(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0014】
(実施の形態1)
[健康増進具の構成]
図1は、実施の形態1の健康増進具の構成を示す平面図であり、
図2は、その構成を示す底面図である。また、
図3は、
図1のIII−III線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、
図1における上側を後側、同じく下側を前側とそれぞれ規定する。すなわち、
図1における上下方向を健康増進具1の前後方向と規定する。
【0015】
図1に示すとおり、健康増進具1は、細長い矩形状の布製シート10で構成されている。この布製シート10は、その外周よりも一回り小さい細長い矩形状の開口を形成する開口部11と、開口部11を囲む外周部12と、外周部12の内周の後側の短辺に接続され、開口部11内において前側に向かって延びるように形成された舌片部13とを備えている。舌片部13は、開口部11よりも小さい細長い矩形状をなしており、開口部11の2分の1から3分の2程度の長さを有している。なお、
図1において、開口部11のうち舌片部13によって隠れた部分は破線で示されている。
【0016】
布製シート10は、伸縮性を有する布地で構成されており、使用者に装着された場合に当該使用者の皮膚に密着可能となっている。その布地として、具体的にはキネシオテープ等のテーピング用テープを用いることができるが、伸縮性を有するものであればそれ以外であってもよい。
【0017】
後述するように、健康増進具1が使用者の腕等の部位に装着される場合、舌片部13はその長さ方向の前方に向かって伸長されて、使用者の当該部位の皮膚表面に取り付けられる。このとき、舌片部13の先端の端縁は、外周部12の内周の前側の短辺14の端縁に対向して近接する位置に取り付けられる。このように、外周部12の内周の短辺14は、舌片部13が伸長された後にその先端が取り付けられる位置を指示する目印部として機能する。このような目印部を設けることにより、舌片部13の伸長度合いを実質的に一定にすることができる。
【0018】
図2及び
図3に示すとおり、布製シート10の裏面の全面には、粘着剤が塗布されることにより粘着層15が形成されている。この粘着層15には剥離紙16が仮着されており、健康増進具1を使用する際にはその剥離紙16が剥がされ、露出した粘着層15が使用者の皮膚の表面等に貼着される。
【0019】
図3に示すように、剥離紙16における外周部12と舌片部13との接続位置に対応する位置には、分離用のミシン目17が形成されている。このミシン目17により、剥離紙16は、外周部12の裏面側に位置する第1剥離紙16Aと、舌片部13の裏面側に位置する第2剥離紙16Bとに分離可能とされている。
【0020】
[健康増進具の使用方法]
以下、上述したように構成された本実施の形態の健康増進具1の使用方法について説明する。
使用者はまず、布製シート10の外周部12の裏面に仮着されている第1剥離紙16Aを剥がして粘着層15を露出させ、例えば前腕部における任意の位置の皮膚表面に外周部12を貼り付ける。これにより、外周部12が使用者の皮膚表面に密着して固定される。なお、この場合、布製シート10の長さ方向と使用者の前腕部の周方向とを合わせたり、同じく前腕部の長さ方向とを合わせたり等、任意の方向に外周部12を取り付けることができる。
【0021】
次に、使用者は、布製シート10の舌片部13を把持し、その裏面に仮着されている第2剥離紙16Bを剥がして粘着層15を露出させる。そして、使用者は、舌片部13の先端の端縁が外周部12の内周の短辺14の端縁に対向して近接する位置に到達するまで舌片部13を伸長させた後、開口部11内に露出している使用者の皮膚表面に舌片部13の裏面を貼り付ける。その結果、
図4に示すように、開口部11の大部分が塞がれた状態で、舌片部13が使用者の皮膚表面に密着して固定される。
【0022】
上述したように、健康増進具1は、舌片部13が伸長した状態で使用者の皮膚表面に取り付けられる。この場合、舌片部13が収縮しようとする力によって、使用者の皮膚に対し、舌片部13の先端から基端側に向かう方向の力が加えられる。この力は、健康増進具1が使用者に装着されている間継続して使用者の皮膚に加わることになる。
【0023】
