(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来における基板収納容器は、図示しないが、複数枚の半導体ウェーハを収納する容器本体と、この容器本体の正面を開閉する蓋体と、容器本体の正面を閉鎖した蓋体を施錠する施錠機構とを備え、半導体の製造工場に半導体ウェーハを輸送する際に使用される(特許文献1、2、3参照)。
【0003】
容器本体は、例えばφ300mm以上の半導体ウェーハを整列収納可能な大きさのフロントオープンボックスに成形され、底板にボトムプレートが装着されており、底板とボトムプレートのいずれかに、蓋体開閉装置のテーブル上の位置決めピンに嵌合して位置合わせする複数の位置決め具が装着されている。
【0004】
蓋体は、容器本体の正面に着脱自在に嵌合される断面略皿形の蓋本体と、この蓋本体の開口した正面を覆うカバープレートとを備え、これら蓋本体とカバープレートとの間に施錠機構が介在して配設されており、蓋体開閉装置により自動的に開閉される。カバープレートは、蓋本体の正面に対応する大きさの板に形成され、両側部の中央に、施錠機構用の操作孔がそれぞれ穿孔されている。
【0005】
施錠機構は、蓋体の蓋本体に軸支されて外部から回転操作される一対の回転操作体と、各回転操作体の回転に伴い蓋体の上下方向にスライドし、蓋本体の周壁から出没して容器本体の正面内周部に接離する複数のラッチバーとを備えて構成されている。各回転操作体は、例えば周縁部に一対の湾曲溝を備えた円板に形成され、カバープレートの操作孔に対向し、この操作孔を貫通した蓋体開閉装置の操作キーにより外部から回転操作される。
【0006】
このような基板収納容器は、容器本体の開口した正面に蓋体が嵌合され、施錠される場合には、蓋体開閉装置が蓋体を吸着保持し、この吸着保持された蓋体が容器本体の開口した正面に圧入して浅く嵌合される。蓋体が浅く嵌合されると、蓋体開閉装置の操作キーがカバープレートの操作孔に挿入されて施錠機構の回転操作体を回転操作し、施錠機構の複数のラッチバーがそれぞれスライドして容器本体の正面内周部に強く接触することにより、容器本体の正面に蓋体が完全に嵌合され、蓋体が強固に施錠される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来における基板収納容器は、以上のように蓋体開閉装置の操作キーがカバープレートの操作孔に挿入されて施錠機構の回転操作体を回転操作するが、この操作キーの挿入の際、カバープレートと回転操作体とが斜めに押圧されてその一部が浮き上がることがある。この浮き上がりをそのまま放置すると、カバープレートと姿勢の悪化した回転操作体とが接触して損傷したり、擦れて発塵し、半導体ウェーハの汚染や蓋体の外観の悪化を招くという問題が生じる。この問題は、基板収納容器がφ450mmの半導体ウェーハを収納する大型タイプの場合、回転操作体も大型化するので、より深刻となる。
【0009】
本発明は上記に鑑みなされたもので、施錠機構の回転操作体が回転操作される際、蓋体のカバープレートと回転操作体とが接触して損傷したり、擦れて発塵するのを防ぐことのできる基板収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては上記課題を解決するため、基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体と、容器本体の開口部を閉鎖した蓋体を施錠する施錠機構とを備えた基板収納容器であって、
蓋体は、容器本体の開口部に嵌め合わされる蓋本体と、この蓋本体の開口面を覆うカバープレートとを含み、
施錠機構は、
蓋体の蓋本体に支持されてカバープレートの外部から回転操作される回転操作体と、この回転操作体の回転に応じてスライドし、蓋本体の周壁から出没して容器本体の開口部内周に接触する複数の施錠部材とを含み、
蓋体のカバープレートの蓋本体の対向する対向面に、施錠機構の回転操作体の周縁部に点接触又は線接触する姿勢制御部材を設け、この姿勢制御部材により、回転操作体の姿勢を制御するようにしたことを特徴としている。
【0011】
なお、カバープレートの対向面に、施錠機構の回転操作体用の包囲リブを形成し、この包囲リブ内に、複数の制御部材を設けることができる。
