(54)【発明の名称】音響に関わる2次元濃淡画像作成方法及び装置、音響に関わる2次元濃淡画像印刷物の製造方法、音響波形再現方法及び装置、並びに、音響波形のノイズ除去方法及び装置
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のようなデジタル音響波形に関わる従来の種々の問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、デジタル音響波形を2次元濃淡画像で表現することに着眼した。具体的には、デジタル音響波形を構成する各データ点の振幅値に応じた濃度値を、2次元濃淡画像を構成する各画素に所定の順序でマッピングすることで、該2次元濃淡画像を作成することに着眼した。
上記のようにして作成された2次元濃淡画像には、画像中のノイズを除去するために提案されている各種の画像処理を適用可能である。そして、ノイズを除去した2次元濃淡画像に基づきデジタル音響波形を再現することで、比較的容易に且つ精度良くノイズを除去できることが期待できる。
また、デジタル音響波形に基づき作成された2次元濃淡画像を紙や布地などのシート状の媒体表面に印刷すれば、この印刷された2次元濃淡画像を光学的に読み取ることで、デジタル音響波形を比較的容易に再現可能であると考えられる。シート状の媒体表面に印刷することで記録すれば、電磁的記録媒体に記録する場合に比べて、データの読み取りデバイスの進展の影響を受け難い他、長期保存にも適することが期待できる。
さらに、デジタル音響波形に基づき作成された2次元濃淡画像を標識の表面に印刷すれば、この印刷された2次元濃淡画像を光学的に読み取ることで、デジタル音響波形を比較的容易に再現可能であると考えられる。そして、再現したデジタル音響波形の出力手段(スピーカ等の音響発生手段)を標識側に設ける必要がなく、読み取り手段側に設けることで、手間もコストも抑制できることが期待できる。
【0008】
本発明は、上記本発明者の知見に基づき完成したものである。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、入力されたデジタル音響波形に基づき2次元濃淡画像を作成する2次元濃淡画像作成方法であって、前記入力されたデジタル音響波形を構成する各データ点の振幅値に応じた濃度値を、2次元濃淡画像を構成する各画素に所定の順序でマッピングすることで、該2次元濃淡画像を作成する2次元濃淡画像作成ステップ
と、前記2次元濃淡画像作成ステップで作成された2次元濃淡画像に画像処理を施す画像処理ステップとを含み、前記画像処理ステップにおいては、前記作成された2次元濃淡画像を構成する各画素のうち所定のしきい値以上の濃度値を有する画素を検出し、該検出した画素の濃度値から所定の濃度値を減算する画像処理を施すことを特徴とする音響に関わる2次元濃淡画像作成方法を提供する。
【0009】
本発明によれば、入力されたデジタル音響波形を構成する各データ点の振幅値に応じた濃度値を、2次元濃淡画像を構成する各画素に所定の順序でマッピングすることで、該2次元濃淡画像が作成される。
この音響に関わる2次元濃淡画像を利用することで、前述したデジタル音響波形のノイズ除去や、デジタル音響波形の記録、標識への適用など、デジタル音響波形に関わる従来の種々の問題を解決することが可能である。
【0010】
なお、本発明において、各データ点の振幅値に応じた濃度値とは、各データ点と一定の相関関係で対応付けられた濃度値を意味する。具体的には、例えば、各データ点の振幅値と濃度値とを1対1対応で対応付ければ良い。また、隣接するデータ点の振幅値を補間(例えば、内挿補間)して得られた振幅値と各データ点の振幅値とを濃度値に対応付けても良い(これは、実質的にデジタル音響波形のサンプリングレートを上げることに相当する)。さらに、全てのデータ点のうちいくつかのデータ点を間引き(例えば、隣接するデータ点の一方を間引き)、間引いた後に残ったデータ点の振幅値を濃度値に対応付けることも可能である(これは、実質的にデジタル音響波形のサンプリングレートを下げることに相当する)。
また、所定の順序でマッピングするとは、各データ点の振幅値に応じた濃度値を各画素が有する濃度値として所定の順序で割り当てることを意味する。所定の順序は、予め決めておけば何ら限定されるものではないが、例えば、2次元濃淡画像がm行n列の画素から構成される場合、1行1列目、1行2列目、・・・、1行n列目の画素の順に、各データ点の振幅値に応じた濃度値を各濃度値の並びに応じて各画素に割り当てていき、1行n列目の画素に割り当てた後は、2行1列目の画素から順に2行n列目の画素まで割り当て、以下同様の手順を繰り返して、m行n列目の画素まで割り当てることが考えられる。また、1行1列目の画素から順に1行n列目の画素まで割り当てた後は、2行n列目の画素から順に2行1列目の画素まで割り当て、さらに3行1列目の画素から順に3行n列目の画素まで割り当て、以下同様の手順を繰り返して(千鳥状の割り当て)、m行n列目の画素まで割り当てても良い。
