特許第6231014号(P6231014)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231014
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】イオン性シリコーンの硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/22 20060101AFI20171106BHJP
   C08K 3/00 20060101ALI20171106BHJP
   C08L 83/08 20060101ALI20171106BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20171106BHJP
   C08K 7/02 20060101ALI20171106BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20171106BHJP
   A61K 8/899 20060101ALI20171106BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20171106BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20171106BHJP
   A61L 29/04 20060101ALI20171106BHJP
   A61L 31/04 20060101ALI20171106BHJP
   A61L 15/00 20060101ALI20171106BHJP
   C07F 7/18 20060101ALN20171106BHJP
【FI】
   C08G77/22
   C08K3/00
   C08L83/08
   C08L83/04
   C08K7/02
   C08K5/00
   A61K8/899
   A61K47/34
   A61K9/70 401
   A61L29/04 110
   A61L31/04
   A61L15/00
   !C07F7/18 X
【請求項の数】29
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-551268(P2014-551268)
(86)(22)【出願日】2012年12月20日
(65)【公表番号】特表2015-511969(P2015-511969A)
(43)【公表日】2015年4月23日
(86)【国際出願番号】US2012070953
(87)【国際公開番号】WO2013103535
(87)【国際公開日】20130711
【審査請求日】2015年9月2日
(31)【優先権主張番号】61/582,921
(32)【優先日】2012年1月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508229301
【氏名又は名称】モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(72)【発明者】
【氏名】サクゼナ,アヌバフ
(72)【発明者】
【氏名】マリムス,スリヴィディヤ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシ,プラナフ,ラムチャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】サーカル,アロク
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−156755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/22
A61K 8/899
A61K 9/70
A61K 47/34
A61L 15/00
A61L 29/04
A61L 31/04
C08K 3/00
C08K 5/00
C08K 7/02
C08L 83/04
C08L 83/08
C07F 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
(I)
のイオン性シリコーンを含む硬化性組成物であって、
式中、
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=R1011SiO2/2
=R1213SiO2/2
=R1415SiO2/2
=R16SiO3/2
=R17SiO3/2
=R18SiO3/2
Q=SiO4/2
であり、
、R、R、R、R、R、R11、R13、R15は、1から60個の炭素原子を持つ、脂肪族、芳香族もしくはフルオロの、一価の炭化水素であり、
、R10、R16は、独立して、−CHCH(R’)(C2n)−O−(CO)−(CO)−(CO)−R’から選択され、式中、下付文字nは0もしくは正であり、0から6の範囲の値を持ち、下付文字o、p、およびqは0もしくは正であり、独立して、0から100の範囲の値から選択され、o+p+qは1より大きいか1と等しいという制限があり、
R’は、水素、または1から60個の炭素原子を持つ脂肪族の、芳香族のもしくはフルオロの、炭化水素であるか、または、R’は、グリコリド{−C(O)CHO−}、ラクチド{−C(O)CH(CH)O−}、ブチロラクチド{−C(O)CHCHCHO−}およびカプロラクチド{−C(O)CHCHCHCHCHO−}の、ラジカルまたはRによって定義される炭化水素ラジカルからなる群より独立して選択でき、
、R12、R17は、式(II)を持つ一価のラジカル含有イオン対、もしくは式(III)を持つ両性イオンであり、ここで式(II)は、
−A−Ix−Mny+ (II)
であり、式中
Aは二価の炭化水素もしくはヒドロカルボノキシ基から選択される少なくとも一つのスペーサー原子を持つスペーサー基であり、Iは、スルホナート−SO、サルファート−OSO、カルボキシラート−COO、ホスホナート−PO2−、およびホスファート−OPO2−基から選択されるイオン性基であり、Mは、水素またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、金属錯体、第四級アンモニウムおよび第四級ホスホニウム基、カチオン炭化水素、有機カチオン、アルキルカチオン、およびカチオン性バイポリマーから独立して選択されるカチオンであり、両性イオンは式(III):
−R’−NR’’−R’’’−I (III)
を持ち、式中
R’は1から約60個の炭素原子を含む二価の炭化水素ラジカルであり、
R’’は、1から約60個の炭素原子を含む一価の炭化水素ラジカルであり、
