(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
構築後に構築物周辺に発生した空洞に第1液と第2液との化学反応によって形成される樹脂である発泡ウレタンを充填し、前記空洞を現場発泡させた発泡ウレタンによって解消する構築物の空洞補修方法において、前記発泡ウレタンを前記空洞に充填する際に、この発泡ウレタンとともに、発泡ウレタンとは異なる比誘電率を有する比誘電率保持材を発泡ウレタン内に混入するように同時に充填し、充填後に電磁波送受信手段によって前記空洞部分の電磁波を検出し、この電磁波送受信手段の検出した電磁波を検査用制御手段に入力することによって、前記空洞内の前記発泡ウレタンの充填状態を検査することを特徴とする構築物の空洞補修方法の検査方法。
前記空洞内の空気の比誘電率は1.0であるとともに、前記発泡ウレタンの比誘電率は1.0〜1.4であり、前記比誘電率保持材は、少なくとも発泡ウレタンの比誘電率の上限値を超える比誘電率を有する材料からなることを特徴とする請求項1に記載の構築物の空洞補修方法の検査方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の構築物においては、構築後に構築物周辺の土壌の経年変化や災害による土壌の流出などによって、構築物周辺に空洞が発生する場合がある。
この空洞の有無を検出する方策としては、打音検査や電磁波送受信手段、例えば電磁波レーダを使用する検査がある。
【0005】
このとき、上述の打音検査においては、前記空洞の有無のみを判定することが可能である。
また、上述の前記電磁波送受信手段、例えば電磁波レーダを使用する検査においては、送信アンテナを使用して土壌の空洞側に電磁波を送信する一方、受信アンテナによって反射波を受信する。
そして、電磁波を反射させた物質の電気的性質(「比誘電率」という。)によって物質までの距離を測定し、前記空洞の有無のみでなく、空洞の大きさを判定することも可能である。
【0006】
このとき、検出した前記空洞を確認する方策としては、試堀や削孔して内視カメラを使用する方策などがある。
【0007】
そして、検出した前記空洞を埋めて解消する方策としては、空洞を露出させて行う工法と、空洞を露出させずに連通孔部などを使用して行う工法などがある。
【0008】
なお、上述の空洞を露出させて行う工法の場合には、現地発生材やモルタル、焼き砂、コンクリートなどを使用することが可能である。
そしてこのとき、上記の各種の材料を使用して、目視しつつ前記空洞を埋めることができるため、空洞を完全に解消させることができる。
また、モルタルやコンクリートと空洞の空気とは比誘電率が大きく相違しているため、前記電磁波送受信手段、例えば電磁波レーダを使用する検査の場合に、正確な検査結果を得ることが可能である。
つまり、例えばセメント粉の場合、比誘電率は5.0〜10程度であり、空気の比誘電率は1.0である。
しかし、上述の空洞を露出させて行う工法の場合には、モルタルやコンクリートの密度が大きいため、構造物が必要以上の荷重増となる可能性が生じてしまい、前記空洞を埋めて解消する補修の際に大掛かりな仮設作業が必要となって作業コストが大となるという不都合がある。
【0009】
また、上述の前記空洞を露出させずに連通孔部などを使用して行う工法の場合には、連通孔部からポリオール成分からなる第1液とイソシアンネート成分からなる第2液とを空洞内に注入し、第1液と第2液との化学反応によって発泡させ、固体化させて発泡ウレタンを形成し、空洞内を充填するものである。
この工法においては、発泡ウレタンの発泡時の圧力によって空洞周辺のゆるみを改善することができるという利点がある。
しかし、上述した前記空洞を露出させずに連通孔部などを使用して行う工法においては、目視できない箇所の前記空洞に発泡ウレタンを充填させる作業であるため、確実に空洞が解消されずに残留空洞部(
図3の符号11参照。)が発生する可能性がある。
【0010】
この残留空洞部を検出する方策としては、打音検査や電磁波送受信手段である電磁波レーダを使用する検査を行う必要がある。
【0011】
このとき、上述の打音検査を行った際には、空洞を埋めた後の小なる空洞を検出することとなるため、検出作業の確実性が曖昧となってしまい、検査の信頼性が低いという不都合がある。
【0012】