【0012】
デジタル音響波形の一部に前述したポップコーンノイズ(略一定の振幅値がオフセットとして重畳するノイズ)が重畳した場合には、2次元濃淡画像におけるノイズ発生部位に相当する画素の濃度値にも略一定のオフセットが重畳し、当該画素の濃度値が高まった状態となる。
本発明に係る方法によれば、所定のしきい値以上の濃度値を有する画素を検出することで、上記オフセットが重畳したノイズ発生部位に相当する画素を特定可能であることが期待できる。そして、
本発明に係る方法によれば、検出した画素の濃度値から所定の濃度値を減算することで、上記オフセットの影響が低減され、ノイズが重畳されていない本来のデジタル音響波形に相当する濃度値が得られることが期待できる。このため、画像処理後の2次元濃淡画像に基づきデジタル音響波形を再現することで、ノイズ(特に、ポップコーンノイズ)が除去された本来のデジタル音響波形を得ることが期待できる。
【0013】
好ましくは、前記画像処理ステップは、前記2次元濃淡画像作成手段で作成された2次元濃淡画像について、各濃度値に対する画素数を示す濃度ヒストグラムを作成するステップと、前記作成した濃度ヒストグラムが2つのピークを有する双峰状の分布である場合、前記2つのピークの間の谷部近傍に位置する濃度値を前記所定のしきい値として決定するステップとを含む。
【0014】
デジタル音響波形に基づき作成される2次元濃淡画像を構成する画素の濃度値は、デジタル音響波形を構成する各データ点の振幅値に応じて変動する。このため、固定のしきい値では、ノイズ発生部位に相当する画素を精度良く特定できない可能性がある。
上記の好ましい方法によれば、各濃度値に対する画素数を示す濃度ヒストグラムを作成し、この濃度ヒストグラムが2つのピークを有する双峰状の分布である場合、2つのピークの間の谷部近傍に位置する濃度値を所定のしきい値として決定する。すなわち、2つのピークのうち、高い方のピーク近傍の濃度値を有する画素がノイズ発生部位に相当する画素であると判断する。このため、デジタル音響波形を構成する各データ点の振幅値が変動したとしても、これに追随して2つのピークの位置も変動するため、2つのピークの間の谷部近傍に位置する濃度値を所定のしきい値として決定することで、ノイズ発生部位に相当する画素を精度良く特定可能である。
【0015】
前記課題を解決するため、本発明は、上記の何れかの2次元濃淡画像作成方法によって2次元濃淡画像を作成するステップと、前記作成された2次元濃淡画像を被印刷物の表面に印刷するステップとを含むことを特徴とする音響に関わる2次元濃淡画像印刷物の製造方法としても提供される。
【0016】
本発明によれば、作成された2次元濃淡画像を被印刷物(紙や布地などのシート状の媒体や、標識など)の表面に印刷することで2次元濃淡画像印刷物が製造される。この2次元濃淡画像印刷物に印刷された2次元濃淡画像を光学的に読み取ることで、デジタル音響波形を比較的容易に再現可能である。被印刷物が標識である場合には、再現したデジタル音響波形の出力手段(スピーカ等の音響発生手段)を標識側に設ける必要がなく、読み取り手段側に設けることで、手間もコストも抑制可能である。
また、作成された2次元濃淡画像を被印刷物(特に、紙や布地などのシート状の媒体)の表面に印刷することで記録すれば、電磁的記録媒体に記録する場合に比べて、データの読み取りデバイスの進展の影響を受け難い他、長期保存にも適する。
【0017】
前記課題を解決するため、本発明は、上記の製造方法によって製造された2次元濃淡画像印刷物の表面に印刷された2次元濃淡画像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像された2次元濃淡画像に基づき、デジタル音響波形を再現する再現ステップとを含み、前記再現ステップにおいては、前記撮像ステップで撮像された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値を、前記マッピングした所定の順序で取得し、該取得した濃度値に対応する振幅値を演算し、該演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成することを特徴とする音響波形再現方法としても提供される。
【0018】
本発明によれば、2次元濃淡画像印刷物の表面に印刷された2次元濃淡画像を撮像し、撮像された2次元濃淡画像に基づきデジタル音響波形が再現される。具体的には、撮像された2次元濃淡を構成する各画素の濃度値を、前記マッピングした所定の順序で取得し、該取得した濃度値に対応する振幅値を演算し、該演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成する。つまり、2次元濃淡画像を作成する際の手順(デジタル音響波形を構成する各データ点の振幅値に応じた濃度値を2次元濃淡画像を構成する各画素にマッピングする所定の順序。以下、適宜「マッピング順序」という)を利用するだけで、比較的容易にデジタル音響波形を再現することができる。例えば、2次元濃淡画像を作成する際のマッピング順序を、2次元濃淡画像の種別に関わらず一律に決めておくのであれば、本発明の再現ステップでは、前記マッピング順序を予め記憶しておき、この記憶したマッピング順序を利用すればよい。また、2次元濃淡画像の種別等に応じてマッピング順序を変更するのであれば、例えばマッピング順序の情報を2次元濃淡画像内または2次元濃淡画像近傍に印刷しておき、2次元濃淡画像を撮像する際にこのマッピング順序の情報も撮像し解読して、これを本発明の再現ステップで利用することも可能である。