R’’’は、2から約20個の炭素原子の、具体的には2から約8個の炭素原子の、そしてより具体的には2から約4個の炭素原子を含む二価の炭化水素ラジカルであり、
Iは、スルホナート−SO、サルファート−OSO、カルボキシラート−COO、ホスホナート−PO2−、およびホスファート−OPO2−基から選択されるイオン性基であり、そして、
下付文字nおよびyは1〜6より選択され、xはnかけるyの積であり、
そしてここで、R、R14、R18は、水素、または不飽和の一価のラジカルもしくはエポキシ基含有ラジカルから独立して選択され、
そしてここで、下付文字a、b、c、d、e、f、g、h、i、jは0もしくは正数であり、以下の「a+b+c+d+e+f+g+h+i+jの合計が2より大きいかもしくは2と等しく、かつ6000より小さいかもしくは6000と等しい」、「b+e+hが0より大きい」ならびに「c+f+iが0より大きい」という条件に従い、
式(II)中のIが、カルボキシラート−COOである場合は、R、R14、R18は、以下の一般式(V)又は(VI)
【化1】

【化2】

の基を持つ一価のラジカルから独立して選択され、
式中、R24及びR25は、独立して、水素、1から60個の炭素原子を持つ、脂肪族/芳香族の、一価の炭化水素から選択され、
式中、Xは、1から60個の炭素原子と、0から20個のヘテロ原子とからなる二価の炭化水素架橋であり、そして、
、R12、R17が、式(III)の両性イオンである場合は、R、R14、R18は、不飽和の一価のラジカルもしくはエポキシ基含有ラジカルから独立して選択される、
組成物。
【請求項2】
、R12、R17が、式(II)を持つ一価のラジカル含有イオン対であり、式(II)中のAの二価の基が、−(CH(CH−、−CHCH(CH)(CH−および−CHCH(R)(CH19からなる群より選択されるアリーレン基であり、式中、Rが定義されるとおりであり、R19が約1から約20個の炭素原子、硫黄原子、窒素原子、酸素原子の一価のラジカルもしくはそれらの組み合わせのラジカルであり、ここでlが0から20の値を持ち、kが0から20の値を持つ、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
、R12、R17が、式(II)を持つ一価のラジカル含有イオン対であり、式(II)中のAの二価の基が、式−(CHR20−のアルキレン基であり、式中mが1から20の値を持ち、R20が水素もしくはRである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
、R12、R17が、式(II)を持つ一価のラジカル含有イオン対であり、式(II)中のAの二価の基が、(CHR20−(O−CH(R20)(CH−O−(CH−から選択されるヒドロカルボノキシ基であり、lが0から20の値を持ち、mが0から50の値を持ち、pが1から50の値を持つ、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
、R12、R17が、式(II)を持つ一価のラジカル含有イオン対であり、Mが独立して、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Fe、Ni、Ga、Al、Mn、Cr、Ag、Au、Pt、Pd、Pb、Sb、Ru、Sn、Rh、Co、Ce、Eu、Gd、およびLaから選択されるカチオンであり、そしてR、R14、R18が、水素、または以下の一般式:
【化4】

【化5】

【化6】

の基を持つ一価のラジカルから独立して選択され、
式中、R21からR25が、独立して、水素、1から60個の炭素原子を持つ、脂肪族/芳香族の、一価の炭化水素から選択され、
式中、Xが、1から60個の炭素原子と、0から20個の酸素、窒素および硫黄のようなヘテロ原子とからなる二価の炭化水素架橋である、請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物。
【請求項6】
、R、R、R、R、R、R11、R13、R15が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルおよびイソオクチル、2,2,4−トリメチルペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ナフチル、o−、m−、およびp−トリル、キシリル、エチルフェニルおよびベンジルからなる群より選択される、請求項1〜5の何れか1項に記載の組成物。
【請求項7】
組成物の総重量に基づいて0から99重量部の、シリカ、ヒュームドシリカ、ナノシリカ、官能化シリコーン樹脂もしくは非官能化シリコーン樹脂、天然および合成繊維、ポリサッカライド、コーク、グラファイトおよびカーボンブラック、グラフェン、粘土、窒化ボロン、表面処理ありおよび表面処理なしの微細粉金属および酸化金属から選択される強化充填剤もしくは非強化充填剤をさらに含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の組成物。
【請求項8】
平均組成式:
2627(OH)SiO(4−n−o−p)/2
を持ち、
式中、R26が、シリコーンへと直接結合するC2−20アルケニルであり、
27が、不置換もしくは置換の、アルケニル以外の一価のヒドロカルビル、アルコキシ、シクロアルキル、エポキシ、シクロエポキシおよびアリールから選択される基であり、
n、o、pが正の数であり、n+o+p=1から2であり、nが0より大きいかまたは0と等しく、pが0より大きいかまたは0と等しい、
ポリオルガノシロキサンをさらに含む、請求項1〜7の何れか1項に記載の組成物。
【請求項9】
26がビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニルもしくはデセニルである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
27がメチル、エチル、プロピル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、ナフチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2−(ノナフルオロブチル)エチル、エチルベンジル、1−フェニルエチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、エポキシおよびシクロエポキシから選択される基である、請求項8又は9に記載の組成物。
【請求項11】
平均組成式:
28SiO(4−q−r)/2
を持ち、
式中、
