(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6230139
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】信号接続装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/14 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
H05K1/14 H
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-527232(P2016-527232)
(86)(22)【出願日】2013年10月30日
(65)【公表番号】特表2016-535447(P2016-535447A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】CN2013086228
(87)【国際公開番号】WO2015061986
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2016年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲呂▼▲権▼
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 宗浪
(72)【発明者】
【氏名】▲賀▼ 国▲棟▼
(72)【発明者】
【氏名】彭 ▲ジン▼
【審査官】
原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第102354887(CN,A)
【文献】
実開平06−005140(JP,U)
【文献】
特開2000−323216(JP,A)
【文献】
特開2005−044501(JP,A)
【文献】
特開平09−162503(JP,A)
【文献】
米国特許第08406009(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(10)であって、前記基板(10)が上面(11)および前記上面(11)の反対面である下面(12)を有し、さらに前記基板(10)が、前記上面(11)で開口している第1の溝(13)と、前記第1の溝(13)の底面(130)で開口しかつ前記下面(12)を貫通する第1の貫通溝(14)と、前記第1の溝(13)の前記底面(130)で開口しかつ前記第1の貫通溝(14)の縁部に隣接した第2の溝(15)と、を有する基板(10)と、
導電性弾性片(30)であって、前記導電性弾性片(30)が第1の端部(31)、第2の端部(32)、および前記第1の端部(31)と前記第2の端部(32)との間に接続された湾曲部(33)を含み、かつ前記第1の端部(31)と前記第2の端部(32)とは同一平面上にあり、かつ導電性接着剤を用いることによって前記第2の溝(15)の底面(150)にしっかり貼着された、導電性弾性片(30)と、
前記基板(10)上に配置されかつ前記湾曲部(33)に当接した回路板(50)であって、前記回路板(50)が環状穴(55)で開口し、前記回路板(50)の前記環状穴(55)まで突出するように延在する部分が片持ち梁部(58)を形成し、かつ前記片持ち梁部(58)が第2の貫通溝(585)で開口している、回路板(50)と、
ねじ(70)であって、前記ねじ(70)が、前記第2の貫通溝(585)と前記第1の貫通溝(14)とを貫通し、かつ前記回路板(50)と接触する、ねじ(70)と、
を備え、
前記回路板(50)の片持ち梁部(58)の主部(581)が、前記ねじ(70)で固定され、かつ前記回路板(50)の片持ち梁部(58)の接続部(582)が、前記基板(10)の第2の溝(15)に収容された導電性弾性片(30)と当接する、信号接続装置(100)。
【請求項2】
前記片持ち梁部(58)は主部(581)と接続部(582)とを備え、前記主部(581)は前記接続部(582)を用いることによって前記回路板(50)の主部に接続され、かつ前記第2の貫通溝(585)は前記主部(581)で開口している、請求項1に記載の信号接続装置(100)。
【請求項3】
前記主部(581)は円筒形である、請求項2に記載の信号接続装置(100)。
【請求項4】
前記接続部(582)は直方体形状である、請求項2または3に記載の信号接続装置(100)。
【請求項5】
前記第2の貫通溝(585)の内壁は、前記ねじの雄ねじ山と合致する雌ねじ山で開口している、請求項2から4のいずれか一項に記載の信号接続装置(100)。
【請求項6】
前記第1の溝(13)は角穴である、請求項1から5のいずれか一項に記載の信号接続装置(100)。
【請求項7】
