(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6230048
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】セグメンテーション装置、セグメンテーションプログラム及びセグメンテーション方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20171106BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-204418(P2013-204418)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-69502(P2015-69502A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】NISSHA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】加藤 武
【審査官】
谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−186899(JP,A)
【文献】
特開2011−237917(JP,A)
【文献】
特開2011−158999(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/073718(WO,A1)
【文献】
特開2011−053855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品やサービスの購入態度を判定するためのセグメンテーション用質問を少なくとも含む質問に対する対象者各人の回答を取得する回答取得手段と、
セグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を示す回答対応得点情報を記録する記録部と、
前記回答取得手段によって取得された回答に応じて、前記回答対応得点情報を参照して得点を算出し、対象者各人ごとに合計得点を算出する合計得点算出手段と、
合計得点の多いまたは少ない順に各対象者を配置した場合に、各得点に属する対象者数の占有比率に基づいて、各対象者を少なくとも二つのグループにセグメンテーションするセグメンテーション手段と、
を備えたセグメンテーション装置。
【請求項2】
コンピュータによってセグメンテーション装置を構築するためのセグメンテーションプログラムであって、当該プログラムは、コンピュータを、
商品やサービスの購入態度を判定するためのセグメンテーション用質問を少なくとも含む質問に対する対象者各人の回答を取得する回答取得手段と、
セグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を示す回答対応得点情報を記録する記録部と、
記録部に記録されたセグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を記録した回答対応得点情報を参照し、前記回答取得手段によって取得された回答に応じて、対象者各人ごとに合計得点を算出する合計得点算出手段と、
合計得点の多いまたは少ない順に各対象者を配置した場合に、各得点に属する対象者数の占有比率に基づいて、各対象者を少なくとも二つのグループにセグメンテーションするセグメンテーション手段として機能させるためのセグメンテーションプログラム。
【請求項3】
商品やサービスの購入態度を判定するためのセグメンテーション用質問を少なくとも含む質問を端末装置に送信する質問送信手段と、
前記端末装置から送られてくる前記質問に対する対象者各人の回答を取得する回答取得手段と、
セグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を示す回答対応得点情報を記録する記録部と、
前記回答取得手段によって取得された回答に応じて、前記回答対応得点情報を参照して得点を算出し、対象者各人ごとに合計得点を算出する合計得点算出手段と、
合計得点の多いまたは少ない順に各対象者を配置した場合に、各得点に属する対象者数の占有比率に基づいて、各対象者を少なくとも二つのグループにセグメンテーションするセグメンテーション手段と、
前記セグメンテーション手段によるセグメンテーション結果を前記端末装置に送信するセグメンテーション送信手段と、
を備えたセグメンテーション・サーバ装置。
【請求項4】
コンピュータによってセグメンテーション・サーバ装置を構築するためのセグメンテーションプログラムであって、当該プログラムは、コンピュータを、
