(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
周面どうしが対向するように回転軸が平行に配置された第1ロール及び第2ロールを備え、これらのロールの回転軸の一端側に位置する第1作業面と、他端側に位置する第2作業面とを備えた加圧装置であって、
第1及び第2ロールは回転動力伝達手段によって接続されて、互い反対方向に向けて回転可能になっており、
第1ロールが直接に又は間接的に回転駆動源に接続され、該回転駆動源によって回転駆動される第1ロールの回転が前記回転動力伝達手段によって第2ロールに伝達されるようになっており、
回転駆動源が第1作業面側に設置されており、
第2ロールに、該第2ロールの回転軸に接続し、かつ該第2ロールを手動で回転させる治具を装着するための治具装着部位が設けられている加圧装置。
周面どうしが対向するように回転軸が平行に配置された第1ロール及び第2ロールを備え、これらのロールの回転軸の一端側に位置する第1作業面と、他端側に位置する第2作業面とを備えた加圧装置であって、
第1及び第2ロールは回転動力伝達手段によって接続されて、互い反対方向に向けて回転可能になっており、
第1ロールが直接に又は間接的に回転駆動源に接続され、該回転駆動源によって回転駆動される第1ロールの回転が前記回転動力伝達手段によって第2ロールに伝達されるようになっており、
回転駆動源が第1作業面側に設置されており、
回転動力伝達手段の一部に、該回転動力伝達手段を手動で動作させる治具を装着するための治具装着部位が設けられている加圧装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1(a)及び(b)に示す加工装置10は、第1ロール11及び第2ロール12からなる一対のロールを備えている。これらのロール11,12は、周面どうしが対向するように、それらの回転軸11a,12aが平行に配置されている。ロール11,12は、それらの回転軸が延びる方向の一端側に第1支持体21を有し、かつ他端側に第2支持体22を有している。ロール11,12は、それらの回転軸11a,12aが、これらの支持体21,22によって水平方向を維持するように支持されている。以下の説明においては、加圧装置10における第1支持体21が配された面を第1作業面31といい、第2支持体22が配された面を第2作業面32という。
【0013】
第1ロール11及び第2ロール12は、
図1(a)及び(b)において紙面の縦方向である鉛直方向に沿って配置されている。第1ロール11は、装置10の上部に配置された昇降手段13によって鉛直方向に沿って昇降可能な可動ロールになっている。昇降手段13としては、例えば油圧式や空圧式のシリンダやサーボモーターなどが用いられる。一方、第2ロール12は、第1支持体21及び第2支持体22に固定状態で取り付けられている固定ロールである。昇降手段13によって第1ロール11を第2ロール12に対して接離させることで、両ロール間のクリアランスを制御できる。
【0014】
第1ロール11は回転駆動源に接続されている。詳細には、第1ロール11は、その回転軸11aに接続しているか、又は該回転軸11aが第1作業面側へ延長しているロール側駆動軸11eを有している。回転駆動源側には、駆動源側軸11fが取り付けられている。ロール側駆動軸11eと、駆動源側軸11fとは、ジョイント部11bによって連結されている。ジョイント部11bとしては、例えばトリボールジョイントなどが用いられ、第1ロール11が昇降して、ロール側駆動軸11eと駆動源側軸11fとの軸心の位置がずれても、第1ロール11の回転に支障を来さないようになっている。
【0015】
駆動源側軸11fにはプーリー11cが取り付けられている。このプーリー11cと、回転駆動源40の一例であるモーターとの間に無端ベルト11dが架け渡されている。回転駆動源40は、加圧装置10における第1作業面31の側に設置されている。また回転駆動源40は、第1ロール11にのみ接続されている。第2ロール12には回転駆動源40は接続されていない。なお、本実施形態においては、プーリー及び無端ベルトを介して回転駆動源40が間接的に第1ロール11に接続されているが、これに代えて、第1ロール11に直接に回転駆動源40を接続してもよい。
【0016】
