(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や2に開示される美容具は、いずれも人の頭部等に装着することによってリフトアップを行う。このような美容具は、装着に伴う締め付け等によって、使用者に不快感を与えることが懸念される。また、使用者が、頭部に装着するための作業を煩わしく感じたり、装着時の姿を見られたくないという思いを抱いたりすることが懸念される。
【0006】
以上の点に鑑みて、本発明の目的は、使用者が快適に顔のリフトアップを行うことができる美容具を提供することである。また、本発明の他の目的は、簡単な構造で顔のリフトアップを行えるとともに使い勝手の良い美容具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の美容具は、仰向けに横たわる人の背側上部を支持する第1の支持部と、前記第1の支持部に背側上部を支持される人の頭部を下方に傾けて支持する第2の支持部と、を備える構成(第1の構成)になっている。
【0008】
本構成の美容具は、重力(地球の引力)を利用して簡単に顔のリフトアップを行うことができる。本構成の美容具の使用者は、仰向けに横たわって頭を下方に傾けるだけで顔のリフトアップを行うことができる。このために、本構成の美容具は、使い勝手が良く、使用者に不快感を与える可能性を低くできる。
【0009】
上記第1の構成の美容具には、前記第1の支持部及び前記第2の支持部によって所定の位置を支持される人の頸部との接触を避ける空間部が形成されている構成(第2の構成)であるのが好ましい。本構成によれば、リフトアップ時に、使用者の頸部が圧迫されることを避けることができる。このために、使用者は快適にリフトアップを行うことができる。
【0010】
上記第1又は第2の構成の美容具において、前記第1の支持部の人の背側上部を支持する面は傾斜面を有し、前記第1の支持部の前記傾斜面と反対側の面は、外方に向けて凸となる湾曲形状を有している構成(第3の構成)であるのが好ましい。本構成によれば、美容具の使用者の体格に合わせて傾斜面の角度を変更でき、様々な体格の使用者が快適に美容具を利用できる。
【0011】
上記第1から第3のいずれかの構成の美容具において、前記第2の支持部は、前記第1の支持部に対する角度を変更可能に設けられている構成(第4の構成)であるのが好ましい。本構成によれば、例えば使用者の体の状態等に合わせて頭部を下方に傾ける角度を変更できる。このために、使用者は無理な姿勢となることなく、リフトアップを行うことができる。
【0012】
上記第4の構成の美容具において、前記第2の支持部の前記第1の支持部に対する角度は任意に設定可能である(第5の構成)のが好ましい。本構成によれば、例えば使用者の体の状態、体格、好み等に合わせて第2の支持部の傾きを調整することができ、美容具の使い勝手の向上が期待できる。
【0013】
上記第4又は第5の構成の美容具において、前記第2の支持部は、前記第1の支持部に対して回動可能に連結されている構成(第6の構成)であるのが好ましい。本構成によれば、第2の支持部を角度変更可能とする構成を簡単な構造で実現し易く、美容具の製造コストを低減できる。
【0014】
上記第6の構成の美容具は、前記第1の支持部及び前記第2の支持部を支持する棒状部材を更に備える構成(第7の構成)であってよい。本構成によれば、美容具を簡単な構造として、美容具の製造コストを低減できる。
【0015】
上記第7の構成の美容具において、前記第1の支持部は、互いに分離した第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分とは、前記第2の支持部と前記棒状部材との連結箇所を挟むように配置されている構成(第8の構成)が採用されてよい。本構成のように第1の支持部を2つの部分に分離すると、上述の空間部を得易い。また、本構成のように第1の支持部を2つの部分に分離すると、美容具をコンパクトな状態として収納し易くできる。
【0016】
上記第8の構成の美容具において、前記第1の部分と前記第2の部分とは、前記棒状部材に沿って移動可能に設けられている構成(第9の構成)であるのが好ましい。本構成によれば、第1の支持部の状態を使用者の体格に合わせて調節できる。また、本構成によれば、第1の部分と第2の部分とを棒状部材から取り外し易い。
【0017】
上記第7から第9のいずれかの構成の美容具において、前記第1の支持部は、前記棒状部材に対して回動可能に設けられ、前記2の支持部は、前記棒状部材に対して固設されている構成(第10の構成)であってよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、使用者が快適に顔のリフトアップを行うことができる美容具を提供できる。また、本発明によれば、簡単な構造で顔のリフトアップを行えるとともに使い勝手の良い美容具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る美容具の構成を示す概略斜視図
