(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0025】
本発明の実施形態に係る灯器として、船体に設置される船灯について説明する。
図22は、船体への船灯の配置例を示す。一般的に、船体1000は、船首灯1001、船尾灯1002、中央のマスト灯1003、また、右舷灯および左舷灯でなる舷灯1004を有する。これら各種の灯器による射光範囲は、船舶安全法に準拠したものとなっている。船舶の大きさ
の違いによって、船灯の設置数が異なり、例えば小さいサイズの船舶の場合、左右舷灯が一体となった1つの舷灯が用いられる場合もある。
【0026】
具体的には、船首灯1001および中央マスト灯の射光範囲が、船首の方向を中心として225°と規定され、船尾灯1002の射光範囲が、船尾の方向を中心として135°と規定されている。また、舷灯1004の射光範囲が、船首方向からそれぞれ左方向および右方向へ112.5°と規定されている。
【0027】
船灯には、常用灯のみの単式、常用灯および予備灯が一体となった二重式がある。遠洋区域を航行する船舶は、主に二重式の船灯が用いられる。二重式の灯器については、本明細書では第3の実施形態としてこれを説明する。
【0029】
1)灯器の全体構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る灯器として単式の船灯の正面側を示す斜視図である。
図2は、
図1に示す灯器100の背面側を示す斜視図である。
図3は、この灯器100の分解斜視図である。灯器100は、
図1中、z方向を上下方向(縦方向)として主に使用される。また、以降の説明では、z方向を上下方向とし、xおよびy方向を水平面内の直交する2軸方向とする。
【0030】
灯器100は、光源ユニット10(
図3参照)と、この光源ユニット10を収容する収容体50と、収容体50に取り付けられ、灯器100からの射光範囲を画定するルーバ90と、収容体50の上下にそれぞれ接続された端部部材60とを備える。
【0031】
収容体50は、例えば透光性を有するアウターカバー(カバー)20と、このアウターカバー20に装着されたベースカバー30とを有する。端部部材60は、例えばアウターカバー20の上部に装着されたリッド70と、ベースカバー30の下部に装着されたベース80と含む。ベース80は、主に灯器100を船体への取り付けるための部品である。なお、リッド70には取っ手71が設けられている。光源ユニット10、アウターカバー20、ベースカバー30、リッド70およびベース80の各部品は、概ね円筒形状を有して構成されている。
【0032】
図4は、灯器100の平面図である。
図5は、
図4におけるA−A線における一部模式的な断面図である。
図6は、光源ユニット10の分解斜視図である。
【0033】
アウターカバー20の端部(図において下端)は開口され、また、ベースカバー30の、その一端に対面する一端(図において上端)は開口されている。アウターカバー20には、外方へ突設された突設部21(例えば
図8参照)が設けられ、また、ベースカバー30にもその突設部21の形状に概ね対応する形状を有する突設部31が設けられている。これら突設部21および31には、複数、例えば6個のネジ穴21aおよび31aがそれぞれ形成されている。突設部21および31が当接してネジN1で締結されることにより、アウターカバー20およびベースカバー30が接続される。また、これらの突設部21および31の間には、
図3および5シールリング59が介在されている。
【0034】
なお、アウターカバー20の上部中央には開口22が形成され、その開口22を介して収容体50内の空気圧を調整する図示しない弁等が、この開口22上に設けられる。
【0035】
図3に示すように、ルーバ90は、円筒体の一部をなし遮光性を有する本体部93と、本体部93から広がるように設けられた羽根部95とを有する。ルーバ90は、リッド70とアウターカバー20との間に挟持されるようにして取り付けられる。ルーバ90の灯器本体への取付に関する事項は、後に詳述する。
【0036】
