(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6230178
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】サンプルホールド回路および差動サンプルホールド回路
(51)【国際特許分類】
H03M 1/12 20060101AFI20171106BHJP
H03K 17/687 20060101ALI20171106BHJP
G11C 27/02 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
H03M1/12 A
H03K17/687 G
G11C27/02 255
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-34809(P2013-34809)
(22)【出願日】2013年2月25日
(65)【公開番号】特開2013-198151(P2013-198151A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2016年2月22日
(31)【優先権主張番号】13/424,064
(32)【優先日】2012年3月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス エイ.ギャリティ
(72)【発明者】
【氏名】アフマド エイチ.アトリス
【審査官】
白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−239703(JP,A)
【文献】
特開2009−253320(JP,A)
【文献】
特開2005−252326(JP,A)
【文献】
特表平07−504290(JP,A)
【文献】
特開2012−044302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 1/12
G11C 27/02
H03K 17/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフェーズおよび第2のフェーズにおいて動作するように構成されるサンプルホールド回路であって、
第1のコンデンサと、
第2のコンデンサと、
入力および出力を有する演算増幅器と、
前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、および前記演算増幅器を選択的に結合する複数のスイッチとを備え、
前記複数のスイッチは複数の制御信号を受信するように構成され、それによって、前記第1のフェーズでは、前記第1のコンデンサは該サンプルホールド回路の入力と接地との間に結合されるように構成され、前記第2のコンデンサは前記演算増幅器の前記入力と前記演算増幅器の前記出力との間に結合されるように構成され、前記第2のフェーズでは、前記第1のコンデンサは前記演算増幅器の前記入力と前記演算増幅器の前記出力との間に結合されるように構成され、前記第2のコンデンサは前記演算増幅器の前記出力と接地との間に結合されるように構成され、
前記複数のスイッチのうちの第1のスイッチは、前記第1のコンデンサと前記サンプルホールド回路の前記入力との間に直接的に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第2のスイッチは、前記第1のコンデンサと前記演算増幅器の前記出力との間に直接的に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第3のスイッチは、前記第1のコンデンサと前記演算増幅器の前記入力との間に直接的に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第4のスイッチは、前記第1のコンデンサと接地との間に直接的に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第5のスイッチは、前記演算増幅器の前記入力と前記第2のコンデンサとの間に直接的に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第6のスイッチは、前記第2のコンデンサと接地との間に直接的に結合され、
前記第1のフェーズでは、前記第1のコンデンサは前記演算増幅器および前記第2のコンデンサから電気的に絶縁され、
前記演算増幅器は前記第1のフェーズと前記第2のフェーズとの間でリセットされない、サンプルホールド回路。
【請求項2】
前記第1のスイッチ、前記第4のスイッチおよび前記第5のスイッチは第1の制御信号を受信するように構成される、請求項1に記載のサンプルホールド回路。
【請求項3】
前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチおよび前記第6のスイッチは第2の制御信号を受信するように構成され、
該第2の制御信号は前記第1の制御信号の逆である、請求項2に記載のサンプルホールド回路。
【請求項4】
前記第1のフェーズでは、前記サンプルホールド回路の出力は、先行する第2のフェーズにおける該サンプルホールド回路の該出力に実質的に等しく、前記第2のフェーズでは、前記サンプルホールド回路の前記出力は二分の一クロックサイクルだけ遅延された、前記第1のフェーズの間の前記サンプルホールド回路に対する入力に実質的に等しい、請求項1に記載のサンプルホールド回路。
【請求項5】
第3のコンデンサと、