【
図2】本発明の実施形態に係る美容具の構成を示す概略正面図
【
図3】本発明の実施形態に係る美容具の構成を示す概略平面図
【
図4】本発明の実施形態に係る美容具の構成を示す概略側面図
【
図5】本発明の実施形態に係る美容具が備える第1の支持部の詳細構成を示す側面図
【
図6】本発明の実施形態に係る美容具の使用例を示す概略側面図
【
図7】本発明の実施形態に係る美容具の使用例を示す概略正面図
【
図8】本発明の実施形態に係る美容具の作用を説明するための概略図
【
図9】本発明の実施形態に係る美容具の変形例を説明するための概略図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る美容具について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る美容具1の構成を示す概略斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る美容具1の構成を示す概略正面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る美容具1の構成を示す概略平面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る美容具1の構成を示す概略側面図である。美容具1は、重力(地球の引力)を利用して顔のリフトアップを行う道具である。
【0022】
美容具1は、仰向けに横たわる人の背側上部を支持する第1の支持部10を備えている。詳細には、第1の支持部10は、仰向けに横たわる人の背側上部を支持する傾斜面Sを有している。また、第1の支持部10は、互いに分離した第1の部分101と、第2の部分102とを有している。第1の部分101と第2の部分102とは同一形状であり、大まかに表現すると、細長い台形柱形状である。2つの部分101、102は、特に限定する趣旨ではないが、クッション性を有する部材で形成されるのが好ましい。2つの部分101、102は、例えばポリエチレンやポリウレタン等の樹脂を用いて構成できる。
【0023】
第1の支持部10を構成する各部分101、102が備える傾斜面Sは、平面であっても曲面であってもよい。傾斜面Sと反対側の面Cは平面でもよいが、本実施形態では、外方に向けて凸となる湾曲形状を有している。このような形状とする理由については後述する。第1の部分101及び第2の部分102の長手方向の一端部側には、それぞれ、1つの貫通孔103が形成されている。貫通孔103は、平面視において略円形状である。
【0024】
美容具1は、第1の支持部10に背側上部を支持される人の頭部を下方に傾けて支持する第2の支持部20を備えている。詳細には、第2の支持部20は、頭部を載せる載せ部201を有する。載せ部201の形状は、特に限定する趣旨ではないが、略円柱形状になっている。また、載せ部201は、第1の支持部10と同様に、クッション性を有する部材で形成されるのが好ましい。載せ部201は、その両端を挟むように配置される一対の連結バー202a、202bによって支持されている。第2の支持部20は、第1の支持部10に対する角度を変更可能に設けられている。この点の詳細については後述する。
【0025】
美容具1は、第1の支持部10が取り付けられる棒状部材30を備えている。棒状部材30は、概ね円柱形状である。第1の部分101の貫通孔103、及び、第2の部分102の貫通孔103に棒状部材30が嵌合され、これにより、第1の支持部10は棒状部材30に支持された状態になっている。
【0026】
第2の支持部20も、棒状部材30に支持されている。詳細には、一対の連結バー202a、202bの各一端が、棒状部材30の中央部近傍に間隔をあけて固設されている。一対の連結バー202a、202bは、棒状部材30の長手方向の中央部を挟んで対称配置されている。一対の連結バー202a、202bの間には空間が形成されている。
【0027】
本実施形態では、一対の連結バー202a、202bは、棒状部材30と一体的に形成されている。すなわち、一対の連結バー202a、202bは、棒状部材30と同一部材になっている。棒状部材30は、特に限定されるものではないが、例えば樹脂又は金属によって形成される。なお、一対の連結バー202a、202bは、棒状部材30とは別部材であってもよい。別部材とされる場合には、一対の連結バー202a、202bは、例えば留め具によって棒状部材30に固着される。