商品やサービスの購入態度を判定するためのセグメンテーション用質問を少なくとも含む質問を端末装置に送信する質問送信手段と、
前記端末装置から送られてくる前記質問に対する対象者各人の回答を取得する回答取得手段と、
記録部に記録されたセグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を示す回答対応得点情報を参照し、前記回答取得手段によって取得された回答に応じて、対象者各人ごとに合計得点を算出する合計得点算出手段と、
合計得点の多いまたは少ない順に各対象者を配置した場合に、各得点に属する対象者数の占有比率に基づいて、各対象者を少なくとも二つのグループにセグメンテーションするセグメンテーション手段と、
前記セグメンテーション手段によるセグメンテーション結果を前記端末装置に送信するセグメンテーション送信手段として機能させるためのセグメンテーション・サーバプログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記セグメンテーション手段は、合計得点の多い順または少ない順に、イノベータとして2.5%、アーリーアダプタとして13.5%、アーリーマジョリティとして34.0%、レイトマジョリティとして34.0%、ラガードとして16.0%を目標値としてセグメンテーションを行うものであって、
前記イノベータの目標値と対応する前記占有比率の誤差絶対値および前記アーリーアダプタの目標値と対応する前記占有比率の誤差絶対値の総計誤差絶対値が小さくなるようにグループ分けを行うことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記セグメンテーション手段は、合計得点の多い順または少ない順に、イノベータとして2.5%、アーリーアダプタとして13.5%、アーリーマジョリティとして34.0%、レイトマジョリティとして34.0%、ラガードとして16.0%を目標値としてセグメンテーションを行うものであって、
前記イノベータの目標値2.5%と対応する前記占有比率の誤差絶対値、前記アーリーアダプタの目標値13.5%と対応する前記占有比率の誤差絶対値の合計誤差絶対値、前記イノベータ・前記アーリーアダプタ・前記アーリーマジョリティの合計目標値50%と対応する前記占有比率の誤差絶対値、ラガードの目標値16.0%と対応する前記占有比率の誤差絶対値の総計誤差絶対値が小さくなるようにグループ分けを行うことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記質問には特性把握のための質問も含まれており、前記セグメンテーション手段は、特性把握のための質問に対する回答を前記グループ毎に集計することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項8】
コンピュータによってセグメンテーションを行うための方法であって、
前記コンピュータが、商品やサービスの購入態度を判定するためのセグメンテーション用質問を少なくとも含む質問を対象者に提示し、
前記コンピュータが、前記質問に対する対象者各人の回答を受け付け、
前記コンピュータが、セグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を記録した回答対応得点情報を記録する記録部を参照して、前記取得された回答に応じて、対象者各人ごとに合計得点を算出し、
前記コンピュータが、合計得点の多いまたは少ない順に各対象者を配置した場合に、各得点に属する対象者数の占有比率に基づいて、各対象者を少なくとも二つのグループにセグメンテーションし、
前記コンピュータが、前記セグメンテーションの結果を提示することを特徴とするセグメンテーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、イノベータ理論などの購買行動に基づいた消費者のセグメンテーションを行うための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マーケティングなどに利用するために、イノベータ理論などを用いて消費者を分類し、新製品の販売促進などに利用することが行われている。ここで、イノベータ理論とは、スタンフォード大学の社会学者であるエベレット・M・ロジャースによって提唱された、新製品や新サービスの市場浸透に関する理論である。
【0003】
イノベータ理論においては、消費者は、イノベータ(革新者)、アーリーアダプタ(初期採用者)、アーリーマジョリティ(前記追従者)、レイトマジョリティ(後期追従者)、ラガード(遅滞者)の5つのグループに分類される。