前記第2の溝(15)は角穴であり、かつ前記第2の溝(15)の幅は前記導電性弾性片(30)の幅と一致する、請求項1から6のいずれか一項に記載の信号接続装置(100)。
【請求項8】
前記第1の貫通溝(14)は丸穴である、請求項1から7のいずれか一項に記載の信号接続装置(100)。
【請求項9】
前記回路板(50)は、プリント回路板である、請求項1から8のいずれか一項に記載の信号接続装置(100)。
【請求項10】
前記導電性弾性片(30)は、リン青銅スズ製である、請求項1から9のいずれか一項に記載の信号接続装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術に関し、特に、信号接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のところ、無線周波数モジュールの統合が改善された無線通信ベースステーションシステムにおいて、無線周波数モジュール間で無線周波数信号を伝送するのに無線周波数ブラインドメイトコネクタ(例えば、MBXコネクタ)が広く用いられている。無線周波数コネクタは、比較的高いコストがかかり、そのために、製品で広く使用するにはかなり限界がある。
【0003】
上述のコストの問題を回避するために、近年では、低コストの相互接続技術が融合されており、この技術によれば、PCB(printed circuit board、プリント回路板)と無線周波数モジュールとを締結して、PCBと無線周波数モジュールとの間で信号を伝送するために、内部導体としてねじが使用される。プロジェクトの組立許容誤差を考慮すると、PCBとねじとのジョイントの周囲の溝を設計して、対応する構造部品(片持ち梁構造物)の下部をくぼませることで上下方向の許容誤差を吸収する必要がある。しかし、この設計は、ジョイントのグラウンドエフェクトに影響を及ぼし、グラウンド電気特性に与える影響が周波数の増加に伴ってより顕著になる。例えば、2.6Gより高い周波数の製品が使用される場合、無線周波数信号およびポート反射係数の損失が大幅に悪化し、全体として、ベースステーションシステムの係数条件を満たすことができない。
【0004】
本発明において、無線周波数グラウンドエフェクトを改善するための無線周波数相互接続装置を使用することにより、無線周波数信号接続装置の動作周波数は大幅に増加し、相互接続装置は、2.6Gより高い動作周波数の製品のシステム設計要件を満たすことができる。
【0005】
ハードリンク技術を使用した該無線周波数モジュールの個別検査にはPCB回路板が必要であり、接続は、
図1に示されている接続方法で行われる。
【0006】
図1に示されているように、PCB回路板21は貫通溝210で開口し、PCB回路板21の貫通溝210から延びて突出する構造物はPCB片持ち梁構造物22であり(貫通溝210はPCB片持ち梁構造物22を取り囲み)、PCB片持ち梁構造物22の末端部はねじ23で固定される。組立許容誤差がPCB片持ち梁構造物22の曲げをもたらすという問題を考慮すれば、一般的な方法は、PCB片持ち梁構造物22を延ばすことによってPCB回路板21への反力を低減するという方法である。
【0007】
しかし、
図1に示されている接続方法は、以下の問題を生じさせる。PCB片持ち梁構造物22が延ばされる(それに応じて、貫通溝210も延ばされる)際に、組立応力リスクは低減されるが、信号リターン電流
(return current)経
路Tは延ばされ、そのことにより、無線周波数信号伝送の質に影響を及ぼす。これは、高周波数信号を使用するのに必要な要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の態様の目的は、信号リターン電流経路を短くして、無線信号伝送の質を向上させる信号接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
基板であって、基板が上面および上面の反対面である下面を有し、さらに基板が、上面で開口している第1の溝と、第1の溝の底面で開口しかつ下面を貫通する第1の貫通溝と、第1の溝の底面で開口しかつ第1の貫通溝の縁部に隣接した第2の溝と、を有する、基板と、
導電性弾性片であって、導電性弾性片が第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に接続された湾曲部を含み、かつ第1の端部と第2の端部とは、同一平面上にあり、かつ導電性接着剤を用いることによって第2の溝の底面にしっかり貼着する、導電性弾性片と、
基板上に配置されかつ湾曲部に当接した回路板であって、
回路板が環状穴で開口し、回路板の環状穴まで突出するように延在する部分が片持ち梁部を形成し、かつ片持ち梁部が第2の貫通溝によって開口している、回路板と、
ねじであって、ねじが、第2の貫通溝と第1の貫通溝とを貫通し、かつ回路板と接触する、ねじと、
