特許第6230167号(P6230167)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6230167局所測定を用いた試料の特徴付けのための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6230167
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】局所測定を用いた試料の特徴付けのための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20171106BHJP
   G02B 21/36 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   G01B11/00 H
   G02B21/36
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-523600(P2015-523600)
(86)(22)【出願日】2013年7月25日
(65)【公表番号】特表2015-531060(P2015-531060A)
(43)【公表日】2015年10月29日
(86)【国際出願番号】FR2013051802
(87)【国際公開番号】WO2014016526
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2016年5月10日
(31)【優先権主張番号】1257331
(32)【優先日】2012年7月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】504458736
【氏名又は名称】オリバ ジョビン イボン エス. アー. エス.
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100086265
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100076451
【弁理士】
【氏名又は名称】三嶋 景治
(72)【発明者】
【氏名】アシェール オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ポドゾロヴ アレクサンデル
【審査官】 荒井 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−112570(JP,A)
【文献】 特開平03−040356(JP,A)
【文献】 特開2009−181340(JP,A)
【文献】 特開平10−185765(JP,A)
【文献】 特開平07−183642(JP,A)
【文献】 特開平05−296739(JP,A)
【文献】 特表2012−504060(JP,A)
【文献】 特開平11−342600(JP,A)
【文献】 米国特許第05117110(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 9/00− 9/10
G01B 11/00−11/30
G02B 21/06−21/36
G01Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料(11)を特徴付けするための装置(1、10、110、210)であって、
−前記試料(11)の一点において該試料(11)の物理特性を決定するようなっている測定器(2、20、120、220)と、
−前記試料(11)の1つの局所測定点において、特徴付けされる前記試料(11)に対して前記測定器(2、20、120、220)を位置決めするようになっている位置決めシステム(3、30、230)と、
を含み、前記位置決めシステム(3、30、230)は、
−前記試料(11)にリンクした座標系を定める、前記試料(11)と一体にされた局所化ターゲット(31)であって、該局所化ターゲット(31)は、規則的な二次元モザイクを形成する複数の基本セル(3101)で形成され、基本セル(3101)の各々は、4つの互いに異なるサブセル(3101A、3101B、3101C及び3101D)に分割され、前記基本セル(3101)の各々は、
−前記試料(11)にリンクした前記座標系における前記基本セル(3101)の位置を示す位置決めパターン(3101A2)と、
−前記試料(11)にリンクした前記座標系における前記基本セル(3101)の配向を示す配向パターン(3101A1)と、
−2つのサブセル(3101B、3101C)において、黒と白の正方形(3101B1、3101C1、3101B2及び3101C2)を持つチェッカー盤構造を形成する周期的パターンと
を含む、局所化ターゲット(31)と、
−画像取得および解析手段であって
−前記局所化ターゲット(31)を照明する手段(321)と、
−前記測定器(2、20、120、220)と一体であり、少なくとも1つの基本セル(3101)を含む前記局所化ターゲット(31)の少なくとも1つの部分画像(31P)を取得するようになっている、光学画像化システム(322)と、
−前記局所化ターゲット(31)の前記部分画像(31P)を解析して、チェッカー盤構造を持つ前記2つのサブセル(3101B、3101C)により、サブピクセル位置決め精度を有する、前記局所化ターゲット(31)に対する前記光学画像化システム(322)の位置及び配向を決定するようになっている画像解析手段(33)と、
を含む、画像取得及び解析手段と、
−前記光学画像化システム(322)に対する前記測定器(2、20、120、220)の相対位置を決定するようになっている較正手段(34、34A)と、
−前記試料(11)にリンクした前記座標系における前記局所測定点の絶対位置を決定するようになっている、前記画像解析結果及び前記較正結果を処理するための手段(13)と
を含み、
前記測定器(2、20、120、220)は、前記局所測定点における測定のために位置決めされ、前記試料(11)の前記物理特性は、前記局所測定点において前記測定器(2、20、120、220)によって決定される、
ことを特徴とする装置(1、10、110、210)。
【請求項2】
前記試料(11)の一点において該試料(11)のの物理特性を決定するようになっているの測定器(120)を含む請求項1に記載の特徴付け装置(110)であって、前記位置決めシステム(30)は、前記試料(11)の第2の局所測定点において該試料(11)に対して前記他の測定器(120)を位置決めするようになっており、前記光学画像化システム(322)はまた、前記他の測定器(120)とも一体であり、前記位置決めシステム(30)の前記較正手段(34、34A)は、前記光学画像化システム(322)に対する前記測定器(120)の相対位置を決定するようになっており、前記結果処理手段(13)は、前記試料(11)にリンクした前記座標系における前記第2の局所測定点の絶対位置を決定するようになっており、前記試料(11)の前記他の物理特性は、前記第2の測定点において前記他の測定器(120)によって決定されることを特徴とする、請求項1に記載の特徴付け装置(10)。
【請求項3】
前記試料(11)の一点において該試料(11)のの物理特性を決定するようになっているの測定器(220)を含む請求項1に記載の特徴付け装置(210)であって、前記位置決めシステム(230)は、前記試料(11)の第2の局所測定点において該試料(11)に対して前記他の測定器(220)を位置決めするようになっており、前記局所化ターゲット(31)の少なくとも1つの部分のの画像を取得するようになっている、前記他の測定器(220)と一体のの光学画像化システム(2322)を含み、前記画像解析手段(233)は、前記局所化ターゲット(31)の前記部分の前記他の画像を解析して、前記局所化ターゲット(31)に対する前記他の光学画像化システム(2322)の位置及び配向を決定するようになっており、前記位置決めシステム(230)の前記較正手段(34、34A)は、前記他の光学画像化システム(2322)に対する前記他の測定器(220)の相対位置を決定するようになっており、前記結果処理手段(13)は、前記試料(11)にリンクした前記座標系における前記第2の局所測定点の絶対位置を決定するようになっており、前記試料(11)の前記他の物理特性は、前記第2の測定点において前記他の測定器(220)によって決定されることを特徴とする、請求項1に記載の特徴付け装置(210)。
【請求項4】
前記試料(11)の一点において該試料(11)のの物理特性を決定するようになっているの測定器(220)を含む請求項1に記載の特徴付け装置(210)であって、前記位置決めシステム(230)は、前記試料(11)の第2の局所測定点において該試料(11)に対して前記他の測定器(220)を位置決めするようになっており、
−前記局所化ターゲット(31)の少なくとも1つの部分のの画像を取得するようになっている、前記他の測定器(220)と一体のの光学画像化システム(2322)を含み、前記画像解析手段(233)は、前記局所化ターゲット(31)の前記部分の前記他の画像を解析して、前記局所化ターゲット(31)に対する前記他の光学画像化システム(2322)の位置及び配向を決定するようになっており、前記位置決めシステムはさらに、