第4のコンデンサとをさらに備え、
前記複数のスイッチは、前記第3のコンデンサ、前記第4のコンデンサおよび前記演算増幅器を選択的に結合するとともに、前記複数の制御信号を受信するように構成され、それによって、前記第1のフェーズでは、前記第3のコンデンサは前記サンプルホールド回路の第2の入力と接地との間に結合されるように構成され、前記第4のコンデンサは前記演算増幅器の第2の入力と前記演算増幅器の第2の出力との間に結合されるように構成され、前記第2のフェーズでは、前記第3のコンデンサは前記演算増幅器の前記第2の入力と前記演算増幅器の前記第2の出力との間に結合されるように構成され、前記第4のコンデンサは前記演算増幅器の前記第2の出力と接地との間に結合されるように構成される、請求項1に記載のサンプルホールド回路。
【請求項6】
前記複数のスイッチのうちの第7のスイッチは前記第3のコンデンサと前記サンプルホールド回路の第2の入力との間に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第8のスイッチは前記第3のコンデンサと前記演算増幅器の第2の出力との間に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第9のスイッチは前記第3のコンデンサと前記演算増幅器の第2の入力との間に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第10のスイッチは前記第3のコンデンサと接地との間に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第11のスイッチは前記演算増幅器の前記第2の入力と前記第4のコンデンサとの間に結合され、
前記複数のスイッチのうちの第12のスイッチは前記第4のコンデンサと接地との間に結合される、請求項5に記載のサンプルホールド回路。
【請求項7】
前記第7のスイッチ、前記第10のスイッチおよび前記第11のスイッチは第1の制御信号を受信するように構成され、
前記第8のスイッチ、前記第9のスイッチおよび前記第12のスイッチは第2の制御信号を受信するように構成され、
該第2の制御信号は前記第1の制御信号の逆である、請求項6に記載のサンプルホールド回路。
【請求項8】
前記第1のフェーズでは、前記第3のコンデンサは前記演算増幅器および前記第4のコンデンサから電気的に絶縁される、請求項7に記載のサンプルホールド回路。
【請求項9】
前記サンプルホールド回路は自動車レーダ信号をサンプリングするように構成される、請求項5に記載のサンプルホールド回路。
【請求項10】
第1のフェーズおよび第2のフェーズにおいて動作するように構成されるサンプルホールド回路であって、
第1の端部および第2の端部を有する第1のスイッチであって、該第1のスイッチの前記第1の端部は第1の入力電圧を受け取るように構成される、前記第1のスイッチと、
第1の端部および第2の端部を有する第2のスイッチであって、該第2のスイッチの前記第1の端部は前記第1のスイッチの前記第2の端部に直接的に結合される、前記第2のスイッチと、
第1の端部および第2の端部を有する第1のコンデンサであって、該第1のコンデンサの前記第1の端部は前記第1のスイッチの前記第2の端部に直接的に結合される、前記第1のコンデンサと、
第1の端部および第2の端部を有する第3のスイッチであって、該第3のスイッチの前記第1の端部は前記第1のコンデンサの前記第2の端部に直接的に結合される、前記第3のスイッチと、
第1の端部および第2の端部を有する第4のスイッチであって、該第4のスイッチの前記第1の端部は前記第1のコンデンサの前記第2の端部に直接的に結合され、該第4のスイッチの前記第2の端部は接地に直接的に結合される、前記第4のスイッチと、
第1の入力、第2の入力および第1の出力を有する演算増幅器であって、前記第1の入力は前記第3のスイッチの前記第2の端部に直接的に結合され、前記第1の出力は前記第2のスイッチの前記第2の端部に直接的に結合される、前記演算増幅器と、
第1の端部および第2の端部を有する第5のスイッチであって、該第5のスイッチの前記第1の端部は前記第3のスイッチの前記第2の端部に直接的に結合される、前記第5のスイッチと、
第1の端部および第2の端部を有する第2のコンデンサであって、該第2のコンデンサの前記第1の端部は前記演算増幅器の前記第1の出力に直接的に結合され、該第2のコンデンサの前記第2の端部は前記第5のスイッチの前記第2の端部に直接的に結合される、前記第2のコンデンサと、
第1の端部および第2の端部を有する第6のスイッチであって、該第6のスイッチの前記第1の端部は前記第2のコンデンサの前記第2の端部に直接的に結合され、該第6のスイッチの前記第2の端部は前記接地に直接的に結合される、前記第6のスイッチとを備え、
前記第1のフェーズでは、前記第1のコンデンサは前記演算増幅器および前記第2のコンデンサから電気的に絶縁され、
前記演算増幅器は前記第1のフェーズと前記第2のフェーズとの間でリセットされない、サンプルホールド回路。
【請求項11】
前記演算増幅器の前記第2の入力は接地に結合される、請求項10に記載のサンプルホールド回路。
【請求項12】
前記第1のスイッチ、前記第4のスイッチ、および前記第5のスイッチは第1の制御信号を受信するように構成され、
前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、および前記第6のスイッチは第2の制御信号を受信するように構成される、請求項11に記載のサンプルホールド回路。