【0012】
また、蓋体の蓋本体とカバープレートとを固定する固定手段と、蓋体の蓋本体とカバープレートとを位置決めする位置決め手段とを含み、
蓋体のカバープレートに光透過性を付与し、このカバープレートには、位置決め凹部と被検出部とをそれぞれ形成し、
位置決め手段は、蓋本体の対向面に複数形成される第一の位置決め部材と、カバープレートの対向面に複数形成される第二の位置決め部材とを含み、複数の第一の位置決め部材を間隔をおき形成してその大きさを相互に異ならせ、各第一の位置決め部材を屈曲してその両端部付近間に開口を区画し、複数の第二の位置決め部材を間隔をおき形成してその大きさを相互に相違させるとともに、各第二の位置決め部材を屈曲して第一の位置決め部材に沿わせ、各第二の位置決め部材を屈曲してその両端部付近間に開口を区画することができる。
【0013】
また、複数の第一、第二の位置決め部材をそれぞれ略半円弧形状、略馬蹄形状、略へ字形状、略C字形状、略U字形状、又は略V字形状に形成することも可能である。
【0014】
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくともφ200mm、300mm、450mmの半導体ウェーハ、液晶基板、ガラス基板等が含まれる。容器本体と蓋体とは、透明、不透明、半透明のいずれでも良い。容器本体は、フロントオープンボックスタイプが主ではあるが、トップオープンボックスタイプでも良い。
姿勢制御部材は、蓋体のカバープレートに必要数設けることができる。この姿勢制御部材は、少なくとも回転操作体の周縁部に接触可能であることが好ましいが、回転操作体の周縁部以外の箇所にも接触させることができる。
【0015】
固定手段には、(1)蓋本体に形成される複数の螺子ボスと、カバープレートを貫通して複数の螺子ボスにそれぞれ螺子締めされる螺子部材(螺子やボルト等)との組み合わせ、(2)蓋本体に形成される複数の係止凹部と、カバープレートから突出して複数の係止凹部にそれぞれ係止する係止凸部との組み合わせ、(3)蓋本体に形成される複数の筒ボスと、カバープレートから突出して複数の筒ボスにそれぞれ嵌め合わされるリブとの組み合わせ等が該当する。
【0016】
位置決め手段は、蓋本体とカバープレートの中央部や側部等に設けることができる。この位置決め手段の複数の第一の位置決め部材は、湾曲形成される場合、相互に異なる曲率半径や曲率で形成されることが好ましい。この点については、複数の第二の位置決め部材も同様である。第一、第二の位置決め部材の開口方向は、下方が好ましいが、上方、斜め下方、左右横方向等でも良い。第二の位置決め部材は、第一の位置決め部材の周面に隙間を介して添うのが好ましいが、隙間がなくても良い。
【0017】
本発明によれば、容器本体に対する蓋体の取り付け取り外し時に施錠機構が作動する際、蓋体のカバープレート等が蓋体開閉装置等に押されても、施錠機構の回転操作体に姿勢制御部材が接触してその姿勢の悪化を防ぐので、回転操作体の姿勢が崩れたり、ばらつくことが少ない。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、
施錠機構の回転操作体が回転操作される際、蓋体のカバープレートと回転操作体とが接触して損傷したり、擦れて発塵するのを抑制することができるという効果がある。また、この効果により、基板の汚染や蓋体の外観悪化を防ぐことができる。また、回転操作体の中心部やその近傍よりも操作力が強く作用する外側の周縁部に姿勢制御部材を接触させるので、回転操作体の姿勢をより適切に制御することができる。また、姿勢制御部材を面接触ではなく、点接触又は線接触させて接触面積を減少させるので、姿勢制御部材の損傷や発塵を抑制しながら回転操作体を安定して回転させることができる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、位置決め手段がカバープレートの歪みや位置ずれを有効に防止するので、カバープレートの位置決め凹部や被検出部のずれを招くことが少ない。したがって、蓋体開閉装置の検出センサに蓋体の被検出部を正確に検出させることができ、蓋体開閉装置が蓋体の開閉作業の途中等で停止する事態を防ぐことが可能となる。また、位置決め手段がカバープレートの向きの視覚的な判別を容易にするので、向きが逆のカバープレートを誤って取り付けてしまうおそれが少なく、蓋体の組立作業の簡素化や迅速化が期待できる。
