(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の設定温度で作動している車両の空調装置に対して、前記所定の設定温度よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度、または、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更するように制御する温度制御装置を備え、
前記温度制御装置が、前記所定の設定温度における作動時の状態と、前記設定温度を変更した後の状態とを比較して、所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置の作動を制御するように構成され、
前記所定の条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の位置に対して、前記設定温度を変更した後の車両の位置が、所定の位置に到達したか否かの条件であることを特徴とする車両の空調温度制御装置。
前記熱負荷条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の乗車率に対して、前記設定温度を変更した後の車両の乗車率が、所定の乗車率に到達したか否かの熱負荷条件であることを特徴とする請求項2に記載の車両の空調温度制御装置。
前記熱負荷条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の車内温度に対して、前記設定温度を変更した後の車両の車内温度が、所定の車内温度に到達したか否かの熱負荷条件であることを特徴とする請求項2に記載の車両の空調温度制御装置。
所定の設定温度で作動している車両の空調装置に対して、前記所定の設定温度よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度、または、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更するように制御する温度再設定制御ステップと、
前記所定の設定温度における作動時の状態と、前記設定温度を変更した後の状態とを比較して、所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動するように制御する温度設定復帰ステップと、
を備え、
前記所定の条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の位置に対して、前記設定温度を変更した後の車両の位置が、所定の位置に到達したか否かの条件であることを特徴とする車両の空調温度制御方法。
前記熱負荷条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の乗車率に対して、前記設定温度を変更した後の車両の乗車率が、所定の乗車率に到達したか否かの熱負荷条件であることを特徴とする請求項8に記載の車両の空調温度制御方法。
前記熱負荷条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の車内温度に対して、前記設定温度を変更した後の車両の車内温度が、所定の車内温度に到達したか否かの熱負荷条件であることを特徴とする請求項8に記載の車両の空調温度制御方法。
前記熱負荷条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の外気温度に対して、前記設定温度を変更した後の車両の外気温度が、所定の外気温度に到達したか否かの熱負荷条件であることを特徴とする請求項8に記載の車両の空調温度制御方法。
元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動するように制御する温度設定復帰ステップにおいて、元の所定の設定温度になるように段階的に制御するように構成されていることを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の車両の空調温度制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2の鉄道車両用空調装置では、車内の全ての吹き出し口に、車内温度を調節できる温度調節用の強・弱ボタンを設けなければならず、複雑な構成となり、その制御システムも煩雑な構成となり、コストも高くつくことになる。
【0010】
また、乗客による強弱ボタンの押下数を比較して、車内の設定温度を補正するので、多数決により設定温度を補正しているのと同じであり、実際の乗客の感覚から寄せられる情報などが反映されているとは言い難いものであった。
【0011】
本発明は、このような現状に鑑み、乗務員の違いによる設定温度の変更の程度に差がなく一定で、乗務員の交代などの場合にも、変更した設定温度の戻し忘れがなく、しかも、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能な車両の空調温度制御装置および車両の空調温度制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の車両の空調温度制御装置は、
所定の設定温度で作動している車両の空調装置に対して、前記所定の設定温度よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度、または、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更するように制御する温度制御装置を備え、
前記温度制御装置が、前記所定の設定温度における作動時の状態と、前記設定温度を変更した後の状態とを比較して、
所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置の作動を制御するように
構成され、
前記所定の条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の位置に対して、前記設定温度を変更した後の車両の位置が、所定の位置に到達したか否かの条件であることを特徴とする。
また、本発明の車両の空調温度制御装置は、
所定の設定温度で作動している車両の空調装置に対して、前記所定の設定温度よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度、または、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更するように制御する温度制御装置を備え、