図4等に示すように、リッド70の上面には、灯器100の向きの基準となる基準マーク72が付されている。基準マーク72は、リッド70の成形時に一体で形成されることが好ましいが、そのような方法以外にも、リッド70の形成後に接着剤や超音波等の接着手段によってリッド70に接続されてもよい。灯器100の製造側の作業者、あるいはこの灯器100の利用者(以下、作業者という)は、後述するように、基準マーク72を基準として灯器100を組み立てたり、ルーバ90を取付部に取り付けたり、灯器100を船体に設置したりすることがでるので、その組み立てや設置等が容易になる。例えば本実施形態では、基準マーク72を船首方向に向けるようにして、灯器100が船体のそれぞれの箇所に設置され得る。
【0037】
2)光源ユニットの構成
図5および6に示すように、光源ユニット10は、光源としての固体発光素子であるLED(Light Emitting Diode)15と、LED15からの光を反射するリフレクタ12と、これらLED15およびリフレクタ12を一体的に支持する支持体としてのインナーカバー13とを備える。
【0038】
例えば複数のLED15が、光源基板11上に実装されており、リフレクタ12の配置を中心としてその周りの円周上に等角度間隔で配置されている。各LED15は、例えば6個設けられており、それぞれ緑色光を発生する。灯器が左舷灯であれば、LED15は赤色光を発生し、その他の船灯であれば白色光を発生する。黄色光を発生する灯器もある。
以降では、説明の便宜上、複数のLED15が配列形状である円の中心を通り、鉛直軸(z軸)に平行な軸を「光源中心軸」という。
【0039】
リフレクタ12は、光源基板11上に載置されて固定される平板状の固定部122と、固定部122の周囲に設けられた反射部124と、反射部124の周囲に設けられた取付フランジ126とを有する。
【0040】
インナーカバー13は、例えば一体成形により構成された部品であり、透光性を有する樹脂材料で構成され
(透光領域を有し)、概略円筒形状を有している。インナーカバー13の内部は、
図5に示すように、仕切板131によって光出射領域13Aおよび基板配置領域13Bの2つの領域に分割され、インナーカバー13の断面は、概略H形状を有する。図において上部側の領域である光出射領域13Aには、主に光源基板11およびリフレクタ12の反射部124が配置される。下部側の領域である基板配置領域13Bには、例えば2つの回路基板(後述する電源基板B1および制御基板B2)が配置されている。
【0041】
インナーカバー13の光出射領域13Aの上端および基板配置領域13Bの下端は、それぞれ開口することにより、上部開口132および下部開口133がそれぞれ形成されている。上部開口132の周囲には上部フランジ134が設けられ、その上部フランジ134におけるz軸周りの所定の角度位置には複数の突起134aが設けられている。
図6に示すように、これらの突起134aが取付フランジ126に設けられた穴126aに係合して、リフレクタ12の取付フランジ126の下面が、インナーカバー13の上部フランジ134の上面に載置される。
【0042】
リフレクタ12の反射部124(の表面である反射面)のマクロ的な形状は、二次曲面(例えば放物面や楕円面)とされる。すなわち、
図5で示す断面で見てその反射部124(反射面)の断面のマクロ的な形状は二次曲線を描く。
【0043】
各LED15が、このような反射部124が有する二次曲線の焦点上に配置されるように、リフレクタ12および光源基板11が相対的に位置決めされている。具体的には、仕切板131上に設けられた固定台131aに光源基板11が位置決め、固定された上で、リフレクタ12の固定部122の下面を形成する平面部がその光源基板11上に載置される。そして、複数箇所、例えば3箇所P1(
図6参照)のネジ止めにより、リフレクタ12および光源基板11が位置決めされる。
【0044】
リフレクタ12の固定部122および光源基板11の固定手段として、ネジとは異なる機械的な係合手段、あるいは接着剤であってもよい。
【0045】
このようにリフレクタ12と光源基板11との位置決めは、主に固定部122により行われ、上部フランジ134の突起134aと取付フランジ126の穴126aとの係合は、二次的あるいは補助的の位置決めとなる。
【0046】
以上のようなLED15およびリフレクタ12の配置により、水平方向へ出射させる光量を増やすことができる。
【0047】
一方、
図6に示すように、リフレクタ12の反射部124は、ミクロ的な視点では、同心円状に設けられた複数の凸面124aを有する。これらの凸面124aは、光源基板11側に向けてそれぞれ凸に形成された面である。これらの凸面124aの径方向の幅は、光源中心軸に向かうにしたがい、小さくなる。
【0048】