【0019】
前記課題を解決するため、本発明は、前述した2次元濃淡画像作成方法のうち画像処理ステップを含む2次元濃淡画像作成方法によって2次元濃淡画像を作成するステップと、前記作成された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値を、前記マッピングした所定の順序で取得し、該取得した濃度値に対応する振幅値を演算し、該演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成するステップとを含むことを特徴とする音響波形のノイズ除去方法としても提供される。
【0020】
前述のように、画像処理ステップを含む2次元濃淡画像作成方法によって作成された2次元濃淡画像は、ノイズが重畳されていない本来のデジタル音響波形に相当する濃度値を有する画素から構成されていることが期待できる。このため、この2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値を、マッピングした所定の順序で取得し、取得した濃度値に対応する振幅値を演算し、演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成することで、ノイズ(特に、ポップコーンノイズ)が除去された本来のデジタル音響波形を得ることが期待できる。
【0021】
また、前記課題を解決するため、本発明は、入力されたデジタル音響波形に基づき2次元濃淡画像を作成する2次元濃淡画像作成装置であって、前記入力されたデジタル音響波形を構成する各データ点の振幅値に応じた濃度値を、2次元濃淡画像を構成する各画素に所定の順序でマッピングすることで、該2次元濃淡画像を作成する2次元濃淡画像作成手段
と、前記2次元濃淡画像作成手段で作成された2次元濃淡画像に画像処理を施す画像処理手段とを備え、前記画像処理手段は、前記作成された2次元濃淡画像を構成する各画素のうち所定のしきい値以上の濃度値を有する画素を検出し、該検出した画素の濃度値から所定の濃度値を減算する画像処理を施すことを特徴とする音響に関わる2次元濃淡画像作成装置としても提供される。
【0023】
好ましくは、前記画像処理手段は、前記2次元濃淡画像作成手段で作成された2次元濃淡画像について、各濃度値に対する画素数を示す濃度ヒストグラムを作成するステップと、前記作成した濃度ヒストグラムが2つのピークを有する双峰状の分布である場合、前記2つのピークの間の谷部近傍に位置する濃度値を前記所定のしきい値として決定するステップとを実行する。
【0024】
また、前記課題を解決するため、前述した製造方法によって製造された2次元濃淡画像印刷物の表面に印刷された2次元濃淡画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された2次元濃淡画像に基づき、デジタル音響波形を作成する音響波形作成手段とを備え、前記音響波形作成手段は、前記撮像手段で撮像された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値を、前記マッピングした所定の順序で取得し、該取得した濃度値に対応する振幅値を演算し、該演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成することを特徴とする音響波形再現装置としても提供される。
【0025】
さらに、前記課題を解決するため、本発明は、前述し
た2次元濃淡画像作成装置と、前記作成された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値を、前記マッピングした所定の順序で取得し、該取得した濃度値に対応する振幅値を演算し、該演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成する音響波形作成手段とを備えることを特徴とする音響波形のノイズ除去装置としても提供される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、デジタル音響波形を2次元濃淡画像で表現するという新規の着想により、デジタル音響波形に関わる従来の種々の問題を解決することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<第1の実施形態>