前記温度制御装置が、前記所定の設定温度における作動時の状態と、前記設定温度を変更した後の状態とを比較して、所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置の作動を制御するように構成され、
前記所定の条件が、車両の熱負荷条件であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の車両の空調温度制御方法は、
所定の設定温度で作動している車両の空調装置に対して、前記所定の設定温度よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度、または、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更するように制御する温度再設定制御ステップと、
前記所定の設定温度における作動時の状態と、前記設定温度を変更した後の状態とを比較して、
所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動するように制御する温度設定復帰ステップと、
を備え、
前記所定の条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の位置に対して、前記設定温度を変更した後の車両の位置が、所定の位置に到達したか否かの条件であることを特徴とする。
また、本発明の車両の空調温度制御方法は、
所定の設定温度で作動している車両の空調装置に対して、前記所定の設定温度よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度、または、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更するように制御する温度再設定制御ステップと、
前記所定の設定温度における作動時の状態と、前記設定温度を変更した後の状態とを比較して、所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動するように制御する温度設定復帰ステップと、
を備え、
前記所定の条件が、車両の熱負荷条件であることを特徴とする。
【0014】
このように、所定の設定温度で作動している車両の空調装置に対して、前記所定の設定温度よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度、または、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更するように制御している。
従って、乗務員の違いによる設定温度の変更の程度に差がなく一定である。
【0015】
また、所定の設定温度における作動時の状態と、設定温度を変更した後の状態とを比較して、
所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動するように制御している。
【0016】
従って、
所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動するので、乗務員の交代などの場合にも、変更した設定温度の戻し忘れがなく、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動することができる。
【0017】
しかも、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【0020】
また、本発明は、前記
所定の条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の位置に対して、前記設定温度を変更した後の車両の位置が、所定の位置に到達したか否かの
条件であることを特徴とする。
【0021】
このように構成することによって、設定温度を変更した後の車両の位置が、所定の位置に到達したか否かの
条件、例えば、営業路線の片道、往復、1周、線区の終点、近郊と郊外の境界点などの地域的な変化点に到達にかかる時間条件で判断して、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動することになる。
【0022】
従って、
所定の条件である、このような地域的な変化点に到達した所定時間経過後に、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動するので、乗務員の交代などの場合にも、変更した設定温度の戻し忘れがなく、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動することができる。
【0023】
また、本発明は、前記
所定の条件が、車両の熱負荷条件であることを特徴とする。
【0024】
このように構成することによって、
所定の条件が、車両の熱負荷条件であるので、実際の車内の熱環境に対応することができ、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【0025】
また、本発明は、前記熱負荷条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の乗車率に対して、前記設定温度を変更した後の車両の乗車率が、所定の乗車率に到達したか否かの熱負荷条件であることを特徴とする。
【0026】
このように構成することによって、熱負荷条件が、所定の乗車率に到達したか否かの熱負荷条件であるので、乗車率に応じた実際の車内の熱環境に対応することができ、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【0027】
また、本発明は、前記熱負荷条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の車内温度に対して、前記設定温度を変更した後の車両の車内温度が、所定の車内温度に到達したか否かの熱負荷条件であることを特徴とする。
【0028】
このように構成することによって、熱負荷条件が、車両の車内温度が、所定の車内温度に到達したか否かの熱負荷条件であるので、車両の車内温度に応じた実際の車内の熱環境に対応することができ、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【0029】
また、本発明は、前記熱負荷条件が、前記所定の設定温度における作動時の車両の外気温度に対して、前記設定温度を変更した後の車両の外気温度が、所定の外気温度に到達したか否かの