皮膚には、わずかではあるものの抵抗・緊張が生じている場合がある。これは、そのときの体の状況が反映されているものと考えられる。このような皮膚の抵抗・緊張を適切に捉えて、それに応じた力・時間・方向で刺激を与えることにより、新陳代謝を高めたり、内臓機能に変化をもたらせたりすることができることが知られている。従来、このような皮膚への刺激は手技療法により行われているため、豊富な知識及び経験を有する専門家を要していた。健康増進具1の場合、これを装着するのみでこのような効果を発生させることができ、使用者の健康の増進に寄与することができる。
【0024】
本実施の形態の場合、上述したように、舌片部13の先端の端縁が外周部12の内周の短辺14の端縁に対向して近接する位置に到達するまで舌片部13が伸長されている。このように、短辺14を目印とすることにより舌片部13の先端の取付位置を一意に決めることができるため、舌片部13の伸長度合い及び舌片部13が収縮しようとする力を一定にすることが可能になる。これにより、使用者の知識及び経験等によらず、皮膚に対して適切な刺激を与えることができる。
【0025】
なお、上記のように健康増進具1が使用者に装着された後、外周部12のうち後側の短辺部以外の部分、すなわち外周部12の前側の短辺部及び両長辺部の裏面を使用者の皮膚表面から取り外し、外周部12の前側の短辺部を把持して前方に伸長させてから、取り外した前側の短辺部及び両長辺部を使用者の皮膚表面に再度貼り付けるようにしてもよい。その結果、
図5に示すように、外周部12の短辺14と舌片部13の先端とが離反し、開口部11が前方向に拡張される。この場合、外周部12の長辺部が収縮しようとする力によって、使用者の皮膚に対し、外周部12の前側から後側に向かう方向の力が加えられる。これにより、使用者に皮膚に対して更なる刺激を与えることができ、その刺激による効果を増進させることができる。
【0026】
[変形例]
図6は、実施の形態1の健康増進具の変形例の構成を示す平面図である。
図6に示すように、この変形例では、舌片部13の先端と、目印として機能する外周部12の内周の前側の短辺14とに、所定幅の帯状の着色領域が同色で印刷されている。この変形例の場合、使用者は、それぞれの着色領域が対向して近接するように舌片部13を伸長させることになる。この場合、舌片部13の先端の取付位置が視覚的に確認しやすくなるため、舌片部13の位置合わせを容易に行うことができる。なお、ここでは、外周部12の内周の短辺14及び舌片部13の先端における着色領域が同色で印刷されているが、外周部12及び舌片部13の他の領域と異なる色で印刷されていればよく、両着色領域が異なる色であってもよい。また、印刷以外の方法で着諸領域が形成されていてもよい。
【0027】
(実施の形態2)
[健康増進具の構成]
図7は、実施の形態2の健康増進具の構成を示す平面図である。
図7に示すとおり、実施の形態2の健康増進具2は、実施の形態1の場合と同様に、開口部21、外周部22、及び舌片部23を具備する布製シート20で構成されている。ここで、舌片部23は、その先端に向かうにしたがって細くなるように長さ方向に対して所定の角度傾斜した傾斜部分を有しており、全体として台形状をなしている。なお、この健康増進具2においても、実施の形態1の場合と同様に粘着層が形成され、その裏面に剥離紙が仮着されている。また、
図7においても、開口部21のうち舌片部23によって隠れた部分は破線で示されている。
【0028】
[健康増進具の使用方法]
使用者は、実施の形態1の場合と同様にして本実施の形態の健康増進具2を前腕部等に装着する。すなわち、使用者は、外周部22の裏面を皮膚表面に貼り付け、その後、舌片部23を、その先端の端縁が外周部22の内周の短辺24の端縁に対向して近接する位置に到達するまで伸長させた後、開口部21内に露出している使用者の皮膚表面に舌片部23の裏面を貼り付ける。
【0029】
上述したようにして健康増進具2が使用者に装着された場合、実施の形態1の場合と同様に、舌片部23が収縮しようとする力によって、使用者の皮膚に対し、舌片部23の先端から後端に向かう方向の力が加えられる。このとき、舌片部23に傾斜部分が設けられているため、舌片部23の長さ方向のみではなく、その傾斜した方向にも力が加わることになるため、実施の形態1の場合よりも多様な刺激を皮膚に与えることができる。これにより、刺激効果を高めることができる。
【0030】
(実施の形態3)
[健康増進具の構成]
図8は、実施の形態3の健康増進具の構成を示す平面図である。
図8に示すとおり、実施の形態3の健康増進具3は、実施の形態1の場合と同様に、開口部31、外周部32、及び舌片部33を具備する細長い矩形状の布製シート30で構成されている。ここで、舌片部33は、外周部32の内周の後側の短辺に接続され、前方に延びるように設けられている第1舌片部33Aと、同じく前側の短辺に接続され、後方に延びるように設けられている第2舌片部33Bとで構成されている。