28が、1から60個の炭素原子のアルキルラジカルから選択される、不置換もしくは置換の、一価のヒドロカルビル(アルケニルを除く)より選択される基であり、qが0より大きく、rが0より大きいかまたは0と等しく、q+rが3より大きいかまたは3と等しい、オルガノハイドロジェンオリゴシロキサンもしくはオルガノハイドロジェンポリシロキサンをさらに含む、請求項1〜7の何れか1項に記載の組成物。
【請求項12】
28がメチル、エチル、プロピル、ブチルペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、オクチル、フェニル、メチルフェニル、シクロヘキシルおよびハロアルキルラジカルからなる群より選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
さらに触媒を含む、請求項1〜12の何れか1項に記載の組成物。
【請求項14】
触媒が白金クロリド、クロロ白金酸、ビス(アセチルアセトナト)白金、(η−シクロペンタジエニル)トリアルキル白金錯体、Ptトリアゼニド錯体、Pt(PPhCl、鉄錯体、白金錯体およびロジウム錯体から選択される遷移金属系錯体である、請求項13に記載の組成物
【請求項15】
UV安定剤、鎖伸長剤、硬化促進剤、硬化開始剤、硬化阻害剤、顔料、染料、抗菌剤、抗真菌剤、薬剤、殺生物剤、界面活性剤、導電性充填剤、微粉化した表面処理/非処理酸化金属、ナノ充填剤、粘土、可塑剤、粘着付与剤、離型剤、接着促進剤、相溶化剤、医薬品賦形剤、界面活性剤、相溶化剤、放射線不透過性物質、帯電防止剤から選択される一つもしくはそれ以上の成分をさらに含む、請求項1〜14の何れか1項に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1〜6の何れか1項に記載の硬化性イオン性シリコーンを含む、透明から半透明のシリコーンゴム組成物。
【請求項17】
白金触媒によって熱硬化される請求項16に記載のシリコーンゴム組成物。
【請求項18】
白金触媒によってUV硬化される請求項16に記載のシリコーンゴム組成物。
【請求項19】
ペルオキシドにより開始されて熱硬化される請求項16に記載のシリコーンゴム組成物。
【請求項20】
抗菌剤として、任意選択で銀、銅、亜鉛、クロルヘキシジン、ベンザルコニウムクロリド、ビグアニド、ポリ第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物、キトサンおよびその誘導体、ならびに、ニシン、ペジオシン、ゴメシン、プレウリシジンのようなものであるがそれらに限定されない抗菌ペプチドならびにその誘導体を含む、請求項16〜19の何れか1項に記載のシリコーンゴム組成物。
【請求項21】
請求項1〜6の何れか1項に記載の硬化性イオン性シリコーンを含む、透明から半透明のシリコーンゲル組成物。
【請求項22】
白金触媒によって熱硬化される請求項21に記載のシリコーンゲル組成物。
【請求項23】
白金触媒によってUV硬化される請求項21に記載のシリコーンゲル組成物。
【請求項24】
接着剤として用いられる請求項21〜23の何れか1項に記載のシリコーンゲル組成物。
【請求項25】
抗菌剤として、任意選択で銀、銅、亜鉛、クロルヘキシジン、ベンザルコニウムクロリド、ビグアニド、ポリ第四級アンモニウム化合物、ポリ第四級ホスホニウム化合物、キトサンおよびその誘導体、ならびに、ニシン、ペジオシン、ゴメシン、プレウリシジンのようなものであるがそれらに限定されない抗菌ペプチドならびにその誘導体およびその組替体を含む、請求項21〜24の何れか1項に記載のシリコーンゲル組成物。
【請求項26】
ルスケア、パーソナルケア、自動車、コーティング、家庭用品、ペイント、洗濯用石鹸、繊維製品、電気/電子用途、航空宇宙、膜、接着剤、燃料電、建築、アパレル、スポーツ用品、家電製品の製造、機械および装置の構築、および消費財より選択される用途に用いられる、請求項1〜15の何れか1項に記載の硬化性イオン性シリコーン組成物。
【請求項27】
用途がヘルスケアであり、金属、金属イオン、生物活性分、抗ニキビ剤、抗老化剤、虫歯予防剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗酸化剤、抗がん剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗凝固剤、止血剤、剥離剤、ホルモン、酵素、医薬化合物、殺生物剤、外用鎮痛剤、オーラルケア剤、オーラルケア薬剤、酸化剤、還元剤、皮膚保護剤、エッセンシャルオイル、防虫剤、UV吸収剤、ソーラーフィルター、顔料、水和剤、ビタミンならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される一つもしくはそれ以上の追加の剤を含む、請求項26に記載の硬化性イオン性シリコーン組成物。
【請求項28】
用途がヘルスケアであり、創傷被覆、瘢痕削減被覆、ドラッグデリバリー装置、医療用チューブ、臨床用表面、ペースメーカーリード、感圧接着剤、創傷治癒パッチ、創傷管理装置、医療用接着剤、カテーテル、シャント、バルブ、ステント、経皮イオン浸透パッチ、組織工学のための足場、抗菌デバイス、眼科機器、バイオインサート、外科装置、プラグ、医療装置、医療用保存装置、育児製品、補助呼吸装置、眼科機器、人工装具、再建デバイスおよび生体インプラントにおいてさらに用いられる、請求項27に記載の硬化性イオン性シリコーン組成物。
【請求項29】
パーソナルケア用途が、脱臭剤、制汗剤、制汗/脱臭剤、スティックおよびロールオン製品、スキンローション、保湿剤、トナー、クレンジング製品、スタイリングジェル、ヘアダイ、ヘアカラー製品、縮毛矯正剤、マニキュア液、マニキュア除去剤、日焼け止め、抗老化製品、口紅、ファンデーション、おしろい、アイライナー、アイシャドウ、ほお紅、メーキャップ、マスカラ、保湿用剤、ファンデーション、ボディー用剤、ハンド用剤、スキンケア剤、フェース用剤、ネック用剤、香り用剤、光散乱(ソフトフォーカス)剤、夜用スキンケア剤、昼用スキンケア剤、日焼け用剤、ハンド液、パーソナルケアのための不織用途、ベビーローション顔用クレンジング製品、ヘアキューティクルコート、パーソナルケアリンスオフ製品、ゲル、泡風呂、スクラブ洗顔料、制御放出型パーソナルケア製品、ヘアコンディショニングミスト、スキンケア保湿ミスト、皮膚拭取り剤、毛穴拭取り剤、毛穴洗浄剤、傷減少剤、皮膚剥脱剤、皮膚落屑促進剤、スキンタオル、衣服、脱毛剤、パーソナルケア潤滑剤、ネイルカラーリング用剤、皮膚に適用するための医薬組成物の局所投与用のドラッグデリバリーシステム、ならびにそれらの組み合わせの一つもしくはそれ以上を含む、請求項26に記載の硬化性イオン性シリコーン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2012年1月4日出願の米国仮特許出願第61/582,921号の優先権を主張し、これは参照により本明細書に組み入れられる。本発明は、イオン性基と、付加硬化もしくは脱水素縮合硬化をなし得る少なくとも一つの官能基とを持つポリオルガノシロキサンであるシリコーンイオノマーを含む、硬化性組成物に関する。これはそれらをエラストマー、RTVおよびゲル中における多くの異なる用途において有用にし、それは、創傷被覆、瘢痕削減被覆、経皮ドラッグデリバリーパッチ、医療用チューブ、臨床用表面、外科装置、ペースメーカーリード、家庭用品、アパレル、ダイビングマスクのようなスポーツ用品、ペイント、コーティング、燃料電池、電気用途および電子光学用途、農業、膜、射出成形および圧縮成形可能なゴムおよびプラスチック、ならびにさまざまなシリコーン系ゴムのようなパーソナルケア、ヘルスケア用途のためのものを含む。
