(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の通信装置のWAN側回線を介して前記サーバ装置と通信することができなかった回数を管理する設定保存部をさらに備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信端末。
前記第1の無線通信回線は、通信事業者が管理するモバイルネットワークにおいて設定される通信回線であり、前記第2の無線通信回線は、無線LANにおいて設定される通信回線である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信端末。
通信端末内の第1の通信部が第1の通信装置と無線通信中に、第2の通信装置を検出すると、通信端末内の第2の通信部が前記第2の通信装置のWAN側通信回線を介して接続するサーバ装置と通信することができるか否かを判定し、
前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができる場合、前記第2の通信部に前記第2の通信装置と無線通信させ、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができない場合、前記第1の通信部に前記第1の通信装置と無線通信させ、前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置を管理する事業者へ前記第2の通信装置の識別情報を送信する、通信方法。
通信端末内の第1の通信部が第1の通信装置と無線通信中に、第2の通信装置を検出すると、通信端末内の第2の通信部が前記第2の通信装置のWAN側通信回線を介して接続するサーバ装置と通信することができるか否かを判定し、
前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができる場合、前記第2の通信部に前記第2の通信装置と無線通信させ、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができない場合、前記第1の通信部に前記第1の通信装置と無線通信させ、前記第1の通信部を介して前記第2の通信装置を管理する事業者へ前記第2の通信装置の識別情報を送信することをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。はじめに、
図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる通信システムの構成例について説明する。
図1の通信システムは、通信端末10、通信装置20及び通信装置30を有している。通信端末10は、携帯電話端末、スマートフォンもしくはモバイルルータ等であってもよい。通信装置20及び通信装置30は、モバイルネットワークに配置される基地局もしくは無線LANのアクセスポイント装置等であってもよい。また、通信端末10、通信装置20及び通信装置30は、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
【0015】
次に、通信端末10の構成例について説明する。通信端末10は、通信部11、通信部12及び通信制御部13を有している。通信端末10を構成する構成要素は、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュール等であってもよい。もしくは、通信端末10を構成する構成要素は、回路等によって構成されてもよい。
【0016】
通信部11は、無線通信回線を介して通信装置20と無線通信を行う。通信部12は、無線通信回線を介して通信装置30と無線通信を行う。通信部11及び通信部12が用いる無線通信回線は、例えば、無線LAN通信回線であってもよく、3GPP(3rd Generation Partnership Project)もしくは他の標準化団体において規定されている無線通信方式を用いた無線通信回線であってもよく、近距離無線通信方式を用いた無線通信回線であってもよい。3GPPにおいて規定されている無線通信方式は、例えば、LTE(Long Term Evolution)等であってもよい。近距離無線通信方式は、赤外線通信もしくはBluetooth(登録商標)等を用いた通信であってもよい。
【0017】
通信部11は、通信部12と同じ種類の無線通信回線を用いてもよく、異なる種類の無線通信回線を用いてもよい。具体的には、通信部11及び通信部12が無線LAN通信回線を用いてもよく、通信部11がLTE通信回線を用い、通信部12が無線LAN通信回線を用いてもよい。また、通信部11は、通信部12と異なる周波数、チャネル等を用いてもよい。
【0018】
通信制御部13は、通信部11及び通信部12を切り替える。具体的には、通信制御部13は、通信装置20との間においてユーザデータを送受信する場合、通信部11を用いるように制御し、通信装置30との間においてユーザデータを送受信する場合、通信部12を用いるように制御する。ユーザデータは、例えば、テキストデータ、画像データもしくは音声データ等であってもよい。
【0019】