【0004】
イノベータは、冒険的で新商品が出ると進んで採用する人のグループである。イノベータは、商品の目新しさという点を重視しており、商品の有用性についてはほとんど無視する傾向にある。
【0005】
アーリーアダプタは、社会と価値観を共有しているものの、流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断する人のグループである。他の消費者への影響力が大きく、オピニオンリーダと呼ばれ、商品普及の大きな鍵を握っている。新製品が提供する有用性が必ずしも万人に受け入れられるとは限らないため、市場に浸透するかどうかはアーリーアダプタの判断や反応によるところが大きい。
【0006】
アーリーマジョリティは、新しい様式の採用に比較的慎重な人のグループである。慎重とはいえ、全体の平均より早くに新しいものを取り入れる。アーリーアダプタからの影響を強く受け、新製品が市場に浸透するための媒介層である。
【0007】
レイトマジョリティは、新しい様式の採用に懐疑的な人のグループである。周囲の大多数が採用しているという確証が得られてから同じ選択をする傾向を持つ。
【0008】
ラガードは、最も保守的な人のグループである。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統化するまで採用しない。中には、最後まで不採用を貫く者もある。
【0009】
イノベータ理論において、これら5つのグループは、
図20に示すように、イノベータ5%、アーリーアダプタ13.5%、アーリーマジョリティ34.0%、レイトマジョリティ34.0%、ラガード16.0%という構成比になるとされている。
【0010】
特許文献1には、教師ユーザに対するアンケートの回答に基づいて、教師ユーザを上記のいずれかのグループに分類し、教師ユーザと類似する行動を行うユーザを当該グループに分類するというシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−289068
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献1のシステムにおいては、対象となるユーザの一部の教師ユーザについてのみアンケートを行い、その他のユーザについては教師ユーザの行動と類似した行動をとっているかどうかによってセグメンテーションを行っている。このため、教師ユーザ以外のユーザについては、セグメンテーションが間接的であり正確でないという問題があった。
【0013】
また、教師ユーザに対するアンケート回答に基づいて、どのようにしてセグメンテーションを行うのか、その具体的な処理内容は示されていない。
【0014】
この発明は、上記のような問題点を解決して、より適切にセグメンテーションを行うことのできる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)(2)この発明に係るセグメンテーション装置は、商品やサービスの購入態度を判定するためのセグメンテーション用質問を少なくとも含む質問に対する対象者各人の回答を取得する回答取得手段と、セグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を示す回答対応得点情報を記録する記録部と、前記取得手段によって取得された回答に応じて、前記回答対応得点情報を参照して得点を算出し、対象者各人ごとに合計得点を算出する合計得点算出手段と、合計得点の多いまたは少ない順に各対象者を配置した場合に、各得点に属する対象者数の占有比率に基づいて、各対象者を少なくとも二つのグループにセグメンテーションするセグメンテーション手段とを備えている。
【0016】
したがって、対象者を適切にセグメンテーションすることができる。
【0017】
(3)(4)この発明に係るセグメンテーション装置は、商品やサービスの購入態度を判定するためのセグメンテーション用質問を少なくとも含む質問を端末装置に送信する質問送信手段と、前記端末装置から送られてくる前記質問に対する対象者各人の回答を取得する回答取得手段と、セグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を示す回答対応得点情報を記録する記録部と、前記取得手段によって取得された回答に応じて、前記回答対応得点情報を参照して得点を算出し、対象者各人ごとに合計得点を算出する合計得点算出手段と、合計得点の多いまたは少ない順に各対象者を配置した場合に、各得点に属する対象者数の占有比率に基づいて、各対象者を少なくとも二つのグループにセグメンテーションするセグメンテーション手段と、前記セグメンテーション手段によるセグメンテーション結果を前記端末装置に送信するセグメンテーション送信手段とを備えている。
