特許第6230804号(P6230804)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6230804
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】組立什器及び組立什器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/00 20060101AFI20171106BHJP
   F16B 12/02 20060101ALI20171106BHJP
   F16B 12/40 20060101ALI20171106BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20171106BHJP
   A47B 47/02 20060101ALI20171106BHJP
   A47B 47/04 20060101ALI20171106BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   A47B47/00
   F16B12/02 D
   F16B12/40 C
   F16B7/20 B
   A47B47/02 C
   A47B47/04 B
   A47B55/00
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-81962(P2013-81962)
(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-200625(P2014-200625A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】592238490
【氏名又は名称】株式会社トヨダプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】山口 正夫
【審査官】 大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0132345(US,A1)
【文献】 実開昭61−018032(JP,U)
【文献】 実開平02−034233(JP,U)
【文献】 特開2009−144848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 47/00−47/05、55/00−55/06
F16B 7/20、12/00−12/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被係合部が形成された複数の管体、及び、前記管体を連結する連結具を具備し、前記連結具により前記管体を連結することで、少なくとも一以上の四辺を有する方形枠状に形成されるフレームと、
方形状に形成され、その四つの側面に、前記被係合部と係合する係合部を具備するパネルと、
を備え
前記被係合部は、前記管体の両端に亘って、且つ、その長手方向に沿って形成された溝部であり、
前記係合部は、前記溝部と係合可能に形成され、
前記溝部は、前記管体の外面に形成される開口部、及び、前記開口部よりもその幅が大に形成された空間部を具備し、
前記係合部は、前記パネルの二つの対向する一対の側面の一方の前記一対の側面に設けられた、前記開口部に挿入される第1部材及び前記空間部に挿入され、その幅が前記開口部の幅より大であって、且つ、前記空間部の幅よりも小に形成された第2部材を具備する第1係合部、並びに、前記パネルの二つの対向する一対の側面の他方の前記一対の側面に設けられ、前記開口部に挿入される前記第1部材からなる第2係合部を具備する、
ことを特徴とする組立什器。
【請求項2】
前記管体は、その断面形状が正方形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の組立什器。
【請求項3】
その両端に亘って、且つ、その長手方向に沿って溝部が形成された管体を、前記管体を連結する連結具により連結することで、フレームの一部に方形枠状の三辺を成す第1枠体を形成し、
前記第1枠体に、前記管体の端部から方形状に形成されるとともに、その四つの側面に前記溝部と係合する係合部を具備するパネルを挿入して、前記溝部に前記係合部を係合し、
前記連結具により、前記第1枠体の対向する二辺を成す前記管体に、一の前記管体を連結する、
ことを含み、
前記溝部は、前記管体の外面に形成される開口部、及び、前記開口部よりもその幅が大に形成された空間部を具備し、
前記係合部は、前記パネルの二つの対向する一対の側面の一方の前記一対の側面に設けられた、前記開口部に挿入される第1部材及び前記空間部に挿入され、その幅が前記開口部の幅より大であって、且つ、前記空間部の幅よりも小に形成された第2部材を具備する第1係合部、並びに、前記パネルの二つの対向する一対の側面の他方の前記一対の側面に設けられ、前記開口部に挿入される前記第1部材からなる第2係合部を具備し、
前記第1枠体に前記パネルを挿入するときに、前記管体の端部から、前記第1係合部を前記溝部に挿入することを特徴とする組立什器の製造方法。
【請求項4】
前記管体は、その断面形状が正方形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の組立什器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体を連結したフレームにパネルを固定することで構成される組立什器及び組立什器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
収納棚等の家具やデスクや陳列棚等のオフィスや店舗等で用いられる什器として、管体を連結具により連結することで形成されたフレームにパネルを組みつけた、組立什器が知られている。
【0003】