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る音響波形のノイズ除去装置(以下、適宜、「ノイズ除去装置」と略称する)について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る音響波形のノイズ除去装置の概略構成を示す図である。
図1(a)はノイズ除去装置の概略構成を示すブロック図であり、
図1(b)はノイズ除去装置に入力されるデジタル音響波形の一例を模式的に示す図であり、
図1(c)はノイズ除去装置で作成される2次元濃淡画像の一例を模式的に示す図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態に係るノイズ除去装置100は、入力されたデジタル音響波形に基づき2次元濃淡画像を作成し、作成した2次元濃淡画像に画像処理を施す2次元濃淡画像作成装置101と、画像処理を施された2次元濃淡画像に基づきデジタル音響波形を作成する音響波形作成手段3とを備える。
【0030】
図1(b)に示すように、デジタル音響波形とは、アナログ音響波形をデジタル化(標本化、量子化)して得られた離散的な値を有するデータ点の集合を意味する。
図1(b)に示すDn(nは自然数)は、n番目にデジタル化して得られた振幅値を有するデータ点を意味する。
【0031】
図1(c)は、作成される2次元濃淡画像がマトリクス状に配置された画素から構成される場合を例示している。2次元濃淡画像は、データ点の振幅値に応じた濃度値を有する画素から構成される濃淡画像である。なお、
図1(c)では、2次元濃淡画像が6行11列の矩形状に構成されているが、本発明はこれに限られるものではなく、種々の行列とすることができる。
以下、ノイズ除去装置100が備える2次元濃淡画像作成装置101、及び、音響波形作成手段3について、順次詳細に説明する。
【0032】
<2次元濃淡画像作成装置101>
図1(a)に示すように、本実施形態の2次元濃淡画像作成装置101は、入力されたデジタル音響波形に基づき2次元濃淡画像を作成する2次元濃淡画像作成手段1を備える。
【0033】
2次元濃淡画像作成手段1は、入力されたデジタル音響波形を構成する各データ点の振幅値に応じた濃度値を、2次元濃淡画像を構成する各画素に所定の順序でマッピングすることで、該2次元濃淡画像を作成する。ここで、各データ点の振幅値に応じた濃度値とは、各データ点と一定の相関関係で対応付けられた濃度値を意味する。具体的には、例えば、各データ点の振幅値と濃度値とを1対1対応で対応付ければ良い(第1の対応付け)。また、隣接するデータ点の振幅値を補間(例えば、内挿補間)して得られた振幅値と各データ点の振幅値とを濃度値に対応付けても良い(これは、実質的にデジタル音響波形のサンプリングレートを上げることに相当する)(第2の対応付け)。さらに、全てのデータ点のうちいくつかのデータ点を間引き(例えば、隣接するデータ点の一方を間引き)、間引いた後に残ったデータ点の振幅値を濃度値に対応付けることも可能である(これは、実質的にデジタル音響波形のサンプリングレートを下げることに相当する)(第3の対応付け)。
【0034】
所定の順序でマッピングするとは、各データ点の振幅値に応じた濃度値を各画素が有する濃度値として所定の順序で割り当てることを意味する。所定の順序は、予め決めておけば何ら限定されるものではないが、例えば、2次元濃淡画像がm行n列の画素から構成される場合、1行1列目、1行2列目、・・・、1行n列目の画素の順に、各データ点の振幅値に応じた濃度値を各濃度値の並びに応じて各画素に割り当てていき、1行n列目の画素に割り当てた後は、2行1列目の画素から順に2行n列目の画素まで割り当て、以下同様の手順を繰り返して、m行n列目の画素まで割り当てることが考えられる(
図2(a)参照)。また、1行1列目の画素から順に1行n列目の画素まで割り当てた後は、2行n列目の画素から順に2行1列目の画素まで割り当て、さらに3行1列目の画素から順に3行n列目の画素まで割り当て、以下同様の手順を繰り返して(千鳥状の割り当て)、m行n列目の画素まで割り当てても良い(
図2(b)参照)。
【0035】
2次元濃淡画像作成手段1が2次元濃淡画像を作成する際のマッピング順序(所定の順序)の情報は、音響波形作成手段3に送信され、後述のように音響波形手段3がデジタル音響波形を作成する際に用いられる。
【0036】
図2は、ノイズ除去装置100が備える2次元濃淡画像作成装置1によって、デジタル音響波形を構成する各データ点の振幅値に応じた濃度値を2次元濃淡画像を構成する各画素にマッピングする方法を説明する説明図である。
図2に示すように、2次元濃淡画像作成装置1は、
図1(b)に示すデジタル音響波形における、データ点Dnの振幅値(n番目にデジタル化して得られた振幅値)に応じた濃度値d(n)を、マッピング順序n番目(n番目にマッピングされた)の画素P
nにマッピングする。