【0018】
したがって、対象者を適切にセグメンテーションすることができる。
【0019】
(5)この発明に係るセグメンテーション装置は、セグメンテーション手段が、合計得点の多い順または少ない順に、イノベータとして2.5%、アーリーアダプタとして13.5%、アーリーマジョリティとして34.0%、レイトマジョリティとして34.0%、ラガードとして16.0%を目標値としてセグメンテーションを行うものであって、前記イノベータの目標値と対応する前記実占有比率の誤差絶対値および前記アーリーアダプタの目標値と対応する前記実占有比率の誤差絶対値の総計誤差絶対値が小さくなるようにグループ分けを行うことを特徴としている。
【0020】
したがって、イノベータもしくはアーリーアダプタについてより正確にセグメンテーションを行うことができる。
【0021】
(6)この発明に係るセグメンテーション装置は、セグメンテーション手段が、合計得点の多い順または少ない順に、イノベータとして2.5%、アーリーアダプタとして13.5%、アーリーマジョリティとして34.0%、レイトマジョリティとして34.0%、ラガードとして16.0%を目標値としてセグメンテーションを行うものであって、前記イノベータの目標値2.5%と対応する前記実占有比率の誤差絶対値、前記アーリーアダプタの目標値13.5%と対応する前記実占有比率の誤差絶対値の合計誤差絶対値、前記イノベータ・前記アーリーアダプタ・前記アーリーマジョリティの合計目標値50%と対応する前記実占有比率の誤差絶対値、ラガードの目標値16.0%と対応する前記実占有比率の誤差絶対値の総計誤差絶対値が小さくなるようにグループ分けを行うことを特徴としている。
【0022】
したがって、正規分布としての全体的な傾向も踏まえた上でイノベータもしくはアーーリアダプタについてセグメンテーションを行うことができるので、より正確にセグメンテーションを行うことができる。
【0023】
(7)この発明に係るセグメンテーション装置においては、質問には特性把握のための質問も含まれており、前記セグメンテーション手段は、特性把握のための質問に対する回答を前記グループ毎に集計することを特徴としている。
【0024】
したがって、したがって、セグメンテーションに基づいて特性把握を行うことができる。
【0025】
(8)この発明に係るセグメンテーション方法は、コンピュータによってセグメンテーションを行うための方法であって、前記コンピュータが、商品やサービスの購入態度を判定するためのセグメンテーション用質問を少なくとも含む質問を対象者に提示し、前記コンピュータが、前記質問に対する対象者各人の回答を受け付け、前記コンピュータが、セグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を記録した回答対応得点情報を記録する記録部を参照して、前記取得された回答に応じて、対象者各人ごとに合計得点を算出し、前記コンピュータが、合計得点の多いまたは少ない順に各対象者を配置した場合に、各得点に属する対象者数の占有比率に基づいて、各対象者を少なくとも二つのグループにセグメンテーションし、前記コンピュータが、前記セグメンテーションの結果を提示することを特徴としている。
【0026】
したがって、対象者を適切にセグメンテーションすることができる。
【0027】
この発明において、「回答取得手段」は、質問に対する回答を取得するための手段をいい、マウスやキーボードなどからの回答データを受け取る手段、CD−ROMの挿入されたCD−ROMドライブからの回答データを受け取る手段、インターネットを介して回答データを受信する手段などを含む概念である。実施形態においては、ステップS52がこれに対応する。
【0028】
「合計得点算出手段」は、実施形態においては、ステップS61、S62がこれに対応する。
【0029】
「セグメンテーション手段」は、実施形態においては、ステップS63〜S77がこれに対応する。
【0030】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】この発明の一実施形態によるセグメンテーション装置の機能ブロック図である。
【
図4】セグメンテーションプログラム30のフローチャートである。
【
図10】セグメンテーションプログラム30のフローチャートである。
【
図11】セグメンテーションプログラム30のフローチャートである。