熱負荷条件であることを特徴とする。
【0030】
このように構成することによって、熱負荷条件が、車両の外気温度が、所定の外気温度に到達したか否かの
熱負荷条件であるので、車両の外気温度に応じた実際の車内の熱環境に対応することができ、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【0031】
また、本発明は、元の所定の設定温度で車両の空調装置の作動を制御する際に、元の所定の設定温度になるように段階的に制御するように構成されていることを特徴とする。
【0032】
このように構成することによって、変更した設定温度における作動が終了して、元の所定の設定温度で作動する際の設定温度の変更による、乗客が感じる空調装置の効き具合が変わった違和感を解消できることになる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、所定の設定温度で作動している車両の空調装置に対して、前記所定の設定温度よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度、または、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更するように制御している。
従って、乗務員の違いによる設定温度の変更の程度に差がなく一定である。
【0034】
また、所定の設定温度における作動時の状態と、設定温度を変更した後の状態とを比較して、
所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動するように制御している。
【0035】
従って、
所定の条件を満足する場合に、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動するので、乗務員の交代などの場合にも、変更した設定温度の戻し忘れがなく、元の所定の設定温度で車両の空調装置を作動することができる。
【0036】
しかも、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
【実施例1】
【0039】
(1)所定の条件:所定時間経過したか否かの時間条件である場合
【0040】
図1は、本発明の車両の空調温度制御装置を、車両として鉄道車両に適用した状態を説明する概略図、
図2は、
図1の別の実施例を説明する概略図、
図3は、本発明の車両の空調温度制御装置の概略を示すブロック図、
図4〜
図5は、本発明の車両の空調温度制御装置の作動を説明するフローチャート、
図6〜
図7は、本発明の車両の空調温度制御方法の概略を示す温度と時間の関係を示すグラフである。
【0041】
図1において、符号10は、全体で本発明の車両の空調温度制御装置(以下、単に「空調温度制御装置」と言う)を示している。
【0042】
図1に示したように、この実施例では、本発明の空調温度制御装置10を、例えば、車両として鉄道の車両12に適用した状態を示している。
【0043】
しかしながら、本発明の空調温度制御装置10は、例えば、鉄道車両、モノレール、路面電車などの車両など、乗客が乗り降りする車両であれば、単一車両、連結車両にかかわらず、これ以外の車両にでも適用することができる。
【0044】
図1に示したように、各車両12の天井には、エアコンから構成される空調装置14が備えられており、空調装置14によって、図示しない吹き出し口より車内16に、季節に合わせて冷気、暖気が供給される他、車内16の除湿、車内16と車外との空気の出入りも調節されるようになっている。
【0045】
なお、空調装置14としては、上記のように各車両12の天井に配置される、エアコンから構成される空調装置以外にも、例えば、図示しない座席下に配置される暖房用電気ヒーターなど、その他のいかなる空調装置も含まれることはもちろんである。
【0046】
また、各車両12の空調装置14には、温度制御装置を構成する空調制御装置18が接続されており、これらの空調制御装置18は、例えば、各車両の配電盤などに収納されている。そして、車両12の床下などに配線された接続線20を介して、運転室22の運転台の操作盤24に接続されている。
【0047】
また、図示しないが、この運転室22の運転台の操作盤24には、空調モードの指示スイッチ、例えば、冷房、暖房、送風、切などのスイッチが設けられている。
【0048】
さらに、
図3に示したように、操作盤24には、後述するように、所定の設定温度よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度に設定温度を変更して、空調装置14を作動するように制御するための設定「高め」のスイッチ26が設けられている。
【0049】
また、操作盤24には、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更して、空調装置14を作動するように制御するための設定「低め」のスイッチ28が設けられている。
【0050】
さらに、操作盤24には、これらの「設定高め」、「設定低め」の制御を強制的に解除するために、「解除」のスイッチ30が設けられている。
【0051】
これらのスイッチ26〜30からの指令は、接点などのオンオフ信号によって空調制御装置18へ伝達され、各車両12の空調装置14の温度制御がなされるようになっている。
【0052】
一方、本発明の空調温度制御装置10を、
図1に示したような、鉄道の車両12に適用する以外にも、本発明の空調温度制御装置10を、
図2に示したような、鉄道の車両12に適用することもできる。
【0053】
すなわち、
図2に示したような、本発明の空調温度制御装置10では、各車両12の空調装置14に接続された空調制御装置18には、情報端末装置32が接続されている。そして、これらの各車両12の情報端末装置32は、車両12の床下などに配線された接続線20を介して、運転室22の運転台のモニター装置34に接続されている。
【0054】
図2に示したような本発明の空調温度制御装置10では、運転室22の運転台に設置されたモニター装置34を操作することにより、モニター装置34に接続された、運転室22内に備えられた、図示しない、温度制御装置を構成する集中制御装置を介して、その情報が接続線20を介して、各車両12の情報端末装置32に伝送されるようになっている。
【0055】
そして、各車両12の空調制御装置18は、この情報に基づいて、各車両12の空調装置14を制御するように構成されている。
【0056】