−前記他の光学画像化システム(2322)に対する前記他の測定器(220)の相対位置を決定するようになっている他の較正手段を含み、
前記結果処理手段(13)は、前記試料(11)にリンクした前記座標系における前記第2の局所測定点の絶対位置を決定するようになっており、前記試料(11)の前記他の物理特性は、前記第2の測定点において前記他の測定器(220)によって決定される
ことを特徴とする、請求項1に記載の特徴付け装置(210)。
【請求項5】
前記局所化ターゲット(31)は、機械的技法若しくはフォトリソグラフィ技法で前記試料(11)の上又は中に食刻されるか、又はインキング若しくはセリグラフィで前記試料(11)上に印刷されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の特徴付け装置(1、10、110、210)。
【請求項6】
前記局所化ターゲット(31)は、前記試料(11)に取り付けられる可撓性又は剛性の支持体を含み、前記支持体を前記試料(11)と一体にすることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の特徴付け装置(1、10、110、210)。
【請求項7】
前記局所化ターゲット(31)は、マイクロ又はナノ構造パターンを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の特徴付け装置(1、10、110、210)。
【請求項8】
第1の面(11A)及び第2の面(11B)を含む実質的に平面的な試料(11)のための特徴付け装置(10、110)であって、
−前記測定器(20、120)は、光学顕微鏡が透過モードで用いられる場合に集光器を受け入れることを意図した場所を備えた光学顕微鏡を含み、
−次に、前記局所化ターゲット(31)は、前記試料(11)の前記第2の面(11B)と一体にされ、前記局所測定点は、前記試料(11)の前記第1の面(11A)上に位置し、
−前記光学画像化システム(322)は、前記集光器の場所に配置される
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の特徴付け装置(10、110)。
【請求項9】
試料(11)を、前記試料(11)の一点において物理特性を決定するようになっている測定器(2、20、120、220)によって特徴付けるための方法であって、
a)前記測定器(2、20、120、220)と一体の光学画像化システム(322、2322)に対する前記測定器(2、20、120、220)の相対位置を決定するステップと、
b)特徴付けされる前記試料(11)を、前記試料(11)の少なくとも1つの局所測定点において前記測定器(2、20、120、220)によって測定されるような条件で配置するステップであって、局所化ターゲット(31)が前記試料(11)と一体にされ、前記局所化ターゲット(31)が前記試料(11)にリンクした座標系を定め、規則的な二次元モザイクを形成する複数の基本セル(3101)で形成され、基本セル(3101)の各々は、4つの互いに異なるサブセル(3101A、3101B、3101C及び3101D)に分割され、また、前記基本セル(3101)の各々は、
−前記試料(11)にリンクした前記座標系における前記基本セル(3101)の位置を示す位置決めパターン(3101A2)と、
−前記試料(11)にリンクした前記座標系における前記基本セル(3101)の配向を示す配向パターン(3101A1)と、
−2つのサブセル(3101B、3101C)において、黒と白の正方形(3101B1、3101C1、3101B2及び3101C2)を持つチェッカー盤構造を形成する周期的パターンと
を含む、ステップと、
c)前記局所化ターゲット(31)を照明し、前記光学画像化システム(322、2322)によって少なくとも1つの基本セル(3101)を含む前記局所化ターゲット(31)の少なくとも1つの部分画像(31P)を取得するステップと、
d)前記局所化ターゲット(31)の前記部分画像(31P)の解析から、前記局所化ターゲット(31)に対する前記光学画像化システム(322、2322)の位置及び配向を決定するステップと、
e)前記測定器(2、20、120、220)が測定のために前記局所測定点に位置決めされたときに、前記試料(11)にリンクした前記座標系における前記局所測定点の絶対位置をステップa)及びステップd)から推定して、前記局所測定点における前記試料(11)の前記物理特性を前記測定器(2、20、120、220)によって決定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の物理特性を測定することを意図した特徴付け装置に関する。
本発明は、より詳細には、少なくとも、測定器と、該測定器を試料に対して絶対的に位置決めすることを可能にする位置決めシステムとを含む、特徴付け装置に関する。
本発明はまた、2つの測定器を含み、2つの測定器によって、位置決めシステムが試料上で共局在化測定を行うことを可能にする特徴付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノテクノロジーの発達に伴い、ナノメートルスケールで、多様な構成要素の製造、操作及び経時変化を制御するために、非常に正確な測定を行う能力が必須になってきている。そのとき頻発する問題は、異なる測定器を用いて又は異なる時点で行われる測定の「共局在化(co−localiation)」である。
【0003】
測定の共局在化とは、異なる測定を試料の同じ場所で行う可能性を意味する。
測定の共局在化は、一方で、高度な空間的精度を必要とし、すなわち測定器は、時間的に厳密な測定中に、特徴付けされる試料に対して非常に正確に位置決めされなければならない。
他方で、これは高い測定繰返し精度を必要とする。実際、異なる場面で同じ測定を行うこと、及び、安定な試料について同じ結果を得ることができることが必須である。
【0004】
計測学分野において、試料特徴付け装置は、この試料の物理特性を該試料の一点で決定するのに適した測定器を含むことが知られている。
かかる特徴付け装置を用いるときには、試料を測定器に対して正確に位置付けして、試料の特定の一点で測定が行われるようにすることが有用である。
【0005】
例えば特許文献1から、試料の1つの局所測定点(localized measurement point)において特徴付けされる試料に対して測定器を位置決めすることを可能にする位置決めシステムをさらに含む、特徴付け装置が公知である。特許文献1の位置決めシステムは、具体的には、試料がその上に配置される試料キャリアプレートを備えており、このプレートを正確かつ繰返し可能な方式で変位させる案内手段が設けられる。これは、試料がキャリアプレートと一体にされている場合で、かつ2回の測定間に試料を扱うことがない場合には、2回の測定を2つの実質的に同一の測定点で行うことを可能にする。
しかし、特許文献1の位置決めシステムは、試料に対する測定器の位置を正確に知ること、すなわち測定器を試料に対して絶対的に位置決めすることを可能にしない。
【0006】
さらに、特許文献2から、特徴付けされる試料の所定の点の上に測定器を正確に位置決めすることを可能にする位置決めシステムを含む、特徴付け装置が公知である。
特許文献2は、1回目に、この文献では光学顕微鏡で形成された位置決めシステムを用い、2回目に走査トンネル顕微鏡を含む測定器を用いる特徴付け装置を開示する。従って、位置決め操作と測定操作は同時には行われない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7630628号明細書
【特許文献2】米国特許第5177110号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的の1つは、多様な測定器に関してナノメートルスケールでの測定を共局在化し、それにより、試料のマルチモード方式での特徴付けを行うこと、すなわち試料を異なる技法で解析することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の従来技術の問題点を解消するために、本発明は、試料に対する測定器の絶対的な位置決めを可能にする、試料の特徴付けのための装置を提示する。
【0010】
この目的のため、本発明は、試料を特徴付けするための装置であって、
−試料の一点において該試料の物理特性を決定するようなっている測定器と、
−試料の1つの局所測定点において、特徴付けされる前記試料に対して測定器を位置決めするようになっている位置決めシステムと、
を含み、位置決めシステムは、
−試料にリンクした座標系を定める、試料と一体にされた局所化ターゲットと、
−画像取得及び解析手段であって、
−局所化ターゲットを照明する手段と、
−測定器と一体であり、局所化ターゲットの少なくとも1つの部分画像を取得するようになっている、光学画像化システムと、
−局所化ターゲットの部分画像を解析して、局所化ターゲットに対する光学画像化システムの位置及び配向を決定するようになっている画像解析手段と、
を含む、画像取得及び解析手段と、
−光学画像化システムに対する測定器の相対位置を決定するようになっている較正手段と、
−試料にリンクした座標系における局所測定点の絶対位置を決定するようになっている、画像解析結果及び較正結果を処理するための手段と