これにより、各凸面124aは、LED15からの光をそれぞれ拡散させるように反射することができるので、反射部124の全体で均一な光を出射することができる。すなわち、点光源であるLEDを用いた場合であっても、各凸面124aの集合である反射部124の全体で均一な光を出射することができる。
【0049】
図5に示すように、インナーカバー13の基板配置領域13Bには、上述したように電源基板B1および制御基板B2が配置されている。具体的には、これらの回路基板は、仕切板131から突起するように形成された支持部により支持され、ネジ止めにより固定される。
【0050】
電源基板B1は、LED15に電力を供給する。制御基板B2は、上記電源基板B1によるLED15の駆動を制御したり、LED15の動作を監視したりする。なお、電源基板B1と制御基板B2とがこのようにそれぞれ別個である必要はなく、1つの基板で構成されていてもよい。
【0051】
インナーカバー13を構成する側壁は、光出射領域13Aを形成する壁部136と、基板配置領域13Bを形成する壁部137とを有する。基板配置領域13Bを形成する壁部137は、基板配置領域13Bの内部を見えにくく(あるいは見えなく)するために、複数面取り加工のように形成された面を有していてもよいし、あるいは、壁部137が有色であってもよい。
【0052】
基板配置領域13Bを形成する壁部137の端部(
図5において下端)には、z方向で見て多角形、例えば概略6角形に形成された下部フランジ135が設けられている。下部フランジ135の6角に設けられた穴135aのうち少なくとも3箇所はネジ穴となっている。ベースカバー30の底部には、
図3に示すように、その3箇所のネジ穴に対応する位置に3個のネジ穴部39が設けられている。これにより、インナーカバー13がベースカバー30にネジ(
図5参照)N2で固定される。これにより光源ユニット10がベースカバー30を含む収容体50に取り付けられる。
【0053】
光源基板11、電源基板B1および制御基板B2は、ケーブル群16により接続されている。ベースカバー30の側周壁32の所定の箇所には、2つのハーネス58(
図3および5参照)をそれぞれ接続するための2つの取付穴38が設けられている。電源基板B1等の外部接続用のケーブル群17が、これらのハーネス58を介して灯器100の外部に引き出される。
【0054】
3)ルーバの取付
図7A〜Cは、それぞれ異なる射光角を持つルーバ90の平面図である。
【0055】
図7Aに示すルーバ90Aは、225°の射光角を持ち、船首灯1001および中央のマスト灯1003で共用である。
図7Bに示すルーバ90Bは、112.5°の射光角を持ち、左右の舷灯1004で共用である。
図7Cに示すルーバ90Cは、135°の射光角を持ち、船尾灯1002や引き船灯に用いられる。
【0056】
本技術思想の1つは、1つのルーバ90、または、
図7A〜Cに示した複数のルーバ90A〜Cを、光源ユニット10を中心として、その周囲の異なる複数の設置角のうち一の設置角で、灯器100の本体に設置できるようにしたものである。これを実現するため、収容体50には、ルーバ90の上記複数の設置角に応じた、ルーバ90の取付部が配置されている。具体的には、収容体50は、以下のように構成される。
【0057】
図8は、アウターカバー20を示す斜視図であり、
図9はその平面図である。収容体50の一部を構成するアウターカバー20は、主に光源ユニット10からの光を外部に出射させる側周部23(透光領域の一部または全部として機能)23を有する。また、アウターカバー20は、上記したように側周部23から外方へ突設された突設部21を有する。突設部21は、上記ルーバ90の複数の取付部を含む取付領域25を有する。
【0058】
例えば取付領域25は、周溝26と、取付部としての係止溝27とを含む。周溝26は、側周部23の外形に沿って360°全周にわたって設けられ、ルーバ90の本体部93が配置される溝である。係止溝27は、周溝26の周りの所定の角度位置でこの周溝26にそれぞれ接続されており、ルーバ90の羽根部95と係合する溝である。ルーバ90の羽根部95が複数の係止溝27のうち所定の2つの係止溝27に係合することにより、ルーバ90のz軸周りの動きがほぼ規制されて係止される。
【0059】
また、
図7A〜Cに示すように、本実施形態に係る各ルーバ90は、係止溝27に係合可能な係合部としての係合リブ94を有する。この場合、係止溝27は第1の係合部、係合リブ94は第2の係合部として機能する。例えば、係合リブ94は、本体部93から外方へ突出して設けられ、本体部93の周方向にほぼ直交する方向(上下方向)に長く形成されている。