このような組立什器に用いられるフレームとして、連結具に、異なる方向に複数延設された締結部を設け、管体を各締結部に嵌め込むことで、複数の管体を連結させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、連結具として、例えば、締結部と、締結部を押し広げる移動駒と、移動駒を操作する操作部を有し、管体内に締結部を挿入後、操作部により移動駒を操作して、締結部を押し広げ、締結部を管体に固定する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
組立什器は、このような管体及び連結具により形成されたフレームの上面に、木材、ガラス、樹脂材料及び金属材料等で形成されたパネルをボルト等の締結部材により締結することで、固定する構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−57411号公報
【特許文献2】実開昭59−133807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した組立什器では、以下の問題があった。即ち、組立什器は、パネルをボルト等でフレームに固定することで、強固に固定が可能であるが、複数の締結部材によりパネルを固定することから、組立工数が増大する。このため、組立什器は、組立て及び分解に時間がかかる、という問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、組立工数を低減可能な組立什器及び組立什器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の組立什器及び組立什器の製造方法は、を次のように構成されている。
【0010】
本発明の一態様として、組立什器は、被係合部が形成された複数の管体、及び、前記管体を連結する連結具を具備し、前記連結具により前記管体を連結することで、少なくとも一以上の四辺を有する方形枠状に形成されるフレームと、方形状に形成され、その四つの側面に、前記被係合部と係合する係合部を具備するパネルと、を備え、前記被係合部は、前記管体の両端に亘って、且つ、その長手方向に沿って形成された溝部であり、前記係合部は、前記溝部と係合可能に形成され、前記溝部は、前記管体の外面に形成される開口部、及び、前記開口部よりもその幅が大に形成された空間部を具備し、前記係合部は、前記パネルの二つの対向する一対の側面の一方の前記一対の側面に設けられた、前記開口部に挿入される第1部材及び前記空間部に挿入され、その幅が前記開口部の幅より大であって、且つ、前記空間部の幅よりも小に形成された第2部材を具備する第1係合部、並びに、前記パネルの二つの対向する一対の側面の他方の前記一対の側面に設けられ、前記開口部に挿入される前記第1部材からなる第2係合部を具備する。
【0011】
本発明の一態様として、組立什器の製造方法は、その両端に亘って、且つ、その長手方向に沿って溝部が形成された管体を、前記管体を連結する連結具により連結することで、フレームの一部に方形枠状の三辺を成す第1枠体を形成し、前記第1枠体に、前記管体の端部から方形状に形成されるとともに、その四つの側面に前記溝部と係合する係合部を具備するパネルを挿入して、前記溝部に前記係合部を係合し、前記連結具により、前記第1枠体の対向する二辺を成す前記管体に、一の前記管体を連結する、ことを含み、前記溝部は、前記管体の外面に形成される開口部、及び、前記開口部よりもその幅が大に形成された空間部を具備し、前記係合部は、前記パネルの二つの対向する一対の側面の一方の前記一対の側面に設けられた、前記開口部に挿入される第1部材及び前記空間部に挿入され、その幅が前記開口部の幅より大であって、且つ、前記空間部の幅よりも小に形成された第2部材を具備する第1係合部、並びに、前記パネルの二つの対向する一対の側面の他方の前記一対の側面に設けられ、前記開口部に挿入される前記第1部材からなる第2係合部を具備し、前記第1枠体に前記パネルを挿入するときに、前記管体の端部から、前記第1係合部を前記溝部に挿入する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、組立工程を低減可能な組立什器及び組立什器の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係る組立什器の構成を示す斜視図。
図2】同組立什器の構成の一部を分解して示す斜視図。
図3】同組立什器の構成の一部を分解して示す斜視図。
図4】同組立什器の要部構成を示す断面図。
図5】同組立什器の要部構成を示す断面図。
図6】同組立什器に用いられるフレームの要部構成を示す平面図。
図7】同フレームに用いられる連結具の構成を分解して示す平面図。
図8】同フレームに用いられる管体の構成を示す斜視図。
図9】同組立什器に用いられるパネルの構成を示す平面図。
図10】同パネルの構成を示す側面図。
図11】同パネルの構成を示す側面図。
図12】同パネルの要部構成を拡大して示す平面図。
図13】同パネルに用いられる第1係合部の構成を示す側面図。
図14】同パネルに用いられる第2係合部の構成を示す側面図。
図15】本発明の第2の実施形態に係る組立什器に用いられるパネルの構成を示す平面図。
図16】同組立什器の要部構成を示す断面図。
図17】同組立什器の要部構成を示す断面図。
図18】本発明の第3の実施形態に係る組立什器の要部構成を示す斜視図。
図19】同組立什器の要部構成を拡大して示す斜視図。
図20】本発明の第4の実施形態に係る組立什器の要部構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施形態に係る組立什器1について、図1乃至図14を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る組立什器1の構成を示す斜視図、図2は組立什器1の構成の一部を分解して示す斜視図、図3は組立什器1の構成の一部を分解して示す斜視図、図4は組立什器1の要部構成、具体的には組立什器1に用いられるフレーム5及びパネル6の構成を示す断面図、図5はフレーム5及びパネル6の構成を示す断面図、図6は組立什器1に用いられるフレーム5の要部構成、具体的にはフレーム5に用いられる連結具11及び管体12の構成を示す平面図、図7は連結具11の構成を分解して示す平面図、図8は管体12の構成を示す斜視図、図9はパネル6の構成を示す平面図、図10はパネル6の構成を示す側面図、図11はパネル6の構成を示す側面図、図12はパネル6の要部構成、具体的にはパネル6に用いられる第1係合部57及び第2係合部58の構成を拡大して示す平面図、図13は第1係合部57の構成を示す側面図、図14は第2係合部58の構成を示す側面図である。