図2(c)は、前述した第1の対応付けの場合におけるマッピング方法の例を示し、
図2(d)は、前述した第2の対応付けの場合におけるマッピング方法の例を示し、
図2(e)は、前述した第3の対応付けの場合におけるマッピング方法の例を示す。
図2(c)に示すように、第1の対応付けの場合、マッピング順序n番目の画素P
nにマッピングする濃度値d(n)は、例えば、下記式(1)のように表現される。
d(n)=a・f(n) ・・・ (1)
ここで、f(n)は、データ点Dnの振幅値に所定の対応関係(2次元濃淡画像作成装置1に関数形式やテーブル形式で記憶された振幅値と濃度値との対応関係)で対応付けられた濃度値を、aは、ゲイン係数を意味する。このゲイン係数aを適切に調整することで、各画素にマッピングする振幅値を各画素の階調の範囲内(例えば、0〜255の値)に適切に表現することが可能である。
次に、
図2(d)に示すように、第2の対応付けの場合、マッピング順序2n−1番目の画素P
2n−1にマッピングする濃度値d(2n−1)は、例えば、下記式(2)のように表現される。マッピング順序2n番目の画素P
2nにマッピングする濃度値d(2n)は、例えば、下記式(3)のように表現される。
d(2n−1)=a・f(n) ・・・ (2)
d(2n)=X
n=a・(f(n)+f(n+1))/2 ・・・ (3)
さらに、
図2(e)に示すように、第3の対応付けの場合、マッピング順序n番目の画素P
nにマッピングする濃度値d(n)は、例えば、下記式(4)のように表現される。
d(n)=a・f(2n−1) ・・・ (4)
【0037】
本実施形態に係る2次元濃淡画像作成装置101は、画像処理手段2を更に備える。画像処理手段2は、2次元濃淡画像作成手段1で作成された2次元濃淡画像に画像処理を施す。具体的には、画像処理手段2は、2次元濃淡画像作成手段で作成された2次元濃淡画像を構成する各画素のうち所定のしきい値以上の濃度値を有する画素を検出し、該検出した画素の濃度値から所定の濃度値を減算する画像処理を施す。
【0038】
図3は、ノイズ除去装置100が備える画像処理手段2によって作成される濃度ヒストグラムの一例を模式的に示す図である。より具体的には、
図3に示すように、画像処理手段2は、2次元濃淡画像作成手段1で作成された2次元濃淡画像について、各濃度値に対する画素数を示す濃度ヒストグラムを作成するステップと、作成した濃度ヒストグラムが2つのピークを有する双峰状の分布である場合、2つのピークの間の谷部近傍に位置する濃度値を所定のしきい値として決定するステップとを実行する。
【0039】
画像処理を施した2次元濃淡画像について再び濃度ヒストグラムを作成したときに、作成した濃度ヒストグラムが、
図3と同様に、2つのピークを有する双峰状の分布であれば、該2次元濃淡画像には除去しきれていないノイズ(特に、ポップコーンノイズ)がまだ残っていると考えられる。そこで、本実施形態の画像処理手段2は、画像処理を施した2次元濃淡画像について濃度ヒストグラムを再び作成し、再び作成した濃度ヒストグラムが2つのピークを有する双峰状の分布である場合、2つのピークの間の谷部近傍に位置する濃度値を新たなしきい値として決定するステップを実行し、画像処理を施された2次元濃淡画像を構成する各画素のうち前記新たなしきい値以上の濃度値を有する画素を検出し、該検出した画素の濃度値から所定の濃度値を減算する画像処理を再び施す。この画像処理は、例えば、作成した濃度ヒストグラムが2つのピークを有する双峰状の分布とならないようになるまで繰り返される。
【0040】
また、所定のしきい値以上の濃度値を有する画素を検出し、該検出した画素の濃度値から所定の濃度値を減算する画像処理を施した後に、画像処理を施した2次元濃淡画像を構成する各画素のうち前記と同じ所定のしきい値以上の濃度値を有する画素を検出した場合には、該検出した画素の濃度値から所定の濃度値を減算する画像処理を再び施してもよい。この画像処理は、例えば、全ての画素の濃度値が所定のしきい値未満となるまで繰り返される。
【0041】
さらに、前述したように、しきい値を変更して画像処理を繰り返す場合、及び、しきい値を固定して画像処理を繰り返す場合のいずれであっても、画像処理を施した2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値が、デジタル音響波形のポップコーンノイズではない箇所(本来のデジタル音響波形と考えられる箇所)のデータ点の振幅値に応じた濃度値のピークトゥーピーク値の間に収まるまで画像処理を施してもよい。
【0042】
以上のような処理を繰り返すことにより、ノイズ発生部位に相当すると考えられる画素の濃度が徐々に減算されることになり、ノイズによるオフセットの影響が低減され、ノイズが重畳されていない本来のデジタル音響波形に相当する濃度値が得られることが期待できる。
【0043】
<音響波形作成手段3>
