特許第6230056号(P6230056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 宮本 忠の特許一覧 ▶ 泉 和代の特許一覧

<>
  • 特許6230056-発電システム 図000002
  • 特許6230056-発電システム 図000003
  • 特許6230056-発電システム 図000004
  • 特許6230056-発電システム 図000005
  • 特許6230056-発電システム 図000006
  • 特許6230056-発電システム 図000007
  • 特許6230056-発電システム 図000008
  • 特許6230056-発電システム 図000009
  • 特許6230056-発電システム 図000010
  • 特許6230056-発電システム 図000011
  • 特許6230056-発電システム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6230056
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/18 20060101AFI20171106BHJP
   F03B 17/06 20060101ALI20171106BHJP
   F03G 3/00 20060101ALI20171106BHJP
   F16H 21/24 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   H02K7/18 Z
   F03B17/06
   F03G3/00 A
   F16H21/24
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-239813(P2013-239813)
(22)【出願日】2013年11月20日
(65)【公開番号】特開2015-100231(P2015-100231A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2016年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】597133293
【氏名又は名称】宮本 忠
(73)【特許権者】
【識別番号】599025031
【氏名又は名称】泉 和代
(74)【代理人】
【識別番号】100104330
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 誠二
(72)【発明者】
【氏名】宮本 忠
【審査官】 安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/099137(WO,A1)
【文献】 特開2004−353693(JP,A)
【文献】 特開2008−061463(JP,A)
【文献】 特開2008−304032(JP,A)
【文献】 実開平05−048543(JP,U)
【文献】 特開2004−245070(JP,A)
【文献】 特許第5531098(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/18
F03B 17/06
F03G 3/00
F16H 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを中心として回転し、円筒形の形状を有する大径のドラム構造体と、
前記ドラム構造体の外周面の円周方向に等距離隔てて配置された複数の鉄球受け部材と、
第1位置において前記鉄球受け部材の1つから落下した鉄球を受け入れ、前記鉄球を受け入れる上端から下端に向かって下降するように傾斜して配置された第1鉄球移動路と、
第2位置において前記鉄球を前記鉄球受け部材の別の1つの上に落下させ、上端から前記鉄球を落下させる下端に向かって下降するように傾斜して配置された第2鉄球移動路と、
前記鉄球を前記第1鉄球移動路の前記下端から前記第2鉄球移動路の前記上端に移動させるてこ部材とを備え、前記てこ部材が、細長い本体と、前記本体の一端に設けられた鉄球受入れ部と、前記本体の他端に設けられたクランク軸と、前記本体の中間点に設けられた支点と、前記支点と前記鉄球受入れ部との間に配置され、無負荷状態において前記鉄球受入れ部が位置する端が前記クランク軸が位置する端よりも僅かに上方に位置するように配置されたばねとを有し、