を含み、
測定器は、局所測定点における測定のために位置決めされ、試料の物理特性は、局所測定点において測定器によって決定されることを特徴とする装置に関する。
【0011】
従って、本発明の特徴付け装置は、その位置決めシステムにより、試料にリンクした座標系における試料の局所測定点の位置を検出することを可能にする。
【0012】
実際、位置決めシステムの画像取得及び解析手段による少なくとも局所化ターゲットの部分画像の取得及び解析は、試料と一体にされた局所化ターゲットに対する、従って試料に対する、光学画像化システムの位置及び配向を正確に知ることを可能にする。
【0013】
較正手段により、光学画像化システムに対する測定器の相対位置、すなわち光学画像化システムにリンクした座標系における測定器の相対位置をさらに決定することにより、位置決めシステムは、測定器を局所測定点における測定のために位置決めしたときに、試料にリンクした座標系における局所測定点の絶対位置を決定することができる。
【0014】
本発明による特徴付け装置により、特徴付けされる試料のみならず局所化ターゲットも、局所測定点の位置が位置決めシステムによって決定される時点と、測定器によって試料の測定が行われる時点との間で、動かされることはない。従って位置決め操作と試料測定操作が同時に行われる。
【0015】
位置決めシステムは、局所化ターゲットの対応する位置を読み取ることにより、試料の任意の局所測定点に測定器を位置決めすることを可能にする。従って、特徴付け装置は、特徴付けされる試料の一部又は全体の正確な地図作成(cartography)を行うことが可能になる。
【0016】
さらに、本発明による特徴付け装置は、たとえ2回の連続する測定の間に試料を測定器に対して変位させたとしても、測定器が試料に対して時間を空けた2回の測定を同じ局所測定点で行うことを可能にする。
【0017】
本発明による特徴付け装置は、より具体的には、同じ試料を、同じ局所測定点で測定を行うか又は2つの別個の局所測定点で測定を行う、2つの異なる測定器によって特徴付けすることが望まれる場合に適合している。
【0018】
従って、本発明はまた、
−試料の一点において該試料の別の物理特性を決定するようになっている別の測定器を含む特徴付け装置であって、位置決めシステムは、試料の第2の局所測定点において該試料に対して他の測定器を位置決めするようになっており、光学画像化システムはまた、他の測定器とも一体であり、位置決めシステムの較正手段は、光学画像化システムに対する他の測定器の相対位置を決定するようになっており、結果処理手段は、試料にリンクした座標系における第2の局所測定点の絶対位置を決定するようになっており、試料の他の物理特性は、第2の測定点において他の測定器によって決定される、特徴付け装置、
−試料の一点において該試料の別の物理特性を決定するようになっている別の測定器を含む特徴付け装置であって、位置決めシステムは、試料の第2の局所測定点において該試料に対して他の測定器を位置決めするようになっており、該特徴付け装置は、局所化ターゲットの少なくとも1つの部分の別の画像を取得するようになっている、他の測定器と一体の別の光学画像化システムを含み、画像解析手段は、局所化ターゲットの部分の他の画像を解析して、局所化ターゲットに対する他の光学画像化システムの位置及び配向を決定するようになっており、位置決めシステムの較正手段は、他の光学画像化システムに対する他の測定器の相対位置を決定するようになっており、結果処理手段は、試料にリンクした座標系における第2の局所測定点の絶対位置を決定するようになっており、試料の他の物理特性は、第2の測定点において他の測定器によって決定される、特徴付け装置、及び
−試料の一点において該試料の別の物理特性を決定するようになっている別の測定器を含む特徴付け装置であって、位置決めシステムは、試料の第2の局所測定点において該試料に対して他の測定器を位置決めするようになっており、
−局所化ターゲットの少なくとも1つの部分の別の画像を取得するようになっている、他の測定器と一体の別の光学画像化システムを含み、画像解析手段は、局所化ターゲットの部分の他の画像を解析して、局所化ターゲットに対する他の光学画像化システムの位置及び配向を決定するようになっており、位置決めシステムはさらに、
−他の光学画像化システムに対する他の測定器の相対位置を決定するようになっている他の較正手段を含み、
結果処理手段は、試料にリンクした座標系における第2の局所測定点の絶対位置を決定するようになっており、試料の他の物理特性は、第2の測定点において他の測定器によって決定される、特徴付け装置、
に関する。
【0019】
従って、この特徴付け装置は、有利には、多くの測定器を互いに順応させることを可能にする位置決めシステムを提供しなければならない。
かかる特徴付け装置を用いて、異なる測定器で、空間的及び/又は時間的に分離した、試料上の同じ場所又は別個の場所における相互局所測定を行うことができる。
従って、この特徴付け装置は、異なる測定器に実装された事実上異なる測定技法を結び付けることを可能にする。このことは、試料に対してマルチモードの研究を行う要求を満たす。
【0020】
さらに、特徴付け装置は、特に、局所測定点の周りを実質的に中心とする拡張された領域上での試料の物理特性を単一測定の間に決定する測定器を含むことができる。
【0021】
上記のような特徴付け装置において使用することができる測定器の中でも、例えば以下の測定器を挙げることができる。
−可視、紫外及び赤外領域における、広視野又はレーザ走査型(共焦点顕微鏡)、コントラスト吸収型、反射型、弾性散乱型又はラマン型、位相型、干渉型、偏光型又は蛍光型デジタル光学顕微鏡、
−局部プローブ顕微鏡(例えば、原子間力顕微鏡)、
−走査型、透過型又は走査型透過電子顕微鏡、オージェ分光光度計、X線光電子分光光度計、
−機械式プロフィルメータ、
−表面プラズモン共鳴イメージングシステム、
−質量分光光度計
−X線吸収又は蛍光分光光度計
−陰極線ルミネセンス分光光度計。
【0022】
さらに、特徴付け装置の他の有利で非限定的な特徴は、以下の通りである。
−局所化ターゲットは、機械的技法若しくはフォトリソグラフィ技法で試料の上又は中に食刻されるか、又はインキング若しくはセリグラフィで試料上に印刷される。
−局所化ターゲットは、試料に取り付けられる可撓性又は剛性の支持体を含み、支持体を試料と一体にする。
−局所化ターゲットは、接着シートで形成される。
−局所化ターゲットは、第1の面及び第2の面を含む試料の第2の面と一体にされ、局所測定点は、試料の第1の面上に位置する。
−局所化ターゲットは、測定器によって特徴付けされることが意図された試料の測定領域よりも広い局所化領域を空間的に覆って拡がる。
−局所化ターゲットは、試料の第2の面全体を覆って拡がる。
−局所化ターゲットは、試料と同時に製造される。
−局所化ターゲットは、マイクロ又はナノ構造パターンを含む。
−局所化ターゲットは、規則的な二次元ペーブメントを形成する複数の基本セルで形成される。
−各基本セルは、試料にリンクした座標系における基本セルの位置を示す位置決めパターンと、試料にリンクした座標系における基本セルの配向を示す配向パターンとを含む。
−各基本セルは、試料に対する基本セルの位置決め精度を高めることを可能にする周期的パターンを含む。
−各基本セルは、試料及び/又は局所化ターゲットに関する情報をコード化する識別パターンを含む。
−識別パターンは、基本セルの各々について同一である。
−光学画像化システムは、局所化ターゲットの部分画像が周期的パターンの画像を含むように配置される。
−光学画像化システムは、局所化ターゲットの部分画像が識別パターンの画像を含むように配置される。
【0023】
マイクロ又はナノ構造パターンを有する局所化ターゲットの使用は、0.1マイクロメートル(μm)を下回る、試料に対する測定器の位置決め精度を達成することを可能にする。これは、特に、例えばラマン顕微分光光度計、原子間力顕微鏡又は電子顕微鏡型の測定器には特に有利である。
【0024】
本発明は、特に、第1の面及び第2の面を含む実質的に平面的な試料を特徴付けするための装置であって、
−測定器は、光学顕微鏡が透過モードで用いられる場合に集光器を受け入れることを意図した場所を備えた光学顕微鏡を含み、
−局所化ターゲットは、試料の第2の面と一体にされ、局所測定点は、試料の第1の面上に位置し、
−光学画像化システムは、集光器の場所に配置される、
装置に関する。
【0025】
本発明は、最後に、試料を、該試料の一点において物理特性を決定するようになっている測定器によって特徴付けるための方法であって、
a)測定器と一体の光学画像化システムに対する該測定器の相対位置を決定するステップ、
b)特徴付けされる試料を、該試料の少なくとも1つの局所測定点において測定器によって測定されるような条件で配置するステップであって、局所化ターゲットが試料と一体にされ、該局所化ターゲットが試料にリンクした座標系を定める、ステップ、
c)局所化ターゲットを照明し、光学画像化システムによって局所化ターゲットの少なくとも1つの部分画像を取得するステップ、
d)局所化ターゲットの部分画像の解析から、局所化ターゲットに対する光学画像化システムの位置及び配向を決定するステップ、及び