【
図12】セグメンテーションプログラム30のフローチャートである。
【
図13】セグメンテーションプログラム30のフローチャートである。
【
図15】合計得点別の対象者人数を示すデータである。
【
図16】イノベータをグループ化するための処理を示す図である。
【
図17】アーリーアダプタをグループ化するための処理を示す図である。
【
図18】セグメンテーション候補としてのカッティング1〜4を示す図である。
【
図19】各カッティングの誤差情報を示す図である。
【
図20】イノベータ理論に基づく購入者のグループ化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
1.セグメンテーション装置の全体構成
図1に、この発明の一実施形態によるセグメンテーション装置の機能ブロック図を示す。回答取得手段2は、対象者に対するアンケート質問に対する回答を取得する。この実施形態においては、質問に、セグメンテーション用質問および特性把握のための質問が含まれている。
【0033】
記録部4には、セグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を示す回答対応得点情報6が記録されている。合計得点算出手段8は、質問に対する回答について、回答対応得点情報6を参照して得点を得て、質問を行った対象者ごとに、得点の合計を算出する。
【0034】
セグメンテーション手段10は、合計得点の多い順に各対象者を配置した場合に、各対象者数の占有比率に基づいて、各対象者を、イノベータ、アーリーアダプタ、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガートにグループ分けする。さらに、対象者のグループごとに、特性把握のための質問に対する回答を集計する。
【0035】
2.ハードウエア構成
図2に、この発明の一実施形態によるセグメンテーション・システムのハードウエア構成を示す。サーバ装置12は、インターネット14を介して、複数の端末装置T1、T2・・・Tnからアクセス可能に構成されている。対象者は、それぞれの端末装置T1、T2・・・Tnから、サーバ装置12にアクセスし、質問に回答する。サーバ装置12は、質問に対する回答を受けてセグメンテーション処理を実行する。この実施形態では、セグメンテーション装置をサーバ装置12として構築している。
【0036】
図3に、サーバ装置12のハードウエア構成を示す。CPU16には、メモリ18、ハードディスク20、DVD−ROMドライブ22、通信回路24が接続されている。通信回路24は、インターネット14に接続するためのものである。ハードディスク20には、オペレーティングシステム(たとえばWINDOWS(商標))28、セグメンテーションプログラム30、質問データ32、回答対応得点テーブル34などが記録されている。
【0037】
セグメンテーションプログラム30は、オペレーティングシステム28と協働してその機能を発揮するものである。オペレーティングシステム28、セグメンテーションプログラム30は、DVD−ROM26に記録されていたものを、DVD−ROMドライブ22を介して、ハードディスク20にインストールしたものである。
【0038】
質問データ32は、対象者に対する質問である。この実施形態では、質問に、セグメンテーション用質問および特性把握のための質問が含まれている。回答対応得点テーブル34は、セグメンテーション用質問に対する回答内容に対応した得点を記載したものである。
【0039】
なお、端末装置T1、T2・・・Tnは、各対象者の有するPCであり、インターネットに接続可能であって、ブラウザプログラムがインストールされているものとする。
【0040】
3.セグメンテーション処理
図4に、端末装置T1のブラウザプログラム、サーバ装置12のセグメンテーションプログラムのフローチャートを示す。
図4においては、回答データの収集処理についてのみ示している。
【0041】
まず、対象者は端末装置T1を操作して、予め定められたユーザID、パスワードにて、サーバ装置12にアクセスする(ステップS1)。サーバ装置12は、ユーザID、パスワードにて認証を行う。登録されたユーザであれば、サーバ装置12は、質問データ32をハードディスク20から読み出して送信する(ステップS51)。
図5、
図6、
図7に、質問データ32の一例を示す。
図5、
図6は、セグメンテーション用質問である。この実施形態では、セグメンテーション用質問として9個の質問を用意している。
図7は、セグメンテーション以外の特性を把握するための質問である。
【0042】