【背景技術】
【0002】
米国特許第2968643号は、スルホアリールアルキルシロキサン、その塩およびその調製プロセスについて記載する。
【0003】
日本国特許第6,247,827号および日本国特許第6,247,835号はスルホン化官能化シリコーンの調製プロセスおよびそのパーソナルケア用途での使用について開示する。
【0004】
米国特許第4,525,567号および米国特許第4,523,002号は両性イオンスルホナート基によって官能化されたポリオルガノシロキサンとその調製方法について記載する。
【0005】
国際公開番号第2006065467号はスルホナート系イオン性シリコーンとアミノポリオルガノシロキサンとスルホナート含有酸無水物との反応を経由するその作製方法を開示する。
【0006】
欧州特許第581296A2は、ポリエーテル官能化スルホナートポリオルガノシロキサンと、水性亜硫酸リチウムの存在下でのヒドリド含有ポリオルガノシロキサンのアリルポリエーテルおよびp−クロロメチルスチレンによるヒドロシリル化ならびにそれに続くクロロ基による置換を経由するその調製方法とを開示する。
【0007】
しかしながら、上述の方法は、ポリマー鎖の一部としてシリコン−ヒドリドもしくはビニルのような反応性官能基を持つポリオルガノシロキサンイオノマーについては開示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、シリコン−ヒドリドもしくはビニルのような反応性官能基をイオン性シリコーン鎖中に組み込むことにより、硬化性になったイオン性シリコーンを含む。これらのシリコーンを硬化してイオン性基を含むゲルおよびゴムのようなさまざまな弾性組成物を得ることが出来る。イオン性基の存在は、エラストマー組成物に異なる性質をもたらし、これにより、それらを、ヘルスケア、パーソナルケア、自動車、コーティング、電気および電子、家庭用用途、農業、オイルおよびガス、繊維製品、スポーツ用品のような用途に有用であるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
イオン性シリコーンを含む硬化性組成物が本明細書でもたらされる。イオン性シリコーンは以下の式(I):
(I)
を持ち、式中、
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=R1011SiO2/2
=R1213SiO2/2
=R1415SiO2/2
=R16SiO3/2
=R17SiO3/2
=R18SiO3/2
Q=SiO4/2
であり、
、R、R、R、R、R、R11、R13、R15は、1から60個の炭素原子を持つ、脂肪族、芳香族もしくはフルオロの、一価の炭化水素であり、
、R10、R16は、独立して、グリコリド{−C(O)CHO−}、ラクチド{−C(O)CH(CH)O−}、ブチロラクチド{−C(O)CHCHCHO−}およびカプロラクチド{−C(O)CHCHCHCHCHO−}の、ラジカルまたはRによって定義される炭化水素ラジカルから選択でき、
、R12、R17は、式(II)を持つ一価のラジカル含有イオン対、もしくは式(III)を持つ両性イオンであり、ここで式(II)は、
A−Ix−Mny+ (II)
であり、式中
Aは二価の炭化水素もしくはヒドロカルボノキシ基から選択される少なくとも一つのスペーサー原子を持つスペーサー基であり、Iは、スルホナート−SO、サルファート−OSO、カルボキシラート−COO、ホスホナート−PO2−、およびホスファート−OPO2−基から選択されるイオン性基であり、Mは、水素またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、遷移金属、金属、金属錯体、第四級アンモニウムおよび第四級ホスホニウム基、炭化水素カチオン、アルキルカチオン、有機カチオン、およびカチオン性ポリマーから独立して選択されるカチオンである。両性イオンは式(III):
R’−NR’’−R’’’−I (III)
を持ち、式中
R’は1から約60個の炭素原子の二価の炭化水素ラジカルであり、
R’’は、1から約60個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、
R’’’は、2から約20個の炭素原子の、具体的には2から約8個の炭素原子の、そしてより具体的には2から約4個の炭素原子を含む二価の炭化水素ラジカルであり、
そしてIは、スルホナート−SO、サルファート−OSO、カルボキシラート−COO、ホスホナート−PO2−、およびホスファート−OPO2−基から選択されるイオン性基であり、
そしてここで、R、R14、R18は、水素、または不飽和の一価のラジカルもしくはエポキシ基含有ラジカルから独立して選択され、
そしてここで、下付文字nおよびyは1〜6より選択され、xはnかけるyの積であり、そして下付文字a、b、c、d、e、f、g、h、i、jは0もしくは正数であり、以下の「a+b+c+d+e+f+g+h+i+jの合計が2より大きいかもしくは2と等しく、かつ6000より小さいかもしくは6000と等しい」、「b+e+hが0より大きい」ならびに「c+f+iが0より大きい」という条件に従う。
【図面の簡単な説明】
【0010】
さまざまな実施態様が図表を参照して以下に記載される。
図1図1は、スルホナート基を持つイオン性シリコーンを含む付加硬化されたシリコーンからの銀の放出を時間と共に示すグラフである。
図2図2は、スルホナート基を持つイオン性シリコーンを含む付加硬化シリコーンゲルの水の吸収を示すグラフである。
図3図3は、スルホナート基を持つイオン性シリコーンを含む付加硬化シリコーンゲルの水の吸収を示すグラフである。
図4図4は、スルホナート基を持つイオン性シリコーンを含むシリコーンゲルの水蒸気輸送速度(MVTR)を示すグラフである。