【0020】
また、第一、第二の位置決め部材の開口を共に下方に向ければ、蓋体の洗浄の際、洗浄水を円滑に排水することが可能となる。したがって、蓋体の洗浄時の排水性や水切り性を向上させたり、洗浄後の乾燥作業の便宜を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、
図1ないし
図10に示すように、複数枚の半導体ウェーハを整列収納する容器本体1と、この容器本体1の正面を開閉する透明の蓋体10と、容器本体1の正面を閉鎖した蓋体10を施錠する施錠機構30とを備え、蓋体10を構成する蓋本体11とカバープレート19とに固定手段40と位置決め手段50とをそれぞれ配設し、少なくとも蓋体10のカバープレート19に、施錠機構30用の複数の姿勢制御部材60を形成するようにしている。
【0023】
半導体ウェーハは、図示しないが、例えばφ450mmの大型の薄く重いシリコンウェーハからなり、容器本体1内に水平に収納され、上下方向に複数枚(例えば、10枚、25枚等)が整列する。
【0024】
容器本体1、蓋体10、施錠機構30、位置決め手段50、及び姿勢制御部材60は、所要の樹脂を含有する成形材料により複数の部品がそれぞれ射出成形され、この複数の部品の組み合わせで構成される。この成形材料に含まれる樹脂としては、例えばポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、液晶ポリマーといった熱可塑性樹脂やこれらのアロイ等があげられる。
【0025】
これらの樹脂には、カーボン繊維、カーボンパウダー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等からなる導電物質やアニオン、カチオン、非イオン系等の各種帯電防止剤が必要に応じて添加される。また、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、シアノアクリレート系、オキザリックアシッドアニリド系、ヒンダードアミン系の紫外線吸収剤が添加されたり、剛性を向上させるガラス繊維や炭素繊維等も選択的に添加される。
【0026】
容器本体1は、
図1や
図2に示すように、所要の成形材料を使用して正面の開口したフロントオープンボックスに成形され、内部両側、換言すれば、両側壁の内面に、半導体ウェーハを水平に支持する左右一対の支持片が対設されており、この一対の支持片が上下方向に所定のピッチで配列されるとともに、各支持片が前後方向に伸びる細長い板片に形成される。
【0027】
容器本体1の底板には、蓋体開閉装置用のボトムプレート2が下方から螺着され、これら底板とボトムプレート2のいずれか一方に、蓋体開閉装置のテーブル上の位置決めピンに上方から嵌合して位置決めする複数の位置決め具が配設される。また、容器本体1の天井中央部には、半導体の製造工場の天井搬送機構に把持される搬送用のロボティックフランジ3が装着される。
【0028】
容器本体1の正面は、周縁部が屈曲しながら外方向に張り出し、内周縁の上部両側と下部両側とに、施錠機構30用の施錠穴がそれぞれ穿孔される。また、容器本体1の両側壁の外面下部には、前後方向に指向する搬送用のフォークリフトフランジ4がそれぞれ突出形成される。
【0029】
蓋体10は、
図1ないし
図6に示すように、容器本体1の正面に着脱自在に圧入して嵌合される断面略皿形状で浅底の蓋本体11と、この蓋本体11の開口した正面12に着脱自在に覆着される透明のカバープレート19とを備え、これら蓋本体11とカバープレート19との間に施錠機構30が介在して配設されており、蓋体開閉装置により自動的に開閉される。
【0030】
蓋本体11は、光透過性や透明性を有し、その開口した正面12側の中央部に正面矩形状の隆起部13が一体形成されており、この隆起部13の左右両側に施錠機構30用の設置領域14がそれぞれ区画される。各設置領域14には、施錠機構30用の左右一対のガイドリブ15が上下方向に向けて一体形成され、この一対のガイドリブ15が間隔をおいて相互に対向する。