【0016】
図1に示すように組立什器1は、フレーム5と、パネル6と、を備えている。組立什器1は、枠状のフレーム5の開口する一部がパネル6により閉塞されることで構成される。このような組立什器1は、収納棚、陳列棚、机及び架台等の、所謂家庭で用いられる家具、オフィス、商店及び工場等で用いられるオフィス什器と呼ばれるものである。
【0017】
なお、図1においては、組立什器1は、18枚のパネル6により、フレーム5の一部が閉塞されることで、その前方が開口する4つの棚が形成され、且つ、その上面の背面に背面パネルが配置された収納棚を示す。なお、組立什器1は、その構成は、当該収納棚の形態に限定されない。
【0018】
フレーム5は、複数の連結具11と、複数の管体12と、複数の脚部13と、を備えている。フレーム5は、複数の連結具11により、複数の管体12を連結することで、複数の枠部の組み合わせにより構成される。
【0019】
連結具11は、基部21と、基部21に複数固定された管体12内に挿入される中空の締結部22と、締結部22内に設けられ、締結部22を外方に押し広げる移動駒23と、移動駒23を移動させる操作部24と、を備えている。連結具11は、締結部22が移動駒23の移動により外方に押し広げられることで、管体12を締結部22に固定可能に形成される。
【0020】
基部21は、立方体状に形成され、その外面の少なくとも二面に締結部22が固定可能、且つ、その外面の一面に、操作部24を挿入に形成されている。具体的には、基部21は、その外周面であって、締結部22が設けられる面に形成された、締結部22を固定する固定部26と、その外周面の一に設けられ、操作部24が操作される挿入孔27と、を備えている。
【0021】
固定部26は、少なくとも、締結部22の数と同数が、当該締結部22が配置される基部21の外周面に設けられる。固定部26は、例えば、基部21の表面が窪むとともに、その中央に、移動駒23が挿通可能に、移動駒23よりも大径の開口が形成される。挿入孔27は、その内周面に雌ねじ部が形成される。
【0022】
締結部22は、基部21に別体に設けられ、基部21の固定部26に固定される。締結部22は、被固定部31と、被固定部31に設けられた複数の締結腕32と、を備えている。被固定部31は、固定部26の内面形状と略同じ形状に形成され、固定部26に挿入可能、且つ、固定部26に固定可能に形成されている。なお、被固定部31の固定部26への固定は、かしめやビス等により適宜固定可能である。
【0023】
締結腕32は、例えば、被固定部31の四隅に4本設けられている。締結腕32は、互いに平行に被固定部31に配置される。締結腕32は、締結する管体12の内面、例えば、管体12の内面の角部(四隅)と当接する締結腕34と、締結腕34の先端であって、締結腕34の外面から被固定部31の中心側に向って延出された当接部35と、を備えている。締結腕34は、それらの間に、移動駒23を挿入可能に形成されている。例えば、締結腕34は、それら内面が移動駒23の外面と当接することで、移動駒23の移動方向を案内可能に形成されている。
【0024】
当接部35は、4本の締結腕32間に配置された移動駒23が操作部16により前進した場合に、移動駒23の先端と当接し、且つ、移動駒23に押圧されることで、締結腕34を外方に湾曲するように弾性変形させる。即ち、当接部35は、移動駒23の押圧を締結腕34に伝達可能に形成されている。当接部35は、移動駒23と接触する当接面が、移動駒23の当接部35と接触する部位の傾斜角度と略同一角度に形成されている。例えば、当接部35は、移動駒23の移動方向に対して30度に傾斜して形成される。
【0025】
移動駒23は、円柱状であって、図7に示すようにその一端側、換言すると先端部が、その軸心方向に対して略30度の傾斜角を形成する円錐状に形成されている。また、移動駒23は、その他端側である後端部が、その軸心方向に対して45度の傾斜角を有する円錐台形状に形成されている。移動駒23は、締結腕32間に移動可能に配置される。
【0026】
移動駒23は、その外周面が、締結腕32の内面と当接可能、且つ、その先端部が当接部35と当接可能に形成されている。
【0027】
操作部24は、その外周面に雄ねじ部が形成され、基部21の挿入孔27に、移動可能に螺合される。操作部16は、その一方の端部に設けられ、その軸心に対して45度の傾斜面を有する円錐状の第1押圧部37と、第1押圧部37の先端に設けられた円柱状の第2押圧部38と、を備えている。また、操作部16は、その他方の端部の端面に、操作部24を回転させる回転手段、例えば工具と係合可能な係合穴39が形成されている。なお、係合穴39は、例えば、六角レンチと係合可能な六角穴である。
【0028】
このような連結具11は、締結部22を管体12内に挿入し、工具により操作部24を回転させて操作部24を基部21内に移動させることで、操作部24の第1押圧部37及び第2押圧部38が移動駒23の後端部を押圧し、移動駒23を前進させることが可能に構成されている。また、連結具11は、当該移動駒23の移動により、締結腕34を外方に押し広げることで、締結部22を、管体12に固定可能に構成されている。
【0029】
図8に示すように、管体12は、両端が開口する四角筒状に形成されるとともに、その外面(側面)の少なくとも一部に、その長手方向に延設された溝部41が形成されている。具体的には、管体12は、両端が開口し、且つ、その断面形状が正方形状に形成された筒状に形成される。また、管体12は、その外面の4面に溝部41が形成される。
【0030】