回転駆動源40によって回転駆動される第1ロール11の回転は、回転動力伝達手段41によって第2ロール12に伝達される。回転動力伝達手段41としては、複数のプーリー42a−42d及び該プーリー42a−42d間に架け渡された無端ベルト43が用いられる。複数のプーリー42a−42dのうち、第1ロールの回転軸11aに直結するプーリーは駆動プーリー42aである。また、第2ロール12の回転軸12aに直結するプーリーは従動プーリー42bである。その他の2つのプーリーは、無端ベルトの走行に連れて連れ周りする案内プーリー42c,42dである。案内プーリー42dは、第2支持体22の外面に取り付けられた支持軸44dによって回転可能に支持されている。案内プーリー42cについても同様である。無端ベルト43は
図1(a)に示すとおりの経路で各プーリー42a−42d間に架け渡され、それによって第1ロール11は
図1(a)において矢印で示すA方向に回転するとともに、第2ロール12はA方向と反対方向であるB方向に回転する。
【0017】
加圧装置11によって加圧加工される加工対象物は、所定のクリアランスに調整された第1ロール11及び第2ロール12の間に供給される。加工対象物の種類や加工方法に応じて第1ロール11及び第2ロール12の構造は相違する。例えば、加工対象物をカレンダ加工する場合、第1ロール11及び第2ロール12はその周面が鏡面仕上げされた平滑なカレンダロールからなる。加工対象物をエンボス加工する場合、第1ロール11はその周面が所定パターンの凹凸形状が形成されたエンボスロールからなり、第2ロール12はその周面が平滑なアンビルロールからなる。第2ロール12をエンボスロールとし、第1ロール11をアンビルロールとしてもよい。また、ロール11,12のうちの少なくとも一方は、加工対象物や加工方法に応じて加熱可能な構造となっていてもよい。
【0018】
加工装置11においては、第2作業面32の側に、第2ロール12の回転軸12aに接続した突起部50が設けられている。突起部50は、第2ロール12の回転軸12aに接続されている従動プーリー42bよりも外方に位置している。突起部50は例えばスパナのような工具を掛けられるように正六角柱状、あるいは四角柱の形状を有している。突起部50は、その長さ方向の中心軸を、第2ロール12の回転軸12aの中心軸と一致させて、該回転軸12aに接続されている。したがって突起部50は、第2ロール12の回転に連れて同方向に回転するようになっている。
【0019】
図2には、
図1(a)及び(b)に示す加圧装置10の使用状態の一例が示されている。同図に示すとおり、第1ロール11と第2ロール12との間に所定のクリアランスを設け、かつ回転駆動源40を起動してこれらのロール11,12を同図中、矢印A方向及びB方向に回転させた状態下に、両ロール11,12間にシート状の加工対象物70を矢印D方向に向けて供給する。両ロール11,12間に供給された加工対象物70には、ロール11,12の種類に応じた加工が施される。加工の途中で何らかの原因によって、加工対象物70がいずれかのロールに巻き付いたり、加工対象物70に破断が生じたりしたら、加圧装置11の運転を停止してトラブル発生原因を取り除く。例えば、回転駆動源40の運転を停止して各ロール11,12の回転が停止したのを確認した後、昇降手段13を上昇させて第1ロール11を第2ロール12から離間させ、第1ロール11及び/又は第2ロール12に巻き付いている加工対象物70を取り除く。このとき、加圧装置12の第2作業面32側において第2ロール12の回転軸12aに接続されている突起部70に、第2ロール12を回転させるための治具51、例えばスパナやレンチを装着し、該治具51を用いて第2ロール12を手動で回転させる。治具51を用いた第2ロール12の回転は、プーリー42a−42d及び無端ベルト43からなる回転動力伝達手段を介して第1ロール11へ伝達され、第2ロール12の回転に連れて、第1ロール11も回転する。両ロール11,12の回転によって、これらのロールに巻き付いていたトラブル発生原因の除去や、ロール表面の清掃が容易になる。また、中断していた作業を容易に復旧することができる。
【0020】
以上のとおり、本実施形態によれば、第2ロール12に接続された突起部50に該ロール12を手動で回転させるための治具51を装着することで、該治具51によって第2ロール12を容易に手動回転させることができる。したがって本実施形態の加圧装置10における突起部50は、治具装着部位として用いられる。
【0021】
本実施形態の加圧装置10においては、