また、通信制御部13は、一方の通信装置と通信中に他方の通信装置を検出する。通信装置を検出する、との内容について説明する。例えば、通信端末10が通信部11を介して通信装置20と通信中に、通信装置30が形成する通信エリア内へ移動したとする。この場合、通信部12は、通信装置30から送信される報知情報もしくはビーコン情報等の制御信号を受信することによって通信装置30を検出する。言い換えると、通信装置を検出するとは、通信部11もしくは通信部12が、通信装置20もしくは通信装置30から送信される無線信号を受信することであってもよい。
【0020】
次に通信部11が通信装置20と無線通信中に、通信制御部13が通信装置30を検出した場合の動作について説明する。通信部12は、通信装置30から送信された無線信号を受信した場合、無線信号を受信したことを示す情報を通信制御部13へ出力してもよい。通信制御部13は、通信部12から無線信号を受信したことを示す情報を受け取ることによって、通信装置30を検出したと判定してもよい。
【0021】
通信制御部13は、通信装置30を検出すると、通信部12が、通信装置30のWAN側通信回線を介して接続するサーバ装置と通信することができるか否かを判定する。通信装置30のWAN側通信回線は、例えば、通信装置30がインターネットもしくは通信事業者等が管理するIPネットワークに接続するために用いる通信回線である。WAN側通信回線は、無線通信回線が用いられてもよく、固定通信回線が用いられてもよい。固定通信回線は、例えば、光通信回線が用いられてもよい。
【0022】
サーバ装置は、例えば、Webサービスを提供するサーバ装置であってもよく、認証サーバ装置等であってもよい。もしくは、サーバ装置は、通信装置30のWAN側通信回線が正常に動作しているか否かを確認するために用いられるサーバ装置であってもよい。例えば、通信制御部13は、通信部12を介してサーバ装置を宛先とするメッセージを送信し、通信装置30を介してサーバ装置から応答メッセージを受信すると、サーバ装置と通信することができると判定してもよい。また、通信制御部13は、通信装置30を介してサーバ装置から応答メッセージを受信しない場合、サーバ装置と通信することができないと判定してもよい。
【0023】
通信制御部13は、サーバ装置と通信することができる場合、通信部12に通信装置30と無線通信させる。つまり、通信制御部13は、サーバ装置と通信することができる場合、通信先の通信装置を通信装置30として、通信部12に、通信装置30との間においてユーザデータを送受信させる。通信制御部13は、サーバ装置と通信することができない場合、通信部11に通信装置20と無線通信させる。つまり、通信制御部13は、サーバ装置と通信することができない場合、通信先の通信装置を通信装置30とすることなく、通信部11に、通信装置20との間においてユーザデータを送受信させる。
【0024】
以上説明したように、
図1の通信制御部13は、一方の通信装置と無線通信中に、他方の通信装置を検出した場合、他方の通信装置を介してサーバ装置と通信することができるか否かに応じて通信部の切り替えを制御することができる。これより、通信制御部13は、検出した通信装置のWAN側通信回線が正常に動作していない場合には、今まで無線通信を行っていた通信装置との間においてユーザデータを送受信することができる。言い換えると、通信制御部13は、WAN側通信回線が正常に動作していない通信装置を用いて無線通信が継続されることを防止することができる。
【0025】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて本発明の実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。
図2の通信システムは、基地局21、アクセスポイント装置31、モバイルルータ40及び携帯電話端末50を有している。基地局21は、
図1の通信装置20に相当する。アクセスポイント装置31は、
図1の通信装置30に相当する。モバイルルータ40は、
図1の通信端末10に相当する。
【0026】
続いて、モバイルルータ40の構成例について説明する。モバイルルータ40は、モバイルネットワーク接続インタフェース41、無線LAN接続インタフェース42、通信制御部43、設定保存部44及びLAN側インタフェース45を有している。
【0027】
モバイルネットワーク接続インタフェース41は、
図1の通信部11に相当する。無線LAN接続インタフェース42は、
図1の通信部12に相当する。通信制御部43は、
図1の通信制御部13に相当する。
【0028】
モバイルネットワーク接続インタフェース41は、基地局21と無線通信を行う。例えば、モバイルネットワーク接続インタフェース41は、3GPPにおいて規定されている無線通信方式であるLTEを用いて基地局21と通信を行ってもよく、他の無線通信方式を用いて基地局21と通信を行ってもよい。
【0029】
無線LAN接続インタフェース42は、アクセスポイント装置31と無線LAN通信を行う。無線LAN通信は、例えば、IEEEにおいて規定されている通信方式であってもよい。モバイルルータ40がアクセスポイント装置31と無線LAN通信を行う場合、無線LAN接続インタフェース42は、無線LAN子機として動作し、アクセスポイント装置31は、無線LAN親機として動作する。
【0030】