また、前記電磁波送受信手段である電磁波レーダを使用する検査においては、発泡ウレタンと空洞の空気とによる反射波を受信して比誘電率を確認している。
しかし、発泡ウレタンの比誘電率は1.0〜1.4程度であり、空気の比誘電率は1.0であるため、両者の比誘電率があまり相違しておらず、正確な検査結果を得ることができないという不都合がある。
追記すれば、上述の発泡ウレタンの比誘電率が空気の比誘電率である1.0に近いため、前記電磁波送受信手段である電磁波レーダを使用する検査において、空洞と判断されてしまうおそれがある。
【0013】
この発明の目的は、構築物の空洞補修方法によって空洞内に発泡ウレタン充填後に、電磁波を検出する電磁波送受信手段によって、残留空洞の有無を確実に検出し得る構築物の空洞補修方法の検査
方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、構築後に構築物周辺に発生した空洞に第1液と第2液との化学反応によって形成される樹脂である発泡ウレタンを充填し、前記空洞を現場発泡させた発泡ウレタンによって解消する構築物の空洞補修方法において、前記発泡ウレタンを前記空洞に充填する際に、この発泡ウレタンとともに、発泡ウレタンとは異なる比誘電率を有する比誘電率保持材を発泡ウレタン内に混入するように同時に充填し、充填後に電磁波送受信手段によって前記空洞部分の電磁波を検出し、この電磁波送受信手段の検出した電磁波を検査用制御手段に入力することによって、前記空洞内の前記発泡ウレタンの充填状態を検査することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、前記空洞に、前記発泡ウレタンとともに、発泡ウレタンとは異なる比誘電率を有する比誘電率保持材を発泡ウレタン内に混入するように同時に充填し、充填後に電磁波送受信手段によって前記空洞部分の電磁波を検出し、この電磁波送受信手段の検出した電磁波を検査用制御手段に入力することによって、前記空洞内の前記発泡ウレタンの充填状態を検査するため、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞の有無を確実に検出することができる。
また、前記比誘電率保持材を使用するのみで対応できるため、従来の電磁波送受信手段を使用することが可能となり、徒に構成が複雑化することがなく、コストを低廉に維持し得て、経済的に有利である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1〜
図3はこの発明の実施例1を示すものである。
図1において、1は構築物(以下「コンクリート舗装の道路」という。)2の空洞補修方法の検査
方法を実現するための検査システムである。
【0019】
先ず、コンクリート舗装の道路2の空洞補修方法について説明する。
【0020】
このコンクリート舗装の道路2の空洞補修方法においては、
図2及び
図3に示す如く、構築後に構築物周辺、つまり、コンクリート舗装の道路2下面の土壌3に空洞4が発生した際に、この空洞4内に連通孔部5を介して発泡ウレタン6を充填する。
このとき、発泡ウレタン6は、ポリオール成分からなる第1液とイソシアンネート成分からなる第2液との化学反応によって形成される樹脂であって、「現場発泡ウレタン」とも称される。
そして、前記空洞4に充填して現場発泡させた発泡ウレタン6によって、空洞4を解消するものである。
【0021】
前記コンクリート舗装の道路2の空洞補修方法の検査
方法は、前記発泡ウレタン6を前記空洞4に充填する際に、この発泡ウレタン6とともに、発泡ウレタン6とは異なる比誘電率を有する比誘電率保持材7を発泡ウレタン6内に混入するように同時に充填する。
そして、充填後に電磁波送受信手段8によって前記空洞4部分の電磁波を検出し、この電磁波送受信手段8の検出した電磁波を検査用制御手段9に入力することによって、前記空洞4内の前記発泡ウレタン6の充填状態を検査する構成とする。
【0022】
詳述すれば、前記コンクリート舗装の道路2の空洞補修方法の検査
方法を実現するための検査システム1は、
図1に示す如く、前記電磁波送受信手段8と、前記検査用制御手段9と、開示手段10とを備えている。
【0023】
前記電磁波送受信手段8は、例えば電磁波レーダからなり、「電磁波レーダ探査」と称される作業に使用されるものである。