【0060】
図7Aに示すように、ルーバ90Aの係合リブ94は本体部93の中央の角度位置に設けられている。
図7Bに示すように、ルーバ90Bの係合リブ94は、本体部93の中央の角度位置から一方の羽根部95側にずれて設けられている。例えば、この係合リブ94は、一方の羽根部95(係合リブ94に近い方の羽根部)の角度位置から60°〜70°離れた位置に設けられている。
図7Cに示すように、ルーバ90Cの係合リブ94は本体部93の中央の角度位置に設けられている。
【0061】
リッド70にも、アウターカバー20と同様に、周溝76(
図5参照)および係止溝77(
図1、2参照)を含むルーバ90の取付領域75を有する。具体的には、リッド70は、下端の外周縁部に取付領域75を有している。
図5におけるアウターカバー20およびリッド70のそれぞれ取付領域25では、その断面位置により周溝26、76のみが描かれ、係止溝27、77は描かれていない。
【0062】
リッド70の各係止溝77の配置は、アウターカバー20の各係止溝27とそれぞれ同一の角度配置となっている。これにより、アウターカバー20の取付領域25とリッド70の取付領域75とがルーバ90を挟むようにして、ルーバ90が灯器本体に取り付けられる。
【0063】
図10は、アウターカバー20(およびリッド70)の取付領域25の特に係止溝27の角度配置を説明するために、それを模式的に示した平面図である。この図では、リッド70の基準マーク72を、図中上に向けた状態での、係止溝27の角度配置を示している。上記したように、基準マーク72が向いた方向を船体の中心から見て船首方向としている。図中、船首方向を白抜きの矢印で示している。
【0064】
以降では、説明の便宜上、船首方向(y方向)の角度を0°とし、その0°を基準として、z軸上から見て、時計回りの方向を正、反時計回りの方向を負の角度とする。つまり、全周の角度範囲を0°〜±180°として設定する。
【0065】
各係止溝a、b、b’、c、c’、d、d’、eは、概ね以下の角度位置にそれぞれ配置される。ここでの「角度位置」を定義するための中心は、上記光源中心軸上の点にほぼ一致している。
【0066】
a:0°
b、b’:±12.5°
c、c’:±107.5°
d、d’:±115°
e:±180°
【0067】
これらの角度は、ルーバ90の射光角に基づく値であり、法律や規則によるその射光角の変更に基づいて、あるいは、ルーバ90の設置角の微調整による変更に基づいて、適宜変更され得る。
【0068】
図11A〜Dは、例えば1つの船体の各所に設置される灯器100ごとのルーバ90(
図7A〜C参照)の設置角を、アウターカバー20(およびリッド70)の各係止溝27の角度位置との関係で示す。船首方向を白抜きの矢印で示している。
【0069】
図11Aは船首灯(または中央のマスト灯)における設置角を示す。この場合、
図7Aに示すルーバ90Aの羽根部95が、係止溝d、d’に係合し、係合リブ94は係止溝eに係合する。
【0070】
図11Bは左舷灯における設置角を示す。この場合、
図7Bに示すルーバ90Bの羽根部95は係止溝b、d’に係合し、係合リブ94は係止溝eに係合する。
図11Cは右舷灯における設置角を示す。この場合、ルーバ90Bの羽根部95は係止溝b’、dに係合し、係合リブ94は係止溝eに係合する。すなわち、舷灯用の共通のルーバ90Bは、左舷および右舷で互いに上下逆方向に向けた状態で取り付けられる。このように舷灯用のルーバ90Bの係合リブ94は、±180°の角度位置にある係止溝eに係合するような角度位置で、本体部93に設けられている。
【0071】
図11Dは船尾灯における設置角を示す。この場合、
図7Cに示すルーバ90Cの羽根部95は、船首灯と同様に、係止溝c、c’に係合し、係合リブ94は係止溝aに係合する。
【0072】
以上のように、本実施形態に係る灯器100によれば、1種類のアウターカバー20(および1種類のリッド70)に対して、1つまたはそれ以上のルーバ90の設置角が設定される。すなわち、1種類の共通の部品に対して、ルーバ90の複数の設置角のうち任意の一の設置角を選択してルーバ90を設置することができる。これにより機種ごとの部品や金型が不要となる。またこれにより、灯器100の製造コストを低減することができる。
【0073】