e)測定器が測定のために局所測定点に位置決めされたときに、試料にリンクした座標系における局所測定点の絶対位置をステップa)及びステップd)から推定して、局所測定点における試料の物理特性を測定器によって決定するステップ
から成るステップを含む、方法に関する。
【0026】
本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】測定器及び位置決めシステムを含む特徴付け装置の概略図である。
図2】測定器として光学顕微鏡を含む特徴付け装置の第1の実施形態の概略図である。
図3】試料にラベルとして添付される局所化ターゲットの構造の概略図を示す。
図4】基本セルの規則的配置を有する局所化ターゲットをその下面に含む、試料の概略図である。
図5】マイクロ構造パターンを含む、図4の4つの基本セルの詳細図である。
図6図5の基本セルの概略図である。
図7図6の基本セルの概略図であり、何らかの情報がこの基本セルの2つの領域内にどのようにコード化されるかを示す。
図8図6の基本セルの詳細図である。
図9】光学画像化システム及び照明手段を含むターゲット画像化システムの概略図である。
図10】検出器アレイ、及び関連した画像座標系の概略図である。
図11】一部分が図10の検出器アレイによって取得された、図4の局所化ターゲットの画像の概略図である。
図12】検出器アレイ、及び局所化ターゲットの部分画像を示す、図11の詳細図である。
図13】幾つかの基本セルの画像、並びに検出器アレイの座標系及び局所化ターゲットの座標系を示す、図12の詳細図である。
図14】特徴付け装置の較正ステップの際に用いることができる較正ターゲットの一例の概略図を示す。
図15】較正ステップの際の図1の特徴付け装置の概略図を示す。
図16】2つのレンズを装備した光学顕微鏡を含む特徴付け装置の第2の実施形態の概略図である。
図17】原子間力顕微鏡及び光学顕微鏡を含む特徴付け装置の第3の実施形態の概略図略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、測定器2及び位置決めシステム3を含む特徴付け装置1の概略図を示す。図1の特徴付け装置1は、装置内に配置された試料11を特徴付けする役割を果たす。
測定器2は、試料11の物理特性を該試料の一点において決定することを可能にする。
位置決めシステム3は、測定される試料11に対して測定器2を位置決めすることを可能にし、測定器2は、試料11の1つの局所測定点における物理特性の測定を行う。
【0029】
図1の特徴付け装置1はまた、試料11にリンクした座標系における局所測定点の絶対位置を、測定器2及び位置決めシステム3から受け取った情報に基づいて推定する、画像解析結果及び較正結果を処理するための手段13を含む。それゆえ、試料11の物理特性が、測定器2によって局所測定点において決定される。
【0030】
図2図16及び図17に、試料11の特徴付けを意図した異なる実施形態の特徴付け装置10、110、210を示す。
【0031】
この試料11は、超小形電子回路が食刻された注目領域11Cを有する一片のシリコンウェハから成る。
試料11は、実質的に平面であり、第1の面11A及び第2の面11Bを有する。
以後、第1の面11Aを上面と呼び、第2の面11Bを下面と呼ぶ。
上面11Aは、異なる特徴付け装置10、110、210によって行われる測定が行われる、試料11の面である。
【0032】
試料11は、正方形であり、幅50ミリメートル(mm)及び長さ50mmを有する。その厚さは、ここでは275マイクロメートル(μm)に等しいものとする。
試料11の上面11A上の注目領域11Cに食刻された超小形電子回路は、数百ナノメートル(1nm=10−3マイクロメートル)のオーダーの特有のサイズを有する。
【0033】
図2図16及び図17の特徴付け装置10、110、210はそれぞれ、各々が同じ位置決めシステム30を含む。
位置決めシステム30は、第一に局所化ターゲット31を含み、これもまた実質的に平面である。局所化ターゲット31は、具体的には、試料11に取り付けられて局所化ターゲット31を試料11と一体にする、接着シートの形態の可撓性支持体を含む。一体とは、局所化ターゲット31が、試料11の特徴付けの間、該試料に対して動かないことを意味する。
【0034】
有利には、局所化ターゲット31は、数ヶ月から数年のオーダーの時間スケールで安定な寸法特性及び物理特性を有する。局所化ターゲット31は、実験室条件下での温度及び湿度変動の影響に対して耐性があり、高真空条件に耐えることが好ましい。
【0035】
変形例として、位置決めシステムは、例えば、上面及び下面を有する実質的に平面的な試料キャリアを含むことができる。この場合、試料は、試料キャリアの上面に固定することができ、局所化ターゲットは、その下面に固定することができる。
【0036】
局所化ターゲット31は、試料11の下面11Bに固定される接着ラベルの形態である。
図3は、試料11に付着する前の接着ラベル内に含まれる様々な層を有する、局所化ターゲット31の断面構造の略図を示す。
接着ラベルは、5つの層31A、31B、31C、31D及び31Eを含み、その全厚は、ここでは200μm未満である。
【0037】
第1の層31Aは、接着層で形成された第2の層31Bのための保護フィルムで形成される。局所化ターゲット31を試料11に付着する際に、接着層31Bを試料11の下面11Bに押し付けて貼付することができるように保護フィルム31Aが除去される。第2の層31Bを用いて、局所化ターゲット31をガラス、金属、プラスチック、結晶、半導体又はセラミックといった多くの支持体上に付着することができる。接着層31Bの接着力は、特徴付け装置10、110、210による試料11の特徴付けの全工程の間、局所化ターゲット31が試料11から剥がれないようなものとする。
【0038】
第3の層31Cは、可視領域の光を光学的に遮蔽する不透明層である。この遮蔽層31Cは、光を吸収すること又は反射することのいずれかによって、光が局所化ターゲット31を通過することを防止する。
【0039】
第4の層31Dは、パターンを含む層であり、何らかの情報を局所化ターゲット31内にコード化することを可能にする光学的コントラストを有する層である。この光学的コントラスト層31D内のパターンの配置は、後述する。
【0040】
第5の、最後の層31Eは、光学的コントラスト層31Dの保護層である。これは、局所化ターゲット31を試料11の下面11Bに貼付している間、第4の層31Dを保護することを可能にする。この第5の層31Eは、第4の層31Dが光学的コントラストを有する波長範囲において光学的に透明であり、そのことにより、光学的コントラスト層31Dは最後の層31Eを通して観察したときに可視である。
第5の層31Eは、ここでは可視領域の光に対して光学的に透明であるものとする。
【0041】
変形例として、局所化ターゲットは、機械的技法又はフォトリソグラフィ技法によって試料の上又は中に食刻することができる。
別の変形例として、局所化ターゲットは、インキング又はセリグラフィで試料上に印刷することができる。
変形例として、局所化ターゲットは、ガラス製の顕微鏡スライドであり、その上にフォトリソグラフィでパターンが作られ、試料はスライド上に貼り付けられ及び/又は付着される。
【0042】
図4には、試料11の下面11B並びにその上に付着した局所化ターゲット31を表した試料11の模式的な底面図を示す。局所化ターゲット31は、試料11の下面11Bの主要部を覆って広がっている。
有利には、局所化ターゲット31は、測定器10、110、210によって特徴付けされることが意図された試料11の測定領域を構成する注目領域11Cよりも広い局所化領域を空間的に覆って広がる。
変形例として、局所化ターゲットは、例えば、試料の下面全体を覆って広がることができる。
【0043】
本発明の全ての実施形態において、局所化ターゲット31は、マイクロ又はナノ構造パターンを有するマイクロ又はナノスケールでの横方向パターン付けを含む。これらのパターンは、上述の光学的コントラスト層31Dのパターンに対応する。
従って、局所化ターゲット31は、ここでは、局所化ターゲット31の平面内に規則的な二次元ペーブメントを形成する複数の基本セル310で形成される。従って、基本セル310は、ここでは図4において互いに直交する軸Xmire及びYmireによって表される2つの直交する方向11X、11Yに沿って周期的に分布する。
さらに、局所化ターゲット31の左上隅に配置された点31R(図4参照)を考える。この点31Rは、局所化ターゲット31の固定基準点を構成し、これは試料11と一体になっている。この基準点31Rは、従って、試料11にリンクした点でもある。
従って、基準点31R、軸11X及び11Yが一緒になって、試料11にリンクした座標系31R、11X、11Yを形成し、この試料11の任意の点をこの座標系に対して絶対的に位置決定することが可能である。
【0044】
図5には、局所化ターゲット31の4つの基本セル3101、3102、3103、3104の詳細図を示し、これら4つの基本セル3101、3102、3103、3104は、図4において黒い正方形3100で示したものである。各基本セル3101、3102、3103、3104は、ここでは一辺が約200μmの正方形である。
好ましくは、各基本セル3101、3102、3103、3104は、軸11X、11Yに沿って40μmと1mmとの間に含まれる寸法を有する。