そして、前記電磁波送受信手段8は、図示しない送信アンテナによって前記構築物であるコンクリート舗装の道路2下面の土壌3側に電磁波を送信し、土壌3内の空洞4の空気や前記発泡ウレタン6によって反射された反射波を図示しない受信アンテナによって受信する。
【0024】
このとき、電磁波を反射させた空洞4の空気や前記発泡ウレタン6の電気的性質である比誘電率によって物質までの距離を測定し、前記土壌3内の空洞4が発生しているか否かの検査に使用されるとともに、前記発泡ウレタン6の充填後の発泡ウレタン6の充填状態の検出にも使用する。
つまり、前記発泡ウレタン6の充填後に、前記電磁波送受信手段8によって前記空洞4部分の電磁波を検出する。
このとき、前記空洞4部分とは、空洞4に充填された前記発泡ウレタン6のみでなく、この発泡ウレタン6が十分に充填されずに前記空洞4内に残った残留空洞部11の空気をも指している。
【0025】
このため、前記電磁波送受信手段8によって前記空洞4部分の電磁波を検出する際に、前記発泡ウレタン6の充填されている箇所は、この発泡ウレタン6に混入させた比誘電率保持材7の電気的性質である比誘電率によって距離が検出される。
このとき、
図3に示す如く、前記空洞4内に前記残留空洞部11が発生している場合には、この残留空洞部11の空気の電気的性質である比誘電率、1.0によって距離が検出される。
【0026】
また、前記検査用制御手段9は、前記電磁波送受信手段8の検出した電磁波を入力し、前記空洞4内の前記発泡ウレタン6の充填状態を検査するものである。
つまり、前記検査用制御手段9は、前記電磁波送受信手段8から入力した電磁波によって、この電磁波を反射させた物質の電気的性質である比誘電率から距離を検出し、前記空洞4内に残留空洞部11が残っているか否かが判断できる。
【0027】
前記開示手段10は、前記検査用制御手段9の判断結果を表示する手段であり、ディスプレイ表示や印字出力表示、音表示などが考えられる。
つまり、ディスプレイ表示の場合には、ディスプレイに前記空洞4を表示するとともに、この空洞4内の前記発泡ウレタン6の充填状態、そして残留空洞部11が残っている場合には、残留空洞部11の位置を表示する。
【0028】
ここで、前記発泡ウレタン6とは異なる比誘電率を有する前記比誘電率保持材7について記載する。
前記電磁波送受信手段8は、比誘電率の相違を可視化するためのものである。
そして、比誘電率は、真空状態の誘電率ε0に対する物質の誘電率εの比ε/ε0で表す。
なお、空気の比誘電率は1.0であるとともに、前記発泡ウレタン6の比誘電率は1.0〜1.4程度である。
【0029】
誘電率と比誘電率とについて追記します。
(1)誘電率(「permittivity」とも表記する。)は、物質内で電化とそれによって与えられる力との関係を示す係数である。
「電触定数」ともいう。
各物質は固有の誘電率を持ち、この値は外部から電場を与えたとき物質中の原子(あるいは「分子」)がどのように応答するか(「誘電分極の仕方」とも換言できる。)によって定まる。
(2)比誘電率(「relative permittivity」、または、「dielectric constant」とも表記する。)は、物質の誘電率εと真空状態の誘電率ε0との比、つまり、
ε/ε0=εr
のことである。
比誘電率は無次元量であるため、用いる単位系によらず、一定の値をとる。
【0030】
そして、前記空洞4内の空気の比誘電率は1.0であるとともに、前記発泡ウレタン6の比誘電率は1.0〜1.4程度であるため、この発明において、前記比誘電率保持材7は、少なくとも発泡ウレタン6の比誘電率の上限値を超える比誘電率を有する材料からなる。
よって、この実施例1では、比誘電率やコストを勘案して、後述のロッシェル塩を使用して説明する。
【0031】
以下に参考として、砂や金属粉、リサイクル材などの各種の材料の概略的な比誘電率を開示する。
砂 3.0〜 5.0
塩 3.0〜 15.0
塩ビ樹脂 5.8〜 6.4
黒鉛 12.0〜 13.0
ガラス 3.7〜 10.0
砂糖 3
硝酸バリウム 5.9
セルローズ 6.7〜 8.0
陶磁器 4.4〜 7.0
チタン酸バリウム 1200(劇薬)
粒状ガラス(0010) 6.32
粒状ガラス(0080) 6.75
ベークライト 4.5〜 5.5
ロッシェル塩 100 〜2000(500gで1500円)