この場合、運転台のモニター装置34のモニター画面に、空調モードの変更操作画面が構成されており、モニター画面の操作によって、各機器を遠隔操作したり、各機器の状態監視が行われるようになっている。
【0057】
また、モニター画面に、
図1の実施例と同様に、
図3に示したように、設定「高め」のスイッチ26、設定「低め」のスイッチ28、「解除」のスイッチ30が設けられている。
【0058】
さらに、
図2に示したような本発明の空調温度制御装置10では、各車両12毎に、「設定高め」、「設定低め」、「解除」の操作を行うことができるようになっている。
【0059】
このように構成される本発明の空調温度制御装置10による空調温度制御方法について、以下に説明する。
【0060】
先ず、本発明の空調温度制御装置10では、
図6のグラフに示したように、各車両12の空調装置14は、予め所定の設定温度T1(
図6のグラフでは、設定温度T1が27℃)で作動している状態である。
【0061】
そして、
図4に示したように、ステップS1において、乗客からのクレーム、または、乗務員の判断が行われる。そして、ステップS2において、「暑い」か否かの判断がなされる。
【0062】
すなわち、例えば、乗務員が「暑い」と感じるか、または、乗務員に対して、乗客から「暑い」というクレームがあった場合は、ステップS3に進み、
図3に示したように、運転室22の運転台に設置された操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「低め」のスイッチ28を入れるように操作する。
【0063】
一方、例えば、乗務員が「暑い」と感じないか、または、乗務員に対して、乗客から「暑い」というクレームがなかった場合は、ステップS4に進む。
【0064】
すなわち、例えば、乗務員が「寒い」と感じるか、または、乗務員に対して、乗客から「寒い」というクレームがあった場合は、ステップS5に進み、
図3に示したように、運転室22の運転台に設置された操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「高め」のスイッチ26を入れるように操作する。
【0065】
そして、このように操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「低め」のスイッチ28を入れるように操作するか、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「高め」のスイッチ26を入れるように操作することによって、変更後の設定温度(「設定低め」の変更後の設定温度T2、または、「設定高め」の変更後の設定温度T3)に設定温度が変更される。この場合は、
図5に示したフローチャートのように制御されるようになっている。
【0066】
すなわち、所定の設定温度T1における作動時の状態と、設定温度(T2、T3)に設定温度を変更した後の状態とを比較して、所定の時間条件を満足する場合に、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御するように構成されている。
【0067】
この場合、所定の時間条件が、所定の設定温度T1における作動後から所定時間経過したか否かの時間条件である場合を示している。
【0068】
具体的には、
図5に示したフローチャートに示したように、ステップS6において、設定温度の設定変更の実行とともに、時間タイマーがセットされる。
【0069】
その後、ステップS7において、「設定低め」の変更後の設定温度T2、または、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0070】
次に、ステップS8において、所定時間が経過したか否かが判断され、所定時間が経過していないと判断された場合には、再びステップS7に戻り、「設定低め」の変更後の設定温度T2、または、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0071】
一方、ステップS8において、所定時間が経過したか否かが判断され、所定時間が経過したと判断された場合には、ステップS9に進み、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0072】
例えば、
図6のグラフは、「設定低め」の場合を示しており、各車両12の空調装置14は、予め所定の設定温度T1(
図6のグラフでは27℃)で作動している。
【0073】
そして、例えば、乗務員が「暑い」と感じるか、または、乗務員に対して、乗客から「暑い」というクレームがあった場合、t1の時点で、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「低め」のスイッチ28を入れるように操作する。
【0074】
これにより、
図6のグラフに示したように、変更後の設定温度T2(
図6のグラフでは、変更後の設定温度T2が26℃)に設定温度が変更される。
【0075】
また、
図7のグラフは、「設定高め」の場合を示しており、各車両12の空調装置14は、予め所定の設定温度T1(
図7のグラフでは27℃)で作動している。
【0076】
そして、例えば、乗務員が「寒い」と感じるか、または、乗務員に対して、乗客から「寒い」というクレームがあった場合、t1の時点で、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「高め」のスイッチ26を入れるように操作する。
【0077】
これにより、
図7のグラフに示したように、変更後の設定温度T3(
図7のグラフでは、変更後の設定温度T3が28℃)に設定温度が変更される。
【0078】
その後、ステップS7において、「設定低め」の変更後の設定温度T2、または、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0079】
そして、ステップS8において、所定時間が経過したか否かが判断され、所定時間が経過したと判断されたt2の時点で、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0080】
この場合、所定の設定温度T1と変更後の設定温度(T2、T3)との差(変化量)は、予め設定されており、空調制御装置18側、または、空調制御装置18に接続される、図示しない列車情報機器にて保存されており、乗務員はこの設定値を簡単に変更できないようになっている。
【0081】