図5図5は、スルホナート基を持つイオン性シリコーンを含むシリコーンゲルからのクロルヘキシジンの累積的放出を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の請求項を含む本明細書で使用されるとき、単数形である「a」、「an」および「the」は、複数形をも含み、特定の数値範囲への言及は、文脈が明確に他を示さない限り、少なくともその特定の値を含む。
【0012】
本明細書において範囲は、「約」もしくは「おおよそ」のある特定の値から、ならびに/または「約」もしくは「おおよそ」の特定の他の値までと表現される。そのような範囲で表現されるとき、他の実施態様は、ある特定の範囲から、ならびに/または他の特定の範囲までを含む。同様に、値が先行詞「約」の使用によって近似で表されるとき、その特定の値は他の実施態様となし得ると理解するべきである。
【0013】
ここに使用されるすべての方法は、ここにおいて明確に指示されるか、または文脈から明らかに否定されない限り、任意の好適な順番で実施できる。任意の例およびすべての例、または例示的な言葉(たとえば「〜のような」)によってここに与えられるものの使用は、単純に発明をよりよく例示することのみを意図しており、他に請求されない限り、本発明の範囲に限定を与えることはない。明細書中のどの言語も、本発明の実施のために重要であると考えられる、請求されない要素のいずれかを指していると解釈されるべきではない。
【0014】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、「特徴付けられる(characterized by)」および、それらの文法的に等価なものは包括的もしくはオープンエンドであり、追加的な、言及されていない要素、もしくは方法のステップを排除するものではない。しかしながら、より限定的な用語「〜からなる(consisting of)」および「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」をもまた含み得る。
【0015】
実施例以外において、もしくは他に示されない限り、明細書において述べられる物質の量、反応条件、時間、物質の定量された性質などを表すすべての数は、全ての例において用語「約」によって修飾されている理解されるべきである。
【0016】
本明細書において述べられる任意の数値範囲は、範囲中のすべてのサブ範囲(sub−ranges)および、そのような範囲もしくはサブ範囲のさまざまな端点の任意の組み合わせを含むことは理解されよう。
【0017】
構造的、組成的および/もしくは機能的に関連する化合物、物質もしくは基質の群に属すると、明細書中の明示的にもしくは暗示的に開示される、および/もしくは請求項にて言及される、すべての化合物、物質もしくは基質は、その群の個々の代表物およびそれらのすべての組み合わせを含むと理解されよう。
【0018】
表現「炭化水素」は、そこから一つもしくはそれ以上の水素原子が除去されたすべての炭化水素基を意味し、アルキル、アルケニル、アルキニル、環状アルキル、環状アルケニル、環状アルキニル、アリール、アラルキルおよびアレニルを含み、そしてヘテロ原子を含み得る。
【0019】
用語「アルキル」は、任意の一価の、飽和の、直鎖の、分岐のもしくは環状の、炭化水素基を意味する;用語「アルケニル」は、一つもしくはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含む、任意の一価の、直鎖の、分岐のもしくは環状の、炭化水素基を意味し、ここで基が結合する位置は、炭素−炭素二重結合であるか、またはその中のどこか別の場所でもよい;用語「アルキニル」は、一つもしくはそれ以上の炭素−炭素三重結合と任意選択で一つもしくはそれ以上の炭素−炭素二重結合とを含む、任意の一価の、直鎖の、分岐のもしくは環状の、炭化水素基を意味し、ここで基が結合する位置は炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、またはその中のどこか別の場所でよい。アルキルの例は、メチル、エチル、プロピルおよびイソブチルを含む。アルケニルの例はビニル、プロペニル、アリル、メタリル、エチリデニルノルボルナン、エチリデンノルボルニル、エチリデニルノルボルネンおよびエチリデンノルボルネニルを含む。アルキニルの例は、アセチレニル、プロパルギルおよびメチルアセチレニルを含む。
【0020】
表現「環状アルキル」、「環状アルケニル」および「環状アルキニル」は、二環、三環、より大きな環状構造、ならびにアルキル、アルケニルおよび/もしくはアルキニル基によって置換された前述の環状構造を含む。代表例は、ノルボルニル、ノルボルネニル、エチルノルボルニル、エチルノルボルネニル、シクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキセニル、シクロヘキシルシクロヘキシル、およびシクロドデカトリエニルを含む。
【0021】
用語「アリール」は一価の芳香族炭化水素基を意味する;用語「アラルキル」は、一つもしくはそれ以上の水素原子が同じ数の類似のおよび/もしくは異なる(本明細書に定義される)アリール基によって置換される、(本明細書に定義される)任意のアルキル基を意味する;そして用語「アレニル」は、一つもしくはそれ以上の水素原子が同じ数の類似のおよび/もしくは異なる(本明細書に定義される)アルキル基によって置換される、(本明細書に定義される)任意のアリール基を意味する。アリールの例はフェニルおよびナフタレニルを含む。アラルキルの例はベンジルおよびフェネチルを含む。アレニルの例はトリルおよびキシリルを含む。
【0022】
粘度のすべての測定は、他に指定されない限りは25℃において得られたものとここでは理解されるべきである。
【0023】
本開示において、一つもしくはそれ以上の他の基質、成分もしくは材料成分との最初の接触、その場での生成、調合もしくは混合の直前において存在する基質、成分もしくは材料成分に対して参照が行われる。反応産物、生じる混合物などとして同定される基質、成分もしくは材料成分は、当業者(例えば化学者)の通常の常識および通常の能力を用いてこの開示に従って実施されるならば、接触、その場での生成、調合もしくは混合操作における化学反応もしくは転換を通じ、固有性、性質、特徴を得るであろう。化学反応物もしくは開始物質の化学産物もしくは最終物質への転換は、その起こる速度に無関係に常に進むプロセスである。従って、そのような転換プロセスの最中において、当業者に知られる分析技術によって検出することが簡単であっても難しくても、開始および最終物質の混合物ならびに中間物は、その動的な存在期間に依存して存在し得るであろう。
【0024】