図8に示すように、本実施の形態では、第1舌片部33Aの長さが第2舌片部33Bよりも少し大きくなっている。また、これらの第1舌片部33A及び第2舌片部33Bの長さを足し合わせると外周部32の内周の長さよりも少し小さくなっている。そのため、第1舌片部33Aと第2舌片部33Bとは重ならず、それぞれの先端の端縁が対向するように配されている。なお、
図8において、開口部31のうち第1舌片部33A及び第2舌片部33Bによって隠れた部分は破線で示されている。
【0031】
本実施の形態の健康増進具3においても、実施の形態1の場合と同様に粘着層が形成され、その裏面に剥離紙が仮着されている。但し、本実施の形態の場合、第1舌片部33A及び第2舌片部33Bのそれぞれと外周部32との接続位置に対応して分離用のミシン目が剥離紙に形成されており、外周部32、第1舌片部33A及び第2舌片部33Bのそれぞれの裏面側に位置する剥離紙が分離可能とされている。
【0032】
外周部32の2つの長辺部のそれぞれには、その長さ方向において同じ位置に、帯状の第1着色領域34A及び第2着色領域34Bが形成されている。このうち、第1着色領域34A,34Aは、第1舌片部33Aの先端よりも所定の距離前方に形成されており、第1舌片部33Aが伸長された後にその先端が取り付けられる位置を示す目印部として機能する。他方、第2着色領域34B,34Bは、第2舌片部33Bの先端よりも所定の距離後方に形成されており、第2舌片部33Bが伸長された後にその先端が取り付けられる位置を示す目印部として機能する。なお、これらの第1着色領域34A及び第2着色領域34Bは、実施の形態1における着色領域の場合と同様に、印刷により形成されていてもよく、その他の方法により形成されていてもよい。
【0033】
[健康増進具の使用方法]
使用者はまず、実施の形態1の場合と同様にして、外周部32の裏面を前腕部等の皮膚表面に貼り付ける。次に、使用者は、第2舌片部33Bを把持し、その先端が第2着色領域34B,34Bの位置に到達するまで第2舌片部33Bを後方に伸長させた後、開口部31内に露出している使用者の皮膚表面に第2舌片部33Aの裏面を貼り付ける。さらに、使用者は、第1舌片部33Aを把持し、その先端が第1着色領域34A,34Aの位置に到達するまで第1舌片部33Aを前方に伸長させた後、第2舌片部33Bの表面及び皮膚表面に第1舌片部33Aの裏面を貼り付ける。その結果、
図9に示すように、開口部31の大部分が塞がれ、且つ第2舌片部33Bと第1舌片部33Aとがこの順に一部重なった状態で、第1舌片部33A及び第2舌片部33Bが固定される。
【0034】
上述したようにして健康増進具3が使用者に装着された場合、使用者の皮膚に対し、第1舌片部33Aが収縮しようとする力によって第1舌片部33Aの先端から基端側に向かう方向の力が加えられるとともに、第2舌片部33Bが収縮しようとする力によって第2舌片部33Bの先端から基端側に向かう方向、すなわち第1舌片部33Aの先端から基端側に向かう方向とは反対の方向の力が加えられる。このように、本実施の形態では、前後両方向に力が加えられるため、実施の形態1の場合よりも多様な刺激を皮膚に与えることができる。これにより、刺激効果を高めることができる。
【0035】
上述したように、本実施の形態では第2舌片部33Bの表面に第1舌片部33Aの裏面の一部を貼り付けているが、反対に第1舌片部33Aの表面に第2舌片部33Bの裏面の一部を貼り付けるようにしてもよい。この場合でも同様の効果を奏することができる。
【0036】
なお、本実施の形態では2つの第1着色領域34A,34A及び2つの第2着色領域34B,34Bが設けられているが、各着色領域が1つずつ設けられていてもよく、第1及び第2着色領域の何れか一方のみが設けられていてもよい。また、着色領域がまったく設けられていない態様であってもよく、その場合は、使用者が第1舌片部33A及び第2舌片部33Bを適宜の距離伸長させた上で固定することになる。
【0037】
また、本実施の形態では、後に固定される舌片部の裏面が、先に固定されている舌片部の表面及び使用者の皮膚表面に貼り付けられるが、皮膚表面には貼り付けられず、当該舌片部の表面のみに貼り付けられるようにしてもよい。この場合であっても、各舌片部が収縮しようとする力を皮膚に対して与えることができる。
【0038】