セメント粉 5.0〜 10
酸化鉄 14
水 80
【0032】
次に作用を説明する。
【0033】
先ず、前記コンクリート舗装の道路2の空洞補修方法の検査
方法を実現するための検査システム1において、電磁波レーダからなる前記電磁波送受信手段8によって、前記構築物であるコンクリート舗装の道路2下面の土壌3に前記空洞4が発生しているか否かの検査を行う。
【0034】
そして、前記電磁波送受信手段8によって空洞4が検出された際には、この空洞4内に前記連通孔部5を介して前記発泡ウレタン6を充填する。
このとき、連通孔部5を介して空洞4内に前記発泡ウレタン6を充填する際には、ポリオール成分からなる第1液とイソシアンネート成分からなる第2液とのいずれか一方に前記比誘電率保持材7としてロッシェル塩を混入させておく方策以外にも、発泡ウレタン6の充填時に混入可能な方策であれば採用可能である。
また、前記空洞4へは前記連通孔部5以外に確認孔部(図示せず)をも設ける。
この確認孔部は、発泡ウレタン6の充填時に、この発泡ウレタン6によって押圧される前記空洞4内の空気の排出孔部として機能する一方、発泡ウレタン6の溢流状況によって発泡ウレタン6の充填状態を判断する判断孔部としても機能する。
【0035】
前記発泡ウレタン6の充填作業の後には、前記電磁波送受信手段8によって、前記道路2下面の土壌3内の前記空洞4が解消されているか、つまり、前記残留空洞部11が発生しているか否かの検査を行う。
この検査の際には、前記空洞4内に充填された発泡ウレタン6のの電気的性質である比誘電率から距離を検出するとともに、この発泡ウレタン6に混入させた前記比誘電率保持材7であるロッシェル塩の電気的性質である比誘電率から距離を検出する。
同時に、前記空洞4内の空気の電気的性質である比誘電率から距離を検出して空洞4の有無をも検出する。
【0036】
すなわち、前記電磁波送受信手段8によって、前記発泡ウレタン6の1.0〜1.4程度の範囲による電気的性質である比誘電率から距離を検出することができるとともに、前記比誘電率保持材7であるロッシェル塩の100〜2000程度の範囲による電気的性質である比誘電率から距離を検出することができる。
そして、前記電磁波送受信手段8によって、前記空洞4内の空気の電気的性質である比誘電率の有無から距離をも検出することができる。
このとき、前記電磁波送受信手段8によって前記空洞4内で1.0の比誘電率による距離の反射波が検出された場合には、検出された反射波が前記検査用制御手段9に入力されることとなり、この検査用制御手段9は前記空洞4内に前記残留空洞部11が発生している、と判断する。
【0037】
なお、前記検査用制御手段9は、前記空洞4内の空気や前記発泡ウレタン6、前記比誘電率保持材7であるロッシェル塩の電気的性質である比誘電率の分布状態を示す信号を前記開示手段10に出力する。
【0038】
また、上述した前記コンクリート舗装の道路2の空洞補修方法の検査
方法によって、前記空洞4内に前記残留空洞部11の発生が確認された際には、追加の前記発泡ウレタン6の充填作業、あるいは、その他の作業を行って残留空洞部11を解消することが可能である。
【0039】
これにより、前記コンクリート舗装の道路2の空洞補修方法の検査
方法は、前記発泡ウレタン6を前記空洞4に充填する際に、この発泡ウレタン6とともに、発泡ウレタン6とは異なる比誘電率を有する比誘電率保持材7を発泡ウレタン6内に混入するように同時に充填し、充填後に電磁波送受信手段8によって前記空洞4部分の電磁波を検出し、この電磁波送受信手段8の検出した電磁波を検査用制御手段9に入力することによって、前記空洞4内の前記発泡ウレタン6の充填状態を検査する。
従って、前記空洞4内の前記発泡ウレタン6の充填状態を検査するため、前記発泡ウレタン6充填後の残留空洞部11の有無を確実に検出することができる。
【0040】
また、前記比誘電率保持材7を使用するのみで対応できるため、従来の電磁波送受信手段8を使用することが可能となり、徒に構成が複雑化することがなく、コストを低廉に維持し得て、経済的に有利である。
【0041】
更に、前記空洞4内の空気の比誘電率は1.0であるとともに、前記発泡ウレタン6の比誘電率は1.0〜1.4程度であるため、前記比誘電率保持材7としては、少なくとも発泡ウレタン6の比誘電率の上限値を超える比誘電率を有する材料を使用する。