図1(b)に示すとおり、該装置10の第1作業面31の側に、ロール回転用の回転駆動源40が設置されている。ロール11,12の寸法にもよるが、これらのロール11,12が大径のものである場合には、回転駆動源40も大型のものが必要となる。その場合、加圧装置10の第1作業面31の側のスペースはその多くを回転駆動源40で占められてしまい、作業員による作業スペースは限られたものとなってしまう。また第1作業面31の側からの装置10へのアクセスも行いにくいものとなってしまう。したがって、仮に、上述した突起部50を、第1作業面31の側において第2ロール12の回転軸12aに接続して用いた場合、該ロール12自体の手動回転は可能であるものの、第1作業面31の側から突起部50へのアクセスが容易でなく、また突起部50に治具51を装着させられたとしても、限られた作業スペースの中での第2ロール12の手動回転は容易でない。これに対して、本実施形態の加工装置10においては、作業スペースに比較的制約が少ない第2作業面32の側に突起部51を設けたので、作業員による突起部51のアクセスは容易であり、しかも突起部50に治具51を装着した状態での第2ロール12の手動回転も容易に行える。
【0022】
図3(a)及び(b)には、
図1及び2に示す加圧装置10の変形例が示されている。
図3(a)及び(b)に示す加圧装置10Aは、第1ロール11及び第2ロール12が加熱可能な構造を有している。詳細には、各ロール11,12はその内部にヒーター及び温度センサを備えた加熱ユニット14を備えている。加熱ユニット14におけるヒーターとしては、例えば通電によって発熱する電気ヒーターなどを用いることができる。温度センサとしては、例えば熱電対を用いることができる。これらの部材からなる加熱ユニット14からは、通電用及び温度情報伝達用の電線15が延びている。この電線15は、各ロール11,12の回転軸11a,12aの内部を通って、該回転軸11a,12aにおける第2作業面32の側の端部に取り付けられた接続部位16に接続されている。接続部位16は、各ロール11,12を例えば電気的に加熱制御装置(図示せず)へ接続するために用いられるものである。接続部位は例えばロータリーコネクタからなる。ロータリーコネクタは、該ロータリーコネクタと対になるコネクタ(図示せず)を備えたケーブル(図示せず)を通じて、加熱制御装置(図示せず)に接続されている。
【0023】
以上の構造を有する本実施形態の加圧装置10Aでは、先に述べた実施形態の加圧装置10と異なり、第2ロール12における第2作業面32の側の端部に接続部位16が存在しているので、該端部に治具装着部位50を設けることはできない。そこで本実施形態の加圧装置10Aでは、第2ロール12に治具装着部位50を設けることに代えて、第1ロール11と第2ロール12との回転動力伝達手段として用いられるプーリー42a−42d及び無端ベルト43のうち、第1及び第2ロール11,12の回転軸に取り付けられているプーリー42a,42b以外のプーリーである案内プーリー42dに、治具装着部位としての突起部50を設けている。詳細には、突起部50の長さ方向の中心軸を、案内プーリー42dの中心軸と一致させて、該突起部50を案内プーリー42dの外面側に設けている。案内プーリー42dに設けられた突起部50は、該案内プーリー42dの回転に連れて回転する。したがって、突起部50に治具(図示せず)を取り付けて案内プーリー42dを回転させると、その回転動力が無端ベルト43及び他のプーリーを介して第1ロール11及び第2ロール12に伝達される。その結果、治具によって第1ロール11及び第2ロール12を正逆両方向に回転させることが可能になる。このように本実施形態においては、回転動力伝達手段の一部である案内プーリー42dに、該回転動力伝達手段を手動で動作させる治具(図示せす)を装着するための治具装着部位50が設けられている。
【0024】
なお、本実施形態の回転動力伝達手段においては、連れ周りする案内プーリーが2個備えられているところ、一方の案内プーリー42dにのみ治具装着部位50が設けられている。しかし、これに代えて、他方の案内プーリー42cに治具装着部位50を設けてもよい。
【0025】
本実施形態の加圧装置では、シリンダ13を動作させることによって第1ロール11と第2ロール12の間の距離が変わる。その際、治具装着部位50が設けられていない側の案内プーリー42cは、両ロール11,12間の距離が変わっても無端ベルト43の架け渡されている長さが変わらないように移動するようになっている。例えば
図3(a)において第1ロール11が上昇すると、案内プーリー42cが同図中、右側へ動くようになっている。一方、第1ロール11が下降すると案内プーリー42cは元の位置へ戻る。案内プーリー42cの移動は例えば、該案内プーリー42cに取り付けられたバネなどによって行うことができる。
【0026】
本実施形態の装置10Aにおいて、第1ロール11及び第2ロール12を加熱し、その結果これらのロール11,12が熱膨張してロール径が変化した場合、その変化に応じてロール間のクリアランスを調整する必要が生じる場合がある。そのときに、第1ロール11と第2ロール12との間の回転動力伝達手段としてプーリーと無端ベルトとの組み合わせを採用すると、例えば後述する