を含む、信号接続装置を提供する。
【0010】
第1の可能な実装方法では、回路板は、プリント回路板である。
【0011】
第2の可能な実装方法では、導電性弾性片は、例えば、リン青銅スズ製である。
【0012】
第3の可能な実装方法では、片持ち梁部は主部と接続部とを含み、片持ち梁部の主部は接続部を用いることによって回路板の主部に接続され、かつ第2の貫通溝は片持ち梁部の主部で開口している。
【0013】
第3の可能な実装方法に関連して、第4の可能な実装方法では、
片持ち梁部の主部は円筒形である。
【0014】
第3の可能な実装方法に関連して、第5の可能な実装方法では、接続部は直方体形状である。
【0015】
第3の可能な実装方法に関連して、第6の可能な実装方法では、第2の貫通溝の内壁は、ねじの雄ねじ山と合致する雌ねじ山で開口している。
【0016】
第7の可能な実装方法では、第1の溝は角穴である。
【0017】
第8の可能な実装方法では、第2の溝は角穴であり、かつ第2の溝の幅は導電性弾性片の幅と一致する。
【0018】
第9の可能な実装方法では、第1の貫通溝は丸穴である。
【0019】
従来技術と比較して、本発明の態様において提供される信号接続装置によれば、導電性弾性片は、基板上に溝を形成することによって設置され、かつ信号リターン電流経路は、装置が作動している時に導電性弾性片を用いることによって形成され、その結果、既存の無線周波数信号接続方法で生じる信号リターン電流経路を短くして、信号伝送の質を向上させるという目的を達成することできる。
【0020】
本発明の態様の技術的解決策をより詳細に説明するために、実施形態を説明するのに必要な添付図面について簡単に説明する。明らかに、以下に示されている添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を示したものに過ぎず、当業者は創造的な努力なしにこれらの添付図面から他の図面をさらに導き出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】従来技術における無線周波数信号接続方法の概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる信号接続装置の設置の概略構成図である。
【
図3】
図2に示された信号接続装置の基板の概略構成図である。
【
図4】
図2に示された信号接続装置の導電性弾性片の概略構成図である。
【
図5】
図4に示された導電性弾性片が
図3に示された基板上に設置された状態を示す概略構成図である。
【
図6】
図2に示された信号接続装置の回路板の概略構成図である。
【
図7】
図2に示された信号接続装置の信号リターン電流経路が組立図に示された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態の添付図面を参照しながら、本発明の実施形態における技術的解決策を明確にかつ完全に説明する。明らかに、説明されている実施形態は、本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、全ての実施形態を示すものではない。本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られた全ての他の実施形態は、本発明の保護範囲にあるものとする。
【0023】
図2を参照すると、本発明の一実施形態は、基板10と、導電性弾性片30と、回路板50と、ねじ70と、を含む信号接続装置100を提供する。
【0024】
さらに
図3を参照すると、基板10は、直方体の形状であり(しかし、基板は、直方体に限定されず、例えば、円形薄片の形状としてよい)、上面11および上面11の反対面である下面12を含む。この実施形態では、基板10は、上面11で開口している第1の溝13を有する。具体的には、第1の溝13は角穴であり、第1の溝13は底面130を有する。
【0025】
基板10は、第1の溝13の底面130で開口している第1の貫通溝14を有し、かつ第1の貫通溝14は、下面12を貫通する。この実施形態では、第1の貫通溝14は、丸穴としてよい(図
3は、丸穴の円弧部分、すなわち、縁部140のみを示している)。さらに、この実施形態では、基板10は、第1の溝13の底面130で開口している第2の溝15を有する。この実施形態では、第2の溝15は、第1の貫通溝14の縁部140に隣接しているが、第1の貫通溝14を貫通しない。また、第2の溝15も角穴である。
【0026】
さらに
図4を参照すると、導電性弾性片30は、第1の端部31と、第2の端部32と、湾曲部33と、を含む。第1の端部31および第2の端部32は、同一平面上にある。湾曲部33は、第1の端部31と第2の端部32との間に接続され、かつ湾曲部33は、第1の端部31および第2の端部32が位置する面から突出している。この実施形態では、導電性弾性片30は、リン青銅スズ製であり、かつ導電性に優れている。他の修正された実装方法では、導電性弾性片30は、導電性に優れた他の材料製にしてもよく、これは特定の実施形態に限定されない。