【0028】
第1の部分101及び第2の部分102に形成される貫通孔103の直径は、棒状部材30の直径よりも若干大きく設けられている。このために、棒状部材30は、第1の支持部10に対して回動可能である。換言すると、棒状部材30に固設される第2の支持部20は、
図4に破線で示すように、第1の支持部10に対して回動可能に連結されている。当該回動によって、第2の支持部20は、第1の支持部10に対する角度を変更できる。なお、第2の支持部20の第1の支持部10に対する角度は任意に設定可能である。この点の詳細については後述する。
【0029】
また、貫通孔103の直径が棒状部材30の直径よりも若干大きいために、第1の部分101及び第2の部分102は、
図3に破線で示すように、棒状部材30に沿って移動可能である。2つの部分101、102は、棒状部材30の中央部に近づけようとすると、連結バー202a、202bに衝突する。このために、2つの部分101、102は、互いに当接することなく、第2の支持部20と棒状部材30との連結箇所を挟むように離れて配置される。
【0030】
なお、本実施形態では、2つの部分101、102は、棒状部材30に沿ってスライド移動することによって棒状部材30から取り外すことができる。2つの部分101、102は、いずれも、スライド移動可能な範囲において任意の位置で固定することができる。この点の詳細については後述する。
【0031】
図5は、本発明の実施形態に係る美容具1が備える第1の支持部10の詳細構成を示す側面図である。
図5(a)は、美容具1が使用されていない(美容具1に人が載っていない)場合の状態を示している。
図5(b)は、美容具1が使用されている(人が載っている)場合の状態を示している。
【0032】
図5(a)に示すように、第1の支持部10を構成する第1の部分101及び第2の部分103は、いずれも内部に隙間104を有している。なお、隙間104の構造は、第1の部分101と第2の部分102とで同じである。このために、第1の部分101を例に、隙間104の構造を説明する。
【0033】
隙間104は略直方体形状を有している。隙間104の上下は、第1の部分101の内部に形成される壁面に面している。隙間104の4つの側面のうちの1つは貫通穴103に面している。また、残りの3つは、外部に面している。すなわち、第1の部分101は、一部が隙間104を境に上下に分離した構造になっている。
【0034】
仰向けに横たわる人の背側上部が傾斜面Sに載せられると、
図5(b)に示すように矢印で示す力が加わり、隙間104が狭められる。これに伴って貫通穴103も変形して、棒状部材30を挟み込む力が生じる。これにより、棒状部材30は、第1の支持部10に対して動かなくなり、第2の支持部20の第1の支持部10に対する角度を固定できる。また、第1の部分101及び第2の部分102の棒状部材30に対する位置を固定できる。そして、以上のような構造を利用するために、第2の支持部20の第1の支持部10に対する角度は任意に設定可能である。また、第1の部分101及び第2の部分102は、いずれも、スライド移動可能な範囲において任意の位置で固定することができる。
【0035】
図6は、本発明の実施形態に係る美容具1の使用例を示す概略側面図である。
図7は、本発明の実施形態に係る美容具1の使用例を示す概略正面図である。
図6及び
図7においては、破線で美容具1の使用者が示されている。主に、
図6及び
図7を参照しながら美容具1の使用例について説明する。
【0036】
美容具1を使用するにあたっては、使用者の体格に合わせて、棒状部材30の中央部を基準に略対称配置される2つの部分101、102の間隔が調整される。体格が大きい人が利用する場合、体格が小さな人が利用する場合に比べて、2つの部分101、102の間隔が大きくされる。詳細には、第1の部分101には使用者の右側の肩甲骨が載り、第2の部分102には使用者の左側の肩甲骨が載るように、2つの部分101、102の位置は調整される。
【0037】
また、美容具1を使用するにあたっては、第2の支持部20の第1の支持部10に対する角度が調整される。第2の支持部20の角度によって、使用者が頭を後方に反らす角度を変更できる。角度は、例えば使用者の年齢、健康状態、希望等によって適宜決定すればよい。例示にすぎないが、頭が後方に反る角度が5°〜20°の範囲内となるように、第2の支持部20の角度は調整される。貫通穴103の直径は棒状部材30の直径とほぼ等しいのが好ましい。このようにすれば、手を離しても(支えをなくても)角度調整した状態をある程度維持できるために、使用前の角度調整が行い易い。
【0038】