本実施形態の音響波形作成手段3は、作成された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値を、マッピングした所定の順序で取得し、該取得した濃度値に対応する振幅値を演算し、該演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成する。以下、具体的に説明する。
【0044】
音響波形作成手段3は、作成された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値を、マッピングした所定の順序で取得する。具体的には、本実施形態の音響波形作成手段3は、前述のように、2次元濃淡画像作成手段1が2次元濃淡画像を作成する際のマッピング順序を受信し、受信したマッピング順序で画素の濃度値を取得する。
【0045】
次に、音響波形作成手段3は、取得した濃度値に対応する振幅値を演算する。具体的には、本実施形態の音響波形作成手段3は、取得した濃度値と振幅値との対応関係(関数形式やテーブル形式)を記憶している。そして、音響波形作成手段3は、取得した濃度値と、記憶している対応関係とに基づき、対応する振幅値を演算する。
音響波形作成手段3は、演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成する。具体的には、音響波形作成手段3は、記憶しているマッピング順序で取得された画素の濃度値に対応する振幅値を有するデータ点が、該マッピング順序で取得された順序に連続して得られるデジタル音響波形を作成する。
【0046】
本実施形態の音響波形のノイズ除去装置100は、音響発生手段(図示せず)を更に備える。音響発生手段は、音響波形作成手段3で作成されたデジタル音響波形を音響に変換し、変換した音響を発生する。音響発生手段としては、例えば、スピーカーを挙げることができる。
【0047】
図4は、本実施形態に係るノイズ除去装置100によってデジタル音響波形からノイズを除去して得られるデジタル音響波形の一例を示す。
図4(a)はノイズ除去装置100に入力されるポップコーンノイズが重畳されているデジタル音響波形を示し、
図4(b)はノイズ除去装置100によってデジタル音響波形からノイズを除去して得られるデジタル音響波形を示す。
図4(b)に示すように、デジタル音響波形からポップコーンノイズが除去され、本来のデジタル音響波形が得られることが期待できることがわかる。
【0048】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る音響波形再現システム100Aの概略構成を示す図である。本実施形態に係る音響波形再現システム100Aは、本発明に係る2次元濃淡画像印刷物の製造方法を実施するための2次元濃淡画像印刷物製造装置102と、本発明に係る音響波形再現装置103とを備えている。なお、本発明の第1の実施形態と同様の部分についての説明は省略し、主として第1の実施形態と異なる部分について説明する。
【0049】
図5に示すように、本実施形態の2次元濃淡画像印刷物製造装置102が備える2次元濃淡画像作成装置101Aは、入力されたデジタル音響波形に基づき2次元濃淡画像を作成する。2次元濃淡画像印刷物の製造装置102が備える印刷手段7は、2次元濃淡画像作成装置101Aで作成された2次元濃淡画像を被印刷物の表面に印刷して2次元濃淡画像印刷物を製造する。音響波形再現装置103は、2次元濃淡画像印刷物製造装置102で製造された2次元濃淡画像を撮像した結果に基づきデジタル音響波形を作成(再現)する。
【0050】
本実施形態の2次元濃淡画像印刷物製造装置102は、2次元濃淡画像作成装置101Aが具備する2次元濃淡画像作成手段1Aで作成された2次元濃淡画像をそのまま印刷している。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、第1の実施形態と同様に、2次元濃淡画像作成装置101Aが画像処理手段2を備え、2次元濃淡画像作成手段1Aが作成した2次元濃淡画像に画像処理手段2で画像処理を施し、画像処理を施された2次元濃淡画像を印刷手段7が印刷するものであってもよい。
【0051】
以下、2次元濃淡画像作成装置101A、印刷手段7、及び、音響波形再現装置103について、順次詳細に説明する。
【0052】
<2次元濃淡画像作成装置101A>
本実施形態の2次元濃淡画像作成装置101Aは、入力されたデジタル音響波形に基づき2次元濃淡画像を作成する2次元濃淡画像作成手段1Aを備える。本実施形態の2次元濃淡画像作成手段1Aは、2次元濃淡画像を撮像した結果に基づいて、後述する校正を行うために、予め定められた所定の濃度値を予め定められた所定位置の画素に割り当てた2次元濃淡画像を作成する。或いは、近傍に所定の濃度値を配置した2次元濃淡画像を作成する。校正用の所定の濃度値については、特に限定されるものではなく、例えば、画素の濃度値が8ビットの階調で表される場合には、所定の濃度値として、0(黒の画素)、128(灰色の画素)、255(白の画素)等を用いることができる。また、校正を行うための画素の数については、特に限定されるものではなく、1つであってもよく、2つ以上であってもよく、例えば、0の濃度値を有する画素と255の濃度値を有する画素とを用いることもできる。