前記てこ部材の前記クランク軸が連結された第1歯車と、
前記ドラム構造体の前記シャフトと回転軸を共有し、前記第1歯車と噛み合うように配置された第2歯車と、
前記ドラム構造体の前記外周面に掛け渡され、前記ドラム構造体の回転力を発電機に伝達するための伝動手段とをさらに備え、
前記第1位置において前記鉄球受け部材から前記第1鉄球移動路の前記上端に落下した鉄球が、前記第1鉄球移動路の前記下端から前記てこ部材の前記鉄球受入れ部に落下して前記鉄球受入れ部を下降させると同時に前記クランク軸を回転させ、前記クランク軸の回転を前記第1歯車、前記第2歯車および前記ドラム構造体に順次伝達させ、前記伝動手段を介して発電機の回転軸を回転させるとともに、前記鉄球が前記てこ部材の前記鉄球受入れ部から前記第2鉄球移動路の前記上端に落下し、前記第2鉄球移動路上を経由して、前記第2位置において前記下端から前記鉄球を前記鉄球受け部材の別の1つの上に落下させるように構成されていることを特徴とする発電システム。
【請求項2】
前記鉄球受け部材が、前記ドラム構造体の外周面に一端が取り付けられた一対の平行な側板と、前記側板の他端同士を連結する端板と、前記外周面の側の底部が開放するように前記端板の側のみに設けられた底板とを有し、前記底部の開放部分が、鉄玉が落下する孔となるように構成されており、前記鉄球受け部材が、その長さ方向軸線が前記ドラム構造体の前記シャフトを通る放射方向線に対して角度θをなすように先端が上向きに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載された発電システム。
【請求項3】
前記鉄球受け部材が、その長さ方向軸線が前記ドラム構造体の前記シャフトを通る放射方向線に沿って前記ドラム構造体の外方に延びるように、前記外周面にピン接合具によって回転可能に取り付けられた板状の本体と、本体の先端周囲に設けられた突起と、前記本体を前記放射方向線に沿って延びるように保持するためのばねと、前記第1位置において前記本体と直交するように前記本体の上方に配置された部材とを有し、前記第1位置に到達すると、前記本体に前記部材が当たり、ばね力に抗して前記本体が回転して鉄玉を落下させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載された発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、発電システムに関する。より詳細には、本発明は、水流又は鉄球の落下を利用した発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電システムとしては、火力、水力、原子力の他、風力、地熱、太陽光、バイオマス、気流、揚気流、蒸気ボイラー等を利用した種々の型式のものが知られており、これらは、一般的にも使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらの発電型式には、下記のような不具合が指摘されている。すなわち、火力発電では、二酸化炭素の発生による大気汚染、地球温暖化の要因、資源の消費、水力発電では、ダムの建設に費やされる膨大な経費、環境破壊、原子力発電では、安全面での重大な危惧、使用済み核燃料の取り扱い等があげられる。また、風力発電では、風力の定常的な確保の困難性、低周波の発生による周囲への影響、地熱発電では、膨大なコストを要する調査、温泉地での湯量への影響、太陽光発電では、日射の定常的な確保の困難性、バイオマス発電では、コストと比較して過少な発電量等があげられる。このように従来の発電型式には、克服すべき課題がある。
【0004】
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、水流又は鉄球の落下を利用した新規な発電システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の発電システムは、シャフトを中心として回転し、円筒形の形状を有する大径のドラム構造体と、前記ドラム構造体の外周面の円周方向に等距離隔てて配置された複数の鉄球受け部材と、第1位置において前記鉄球受け部材の1つから落下した鉄球を受け入れ、前記鉄球を受け入れる上端から下端に向かって下降するように傾斜して配置された第1鉄球移動路と、