【0031】
蓋本体11は、容器本体1に整列収納された複数枚の半導体ウェーハの周縁前部に対向する背面、すなわち裏面の両側部に、各半導体ウェーハの周縁前部を弾性保持片で保持するフロントリテーナ16がそれぞれ装着される。蓋本体11の裏面の周縁部あるいは周壁には、枠形状のガスケット溝が切り欠かれ、このガスケット溝に、容器本体1の正面内周縁に圧接して変形する枠形状のガスケット17が嵌合される。蓋本体11の周壁の上部両側と下部両側とには、容器本体1の施錠穴に対向する出没孔18がそれぞれ穿孔される。
【0032】
カバープレート19は、蓋本体11の正面12に対応する大きさの板に形成され、固定手段40用の螺子孔20が複数穿孔される。このカバープレート19は、その中央部に複数の洗浄溝孔21が穿孔され、左右両側部の中央には施錠機構30用の操作孔22がそれぞれ穿孔される。複数の洗浄溝孔21は、長い洗浄溝孔21と短い洗浄溝孔21とをそれぞれ複数備え、これらがカバープレート19の中心部を基準に略放射状に配列されており、蓋本体11の隆起部13に対向する。
【0033】
カバープレート19の外部に露出する表面の左右両側部には、周縁部に隣接する位置決め凹部23がそれぞれ凹み形成され、カバープレート19表面の隅部、例えば四隅部には、蓋体開閉装置の検出センサ(例えば、光電センサ)に検出される被検出部24がそれぞれ形成されており、各被検出部24が平坦な円形状に形成される。また、カバープレート19の蓋本体11に対向する裏面の両側部には、複数の洗浄溝孔21に隣接する施錠機構30用の包囲リブ25がそれぞれ形成される。各包囲リブ25は、操作孔22を包囲し、施錠機構30の動作に伴う発塵の汚染範囲を限定するよう機能する。
【0034】
施錠機構30は、
図2〜
図5、
図7に示すように、蓋本体11の一対の設置領域14にそれぞれ軸支されて外部から回転操作される左右一対の回転操作体31と、各回転操作体31の回転に伴い蓋体10の上下方向にスライドし、蓋本体11の出没孔18から出没して容器本体1の施錠穴に接離する複数のラッチバー36とを備えて構成される。
【0035】
各回転操作体31は、例えば周縁部に一対の湾曲溝32を備えた二個の回転プレート33・33Aが前後に組み合わされることにより構成される。この二個の回転プレート33・33Aは、相互に嵌合可能な略円板形状あるいは略円筒形状に形成され、その中心部に、カバープレート19の操作孔22に対向するキー穴34が形成されており、このキー穴34に操作孔22を貫通した蓋体開閉装置の操作キーが挿脱自在に嵌挿される。
【0036】
二個の回転プレート33・33Aのうち、カバープレート19側に位置する回転プレート33の周縁部には、被接触部35が一体形成され、この被接触部35に複数の姿勢制御部材60が接触する。このような回転操作体31は、カバープレート19の包囲リブ25に包囲されてキー穴34を操作孔22に対向させ、操作孔22を貫通した蓋体開閉装置の操作キーにより回転操作される。
【0037】
各ラッチバー36は、縦長の板形状に形成され、その末端部が二個の回転プレート33・33Aに挟持された状態で設置領域14の一対のガイドリブ15間にスライド可能に挟持される。このラッチバー36の末端部には、回転操作体31の湾曲溝32にスライド可能に嵌入する連結ピン37が突出形成される。
【0038】
固定手段40は、
図2、
図5、
図6に示すように、例えば蓋本体11の正面12に円筒形状に突出形成される複数の雌螺子ボス41と、この複数の雌螺子ボス41にそれぞれ螺挿される雄螺子42とを備え、蓋本体11とカバープレート19とを着脱自在に固定して一体化するよう機能する。複数の雌螺子ボス41は、蓋本体11の隆起部13周縁や設置領域14にそれぞれ一体形成される。また、雄螺子42は、カバープレート19に穿孔された複数の螺子孔20をそれぞれ貫通して雌螺子ボス41に螺挿される。
【0039】
位置決め手段50は、
図1、
図2、
図5、
図8〜
図10に示すように、蓋本体11の隆起部13に配列形成されてカバープレート19方向に突出する一対の第一の位置決め部材51・51Aと、カバープレート19の裏面に配列形成されて蓋本体11方向に突出する一対の第二の位置決め部材53・53Aとを備え、これら複数の第一、第二の位置決め部材51・51A、53・53Aが蓋体10の厚さ方向において相互に噛合する(