【請求項13】
第1のフェーズでは、前記第1のスイッチ、前記第4のスイッチおよび前記第5のスイッチは閉じられ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチおよび前記第6のスイッチは開き、
第2のフェーズでは、前記第1のスイッチ、前記第4のスイッチおよび前記第5のスイッチは開き、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチおよび前記第6のスイッチは閉じられる、請求項12に記載のサンプルホールド回路。
【請求項14】
第1の端部および第2の端部を有する第7のスイッチであって、該第7のスイッチの前記第1の端部は第2の入力電圧を受け取るように構成される、前記第7のスイッチと、
第1の端部および第2の端部を有する第8のスイッチであって、該第8のスイッチの前記第1の端部は前記第7のスイッチの前記第2の端部に結合される、前記第8のスイッチと、
第1の端部および第2の端部を有する第3のコンデンサであって、該第3のコンデンサの前記第1の端部は前記第7のスイッチの前記第2の端部に結合される、前記第3のコンデンサと、
第1の端部および第2の端部を有する第9のスイッチであって、該第9のスイッチの前記第1の端部は前記第3のコンデンサの前記第2の端部に結合される、前記第9のスイッチと、
第1の端部および第2の端部を有する第10のスイッチであって、該第10のスイッチの前記第1の端部は前記第3のコンデンサの前記第2の端部に結合され、該第10のスイッチの前記第2の端部は接地に結合される、前記第10のスイッチと、
第1の端部および第2の端部を有する第11のスイッチであって、該第11のスイッチの前記第1の端部は前記第9のスイッチの前記第2の端部に結合される、前記第11のスイッチと、
第1の端部および第2の端部を有する第4のコンデンサであって、該第4のコンデンサの前記第1の端部は前記演算増幅器の第2の出力に結合され、該第4のコンデンサの前記第2の端部は前記第11のスイッチの前記第2の端部に結合される、前記第4のコンデンサと、
第1の端部および第2の端部を有する第12のスイッチであって、該第12のスイッチの前記第1の端部は前記第4のコンデンサの前記第2の端部に結合され、該第12のスイッチの前記第2の端部は接地に結合される、前記第12のスイッチとをさらに備え、
前記演算増幅器の前記第2の入力は前記第9のスイッチの前記第2の端部に結合され、
前記第2の出力は前記第8のスイッチの前記第2の端部に接続される、請求項13に記載のサンプルホールド回路。
【請求項15】
前記第7のスイッチ、前記第10のスイッチおよび前記第11のスイッチは前記第1の制御信号を受信するように構成され、
前記第8のスイッチ、前記第9のスイッチおよび前記第12のスイッチは前記第2の制御信号を受信するように構成される、請求項14に記載のサンプルホールド回路。
【請求項16】
前記第1のフェーズでは、前記第7のスイッチ、前記第10のスイッチおよび前記第11のスイッチは閉じられ、前記第8のスイッチ、前記第9のスイッチおよび前記第12のスイッチは開き、
前記第2のフェーズでは、前記第7のスイッチ、前記第10のスイッチおよび前記第11のスイッチは開き、前記第8のスイッチ、前記第9のスイッチおよび前記第12のスイッチは閉じられる、請求項15に記載のサンプルホールド回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は回路に関し、より詳細にはリセット期間を有しないサンプルホールド回路に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプルホールド回路はアナログ信号をサンプリングするのに有用なツールである。サンプルホールド回路は、その名前が示唆するように、入力信号をサンプリングして、そのサンプリングされた入力信号を回路の出力において保持する。サンプルホールド回路の出力は多くの場合、入力信号のデジタル表現を提供するアナログーデジタル変換器に供給される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】ニコリーニ、ジー(NICOLLINI,G)他、「ハイスピード用途のフルディファレンシャルサンプルホールド回路(A Fully Differential Sample-and-Hold Circuit for High-Speed Applications)」、IEEE Journal of Solid-State Circuits、Vol. 24, No. 5、1989年 10月
【非特許文献2】グレゴリアン、アール(GREGORIAN, R)他、「信号処理のアナログMOS集積回路(Analog MOS Integrated Circuits for Signal Processing)」、Wiley Series on Filters: Design, Manufacturing, and Applications, 415-416、456ページ、1986年