端末装置T1は、送られてきた質問データを、ディスプレイ(図示せず)上に表示する。
図8に、ディスプレイに表示された質問を示す。対象者は、端末装置T1のマウス(図示せず)を操作して、対応する回答文の横のラジオボタンR1、R2、R3、R4のいずれかを選択して回答する。このようにして全ての質問に回答した後、送信ボタン(図示せず)をクリックする。これにより、端末装置T1は、回答データを送信する(ステップS2)。
【0043】
サーバ装置12は、この回答データを受信する(ステップS52)。さらに、サーバ装置12は、受信した回答データをユーザIDとともにハードディスク20に記録する(ステップS53)。
【0044】
以上の処理が、各対象者の端末装置T2・・・Tnにおいても行われる。その結果、サーバ装置12のハードディスク20には、
図9に示すように、各対象者からの回答内容データが記録されることになる。
【0045】
図10〜13に、セグメンテーションプログラム30のうち、回答データに基づいて対象者をセグメントする部分のフローチャートを示す。CPU16は、ハードディスク20から回答内容データを読み出す。次に、ハードディスク20に記録されている回答対応得点テーブル34を参照して、各回答に対して得点を付与する(ステップS61)。
【0046】
図14に、回答対応得点テーブル34の例を示す。セグメンテーション用質問(
図5、
図6参照)の各肢に対応して、得点が記述されている。たとえば、対象者が、Q1(楽しみに費やすお金や時間に関して)について、肢2(生活の中で楽しみに費やすお金や時間は多い方だ)を選択して回答していた場合、得点として1点が与えられることになる。CPU16は、各対象者の各回答に対して得点を付していく。なお、この実施形態では、イノベータ的要素が強いほど得点を多くし、リガード的要素が強いほど得点を少なく(マイナスに)している。
【0047】
なお、
図14からもわかるように、この実施形態においては、すべての質問において最高得点が同じではない。これは、質問ごとに、対象者をセグメンテーションするための情報としてのウエイトが異なることを考慮したものである。また、Q5やQ6の得点を見れば明らかなように、最高点と最低点が0を挟んで対称になっていない。これは、質問ごとに、対象者をセグメンテーションするための情報としてのベースラインが異なることを考慮したものである。
【0048】
次に、CPU16は、対象者毎に、セグメンテーション用質問に対する回答の合計得点を算出する(ステップS62)。さらに、これを得点の多い順にソートする(ステップS63)。続いて、CPU16は、得点ごとの人数を算出する(ステップS64)。その結果、
図15に示すようなテーブルが生成される。
図15に示す例では、対象者が6000人の場合を示している。たとえば、合計得点が25点の対象者は5人、24点の対象者は0人、23点の対象者は1人・・・であることが分かる。なお、図においては表されていないが、CPU16は、各合計得点に対応するユーザIDを記録している。
【0049】
次に、CPU16は、この人数分布に基づいて、各対象者をグループに分ける。すなわち、上位から類型2.5%の占有率になる得点までの対象者をイノベータとし、さらにそれから13.5%の占有率になる得点までの対象者をアーリーアダプタとする。これをラガードまで繰り返すことによりグループ分けを行う。
【0050】
ここで、合計得点は離散値であるため、各セグメントの理想的な占有率(目標占有率)と合致しないことが多い。つまり、複数のグループ分け候補が見いだされる可能性があり、これを選択する基準が必要となる。この実施形態では、単に、誤差が小さくなるという観点だけではなく、マーケティングに資するという観点も加味して選択の基準を設けている。
【0051】
CPU16は、最高得点(ここでは25点)から人数を累計していき、累計人数の占有率がイノベータの目標占有率(2.5%)を超える直前の得点までの対象者をイノベータとする(ステップS65)。たとえば、
図15の場合であれば、
図16のように最高得点からの累計占有率を算出していくことになる。25点から13点までの累計占有率は2.2%、25点から12点までの累計占有率は2.9%であるので、ここでは、25点から13点までの対象者をイノベータとする
次に、CPU16は、上記イノベータとしてグループ化された対象者を除いて、上位得点からの人数を累計し、累計人数の占有率がアーリーアダプタの目標占有率(13.5%)に最も近くなる得点までの対象者をアーリーアダプタとする(ステップS66)。たとえば、
図15の場合であれば、