溝部41は、管体12の外面に管体12の両端間に亘って形成されている。溝部41は、管体12の開口幅が内部空間の最大幅よりも小さく形成されている。なお、ここで、幅とは、管体12の長手方向に対して直交する方向、より具体的には、管体12の軸心方向に対して管体12の外面の面方向に沿って直交する方向である。
【0031】
図4及び図5に示すように、溝部41は、管体12の外面から開口する開口部44と、開口部44の開口幅よりもその幅が大に形成された空間部45と、を備えている。換言すると、溝部41は、空間部45が開口部44を有する管体12の外面の一部により閉塞されることで形成される。
【0032】
溝部41は、空間部45を閉塞する管体12の外面の、空間部45に対向する内面側の面方向が、管体12の外面の外面側の面方向に沿って形成される。このような溝部41は、後述するパネル6の第1係合部57及び第2係合部58と係合する被係合部である。
【0033】
脚部13は、例えば、組立什器1を床等の設置面に設置する際に、当該設置面と接触し、フレーム5及びパネル6を支持可能に形成されている。脚部13は、例えば、組立什器1の設置面と対向して配置される連結具11の一面に設けられる。なお、脚部13は、設置面と対向する管体12の外面に設けられる構成であってもよく、脚部13を設けない構成であってもよい。
【0034】
図9乃至図12に示すように、パネル6は、フレーム5に固定される板状の部材である。パネル6は、例えば、木材、ガラス、樹脂材料及び金属材料等により形成される。本実施形態においては、パネル6は、金属材料により形成される構成を説明する。
【0035】
パネル6は、薄板状の金属材料を、その四辺を折り曲げ加工することで、下端が開口するパネル状に形成される。パネル6は、その外周形状が配置するフレーム5により形成される枠部と同一形状に形成される。
【0036】
パネル6は、フレーム5に取り付けられたときに、外部に露出する主面51と、主面51に設けられた側面52と、を備えている。また、パネル6は、側面52に管体12の溝部と係合する係合部53を備えている。パネル6は、係合部53を枠状に配置された管体12の溝部41に挿入することで、フレーム5に固定される。
【0037】
例えば、主面51は、一方の対向する二辺が他方の対向する二辺よりも長い長方形状に形成される。側面52は、主面51の一方の対向する二辺に設けられ、主面51の他方の対向する二辺よりもその長さが長く形成された第1側面55と、第1側面55よりもその長さが短い第2側面56と、を備えている。また、側面52は、その厚さ方向の幅が、管体12の位置の側面と同一の幅に形成されている。換言すると、側面52は、管体12の一の側面と略同一形状に形成されており、さらに言えば、その側面の外周形状が当該側面と対向する管体12の側面の外周形状と同一形状に形成されている。
【0038】
係合部53は、パネル6の一方の対向する二面である一対の第1側面55にそれぞれ設けられた複数の第1係合部57と、他方の(残りの)対向する二面である一対の第2側面56にそれぞれ設けられた複数の第2係合部58と、を備えている。係合部53は、複数の第1係合部57及び複数の第2係合部58により、溝部41と係合することで、パネル6を管体12に固定可能に形成されている。
【0039】
図12及び図13に示すように、第1係合部57は、第1側面55から外方に突出して形成される。第1係合部57は、第1側面55に設けられ、第1側面55から突出して設けられた第1部材61と、第1部材61に設けられ、第1側面55から離間して設けられた第2部材62と、を備えている。
【0040】
第1部材61は、溝部41の開口部44に挿入可能に形成された帯状に形成され、その両端が第1側面55に一体に固定されるとともに、その中央部に第2部材62が一体に固定される。第1部材61は、溝部41の開口部44の開口幅と同一幅又は当該開口幅よりも若干小に形成されている。第1部材61は、パネル6が管体12に固定される際に、溝部41の開口部44に挿入されるとともに、空間部45内にその一部が配置可能に形成される。
【0041】
第2部材62は、その幅が溝部41の開口部44及び第1部材61よりもその幅が大であって、且つ、空間部45の幅よりも小に形成されている。第2部材62は、パネル6が管体12に固定される際に、溝部41の空間部45内に配置可能に、第1部材61に設けられる。
【0042】
このような第1係合部57は、例えば、第1側面55の第1部材61の一部及び第2部材62に対応する部位が切欠され、且つ、第1側面55の外方に向って第1部材61と第1側面55との境目を曲げ加工することで形成される。
【0043】
図12及び図14に示すように、第2係合部58は、第2側面56に設けられ、第2側面56から突出して設けられた第1部材61により構成される。なお、第2係合部58の第1部材61は、第1係合部57の第2部材62が設けられていない第1部材61と同様の構成であり、パネル6が管体12に固定される際に、開口部44に挿入されるとともに、空間部45にその一部が配置可能に形成される。
【0044】
このような第2係合部58は、例えば、第2側面56の第1部材61の一部が切欠され、且つ、第2側面56の外方に向って第1部材61と第2側面56との境目を曲げ加工することで形成される。
【0045】
このように構成された組立什器1の製造方法について、以下説明する。なお、本製造方法の説明については、フレーム5の一部として、4つの連結具11及び4つの管体12を用いた構成、及び、一つのパネル6を用いた構成を用い、フレーム5の一部にパネル6を組み立てる行程(組立方法)を説明する。
【0046】
図3に示すように、先ず、2つの連結具11の締結部22を一つの管体12の開口する両端部及び二つの管体12の一方の開口する端部に挿入することで、上面視コ字状の第1枠体101を形成する。また、同様に、2つの連結具11の締結部22を一つの管体12の両端部に挿入することで、第2枠体102を形成する。
【0047】
なお、第1枠体101は、第1側面55と対向する管体12を二本用いるとともに、第2側面56と対向する管体12を一本用いることで構成される。