図8参照)。
【0040】
一対の第一の位置決め部材51・51Aは、隆起部13表面の上下に間隔をおいて配列され、視覚的な判別を容易にしたり、第二の位置決め部材53・53Aと互い違いに嵌合させて上下方向のずれを防止する観点から、相互に異なる大きさに形成されており、上方に位置する第一の位置決め部材51が下方に位置する第一の位置決め部材51Aよりも小さく形成される。
【0041】
各第一の位置決め部材51・51Aは、それぞれ略半円弧形に湾曲形成される。第一の位置決め部材51の両端部間には開口52が区画され、第一の位置決め部材51Aの両端部間には開口52Aが区画されており、これらの開口52・52Aがいずれも蓋体10の下方に指向して洗浄時の洗浄水が残留するのを防止する。
【0042】
一対の第二の位置決め部材53・53Aは、カバープレート19裏面の中央部上下に間隔をおいて配列され、視覚的な判別を容易にする観点から、相互に異なる大きさに形成されており、上方に位置する第二の位置決め部材53が下方に位置する第二の位置決め部材53Aよりも大きく形成される(
図9、
図10参照)。
【0043】
各第二の位置決め部材53・53Aは、それぞれ略半円弧形に湾曲形成されて洗浄溝孔21の端部に近接するとともに、第一の位置決め部材51・51Aの内外いずれかの周面に沿い、両端部が第一の位置決め部材51・51Aの両端部に揃えられる。第二の位置決め部材53の両端部の間には開口54が区画され、第二の位置決め部材53Aの両端部の間には開口54Aが区画されており、これら開口54・54Aが蓋体10の下方に指向して洗浄時の排水性や水切り性を向上させる。
【0044】
上方に位置する第二の位置決め部材53は、
図9に示すように、上方に位置する第一の位置決め部材51の外径よりも大きい内径を有し、好ましくは第一の位置決め部材51の外周面に排水用の僅かな隙間55を介して対向する。この第二の位置決め部材53の内周面における両端部と中央部とには、第一の位置決め部材51の外周面に点接触する複数の突部56が間隔をおいて配列形成される。各突部56は、摩耗に伴うパーティクルの発生を抑制する観点から、微小な正面略半円形状に形成される。このような上方に位置する第二の位置決め部材53は、上方に位置する第一の位置決め部材51にのみ適切に対向する。
【0045】
これに対し、下方に位置する第二の位置決め部材53Aは、
図10に示すように、下方に位置する第一の位置決め部材51Aの内径よりも小さい外径を有し、好ましくは第一の位置決め部材51Aの内周面に排水用の僅かな隙間55を介して対向する。この第二の位置決め部材53Aの外周面における両端部と中央部とには、第一の位置決め部材51Aの内周面に点接触する複数の突部56が間隔をおいて配列形成される。各突部56は、摩耗に伴うパーティクルの発生を抑制するため、微小な略半円形状に形成される。このような下方に位置する第二の位置決め部材53Aは、下方に位置する第一の位置決め部材51Aにのみ適切に対向する。
【0046】
上方に位置する第一、第二の位置決め部材51、53と下方に位置する第一、第二の位置決め部材51A、53Aとは、以上のように構成されるので、蓋体10の水平方向の中心線に対して非対称の関係となり、蓋体10の組立時に上下逆のカバープレート19を誤って覆着してしまうおそれを有効に排除する。
【0047】
さらに、カバープレート19の上方に位置する第二の位置決め部材53が蓋本体11に形成される第一の位置決め部材51の外周側(
図8の上側)に位置し、カバープレート19の下方に位置する第二の位置決め部材53Aが蓋本体11に形成される第一の位置決め部材51Aよりも内周側(
図8の下側)に位置するので、蓋本体11に嵌合されたカバープレート19は、
図2の左右方向の動きや上下方向の動きが規制され、正確に位置決めされる。
【0048】
複数の姿勢制御部材60は、
図2、
図4、
図6に示すように、各包囲リブ25の周縁部寄りに間隔をおいて配列形成され、回転操作体31の最大外径付近を含む周縁部に対向する。各姿勢制御部材60は、回転操作体31の損傷やパーティクルの発生を抑制する観点から、微小な断面略半円形状に突出形成され、回転操作体31を構成する回転プレート33の被接触部35対向面に点接触する。