なお、本実施形態では、複数の射光角(第1の射光角、第2の射光角、第3の射光角)をそれぞれ有するルーバ90A、90B、90Cが、それぞれ取り付けられる取付部は、第1の取付部、第2の取付部、第3の取付部としてそれぞれ機能する。
【0074】
本実施形態では、作業者等は、アウターカバー20およびリッド70の各突設部21に設けられた取付領域25および75である溝の間に、ルーバ90を挟持させて係合させることにより、簡単にルーバ90の取付を行うことができる。
【0075】
本実施形態では、ルーバ90の本体部93に設けられた係合リブ94も、アウターカバー20の係止溝27に係合するので、ルーバ90の取り付け状態を安定化させることができる。
【0076】
また、ルーバ90に係合リブ94を設けるメリットは他にもある。例えば、
図7BおよびCに示すように、舷灯用のルーバ90Bおよび船尾用のルーバ90Cのそれぞれの羽根部95の開き角度の差は、20°程度しかなく、作業者等は、その開き角度を見ただけでは、両ルーバ90B、90Cを簡単には区別できない。しかしながら、ルーバ90Cの係合リブ94は、本体部93の中央の角度位置に設けられる一方、ルーバ90Bの係合リブ94は、その中央からずれた位置に設けられるので、作業者等は、両者を一見して区別することができる。
【0077】
なお、係合リブ94の代わりにルーバ90の本体部93に係合凹部が設けられ、アウターカバー20における係止溝aおよびeの角度位置に係合凸部が設けられていてもよい。
【0078】
4)収容体とベースの接続構造(第1の接続構造)
図12は、収容体50のうちのベースカバー30の下面側から見た平面図である。
図13は、ベース80を上面側から見た平面図である。
【0079】
ベースカバー30およびベース80は、以下のような接続構造(第1の接続構造)によって接続されている。
図12に示すように、ベースカバー30に設けられた平板部34は、上記でも説明したように所定の位置に設けられた複数のネジ穴部36を有する。例えば4つのネジ穴部36が、ベースカバー30の中心位置(例えば光源中心軸に一致)を中心として点対称に配置されている。なお、収容体50のうちz方向で、ベースカバー30の平板部34が設けられる側は第1の側であり、アウターカバー20の平板部24が設けられる側が第2の側である。
【0080】
一方、
図13に示すように、ベース80も、それらのネジ穴部36と対応する位置に設けられた4つのネジ穴部86を有する。これらネジ穴部86は、ベース80の平板部84に形成されている。
図3に示すように、これら4つのネジ穴部36、86にてボルトN3(
図5参照)が締められることにより、収容体50とベース80とが接続、固定される。
【0081】
このような第1の接続構造は、後述する第3の実施形態に係る灯器300のように、2つの収容体(第1、第2の収容体)、具体的には2つのベースカバー30同士を接続することができる。
【0082】
5)収容体とリッドの接続構造(第2の接続構造およびこれと共通の第3の接続構造)
【0083】
収容体50およびリッド70は、以下のような接続構造(第2の接続構造)によって接続されている。
図4に示すように、リッド70は、所定の位置に設けられた複数のネジ穴部79を有する。例えば4つのネジ穴部79が、リッド70の中心位置(例えば光源中心軸に一致)を中心として点対称に配置されている。
【0084】
一方、
図9に示すように、アウターカバー20の平板部24もそれらネジ穴部79と対応する位置に設けられた4つのネジ穴部29を有する。
図3に示すように、これら4つのネジ穴部79、29にてボルトが締められることにより、収容体50とベース80とが接続、固定される。
【0085】
また、ベース80の平板部84には、各ネジ穴部86の配置より径方向の外側に、4つのネジ穴部89を有する第3の接続構造が設けられている。これらのネジ穴部89は、
図8に示すアウターカバー20のネジ穴部29(およびリッド70のネジ穴部79)の配置に一致する。すなわち、上記第3の接続構造は、第2の接続構造と共通の構造を有する。
【0086】
このように、第2の接続構造と共通の構造を有する第3の接続構造により、後の第3の実施形態で説明するように、単式の灯器100と共通の部品を用いて、二重式の灯器300の構成を実現することができる。
【0088】
図14は、本発明の第2の実施形態に係る灯器を示す断面図である。これ以降の説明では、上記第1の実施形態に係る灯器が含む部材や機能等について同様のものは説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