【0048】
次に、第1枠体101にパネル6を挿入する。このとき、管体12の端部側で開口する空間部45に第2部材62を挿入して、対向する管体12の溝部41に、第1係合部57を挿入する。これにより、第1係合部57を溝部41に沿って移動させながら、パネル6を第1枠体101内に挿入する。また、パネル6を第2側面56が対向する管体12に当接まで移動させる。このとき、第2係合部58の第1部材61は、溝部41に挿入される。これにより、パネル6の一対の第1側面55に複数設けられた第1係合部57、及び、パネル6の一方の第2側面56に複数設けられた第2係合部58が、溝部41内に配置され、パネル6が第1枠体101に支持される。
【0049】
次に、第2枠体102の連結具11の締結部22を、管体12に挿入する。その後、連結具11の操作部24を操作することで、締結部22を管体12に固定する。これにより、長方形状のフレーム5の一部及びパネル6が一体に組み立てられる。
【0050】
このように、組立什器1は、三つの管体12によりコ字状の枠体(第1枠体101)、換言すると、管体12により三辺が形成され、一辺が開口する枠状のフレーム5の一部を形成後、パネル6を挿入し、その後、管体12を固定することで、板状とすることが可能となる。
【0051】
なお、第1枠体101は、三つの管体12により構成される構成を用いて説明したが、五つの管体12により、直交する方向に2つの、三辺が形成され一辺が開口する枠状のフレーム5の一部を形成する組立て方法であってもよい。即ち、組立什器1の組立ては、4つの管体12により方形状の枠体を形成する前に、一辺を開口させておき、対向する二辺を形成する管体12の溝部41にパネル6の第1係合部57を挿入する組立方法であればよい。
【0052】
このように構成された組立什器1によれば、管体12の外面に、管体12の長手方向に沿った、管体12の外面に開口部44及び管体12の内部に開口部44よりもその幅が大の空間部45を備える。また、パネル6は、その一対の第1側面55に、管体12に設けられた溝部41の開口部44の開口幅と略同一幅の第1部材61及び開口部44の開口幅よりも大であって、空間部45の幅よりも小の第2部材62を有する構成とする。さらに、パネル6は、その一対の第2側面56に、管体12に設けられた41の開口部44の開口幅と略同一幅の第1部材61を有する構成とする。
【0053】
これにより、パネル6は、その一方の一対の側面である第1側面55に設けられた第1係合部57を管体12の端部から空間部45に挿入可能となるとともに、空間部45に挿入された第1係合部57の空間部45内に位置する第2部材62が、開口部44から抜けることを防止可能となる。また、パネル6は、その他方の一対の側面である第2側面56に設けられた第2係合部58を、管体12に第2側面56が対向した状態から、溝部41内に挿入することが可能となる。
【0054】
これにより、パネル6は、三つの管体12により三辺により形成され、一辺が開口する枠状に形成されたフレーム5の一部に挿入することが可能、且つ、挿入後、溝部41と第1係合部57及び第2係合部58が係合可能となる。これにより、パネル6は、一辺が開口する枠状に形成されたフレーム5の一部に挿入後、連結具11を介して当該開口するフレーム5の一部に管体12を固定することで、当該フレーム5の一部を枠状に形成することで、パネル6をフレーム5に固定することが可能となる。
【0055】
パネル6は、溝部41に係合部53により支持されることから、枠状のフレーム5の一部から脱離することがない。
【0056】
また、組立什器1は、パネル6を一辺が開口する枠状に形成されたフレーム5の一部に挿入して、開口する一辺に管体12を固定する簡単な構成でよい。特に、連結具11による、管体12同士の固定は、操作部24を回転させるだけでよいことから、組立工数を低減することが可能となる。
【0057】
また、パネル6は、その側面52の幅が、管体12の位置の側面と同一の幅に形成されていることから、管体12にパネル6を固定した場合に、パネル6の主面51は、管体12の側面52と対向する側面に隣接する側面と面一となる。これにより、組立什器1は、パネル6及び管体12の外面を、同一面上に配置することが可能となり、その外観の見栄え(美観)を向上することも可能となる。
【0058】
さらに、パネル6は、その側面52がフレーム5の管体12の外面と略同一形状に形成されるとともに、当該側面52が管体12の外面と当接することで組立什器1が構成される。このため、パネル6が、フレーム5と一体に組み立てられることで、フレーム5の強度を向上させる、所謂耐力壁を構成する。このように、組立什器1は、フレーム5にパネル6を設けることで、強度の向上も可能となる。
【0059】
上述したように本発明の第1の実施形態に係る組立什器1及びその製造方法によれば、組立工程を低減可能であって、且つ、美観の向上が可能となる。
【0060】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る組立什器1の構成を、図15乃至図17を用いて説明する。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る組立什器1に用いられるパネル6Aの構成を拡大して示す平面図、図16は組立什器1の要部構成、具体的にはパネル6Aに用いられる第1係合部57Aの構成を示す断面図、図17は組立什器1のパネル6Aに用いられる第2係合部58Aの構成を示す断面図である。なお、第2の実施形態に係る組立什器1のうち、上述した第1の実施形態に係る組立什器1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0061】
組立什器1は、フレーム5と、パネル6Aと、を備えている。
パネル6Aは、フレーム5に固定される板状の部材である。パネル6Aは、例えば、木材又は樹脂材料で形成されている。
【0062】