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のサンプルホールド回路は、第1のフェーズおよび第2のフェーズにおいて動作するように構成されるサンプルホールド回路であって、第1のコンデンサと、第2のコンデンサと、入力および出力を有する演算増幅器と、前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、および前記演算増幅器を選択的に結合する複数のスイッチとを備え、前記複数のスイッチは複数の制御信号を受信するように構成され、それによって、前記第1のフェーズでは、前記第1のコンデンサは該サンプルホールド回路の入力と接地との間に結合されるように構成され、前記第2のコンデンサは前記演算増幅器の前記入力と前記演算増幅器の前記出力との間に結合されるように構成され、前記第2のフェーズでは、前記第1のコンデンサは前記演算増幅器の前記入力と前記演算増幅器の前記出力との間に結合されるように構成され、前記第2のコンデンサは前記演算増幅器の前記出力と接地との間に結合されるように構成される。
【0005】
本発明のサンプルホールド回路は、第1の端部および第2の端部を有する第1のスイッチであって、該第1のスイッチの前記第1の端部は第1の入力電圧を受け取るように構成される、前記第1のスイッチと、第1の端部および第2の端部を有する第2のスイッチであって、該第2のスイッチの前記第1の端部は前記第1のスイッチの前記第2の端部に結合される、前記第2のスイッチと、第1の端部および第2の端部を有する第1のコンデンサであって、該第1のコンデンサの前記第1の端部は前記第1のスイッチの前記第2の端部に結合される、前記第1のコンデンサと、第1の端部および第2の端部を有する第3のスイッチであって、該第3のスイッチの前記第1の端部は前記第1のコンデンサの前記第2の端部に結合される、前記第3のスイッチと、第1の端部および第2の端部を有する第4のスイッチであって、該第4のスイッチの前記第1の端部は前記第1のコンデンサの前記第2の端部に結合され、該第4のスイッチの前記第2の端部は接地に結合される、前記第4のスイッチと、第1の入力、第2の入力および第1の出力を有する演算増幅器であって、前記第1の入力は前記第3のスイッチの前記第2の端部に結合され、前記第1の出力は前記第2のスイッチの前記第2の端部に接続される、前記演算増幅器と、第1の端部および第2の端部を有する第5のスイッチであって、該第5のスイッチの前記第1の端部は前記第3のスイッチの前記第2の端部に結合される、前記第5のスイッチと、第1の端部および第2の端部を有する第2のコンデンサであって、該第2のコンデンサの前記第1の端部は前記演算増幅器の前記第1の出力に結合され、該第2のコンデンサの前記第2の端部は前記第5のスイッチの前記第2の端部に結合される、前記第2のコンデンサと、第1の端部および第2の端部を有する第6のスイッチであって、該第6のスイッチの前記第1の端部は前記第2のコンデンサの前記第2の端部に結合され、該第6のスイッチの前記第2の端部は前記接地に結合される、前記第6のスイッチとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態による、例示的なサンプルホールド回路の回路図である。
【
図2】一実施形態による、回路が第1のフェーズにあるときの、
図1に示されている例示的なサンプルホールド回路の回路図である。
【
図3】一実施形態による、回路が第2のフェーズにあるときの、
図1に示されている例示的なサンプルホールド回路の回路図である。
【
図4】
図1〜
図3に示されている回路に関する例示的な入力信号および出力信号を示すグラフである。
【
図5】一実施形態による、例示的な差動サンプルホールド回路500の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面とともに例示的な実施形態を説明する。同様の参照符号は同様の要素を示す。
さまざまな例示的な実施形態にしたがって、サンプルホールド回路が提供される。サンプルホールド回路は、演算増幅器、2つのコンデンサ、および6つのスイッチを含む。サンプルホールド回路は2つのフェーズにおいて動作する。第1のフェーズでは、第1のコンデンサが入力アナログ信号をサンプリングし、一方で電気的に絶縁されている第2のコンデンサおよび演算増幅器は、サンプルホールド回路の出力において、先行する第2のフェーズからの電圧を保持している。第2のフェーズでは、第1のコンデンサおよび演算増幅器はサンプルホールド回路の出力において、先行する第1のフェーズにおいて第1のコンデンサによってサンプリングされた電圧を保持し、一方で第2のコンデンサは後続の第1のフェーズの間、出力における電圧をサンプリングして電圧を保持する。
【0008】
図1は、一実施形態による、例示的なサンプルホールド回路100(以下回路100と称する)の回路レベル図である。回路100は任意のサンプルホールド用途において使用されることができる。たとえば、回路100は、アナログーデジタル変換器(ADC)とともに使用されて、サンプリングされるアナログ信号のデジタル表現を提供することができる。アナログ信号は、たとえば、衝突回避システムまたは適応走行制御システムのような自動車レーダアプリケーションからのものであることができる。アナログ信号は、また、ビデオカメラ、受信される無線もしくはTV信号からのもの、または、超音波のような画像化アプリケーションからのものであり得る。回路100は、サブサンプリング用途および非サブサンプリング用途の両方において使用されてよい。サブサンプリング用途において、アナログ入力信号の周波数は、回路100のサンプリング周波数よりも高いものであり得る。入力電圧信号の周波数が回路100のサンプリング周波数よりも高いとき、回路100は周波数の差に基づいて出力信号を生成する。たとえば、アナログ入力信号が、たとえば、42メガヘルツ(MHz)において振動しており、かつ回路100が、たとえば、40MHzにおいてアナログ入力信号をサンプリングしている場合、回路100は約2MHzにおいて振動する出力信号を生成することになる。回路100のサンプルレートは用途に応じて変動する可能性がある。回路100は、サンプリングされた電圧がクロック周期全体にわたって保持されなければならない用途においても使用されることができる。従来のサンプルホールド回路には、サンプルホールド回路の出力が0に戻るリセット周期がある。しかしながら、さらに後述するように、回路100は第2のコンデンサを利用して電圧をサンプリングおよび保持し、それによって、回路100はサンプリングフェーズの間に先行する保持フェーズからの電圧を保持する。