従って、この実施例1では、比誘電率やコストを勘案して、比誘電率が100〜2000程度の範囲のロッシェル塩を使用したため、発泡ウレタン6の充填状態を明確に把握することが可能なる一方、発泡ウレタン6充填後の残留空洞部11の有無を確実に検出することができるものである。
【0042】
更にまた、前記コンクリート舗装の道路2の空洞補修方法の検査
方法を使用することによって、前記構築物であるコンクリート舗装の道路2を破壊することなく、前記空洞4内の前記発泡ウレタン6の充填状態を検査、及び、前記発泡ウレタン6充填後の残留空洞部11の有無を確実に検出することができ、安価な検査
方法を実現することができる。
【実施例2】
【0043】
図4はこの発明の実施例2を示すものである。
この実施例2において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0044】
この実施例2の特徴とするところは、構築物をアスファルトなどの舗装道路21とするとともに、この舗装道路21の下面に埋設した埋設管22の破損によって現出した空洞23とした点にある。
【0045】
すなわち、前記舗装道路21を構築する際に、
図4に示す如く、この舗装道路21の下面に土壌3を配置する。
このとき、この土壌3内に前記埋設管22を埋設している。
そして、この埋設管22に破損が生じた際には、この埋設管22周囲の土壌3の一部が流出して前記空洞23が現出されてしまう。
【0046】
このとき、構築物である前記舗装道路21の空洞補修方法の検査
方法を使用して、前記空洞23の検出を行うこととなる。
【0047】
さすれば、構築物である前記舗装道路21の空洞補修方法の検査
方法による検査を実施した際には、前記空洞23内の発泡ウレタンの充填状態を検査することができるため、上述した実施例1と同様に、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができる。
【0048】
また、徒に構成が複雑化することがなく、コストを低廉に維持し得て、経済的に有利である。
【0049】
更に、前記比誘電率保持材としては、少なくとも発泡ウレタンの比誘電率の上限値を超える比誘電率を有する材料、つまり、比誘電率やコストを勘案して、比誘電率が100〜2000程度の範囲のロッシェル塩を使用すれば、上述した実施例1と同様に、発泡ウレタンの充填状態を明確に把握することが可能なる一方、発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができるものである。
【0050】
更にまた、前記舗装道路21の空洞補修方法の検査
方法を使用することによって、前記構築物である舗装道路21を破壊することなく、前記空洞23内の前記発泡ウレタンの充填状態を検査、及び、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができ、安価な検査
方法を実現することができる。
【0051】
また、上述した前記舗装道路21の空洞補修方法の検査
方法によって、前記空洞23内に前記残留空洞部の発生が確認された際には、追加の前記発泡ウレタンの充填作業を行って残留空洞部を解消することが可能である。
【実施例3】
【0052】
図5はこの発明の実施例3を示すものである。
【0053】
この実施例3の特徴とするところは、構築物を橋台31とした点にある。
【0054】
すなわち、
図5に示す如く、前記橋台31は、橋梁32の端部を支持する一方、土壌33側の踏み掛け板34を支持している。
このとき、構築後に構築物である前記橋台31周辺の土壌33の経年変化や災害による土壌33の流出などによって、橋梁32周辺や踏み掛け板34の下面に空洞35が発生する場合がある。
【0055】
このとき、構築物である前記橋台31周辺の空洞補修方法の検査
方法を使用して、前記空洞35の検出を行うこととなる。
【0056】
さすれば、構築物である前記橋台31周辺の空洞補修方法の検査
方法による検査を実施した際には、前記空洞35内の発泡ウレタンの充填状態を検査することができるため、上述した実施例1及び2と同様に、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができる。
【0057】