第2位置において前記鉄球を前記鉄球受け部材の別の1つ上に落下させ、上端から前記鉄球を落下させる下端に向かって下降するように傾斜して配置された第2鉄球移動路と、前記鉄球を前記第1鉄球移動路の前記下端から前記第2鉄球移動路の前記上端に移動させるてこ部材とを備え、前記てこ部材が、細長い本体と、前記本体の一端に設けられた鉄球受入れ部と、前記本体の他端に設けられたクランク軸と、前記本体の中間点に設けられた支点と、前記支点と前記鉄球受入れ部との間に配置され、無負荷状態において前記鉄球受入れ部が位置する端が前記クランク軸が位置する端よりも僅かに上方に位置するように配置されたばねとを有し、前記てこ部材の前記クランク軸が連結された第1歯車と、前記ドラム構造体の前記シャフトと回転軸を共有し、前記第1歯車と噛み合うように配置された第2歯車と、前記ドラム構造体の前記外周面に掛け渡され、前記ドラム構造体の回転力を発電機に伝達するための伝動手段とをさらに備え、前記第1位置において前記鉄球受け部材から前記第1鉄球移動路の前記上端に落下した鉄球が、前記第1鉄球移動路の前記下端から前記てこ部材の前記鉄球受入れ部に落下して前記鉄球受入れ部を下降させると同時に前記クランク軸を回転させ、前記クランク軸の回転を前記第1歯車、前記第2歯車および前記ドラム構造体に順次伝達させ、前記伝動手段を介して発電機の回転軸を回転させるとともに、前記鉄球が前記てこ部材の前記鉄球受入れ部から前記第2鉄球移動路の前記上端に落下し、前記第2鉄球移動路上を経由して、前記第2位置において前記下端から前記鉄球を前記鉄球受け部材の別の1つの上に落下させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本願請求項2に記載の発電システムは、前記請求項1のシステムにおいて、前記鉄球受け部材が、前記ドラム構造体の外周面に一端が取り付けられた一対の平行な側板と、前記側板の他端同士を連結する端板と、前記外周面の側の底部が開放するように前記端板の側のみに設けられた底板とを有し、前記底部の開放部分が、鉄玉が落下する孔となるように構成されており、前記鉄球受け部材が、その長さ方向軸線が前記ドラム構造体の前記シャフトを通る放射方向線に対して角度θをなすように先端が上向きに取り付けられていることを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項3に記載の発電システムは、前記請求項1のシステムにおいて、前記鉄球受け部材が、その長さ方向軸線が前記ドラム構造体の前記シャフトを通る放射方向線に沿って前記ドラム構造体の外方に延びるように、前記外周面にピン接合具によって回転可能に取り付けられた板状の本体と、本体の先端周囲に設けられた突起と、前記本体を前記放射方向線に沿って延びるように保持するためのばねと、前記第1位置において前記本体と直交するように前記本体の上方に配置された部材とを有し、前記第1位置に到達すると、前記本体に前記部材が当たり、ばね力に抗して前記本体が回転して鉄玉を落下させるように構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の発電システムでは、基本的に水流又は鉄球の落下により生ずる力を利用するので、火力発電等で必要とされる燃料が不要であり、二酸化炭素等の排出もないので、燃料コストの低減と周囲環境への悪影響の防止という2つの課題の解決を実現することができる。また、本発明の発電システムでは、発電機の回転軸の直径と比較してドラム構造体の直径が非常に大きく、ドラム構造体が1回転した場合に発電機の回転軸が多数回転するので、効率的な発電が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係る発電システムを示した正面図である。
図2図1の発電システムの平面図である。
図3図3(a)は、図1の発電システムの水車構造体を示した斜視図、図3(b)は、図1の発電システムの水車構造体を示した分解斜視図である。
図4図1の発電システムの作動状態を説明するための一連の図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る発電システムを示した正面図である。
図6図5の発電システムの平面図である。
図7図5の発電システムの主要部分を示した拡大正面図である。
図8図5の発電システムの鉄球受け部材を示した拡大図である。