このように構成することによって、所定の設定温度T1で作動している車両12の空調装置14に対して、所定の設定温度T1よりも、予め決められた温度だけ高い設定高め温度(変更後の設定温度T3に変更)、または、予め決められた温度だけ低い設定低め温度に設定温度を変更(変更後の設定温度T2に変更)するように制御している。
【0082】
従って、乗務員の違いによる設定温度の変更の程度(変化量)に差がなく一定である。
【0083】
また、所定の設定温度T1における作動時の状態と、設定温度を変更した後の状態とを比較して、所定の時間条件を満足する場合に、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御している。
【0084】
すなわち、所定の時間条件である、所定時間経過後に、元の所定の設定温度T1で車両の空調装置を作動するので、乗務員の交代などの場合にも、変更した設定温度(T2、T3)の戻し忘れがなく、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動することができる。
【0085】
従って、所定の時間条件を満足する場合に、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するので、乗務員の交代などの場合にも、変更した設定温度(T2、T3)の戻し忘れがなく、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動することができる。
【0086】
しかも、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【実施例2】
【0087】
(2)所定の条件:車両の位置が、所定の位置に到達したか否かの条件である場合
【0088】
図8は、本発明の別の実施例の車両の空調温度制御装置の作動を説明するフローチャートである。
【0089】
実施例1の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、所定時間経過したか否かの時間条件である場合であり、所定時間が経過したか否かが判断され、所定時間が経過したと判断された場合に、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御されるものである。
【0090】
これに対して、この実施例の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、車両12の位置が、所定の位置に到達したか否かの
条件である場合を示している。具体的には、
図8に示したフローチャートのように制御されるようになっている。
【0091】
すなわち、
図8に示したように、この実施例の車両の空調温度制御装置10においても、実施例1と同様に、ステップ10において、乗客からのクレーム、または、乗務員の判断が行われて、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「低め」のスイッチ28を入れるように操作するか、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「高め」のスイッチ26を入れるように操作することによって、変更後の設定温度(T2、T3)に設定温度が変更される。この設定温度(T2、T3)に設定温度が変更された地点が、
図8に示したように、A地点である。
【0092】
その後、ステップ11において、「設定低め」の変更後の設定温度T2、または、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。そして、ステップ12において、車両12の位置情報が収集される。
【0093】
この場合、車両12の位置情報の検知方法は、例えば、GPS位置情報、車両12と地上に設けられた地点検知機器からの情報、または、車両12の運行距離情報などから得ることができ、何ら限定されるものではない。
【0094】
その後、ステップ13において、設定温度を変更した後の車両12の位置が、所定の位置に到達したか否かの
条件が判断される。すなわち、車両12の位置が地点Bに到達したか否かが判断される。
【0095】
この場合、地点Bは、例えば、営業路線の片道、往復、1周、線区の終点、近郊と郊外の境界点などの地域的な変化点であって、このような地域的な変化点に到達にかかる
条件で判断されることになる。
【0096】
そして、ステップ13において、車両12の位置が地点Bに到達したと判断された場合、すなわち、地点Bを通過、または、地点Bにて停止した場合には、ステップ14に進み、ステップ14において、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0097】
一方、ステップ13において、車両12の位置が地点Bに到達していないと判断された場合には、再びステップ11に戻り、「設定低め」の変更後の設定温度T2、または、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0098】
このように構成することによって、設定温度を変更(設定温度(T2、T3)に変更)した後の車両12の位置が、所定の位置(地点B)に到達したか否かの
条件、例えば、営業路線の片道、往復、1周、線区の終点、近郊と郊外の境界点などの地域的な変化点に到達にかかる
条件で判断して、元の所定の設定温度T1で車両の空調装置を作動することになる。
【0099】
従って、所定の
条件である、このような地域的な変化点に到達した所定時間経過後に、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するので、乗務員の交代などの場合にも、変更した設定温度(T2、T3)の戻し忘れがなく、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動することができる。
【実施例3】
【0100】
(3)所定の条件:車両の乗車率が、所定の乗車率に到達したか否かの熱負荷条件である場合
【0101】
図9は、本発明の別の実施例の車両の空調温度制御装置の作動を説明するフローチャートである。
【0102】
実施例1の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、所定時間経過したか否かの時間条件である場合であり、所定時間が経過したか否かが判断され、所定時間が経過したと判断された場合に、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御されるものである。