【0089】
この灯器は、第1の実施形態に係る灯器の光源ユニット10と異なる光源ユニット110を備える。
図15は、その光源ユニット110の分解斜視図である。光源ユニット110のちインナーカバー13は、上記第1の実施形態に係るインナーカバー13と同じ構成を有する。
【0090】
光源基板111に搭載された光源は1つのLED15であり、光源基板111の中心にLED15が配置されている。このLED15の位置を通る鉛直軸を、説明上便宜的に「光源中心軸」とする。
図14に示すように、リフレクタ18は、反射部184と、反射部184の周囲に設けられた環状の平板部185と、平板部185の外周に設けられた取付フランジ186とを有する。
【0091】
反射部184は、LED15に最も接近した頂点182を有し、この頂点182が光源中心軸上に配置される。リフレクタ18は、マクロ形状として、
図14の断面で見て頂点182から放物線を描くように放物面を有する。リフレクタ18は、ミクロ形状として、同心円状に設けられた複数の凸面184aを有する。
【0092】
このようなリフレクタ18を持つ光源ユニット110では、各凸面184aがLED15からの光をそれぞれ拡散させるように反射することができるので、このように単一の点光源であるLEDを用いた場合であっても、各凸面184aの集合である反射部184の全体で均一な光を出射することができる。
【0094】
1)灯器の全体構成
図16は、本発明の第3の実施形態に係る二重式の灯器300を示す斜視図である。
図17は、
図16に示す二重式の灯器300の背面側を示す斜視図である。
図18は、この灯器300の分解斜視図である。
図19は、この灯器300の断面図である。本実施形態に係る二重式の灯器300として、右舷灯を例に挙げている。
【0095】
二重式の灯器300は、第1の収容体50Aと、第1の収容体50Aの下部に接続された第2の収容体50Bとを備える。またこの灯器300は、第1の収容体50Aの上部の接続された端部部材の1つとしてのリッド70と、第2の収容体50Bの下部に接続された端部部材の1つとしてのベース80と、それら収容体50A、50Bにそれぞれ取り付けられたルーバ90(第1のルーバ、第2のルーバ)とを備える。
【0096】
第1の収容体50Aおよび第2の収容体50Bは、上下方向で(x−y平面に対して)対称な姿勢で配置されている。第1の収容体50Aは、上記第1の実施形態と同様の構成を有する収容体であり、アウターカバー20およびベースカバー30を含む。第2の収容体50Bもこれとほぼ同様な構成を有し、アウターカバー20およびベースカバー30を含むが、第
2の収容体50
Bのベースカバー30に2つのハーネス58が設けられない点で、第1の収容体50Aと異なる。第2の収容体50Bには、2つのハーネスが取り付けられる取付穴が設けられていない。
【0097】
第1の収容体50Aおよび第2の収容体50Bは、上記第1の実施形態に係るものと同様の複数のLEDを備える光源ユニット10をそれぞれ収容している。これらの光源ユニット10に代えて、第2の実施形態に係る光源ユニット110が第1の収容体50Aおよび第2の収容体50Bにそれぞれ収容されていてもよい。
【0098】
第1の収容体50Aおよび第2の収容体50Bのそれぞれのベースカバー30の平板部34には、
図12に示したものと同じ第1の接続構造が設けられている。すなわち、ベースカバー30の下面同士が、
図18に示すように、上述した4箇所のネジ穴部36の位置でボルト締めされることにより、ベースカバー30同士が連結される。この場合、第1の接続構造は、連結構造として機能する。
【0099】
なお、2つのベースカバー30の間には、シート状のシール材57(
図18参照)が介在されている。
【0100】
一方、リッド70およびアウターカバー20を接続する第2の接続構造は、第1の実施形態で説明したベース80に設けられた第3の接続構造と共通の構造となっている。すなわち、ベース80の4つのネジ穴部89の配置が、リッド70の4つのネジ穴部79(アウターカバー20の4つのネジ穴部29)と同じ配置となっている。このような接続構造により、
図16〜18に示すように、第2の収容体50Bのアウターカバー20がベース80に接続可能となる。
【0101】