また、徒に構成が複雑化することがなく、コストを低廉に維持し得て、経済的に有利である。
【0058】
更に、前記比誘電率保持材としては、少なくとも発泡ウレタンの比誘電率の上限値を超える比誘電率を有する材料、つまり、比誘電率やコストを勘案して、比誘電率が100〜2000程度の範囲のロッシェル塩を使用すれば、上述した実施例1及び2と同様に、発泡ウレタンの充填状態を明確に把握することが可能なる一方、発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができるものである。
【0059】
更にまた、前記橋台31周辺の空洞補修方法の検査
方法を使用することによって、前記構築物である橋台31を破壊することなく、前記空洞35内の前記発泡ウレタンの充填状態を検査、及び、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができ、安価な検査***システム***を実現することができる。
【0060】
また、上述した前記橋台31周辺の空洞補修方法の検査
方法によって、前記空洞35内に前記残留空洞部の発生が確認された際には、追加の前記発泡ウレタンの充填作業を行って残留空洞部を解消することが可能である。
【実施例4】
【0061】
図6はこの発明の実施例4を示すものである。
【0062】
この実施例4の特徴とするところは、構築物を、例えば戸建ての建物41とした点にある。
【0063】
すなわち、
図6に示す如く、前記建物41の基礎42を土壌43上面に構築している。
このとき、土壌43の経年変化や災害による土壌43の流出などによって、構築後に構築物である前記建物41の基礎42部分の下面に空洞44が発生する場合がある。
【0064】
このとき、構築物である前記建物41の空洞補修方法の検査
方法を使用して、前記空洞44の検出を行うこととなる。
【0065】
さすれば、構築物である前記建物41の空洞補修方法の検査
方法による検査を実施した際には、前記空洞44内の発泡ウレタンの充填状態を検査することができるため、上述した実施例1〜3と同様に、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができる。
【0066】
また、徒に構成が複雑化することがなく、コストを低廉に維持し得て、経済的に有利である。
【0067】
更に、前記比誘電率保持材としては、少なくとも発泡ウレタンの比誘電率の上限値を超える比誘電率を有する材料、つまり、比誘電率やコストを勘案して、比誘電率が100〜2000程度の範囲のロッシェル塩を使用すれば、上述した実施例1〜3と同様に、発泡ウレタンの充填状態を明確に把握することが可能なる一方、発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができるものである。
【0068】
更にまた、前記建物41の空洞補修方法の検査
方法を使用することによって、前記構築物である建物41を破壊することなく、前記空洞44内の前記発泡ウレタンの充填状態を検査、及び、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができ、安価な検査
方法を実現することができる。
【0069】
また、上述した前記建物41の空洞補修方法の検査
方法によって、前記空洞44内に前記残留空洞部の発生が確認された際には、追加の前記発泡ウレタンの充填作業を行って残留空洞部を解消することが可能である。
【実施例5】
【0070】
図7はこの発明の実施例5を示すものである。
【0071】
この実施例5の特徴とするところは、構築物をトンネル51とした点にある。
【0072】
すなわち、
図7に示す如く、前記トンネル51を土壌52内に構築している。
このとき、土壌52の経年変化や災害による土壌52の流出などによって、構築後に構築物である前記トンネル51の天井53上面に空洞54が発生する場合がある。
【0073】
このとき、構築物である前記トンネル51の空洞補修方法の検査
方法を使用して、前記空洞54の検出を行うこととなる。
【0074】
さすれば、構築物である前記トンネル51の空洞補修方法の検査
方法による検査を実施した際には、前記空洞54内の発泡ウレタンの充填状態を検査することができるため、上述した実施例1〜4と同様に、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができる。