図17のように12点からの累計占有率を算出していくことになる。12点から6点までの累計占有率は13.4%、12点から5点までの累計占有率は18.6%であるので、ここでは、12点から6点までの対象者をアーリーアダプタとする。
【0052】
次に、CPU16は、上記イノベータ、アーリーアダプタとしてグループ化された対象者を除いて、上位得点からの人数を累計し、累計人数の占有率がアーリーマジョリティの目標占有率(34.0%)に最も近くなる得点までの対象者をアーリーマジョリティとする(ステップS67)。これにより、5点から2点までの対象者がアーリーマジョリティとしてグループ化される。
【0053】
さらに、CPU16は、上記イノベータ、アーリーアダプタ、アーリーマジョリティとしてグループ化された対象者を除いて、上位得点からの人数を累計し、累計人数の占有率がレイトマジョリティの目標占有率(34.0%)を超える直前の得点までの対象者をレイトマジョリティとする。そして、残りの対象者を、ラガードとする(ステップS68)。これにより、1点から−1点までの対象者がレイトマジョリティ、残りの対象者がラガードとしてグループ化される。ここでは、以上のセグメンテーション候補を、カッティング1と呼ぶことにする。
【0054】
また、CPU16は、上記イノベータ、アーリーアダプタ、アーリーマジョリティとしてグループ化された対象者を除いて、上位得点からの人数を累計し、累計人数の占有率がレイトマジョリティの目標占有率(34.0%)を超えた直後の得点までの対象者をレイトマジョリティとする。そして、残りの対象者を、ラガードとする(ステップS69)。これにより、1点から−2点までの対象者がレイトマジョリティ、残りの対象者がラガードとしてグループ化される。ここでは、以上のセグメンテーション候補を、カッティング2と呼ぶことにする。
【0055】
以上のようにして生成されたセグメンテーション候補であるカッティング1、2を
図18に模式的に示す。
【0056】
上記では、ステップS65において、累計人数の占有率がイノベータの目標占有率(2.5%)を超える直前の得点までの対象者をイノベータとし,ステップS66〜S69によってグループ分けを行った。これに対し、ステップS70では、最高得点(ここでは25点)から人数を累計していき、累計人数の占有率がイノベータの目標占有率(2.5%)を超えた直後の得点までの対象者をイノベータとする。以下、ステップS66〜S69と同じ処理を実行する。つまり、ステップS71、S72、S73、S74において、それぞれ、ステップS66、S67、S68、S69と同様の処理を行う。
【0057】
以上のようにして、
図18に示すように、セグメンテーション候補であるカッティング3、4が生成される。
【0058】
次に、CPU16は、カッティング1〜4のそれぞれについて、イノベータの目標占有率と実際の占有率との誤差の絶対値を算出する。同様に、アーリーアダプタの目標占有率と実際の占有率との誤差の絶対値、ラガードの目標占有率と実際の占有率との誤差の絶対値を算出する(ステップS75)。
【0059】
さらに、カッティング1〜4のそれぞれについて、イノベータ、アーリーアダプタ、アーリーマジョリティの目標占有率の合計と、実際の占有率の合計との誤差絶対値を算出する(ステップS76)。たとえば、カッティング1におけるイノベータ、アーリーアダプタ、アーリーマジョリティの実際の占有率の合計は、2.2%+13.4%+28.3%=43.9%である。イノベータ、アーリーアダプタ、アーリーマジョリティの目標占有率の合計は、50%であるから、誤差絶対値は6.1%となる。
【0060】
以上のようにして、
図19に示すように、カッティングごとに誤差絶対値が算出される。さらに、CPU16は、カッティングごとに、これらの誤差絶対値の総計を算出し、最も総計の小さいカッティングをセグメンテーションとして決定する(ステップS77)。
図19の例であれば、カッティング3が選択されることになる。CPU16は、選択したカッティングをハードディスク20に記録する。
【0061】
以上のようにしてセグメンテーションが行われる。なお、この実施形態では、アーリーアダプタを正確に捉えるために、イノベータ、アーリーアダプタの占有率誤差の絶対値が小さくなるものを選択するようにしている(基準1)。さらに、イノベータ理論の前提である正規分布という条件にできるだけ近づけるために、目標占有率の合計が50%となるイノベータ、アーリーアダプタ、ラガードの占有率誤差の絶対値の合計が小さくなるものを選択するようにしている(基準2)。さらに、集団全体としての合致性をみるために、ラガードの占有率誤差の絶対値が小さくなるものを選択するようにしている(基準3)。