【0103】
これに対して、この実施例の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、車両12の乗車率が、所定の乗車率に到達したか否かの熱負荷条件である場合を示している。具体的には、
図9に示したフローチャートのように制御されるようになっている。
【0104】
すなわち、
図9に示したように、この実施例の車両の空調温度制御装置10においても、実施例1と同様に、ステップ20において、乗客からのクレーム、または、乗務員の判断が行われて、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「低め」のスイッチ28を入れるように操作するか、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「高め」のスイッチ26を入れるように操作することによって、変更後の設定温度(T2、T3)に設定温度が変更される。
【0105】
そして、ステップ21において、現在(操作時)の乗車率Cが、空調制御装置18、または、空調制御装置18に接続される、図示しない列車情報機器に記憶される。
【0106】
次に、ステップ22において、設定「低め」のスイッチ28を入れたか、設定「高め」のスイッチ26を入れたかが判断される。
【0107】
そして、ステップ22において、設定「高め」のスイッチ26を入れたと判断された場合には、ステップ23に進み、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0108】
次に、ステップ24において、設定温度を変更(変更後の設定温度T3に変更)した後の車両12の「乗車率D」の監視が常時行われる。
【0109】
そして、ステップ25において、「設定高め」設定の空調運転を継続中において、
(乗車率C+α)<乗車率D
となったか否かが判断される。
なお、αは、予め設定された乗車率の増減域値を示している。
【0110】
ステップ25において、(乗車率C+α)<乗車率Dと判断された場合には、ステップ26に進み、ステップ26において、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0111】
一方、ステップ25において、(乗車率C+α)<乗車率Dではないと判断された場合には、再びステップ23に戻り、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0112】
また、ステップ22において、設定「低め」のスイッチ28を入れたと判断された場合には、ステップ27に進み、「設定低め」の変更後の設定温度T2において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0113】
次に、ステップ28において、設定温度を変更(変更後の設定温度T2に変更)した後の車両12の「乗車率D」の監視が常時行われる。
【0114】
そして、ステップ29において、「設定低め」設定の空調運転を継続中において、
(乗車率C−α)>乗車率D
となったか否かが判断される。
【0115】
ステップ29において、(乗車率C−α)>乗車率Dと判断された場合には、ステップ26に進み、ステップ26において、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0116】
一方、ステップ29において、(乗車率C−α)>乗車率Dではないと判断された場合には、再びステップ27に戻り、「設定低め」の変更後の設定温度T2において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0117】
このように、この実施例の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、車両12の乗車率が、所定の乗車率に到達したか否かの熱負荷条件である場合を示している。
【0118】
このように構成することによって、
所定の条件が、所定の乗車率に到達したか否かの熱負荷条件であるので、実際の車内の熱環境に対応することができ、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【実施例4】
【0119】
(4)所定の条件:車両の車内温度が、所定の車内温度に到達したか否かの熱負荷条件である場合
【0120】
図10は、本発明の別の実施例の車両の空調温度制御装置の作動を説明するフローチャートである。
【0121】
実施例1の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、所定時間経過したか否かの時間条件である場合であり、所定時間が経過したか否かが判断され、所定時間が経過したと判断された場合に、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御されるものである。
【0122】
これに対して、この実施例の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、車両12の車内温度が、所定の車内温度に到達したか否かの熱負荷条件である場合を示している。
【0123】
具体的には、
図10に示したフローチャートのように制御されるようになっている。
【0124】
すなわち、
図10に示したように、この実施例の車両の空調温度制御装置10においても、実施例1と同様に、ステップ30において、乗客からのクレーム、または、乗務員の判断が行われて、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「低め」のスイッチ28を入れるように操作するか、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「高め」のスイッチ26を入れるように操作することによって、変更後の設定温度(T2、T3)に設定温度が変更される。
【0125】
そして、ステップ31において、変更後の設定温度(T2、T3)が、空調制御装置18、または、空調制御装置18に接続される、図示しない列車情報機器に記憶される。
【0126】
次に、ステップ32において、設定「低め」のスイッチ28を入れたか、設定「高め」のスイッチ26を入れたかが判断される。
【0127】