パネル6Aは、その厚さ方向の幅が管体12の側面の幅と同一幅のパネル状に形成される。パネル6Aは、外部に露出する主面51と、主面51に設けられた側面52Aと、を備えている。また、パネル6Aは、側面52Aに管体12の溝部と係合する係合部53Aを備えている。パネル6Aは、係合部53Aが枠状に配置された管体12の溝部41に挿入されることで、フレーム5に固定される。
【0063】
側面52Aは、主面51の一方の対向する二辺に設けられ、主面51の他方の対向する二辺よりもその長さが長く形成された第1側面55と、第1側面55よりもその長さが短い第2側面56と、を備えている。側面52Aは、第1側面55及び第2側面56に、係合部53Aを固定する開口部70が形成されている。開口部70は、その内部の一部に、例えば、雌ねじ部が形成されている。
【0064】
係合部53Aは、一対の第1側面55にそれぞれ設けられた複数の第1係合部57Aと、第2側面56にそれぞれ設けられた複数の第2係合部58Aと、を備えている。係合部53Aは、複数の第1係合部57A及び複数の第2係合部58Aにより、被係合部である溝部41と係合することで、パネル6Aを管体12に固定可能に形成されている。
【0065】
図15及び図16に示すように、第1係合部57Aは、開口部70に固定される胴部75と、胴部75に設けられ、第1側面55から外方に突出して形成される第1部材61Aと、第1部材61Aに固定された第2部材62Aと、を備えている。
【0066】
第1部材61Aは、溝部41の開口部44に挿入可能に形成された円柱状に形成されている。その先端に第2部材62Aが一体に固定される。第1部材61Aは、その外径が溝部41の開口部44の開口幅と同一又は当該開口幅よりも若干小径に形成されている。第1部材61Aは、パネル6Aが管体12に固定される際に、溝部41の開口部44に挿入されるとともに、空間部45内にその一部が配置可能に形成される。
【0067】
第2部材62Aは、その外径が開口部44の幅及び第1部材61Aの外径よりも大径であって、且つ、空間部45の幅よりも小径に形成されている。第2部材62Aは、パネル6Aが管体12に固定される際に溝部41の空間部45内に配置可能に、第1部材61Aに設けられる。
【0068】
胴部75は、例えば、その一部に、開口部70の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を備えている。胴部75は、開口部70に固定されるとともに、その端面が、側面52と面一戸なるように配置される。
【0069】
図15及び図17に示すように、第2係合部58Aは、開口部70に固定される胴部75と、胴部75に設けられ、第2側面56から外方に突出して形成される第2部材61Aを備えている。第2係合部58Aは、第1係合部57Aの第2部材62Aを有さない構成である。
【0070】
このように構成されたパネル6Aを用いる組立什器1によれば、上述した第1の実施形態に係る組立什器1の第1係合部57及び第1係合部58と同様に、溝部41に第1係合部57A及び第2係合部58Aを挿入可能となる。このように、パネル6Aを用いた組立什器1は、第1実施形態に係る組立什器1と同様の作用・効果を有する。
【0071】
上述したように本発明の第2の実施形態に係る組立什器1及びその製造方法によれば、組立工程を低減可能であって、且つ、美観の向上が可能となる。
【0072】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る組立什器1の構成を、図18及び図19を用いて説明する。
図18は本発明の第3の実施形態に係る組立什器1に用いられるフレーム5B及びパネル6Bの構成を拡大して示す斜視図、図19はフレーム5B及びパネル6Bの構成を拡大して示す斜視図である。なお、第3の実施形態に係る組立什器1のうち、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態に係る組立什器1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
組立什器1は、フレーム5と、パネル6Bと、を備えている。
パネル6Bは、フレーム5に固定される板状の部材である。パネル6Bは、例えば、木材又は樹脂材料で形成されている。
【0074】
パネル6Bは、その厚さ方向の幅が管体12の側面の幅と同一幅のパネル状に形成される。パネル6Bは、外部に露出する主面51と、主面51に設けられた側面52Bと、を備えている。また、パネル6Bは、側面52Bに管体12の溝部と係合する係合部53Bを備えている。パネル6Bは、係合部53Bが枠状に配置された管体12の溝部41に挿入されることで、フレーム5に固定される。
【0075】
側面52Bは、主面51の一方の対向する二辺に設けられ、主面51の他方の対向する二辺よりもその長さが長く形成された第1側面55と、第1側面55よりもその長さが短い第2側面56と、を備えている。側面52Bは、第1側面55及び第2側面56に、係合部53Bが一体に形成されている。
【0076】
係合部53Bは、一対の第1側面55にそれぞれ設けられた第1係合部57Bと、第2側面56にそれぞれ設けられた複数の第2係合部58Bと、を備えている。係合部53Bは、第1係合部57B及び第2係合部58Bにより、被係合部である溝部41と係合することで、パネル6Bを管体12に固定可能に形成されている。
【0077】
第1係合部57Bは、第1側面55から外方に突出して形成される第1部材61Bと、第1部材61Bに固定された第2部材62Bと、を備えている。
【0078】
第1部材61Bは、第1側面55に一体に形成され、第1側面55の面方向に沿って略同一長さにレール状に形成されている。第1部材61Bは、その先端に第2部材62Bが一体に固定される。第1部材61Bは、その外径が溝部41の開口部44の開口幅と同一又は当該開口幅よりも若干小径に形成されている。第1部材61Bは、パネル6Bが管体12に固定される際に、溝部41の開口部44に挿入されるとともに、空間部45内にその一部が配置可能に形成される。
【0079】