本実施の形態の健康増進具3の使用方法としては、上記の他にも、次のようなものがある。使用者は、外周部32の後側の短辺部の裏面を皮膚表面に貼り付けた後、前側の短辺部を前方に伸長させてからその前側の短辺部及び両長辺部の裏面を皮膚表面に貼り付ける。このようにして外周部32を固定した後、使用者は、第1舌片部33A及び第2舌片部33Bの何れか一方を伸長させてから皮膚表面に貼り付け、次にその他方を伸長させて同じく貼り付ける。このとき、第1舌片部33A及び第2舌片部33Bの先端の端縁がそれぞれ対向して近接する位置に配されるようにする。その結果、
図10に示すように、外周部32の両長辺部、第1舌片部33A及び第2舌片部33Bが長さ方向に伸長された状態で使用者の皮膚表面に固定される。この場合、外周部32の両長辺部、第1舌片部33A及び第2舌片部33Bが収縮しようとする力が使用者の皮膚に与えられることになり、当該皮膚に対して更なる刺激を与えることが可能になる。
【0039】
(実施の形態4)
[健康増進具の構成]
図11は、実施の形態4の健康増進具の構成を示す平面図である。
図11に示すとおり、実施の形態4の健康増進具4は、実施の形態2の場合と同様に、開口部41、外周部42、第1舌片部43A、第2舌片部43B、第1着色領域44A及び第2着色領域44Bを具備する布製シート40で構成されている。ここで、第1舌片部43A及び第2舌片部33Bは、その先端に向かうにしたがって細くなるように長さ方向に対して所定の角度傾斜した傾斜部分を有しており、全体として台形状をなしている。なお、この健康増進具4においても、実施の形態3の場合と同様に粘着層が形成され、その裏面に剥離紙が仮着されている。また、
図11においても、開口部41のうち第1舌片部43A及び第2舌片部43Bによって隠れた部分は破線で示されている。
【0040】
使用者は、実施の形態3の場合と同様にして本実施の形態の健康増進具4を前腕部等に装着する。すなわち、使用者は、外周部42の裏面を皮膚表面に貼り付けた後、第1舌片部43Aの先端が第1着色領域44A,44Aの位置に到達するまで伸長させてからその裏面を皮膚表面に貼り付け、さらに、第2舌片部43Bの先端が第2着色領域44B,44Bの位置に到達するまで伸長させてからその裏面を第1舌片部43Aの表面及び皮膚表面に貼り付ける。
【0041】
上述したようにして健康増進具4が使用者に装着された場合、実施の形態3の場合と同様に、第1舌片部43A及び第2舌片部43Bのそれぞれが収縮しようとする力によって、使用者の皮膚に対して前後両方向の力が加えられる。このとき、第1舌片部43A及び第2舌片部43Bの傾斜部分によって、それぞれの長さ方向のみではなく、その傾斜した方向にも力が加わることになるため、実施の形態3の場合よりも多様な刺激を皮膚に与えることができる。これにより、刺激効果を高めることができる。
【0042】
(実施の形態5)
[健康増進具の構成]
図12は、実施の形態5の健康増進具の構成を示す平面図である。
図12に示すとおり、実施の形態5の健康増進具5は、伸縮性を有する略正方形状の布製シート50で構成されている。この布製シート50は、その外周よりも一回り小さい略正方形状の開口を形成する開口部51と、開口部51を囲む外周部52と、外周部52の内周の各辺に接続され、開口部51内方に向かって延びるように形成された4つの舌片部53,53,53,53とを備えている。各舌片部53は、台形状をなしており、その下底部分が外周部52の内周の各辺に接続されている。各舌片部53の下底から上底までの長さ(台形の高さ)は、開口部51の長さの4分の1から3分の1程度となっている。なお、
図12において、開口部51のうち4つの舌片部53,53,53,53によって隠れた部分は破線で示されている。
【0043】
実施の形態5の健康増進具5においても、実施の形態3の場合と同様に、粘着層が形成され、その裏面に剥離紙が仮着されている。すなわち、4つの舌片部53,53,53,53のそれぞれと外周部52との接続位置に対応して分離用のミシン目が剥離紙に形成されており、外周部52及び各舌片部53のそれぞれの裏面側に位置する剥離紙が分離可能とされている。
【0044】
[健康増進具の使用方法]
使用者はまず、実施の形態1の場合と同様にして、外周部52の裏面を前腕部等の皮膚表面に貼り付ける。次に、使用者は、4つの舌片部53,53,53,53のうちの1つを把持し、その先端が開口部51の中央付近に到達するまで当該舌片部53を伸長させた後、開口部51内に露出している使用者の皮膚表面に当該舌片部53の裏面を貼り付ける。また、使用者は、上記のようにして貼り付けた舌片部53と対向する位置にある舌片部53を把持し、同様にして伸長させてからその裏面を皮膚表面に貼り付ける。次に、使用者は、残りの2つの舌片部53,53のうちの1つを把持し、その先端が開口部51の中央付近に到達するまで当該舌片部53を伸長させた後、その裏面を、先に固定された2つの舌片部53,53の表面及び皮膚表面に貼り付ける。さらに、使用者は、残りの1つの舌片部53を把持し、同様にして伸長させてからその裏面を先に固定された2つの舌片部53,53の表面及び皮膚表面に貼り付ける。