【0045】
各基本セル3101、3102、3103、3104は、異なるマイクロ構造パターンを含み、それらの機能を以下、詳述する。
その目的で、図6において、図5の正方形3100の左上隅に位置するセルである基本セル3101を考える。
この基本セル3101は、4つの互いに異なるサブセル3101A(基本セル3101の左上隅にあるサブセル)、3101B(右上隅)、3101C(左下隅)、及び3101D(右下隅)に分割することができる。各サブセル3101A、3101B、3101C、3101Dは、ここでは一辺が約100μmの正方形である。
【0046】
サブセル3101A(図6
基本セル3101のサブセル3101Aを最初に考える。このサブセル3101Aは、それ自体を図7に示すように5×5=25個のサブ・サブセルに細分することができる。
サブセル3101Aの左上隅に位置する4つのサブ・サブセルは、配向パターン3101A1を含む。配向パターン3101A1は、ここでは、直角定規状を有し、この直角定規の各部分は、サブセル3101Aのサブ・サブセルのサイズに等しい長さを有する。
配向パターン3101A1の形は、局所化ターゲット31の平面に平行な平面内での回転無しで不変であるという幾何学的性質を配向パターンに与える。
【0047】
配向パターン3101A1は、該配向パターン3101A1を形成する直角定規の各々の部分の方向に配向する2つの直交軸3101X及び3101Yを定めるように、最初の4つのサブ・サブセル内に配置される。従って、配向パターン3101A1は、基本セル3101に関連した直交座標系を定義する。
図7の場合、直交軸3101X及び3101Yは、各々、基本セル3101の一辺に対して平行であるので、2つの直交軸3101X及び3101Yは、それぞれ、2つの直交軸Xmire及びYmireに平行である。
従って、配向パターン3101A1は、試料11にリンクした座標系31A、11X、11Yにおける基本セル3101の配向を示す。
【0048】
変形例として、配向パターンは、任意の様式で基本セルの内側に配置することができ、配向パターンによって定められる基準軸が、その配向パターンが属する基本セルの辺に平行にならないようにすることができる。
【0049】
さらに図4及び図5において、各基本セル310、3101、3102、3103、3104は、配向パターンがその中に位置する基本セル310、3101、3102、3103、3104内に同じ様に配置され配向した、同じ形及び同じサイズの同一の配向パターンを含むことが観察される。
【0050】
従って、基本セル310、3101、3102、3103、3104の配向パターンによって定義された直交座標系は全て、局所化ターゲット31に対して同じ様に配向している。特にここでは、基本セル310、3101の軸3101X及び3101Yは、それぞれ、局所化ターゲット31の軸11X及び11Y(図4参照)に平行であることに留意されたい。
【0051】
サブセル3101Aのその他の21個のサブ・サブセルについては、そのコード化原理を以下で説明する、位置決めパターン3101A2をコード化する。
サブセル3101Aのその他の21個のサブ・サブセルは、1から21まで番号付けされ、その番号付けは、上から下、及び左から右に行われる(図7参照)。
図8から分かるように、各サブ・サブセルは、白(サブ・サブセル#1から3、5から8、10、12から17、及び19の場合)、又は黒(サブセル#4、9、11、18、20及び21の場合)のいずれかとすることができる。それゆえ、これらは、位置決めパターン3101A2を形成する。
位置決めパターン3101A2は、試料11にリンクした座標系31A、11X、11Yにおける基本セル3101の位置を示す。
【0052】
この目的で、サブ・サブセルの各々に対して、以下の規則に従って二進数字(又は「ビット」)が割り当てられる。
−サブ・サブセルが黒の場合、そのサブ・サブセルに割り当てられたビット値は0に等しい。
−サブ・サブセルが白の場合、そのサブ・サブセルに割り当てられたビット値は1に等しい。
【0053】
従って、1から20まで番号付けされた20個のサブ・サブセルにより、2つの二進数を以下のように形成することができる。
−1(最下位ビット)から10(最上位ビット)までの番号のサブ・サブセルのビットで形成された第1の二進数、及び
−11(最下位ビット)から20(最上位ビット)までの番号のサブ・サブセルのビットで形成された第2の二進数。
【0054】
第1の二進数は、軸11Xに沿った基本セル3101の位置をコード化し、第2の二進数は、軸11Yに沿った基本セル3101の位置をコード化する。
【0055】
21番目のサブ・サブセル(図7の番号21)のビットは、可能性のあるデコードの誤りを訂正するために用いられる。これは、最初の20ビット(サブ・サブセル#1から20)の和に対応し、すなわち、この和が奇数であれば「1」に等しく、この和が偶数であれば「0」に等しい。
【0056】
図8に示すように、基本セル3101の位置決めパターン3101A2は、
−第1の二進数が0100001000、
−第2の二進数が1010000001、及び
−21番目のビットが1に等しい(最初の20ビットの和が5に等しく、奇数である)
ようになっている。
【0057】
図5において、位置決めパターン3101A2は、基本セル3101、3102、3103及び3104の各々について異なっていることに注目することができ、いずれの場合も、試料11にリンクした座標系31R、11X、11Yにおける基本セル3101、3102、3103及び3104の異なる位置をコード化するようになっている。
【0058】
サブセル3101B及び3101C(図6
図8において、基本セル3101は、サブセル3101B及び3101Cの各々の中に周期的パターンを含むことが観察される。これらのサブセルは、実際には、白色の正方形3101B1、3101C1と黒色の正方形3101B2、3101C2とを有するチェッカー盤で形成される。各チェッカー盤は、10行(又は10列)の白と黒が交互の10個の正方形、すなわち全部で100個の正方形を含む。チェッカー盤の各正方形は、ここでは一辺約10μmである。
好ましくは、チェッカー盤の正方形は、2μmと50μmとの間に含まれる寸法を有するものとすることができる。
【0059】
図4及び図5から分かるように、各基本セル310、310、3102、3103、3104は、サブセル3101B及び3101Cと同様に形成された、すなわち白色正方形及び黒色正方形のチェッカー盤を有する、2つのサブセルを含む。
以下、これらの周期的パターンが、試料11に対するターゲット画像化システム320の位置決めの精度をどのようにして向上させるかを示す。
【0060】
サブセル3101D(図6
サブセル3101Dは、図7に示すように25個のサブ・サブセルに細分することができる。これらのサブ・サブセルは、1から25まで番号付けされ、その番号付けは、上から下、及び左から右に行われる。
サブセル3101Aのように、及び図8から分かるように、各サブ・サブセルは、白(サブセル#1及び2、5及び6、12から20、22、23及び25の場合)又は黒(サブセル#3及び4、7から11、21及び24の場合)のいずれかとすることができる。
従って、サブセル3101Dの最初の24個のサブ・サブセルは、図8に示す識別パターン3101D1を形成する。
基本セル3101の識別パターン3101D1は、試料11及び局所化ターゲット31に関する情報をコード化する。
実際には、サブセル3101Aの場合と同様に、サブセル3101Dのこれらのサブ・サブセルの各々に関連付けられたビットの値から、1つ又は幾つかの二進数が形成される。サブ・サブセルが黒であればビット値は0に等しく、サブ・サブセルが白であればビット値は1に等しいことを思い出して欲しい。
【0061】
本発明の実施形態において、1から24まで番号付けされた最初の24個のサブ・サブセルは、以下のように2つの二進数を形成する。
−1(最下位ビット)から12(最上位ビット)までの番号のサブ・サブセルの12ビットで形成された第1の二進数、及び
−13(最下位ビット)から24(最上位ビット)までの番号のサブ・サブセルの12ビットで形成された第2の二進数。
【0062】
第1の二進数は、ここでは、試料11のレファレンスをコードし、第2の二進数は、サブセル3101B及び3101Cのチェッカー盤の正方形のサイズをコードする。
25番目のサブ・サブセル(図7の番号25)のビットは、やはり、可能性のあるデコードの誤りを訂正するために用いられる。これは、最初の24ビット(サブ・サブセル#1から24)の和に対応し、すなわち、この和が奇数であれば「1」に等しく、この和が偶数であれば「0」に等しい。
【0063】
図8に示すように、基本セル3101の識別パターン3101D1は、
−第1の二進数が100000110011、
−第2の二進数が011011111111、及び
−25番目のビットが1に等しい(最初の24ビットの和が15に等しく、奇数である)
ようになっている。
【0064】