通信制御部43は、例えば、インターネット上のWebサーバ等と通信を行う際に、モバイルネットワーク接続インタフェース41もしくは無線LAN接続インタフェース42を用いて通信を行う。
【0031】
LAN側インタフェース45は、携帯電話端末50と無線通信を行う。例えば、LAN側インタフェース45は、携帯電話端末50と、無線LAN通信を行ってもよく、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行ってもよい。また、LAN側インタフェース45は、携帯電話端末50と無線LAN通信を行う場合、無線LAN親機として動作する。言い換えると、携帯電話端末50は、無線LAN子機として動作する。
図2においては、LAN側インタフェース45が、携帯電話端末50と無線通信することを示しているが、LAN側インタフェース45は、スマートフォン、情報家電機器等と無線通信を行ってもよい。
【0032】
設定保存部44は、無線LAN接続インタフェース42が接続するアクセスポイント装置の無線LAN情報を保存する。無線LAN情報は、例えば、アクセスポイント装置31等のSSID(Service Set Identifier)もしくはMAC(Media Access Control)アドレス等であってもよい。また、無線LAN情報は、SSIDもしくはMACアドレスによって識別されるアクセスポイント装置を介した接続確認用サーバ装置への接続リトライ回数、及び、アクセスポイント装置の接続拒否回数を含む。
図3は、無線LAN情報の設定内容を示している。
【0033】
例えば、SSIDとして、「abcdefg」が設定されている。暗号化キーは、任意の英数字の組み合わせであってもよい。接続確認用サーバ装置への接続リトライ回数は、3回と設定されている。アクセスポイント装置の接続拒否回数(閾値)は、3回と設定されている。アクセスポイント装置の接続拒否回数(実績値)は、1回と設定されている。
【0034】
接続確認用サーバ装置への接続リトライ回数は、アクセスポイント装置31のWAN側通信回線を介して接続されている接続確認用サーバ装置と通信を試みる上限の回数であってもよい。接続確認用サーバ装置は、アクセスポイント装置31のWAN側通信回線が正常に動作しているか否かを確認する際に用いられる装置である。ここで、アクセスポイント装置31のWAN側通信回線は、接続確認用サーバ装置もしくはインターネット等へ接続する際に用いられる通信回線であり、無線LAN接続インタフェース42と無線LAN通信を行う通信回線はLAN側通信回線と称されてもよい。
【0035】
接続確認用サーバ装置と通信を試みる上限の回数について説明する。例えば、無線LAN接続インタフェース42が接続確認用サーバ装置を宛先とするメッセージをアクセスポイント装置31へ送信し、所定時間内に応答メッセージを受信しなかった場合に、無線LAN接続インタフェース42は、再度、接続確認用サーバ装置を宛先とするメッセージをアクセスポイント装置31へ送信する。接続確認用サーバ装置と通信を試みるとは、無線LAN接続インタフェース42が接続確認用サーバ装置へメッセージを送信することであってもよい。また、接続確認用サーバ装置と通信を試みる上限の回数とは、接続確認用サーバ装置から応答メッセージが送信されてこない場合に、接続確認用サーバ装置へメッセージの送信を繰り返す上限の回数であってもよい。
【0036】
通信制御部43は、接続確認用サーバ装置への接続リトライ回数以内において、アクセスポイント装置31から送信された応答メッセージを受信した場合、接続確認用サーバ装置と通信することができると判定する。通信制御部43は、接続確認用サーバ装置への接続リトライ回数以内において、アクセスポイント装置31から応答メッセージを受信することができない場合、接続確認用サーバ装置と通信することができないと判定する。
【0037】
アクセスポイントの接続拒否回数(閾値)は、通信制御部43が、接続確認用サーバ装置との通信可否を判定するための処理を実行するか否かを判定するために用いられる情報である。
【0038】
アクセスポイントの接続拒否回数(実績値)は、通信制御部43がアクセスポイント装置31との無線LAN接続を過去に実際に切断した回数であってもよい。通信制御部43は、アクセスポイント装置31と通信することができないと判定するたびに、アクセスポイントの接続拒否回数(実績値)を1増加させる。
【0039】
図3に示されるSSID、暗号キー、接続確認用サーバへの接続リトライ回数及びアクセスポイントの接続拒否回数(閾値)は、モバイルルータ40を操作するユーザによって、入力インタフェース(図示せず)を介してモバイルルータ40へ直接入力される情報であってよい。もしくは、
図3に示されるSSID、暗号キー、接続確認用サーバへの接続リトライ回数及びアクセスポイントの接続拒否回数(閾値)は、携帯電話端末50からLAN側インタフェース45を介して送信される情報であってもよい。
【0040】
続いて、
図4を用いて本発明の実施の形態2にかかる通信制御部43における通信部の切り替え処理の流れについて説明する。
図4においては、モバイルルータ40が、基地局21と通信中であることを前提とする。
【0041】