【0009】
1つの実施形態では、たとえば、回路100は1つの演算増幅器(オペアンプ)110、2つのコンデンサ120および125、ならびに6つのスイッチ130〜135を含む。スイッチ130〜135はさまざまな方法において、たとえば、CMOS伝送ゲート、MOSトランジスタ、または任意の他のタイプのスイッチもしくはそれらの組み合わせにおいて実装され得ることを当業者は認識しよう。各スイッチ130〜135ならびにコンデンサ120および125は第1の端部および第2の端部を有する。1つの実施形態において、たとえば、コンデンサ120および125は1ピコファラッド(1pF)であり得る。スイッチ130の第1の端部は入力アナログ信号からの電圧Vinを受け取るように構成される。第2のスイッチ131は、スイッチ130の第2の端部と回路100の出力Voとの間に結合される。コンデンサ120の第1の端部はスイッチ130の第2の端部に結合される。コンデンサ120の第2の端部は、スイッチ132の第1の端部およびスイッチ133の第1の端部に結合される。スイッチ132の第2の端部はオペアンプ110の第1の入力に結合される。オペアンプ110の第2の入力は接地に結合される。オペアンプ110の出力は回路100の出力Voに結合される。スイッチ133の第2の端部も接地に結合される。スイッチ134の第1の端部はスイッチ133の第2の端部に結合される。コンデンサ125の第1の端部は回路100の出力Voに結合され、コンデンサ125の第2の端部はスイッチ134の第2の端部に結合される。最後に、スイッチ135の第1の端部は第2のコンデンサ125の第2の端部に結合され、スイッチ135の第2の端部は接地に結合される。
【0010】
スイッチ130〜135は、回路100を第1のフェーズから第2のフェーズに切り替えるように制御される。1つの実施形態では、たとえば、回路はクロック発生器140をさらに含む。クロック発生器140は第1の制御信号S1、および、第1の制御信号S1の逆であり得る第2の制御信号S2を出力する。スイッチ130、133および134は第1の制御信号S1を受信し、スイッチ131、132および135は第2の制御信号S2を受信する。1つの実施形態では、たとえば、制御信号S1およびS2は、
図1に示されているような方形波であり得る。制御信号S1およびS2は任意の様式で生成されることができ、互いに重ならなくてもよく、当該技術分野において既知である原理にしたがってS1およびS2の相補的なバージョンおよび遅延されたバージョンを含んでもよいことを、当業者は認識しよう。
【0011】
図2は、一実施形態による、回路100が第1のフェーズにあるときの、
図1に示されている例示的なサンプルホールド回路100の回路図である。第1のフェーズでは、スイッチ130、133および134は閉じており、スイッチ131、132および135は開いており、その結果として
図2に示されている2つの電気的に絶縁された回路になる。第1のフェーズでは、アナログ入力信号からの電荷がコンデンサ120上に蓄積される。入力サンプリングはコンデンサ120によってのみ行われるため、回路100は受動的サンプリングを使用する。換言すれば、回路100のオペアンプ110はサンプリングステージに関与しない。したがって、増幅器はサンプルホールド回路100がサブサンプリング用途において使用されるときに高速入力信号を処理する必要はない。コンデンサ120から絶縁されるオペアンプ110およびコンデンサ125は、回路の出力Voにおける、先行するフェーズ2からの電荷を保持する。換言すれば、回路の出力Voは、二分の一クロックサイクルだけ遅延された先行するフェーズからの回路の出力に等しい。
【0012】
図3は、一実施形態による、回路が第2のフェーズにあるときの、
図1に示されている例示的なサンプルホールド回路100の回路図である。第2のフェーズでは、スイッチ130、133および134は開いており、スイッチ131、132および135は閉じており、その結果として
図3に示されている回路になる。第2のフェーズでは、第1のフェーズにおいてコンデンサ120上に蓄積された電荷が、オペアンプ110およびコンデンサ120によって出力Voにおいて保持される。したがって、回路の出力Voは二分の一クロックサイクルだけ遅延された、フェーズ1において回路に入力された電圧に等しい。さらに、出力電圧Voはコンデンサ125上にサンプリングされ、それによって、回路は続く第1のフェーズを通じて出力電圧を保持することができる。
【0013】
図4は、
図1〜
図3に示されている回路100に関する例示的な入力信号410および出力信号420を示すグラフである。この実施形態では、入力信号410は正弦波である。サンプリングレート(すなわち、