好ましくは、本発明の3つの実施形態に関して、識別パターン3101D1は、局所化ターゲット31の基本セル310の各々に対して同一である。従って、図5において、識別パターン3101D1は、例えば、基本セル3101、3102、3103、及び3104の各々について同じであることが観察され、いずれの場合も、試料11に関する及び局所化ターゲット31に関する同じ情報、ここでは試料11のレファレンス、及びサブセルB又はCのチェッカー盤の正方形のサイズをコード化するようになっている。
【0065】
変形例として、識別パターンは、例えば局所化ターゲットのレファレンス、基本セルのスケール、局所化ターゲットの局所化の情報を正しく解釈することを可能にするコードを、コード化することができる。次いで、関連付けられたサブセルの最初の24個のサブ・サブセルを用いて、必要なだけ多くの二進数を形成する
別の変形例として、識別パターンは、例えば、局所化ターゲットの各々の基本セルごとに異なるものとすることができる。
【0066】
特徴付け装置10、110、210の位置決めシステム30はまた、ここでは試料11の下面11Bの側に配置されたターゲット画像化システム320及び画像解析手段33を含む、画像取得及び解析手段も含む。このように配置されることで、ターゲット画像化システム320は、局所化ターゲット31に面して、局所化ターゲット31の部分画像を撮像することができるようになっている。
【0067】
図9に、本発明の3つの実施形態において用いられるターゲット画像化システム320を示す。このターゲット画像化システム320は、まず、局所化ターゲット31を照明することが可能な照明手段321を含む。これらの照明手段321は、ここでは、
−光軸に沿って可視光又は近赤外光を発するエレクトロルミネセンスダイオード、
−照明手段321から来た光を局所化ターゲット31に向けて伝達するスプリッティングキューブ(splitting cube)325、及び
−照明手段321から来た光を局所化ターゲット31に向けてコリメートして、該局所化ターゲットを照明することを可能にする、第1群の光学レンズ323、
を含む。
【0068】
変形例として、特徴付け装置の測定器が光源を含む場合、照明手段は、例えばこれらの同じ光源を用いることができる。従って、有利には、測定器が光学顕微鏡の場合、照明手段は、白色電球、又はレーザを含むことができる。
【0069】
照明手段321、スプリッティングキューブ325、及び第1群のレンズ323は、ここでは光軸326が局所化ターゲット31に対して垂直になるように配置される。
入射光(光軸326に平行な光線)は、次いで局所化ターゲット31によって反射、散乱又は回折され、有利には、局所化ターゲット31の部分画像を形成するために用いることができる。
【0070】
その目的で、ターゲット画像化システム320はまた、
−スプリッティングキューブ325で反射された光を屈折させる第2群の光学レンズ324、及び
−第2の二重レンズ系324で屈折された光を集光する光学画像化システム322
も含む。
【0071】
光学画像化システム322は、ここでは、単色検出器の平面アレイ322Aを有するCMOS(相補型金属酸化膜半導体)型のデジタルカメラを含む。
図10は、検出器平面アレイ322Aの詳細図を示す。平面アレイは、検出器アレイ322Aの行及び列に沿った2方向に周期6μmで640×480ピクセル322Bの矩形アレイを含む。
検出器アレイ322Aの640×480ピクセル322Bは、規則的に配置され、2つの直交軸Ximage322X及びYimage322Yを以下のように定めることができる(図10参照)。
−Ximage322Xは、検出器アレイ322Aのピクセルの行に平行になるように配向され、
−Yimage322Yは、検出器アレイ322Aのピクセルの列に平行になるように配向される。
【0072】
次いで検出器アレイ322Aの画像座標系を、検出器アレイ322Aの第1番目の行の第1番目の列に位置する第1のピクセル322Dをこの画像座標系の原点とし、2つの直交軸Ximage322X及びYimage322Yをこの画像座標系の直交する基線として考えることにより定義することができる。以後、局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の配向は、直交軸Ximage322X及びYimage322Yによって定めることができることが分かる。
【0073】
検出器アレイ322Aは、最後に、その中心に位置する画像中心322Cを備える(図10参照)。以後、局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の位置は、この画像中心322Cにより定めることができる。
【0074】
ターゲット画像化システム320の光学画像化システム322は、局所化ターゲット31の少なくとも1つの部分画像31Pを取得し、この画像31Pは、検出器アレイ322Aの平面内に形成される。
【0075】
光学画像化システム322の被写体視野は、ここでは局所化ターゲット31の全てをカバーしておらず、光学画像化システム322によって画像化される局所化ターゲット31の部分(図11参照)は、検出器アレイ322Aを示す黒色矩形によって区切られた部分である。
【0076】
図11において、一方で、検出器アレイ322Aの画像中心322Cは局所化ターゲット31の中心に位置しておらず、他方で、直交軸Ximage322X及びYimage322Yのどちらも、局所化ターゲット31の直交軸Xmire11X又はYmire11Yのどちらに対しても平行になるように配向されていないことが分かる。
【0077】
実際、局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の配置に関して、局所化ターゲットを適切に照明すること以外はいかなる特別な対策も講じられていないので、光学画像化システム322は、局所化ターゲット31に対して任意の位置及び配向を有する。
【0078】
局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の位置及び配向を決定するために、位置決めシステム30は、光学画像化システム322で取得された局所化ターゲット31の部分画像31Pを解析する画像解析手段33をさらに含む。
【0079】
以下、画像解析手段33が、取得した画像31P、並びに局所化ターゲット31の基本セル310内にコード化された特定の情報を利用して、どのようにしてこの決定を行うかを説明する。
【0080】
局所化ターゲットに対する光学画像化システムの位置及び配向の決定
図12は、光学画像化システム322で取得された局所化ターゲット31の部分画像31Pを示す。この局所化ターゲット31の部分画像31Pは、局所化ターゲット31の幾つかの基本セル310の画像310Pを含む。
【0081】
特に、光学画像化システム322は、ここでは、局所化ターゲット31の部分画像31Pが、
−位置決めパターン及び配向パターンの画像、
−サブセルを形成する周期的パターンの画像、及び
−識別パターンの画像
を含むように配置されることが有利である。
【0082】
局所化ターゲット31の部分画像31Pは、位置決めシステム30の画像解析手段33によって解析される。従来の形状認識技術によって、画像解析手段33は、画像31P内の全ての配向パターンを識別し、2つの軸Ximage322X及びYimage322Yに対するそれらの各々の共通配向を決定する。
【0083】
これは、図12内の黒い円で定められた領域内の局所化ターゲット31の部分画像31Pの拡大図を表した図13により理解することができる。図13には、光学画像化システム322の検出器アレイ322Aに付属した2つの直交軸Ximage322X及びYimage322Yも示されている。
【0084】
配向パターンの識別に基づいて、画像解析手段33は、局所化ターゲット31が図13に示すように2つの他の直交軸Xmire11X又はYmire11Yに従って配向していることを決定する。
従って、画像解析手段33は、
−光学画像化システム322が、2つの直交軸Ximage322X及びYimage322Yに従って配向していること、及び
−局所化ターゲット31が、2つの直交軸Xmire11X又はYmire11Yに従って配向していること
を決定する。
従って、比較により、画像解析手段33は、局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の配向を決定する。
【0085】
図13に示す場合、この相対配向は、例えば、軸Ximage322Xと軸Xmire11Xとの間に配向した角度の測定によって、単純な方法で定量することができる。
【0086】
同様に、画像解析手段33は、局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の位置を決定する。その目的で、画像解析手段33は、局所化ターゲット31の部分画像31Pの解析により、画像中心322Cの位置を決定する。
画像解析手段33は、特に、画像中心322Cを含む中心基本セル310Cを識別する。画像解析手段33は次に、中心基本セル310Cの位置決めパターンをデコードして、局所化ターゲット31に対する画像中心322の第1の位置決めを決定する。
【0087】
画像解析手段33はまた、形状認識によって、中心基本セル310Cの位置決めパターンを識別し、そこから、軸11Xに沿った中心基本セル310Cの位置をコードする第1の2進数の値、及び、軸11Yに沿った中心基本セル310Cの位置をコードする第2の2進数の値を推定する。