図9図5の発電システムの鉄球受け部材の変形形態を示した拡大図である。
図10図10(a)は、第1鉄球移動路を示した拡大斜視図、図10(b)は、第1鉄球移動路に鉄球が載っている状態を示した正面図、図10(c)は、第2鉄球移動路を示した拡大斜視図、図10(d)は、てこ部材を示した拡大斜視図である。
図11図5の発電システムの作動状態を説明するための一連の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る発電システムについて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る発電システムの全体を示した正面図、図2は、図1の発電システムの平面図、図3は、図1の発電システムの構成要素である水車構造体を示した図である。図1において全体として参照符号10で示される本発明の第1の実施形態に係る発電システムは、ほぼ円筒形の形状を有する大径のドラム構造体12を備えており、ドラム構造体12は、シャフト14を中心として回転するようになっている。
【0012】
発電システム10はまた、ドラム構造体12に隣接して配置された水車構造体20を備えている。水車構造体20は、図3(a)、(b)に最も良く示されるように、軸受部20a1によって回転可能に支持された回転軸20aと、回転軸20aに一定間隔を隔てて固定された一対の円板20bと、一方の円板20bの外周に放射方向外方に所定間隔を隔てて取り付けられた複数個(図3では4個)のアーム部材20cと、一対の円板20b間に所定間隔を隔てて取り付けられた多数のブレード20dとを有しており、ブレード20dの部分を水流中に置くことにより、円板20b(従って、アーム部材20c)が回転軸20aを中心として回転するようになっている。
【0013】
発電システム10はまた、ドラム構造体12と水車構造体20との間に配置された、てこ部材24を備えている。てこ部材24は、細長い本体24aと、本体24aの一端24bと、本体24aの他端に設けられたクランク軸24cとを有し、本体24aの適当な中間点(図1に示される例では、クランク軸24cが設けられた端から一端24bに向かって約3分の1の個所)に支点24dが設けられ、支点24dと一端24bとの間に配置されたばね24eによって、無負荷状態では、一端24bが位置する端がクランク軸24cが位置する端よりも僅かに上方に位置するようになっている。
【0014】
発電システム10はまた、てこ部材24のクランク軸24cが回転シャフト26aに連結された第1歯車26と、ドラム構造体12のシャフト14と回転軸を共有し、第1歯車26と噛み合うように配置された第2歯車28とを備えている。これにより、てこ部材24の運動がクランク軸24cを介して、第1歯車26、次いで第2歯車28に伝達されるようになっている。
【0015】
図1を参照して水車構造体20とてこ部材24の相互の位置関係について説明すると、水車構造体20の回転時にアーム部材20cの先端がてこ部材24の一端24bに当たるように、水車構造体20が配置されている。
【0016】
発電システム10はさらに、発電機30と、ドラム構造体12の外周面12aに掛け渡され、ドラム構造体12の回転力を発電機30の回転軸30aに伝達するための伝動手段32とを備えている。伝動手段32としては、例えば、伝動ベルトやチェーンが使用される。好ましくは、ドラム構造体12の外周面12aには、掛け渡される伝動ベルト等が外れにくいように、突起12a1(図2参照)又は溝(図示せず)を設けてもよい。ドラム構造体12は、一種のプーリとしての役目を果たす。なお、図1に示される例では、ドラム構造体12の回転力が変速器34を介して発電機30の回転軸30aに伝達されるようになっている。
【0017】
好ましくは、発電システム10は、発電機30によって発生した電気エネルギーが蓄積される蓄電池36を備えている。
【0018】
次に主として図4を参照して、発電システム10の作動について説明する。水車構造体20が水流を受けて、時計回りに回転する(図4(a)参照)。そして、水車構造体20のアーム部材20cがてこ部材24の一端24bに当たると(図4(b)参照)、てこ部材24は、ばね24eの力に抗して、支点24dを中心として一端24bが下降するように回転する。
【0019】