そして、ステップ32において、設定「高め」のスイッチ26を入れたと判断された場合には、ステップ33に進み、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0128】
次に、ステップ34において、設定温度を変更(変更後の設定温度T2に変更)した後の車両12の「車内温度E」の監視が常時行われる。
【0129】
そして、ステップ35において、「設定高め」設定の空調運転を継続中において、
(設定温度T3+β)<車内温度E
となったか否かが判断される。
なお、βは、予め設定された設定温度の増減閾値を示している。
【0130】
ステップ35において、(設定温度T3+β)<車内温度Eと判断された場合には、十分に車内温度が上昇したので、ステップ36に進み、ステップ36において、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0131】
一方、ステップ35において、(設定温度T3+β)<車内温度Eではないと判断された場合には、再びステップ33に戻り、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0132】
また、ステップ32において、設定「低め」のスイッチ28を入れたと判断された場合には、ステップ37に進み、「設定低め」の変更後の設定温度T2において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0133】
次に、ステップ38において、設定温度を変更(変更後の設定温度T2に変更)した後の車両12の「車内温度E」の監視が常時行われる。
【0134】
そして、ステップ39において、「設定低め」設定の空調運転を継続中において、
(設定温度T2−β)>車内温度E
となったか否かが判断される。
【0135】
ステップ39において、(設定温度T2−β)>車内温度Eと判断された場合には、ステップ36に進み、ステップ36において、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0136】
一方、ステップ39において、(設定温度T2−β)>車内温度Eではないと判断された場合には、再びステップ37に戻り、「設定低め」の変更後の設定温度T2において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0137】
このように、この実施例の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、車両12の車内温度が、所定の車内温度に到達したか否かの熱負荷条件である場合を示している。
【0138】
このように構成することによって、熱負荷条件が、車両の車内温度が、所定の車内温度に到達したか否かの熱負荷条件であるので、車両12の車内温度に応じた実際の車内の熱環境に対応することができ、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【実施例5】
【0139】
(5)所定の条件:車両の外気温度が、所定の外気温度に到達したか否かの熱負荷条件である場合
【0140】
図11は、本発明の別の実施例の車両の空調温度制御装置の作動を説明するフローチャートである。
【0141】
実施例1の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、所定時間経過したか否かの時間条件である場合であり、所定時間が経過したか否かが判断され、所定時間が経過したと判断された場合に、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御されるものである。
【0142】
これに対して、この実施例の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、車両12の外気温度が、所定の外気温度に到達したか否かの熱負荷条件である場合を示している。
【0143】
具体的には、
図11に示したフローチャートのように制御されるようになっている。
【0144】
すなわち、
図11に示したように、この実施例の車両の空調温度制御装置10においても、実施例1と同様に、ステップ40において、乗客からのクレーム、または、乗務員の判断が行われて、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「低め」のスイッチ28を入れるように操作するか、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「高め」のスイッチ26を入れるように操作することによって、変更後の設定温度(T2、T3)に設定温度が変更される。
【0145】
そして、ステップ41において、変更後の「外気温度F」が、空調制御装置18、または、空調制御装置18に接続される、図示しない列車情報機器に記憶される。
【0146】
次に、ステップ42において、設定「低め」のスイッチ28を入れたか、設定「高め」のスイッチ26を入れたかが判断される。
【0147】
そして、ステップ42において、設定「高め」のスイッチ26を入れたと判断された場合には、ステップ43に進み、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0148】
次に、ステップ44において、設定温度を変更(変更後の設定温度T2に変更)した後の車両12の「外気温度G」の監視が常時行われる。
【0149】
そして、ステップ45において、「設定高め」設定の空調運転を継続中において、
(外気温度F+γ)<外気温度G
となったか否かが判断される。
なお、γは、予め設定された外気温度の増減閾値を示している。
【0150】
ステップ45において、(外気温度F+γ)<外気温度Gと判断された場合には、十分に車内温度が上昇したので、ステップ46に進み、ステップ46において、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0151】
一方、ステップ45において、(外気温度F+γ)<外気温度Gではないと判断された場合には、再びステップ43に戻り、「設定高め」の変更後の設定温度T3において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0152】
また、ステップ42において、設定「低め」のスイッチ28を入れたと判断された場合には、ステップ47に進み、「設定低め」の変更後の設定温度T2において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0153】