【0088】
画像解析手段33は次に、局所化ターゲット31に対する画像中心322の第2の位置決めを決定する。この第2の、より正確な位置決めは、中心基本セル310Cの周期的なチェッカー盤パターンを含むサブセルによって行われる。
【0089】
実際には、従来の画像処理技術によって、画像解析手段33は、これらのサブセルのサブピクセル位置決めを可能にする。すなわち、これらのサブセルの各々の位置は、ピクセルの3/100より高精度で決定される。その目的で、ターゲット画像化システム320の倍率は、チェッカー盤の各正方形が約6乃至12個のピクセルに等しい表面を覆うように選択される。
【0090】
従って、サブセルの周期的パターンは、局所化ターゲット31に対する画像中心322Cの位置決めの精度を高めることを可能にする。
この方法で、これらの周期的パターンは、試料11に対する光学画像化システム322の位置決めの精度を高めることを可能にする。
【0091】
要約すると、画像解析手段33は、局所化ターゲット31の部分画像31Pから、
−画像31P内に存在する異なる基本セル310の配向パターンの識別により、局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の配向を決定し、
−中心基本セル310Cの位置決めパターンの読み取り、及び、中心基本セル310Cの周期的パターンを含むサブセルのサブピクセル位置決めにより、局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の位置を決定する。
【0092】
以下で説明する特徴付け装置の様々な実施形態は全て、上述のような局所化ターゲット31並びに画像取得及び解析手段を含む位置決めシステムを含む。
【0093】
第1の実施形態
図2に示す第1の実施形態において、特徴付け装置10は、デジタル光学顕微鏡20である測定器を含む。
本発明によれば、測定器20及び光学画像化システム322は、互いに一体である。このことは、それらの間に機械的カップリングが存在することを意味し、すなわち、試料11に平行な平面内での測定器20のいかなる変位も、試料11に対する光学画像化システム322の同一の変位を引き起こすことを意味する。
これは、図2において、光学顕微鏡20と位置決めシステム30のターゲット画像化システム320との間の実線12で示される。
【0094】
有利には、光学画像化システム322は、ここでは光学顕微鏡20の集光器の場所に配置される。
【0095】
デジタル光学顕微鏡20は、
−試料11の注目領域11Cの部分の画像化を可能にする、X10倍率レンズ21、及び
−注目領域11Cの部分の画像を取得することを可能にするデジタルカメラ22
をさらに含む。
【0096】
ここで、測定器20は、注目領域11C上で試料11の光学的コントラストを決定するものと考える。単一測定の間に、局所測定点の周りを実質的に中心とする拡張された領域上で試料11の光学的コントラストが測定される。この局所測定点は、ここではデジタル光学顕微鏡20によって取得される画像31Pの画像中心322Cである。
【0097】
測定器20はまた、デジタルカメラ22で取得した試料11の注目領域11Cの部分の全デジタル画像上の光学的コントラストを決定することを可能にする画像処理手段23も含む。画像処理手段23は、特に、試料11の局所測定点における光学的コントラストを決定する。
【0098】
従って、特徴付け装置10は、
−試料11の局所測定点における試料11の光学的コントラストを決定する測定器20、及び
−局所化ターゲット31に対する、従ってそれと一体の試料11に対する、光学画像化システム322の位置及び配向を決定することを可能にする位置決めシステム30
を含む。
【0099】
さらに、光学画像化システム322に対する測定器20の相対位置を決定するために、特徴付け装置10の位置決めシステム30は、較正手段も含む。
これらの較正手段は、第1に、光学顕微鏡で従来用いられているような薄いガラススライド34を含む。このガラススライド34は、サブミクロンの食刻分解能を可能にするフォトリソグラフィの従来技術によってガラススライド34の上面に食刻された較正ターゲット34Aを含む。
較正ターゲット34Aは、試料11上に固定された局所化ターゲット31と類似した構造を有することが有利である。較正ターゲット34Aは半透明であることが好ましく、例えば、黒く見えるパターンは、少なくとも部分的に透明な背景上で、不透明である。
【0100】
変形例として、較正ターゲットは、例えば、図14に示すようなマルチスケール・マルチモード・タグを含む。これは、自己相似構造であり、回転対称性を有さず、幾つもの機器技術で観察可能である。このような較正ターゲットは、ガラススライド上への金属蒸着によって作製することができ、これは、一方で、様々な倍率の光学顕微鏡及び電子顕微鏡によって観察するのに十分なコントラストを与え、他方で、原子間力顕微鏡によって観察可能なトポグラフィ構造を与える。このタグの位置は、正確に知ることができるが、その理由は、該タグが位置パターンに属するものであって位置パターンと同時に製造されたものであり、この場合には、該タグは、例えば既知の基本セルの識別パターンを置き換えるからであり、又は、該タグが較正ターゲットを含む支持体上に後で蒸着されたものであり、その位置は、既に較正された測定器、例えば低倍率デジタル光学顕微鏡によって測定されるからである。
【0101】
較正ステップの際には、ガラススライド34を試料11と同様のやり方で特徴付け装置10の中に配置する。この状況を図15に示す。
従って、ガラススライド34は特徴付け装置10内に置かれ、較正ターゲット34Aは、両側から同時に観察することができ、上方からはデジタル光学顕微鏡20で、下方からはターゲット画像化システム320で画像化することができる。
一方の側から、位置決めシステム30の画像解析手段33が、局所化ターゲット31の場合と同じ方法で、較正ターゲット34Aに対する、すなわち較正ターゲット34Aにリンクした座標系における、光学画像化システム322の位置及び配向を決定する。
他方の側から、測定器20の画像処理手段23が、やはり同じ方法で、較正ターゲット34Aに対する、すなわち較正ターゲット34Aにリンクした同じ座標系における、測定器20の位置及び配向を決定する。
【0102】
変形例として、マルチスケール・マルチモード・タグを用いる場合、測定器でこれを観測することが望ましい。次いで従来の画像処理技術がその正確な位置及び配向を決定することを可能にする。
【0103】
較正手段はまた、データ処理手段35を含み、これに対して
−画像解析手段33によって、較正ターゲット34Aにリンクした座標系における光学画像化システム322の位置及び配向が送信され、及び
−画像処理手段23によって、較正ターゲット34Aにリンクした座標系における測定器20の位置及び配向が送信される。
【0104】
次いでデータ処理手段35は、光学画像化システム322に対する測定器20の相対位置を決定する。この相対位置は、光学画像化システム322にリンクした座標系における、測定器20で観測した較正ターゲット34Aの局所測定点と、光学画像化システム322の画像中心322Cとの間のベクトルのシフトに対応する。
【0105】
データ処理手段35は、この相対位置を記録することを可能にするデータ記憶手段を含んでいるので、この相対位置を後で特徴付け装置10が利用することができる。
【0106】
特徴付け装置10の第1の実施形態の動作をより良く理解するために、試料を構成するシリコンウェファ11を特徴付けることを可能にする本発明の特徴付け方法をここで説明する。
【0107】
特徴付け方法
a)較正
オペレータは、較正ターゲット34を特徴付け装置10内に配置し、これをその両面から、片側からは光学顕微鏡20で、もう一方の側からは光学画像化システム322で観察できるようにする。
光学顕微鏡20は、較正ターゲット34の第1の部分画像を取得し、これを画像処理手段23が処理して、較正ターゲット34Aに対する光学顕微鏡20の位置及び配向を決定する。
光学画像化システム322は、較正ターゲット34の第2の部分画像を取得し、これを画像解析手段33が解析して、較正ターゲット34Aに対する光学画像化システム322の位置及び配向を決定する。
次いでデータ処理手段35が、光学画像化システム322に対する光学顕微鏡20の相対位置を決定する。
【0108】
b)試料のセッティング
オペレータは、特徴付けされるシリコンウェファ11を入手し、シリコンウェファ11の下面11Bに局所化ターゲット31を接着によって固定する。従って、局所化ターゲット31は試料11と一体にされる。局所化ターゲット31は、図4に示すタイプのものである。これらのパターンによって、この局所化ターゲット31は、試料11にリンクした座標系を定義する。
次に、オペレータは、シリコンウェファ11を測定のために特徴付け装置10内に配置する。光学顕微鏡20は、注目領域11Cの部分画像を取得し、この画像は局所測定点を中心とする。この注目領域11Cの部分画像を画像処理手段23で処理し、これは次に、局所測定点における試料11の光学的コントラストの値を決定する。
【0109】
c)局所化ターゲットの画像の取得
ターゲット画像化システム320は、照明手段321により局所化ターゲット31を照明し、光学画像化システム322は、局所化ターゲット31の少なくとも1つの部分画像を取得する。