なお、第2の収容体50B内に収容された光源ユニット10の光源基板11に接続されたケーブル群19は、両ベースカバー30の平板部34に設けられた中央穴34aを介して電源基板B1に接続される。
【0102】
2)ルーバの取付
上部に設けられたルーバ90の取付構造は、上記第1の実施形態で説明した単式の灯器100のルーバ90の取付構造と同じである。
【0103】
下部に設けられたルーバ90は、第2の収容体50Bのアウターカバー20とベース80とにより挟持されることにより取り付けられる。具体的には、
図13および19に示すように、第2の収容体50Bのアウターカバー20の突設部21に設けられた溝状の取付領域25と、ベース80の外周部に設けられた取付領域85との間に配置される。
【0104】
ベース80に設けられた取付領域85は、ベース80の外周部に沿って設けられた周状突起部82を有する。また、取付領域85は、ベース80の平板部84とアウターカバー20が接続された状態で、周状突起部82とアウターカバー20の側周部23との間に形成される溝状の領域88を含む。
図13では、ベース80上に設けられたアウターカバー20の側周部23の外形を一点鎖線で示している。そして、この取付領域85は、この図に示すように、ベース80の周状突起部82には、所定の角度配置で係止溝87を含む。取付領域85のうち溝状の領域88に、ルーバ90の本体部93が配置される。また、各係止溝87のうち、所定の2つの係止溝87に、ルーバ90の羽根部95が係合する。
【0105】
図20A〜Dは、例えば1つの船体の各所に設置される灯器300ごとのルーバ90(
図7A〜C参照)の設置角を、ベース80の各係止溝87の角度位置との関係で示す。船首方向を白抜きの矢印で示している。
【0106】
以降では、説明の便宜上、
図20Aで示す船首方向の角度を0°とし、その0°を基準として、z軸上から見て、時計回りの方向を正、反時計回りの方向を負の角度とする。つまり、全周の角度範囲を0°〜±180°として設定する。また、説明の便宜上、ベース80の各係止溝f、g、g’、h、h’、i、i’、j、j’、k、k’の位置を以下のように定義する場合に、
図20Aに示す船首灯で用いられるベース80の配置を基準とする。ここでの「角度位置」を定義するための中心は、上記光源中心軸上の点にほぼ一致している。
【0107】
f:±180°
g、g’:±115°
h、h’:±102.5°
i、i’:±90°
j、j’:±70°
k、k’:±25°
【0108】
ここでベース80は、灯器300の船体への設置位置ごとに(つまりルーバ90Cの設置角に応じて)、z軸を中心に回転して設置される。
【0109】
一方、ベース80以外の各部品の船体への設置の向きは固定である。すなわち、ベース80より上部にある、リッド70、第1の収容体50Aおよび第2の収容体50Bの角度位置は、
図20A〜Dの設置位置ですべて同じである(
図11に示した通りである。)。
【0110】
これに対し、ベース80は船体への取付のための部品であるため、ベース80の設置の向き(z軸周りの角度)の自由度が求められる。例えば、ベース80の外周部に所定の角度間隔(例えば120°)で設けられた複数の脚部81を有し、少なくともこれらの脚部81が船体に固定され得る。
【0111】
例えば、
図20Bに示す左舷灯のベース80の角度は、
図20Aに示す船首灯のベース80の角度と90°異なる。
図20Cに示す右舷灯のベース80の角度は、
図20Bに示す角度と180°異なる。
図20Dに示す船尾灯のベース80の角度は、
図20Aに示す角度と180°異なる。このように、たとえば係止溝fの位置が、すべて船体の中心を向くようにベース80の回転角度が設定される。
【0112】
このように、本実施形態に係る二重式の灯器300では、ベース80以外の部品の向きをすべて一定とした状態でも、ベース80を回転させることにより、船体への灯器300の設置の柔軟性を確保することができる。
【0113】
かかるベース80の機能は、二重式の灯器300に適用される場合に限られず、上記第1および第2の実施形態に係る単式の灯器にも、もちろん適用され得る。
【0115】
図21は、本発明の第4の実施形態に係る灯器を示す斜視図である。この灯器400は、上記各実施形態に係る灯器に比べ小型サイズの灯器である。
【0116】
灯器400は、図示しない光源ユニットと、これを収容する収容体250と、収容体250の周囲に配置されたルーバ290と、収容体250の上部に接続されたリッド270と、収容体250の下部に接続されたベース280とを備える。収容体250は、アウターカバー220およびベースカバー230を備える。リッド270およびベース280は、それぞれ端部部材として機能する。