図1に示されているクロック140のクロック周波数)は入力電圧信号の周波数よりも高いものとして示されているが、入力信号410はサンプリングレートよりも高い周波数を有することができる。第1のフェーズP1の間の出力信号Voは、二分の一クロックサイクルだけ遅延された出力電圧(すなわち、完全な1クロックサイクルだけ遅延された入力電圧)に等しい。第2のフェーズP2の間の出力電圧は二分の一クロックサイクルだけ遅延された入力電圧に等しい。換言すれば、第1のフェーズの間に入力電圧がサンプリングされ、そのサンプリングされた入力電圧が第2のフェーズおよび続く第1のフェーズの間、出力電圧Voとして保持される。したがって、回路100は出力電圧が0に降下するリセットを受けない。
【0014】
図5は、一実施形態による、例示的な差動サンプルホールド回路500の回路図である。差動サンプルホールド回路500(以下回路500と称する)は、1つの演算増幅器(オペアンプ)510、4つのコンデンサ520〜523、および12個のスイッチ530〜541を含む。各スイッチ530〜541ならびにコンデンサ520〜523は第1の端部および第2の端部を有する。スイッチ530の第1の端部は正入力信号Vin
+に結合されるように構成される。正入力信号Vin
+は第1の周波数を有する交流(AC)電圧であり得る。第2のスイッチ531は、スイッチ530の第2の端部とオペアンプ510の第1の出力との間に結合される。コンデンサ520の第1の端部はスイッチ530の第2の端部に結合される。コンデンサ520の第2の端部は、スイッチ532の第1の端部およびスイッチ533の第1の端部に結合される。スイッチ532の第2の端部はオペアンプ510の第1の入力に結合される。スイッチ533の第2の端部も接地に結合される。スイッチ534の第1の端部はスイッチ532の第2の端部に結合される。コンデンサ521の第1の端部は回路500の第1の出力Vo
+に結合され、コンデンサ521の第2の端部はスイッチ534の第2の端部に結合される。オペアンプ510の第1の出力は回路の第1の出力Vo
+に結合される。スイッチ535の第1の端部はコンデンサ521の第2の端部に結合され、第6のスイッチ535の第2の端部は接地に結合される。
【0015】
スイッチ536の第1の端部は負入力信号Vin
−に結合される。負入力電圧は、正入力信号Vin
+から180度位相がずれている第1の周波数を有する交流(AC)電圧であり得る。スイッチ537は、スイッチ536の第2の端部と回路500の第2の出力Vo
−との間に結合される。コンデンサ522の第1の端部はスイッチ536の第2の端部に結合される。コンデンサ522の第2の端部は、スイッチ538の第1の端部およびスイッチ539の第1の端部に結合される。スイッチ538の第2の端部はオペアンプ510の第2の入力に結合される。オペアンプ510の第2の出力は回路500の第2の出力Vo
−に結合される。スイッチ539の第2の端部も接地に結合される。スイッチ540の第1の端部はスイッチ538の第2の端部に結合される。コンデンサ523の第1の端部は回路500の第2の出力Vo
−に結合され、コンデンサ523の第2の端部はスイッチ540の第2の端部に結合される。スイッチ541の第1の端部はコンデンサ523の第2の端部に結合され、スイッチ541の第2の端部は接地に結合される。
【0016】
動作において、回路500は
図1に示されている回路100と同様である。スイッチ530〜541は各々、スイッチがいつ開くか、またはいつ閉じるかを制御する制御信号を受信するように構成される。スイッチ530、532、534、536、538および540は第1の制御信号を受信するように構成され、スイッチ531、533、535、537、539および541は第2の制御信号を受信するように構成される。1つの実施形態では、たとえば、第1の制御信号はクロックによって生成され得、第2の制御信号は第1の制御信号の逆であり得、それによって、スイッチ530、532、534、536、538および540が開いているときスイッチ531、533、535、537、539および541は閉じており、スイッチ530、532、534、536、538および540が閉じているときスイッチ531、533、535、537、539および541は開いている。
【0017】
第1のフェーズにおいて、スイッチ530、532、534、536、538および540が閉じており、かつスイッチ531、533、535、537、539および541が開いているとき、コンデンサ520および522上に電荷が蓄積される。さらに、オペアンプ510ならびにコンデンサ521および523はそれぞれ、電圧出力Vo
+およびVo
−において先行する第2のフェーズからの電荷を保持する。第2のフェーズにおいて、スイッチ530、532、534、536、538および540が開いており、かつスイッチ531、533、535、537、539および541が閉じているとき、オペアンプ510はコンデンサ520および522によってサンプリングされた電圧を、それぞれ出力Vo
+およびVo
−において保持する。さらに、コンデンサ521および523は、それぞれ出力Vo
+およびVo
−において電圧をサンプリングし、それによって、回路500は後続の第1のフェーズの間、出力を保持する。
【0018】
