【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の携帯端末では、表示画面の周端部を低感度領域とすることで、携帯端末を把持する際の表示画面周端部への手指の接触により発生する誤動作を防止し、特許文献2に記載の端末装置では、画面上の誤操作回数の多いアイコン、文字キーを低感度に抑制することでユーザに注意を喚起させている。また、特許文献3に記載の情報端末では、選択されたアイコンと隣接する他のアイコンとの間隔を広げるようにその表示態様を変更して誤操作の防止を図っている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の技術を用いても、目的とするリンクボタン、メニューボタン等に隣接する他のボタンに誤って触れてしまうという誤入力操作を迅速、かつ的確に防止することができない。誤って隣接する他のボタンに触れてしまうと、意図しない処理が実行され、当該処理のキャンセルと、操作のやり直し等の不要な動作が発生する。従来、このような誤入力を回避するために、画面上でピンチアウトによる拡大操作を行い、目的のボタンへの正確なタッチを行うなどの煩雑な操作が必要であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、タッチパネルを備えた画面上に表示されるボタンへの誤入力を防止することのできる情報処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、情報選択項目が表示される表示区分を有する表示パネル及び該表示パネル上に配置したタッチパネルを含む表示手段と、前記表示区分に対応する、接触による入力領域を前記タッチパネル上に設定するタッチパネル制御手段と、前記入力領域への接触による所定の物理量の変化量が所定の閾値を超えた場合に、検出信号を生成するタッチパネル検出手段と、前記タッチパネル検出手段から送信される前記検出信号を受信して前記情報選択項目に対応する選択情報を実行する選択情報実行手段と、を備え、前記タッチパネル制御手段は、所定の情報選択項目による第1の入力領域と、隣接する他の情報選択項目による第2の入力領域との間隔が所定距離以下にあるときに、第1の入力領域及び第2の入力領域の各入力領域内の境界周囲の所定範囲を中心部分の範囲よりも感度が低い低感度領域に設定
し、更に、前記タッチパネル制御手段は、前記第1の入力領域の面積が前記第2の入力領域の面積より大きい場合には、前記低感度領域に設定された前記第1の入力領域内の境界周囲の所定範囲のうち、前記第2の入力領域と対向する部分を拡張するように構成される。
【0008】
このような構成によれば、表示画面上に表示された情報選択項目のタッチパネル上の第1の入力領域について、隣接する他の情報選択項目の第2の入力領域との間隔が所定距離以下にあるときに、第1の入力領域及び第2の入力領域の各入力領域内の境界周囲の所定範囲を中心よりも低感度となる低感度領域に設定するので、目的とする情報選択項目の入力領域の中心から離れた位置、すなわち目的とする第1の入力領域と隣接する第2の入力領域との間の部分を押圧し、隣接する他の情報選択項目の第2の入力領域の端に触れても、低感度領域に設定されているので、検出され難く誤入力の防止につながる。また、入力領域内の境界周囲の所定範囲を低感度領域としているので、使用者は低感度でない入力領域の中心付近を押圧するようになり、より一層の誤入力の防止につながるものとなる。
【0009】
なお、目的の情報選択項目の第1の入力領域とその隣接する他の情報選択項目の第2の入力領域との間隔が所定距離以下でないとき、すなわち間隔が十分にあり、指等で目的の情報選択項目の第1の入力領域の端部を押圧したときにも隣接する他の情報選択項目の入力領域に触れるおそれがないときは、あえて低感度領域の設定をしなくてもよいものとする。
【0010】
本発明に係る情報処理装置としては、携帯電話機、スマートフォン等の携帯情報端末、ATM、券売機、音楽プレーヤ等のAV機器及びナビゲーション装置を含む車載機器等で表示画面にタッチパネルを設けた電気機器が相当する。また、表示画面上の情報選択項目は、操作指示ボタン、入力指示ボタン、リンクボタン等を含む、情報選択指示である。
【0012】
更に、情報選択項目同士が隣接する場合、入力領域の面積の大きい方の情報選択項目の第1の入力領域について、面積の小さい他の情報選択項目の第2の入力領域と対向する側にある第1の入力領域内の境界周囲の所定範囲を拡張、すなわち低感度領域を拡張することで、隣接する情報選択項目の入力領域の面積が大小関係にあるときは、第1及び第2の入力領域の間に触れた場合には小さい入力領域への接触を優先させるものとなる。これにより、面積の小さい入力領域へのタッチによる入力がし易く、かつ大きい入力領域への誤入力を防止することができる。
【0013】