【0110】
d)取得画像の解析
先に光学画像化システム322が取得した画像を画像解析手段33によって解析し、これは次に、局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の位置及び配向を決定する。
【0111】
e)測定点の位置の決定
画像解析手段33は、局所化ターゲット31に対する、すなわちシリコンウェファ11にリンクした座標系における、光学画像化システム322の位置及び配向をデータ処理手段35に送信する。
特徴付け装置10は、画像解析結果及び較正結果を処理するための手段13をさらに含み、該手段に対して、一方で、画像処理手段23により、局所測定点における光学的コントラストの測定結果が送信され、他方で、データ処理手段35により、光学画像化システム322に対する光学顕微鏡20の相対位置が送信される。
次いで画像解析結果及び較正結果を処理するための手段13は、そこから、試料11にリンクした座標系における局所測定点の絶対位置を推定する。
【0112】
従って、特徴付け装置10のオペレータは、特徴付け手順の終了時には、
−局所測定点における試料11の光学的コントラストの値、及び
−試料11にリンクした座標系における局所測定点の絶対位置
を知ることになる。
【0113】
第2の実施形態
図16に、本発明による特徴付け装置110の第2の実施形態を示す。
第2の実施形態において、特徴付け装置110は、回転プレート124と、回転プレート124に固定された第1のX10倍率レンズ121Aと、デジタルカメラ122と、画像処理手段123とを含む第1の測定器120A(図16の点線参照)を含む。
特徴付け装置110はまた、第2の測定器120B(図16の点線参照)も含む。この第2の測定器120Bは、第1の測定器120Aと、回転プレート124、デジタルカメラ122及び画像処理手段123を共有する。
第2の測定器120Bはさらに、回転プレート124に固定された第2のX50倍率レンズ121Bを含む。
回転プレート124は、その平面内で回転することができ、特徴付け装置110を用いるオペレータが測定の際にどちらの対物レンズを使用するかを選択することを可能にする。
【0114】
この第2の実施形態では、特徴付け装置110は、第1の実施形態のものと同一の位置決めシステム30を含み、同じ様に、試料11と一体の局所化ターゲット31に対する光学画像化システム322の位置を決定するように動作する。
【0115】
例えば試料11の同じ局所測定点に位置付けられた測定を行うために、試料11をそれぞれ2つのレンズ121A、121Bを装備した第1及び第2の測定器120A、120Bによって研究することを望むオペレータは、上記で第1の実施形態に関して説明した特徴付け方法を2回実施することになる。
有利には、オペレータは、2つのレンズ121A、121Bによる連続的な測定を行う前に、2つのレンズ121A及び121Bの較正ステップを逐次行うことができる。
【0116】
2つのレンズ121A、121Bの間の光学軸が数10マイクロメートル、シフトしている場合、同じ較正手順を行うことはもはやできず、そのため測定器120A、120Bのデジタルカメラ122の視野は、狭くなり過ぎる。
較正は、同じ較正試料を(図15のガラススライドをその較正ターゲットと共に)用いて、配向パターンが見える状態で較正ターゲットの画像がデジタルカメラの視野内に入るように注意して行うことができる。光学顕微鏡のデジタルカメラから来る画像を取得し記録することによって、配向パターンが(手動で又は自動的に)探索され、画像中心に対するその相対位置、並びにその配向が決定される。未だ、第1の較正の際にその絶対位置が決定された較正ターゲットの同じ領域内にあるという仮説を立てることにより、高倍率の光学顕微鏡の視野の絶対位置及び配向に戻ることが可能である。
【0117】
変形例として、マルチスケール・マルチモード・タグ(図14参照)を用いることができる。この場合、光学顕微鏡の異なるレンズ間の小さいシフトを想定する必要はない。
【0118】
従って、ターゲット画像化システムは、その観測中心、すなわち光学画像化システムの画像中心が、測定器の又はその観測視野の中心の測定点と一致するか又は十分に近くなるように配置することが有利であり得る。
【0119】
第3の実施形態
図17に、本発明による特徴付け装置210の第3の実施形態を示す。
この第3の実施形態において、特徴付け装置210は、2つの測定器、すなわちデジタル光学顕微鏡20及び原子間力顕微鏡220(以後、AFMと呼ぶ)を含む。
デジタル光学顕微鏡20は、第1の実施形態(図2参照)で用いられるものと同一であり、レンズ21、デジタルカメラ22、及びデジタルカメラ22で取得した画像を処理する画像処理手段23を含む。
AFM220は、先端部221、増幅器222、及び増幅器222から出た信号を処理する信号処理手段223を含む。AFMはまた、AFM220の先端部221で探索される領域の画像を取得することを可能にする可視化装置224も含む。可視化装置224はここでは、低倍率下で試料11の画像を提供するビデオカメラを含む。
【0120】
この第3の実施形態において、特徴付け装置210の位置決めシステム230は、
−第1の光学画像化システム(図示せず)を含み、第1の画像解析手段33に関連付けられた第1のターゲット画像化システム320、及び
−第2の光学画像化システム(図示せず)を含み、第2の画像解析手段233に関連付けられた第2のターゲット画像化システム2320
を含む。
【0121】
図17には図式化されていないが、この第3の実施形態において、一方で、第1の光学画像化システムはデジタル光学顕微鏡20と一体であり、他方で、第2の光学画像化システムはAFM220と一体である。
【0122】
第1及び第2のターゲット画像化システム320、2320は、それぞれ第1及び第2の画像解析手段33、233に関連付けられており、2つの前記実施形態の場合と同様の方式で動作する。
特に、較正ステップ又は測定ステップの間に、これらは、観測しているターゲット(較正の際には較正ターゲット、測定の際には局所化ターゲット)に対する第1及び第2の光学画像化システムの位置及び配向を決定し、データ処理手段35に送信する。
【0123】
この第3の実施形態では、位置決めシステム30の較正手順は、2つのターゲット画像化システム320、2320の各々で別々に行われ、一方で、第1の光学画像化システムに対する第1の測定器20の相対位置、他方で、第2の光学画像化システムに対する第2の測定器220の相対位置が決定される。
特に、先端部221の較正は、高倍率光学レンズの較正と同じ様に行われる(第2の実施形態参照)。較正ターゲットが設けられたガラススライドのような較正試料の表面のAFMトポグラフィ測定を行い、配向パターンの位置及び配向を見いだす。
原子間力顕微鏡の場合、デジタル光学顕微鏡の場合と同じ様に進めることによって、可視化装置224の較正に進むことができる。
代替的な実施形態において、原子間力顕微鏡のための較正手段と光学顕微鏡のための較正手段は異なるものとすることができる。
ひとたび測定器20、220の各々の較正が終了したら、特徴付け装置210は試料11の測定に進むことができる。
【0124】
この第3の実施形態により、シリコンウェハ11を2つの非常に異なる測定器で研究することが可能である。特に、この試料11を同じ局所測定点において2つの異なる技術で特徴付けすることが可能である。
【0125】
要約すると、特徴付け装置は全て、研究される試料と一体の局所化ターゲットを恒久的に観測する光学画像化システムを装備する。局所化ターゲットの画像を解釈することにより、位置決めシステムは、試料それ自体の座標系における観測場所の絶対位置を推定することを可能にする。位置決めシステムは、試料が1つの測定器からもう1つの別の測定器に移されるとき、又は連続的な観測が同じ測定器を用いるが別の時点で行われるときに、観測点を再現することを可能にする。
【0126】
本発明の利点は、ナノメートルスケールでの測定を、多様な測定器について共局在化可能にすることである。
【0127】
1、10、110、210:特徴付け装置
2、20、120A、120B、220:測定器
3、30、230:位置決めシステム
11:試料
11A:試料の第1の面
11B:試料の第2の面
13:結果処理手段
21、121A、121B:レンズ
22:デジタルカメラ
23、123、223:画像処理手段
31:局所化ターゲット
31P:局所化ターゲットの部分画像
33、233:画像解析手段
34:ガラススライド
34A:較正ターゲット
35:データ処理手段
124:回転プレート
221:先端部
222:増幅器
224:可視化装置
310、3101、3102、3103、3104:基本セル
310:中心基本セル
320、2320:ターゲット画像化システム
321:照明手段
322、2322:光学画像化システム
322A:検出器アレイ
322B:ピクセル
322C:画像中心
3101A、3101B、3101C、3101D:サブセル
3101A1:配向パターン
3101A2:位置決めパターン
3101D1:識別パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17