図5(a)及び(b)に示す実施形態の加圧装置10C、つまり回転動力伝達手段としてギア群を用いた場合に比べて、クリアランスの調整の自由度が高いという利点がある。
【0027】
また、回転動力伝達手段としてのプーリーと無端ベルトとの組み合わせを、後述する
図4(a)及び(b)並びに
図5(a)及び(b)に示す実施形態の加圧装置10B,10C、つまり回転動力伝達手段としてギア群を用いた場合に比べると、プーリーと無端ベルトとの組み合わせを用いる方が、装置のメンテナンス性や高速運転時の振動の起こりにくさの点から有利である。ギア群を用いた場合には、ギアの摩耗防止の目的で潤滑剤を供給する手間が必要となる場合があったり、またギアの歯面の当たり具合の調整の手間が必要となる場合があったりする。
【0028】
以上の実施形態は、加圧装置10,10Aにおける回転動力伝達手段として、複数のプーリー42a−42d及び該プーリー間に架け渡された無端ベルト43を用いたものであったが、
図4(a)及び(b)に示す実施形態の加圧装置10Bにおいては、回転動力伝達手段として複数のギアを用いている。詳細には、回転駆動源40によって回転駆動される第1ロール11の回転は、第1ギア61及び第2ギア62によって第2ロール12に伝達される。第1ギア61は、支持軸44cを介して第1ロール11の回転軸11aに接続されており、第1ロール11の回転に連れて回転するようになっている。一方、第2ギア62は、支持軸44dを介して第2ロール11の回転軸12aに接続されており、第2ロール12の回転に連れて回転するようになっている。第1ギア61と第2ギア62とは互いに噛み合い形状になっており、両ギア61,62は直接に噛み合っている。したがって第1ギア61の回転方向と第2ギア62の回転方向とは反対方向になる。第1ギア61及び第2ギア62はいずれも加圧装置11Bにおける第2作業面32の側に配置されている。
【0029】
加工装置11Bにおいては、第2作業面32の側に、第2ロール12の回転軸12aに接続した突起部50が設けられている。突起部50は、その長さ方向の中心軸を、第2ロール12の回転軸12aに接続されている第2ギア62の中心軸と一致させて接続されている。突起部50は、第2ギア62よりも外方に位置している。そして突起部50は、第2ロール12の回転に連れて同方向に回転するようになっている。
【0030】
本実施形態によれば、第2ロール12に接続されている突起部50に治具(図示せず)を装着することで、該治具を用いて第2ロール12を正逆両方向に手動回転させることができる。また第2ロール12の回転に連れて、第1ロール11を回転させることができる。ただし、第2ロール12を治具で手動回転させるのに際して、シリンダ13によって第1ロール11を上方に退避させた場合には、その退避の程度によっては第1ギア61と第2ギア62とが噛み合わなくなり、第2ロール12の手動回転が第1ロール11に伝達されなくなることがある。したがって第1ロール11の上方への退避量を適切に調整することが好ましい。
【0031】
図4(a)及び(b)に示す実施形態の加圧装置11Bの変形例が
図5(a)及び(b)に示されている。
図5(a)及び(b)に示す加圧装置10Cでは、第1ロール11から第2ロール12への回転動力伝達手段として、先に述べた
図4(a)及び(b)に示す加圧装置10Bよりも多数のギアを用いている。具体的には、
図4(a)及び(b)に示す加圧装置10Bと同様に、第1ロール11に接続された第1ギア61、及び第2ロール12に接続された第2ギア62に加えて、第3ギア63及び第4ギア64の合計4個のギアからなるギア群を用いて回転動力伝達手段を構成している。これら4つのギアからなるギア群はすべて加圧装置10Cにおける第2作業面32の側に設置されている。第3ギア63は、第1ギア61及び第4ギア64と噛み合い関係になっている。第4ギア64は第3ギア63及び第2ギア62と噛み合い関係になっている。したがって、回転駆動源40に接続されている第1ロール11が回転すると、該ロール11の回転動力は、第1ギア61→第3ギア63→第4ギア64→第2ギア62の順で伝達され、第2ロール12が回転する。また、第1ギア61と第2ギア62との間に、第3ギア63及び第4ギア64の2つのギアが介在しているので、第1ロール11の回転方向と第2ロール12の回転方向とは反対方向になる。
【0032】
更に本実施形態の加圧装置10Cは、先に述べた