一方、てこ部材24の一端24bが下降すると、てこ部材24のクランク軸24cが位置する端が上昇し、これにより第1歯車26が反時計回りに回転することとなる(図4(c)参照)。そして、第1歯車26の回転が第2歯車28に伝達されてシャフト14が回転し、これに伴いドラム構造体12も回転することとなる。ドラム構造体12の回転に伴い、ドラム構造体12の外周面12aに掛け渡された伝動手段32が図1の矢印で図示されるように移動し、変速器34を介して、発電機30の回転軸30aに伝達され、発電が行われる。その際、回転軸30aの直径と比較してドラム構造体12の直径が非常に大きく、ドラム構造体12が1回転した場合に発電機30の回転軸30aが多数回転するので、効率的に発電することができる。水車構造体20がさらに時計回りに回転すると、アーム部材20cがてこ部材24の一端24bから離れ、てこ部材24は、ばね24eの力により、一端24bが上昇する(図4(d)参照)。
【0020】
なお、水車構造体20のアーム部材20cの間隔等を適当に調整することにより、クランク軸24cを間断なく連続的に上下動させる(したがって、ドラム構造体12を連続的に回転させる)ことができる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施形態に係る発電システムについて説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る発電システムの全体を示した正面図、図6は、図5の発電システムの平面図、図7は、図5の発電システムの主要部分を示した拡大正面図である。図5において全体として参照符号50で示される本発明の第2の実施形態に係る発電システムは、ほぼ円筒形の形状を有する大径のドラム構造体52を備えており、ドラム構造体52は、シャフト54を中心として回転するようになっている。
【0022】
発電システム50はまた、ドラム構造体52の外周面52aの円周方向に等距離隔てて配置された複数の鉄球受け部材56を備えている。鉄球受け部材56は、ドラム構造体52の外周面52aからほぼ放射状に延びるようにドラム構造体52の外周面52aに取り付けられた箱型状又は板状の部材である。
【0023】
図8は、鉄球受け部材56を示した拡大図である。鉄球受け部材56は、ドラム構造体52の外周面52aに一端が取り付けられた一対の平行な側板56aと、側板56aの他端同士を連結する端板56bと、外周面52aの側の底部が開放するように端板56bの側のみに設けられた底板56cとを有しており、底部の開放部分56dは、鉄球58が落下する孔となる。側板56a間の間隔は、鉄球58の直径Dよりも僅かに大きくなるように選定され(図8(b)参照)、底部の開放部分56dの寸法は、鉄球58が落下することができるように選定されている(図8(c)参照)。
【0024】
なお、好ましくは、鉄球受け部材56は、その長さ方向軸線A−Aがドラム構造体52のシャフト54を通る放射方向線R−Rに対して角度θをなすように先端が上向きに取り付けられている(図8(a)参照)。これにより、後述するように、鉄球58が所望の箇所(第1位置)でのみ落下するように調整することができる。なお、鉄球受け部材56が取り付けられるドラム構造体52の外周面52aに、鉄球58の落下が容易になるように、凹み52a1を設けるのが好ましい。
【0025】
図9は、変形形態に係る鉄球受け部材56′を示した拡大図である。鉄球受け部材56′は、その長さ方向軸線がドラム構造体52のシャフト54を通る放射方向線R−Rに沿ってドラム構造体52の外方に延びるように、ドラム構造体52の外周面52aにピン接合具56′bによって回転可能に取り付けられた板状の本体56′aと、本体56′aの先端周囲に設けられた突起56′cと、板状の本体56′aを放射方向線R−Rに沿って延びるように保持するためのばね56′dとを有している。そして、鉄球58を落下させようとする箇所(第1位置)に、本体56′aと直交する部材56′eを本体56′aの上方に配置する。
【0026】
このように構成することにより、鉄球受け部材56′が第1位置に到達すると、鉄球58が載っている本体56′aに部材56′eが当たり、ばね56′dの力に抗して、本体56′aがピン接合具56′bを中心として回転するため、鉄球58が落下することとなる(図9(b)参照)。これにより、鉄球58が所望の箇所(第1位置)でのみ落下するように調整することができる。
【0027】