【0049】
上記構成において、蓋体10を組み立てる場合には、蓋本体11の開口した正面12にカバープレート19を被せ、蓋本体11の一対の第一の位置決め部材51・51Aに第二の位置決め部材53・53Aの突部56をそれぞれ点接触させ、蓋本体11とカバープレート19とを上下左右方向に適切に位置決めする。この際、一対の第一の位置決め部材51・51Aの大きさが相互に異なるので、カバープレート19に対する蓋本体11の向きを適切に把握することができる。
【0050】
また、誤って上下逆にしたカバープレート19を被せようとすると、第一の位置決め部材51に第二の位置決め部材53Aやその複数の突部56が干渉するとともに、第一の位置決め部材51Aに第二の位置決め部材53やその複数の突部56が接触し、第一、第二の位置決め部材51・51A、53・53Aの適切な対向や接触が阻止されるので、カバープレート19の上下関係を間違えたことを容易に把握することができる。
【0051】
蓋本体11とカバープレート19とを適切に位置決めしたら、複数の雌螺子ボス41に雄螺子42をカバープレート19側から順次螺挿することにより、蓋本体11にカバープレート19を高精度に覆着し、蓋体10を組み立てることができる。この際、雄螺子42の回転方向にカバープレート19が僅かに回転しようとしても、複数の突部56がカバープレート19の回転を規制するので、カバープレート19が歪んだ状態で固定されるおそれを排除することができ、雌螺子ボス41とカバープレート19の螺子孔20との整合が期待できる。
【0052】
次に、基板収納容器の容器本体1の開口した正面に蓋体10を嵌合し、施錠する場合について説明する。この場合には、先ず、蓋体開閉装置が蓋体10を真空吸着により保持し、この吸着保持された蓋体10が容器本体1の開口した正面に圧入して浅く嵌合される。蓋体10が浅く嵌合されると、蓋体開閉装置の操作キーがカバープレート19の操作孔22を貫通して施錠機構30の回転操作体31のキー穴34に嵌挿され、回転操作体31を施錠方向に回転操作する。
【0053】
この操作キーの挿入の際、カバープレート19が斜めに押圧され、回転操作体31が一部浮き上がろうとしても、回転操作体31を構成する回転プレート33の被接触部35に各姿勢制御部材60が点接触し、回転操作体31のバランスが蓋体10の厚さ方向に崩れるのを防止する。回転操作体31が施錠方向に回転操作されると、施錠機構30の複数のラッチバー36がそれぞれ上下方向にスライドして容器本体1の施錠穴内に強く嵌合係止し、このラッチバー36の嵌合係止により、容器本体1の正面に蓋体10が引き込まれて完全に嵌合し、蓋体10が強固に施錠される。
【0054】
回転操作体31が施錠方向とは反対の解錠方向に回転操作される場合にも、カバープレート19が斜めに押圧され、回転操作体31の一部が浮き上がろうとするが、このときにも回転プレート33の被接触部35に各姿勢制御部材60が点接触するので、回転操作体31のバランスが保たれる。
【0055】
上記構成によれば、複数の姿勢制御部材60が回転操作体31の姿勢を制御するので、回転操作体31の安定した回転が期待できる。したがって、カバープレート19と姿勢の悪化した回転操作体31とが接触して損傷したり、擦れてパーティクルが発生し、半導体ウェーハの汚染や蓋体10の外観の悪化を招くことがない。この効果は、基板収納容器がφ450mmの半導体ウェーハを収納する大型タイプの場合、回転操作体31が大型化するので、きわめて有意義である。
【0056】
また、位置決め手段50がカバープレート19の歪みや位置ずれを有効に防止するので、カバープレート19の位置決め凹部23や被検出部24のずれを招くことがない。したがって、蓋体開閉装置の検出センサに蓋体10の被検出部24を正確に検出させることができ、蓋体開閉装置が蓋体10の開閉作業の途中で停止する問題を解消することができる。この効果は、基板収納容器がφ450mmの半導体ウェーハを収納する大型タイプの場合には、実に有意義である。
【0057】