第2部材62Bは、その外径が開口部44の幅及び第1部材61Bの外径よりも大径であって、且つ、空間部45の幅よりも小径に形成されている。第2部材62Bは、パネル6Bが管体12に固定される際に、溝部41の空間部45内に配置可能に、第1部材61Bに設けられる。
【0080】
第2係合部58Bは、第2側面56から外方に突出して形成される第2部材61Bを備えている。第2係合部58Bは、第1係合部57Bの第2部材62Bを有さない構成である。
【0081】
このような第1係合部57B及び第2係合部58Bは、パネル6Bの外縁部を切削加工により切削することで形成される。
【0082】
このように構成されたパネル6Bを用いる組立什器1によれば、上述した第1の実施形態に係る組立什器1の第1係合部57及び第1係合部58、並びに、第2の実施形態に係る組立什器1の第1係合部57A及び第1係合部58Aと同様に、溝部41に第1係合部57B及び第2係合部58Bを挿入可能となる。このように、パネル6Bを用いた組立什器1は、第1実施形態及び第2実施形態に係る組立什器1と同様の作用・効果を有する。
【0083】
上述したように本発明の第3の実施形態に係る組立什器1及びその製造方法によれば、組立工程を低減可能であって、且つ、美観の向上が可能となる。
【0084】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る組立什器1の構成を、図20を用いて説明する。
図20は、本発明の第3の実施形態に係る組立什器1に用いられるフレーム5C及びパネル6Cの構成を拡大して示す斜視図である。なお、第3の実施形態に係る組立什器1のうち、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態に係る組立什器1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0085】
組立什器1は、フレーム5Cと、パネル6Cと、を備えている。例えば、組立什器1は、図1に示すような収納棚の形状に形成されるが、その構成は、当該収納棚の形態に限定されない。
【0086】
フレーム5Cは、複数の連結具11と、複数の管体12Cと、複数の脚部13と、を備えている。フレーム5Cは、複数の連結具11により、複数の管体12Cを連結することで、複数の枠部の組み合わせにより構成される。
【0087】
図18に示すように、管体12Cは、両端が開口する四角筒状に形成されるとともに、その外面の少なくとも一面、例えば、パネル6Cが対向して配置される外面に、被係合部41Cを備えている。被係合部41Cは、管体12の外面に設けられた開口部41Cである。開口部41Cは、管体12の外面及び内面に渡って形成された円形の開口であり、管体12の長手方向に沿って複数設けられる。
【0088】
パネル6Cは、フレーム5Cに固定される長方形板状の部材である。パネル6Cは、例えば、金属材料、木材又は樹脂材料で形成されている。
【0089】
パネル6Cは、その厚さ方向の幅が管体12の側面の幅と同一幅のパネル状に形成される。パネル6Cは、外部に露出する主面51と、主面51に設けられた側面52Cと、を備えている。また、パネル6Cは、側面52Cに管体12の溝部と係合する係合部53Cを備えている。パネル6Cは、係合部53Cが枠状に配置される管体12Cの被係合部41Cに挿入されることで、フレーム5Cに固定される。
【0090】
側面52Cは、主面51の一方の対向する二辺に設けられ、主面51の他方の対向する二辺よりもその長さが長く形成された第1側面55と、第1側面55よりもその長さが短い第2側面56と、を備えている。
【0091】
係合部53Cは、その断面形状が開口部41Cと同一形状に形成された柱状に形成され、第1側面55及び第2側面56にそれぞれ設けられる。係合部53Cは、開口部41Cと係合することで、パネル6Cを管体12Cに固定可能に形成されている。係合部53Cは、例えば、円柱状に形成される。
【0092】
このように構成された組立什器1の製造方法について、以下説明する。なお、本製造方法の説明については、フレーム5Cの一部として、4つの連結具11、4つの管体12C及び一つのパネル6Cを用いた構成によって、フレーム5Cの一部にパネル6Cを組み立てる行程(組立方法)を説明する。
【0093】
先ず、パネル6Cの一対の側面52C、例えば、一対の第1側面55に、一対の管体12Cを対向させる。次に、パネル6Cを挟んで対向する一対の管体12Cの開口部41Cに、係合部53Cを挿入し、当接させる。
【0094】
また、2つの連結具11を一つの管体12Cの両端部に挿入した第2枠体102を2つ組み立てる。
【0095】
次に、一対の管体12Cが設けられたパネル6Cを第2枠体102のそれぞれに対向させ、パネル6Cに設けられた管体12C及び係合部53Cを、各第2枠体102の締結部22及び開口部41Cと係合させる。これにより、パネル6Cが、開口部41Cに挿入された係合部53Cを介して管体12Cに支持される。このような工程により、長方形状のフレーム5Cの一部及びパネル6Cが一体に組み立てられる。
【0096】
このように、組立什器1は、パネル6Cに、一対の管体12Cを係合させた後、第2枠体102を対向させて、開口部41C及び係合部53Cを係合し、連結具11により各管体12Cを仮固定することで、板状とすることが可能となる。また、その後、図示しない管体12C及びパネル6Cを組み立てる。全ての管体12C及びパネル6Cを連結具11によって組立て後、固定することで、組立什器1が組み立てられる。
【0097】
このように構成された組立什器1によれば、管体12Cの外面に開口部41Cを複数設け、パネル6Cの側面52Cに開口部41Cに挿入される係合部53Cを設ける。組立什器1は、一対の管体12Cをパネル6Cの一対の側面52C(55)に先ず係合し、その後、残りの管体12Cを、それぞれ、パネル6Cの側面52Cに係合させることで組み立てられる。パネル6Cは、開口部41Cに挿入された係合部53Cによって、管体12Cに支持されることから、第2枠体102と係合させるときには、作業者が管体12Cを支持してパネル6Cを第2枠体102と係合させる、簡単な構成でよい。
【0098】