図3(a)及び(b)に示す加圧装置10Aと同様に、第1ロール11及び第2ロール12が加熱可能な構造を有している。詳細には、各ロール11,12はその内部にヒーター及び温度センサを備えた加熱ユニット14を備えている。加熱ユニット14からは、通電用及び温度情報伝達用の電線15が延びている。この電線15は、各ロール11,12の回転軸11a,12aの内部を通って、該回転軸11a,12aにおける第2作業面32の側の端部に取り付けられた接続部位16に接続されている。
【0033】
本実施形態においては、加圧装置10Cの第2作業面32の側において、各ロール11,12の回転軸に、第1及び第2ロール11,12を加熱制御装置(図示せず)と接続するための接続部位16が接続されている。したがって、第2作業面32の側のロール端部に治具装着部位50を設けることはできない。そこで本実施形態の加圧装置10Cでは、回転動力伝達手段として用いられる複数のギアからなるギア群において、第1及び第2ロール11,12の回転軸11a,12aに取り付けられているギアである第1ギア61及び第2ギア62以外のギア、具体的には第4ギア64の回転軸に、治具装着部位50を設けている。
【0034】
本実施形態で採用している治具装着部位50は、これまでの実施形態と同様に正六角柱状の突起部からなる。この突起部50に治具(図示せず)を取り付けて第4ギア64を回転させると、その回転動力によってギア群からなる回転伝達手段が動作し、その回転動力が第1ロール11及び第2ロール12に伝達される。その結果、治具によって第1ロール11及び第2ロール12を正逆両方向に手動回転させることが可能になる。
【0035】
なお、第4ギア64に設けられた突起部50を治具によって手動回転させるのに際して、シリンダ13によって第1ロール11を上方に退避させた場合には、その退避の程度によってはギア群の噛み合い状態が解除されて、第2ロール12の手動回転が第1ロール11に伝達されず、第4ギア64が直接に噛み合っている第2ギア62に接続されている第2ロール12のみが手動回転することがある。したがって第1ロール11の上方への退避量を適切に調整することが好ましい。第1ロール11を積極的に手動回転させたい場合には、第1ロール11に接続されている第1ギア61と直接に噛み合っている第3ギア63に突起部50を設けることが有利である。更に、第3ギア63及び第4ギアの双方に突起部50を設けて、状況に応じて第1ロール11を手動回転させたり、第2ロール12を手動回転させたりすることもできる。
【0036】
なお、以上の
図3ないし
図5に示す実施形態の加圧装置10A−10Cに関し特に説明しなかった点については、
図1及び
図2に示す実施形態の加圧装置11について詳述した説明が適宜適用される。また、
図3ないし
図5において、
図1及び
図2と同じ部材には同じ符号を付してある。
【0037】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の各実施形態においては、治具装着部位として正六角柱状の突起部50を用いたが、治具装着部位の形状は、治具の形状に応じて種々の形状を採用することができる。例えば治具装着部位として、正四角形の形状を採用することができる。この場合の治具としては、スパナなどを用いることができる。
【0038】
また前記実施形態においては、回転動力伝達手段41が第2作業面32側に設置されていたが、これに代えて回転動力伝達手段41を第1作業面31側に設置してもよい。この場合には、突起部等の治具装着部位50は、第1作業面31側に設けることができる。
【0039】
また、
図3及び
図5に示す実施形態の加圧装置10A,10Cにおいては、第1ロール11及び第2ロール12の双方が加熱可能な構造を有していたが、これらのロール11,12のうちの少なくとも一方が加熱可能な構造を有していてもよい。
【0040】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の加圧装置を開示する。
<1>
周面どうしが対向するように回転軸が平行に配置された第1ロール及び第2ロールを備え、これらのロールの回転軸の一端側に位置する第1作業面と、他端側に位置する第2作業面とを備えた加圧装置であって、
第1及び第2ロールは回転動力伝達手段によって接続されて、互い反対方向に向けて回転可能になっており、
第1及び第2ロールのうち、第1ロールのみが回転駆動源に接続されており、
回転駆動源が第1作業面側に設置されており、
第2ロールに、該第2ロールの回転軸に接続し、かつ該第2ロールを手動で回転させる治具を装着するための治具装着部位が設けられている加圧装置。
【0041】
<2>
回転動力伝達手段が第2作業面側に設置されており、かつ第2作業面側において第2ロールに治具装着部位が設けられている前記<1>に記載の加圧装置。
<3>
