
さらに別の実施形態において、対象物120の2次元画像強度マップは、例えば、対象物120の2次元画像強度マップを対象物120のOCT断面画像と並列に表示することによって、対象物120のOCT断面画像を位置合わせするのに使用されうる。
【0048】
本明細書に記載するシステム、装置、および方法は、ディジタル回路を使用して、または周知のコンピュータプロセッサ、メモリ装置、記憶装置、コンピュータソフトウェア、および他の構成要素を使用した1台もしくは複数のコンピュータを使用して実施されうる。通常、コンピュータは、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1もしくはそれ以上のメモリとを含む。またコンピュータは、1つもしくは複数の磁気ディスク、内蔵ハードディスクおよび取り外し可能ディスク、光磁気ディスク、光ディスクなどといった1つもしくは複数の大容量記憶装置も含んでいてよく、またはそれらに結合されていてもよい。
【0049】
本明細書に記載するシステム、装置、および方法は、クライアント−サーバ関係で動作するコンピュータを使用して実施されうる。通常、そのようなシステムでは、クライアントコンピュータはサーバコンピュータから離れて位置し、ネットワークを介して対話する。クライアント−サーバ関係は、それぞれのクライアントコンピュータおよびサーバコンピュータ上で走るコンピュータプログラムによって定義され、制御されうる。
【0050】
本明細書に記載するシステム、装置、および方法は、ネットワークベースのクラウド・コンピューティング・システム内で使用されうる。そのようなネットワークベースのクラウド・コンピューティング・システムでは、ネットワークに接続されているサーバまたは別のプロセッサが、ネットワークを介して1つもしくは複数のクライアントコンピュータと通信する。クライアントコンピュータは、例えば、クライアントコンピュータ上に常駐し、そこで動作するネットワーク・ブラウザ・アプリケーションによってサーバと通信してよい。クライアントコンピュータは、サーバ上にデータを記憶し、ネットワークを介してデータにアクセスしてよい。クライアントコンピュータは、ネットワークを介してサーバに、データを求める要求、またはオンラインサービスを求める要求を送ってよい。サーバは、要求されたサービスを実行し、(1台もしくは複数の)クライアントコンピュータにデータを提供してよい。またサーバは、クライアントコンピュータに、例えば、計算を行わせる、画面上に指定のデータを表示させるなど、指定の機能を果たさせるように適合されたデータを送ってもよい。例えば、サーバは、クライアントコンピュータに、
図4および
図5のステップのうちの1つもしくは複数を含む本明細書に記載した方法ステップのうちの1つもしくは複数を実行させるように適合された要求を送ってもよい。
図4および
図5のステップのうちの1つもしくは複数を含む本明細書に記載した方法ステップのうちのある特定のステップが、ネットワークベースのクラウド・コンピューティング・システム内のサーバまたは別のプロセッサによって実行されてもよい。
図4および
図5のステップのうちの1つもしくは複数を含む本明細書に記載した方法ステップのうちのある特定のステップが、ネットワークベースのクラウド・コンピューティング・システム内のクライアントコンピュータによって実行されてもよい。
図4および
図5のステップのうちの1つもしくは複数を含む本明細書に記載した方法ステップのうちのステップは、ネットワークベースのクラウド・コンピューティング・システム内のサーバによって、かつ/またはクライアントコンピュータによって、任意の組み合わせで実行されてよい。
【0051】
本明細書に記載するシステム、装置、および方法は、プログラマブルプロセッサが実行するための、情報担体において、例えば非一時的な機械可読記憶装置において有形的に具現化されたコンピュータプログラム製品を使用して実施されてよく、
図4および
図5のステップのうちの1つもしくは複数を含む本明細書に記載する方法ステップは、そのようなプロセッサが実行することのできる1つもしくは複数のコンピュータプログラムを使用して実施されてよい。コンピュータプログラムは、コンピュータにおいて、ある特定の活動を行い、またはある特定の結果を生じさせるために、直接、または間接的に使用することができるコンピュータプログラム命令のセットである。コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語またはインタープリタ型言語を含む、任意の形のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラム、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットを含む任意の形で配備することができる。
【0052】
本明細書に記載するシステム、装置および方法を実施するのに使用されうる例示的コンピュータのハイレベルブロック図が
図6に示されている。コンピュータ600は、データ記憶装置620とメモリ630とに動作可能に結合されたプロセッサ610を備える。プロセッサ610は、コンピュータ600の全般的動作を定義するコンピュータプログラム命令を実行することによってそのような動作を制御する。コンピュータプログラム命令は、データ記憶装置620に、もしくは他のコンピュータ可読媒体に記憶されており、コンピュータプログラム命令の実行が求められるときにメモリ630にロードされてよい。例えば、