また、本発明に係る情報処理装置は、情報選択項目が表示される表示区分を有する表示パネル及び該表示パネル上に配置したタッチパネルを含む表示手段と、前記表示区分に対応する、接触による入力領域を前記タッチパネル上に設定するタッチパネル制御手段と、前記入力領域への接触による所定の物理量の変化量が所定の閾値を超えた場合に、検出信号を生成するタッチパネル検出手段と、前記タッチパネル検出手段から送信される前記検出信号を受信して前記情報選択項目に対応する選択情報を実行する選択情報実行手段と、を備え、前記タッチパネル制御手段は、所定の情報選択項目による第1の入力領域と、隣接する他の情報選択項目による第2の入力領域との間隔が所定距離以下にあるときに、第1の入力領域及び第2の入力領域の各入力領域をその中心から離れた距離に応じて
連続的にタッチパネルの感度を低下
させて低感度領域にする
構成である。
【0014】
このような構成によれば、入力領域について中心から離れた距離に応じて低感度にするので、情報選択項目の入力領域の端部への誤った接触による誤入力を防止でき、さらに使用者はボタンの中心部を押圧する習慣を持つようになる。また、隣接する情報選択項目の入力領域が大小関係にあるときは、面積の大きい入力領域であるほど、その端部は低感度となり、面積の小さい入力領域へのタッチによる入力がし易く、かつ大きい入力領域への誤入力を防止することができる。さらに、隣接する情報選択項目の入力領域が同一サイズで大小関係にないときは、双方の入力領域の感度が同一となるため、操作性を損なうことがなく、操作することができる。
【0016】
更に、入力領域の中心から離れた距離に応じて連続的にタッチパネルの感度を低下させるので、面積の小さい入力領域は、面積の大きい入力領域と隣接した場合でも、入力領域の端部については、大きい面積の入力領域の端部の方がより低感度となるので、双方の端部に触れてしまった場合には、面積の小さい入力領域への入力が優先される。
【0017】
本発明に係る情報処理装置において、前記タッチパネル制御手段は、各入力領域を中心から離れた所定距離に応じてタッチパネルの感度を所定の段階毎に低下させて低感度領域にする構成とすることができる。
【0018】
このような構成とすることで、各入力領域を中心から離れた所定距離に応じてタッチパネルの感度を所定の段階毎に低下させる低感度領域にするので、連続的に感度を低下させる場合に比べて、容易かつ簡便に設定することができる。
【0019】
本発明に係る情報処理装置において、前記タッチパネル制御手段は、前記入力領域内において前記閾値を高く設定することで前記低感度領域を設定する構成とすることができる。
【0020】
このような構成によれば、例えば、タッチパネルが静電容量式であれば、静電容量の変化量を検出量として、その閾値を中心を低く、中心から離れた入力領域の境界付近の閾値を高くすることで、中心から離れた所定の範囲を低感度領域に設定することが可能である。なお、閾値を中心からの距離に応じて、連続的又は段階的に高くなるように設定することもできる。なお、静電容量式の他に、超音波式、感圧式、光検出式のタッチパネルの場合には、超音波の検出値、圧力の検出値、光量の検出した値の変化量にそれぞれ閾値を設定し、中心を低い閾値、中心から離れた所定の範囲を高い閾値に設定することで、中心から離れた所定の範囲を低感度領域に設定することができる。
【0021】
本発明に係る情報処理装置において、前記タッチパネル制御手段は、前記入力領域内において前記タッチパネル検出手段による前記検出信号の生成の条件となる前記閾値の検出時間の範囲を長く設定することで、前記低感度領域を設定する構成とすることができる。
【0022】
このような構成によれば、入力領域の中心から離れた所定の範囲については、検出信号の生成の条件となる閾値の検出時間を長く設定することで、中心よりも低感度となる低感度領域とすることができる。なお、検出に必要な時間を中心からの距離に応じて、連続的又は段階的に長くするように設定することもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る情報処理装置によれば、表示画面上に表示される情報選択項目に対応するタッチパネル上の入力領域内の境界周囲の所定範囲を、中心よりも低感度となる低感度領域に設定するので、目的とする情報選択項目の入力領域の中心から離れた位置、すなわち目的とする入力領域と隣接する入力領域との間の部分を押圧し、隣接する他の情報選択項目の入力領域の端に触れても、低感度領域に設定されているので検出され難く、誤入力の防止を図ることができる。
【0024】
また、入力領域をその中心からの距離に応じて低感度の領域にすることで、大小の入力領域が隣接した場合でも、入力領域の端部は大きい面積の入力領域の方が低感度となるので、大小の入力領域双方の端部に触れた場合には、面積の小さい入力領域への入力が優先して確保することができる。