はじめに、通信制御部43は、アクセスポイント(AP)装置31を検出したか否かを判定する(S11)。例えば、通信制御部43は、無線LAN接続インタフェース42を介してアクセスポイント装置31から送信された無線信号を受信した場合に、アクセスポイント装置31を検出したと判定してもよい。通信制御部43は、アクセスポイント装置31を検出していないと判定した場合、処理を終了する。
【0042】
通信制御部43は、アクセスポイント装置31を検出したと判定すると、アクセスポイント装置31の接続拒否回数(実績値)が、接続拒否回数(閾値)未満であるか否かを判定する(S12)。通信制御部43は、アクセスポイント装置31の接続拒否回数(実績値)が、接続拒否回数(閾値)以上であると判定した場合、処理を終了する。
【0043】
つまり、通信制御部43は、アクセスポイント装置31の接続拒否回数(実績値)が、接続拒否回数(閾値)以上であると判定した場合、アクセスポイント装置31を介して接続確認用サーバと通信を行えるか否かに関する判定処理を行わない。そのため、通信制御部43は、アクセスポイント装置31の接続拒否回数(実績値)が、接続拒否回数(閾値)以上であると判定した場合、アクセスポイント装置31を検出したとしても、通信先の装置を基地局21からアクセスポイント装置31へ切り替えない。
【0044】
ステップS12において、通信制御部43は、アクセスポイント装置31の接続拒否回数(実績値)が、接続拒否回数(閾値)未満であると判定した場合、使用するインタフェースをモバイルネットワーク接続インタフェース41から無線LAN接続インタフェース42へ切り替える(S13)。これにより、モバイルルータ40は、通信先の装置を基地局21からアクセスポイント装置31へ切り替える。
【0045】
次に、通信制御部43は、アクセスポイント装置31を介して接続確認用サーバ装置と通信可能か否かを判定する(S14)。通信制御部43は、設定保存部44に保持されている接続確認用サーバ装置への接続リトライ回数以下の回数にて、接続確認用サーバ装置から応答メッセージを受信した場合、接続確認用サーバ装置と通信可能であると判定する。この場合、通信制御部43は、無線LAN接続を維持し、アクセスポイント装置31との通信を継続する(S16)。
【0046】
通信制御部43は、接続確認用サーバ装置へのメッセージの送信を、接続確認用サーバ装置への接続リトライ回数分繰り返しても応答メッセージを受信しない場合、接続確認用サーバ装置との通信が行えないと判定する。この場合、通信制御部43は、使用するインタフェースを無線LAN接続インタフェース42からモバイルネットワーク接続インタフェース41へ切り替えて、通信先の装置を基地局21へ切り替える(S15)。
【0047】
また、通信制御部43は、ステップS15において、使用するインタフェースを無線LAN接続インタフェース42からモバイルネットワーク接続インタフェース41へ切り替えると、次の処理を実行してもよい。通信制御部43は、モバイルネットワーク接続インタフェース41を介して、アクセスポイント装置31を管理しているプロバイダへアクセスポイント装置31のSSID及びMACアドレスに関する情報を送信してもよい。プロバイダは、アクセスポイント装置31のSSID及びMACアドレスに関する情報を受信することによって、アクセスポイント装置31の障害状況を把握することができる。
【0048】
以上説明したように、本発明の実施の形態2にかかるモバイルルータ40を用いることによって、次の効果が得られる。モバイルルータ40は、基地局21を介したモバイルネットワークを利用している最中に、アクセスポイント装置31を検出した場合、アクセスポイント装置31のWAN側通信回線の状況に基づいて、継続的にアクセスポイント装置31を使用し続けるか否かを判定することができる。そのため、アクセスポイント装置31のLAN側通信回線は正常に動作しているが、WAN側通信回線が障害等によって動作していない場合、モバイルルータ40は、アクセスポイント装置31を使用し続けることなく、使用するインタフェースを無線LAN接続インタフェース42からモバイルネットワーク接続インタフェース41へ切り替えることができる。
【0049】
一般的に、モバイルルータが、一旦使用するインタフェースを無線LAN接続インタフェースへ切り替えてアクセスポイント装置と無線LAN接続した場合、モバイルルータを操作するユーザが手動にてアクセスポイント装置との無線LAN接続を切断するまで無線LAN接続は維持される。もしくは、モバイルルータがアクセスポイント装置から送信される電波を受信することができない位置へ移動するまで、アクセスポイント装置との無線LAN接続は維持される。
【0050】
そのため、モバイルルータ40が、アクセスポイント装置31のWAN側通信回線の不具合を検出した場合、自発的に無線LAN接続を切断することによって、モバイルルータ40がインターネット等へ接続することができない時間を短くすることができる。
【0051】
また、モバイルルータ40は、設定保存部44においてアクセスポイントの接続拒否回数(閾値)及びアクセスポイントの接続拒否回数(実績値)を管理することができる。アクセスポイント装置31は、WAN側通信回線の不具合によって一時的にインターネット等へ接続することができなくなることもある。しかし、アクセスポイント装置31は、WAN側通信回線の不具合が解消されると、再びインターネット等へ接続することができる。
【0052】