図6及び
図7に示すように、美容具1の使用者は、第1の支持部10によって体の頭部側を持ち上げられる。このために、頭部を下方に向けて傾けることができる。そして、使用者の頭部は下方に向けて傾いた状態で載せ部201に支持される。このために、重力の作用によって頬、額、あご等のフェイスラインを引き上げることができる。そして、当該リフトアップ(フェイスアップ)によって顔のしわを浅くする等の効果が得られる。美容具1の使用者は、仰向けに横たわって頭を下方に向けて傾けるだけで顔のリフトアップを行えるために、美容具1は非常に使い勝手が良い。
【0039】
なお、美容具1には、第1の支持部10及び第2の支持部20によって所定の位置を支持される使用者の頸部との接触を避ける空間部11が形成されている。このために、美容具1の使用者は、頭部を下方に傾けてリフトアップ効果を得ている際に、頸部が圧迫され難い。このために、使用時に頸部において血行不良が起き難く、使用者は快適にリフトアップ効果を得ることができる。
【0040】
また、美容具1は、上述のように、傾斜面Sと反対側の面Cが外方に向けて凸となる湾曲形状を有している。このために、美容具1は、
図8に実線と破線で示すように、使用者の体格に合わせて床Fとの接触状態を変えて傾斜面Sの床Fに対する傾斜角度を変更できる。
図8の実線は比較的体格の大きな人が利用する状態で、
図8の破線は比較的体格の小さな人が利用する状態である。本構成によれば、体格の異なる人が第1の支持部10の同様の位置に載せられた場合でも、両者はいずれも無理な姿勢となることなく美容具1を使用できる。両者は、同様の部位を床Fに当接させることになり、無理な姿勢にならない。
【0041】
以上に示した実施形態は、本発明の例示にすぎない。以上に示した実施形態の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてよい。
【0042】
例えば、以上に示した実施形態では、第1の支持部10を第1の部分101と第2の部分102とに分ける構成としたが、これは例示にすぎない。
図9に示すように、第1の支持部10は1つ部分で構成されてもよい。この場合でも、美容具1には、第1の支持部10及び第2の支持部20によって所定の位置を支持される使用者の頸部との接触を避ける空間部11が形成されるのが好ましい。
【0043】
なお、本実施形態のように第1の支持部10を2つの部分101、102に分離した場合、美容具1を分解した場合にコンパクトに収納し易くできるという利点がある。また、第1の支持部10を2つの部分101、102に分離した構成を採用する場合には、2つの部分101、102の棒状部材30に対する角度が別々な角度にならないように、2つの部分101、102を連結する棒状部材を複数としてもよい。
【0044】
また、以上に示した実施形態では、第2の支持部20の第1の支持部10に対する角度は任意に設定可能である構成とした。しかし、これは例示にすぎず、角度は段階的に切り替えられる構成であってもよい。この場合、例えばワンウェイクラッチ等を利用して、第2の支持部20の角度を切り替えられるようにしてもよい。また、段階的に角度変更を行うために、第2の支持部20は取り外し式であってもよい。なお、第2の支持部20の角度を任意の位置に切り替えることができる構造(機構)についても、以上に示した実施形態の構成とは異なるものとしてもよい。
【0045】
また、以上に示した実施形態では、棒状部材30が第1の支持部10に対して回動することによって、第2の支持部20が第1の支持部10に対して回動する構成とした。しかし、これは例示にすぎない。第2の支持部20が棒状部材30に対して回動可能に設けられることによって、第2の支持部20が第1の支持部10に対して回動する構成としてもよい。
【0046】
また、以上に示した実施形態では、第1の支持部10と第2の支持部20とが連結されて一体になっている構成を示した。しかし、これは例示にすぎない。上体を支持する第1の支持部と、頭部を支持する第2の支持部とは分離していても構わない。この構成においては、例えば、第2の支持部を上下方向に伸縮可能として、頭部を後方に傾ける角度を変更できるようにしてもよい。
【0047】
また、以上においては、本発明の美容具が顔のリフトアップに使用される場合を説明した。しかし、本発明の美容具は、顔のリフトアップ以外に使用されてよい。載せ部201が人体に当たる場所を変更して、本発明の美容具は、例えば頸椎を牽引するために使用されてもよい。頸椎牽引を行うと、例えば、顔の緊張を取り除いてリラックスさせることができる。このリラックス効果を得た後に、パックを併用して本発明の美容具を用いた顔のリフトアップを行うと、リフトアップ効果をより得易くなる。