【0117】
光源ユニットは、例えば上述した第2の実施形態に係る単一のLEDを有する光源ユニットである。図示しないが、光源基板、電源基板等の基板類、リフレクタ、インナーカバー等の構成は、上記各実施形態のものと同様である。インナーカバーや、リフレクタの取付フランジ等の径は、上記各実施形態1〜3のものより小さい。
【0118】
ルーバ290は、本体部293と羽根部295とを有する。羽根部295の長さは、上記各実施形態に係るルーバ290のそれより十分に短く形成されている。
【0119】
アウターカバー220は、側周部223と、その側周部223から外方へ突設された突設部221と、突設部221に形成された、ルーバ290を取り付ける取付領域225を含む。取付領域225は、周溝226および取付部としての係止溝227を有する。また、リッド270も、ルーバ290の取付領域275を含み、この取付領域275は、図示しない周溝および係止溝277を有する。各係止溝227および277は、光源中心軸の周方向で同じ角度位置にそれぞれ配置されている。
【0120】
本実施形態に係る灯器400によっても、1種類のアウターカバー220(および1種類のリッド270)に対して、1以上のルーバ290の設置角が設定される。すなわち、1種類の共通の部品に対して、ルーバ290の複数の設置角のうち任意の一の設置角を選択してルーバ290を設置することができる。これにより機種ごとの部品や金型が不要となる。またこれにより、灯器400の製造コストを低減することができる。
【0122】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0123】
上記実施形態では、第2の接続構造と第3の接続構造を共通の構造としたが、第1の接続構造と第2の接続構造も共通の構造であってもよい。この場合、
図12に示したベースカバー30のネジ穴部36、
図13に示したベース80のネジ穴部86および89が、すべて同じ配置となり、ベース80のネジ穴部86および89が統一されたネジ穴部に構成される。この場合、結果的には、第1、2および3の接続構造がすべて共通の構造になる。
【0124】
上記接続構造(第1の接続構造および第2の接続構造)は、ボルトによる締結構造であった。しかし、これに代えて、凹凸の係合による接続構造であってもよい。この場合、例えばz軸周りの周状に凹部および凸部(周方向の長さは任意である)が、2つの接続対象の部品にそれぞれ形成され、それらの部品を相対的にz軸周りで回転させることにより係合させるような構造であってもよい。
【0125】
上記の説明では、ルーバが収容体に取り付けられ、リッドおよび/またはベースでそれを挟持した形態を示した。このような取付構造の他、収容体に周溝および係止溝を含む取付領域が設けられ、リッドおよびベースには周溝のみが設けられてもよい。
【0126】
あるいは、リッドおよびベースに取付領域がなく、収容体のみがルーバを支持するようにしてもよい。この場合、ルーバの突設部のz方向で反対側の端部に、ルーバに係合できるような何らかの構造が設けられていればよい。
【0127】
上記各実施形態では、ベースカバー30に接続されたハーネス58は2つであったが、1つであってもよい。上記第3の実施形態に係る二重式の灯器300において、2つのベースカバー30の両方に、ハーネス58およびこれを取り付ける取付穴38が設けられていてもよい。
【0128】
上記の説明では、灯器のうち、ベース80以外の部品の向きを固定とし、ベース80の向きを船体への設置位置に応じて回転させた。しかし、リッド70が船体への取り付けのための部品である場合、リッド70以外の部品の向きを固定とし、リッド70の向きを船体への設置位置に応じて回転させる構成であってもよい。この場合、リッド70もベース80と同等の強度を持つ構成(形状や材質など)で構成されることが好ましい。
【0129】
上記では、灯器を船灯として説明したが、航空機体に取り付けられる灯器、あるいは、標識灯としても利用可能である。
【0130】
上記光源ユニットに用いられる光源として、LED等の固体発光素子に限られず、白熱灯、蛍光灯が用いられてもよい。
【0131】
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。