また、位置決め手段50がカバープレート19の上下関係の視覚的な判別を容易にするので、上下逆のカバープレート19を誤って覆着してしまうおそれがなく、組立作業の簡素化や迅速化を図ることができる。また、第一の位置決め部材51・51Aに第二の位置決め部材53・53Aが面接触するのではなく、第二の位置決め部材53・53Aの突部56が点接触するので、摩耗を抑制し、パーティクルの発生に伴う半導体ウェーハの汚染を防止することが可能となる。
【0058】
また、第一、第二の位置決め部材51・51A、53・53Aの開口52・54が共に下方に指向し、第一、第二の位置決め部材51・51A、53・53Aの間に液体流通用の隙間55が区画され、しかも、各突部56が微小なので、蓋体10が超音波の照射等で洗浄される場合、洗浄水の流通が阻害されることがない。したがって、蓋体10の洗浄時の排水性や水切り性を向上させたり、洗浄後の乾燥作業の便宜を図ることが可能となる。
【0059】
さらに、例え成形時の不具合で位置決め手段50に寸法誤差が生じたとしても、各突部56を加工して微調整するだけで、第一、第二の位置決め部材51、53、第一、第二の位置決め部材51A、53Aを適切に対向させ、接触させることが可能となる。
【0060】
なお、上記実施形態ではカバープレート19表面の四隅部に被検出部24をそれぞれ形成したが、斜め対角線上の二隅部に被検出部24をそれぞれ形成し、各被検出部24を平坦に鏡面加工しても良い。また、回転プレート33の周縁部には、回転プレート33の他の箇所よりも高い(厚い)部分、又は低い(薄い)部分を形成し、この部分を被接触部35として利用しても良い。また、上記実施形態では第一の位置決め部材51に第二の位置決め部材53を対向させたが、第一の位置決め部材51の内外周面に複数の第二の位置決め部材53をそれぞれ対向させても良い。同様に、第一の位置決め部材51Aの内外周面に複数の第二の位置決め部材53Aをそれぞれ対向させても良い。
【0061】
また、第一、第二の位置決め部材51・51Aのみに開口52を区画しても良いし、第二の位置決め部材53・53Aのみに開口54を区画することもできる。また、第一の位置決め部材51・51Aの内外いずれかの周面に複数の突部56を間隔をおいて配列形成することもできる。また、第一、第二の位置決め部材51・51A、53・53Aの周面に複数の突部56を間隔をおいてそれぞれ配列形成することもできる。また、第一、第二の位置決め部材51・51A、53・53Aを相互に異なる色彩に着色し、視覚的な識別を容易にすることも可能である。
【0062】
また、第一、第二の位置決め部材51・51A、53・53Aをそれぞれ略U字形状に形成し、第一、第二の位置決め部材51・51A、53・53Aの開口52・54をそれぞれ下方に向けることも可能である。また、上方に位置する第一の位置決め部材51を、下方に位置する第一の位置決め部材51Aよりも大きく形成することも可能である。この場合、カバープレート19の上方に位置する第二の位置決め部材53が蓋本体11に形成される第一の位置決め部材51の内周側(
図8の下側)に位置し、カバープレート19の下方に位置する第二の位置決め部材53Aが蓋本体11に形成される第一の位置決め部材51Aよりも外周側(
図8の上側)に位置することとなる。
【0063】
また、突部56を小さい正面略三角形状に形成し、この突部56を点接触ではなく、線接触させても良い。また、
図4に示すように、回転プレート33Aの設置領域14に対向する対向面の周縁部付近に、設置領域14に点接触する複数の姿勢制御部材60を配列形成し、回転操作体31を安定して回転させるようにしても良い。また、姿勢制御部材60を平面視円形の他、楕円形、長円形、三角形、四角形、多角形等に形成しても良い。この姿勢制御部材60の断面形状も、半円形の他、円弧形、湾曲形状、三角形、五角形等に形成し、回転操作体31を構成する回転プレート33に点接触又は線接触させても良い。
【0064】
このように姿勢制御部材60は、回転操作体31と点接触又は線接触可能な突出部を備えた形状に形成することができる。特に、姿勢制御部材60の断面形状を半円形や湾曲形に形成すれば、回転操作体31と姿勢制御部材60との接触時に、これら回転操作体31や姿勢制御部材60の損傷や摩耗を有効に抑制することが可能となる。