発電システム50はまた、第1位置において鉄球受け部材56の1つ(図11において561 )から落下した鉄球58を受け入れる第1鉄球移動路60と、鉄球58を受け入れる第2位置において鉄球58を鉄球受け部材56の別の1つ(図11において565 )上に落下させる第2鉄球移動路62と、鉄球58を第1鉄球移動路60から第2鉄球移動路62に移動させるてこ部材64とを備えている。
【0028】
第1鉄球移動路60は、図10(a)に示されるように、鉄球58の直径Dよりも幅広の細長い底板60a(図10(b)参照)と、底板60aの両側に配置された一対の側板60bとを有し、鉄球58の出入りが可能なように上端60cと下端60dが開放している。第1鉄球移動路60は、上端60cから下端60dに向かって下降するように傾斜して配置されている。
【0029】
第2鉄球移動路62も、第1鉄球移動路60と同様に、図10(c)に示されるように、鉄球58の直径Dよりも幅広の細長い底板62aと、底板62aの両側に配置された一対の側板62bとを有し、上端62cには端板が設けられ、下端62dは開放している。第1鉄球移動路62は、上端62cから下端62dに向かって下降するように傾斜して配置されている。
【0030】
てこ部材64は、細長い本体64aと、本体64aの一端に設けられた、上方が開放した箱型の鉄球受入れ部64bと、本体64aの他端に設けられたクランク軸64cとを有し、本体64aの適当な中間点(図7に示される例では、クランク軸64cが設けられた端から鉄球受入れ部64bが設けられた端に向かって約3分の1の個所)に支点64dが設けられ、支点64dと鉄球受入れ部64bとの間に配置されたばね64eによって、無負荷状態では、鉄球受入れ部64bが位置する端がクランク軸64cが位置する端よりも僅かに上方に位置するようになっている。なお、鉄球受入れ部64bの本体64aと反対側の壁64b1は、鉄球58が所望箇所で第2鉄球移動路62の上端62c上に落下し易いように、高さを低くするのが好ましい(図10(d)参照)。
【0031】
図7を参照して第1鉄球移動路60、てこ部材64および第2鉄球移動路62の相互の位置関係について説明すると、第1鉄球移動路60の上端60cが鉄球受け部材56の1つ(561 )に近接して(すなわち、第1位置に)配置され、てこ部材64の鉄球受入れ部64bが第1鉄球移動路60の下端60dに近接して配置され、第2鉄球移動路62の下端62dが鉄球受け部材56の別の1つ(565 )に近接して(すなわち、第2位置に)配置されている。
【0032】
このような構成により、鉄球受け部材56の前記1つ(561 )から第1鉄球移動路60の上端60cに落下した鉄球は、第1鉄球移動路60上を下端60dに向かって移動し、次いで第1鉄球移動路60の下端60dからてこ部材64の鉄球受入れ部64bに落下する。すると、てこ部材64は、鉄球58の重量により、ばね64eの力に抗して、支点64dを中心として鉄球受入れ部64bが下降するように回転する(図7の点線参照)。そして、鉄球58がてこ部材64の鉄球受入れ部64bから第2鉄球移動路62の上端62cに落下し、第2鉄球移動路62上を下端62dに向かって移動し、下端62dから鉄球受け部材56の前記別の1つ(565 )上に落下することとなる。このようにして、鉄球58の移動により、てこ部材64のクランク軸64cが位置する端が上下動することとなる。
【0033】
発電システム50はまた、てこ部材64のクランク軸64cが回転シャフト66aに連結された第1歯車66と、ドラム構造体52のシャフト54と回転軸を共有し、第1歯車66と噛み合うように配置された第2歯車68とを備えている。これにより、てこ部材64の運動がクランク軸64cを介して、第1歯車66、次いで第2歯車68に伝達されるようになっている。
【0034】
発電システム50はさらに、発電機70と、ドラム構造体52の外周面52aに掛け渡され、ドラム構造体52の回転力を発電機70の回転軸70aに伝達するための伝動手段72とを備えている。伝動手段72としては、例えば、伝動ベルトやチェーンが使用される。好ましくは、ドラム構造体52の外周面52aには、掛け渡される伝動ベルト等が外れにくいように、突起52a1(図6参照)又は溝(図示せず)を設けてもよい。ドラム構造体52は、一種のプーリとしての役目を果たす。なお、図5に示される例では、ドラム構造体52の回転力が変速器74を介して発電機70の回転軸70aに伝達されるようになっている。