そのため、一度アクセスポイント装置31のWAN側通信回線の不具合によりアクセスポイント装置31との間の無線LAN接続を切断した場合であっても、次回以降、モバイルルータがアクセスポイント装置31への無線LAN接続を一切行わないとすると、正常に動作するアクセスポイント装置31と無線LAN接続を行えなくなる。
【0053】
そこで、モバイルルータ40が、設定保存部44においてアクセスポイントの接続拒否回数(閾値)及びアクセスポイントの接続拒否回数(実績値)を管理することによって、一度アクセスポイント装置31との間の無線LAN接続を切断した場合であっても、次回以降も所定の回数だけアクセスポイント装置31に対して無線LAN接続を試みることができる。そのため、モバイルルータ40は、不具合が解消したアクセスポイント装置31を有効に利用することができる。
【0054】
(実施の形態3)
続いて、
図5を用いて本発明の実施の形態3にかかる通信制御部43における通信部の切り替え処理の流れについて説明する。
図5においては、モバイルルータ40が、基地局21と通信中であることを前提とする。ステップS21及びS22は、
図4のステップS11及びS12と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0055】
ステップS22において、通信制御部43は、アクセスポイント装置31の接続拒否回数(実績値)が、接続拒否回数(閾値)未満であると判定した場合、モバイルネットワーク接続インタフェース41と基地局21との接続を維持したまま、無線LAN接続インタフェース42をアクセスポイント装置31に接続させる(S23)。
【0056】
ステップS23を実行した時点において、モバイルルータ40は、基地局21及びアクセスポイント装置31と接続している。通信制御部43は、接続確認用サーバへメッセージを送信するために無線LAN接続インタフェース42とアクセスポイント装置31との間の無線LAN接続を利用する。通信制御部43は、ユーザデータについては、モバイルネットワーク接続インタフェース41と基地局21との間の通信回線を介して送受信する。
【0057】
次に、通信制御部43は、アクセスポイント装置31を介して接続確認用サーバ装置と通信可能か否かを判定する(S24)。通信制御部43は、接続確認用サーバ装置と通信可能と判定した場合、ユーザデータを送受信するインタフェースを無線LAN接続インタフェース42へ切り替える(S26)。つまり、通信制御部43は、無線LAN接続インタフェース42を介したアクセスポイント装置31との間の無線LAN通信回線を維持し、モバイルネットワーク接続インタフェース41を介した基地局21との間の通信回線を切断する。
【0058】
通信制御部43は、接続確認用サーバ装置と通信を行えないと判定すると、モバイルネットワーク接続インタフェース41を介したモバイルネットワークとの接続を維持し、さらに、無線LAN接続インタフェース42を介したアクセスポイント装置31との間の無線LAN通信回線を切断する(S25)。
【0059】
以上説明したように、本発明の実施の形態3にかかる切り替え処理を実行することによって、通信制御部43は、アクセスポイント装置31におけるWAN側通信回線の正常性を確認した後に、ユーザデータを送受信するためのインタフェースを無線LAN接続インタフェース42に切り替えることができる。
【0060】
言い換えると、アクセスポイント装置31におけるWAN側通信回線の正常性を確認している最中も基地局21との間の通信回線は維持されている。そのため、モバイルルータ40は、アクセスポイント装置31におけるWAN側通信回線の正常性を確認している最中も基地局21を介してユーザデータを送受信することができる。その結果、モバイルルータ40は、ユーザデータの送受信を中断することなく、アクセスポイント装置31におけるWAN側通信回線の正常性を確認することができる。
【0061】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、モバイルルータ40における処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。)
【0062】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0063】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0064】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0065】
(付記1)第1の通信装置と第1の無線通信回線を介して無線通信を行う第1の通信部と、第2の通信装置と第2の無線通信回線を介して無線通信を行う第2の通信部と、前記第1の通信部及び前記第2の通信部を切り替える通信制御部と、を備え、前記通信制御部は、前記第1の通信部が前記第1の通信装置と無線通信中に、前記第2の通信装置を検出すると、前記第2の通信部が前記第2の通信装置のWAN側通信回線を介して接続するサーバ装置と通信することができるか否かを判定し、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができる場合、前記第2の通信部に前記第2の通信装置と無線通信させ、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができない場合、前記第1の通信部に前記第1の通信装置と無線通信させる、通信端末。