本発明において、以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)を含む付加硬化性イオン性シリコーン組成物が提供される。
成分(A):
成分(A)は以下の式(I)
(I)
を持つイオン性シリコーンを含み、
式中、
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=RSiO1/2
=R1011SiO2/2
=R1213SiO2/2
=R1415SiO2/2
=R16SiO3/2
=R17SiO3/2
=R18SiO3/2
Q=SiO4/2
であり、
、R、R、R、R、R、R11、R13、R15は、1から60個の炭素原子を持つ、脂肪族、芳香族もしくはフルオロの、一価の炭化水素である。有用な炭化水素基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびtert−ペンチル、n−ヘキシル基のようなヘキシル、n−ヘプチル基のようなヘプチル、n−オクチルおよびイソオクチル基のようなオクチル、2,2,4−トリメチルペンチル基、n−ノニル基のようなノニル、n−デシル基のようなデシル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルラジカル、およびメチルシクロヘキシルラジカルのようなシクロアルキルラジカルを含む。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、o−、m−、およびp−トリル、キシリル、エチルフェニルおよびベンジルを含む。
式中、R、R10、R16は、独立して、−CHCH(R’)(C2n)−O−(CO)−(CO)−(CO)−R’から選択され、式中、下付文字nは0もしくは正であり、0から6の範囲の値を持ち、下付文字o、p、およびqは0もしくは正であり、独立して、0から100の範囲の値から選択され、o+p+qは1より大きいか1と等しいという制限がある。
R’は、水素、または1から60個の炭素原子を持つ脂肪族の、芳香族のもしくはフルオロの、炭化水素であるか、または、R’は、グリコリド{−C(O)CHO−}、ラクチド{−C(O)CH(CH)O−}、ブチロラクチド{−C(O)CHCHCHO−}およびカプロラクチド{−C(O)CHCHCHCHCHO−}の、ラジカルまたはRによって定義される炭化水素ラジカルからなる群より独立して選択される。
【0025】
、R12、およびR17は、式(II)
A−Ix−y+ (II)
を持つ一価のラジカル含有イオン対であってよく
式中
Aは二価の炭化水素もしくはヒドロカルボノキシ基から選択される少なくとも一つのスペーサー原子を持つスペーサー基であり、Iは、スルホナート−SO、サルファート−OSO、カルボキシラート−COO、ホスホナート−PO2−、およびホスファート−OPO2−基のようなイオン性基であり、より具体的にはスルホナート−SOであり、Mは、水素またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、遷移金属、金属錯体、第四級アンモニウムおよび第四級ホスホニウム基、炭化水素カチオン、アルキルカチオン、有機カチオン、およびカチオン性ポリマーから独立して選択されるカチオンである。
【0026】
代替的に
、R12、およびR17は、式(III)
−R’−NR’’−R’’’−I (III)
を持つ両性イオンであってよく
式中、
R’は1から約60個の炭素原子、具体的には1から約20個の炭素原子、そしてより具体的には1から約8個の炭素原子を含む二価の炭化水素ラジカルであり、
R’’は、1から60個の炭素原子、具体的には1から約20個の炭素原子、そしてより具体的には1から約8個の炭素原子を含む一価の炭化水素ラジカルであり、
R’’’は、2から約20個の炭素原子、具体的には2から約8個の炭素原子、そしてより具体的には2から約4個の炭素原子を含む二価の炭化水素ラジカルであり、
そしてIは、スルホナート−SO、サルファート−OSO、カルボキシラート−COO、ホスホナート−PO2−、およびホスファート−OPO2−基のようなイオン性基であり、
ここで、R、R18は、水素または不飽和の一価のラジカルもしくはエポキシ基含有ラジカルから独立して選択され、
ここでR14は、水素、不飽和の一価のラジカルもしくはエポキシ基含有ラジカルから独立して選択されるか、またはイオン性基が上述の式(III)によって表される両性イオンでないときは水素であり、
そしてここで、下付文字nおよびyは1〜6より選択され、xはnかけるyの積であり、そして下付文字a、b、c、d、e、f、g、h、i、jは0もしくは正数であり、以下の「a+b+c+d+e+f+g+h+i+jの合計が2より大きいかもしくは2と等しく、かつ6000より小さいかもしくは6000と等しい、具体的にはa+b+c+d+e+f+g+h+i+jの合計が2より大きいかもしくは2と等しく、かつ4000より小さいかもしくは4000と等しい、より具体的にはa+b+c+d+e+f+g+h+i+jの合計が2より大きいかもしくは2と等しく、かつ2000より小さいかもしくは2000と等しい」、「b+e+hが0より大きい」ならびに「c+f+iが0より大きい」という条件に従う。
【0027】
本明細書の一つの他の実施態様において、式(II)中のAの二価の炭化水素基は、−(CH(CH−、−CHCH(CH)(CH−、−CHCH(R)(CH19および−CHCH(R)(CH19からなる群より選択されるアリーレン基であり、式中、Rは定義されるとおりであり、R19は具体的には約1から約20個の、そしてより具体的には約1から約8個の炭素原子、硫黄原子、窒素原子、酸素原子の一価のラジカルもしくはそれらの組み合わせのラジカルであり、ここでlは0から20の、具体的には1から約10の値を持ち、kは0から20の、具体的には0から約10の値を持つ。
【0028】
他の実施態様において、式(II)中のAの二価の炭化水素基は、式−(CHR20−のアルキレン基であり、式中mは1から20の、具体的には1から約10の値を持ち、R20は水素もしくはRである。
【0029】
他の実施態様において、式(II)中のAの二価のヒドロカルボノキシ基は、(CHR20−(OCH(R20)(CH−O−(CH−から選択され、lは0から20の、具体的には1から約10の値を持ち、mは0から50の値を持ち、pは1から50の値を持つ。
【0030】
一つの他の実施態様において、式(II)中のMは独立して、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Zn、Cu、Fe、Ni、Ga、Al、Mn、Cr、Ag、Au、Pt、Pd、Pb、Sb、Ru、Sn、Rh、Ce、Eu、Co、Gd、およびLaから選択されるカチオンであってよい。当業者なら、カチオンは例えばMn+2およびMn+3のような多価の形態で存在し得ると理解し得るであろう。