【0045】
上述したようにして健康増進具5が使用者に装着された場合、使用者の皮膚に対し、各舌片部53のそれぞれが収縮しようとする力によって、各舌片部53の上底から下底に向かう方向の力が加えられる。このように、本実施の形態では、4方向に力が加えられることになるため、実施の形態1の場合よりも多様な刺激を皮膚に与えることができる。これにより、刺激効果を高めることができる。
【0046】
[変形例]
図13乃至
図15は、実施の形態5の健康増進具の変形例を示す平面図である。なお、これらの
図13乃至
図15においても、各開口部のうち各舌片部によって隠された部分は破線で示されている。
図13に示すように、第1の変形例である健康増進具6は、伸縮性を有する六角形状の布製シート60で構成されており、この布製シート60は、その外周よりも一回り小さい六角形状の開口を形成する開口部61と、開口部61を囲む外周部62と、外周部62の内周の各辺に接続され、開口部61内方に向かって延びるように形成された6つの舌片部63,63,63,63,63,63とを備えている。各舌片部63は、台形状をなしており、その下底部分が外周部62の内周の各辺に接続されている。各舌片部63の下底から上底までの長さ(台形の高さ)は、開口部61の長さの4分の1から3分の1程度となっている。
【0047】
また、
図14に示すように、第2の変形例である健康増進具7は、伸縮性を有する円形状の布製シート70で構成されており、この布製シート70は、その外周よりも一回り小さい円形状の開口を形成する開口部71と、開口部71を囲む外周部72と、外周部72の内周にそれぞれ接続され、開口部71内方に向かって延びるように形成された4つの舌片部73,73,73,73とを備えている。各舌片部73は、略4分の1円環状をなしており、その外周が外周部62の内周に接続されている。各舌片部73の外周から内周までの長さは、開口部71の直径の4分の1から3分の1程度となっている。
【0048】
さらに、
図15に示すように、第3の変形例である健康増進具8は、伸縮性を有する略正方形状の布製シート80で構成されており、この布製シート80は、その外周よりも一回り小さい正方形状の開口を形成する開口部81と、開口部81を囲む外周部82と、外周部82の内周の各隅角を構成する二辺に接続され、開口部81内方の中央部分に向かって延びるように形成された4つの舌片部83,83,83,83とを備えている。各舌片部83は、外周部82の内周の隅角を構成する二辺と、開口部81に配される二辺とで形成される四辺形で構成されている。ここで、開口部81の二辺は120度程度の角度を形成している。外周部82の内周の隅角の頂点と開口部81内に配されている角の頂点との間の距離は、開口部81の対角線の長さの4分の1から3分の1程度となっている。
【0049】
上述した各変形例の場合も、実施の形態5の健康増進具5と同様に使用される。すなわち、使用者は、外周部の裏面を前腕部等の皮膚表面に貼り付け、その後、各舌片部を開口部の内方側へ伸長させてから、その裏面を、開口部内に露出している使用者の皮膚表面及び/又は他の舌片部の表面に貼り付ける。このようにして健康増進具6乃至8が使用者に装着された場合、使用者の皮膚に対し、複数の舌片部のそれぞれの収縮しようとする力によって、健康増進具6の場合は6方向に、健康増進具7及び8の場合は4方向に力が加えられることになり、多様な刺激を与えることができる。
【0050】
(その他の実施の形態)
上述した各実施の形態では、舌片部の長さが開口部のサイズに合わせて一定の範囲に規定されているが、本発明はその範囲に限定されるわけではない。舌片部の長さは、布製シートの伸縮率、及び使用者に与える刺激の強さ等に応じて適宜設定することが可能である。また、舌片部の形状についても、その他の多角形状又は円形状など、様々な変形が可能である。
【0051】
なお、上述した各実施の形態を組み合わせて他の実施の形態を実現することができる。例えば、目印部として機能する着色領域を適宜の箇所に形成したり、舌片部の形状・伸長方向等を他の実施の形態のものに変更したりする等の様々な形態が実現可能である。