【0027】
図5に示されているように、第1の端部31および第2の端部32は、同一平面上にあって、導電性接着剤を用いることによって第2の溝15の底面150にしっかり貼着し、かつ第2の溝15の幅は導電性弾性片30の幅と一致するので、導電性弾性片30は第2の溝15内にしっかりと貼着される。
【0028】
図2および
図6を参照すると、回路板50は、長方形板としてよく、かつ環状穴55で開口している。この実施形態では、回路板50の環状穴55まで突出するように延在する部分が、片持ち梁部58を形成する。
【0029】
図6に示されているように、回路板50は基板10と合致し、回路板50は基板10上に設置され、さらに湾曲部33に当接する。
【0030】
他の修正された実装方法では、回路板50および基板10は他の形状(例えば、円筒形)にしてもよく、すなわち、回路板50および基板10の形状は、実際の使用条件に応じて決められてよく、特定の実施形態に限定されないことは理解できるであろう。
【0031】
この実施形態では、片持ち梁部58は、主部581と接続部582とを含み、主部581は略円筒形であり、接続部582は略直方体形状であり、かつ主部581は接続部582を用いることによって回路板50の主部に接続されている。
【0032】
片持ち梁部58の主部581は、第2の貫通溝585で開口している。この実施形態では、第2の貫通溝585は丸穴の貫通溝としてよい。
【0033】
さらに図
2を参照すると、ねじ70は第2の貫通溝585と第1の貫通溝14とを貫通する。この実施形態では、ねじ70の雄ねじ山が第2の貫通溝585の雌ねじ山と係合され、そのことにより、ねじ70は回路板50に締結され、かつ回路板50と接触することができる。
【0034】
本発明のこの実施形態で提供された信号接続装置100によれば、導電性弾性片30は、基板10上に第1の溝13と第2の溝15とを形成することによって設置され、かつ信号リターン電流経路T1は、装置が作動している時に導電性弾性片30を使用することによって形成され、その結果、既存の信号接続装置内に生じる信号リターン電流経路を短くすることができ、信号伝送の質を効率的に向上させることができる。
【0035】
比較のために
図7および
図1を参照すると、従来技術において提供された無線周波数信号接続方法の信号リターン電流経路Tに比べて、本発明のこの実施形態で提供された信号接続装置100の信号リターン電流経路T1の長さは明らかに短く、しかもそれに応じて、信号伝送の質も明らかに向上されている。
【0036】
さらに、導電性弾性片30は、導電性と弾性の2つの性質を有し、これは信号を伝送することができるだけでなく、組立応力リスクを効果的に低減するためにPCB回路板50の第2の溝15内で機械的に変形することもできる。
【0037】
信号伝送の質を保証するために導電性弾性片30が確実に第1の貫通溝14の縁部140に隣接するように、導電性弾性片30を収容するために第2の溝15が回路板50で開口していることが理解できるであろう。
【0038】
さらに、導電性弾性片および導電性接着剤は、入手しやすく、低コストである業界において一般的な材料であり、信号接続装置100全体は、構造的に手軽に設置することができ、操作しやすく、ねじを用いることによって強固に接続され、3.5G高周波信号伝送で広く使用される。
【0039】
最後に、上述の実施形態は、単に本発明の技術的解決策を説明するために示されたものであって、本発明を制限するものではないことに留意されたい。本発明は上述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、上述の実施形態で説明された技術的解決策にさらに修正を加えてよい、または上述の技術的解決策のいくつかの技術的特徴に対して同等の置換を行ってよいが、これらの修正または置換において、対応する技術的解決策の本質が本発明の実施形態の技術的解決策の精神および範囲から逸脱しないことは理解しなければならない。
【符号の説明】
【0040】
10 基板
11 上面
12 下面
13 第1の溝
14 第1の貫通溝
15 第2の溝
21 PCB回路板
22 PCB片持ち梁構造物
23 ねじ
30 導電性弾性片
31 第1の端部
32 第2の端部
33 湾曲部
50 回路板
55 環状穴
58 片持ち梁部
70 ねじ
100 信号接続装置
130 底面
140 縁部
150 底面
210 貫通溝
581 主部
582 接続部
585 第2の貫通溝
T 信号リターン電流経路
T1 信号リターン電流経路