【0075】
また、徒に構成が複雑化することがなく、コストを低廉に維持し得て、経済的に有利である。
【0076】
更に、前記比誘電率保持材としては、少なくとも発泡ウレタンの比誘電率の上限値を超える比誘電率を有する材料、つまり、比誘電率やコストを勘案して、比誘電率が100〜2000程度の範囲のロッシェル塩を使用すれば、上述した実施例1〜4と同様に、発泡ウレタンの充填状態を明確に把握することが可能なる一方、発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができるものである。
【0077】
更にまた、前記トンネル51の空洞補修方法の検査
方法を使用することによって、前記構築物であるトンネル51を破壊することなく、前記空洞54内の前記発泡ウレタンの充填状態を検査、及び、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができ、安価な検査
方法を実現することができる。
【0078】
また、上述した前記トンネル51の空洞補修方法の検査
方法によって、前記空洞54内に前記残留空洞部の発生が確認された際には、追加の前記発泡ウレタンの充填作業を行って残留空洞部を解消することが可能である。
【実施例6】
【0079】
図8はこの発明の実施例6を示すものである。
【0080】
この実施例6の特徴とするところは、構築物を垂直擁壁61とした点にある。
【0081】
すなわち、
図8に示す如く、前記垂直擁壁61を構築し、この垂直擁壁61の裏面に土壌62を積層する。
このとき、土壌62の経年変化や災害による土壌62の流出などによって、構築後に構築物である前記垂直擁壁61の裏面に空洞63が発生する場合がある。
【0082】
このとき、構築物である前記垂直擁壁61の空洞補修方法の検査
方法を使用して、前記空洞63の検出を行うこととなる。
【0083】
さすれば、構築物である前記垂直擁壁61の空洞補修方法の検査
方法による検査を実施した際には、前記空洞63内の発泡ウレタンの充填状態を検査することができるため、上述した実施例1〜5と同様に、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができる。
【0084】
また、徒に構成が複雑化することがなく、コストを低廉に維持し得て、経済的に有利である。
【0085】
更に、前記比誘電率保持材としては、少なくとも発泡ウレタンの比誘電率の上限値を超える比誘電率を有する材料、つまり、比誘電率やコストを勘案して、比誘電率が100〜2000程度の範囲のロッシェル塩を使用すれば、上述した実施例1〜5と同様に、発泡ウレタンの充填状態を明確に把握することが可能なる一方、発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができるものである。
【0086】
更にまた、前記垂直擁壁61の空洞補修方法の検査
方法を使用することによって、前記構築物である垂直擁壁61を破壊することなく、前記空洞63内の前記発泡ウレタンの充填状態を検査、及び、前記発泡ウレタン充填後の残留空洞部の有無を確実に検出することができ、安価な検査
方法を実現することができる。
【0087】
また、上述した前記垂直擁壁61の空洞補修方法の検査
方法によって、前記空洞63内に前記残留空洞部の発生が確認された際には、追加の前記発泡ウレタンの充填作業を行って残留空洞部を解消することが可能である。
【0088】
なお、この発明は上述実施例1〜6に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0089】
例えば、この発明の実施例においては、前記発泡ウレタンを前記空洞に充填する際に、この発泡ウレタンとともに、発泡ウレタンとは異なる比誘電率を有する比誘電率保持材を発泡ウレタン内に混入するように同時に充填する構成としたが、上述の比誘電率保持材の代わりに、磁力発生機能(あるいは「磁力保持機能」)を付加した磁力発生材(あるいは「磁力保持材」)を使用する特別構成とすることも可能である。
【0090】
さすれば、空洞内の空気や発泡ウレタンの比誘電率と異なる磁力を検出することによって、発泡ウレタンの充填状態を確認検出することが可能である。