【0031】
、R14、R18は、以下の一般式:
【化1】

【化2】

【化3】

の反応性基を持つ一価のラジカルから独立して選択され、
式中、R21からR25は、独立して、水素、1から60個の炭素原子を持つ、脂肪族/芳香族の、一価の炭化水素から選択され、
式中、Xは、1から60個の炭素原子と、0から20個の酸素、窒素および硫黄のようなヘテロ原子とからなる二価の炭化水素架橋である。
【0032】
成分(B):
成分(B)は、シリカ、ヒュームドシリカ、ナノシリカ、官能化シリコーン樹脂もしくは非官能化シリコーン樹脂、天然および合成繊維、ポリサッカライド、コーク、グラファイトおよびカーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、粘土、窒化ボロン、表面処理ありおよび表面処理なしの微細粉金属および酸化金属から選択される強化充填剤もしくは非強化充填剤を0から99重量部含む。
【0033】
成分(C):
成分(C)は、平均組成式:
2627(OH)SiO(4−n−o−p)/2
を持つポリオルガノシロキサンを含み、
式中、R26は、シリコーンへと直接結合するC2−20アルケニルであり、ビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニルおよびデセニルによって例示され、
27は、不置換もしくは置換の、一価のヒドロカルビル(アルケニルを除く)、エポキシ、シクロエポキシ、アルコキシ、シクロアルキルおよびアリールから選択される基である。
不置換もしくは置換の、一価のヒドロカルビル(アルケニルを除く)は、メチル、エチル、プロピルおよびシクロヘキシルのようなアルキル、フェニル、トリルおよびナフチルのようなアリール、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピルおよび2−(ノナフルオロブチル)エチルのようなハロアルキル、エチルベンジルおよび1−フェニルエチルのようなアラルキルによって例示される。アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシおよびi−プロポキシによって例示され、エトキシが好ましい。
n、o、pは正の数であり、n+o+p=1から2であり、nは0より大きいかまたは0と等しく、pは0より大きいかまたは0と等しい。
そして、それは少なくとも一つの、ケイ素と直接結合する、アルケニル、ヒドロキシル、エポキシ、シクロエポキシを含む。
【0034】
成分(D):
成分(D)は、平均組成式:
28SiO(4−q−r)/2
を持つオルガノハイドロジェンオリゴシロキサンもしくはオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む。
28は、不置換もしくは置換の、一価のヒドロカルビル(アルケニルを除く)より選択される基であり、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、およびオクチルのような1から60子の炭素原子のアルキルラジカル、フェニル、メチルフェニルのような単核のアリールラジカル、シクロヘキシルのようなシクロアルキルラジカル、およびハロアルキルラジカルより選択される。qは0より大きく、rは0より大きいかまたは0と等しく、q+rは3より小さいかまたは3と等しい。オルガノハイドロジェンシロキサンは硬化性組成物の必須の成分である。シリコーンイオノマーがビニルもしくはヒドリド基を持つとき、用途に好適である適切な架橋密度を提供するのに十分な量を必要とされる。シリコーンイオノマーもしくは上述の成分(C)がエポキシ基を持つとき、オルガノハイドロジェンシロキサンの痕跡量のみが開始剤として必要とされる。
【0035】
成分(E):
成分(E)は、前記ビニル官能性架橋剤、官能性ポリオルガノシロキサンイオノマーと前記ハイドロジェン官能性シロキサンの間の熱エネルギーもしくは化学線のいずれかによる付加硬化ヒドロシリル化反応を促進するのに有効な量の遷移金属触媒を含む。成分(A)、(C)中のアルケニルと成分(D)のシリコーン結合水素の間の付加反応、すなわちヒドロシリル化反応を導入するために、遷移金属触媒が必要とされる。さらに、成分(A)および/もしくは(C)の置換基がエポキシもしくはシクロエポキシ基であるとき、金属触媒は、シリコーン−ヒドリド開始剤の存在下でエポキシ基の開環重合化を促進する。触媒は、白金クロリド、クロロ白金酸、ビス(アセチルアセトナト)白金のような白金触媒で、ならびに、パラジウムおよびロジウム触媒のような白金族金属触媒ならびに鉄系触媒で例示され得る。好ましくは触媒は白金であり、そしてさらにより好ましくは、白金触媒は、可溶性の錯体状:(η−シクロペンタジエニル)トリアルキル白金錯体、Ptトリアゼニド錯体、Pt(PPhClおよび光化学的に導入される付加反応に用いられる型のもので存在する。触媒は均一でも異種混合ででも存在し得る。
【0036】
成分(F):
任意選択の成分(F)は、UV安定剤、鎖伸長剤、開始剤、硬化促進剤、硬化阻害剤、顔料、染料、抗菌剤、抗真菌剤、薬剤、殺生物剤、界面活性剤、導電性充填剤、微粉化した表面処理/非処理酸化金属(チタニア、ジルコニア、セリアなどのような)のような非補強充填剤、ナノ充填剤、粘土、可塑剤、粘着付与剤、離型剤、接着促進剤、相溶化剤、医薬品賦形剤、界面活性剤、帯電防止剤、相溶化剤、放射線不透過性物質、帯電防止剤から選択される、追加の成分を含む。
【0037】
硬化性イオン性シリコーン組成物に関する本発明は、熱もしくは放射線照射のいずれかによって付加硬化して透明から半透明の、引張強度、硬度、引裂強度、モジュラス、制御可能な粘および接着挙動、水蒸気の浸透性、ならびに活性剤を送達する能力のような優れた物理特性を持つエラストマーおよびゲルを提供するようなイオン性シリコーンの官能基に基づく。エラストマーは、液体シリコーンラバー、熱硬化エラストマーの型であってよい。ゲルは、室温硬化型(RTV)もしくはUV硬化型ゲルであってよい。
【0038】