【0062】
上記実施形態では、基準1、基準2、基準3を全て用いて判断しているが、基準1のみで、または基準1と基準2で、あるいは基準1と基準3で判断するようにしてもよい。
【0063】
続いて、CPU16は、上記カッティングに基づき、必要なグループについて(たとえば、アーリーアダプタについて)特性把握のための質問に対する回答を集計し、ハードディスク20に記録する(ステップS78)。たとえば、各質問に対する回答肢の割合などを算出する。これにより、対象とするグループがどのような特性を持っているかを記録することができる。
【0064】
以上のようにして記録されたセグメンテーション、特性把握のための質問に対する回答集計は、依頼者の端末装置Tcから閲覧できるようになっている。つまり、端末装置Tcから閲覧依頼があると、サーバ装置12は、ハードディスク20に記録された上記データを読み出して、端末装置Tcに送信する。
【0065】
4.その他の実施形態
(1)上記実施形態では、セグメンテーション装置をサーバ装置として構築した。つまり、端末装置Tに対して質問を送信し、これに対する回答を端末装置Tから受けてグループ化処理を行うようにしている。しかし、インターネットを介さず、PC単独で、質問の表示、回答の受け付け、グループ化処理を全て行うようにしてもよい。この場合、PCは、ディスプレイに質問を表示し、対象者のマウス操作などに基づいて回答入力を受け付けることになる。
【0066】
(2)上記実施形態では、コンピュータによって対象者に対して質問を提示し、その回答入力を受け付けるようにしている。しかし、対象者に対して紙媒体などで質問を提示し、紙媒体に回答を記入してもらうようにしてもよい。この場合には、回答の集計を、OCRやオペレータによって行って回答データを生成し、この回答データをセグメンテーション装置に入力するようにしてもよい。あるいは、紙媒体の回答をみながら、オペレータが入力するようにしてもよい。
【0067】
(3)上記実施形態では、イノベータとラガードについて、累計人数の占有率が目標占有率を超える直前の得点までの対象者と、超えた直後の得点までの対象者との二つを候補として選択している。そして、他のグループについては、目標占有率に最も近くなるものを一つだけ選択するようにして、候補の数が多くなりすぎることを防止している。しかし、他のグループについても、イノベータやラガードと同じようにして、二つの候補を選択するようにしてもよい。この場合、候補の数が16個になるが、同様の基準にて最終的に一つに決定することができる。
【0068】
(4)上記実施形態では、最終的に一つのカッティングのみを選択するようにしている。しかし、複数のカッティングを候補として選択して提示するようにしてもよい。たとえば、誤差総計の少ない順に三つのカッティングを最終候補とするなどである。
【0069】
(5)上記実施形態では、アーリーアダプタに着目する場合を例として説明したが、他のグループに着目して集計を行う場合にも適用することができる。なお、レイトマジョリティについて着目する場合であれば、得点の高い順ではなく、得点の低い順にソートし、得点の低い側からラガード、レイトマジョリティ・・・というようにカッティングしていくことが好ましい。つまり、誤差を抑えるため、注目するグループについて、カッティングの順序ができるだけ早くなるように選択することが好ましい。
【0070】
(6)上記実施形態では、質問の回答に対し、イノベータ的な要素が高いほど大きな得点を与えるようにしている。しかし、ラガード的な要素が高いほど大きな得点を与えるようにしてもよい。
【0071】
(7)上記実施形態では、ロジャースのイノベータ理論を用いてセグメンテーションを行った。しかし、購入者を購入態度によって二以上のグループに分類する理論であれば、これを用いるようにしてもよい。たとえば、ジェフリー・ムーアの「キャズム」を用いるようにしてもよい。キャズムでは、ギーク(2.5%)、ビジョナリー(13.5%)、実利主義者(34.0%)、後期多数派(34.0%)、ラガード(16.0%)に分けている。これは、それぞれ、イノベータ(革新者)、アーリーアダプタ(初期採用者)、アーリーマジョリティ(前記追従者)、レイトマジョリティ(後期追従者)、ラガード(遅滞者)に対応する。
【0072】
(8)上記実施形態では、特性把握のための解析を行うようにしている。しかし、セグメンテーションのみを実行するようにしてもよい。
【0073】
(9)上記実施形態では、最終候補を示すようにしているが、併せて、
図19に示すような誤差情報も記録しておいて提示するようにしてもよい。