回転動力伝達手段が、複数のプーリー及び該プーリー間に架け渡された無端ベルトから構成される前記<1>又は<2>に記載の加圧装置。
<4>
回転動力伝達手段が、複数のギアからなるギア群から構成される前記<1又は2>に記載の加圧装置。
<5>
回転駆動源によって回転駆動される第1ロールの回転が、第1ギア及び第2ギアによって第2ロールに伝達され、
第1ギアは、支持軸を介して第1ロール11の回転軸に接続されており、第1ロール11の回転に連れて回転するようになっており、
第2ギアは、支持軸を介して第2ロールの回転軸に接続されており、第2ロール12の回転に連れて回転するようになっており、
第1ギアと第2ギアとは互いに噛み合い形状になっており、両ギアは直接に噛み合っている前記<4>に記載の加圧装置。
<6>
第2作業面の側に、第2ロールの回転軸に接続した突起部が設けられおり、
突起部が治具装着部位として用いられる前記<1>ないし<5>のいずれか1に記載の加圧装置。
【0042】
<7>
突起部は、正六角柱状あるいは四角柱の形状を有している前記<6>に記載の加圧装置。
<8>
周面どうしが対向するように回転軸が平行に配置された第1ロール及び第2ロールを備え、これらのロールの回転軸の一端側に位置する第1作業面と、他端側に位置する第2作業面とを備えた加圧装置であって、
第1及び第2ロールは回転動力伝達手段によって接続されて、互い反対方向に向けて回転可能になっており、
第1及び第2ロールのうち、第1ロールのみが回転駆動源に接続されており、
回転駆動源が第1作業面側に設置されており、
回転動力伝達手段の一部に、該回転動力伝達手段を手動で動作させる治具を装着するための治具装着部位が設けられている加圧装置。
<9>
回転動力伝達手段が第2作業面側に設置されている前記<8>に記載の加圧装置。
<10>
回転動力伝達手段が、複数のプーリー及び該プーリー間に架け渡された無端ベルトから構成され、
第1及び第2ロールの回転軸に取り付けられているプーリー以外のプーリーの回転軸に治具装着部位が設けられている前記<8>又は<9>に記載の加圧装置。
<11>
第1ロールと第2ロールとの回転動力伝達手段として用いられるプーリー及び無端ベルトのうち、第1及び第2ロールの回転軸に取り付けられているプーリー以外のプーリーである案内プーリーに、治具装着部位としての突起部を設けた前記<10>に記載の加圧装置。
【0043】
<12>
回転動力伝達手段においては、連れ周りする案内プーリーが2個備えられており、一方の案内プーリーにのみ治具装着部位が設けられている前記<10>又は<11>に記載の加圧装置。
<13>
回転動力伝達手段が、複数のギアからなるギア群から構成され、
第1及び第2ロールの回転軸に取り付けられているギア以外のギアの回転軸に治具装着部位が設けられている前記<8>又は<9>に記載の加圧装置。
<14>
回転駆動源によって回転駆動される第1ロールの回転が、第1ギア及び第2ギアによって第2ロールに伝達され、
第1ギアは、支持軸を介して第1ロール11の回転軸に接続されており、第1ロール11の回転に連れて回転するようになっており、
第2ギアは、支持軸を介して第2ロールの回転軸に接続されており、第2ロール12の回転に連れて回転するようになっており、
第1ギアと第2ギアとは互いに噛み合い形状になっており、両ギアは直接に噛み合っている前記<13>に記載の加圧装置。
<15>
第1及び第2ロールのうちの少なくとも一方が加熱可能になっており、
第2作業面側において、これらのロールの回転軸の端部に、これらのロールを加熱制御装置と接続するための接続部位が設けられている前記<8>ないし<14>のいずれか1に記載の加圧装置。
<16>
第1ロール及び第2ロールが加熱可能な構造を有している前記<15>に記載の加圧装置。
【0044】
<17>
第1ロール及び第2ロールはその内部にヒーター及び温度センサを備えた加熱ユニットを備えている前記<16>に記載の加圧装置。
<18>
第1ロール及び第2ロールが鉛直方向に沿って配置されている前記<1>ないし<17>のいずれか1に記載の加圧装置。
<19>
第1ロールは、前記装置の上部に配置された昇降手段によって鉛直方向に沿って昇降可能な可動ロールになっている前記<1>ないし<18>のいずれか1に記載の加圧装置。
<20>
昇降手段が、油圧式若しくは空圧式のシリンダ又はサーボモーターである前記<19>に記載の加圧装置。
<21>
昇降手段によって第1ロールを第2ロールに対して接離させることで、両ロール間のクリアランスを制御できる前記<19>又は<20>に記載の加圧装置。
<22>
第2ロールは、支持体に固定状態で取り付けられている固定ロールである前記<19>ないし<21>のいずれか1に記載の加圧装置。