【0053】
本実施形態の2次元濃淡画像作成装置101Aが具備する2次元濃淡画像作成手段1Aは、予め定められたマッピング順序により2次元濃淡画像を作成するが、本発明はこれに限られるものではなく、2次元濃淡画像の種別等に応じてマッピング順序を変更するのであれば、2次元濃淡画像を作成するときに用いたマッピング順序の情報をコード化した濃度値を所定位置の画素に割り当てた2次元濃淡画像を作成するものであってもよいし、又は、2次元濃淡画像を作成するときに用いたマッピング順序の情報を近傍に配置した2次元濃淡画像を作成するものであってもよい。
【0054】
<印刷手段7>
本実施形態の印刷手段7は、作成された2次元濃淡画像を被印刷物の表面に印刷する。
印刷手段7としては、例えば、一般的な紙面用のプリンターや看板用の大判プリンター等を例示することができる。
【0055】
被印刷物としては、印刷可能な表面を有するものであれば特に限定されるものではなく、紙や布地などのシート状の媒体(ポスター、新聞、議事録など)や、標識などを例示できる。作成された2次元濃淡画像を被印刷物の表面に印刷することで記録した2次元濃淡画像印刷物は、電磁的記録媒体に記録する場合に比べて、データの読み取りデバイスの進展の影響を受け難い他、長期保存にも適する。
【0056】
<音響波形再現装置103>
図5に示すように、音響波形再現装置103は、2次元濃淡画像印刷物製造装置102によって製造された2次元濃淡画像印刷物の表面に印刷された2次元濃淡画像を撮像する撮像手段4と、撮像手段4で撮像された2次元濃淡画像に基づき、デジタル音響波形を作成する音響波形作成手段3Aとを備える。
【0057】
撮像手段4としては、例えば、CCDカメラを挙げることができる。
【0058】
音響波形作成手段3Aは、撮像手段4で撮像された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値を、マッピングした所定の順序で取得し、該取得した濃度値に対応する振幅値を演算し、該演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成(再現)する。以下、具体的に説明する。
【0059】
音響波形作成手段3Aは、撮像手段4で撮像された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値を、マッピングした所定の順序で取得する。具体的には、音響波形作成手段3Aは、2次元濃淡画像作成手段1Aが用いる予め定められたマッピング順序を記憶しており、記憶しているマッピング順序で画素の濃度値を取得する。本実施形態では、音響波形作成手段3Aは、マッピング順序を記憶しているが、本発明はこれに限られるものではなく、2次元濃淡画像の所定位置又は近傍に配置された画素の濃度値をデコードしてマッピング順序の情報を取得してもよい。
【0060】
ここで、撮像手段4が、印刷手段で被印刷物に印刷された2次元濃淡画像を撮像したとしても、撮像する条件(周囲の明るさや、被印刷物の劣化や汚れによる変色、撮像手段4自体の設定条件等)によって、撮像手段4で撮像された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値は、通常、印刷手段で被印刷物に印刷された2次元濃淡画像を構成する各画素の濃度値と異なると考えられる。そこで本実施形態では、音響波形作成手段3Aは、取得した各画素の濃度値の校正を行う。
【0061】
具体的には、音響波形作成手段3Aは、校正を行うための画素の予め定められた所定位置及び該画素が有する予め定められた所定の濃度値を記憶している。音響波形作成手段3Aは、2次元濃淡画像作成手段1Aが作成した2次元濃淡画像の所定位置の画素の濃度値を取得し、取得した濃度値と記憶している所定の濃度値とに基づいて、取得した各画素の濃度値の校正を行う。例えば、校正を行うために、濃度値が0の画素と255の画素とを用いた場合には、音響波形作成手段3Aは、取得した2次元濃淡画像の所定位置の画素の濃度値が、0と255とになるように(記憶している所定の濃度値となるように)、取得した各画素の濃度値を補正すればよい。
【0062】
音響波形作成手段3Aが、取得した各画素の濃度値の校正を行った後は、前述と同様に、校正した濃度値に対応する振幅値を演算し、演算した振幅値を各データ点が有するデジタル音響波形を作成する。
【0063】
本実施形態の音響波形再現装置103は、音響発生手段5を更に備える。音響発生手段は、音響波形作成手段3Aで作成されたデジタル音響波形を音響に変換し、変換した音響を発生する。音響発生手段としては、例えば、スピーカーを挙げることができる。
【0064】