1つの実施形態では、たとえば、第1のフェーズおよび第2のフェーズにおいて動作するように構成されるサンプルホールド回路が提供される。サンプルホールド回路は、限定ではないが、第1のコンデンサと、第2のコンデンサと、入力および出力を有する演算増幅器と、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、および演算増幅器を選択的に結合する複数のスイッチとを含むことができ、複数のスイッチは複数の制御信号を受信するように構成され、それによって、第1のフェーズでは、第1のコンデンサはサンプルホールド回路の入力と接地との間に結合されるように構成され、第2のコンデンサは演算増幅器の入力と演算増幅器の出力との間に結合されるように構成され、第2のフェーズでは、第1のコンデンサは演算増幅器の入力と演算増幅器の出力との間に結合されるように構成され、第2のコンデンサは演算増幅器の出力と接地との間に結合されるように構成される。複数のスイッチのうちの第1のスイッチは、第1のコンデンサとサンプルホールド回路の入力との間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第2のスイッチは、第1のコンデンサと演算増幅器の出力との間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第3のスイッチは、第1のコンデンサと演算増幅器の入力との間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第4のスイッチは、第1のコンデンサと接地との間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第5のスイッチは、演算増幅器の入力と第2のコンデンサとの間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第6のスイッチは、第2のコンデンサと接地との間に結合されることができる。第1のスイッチ、第4のスイッチおよび第5のスイッチは第1の制御信号を受信するように構成されることができる。第2のスイッチ、第3のスイッチおよび第6のスイッチは第2の制御信号を受信するように構成されることができ、第2の制御信号は第1の制御信号の逆である第1のフェーズでは、サンプルホールド回路の出力は先行する第2のフェーズにおけるサンプルホールド回路の出力に実質的に等しいことができ、第2のフェーズでは、サンプルホールド回路の出力は二分の一クロックサイクルだけ遅延された、第1のフェーズの間のサンプルホールド回路に対する入力に実質的に等しいことができる。第1のフェーズでは、第1のコンデンサは演算増幅器および第2のコンデンサから電気的に絶縁されることができる。サンプルホールド回路は、第3のコンデンサおよび第4のコンデンサをさらに含むことができ、複数のスイッチは、第3のコンデンサ、第4のコンデンサおよび演算増幅器を選択的に結合するとともに、複数の制御信号を受信するように構成され、それによって、第1のフェーズでは、第3のコンデンサはサンプルホールド回路の第2の入力と接地との間に結合されるように構成され、第4のコンデンサは演算増幅器の第2の入力と演算増幅器の第2の出力との間に結合されるように構成され、第2のフェーズでは、第3のコンデンサは演算増幅器の第2の入力と演算増幅器の第2の出力との間に結合されるように構成され、第4のコンデンサは演算増幅器の第2の出力と接地との間に結合されるように構成される。複数のスイッチのうちの第7のスイッチは第3のコンデンサとサンプルホールド回路の第2の入力との間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第8のスイッチは第3のコンデンサと演算増幅器の第2の出力との間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第9のスイッチは第3のコンデンサと演算増幅器の第2の入力との間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第10のスイッチは第3のコンデンサと接地との間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第11のスイッチは演算増幅器の第2の入力と第4のコンデンサとの間に結合されることができ、複数のスイッチのうちの第12のスイッチは第4のコンデンサと接地との間に結合されることができる。第7のスイッチ、第10のスイッチおよび第11のスイッチは第1の制御信号を受信するように構成されることができ、第8のスイッチ、第9のスイッチおよび第12のスイッチは第2の制御信号を受信するように構成されることができ、第2の制御信号は第1の制御信号の逆である。第1のフェーズでは、第3のコンデンサは演算増幅器および第4のコンデンサから電気的に絶縁されることができる。演算増幅器は第1のフェーズと第2のフェーズとの間でリセットされないことができる。さらに、サンプルホールド回路は自動車レーダ信号をサンプリングするように構成されることができる。
【0019】