また、組立什器1は、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態に係る組立什器1と同様に、連結具11による、管体12C同士の固定は、操作部24を回転させるだけでよいことから、組立工数を低減することが可能となる。また、パネル6Cは、その側面52Cの幅が、管体12の位置の側面と同一の幅に形成されていることから、管体12Cにパネル6Cを固定した場合に、パネル6Cの主面51は、管体12Cの側面52Cと対向する側面に隣接する側面と面一となる。これにより、組立什器1は、パネル6C及び管体12Cの外面を、同一面上に配置することが可能となり、その外観の見栄え(美観)を向上することも可能となる。
【0099】
上述したように本発明の第3の実施形態に係る組立什器1及びその製造方法によれば、組立工程を低減可能であって、且つ、美観の向上が可能となる。
【0100】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、組立什器1は、パネル6乃至パネル6Cのいずれかを用いる構成を説明したが、これに限定されない。例えば、組立什器1は、パネル6乃至パネル6Cのいずれか複数を用いる構成であってもよい。
【0101】
また、上述した例では、パネル6乃至パネル6Cは、第1側面55が第2側面56よりも長い構成を説明したがこれに限定されない。例えば、第1側面55及び第2側面56は、同一の長さに形成されていてもよく、第1側面55よりも第二側面56が長く形成されていてもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 被係合部が形成された複数の管体、及び、前記管体を連結する連結具を具備し、前記連結具により前記管体を連結することで、少なくとも一以上の四辺を有する方形枠状に形成されるフレームと、
方形状に形成され、その四つの側面に、前記被係合部と係合する係合部を具備するパネルと、
を備えることを特徴とする組立什器。
[2] 前記被係合部は、前記管体の両端に亘って、且つ、その長手方向に沿って形成された溝部であり、
前記係合部は、前記溝部と係合可能に形成されている、
ことを特徴とする[1]に記載の組立什器。
[3] 前記溝部は、前記管体の外面に形成される開口部、及び、前記開口部よりもその幅が大に形成された空間部を具備し、
前記係合部は、前記パネルの対向する側面の一方に設けられた、前記開口部に挿入される第1部材及び前記空間部に挿入され、その幅が前記開口部の幅より大であって、且つ、前記空間部の幅よりも小に形成された第2部材を具備する第1係合部、並びに、前記パネルの対向する側面の他方に設けられ、前記開口部に挿入される前記第1部材からなる第2係合部を具備する、
ことを特徴とする[2]に記載の組立什器。
[4] 前記管体は、その断面形状が正方形状に形成されていることを特徴とする[2]に記載の組立什器。
[5] 前記パネルは、その側面が前記管体の外面と略同一形状に形成されていることを特徴とする[4]に記載の組立什器。
[6] 前記被係合部は、前記管体の長手方向に複数設けられた開口部であり、
前記係合部は、前記開口部と係合可能に形成されている、
ことを特徴とする[1]に記載の組立什器。
[7] その両端に亘って、且つ、その長手方向に沿って溝部が形成された管体を、前記管体を連結する連結具により連結することで、前記フレームの一部に前記方形枠状の三辺を成す第1枠体を形成し、
前記第1枠体に、前記管体の端部から方形状に形成されるとともに、その四つの側面に前記溝部と係合する係合部を具備するパネルを挿入して、前記溝部に前記係合部を係合し、
前記連結具により、前記第1枠体の対向する二辺を成す前記管体に、一の前記管体を連結する、
ことを特徴とする組立什器の製造方法。
[8] 前記溝部は、前記管体の外面に形成される開口部、及び、前記開口部よりもその幅が大に形成された空間部を具備し、
前記係合部は、前記パネルの対向する側面の一方に設けられた、前記開口部に挿入される第1部材及び前記空間部に挿入され、その幅が前記開口部の幅より大であって、且つ、前記空間部の幅よりも小に形成された第2部材を具備する第1係合部、並びに、前記パネルの対向する側面の他方に設けられ、前記開口部に挿入される前記第1部材からなる第2係合部を具備し、
前記第1枠体に前記パネルを挿入するときに、前記管体の端部から、前記第1係合部を前記溝部に挿入することを特徴とする[7]に記載の組立什器の製造方法。
[9] 前記管体は、その断面形状が正方形状に形成されていることを特徴とする[7]に記載の組立什器の製造方法。
[10] 前記パネルは、その側面が前記管体の外面と略同一形状に形成されていることを特徴とする[9]に記載の組立什器の製造方法。
[11] その長手方向に複数の開口部が形成された管体を、その四つの側面に前記開口部と係合する係合部を具備するパネルの、一対の側面に対向させ、
前記開口部に前記係合部を係合させて、前記パネルの一対の側面に前記管体を係合し、
前記管体を連結する連結具が設けられた管体を、前記パネルと係合した前記管体に対向させ、
前記開口部に前記係合部を係合させて、前記パネルに前記連結具が設けられた前記管体を係合し、
前記連結具により、前記管体を連結する、
ことを特徴とする組立什器の製造方法。
【符号の説明】
【0102】
1…組立什器、5…フレーム、6,6A…パネル、11…連結具、12…管体、13…脚部、16…操作部、21…基部、22…締結部、23…移動駒、24…操作部、26…固定部、27…挿入孔、31…被固定部、32…締結腕、34…締結腕、35…当接部、37…第1押圧部、38…第2押圧部、39…係合部、41…溝部、44…開口部、45…空間部、51…主面、52,52A…側面、53,53A…係合部、55…第1側面、56…第2側面、57,57A…第1係合部、58,58A…第2係合部、61,61A…部材、62,62A…第2部材、70…開口部、75…胴部、101…第1枠体、102…第2枠体。
図1
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