本実施形態の音響波形再現装置103の第1の具体例である音響波形再現装置103Aについて説明する。
図5と同様に、音響波形再現装置103Aは、撮像手段4と、音響波形作成手段3Aとを備える。本具体例では、撮像手段4が自動車を運転する運転者に装着されており、音響波形作成手段3Aは運転者が運転する自動車に搭載されている。
【0065】
撮像手段4は、撮像した2次元濃淡画像に基づく信号を無線等で音響波形作成手段3Aに送信する。撮像手段4としては、例えば、運転者の頭側部に装着可能なカメラを例示できる。撮像手段4が運転者の頭側部に装着されることにより、運転者の頭部の動きに追随して撮像手段4の視野も変わることになるため、例えば標識に印刷された2次元濃淡画像を撮像できることが期待できる。また、撮像手段4として、例えば、赤外線を照射し、その反射光を受光する赤外線カメラを用いることにより、夜間でも標識に印刷された2次元濃淡画像を撮像できることが期待できる。本具体例では、撮像手段4は運転者に装着されるものであるが、本発明ではこれに限られるものではなく、例えば、自動車が具備するカメラであってもよい。特に、自動運転を行う自動車が具備するカメラに適用すれば、自動運転を行う自動車が具備するカメラは視野が広いと考えられるため、標識に印刷された2次元濃淡画像を撮像できることが、より一層、期待できる。
【0066】
音響波形作成手段3Aは、撮像手段4から送信された信号を受信し、受信した信号に基づいてデジタル音響波形を作成(再現)する。
【0067】
音響波形再現装置103Aは、音響発生手段5を更に備える。音響発生手段としては、例えば、自動車が具備するスピーカーを挙げることができる。本具体例によれば、再現したデジタル音響波形の音響発生手段を標識側に設ける必要がなく、音響波形再現装置103A(読み取り手段側)に設けることで、手間もコストも抑制可能である。
【0068】
図6は、本実施形態の音響波形再現装置103の第2の具体例である音響波形再現装置103Bを示す。
図6(a)は音響波形再現装置103Bを側面視した概略図を示し、
図6(b)は音響波形再現装置103BをA方向から見た概略図を示す。
図6に示すように、音響波形再現装置103Bは、前端側に設けられる撮像手段4Aと、内部に設けられる音響波形作成手段3Bとを備える懐中電灯である。また、音響波形再現装置103Bは、後端側に設けられる音響発生手段5Aと、前端側に設けられる照明手段6とを更に備える。
【0069】
なお、上記における前端側とは、懐中電灯を使用する際の前方(光が照射される側)を意味し、後端側とは、その反対側を意味する。
【0070】
図6(b)に示すように、本具体例では、照明手段6としてリング照明が用いられており、前方に光を照射することができる。そして、撮像手段4Aは、前方(照明手段6の光が照射される側)を撮像できるように設けられている。つまり、照明手段6が光を照射する向きに沿って撮像手段4Aが撮像を行うため、撮像手段4Aは、照明手段6によって明るさが確保された中を撮像することができる。
【0071】
前述したように、音響波形作成手段3Bは、撮像手段4Aで撮像された2次元濃淡画像に基づき、デジタル音響波形を作成する。音響波形作成手段3Bとして、種々の画像処理回路を例示できる。
【0072】
音響発生手段5Aは、音響波形作成手段3Bで作成されたデジタル音響波形を音響に変換し、変換した音響を発生する。音響発生手段としては、例えば、スピーカーを挙げることができる。
【0073】
図7は、本実施形態の音響波形再現装置103の第3の具体例である音響波形再現装置103Cを示す。
図7(a)は音響波形再現装置103Cの正面図を示し、
図7(b)は音響波形再現装置103Cの背面図を示す。
図7に示すように、音響波形再現装置103Cは、撮像手段4Bと、音響波形作成手段3Cとを備えるスマートフォンである。また、音響波形再現装置103Cは、音響発生手段5Bを更に備える。
【0074】
図7に示すように、本具体例では、撮像手段4Bはスマートフォンが備えるカメラであり、音響発生手段5Bはスマートフォンが備えるスピーカーである。音響波形作成手段3Cは、撮像手段4Bで撮像された2次元濃淡画像に基づき、デジタル音響波形を作成する。本具体例では、音響波形作成手段3Cは、スマートフォンに搭載されるプログラムである。音響発生手段5Bは、音響波形作成手段3Cで作成されたデジタル音響波形を音響に変換し、変換した音響を発生する。
図7(a)に示すように、撮像手段4Bで非常口の標識の近傍に印刷された2次元濃淡画像を撮像した場合に、例えば、「ひじょうぐちです」という音声を発生させることが可能である。
【0075】
本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、音響波形再現装置103の第2の具体例として懐中電灯である場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ヘルメットに装着されるヘッドライトであってもよい。