別の実施形態では、たとえば、サンプルホールド回路が提供される。サンプルホールド回路は、限定ではないが、第1の端部および第2の端部を有する第1のスイッチであって、当該第1のスイッチの第1の端部は第1の入力電圧を受け取るように構成される、第1のスイッチと、第1の端部および第2の端部を有する第2のスイッチであって、当該第2のスイッチの第1の端部は第1のスイッチの第2の端部に結合される、第2のスイッチと、第1の端部および第2の端部を有する第1のコンデンサであって、当該第1のコンデンサの第1の端部は第1のスイッチの第2の端部に結合される、第1のコンデンサと、第1の端部および第2の端部を有する第3のスイッチであって、当該第3のスイッチの第1の端部は第1のコンデンサの第2の端部に結合される、第3のスイッチと、第1の端部および第2の端部を有する第4のスイッチであって、当該第4のスイッチの第1の端部は第1のコンデンサの第2の端部に結合され、当該第4のスイッチの第2の端部は接地に結合される、第4のスイッチと、第1の入力、第2の入力および第1の出力を有する演算増幅器であって、第1の入力は第3のスイッチの第2の端部に結合され、第1の出力は第2のスイッチの第2の端部に接続される、演算増幅器と、第1の端部および第2の端部を有する第5のスイッチであって、当該第5のスイッチの第1の端部は第3のスイッチの第2の端部に結合される、第5のスイッチと、第1の端部および第2の端部を有する第2のコンデンサであって、当該第2のコンデンサの第1の端部は演算増幅器の第1の出力に結合され、当該第2のコンデンサの第2の端部は第5のスイッチの第2の端部に結合される、第2のコンデンサと、第1の端部および第2の端部を有する第6のスイッチであって、当該第6のスイッチの第1の端部は第2のコンデンサの第2の端部に結合され、当該第6のコンデンサの第2の端部は接地に結合される、第6のスイッチとを含むことができる。演算増幅器の第2の入力は接地に結合されることができる。第1のスイッチ、第3のスイッチ、および第5のスイッチは第1の制御信号を受信するように構成されることができ、第2のスイッチ、第4のスイッチ、および第6のスイッチは第2の制御信号を受信するように構成されることができる。第1のフェーズでは、第1のスイッチ、第3のスイッチおよび第5のスイッチは閉じられることができ、第2のスイッチ、第4のスイッチおよび第6のスイッチは開いていることができ、第2のフェーズでは、第1のスイッチ、第3のスイッチおよび第5のスイッチは開いていることができ、第2のスイッチ、第4のスイッチおよび第6のスイッチは閉じられることができる。特許請求するサンプルホールド回路は、第1の端部および第2の端部を有する第7のスイッチであって、当該第7のスイッチの第1の端部は第2の入力電圧を受け取るように構成される、第7のスイッチ、第1の端部および第2の端部を有する第8のスイッチであって、当該第8のスイッチの第1の端部は第7のスイッチの第2の端部に結合される、第8のスイッチ、第1の端部および第2の端部を有する第3のコンデンサであって、当該第3のコンデンサの第1の端部は第7のスイッチの第2の端部に結合される、第3のコンデンサ、第1の端部および第2の端部を有する第9のスイッチであって、当該第9のスイッチの第1の端部は第3のコンデンサの第2の端部に結合される、第9のスイッチ、第1の端部および第2の端部を有する第10のスイッチであって、当該第10のスイッチの第1の端部は第3のコンデンサの第2の端部に結合され、当該第10のスイッチの第2の端部は接地に結合される、第10のスイッチ、第1の端部および第2の端部を有する第11のスイッチであって、当該第11のスイッチの第1の端部は第9のスイッチの第2の端部に結合される、第11のスイッチ、第1の端部および第2の端部を有する第4のコンデンサであって、当該第4のコンデンサの第1の端部は演算増幅器の第2の出力に結合され、当該第4のコンデンサの第2の端部は第11のスイッチの第2の端部に結合される、第4のコンデンサ、第1の端部および第2の端部を有する第12のスイッチであって、当該第12のスイッチの第1の端部は第4のコンデンサの第2の端部に結合され、当該第12のコンデンサの第2の端部は接地に結合される、第12のスイッチをさらに含むことができ、演算増幅器の第2の入力は第9のスイッチの第2の端部に結合され、第2の出力は第8のスイッチの第2の端部に接続される。第7のスイッチ、第9のスイッチおよび第11のスイッチは第1の制御信号を受信するように構成されることができ、第8のスイッチ、第10のスイッチおよび第12のスイッチは第2の制御信号を受信するように構成されることができる。第1のフェーズでは、第7のスイッチ、第9のスイッチおよび第11のスイッチは閉じられることができ、第8のスイッチ、第10のスイッチおよび第12のスイッチは開いていることができ、第2のフェーズでは、第7のスイッチ、第9のスイッチおよび第11のスイッチは開いていることができ、第8のスイッチ、第10のスイッチおよび第12のスイッチは閉じられることができる。演算増幅器は第1のフェーズと第2のフェーズとの間でリセットされないことができる。
【0020】
「例示的な」という用語は、本明細書においては、任意の数の代替形態を有し得る1つの例、事例または実例を表すために使用される。「例示的」として本明細書に記載される任意の実施例は、必ずしも他の実施例よりも好適である、または優位であるとは解釈されるべきではない。
【0021】
上記の説明においていくつかの例示的な実施形態が提示されたが、膨大な数の代替的であるが均等な変形形態が存在することが諒解されるべきであり、本明細書において提示されている例は決して、実施形態の範囲、適用可能性、または構成を限定するようには意図されない。逆に、特許請求項の範囲からおよびそれらの合法の均等物から逸脱することなく、本明細書に記載のさまざまな特徴の機能および構成にさまざまな変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0022】
100…サンプルホールド回路、120,125…コンデンサ、110…演算増幅器、130〜135…スイッチ。