図1を参照すると、処理装置124は、コンピュータ600の1つもしくは複数の構成要素を備えていてよい。よって、
図4および
図5の方法ステップは、メモリ630および/またはデータ記憶装置620に記憶されたコンピュータプログラム命令によって定義され、コンピュータプログラム命令を実行するプロセッサ610によって実行されうる。例えば、コンピュータプログラム命令は、
図4および
図5の方法ステップによって定義されるアルゴリズムを実行するように当業者によってプログラムされたコンピュータ実行可能コードとして実装することができる。したがって、コンピュータプログラム命令を実行することによって、プロセッサ610は、
図4および
図5の方法ステップによって定義されるアルゴリズムを実行する。またコンピュータ600は、ネットワークを介して他の装置と通信するための1つもしくは複数のネットワークインターフェース640も含む。またコンピュータ600は、コンピュータ600とのユーザ対話を可能にする1つもしくは複数の入力/出力装置650(ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカ、ボタンなど)も含む。
【0053】
プロセッサ610は、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方を含んでいてよく、コンピュータ600の唯一のプロセッサであっても、その複数のプロセッサのうちの1つであってもよい。プロセッサ610は、例えば、1つもしくは複数の中央処理装置(CPU)を含んでいてよい。プロセッサ610、データ記憶装置620、および/またはメモリ630は、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つもしくは複数のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、および/または1つもしくは複数のディジタル信号プロセッサ(DSP)ユニットを含み、またはそれらによって補足され、またはそれらに組み込まれていてよい。
【0054】
データ記憶装置620およびメモリ630は、各々、有形の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を備える。データ記憶装置620およびメモリ630は、各々、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダブル・データ・レート・シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DDR RAM)、他のランダムアクセス固体メモリデバイスといった高速ランダム・アクセス・メモリを含んでいてよく、内蔵ハードディスクや取り外し可能ディスクといった1つもしくは複数の磁気ディスク記憶装置、光磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュ・メモリ・デバイス、消去可能プログラム可能読取り専用メモリ(EPROM)や電気的消去可能プログラム可能読取り専用メモリ(EEPROM)といった半導体メモリデバイス、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)ディスク、ディジタル多用途ディスク読取り専用メモリ(DVD−ROM)ディスク、あるいは他の不揮発性固体記憶装置といった不揮発性メモリを含んでいてよい。
【0055】
入力/出力装置650は、プリンタ、スキャナ、表示画面といった周辺装置を含んでいてよい。例えば、入力/出力装置650は、ユーザに情報を表示するための陰極線管(CRT)、プラズマもしくは液晶ディスプレイ(LCD)モニタといった表示装置、キーボード、およびユーザがコンピュータ600に入力を提供するためのマウスやトラックボールといったポインティングデバイスを含んでいてよい。
【0056】
処理装置124およびインターフェログラム検出部122を含む本明細書で論じたシステムおよび装置のいずれかまたは全部が、コンピュータ600といったコンピュータを使用して実施されてよい。
【0057】
実際のコンピュータまたはコンピュータシステムの実施態様は、他の構造を有していてよく、他の構成要素も含んでいてよいこと、および
図6は例示のためのそのようなコンピュータの構成要素のうちのいくつかのハイレベル表現であることを当分野の技術者は理解するであろう。
【0058】
以上の詳細な説明は、あらゆる点において、限定のためではなく、例証および例示のためのものであり、本願で開示する発明の範囲は、詳細な説明から決定されるべきではなく、特許法によって許容される最大限の広さに従って解釈される特許請求の範囲から決定されるべきものである。本明細書で図示し、説明した実施形態は、本発明の原理を例示するためのものにすぎず、様々な改変が本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく当業者によって実施されうることを理解すべきである。当業者は、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、様々な他の特徴の組み合わせを実施することもできるはずである。