次に、ステップ48において、設定温度を変更(変更後の設定温度T2に変更)した後の車両12の「外気温度G」の監視が常時行われる。
【0154】
そして、ステップ49において、「設定低め」設定の空調運転を継続中において、
(外気温度F−γ)>外気温度G
となったか否かが判断される。
【0155】
ステップ49において、(外気温度F−γ)>外気温度Gと判断された場合には、ステップ60に進み、ステップ46において、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0156】
一方、ステップ49において、(外気温度F−γ)>外気温度Gではないと判断された場合には、再びステップ47に戻り、「設定低め」の変更後の設定温度T2において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0157】
このように、この実施例の車両の空調温度制御装置10では、
所定の条件が、車両12の外気温度が、所定の外気温度に到達したか否かの熱負荷条件である場合を示している。
【0158】
このように構成することによって、熱負荷条件が、車両の外気温度が、所定の外気温度に到達したか否かの時間条件であるので、車両12の外気温度に応じた実際の車内の熱環境に対応することができ、より乗客の体感に近い感覚での対応が行え、簡単なシステムにて乗客の情報、クレームに即応可能である。
【実施例6】
【0159】
(6)元の所定の設定温度になるように段階的に制御する場合
【0160】
図12は、本発明の別の実施例の車両の空調温度制御方法の概略を示す温度と時間の関係を示す
図6と同様なグラフ、
図13は、本発明の別の実施例の車両の空調温度制御方法の概略を示す温度と時間の関係を示す
図7と同様なグラフである。
【0161】
図12のグラフは、「設定低め」の場合を示しており、各車両12の空調装置14は、予め所定の設定温度T1(
図12のグラフでは27℃)で作動している。
【0162】
そして、例えば、乗務員が「暑い」と感じるか、または、乗務員に対して、乗客から「暑い」というクレームがあった場合、t1の時点で、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「低め」のスイッチ28を入れるように操作する。
【0163】
これにより、
図12のグラフに示したように、変更後の設定温度T2(
図12のグラフでは、変更後の設定温度T2が26℃)に設定温度が変更される(第1の設定変更値に変更される)。
【0164】
その後、「設定低め」の変更後の設定温度T2において、空調装置14が作動して空調運転が継続される。
【0165】
そして、所定時間が経過したと判断されたt3の時点で、元の所定の設定温度T1と変更後の設定温度T2との間の設定温度T4(
図12のグラフでは26.5℃)で車両12の空調装置14を作動するように制御される(第2の設定変更値に変更される)。
【0166】
さらに、所定時間が経過したと判断されたt4の時点で、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0167】
一方、
図13は、「設定高め」の場合を示しており、各車両12の空調装置14は、予め所定の設定温度T1(
図13のグラフでは27℃)で作動している。
【0168】
そして、例えば、乗務員が「寒い」と感じるか、または、乗務員に対して、乗客から「寒い」というクレームがあった場合、t1の時点で、操作盤24、または、モニター装置34のモニター画面の設定「高め」のスイッチ26を入れるように操作する。
【0169】
これにより、
図13のグラフに示したように、変更後の設定温度T2(
図13のグラフでは、変更後の設定温度T3が28℃)に設定温度が変更される(第1の設定変更値に変更される)。
【0170】
そして、所定時間が経過したと判断されたt5の時点で、元の所定の設定温度T1と変更後の設定温度T3との間の設定温度T5(
図13のグラフでは27.5℃)で車両12の空調装置14を作動するように制御される(第2の設定変更値に変更される)。
【0171】
さらに、所定時間が経過したと判断されたt6の時点で、元の所定の設定温度T1で車両12の空調装置14を作動するように制御される。
【0172】
このように、この実施例の車両の空調温度制御装置10では、元の所定の設定温度T1で車両の空調装置を作動するように制御する際に、元の所定の設定温度になるように段階的に制御するように構成されている。
【0173】
このように構成することによって、変更した設定温度(T2、T3)における作動が終了して、元の所定の設定温度T1で作動する際の設定温度の変更による、乗客が感じる空調装置の効き具合が変わった違和感を解消できることになる。
【0174】
なお、この実施例の場合には、2段階で段階的に元の所定の設定温度になるように制御するように構成されているが、3段階以上で段階的に元の所定の設定温度になるように制御するように構成することも可能である。
【0175】
また、この実施例では、
所定の条件として、所定時間経過したか否かの
条件である場合について、段階的に元の所定の設定温度になるように制御するように構成したが、時間条件が、上記の実施例2〜実施例5のように、車両の位置、乗車率、車内温度、外気温度についても同様にして、段階的に元の所定の設定温度になるように制御するように構成することも可能である。
【0176】
上記の実施例では、時間条件として、次の(1)〜(5)の5つの場合について説明した。
(1)
所定の条件が、所定時間経過したか否かの時間条件である場合
(2)
所定の条件が、車両の位置が、所定の位置に到達したか否かの
条件である場合
(3)
所定の条件が、車両の乗車率が、所定の乗車率に到達したか否かの熱負荷条件である場合
(4)
所定の条件が、車両の車内温度が、所定の車内温度に到達したか否かの熱負荷条件である場合
(5)
所定の条件が、車両の外気温度が、所定の外気温度に到達したか否かの熱負荷条件である場合
しかしながら、このような場合の他にも、
所定の条件として、例えば、日射量などの時間経過によって変化する時間的条件、熱負荷条件について適用することが可能である。
【0177】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記の複数の
所定の条件を組み合わせて適用することも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。