【0035】
好ましくは、発電システム50は、発電機70によって発生した電気エネルギーが蓄積される蓄電池76を備えている。
【0036】
次に主として図11を参照して、発電システム50の作動について説明する。鉄球受け部材561 に鉄球58が載っている状態が作動の出発点となる(図11(a)参照)。第1位置において鉄球58が鉄球受け部材561 から第1鉄球移動路60の上端60cに落下すると(図11(b)参照)、鉄球58は、第1鉄球移動路60上を下端60dに向かって移動し、下端60dからてこ部材64の鉄球受入れ部64bに落下する(図11(c)参照)。すると、てこ部材64は、鉄球58の重量により、ばね64eの力に抗して、支点64dを中心として鉄球受入れ部64bが下降するように回転し、鉄球58は、てこ部材64の鉄球受入れ部64bから第2鉄球移動路62の上端62cに落下し(図11(d)参照)、第2鉄球移動路62上を下端62dに向かって移動し(図11(e)参照)、第2位置において下端62dから鉄球受け部材565 上に落下する。
【0037】
一方、てこ部材64が回転すると、てこ部材64のクランク軸64cが位置する端が移動し、これにより第1歯車66が反時計回りに回転することとなる(図11(d)参照)。そして、第1歯車66の回転が第2歯車68に伝達されてシャフト54が回転し、これに伴いドラム構造体52も回転することとなる。ドラム構造体52の回転に伴い、ドラム構造体52の外周面52aに掛け渡された伝動手段72が図5の矢印で図示されるように移動し、変速器74を介して、発電機70の回転軸70aに伝達され、発電が行われる。その際、回転軸70aの直径と比較してドラム構造体52の直径が非常に大きく、ドラム構造体52が1回転した場合に発電機70の回転軸70aが多数回転するので、効率的に発電することができる。
【0038】
なお、鉄球受け部材56同士の間隔等を適当に調整することにより、クランク軸64cを間断なく連続的に上下動させる(したがって、ドラム構造体52を連続的に回転させる)ことができる。図11では、鉄球58を落下させる鉄球受け部材561 と、鉄球58を受け入れる鉄球受け部材565 との間に、3つの鉄球受け部材562 、563 、564 があるように図示されているが、これは一例にすぎない。
【0039】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0040】
例えば、添付図面に図示されたドラム構造体12、52、水車構造体20、鉄球受け部材56、第1および第2鉄球移動路60、62、てこ部材24、64等の寸法や形状は、単なる例示的なものにすぎず、本発明の発電システム10、50の作動原理に適合するものであれば、図示されたものとは異なる寸法や形状を採用してもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 発電システム(第1の実施形態)
12 ドラム構造体
12a 外周面
12a1 伝動手段脱落防止用突起
14 シャフト
20 水車構造体
20a 回転軸
20a1 軸受部
20b 円板
20c アーム部材
20d ブレード
24 てこ部材
24a 本体
24b 一端
24c クランク軸
24d 支点
24e ばね
26 第1歯車
26a 回転シャフト
28 第2歯車
30 発電機
30a 回転軸
32 伝動手段
34 変速器
36 蓄電池
50 発電システム(第2の実施形態)
52 ドラム構造体
52a 外周面
52a1 伝動手段脱落防止用突起
54 シャフト
56 鉄球受け部材
56a 側板
56b 端板
56c 底板
56d 鉄球落下用の孔
56′ 鉄球受け部材(変形形態)
56′a 本体
56′b ピン接合具
56′c 突起
56′d ばね
56′e 部材
58 鉄球
60 第1鉄球移動路
60a 底板
60b 側板
60c 上端
60d 下端
62 第2鉄球移動路
62a 底板
62b 側板
62c 上端
62d 下端
64 てこ部材
64a 本体
64b 鉄球受入れ部
64c クランク軸
64d 支点
64e ばね
66 第1歯車
66a 回転シャフト
68 第2歯車
70 発電機
70a 回転軸
72 伝動手段
74 変速器
76 蓄電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11