(付記2)前記通信制御部は、前記第1の通信部が前記第1の通信装置と無線通信中に、前記第2の通信装置を検出すると、前記サーバ装置との通信を試み、通信が失敗した回数が所定の回数に達した場合、前記サーバ装置と通信することができないと判定する、付記1に記載の通信端末。
(付記3)前記通信制御部は、前記第1の通信部が前記第1の通信装置と無線通信中に、前記第2の通信装置を検出すると、前記第1の通信部から前記第2の通信部へ切り替えた後に前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができるか否かを判定し、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができる場合、前記第2の通信部に前記第2の通信装置と無線通信させ、前記サーバ装置と通信することができない場合、前記第1の通信部に切り替えて前記第1の通信装置と無線通信させる、付記1又は2に記載の通信端末。
(付記4)前記通信制御部は、前記第1の通信部が前記第1の通信装置と無線通信中に、前記第2の通信装置を検出すると、前記第2の通信部が前記第2の通信装置のWAN側通信回線を介して接続するサーバ装置と通信することができるか否かを判定し、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができる場合、前記第1の通信部から前記第2の通信部へ切り替えて前記第2の通信装置と無線通信させ、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができない場合、前記第1の通信部に前記第1の通信装置と無線通信させる、付記1又は2に記載の通信端末。
(付記5)前記第2の通信装置のWAN側回線を介して前記サーバ装置と通信することができなかった回数を管理する設定保存部をさらに備える、付記1乃至4のいずれか1項に記載の通信端末。
(付記6)前記通信制御部は、前記第2の通信装置のWAN側回線を介して前記サーバ装置と通信することができなかった回数が所定の回数に達した場合、前記第1の通信装置と無線通信中に、前記第2の通信装置を検出しても、前記第2の通信装置のWAN側通信回線を介して接続するサーバ装置と通信することができるか否かの判定を行わない、付記5に記載の通信端末。
(付記7)前記第1の無線通信回線は、通信事業者が管理するモバイルネットワークにおいて設定される通信回線であり、前記第2の無線通信回線は、無線LANにおいて設定される通信回線である、付記1乃至6のいずれか1項に記載の通信端末。
(付記8)前記通信制御部は、無線LAN通信回線を介して接続されているアクセスポイント装置のWAN側通信回線に接続されている前記サーバ装置と通信することができないと判定した場合、モバイルネットワークにおいて設定されている通信回線を介して前記アクセスポイント装置を管理する事業者へアクセスポイント装置の識別情報を送信する、付記7に記載の通信端末。
(付記9)第1の通信装置と、前記第1の通信装置と異なる第2の通信装置と、前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置のLAN側通信回線介して前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置と無線通信を行う通信端末と、を備え、前記通信端末は、前記第1の通信装置と無線通信中に、前記第2の通信装置を検出すると、前記第2の通信装置のWAN側通信回線を介して接続するサーバ装置と通信することができるか否かを判定し、前記サーバ装置と通信することができる場合、前記第2の通信装置と無線通信し、前記サーバ装置と通信することができない場合、前記第1の通信装置と無線通信する、通信システム。
(付記10)通信端末内の第1の通信部が第1の通信装置と無線通信中に、第2の通信装置を検出すると、通信端末内の第2の通信部が前記第2の通信装置のWAN側通信回線を介して接続するサーバ装置と通信することができるか否かを判定し、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができる場合、前記第2の通信部に前記第2の通信装置と無線通信させ、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができない場合、前記第1の通信部に前記第1の通信装置と無線通信させる、通信方法。
(付記11)通信端末内の第1の通信部が第1の通信装置と無線通信中に、第2の通信装置を検出すると、通信端末内の第2の通信部が前記第2の通信装置のWAN側通信回線を介して接続するサーバ装置と通信することができるか否かを判定し、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができる場合、前記第2の通信部に前記第2の通信装置と無線通信させ、前記第2の通信部が前記サーバ装置と通信することができない場合、前記第1の通信部に前記第1の通信装置と無線通信させることをコンピュータに実行させるプログラム。