本発明により作製される硬化性シリコーン組成物は、シリコーンの既知の有利な性能とシリコーンイオノマー上のイオン性基に由来する性能とが重要であるような多くの用途に好適であり、好ましくは、ゲル、エマルションのようなパーソナルケア用途、ヘルスケア用途、家庭用用途、アパレル、ダイビングマスクのようなスポーツ用品、ペイント、コーティング、燃料電池、電気および電子光学用途、農業、膜、射出成形および圧縮成形可能なゴムおよびプラスチック、ならびにさまざまなシリコーン系ゴム、家電製品、機械および装置構築、剥離コーティング、保護コーティング、防汚コーティングのようなコーティング、およびカスタマーグッズの分野において好適である。具体例として、ヘルスケア分野において、シリコーンエラストマーは、創傷被覆、創傷被覆、瘢痕削減被覆、ドラッグデリバリー装置、医療用チューブ、臨床用表面、外科装置、ペースメーカーリード、感圧接着剤、創傷治癒パッチ、創傷管理装置、医療用接着剤、カテーテル、シャント、バルブ、ステント、経皮イオン浸透パッチ、組織工学のための足場、抗菌デバイス、眼科機器、バイオインサート、プラグ、外科装置、医療装置、医療用保存装置、育児製品、補助呼吸装置、人工装具、再建デバイスおよび生体インプラントの製作に用いられる。
【0039】
そのような状況において、エラストマー上のバクテリア、カビ、ウィルスのような微生物は感染を引き起こし、結果として患者の死亡または身体障害をまねく。それゆえ、シリコーンエラストマーが抗菌性能を持つことが望まれる。
【0040】
本発明の硬化性組成物は、本発明のシリコーンイオノマー上に存在するイオン性基と結合できる、銀、銅、亜鉛、クロルヘキシジン、ベンザルコニウムクロリド、ビグアニド、ポリ第四級アンモニウム化合物、ポリ第四級ホスホニウム化合物、キトサンおよびその誘導体、ならびに、ニシン、ペジオシン、ゴメシン、プレウリシジンのようなものであるがそれらに限定されない抗菌ペプチドならびにその誘導体およびその組替体によって例示されるがそれらに限定されない、抗菌剤と接触させることにより抗菌性を持たせることができる。
【0041】
そのような抗菌剤を、生理的もしくは医療的環境との接触によって放出させることができ、接触部位に一過性のもしくは恒久の抗菌効果をもたらすことができる。
【0042】
さらに他の実施態様において、付加硬化感圧シリコーン接着剤を創傷周囲の皮膚に対する創傷被覆材の接着に用いることが出来る。シリコーンは創傷床に接着しないが、皮膚には接着する。それゆえ、それらは傷つけないではがしたり貼りなおしたりできる。
【0043】
しかしながら、シリコーン接着合いは水分に対して低透過性であり、それゆえ、向上した創傷治癒のための最適な湿気環境を提供できない。本発明に記載されるような、そのような接着剤へのイオン性基の組み込みは接着剤に向上した親水性をもたらし、それによって、その湿気透過性を高める。
【0044】
本発明の産業利用性のさらなる例とその実施への還元が以下に述べられる。
【実施例】
【0045】
実施例1
スルホン酸官能化テトラメチルジシロキサン
3口500mlフラスコに、18.16グラム(154.0mmol)のアルファ−メチルスチレンと27.2×10−5グラムの白金触媒が充填された。生じた混合物の温度は115℃にまで上げられ、そして9.40グラム(70.0mmol)の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが滴下され、ヒドロシリル化反応が完了するまで攪拌が続けられた。ヒドロシリル化の完了は、H NMRにおけるシリコーンヒドリド基のピークの消失によって示された。生じる混合物は、非反応のアルファ−メチルスチレンの除去のために150℃のオイルバス中に2時間配置されて真空蒸発され、23.2グラムのアラルキレン置換ジシロキサンがもたらされた(収量:90%)。
【0046】
このアラルキレン置換ジシロキサン(23.2グラム、62.4mmol)に対し、29.6グラム(252.8mmol)のクロロスルホン酸が30分間にわたって滴下され、この間、混合物は室温で攪拌された。生じる混合物は、さらに30分間攪拌され続けた。反応の完了はH NMRによって測定され、芳香族環のすべてのスルホン化がパラ置換芳香族プロトンのピークの消失によって示された。低圧における反応混合物の真空蒸発は33.0グラムのスルホン化ジシロキサンをもたらした。生成物のNMR分析は、生成物の生成を示した。
【0047】
実施例2
スルホン酸官能化テトラメチルテトラシクロシロキサン
3口500mlフラスコに、70.08グラム(60.0mmol)のアルファ−メチルスチレンと10.0×10−4グラムの白金触媒が充填された。生じる混合物の温度は115℃にされ、そして30.0グラム(120.5mmol)の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが滴下され、攪拌が続けられた。反応混合物の進捗は、H NMRにより観察された。12時間の反応の後、シリコーンヒドリドの完全な転換が、NMRによって示された。そして反応混合物は、未反応のアルファ−メチルスチレンを除去するために150℃で2時間真空蒸発され、80.5グラムのアラルキレン置換シクロテトラシロキサンをもたらした(収量:(95%))。
【0048】
14.24グラム(20.0mmol)の上述のアラルキレン置換シクロテトラシロキサンに対し、4.0mlジクロロメタン中に溶解した18.64グラム(160.0mmol)のクロロスルホン酸が30分間かけて滴下され、この間、混合物は室温で攪拌された。生じる混合物はさらなる30分間攪拌された。反応の完了はH NMRにより示され、芳香族環の完全なスルホン化は、パラ置換芳香族プロトンのピークの消失によって示された。反応混合物の低圧力での真空蒸発によって、茶色の粘性のゴム状物質として20.6グラムのスルホン酸官能性シクロテトラシロキサンが得られた。H NMRと29Si NMRが生成物の生成を確認した。
【0049】
実施例3
末端ヒドリド基を持つスルホナート官能性ポリオルガノシロキサン
実施例2で得られたスルホン酸官能化シクロテトラシロキサン20.66グラム(20.0mmol)に対し、587.26グラム(1980.0mmol)のオクタメチルテトラシクロシロキサンと3.54グラム(26.4mmol)の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが添加され、室温での攪拌が続けられた。87重量%までの直鎖シロキサンの平衡に到達したのち、反応混合物は70℃において26.9グラム(320.0mmol)の加湿された重炭酸ナトリウムによって中和された。低圧における反応混合物の真空蒸発は、542.0グラム(85%)の粘性のゴム状物質としての生成物をもたらした。生成物のNMR分析は、ポリマーがヒドリド末端化スルホン化ポリジメチルシロキサンであることを示した。
【0050】
実施例4
ペンダントヒドリド基を持つスルホナート官能性ポリオルガノシロキサン
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン8.38グラム(15.8mmol)に対し、468.63グラム(1580.0mmol)のオクタメチルテトラシクロシロキサンと3.72グラム(15.8mmol)の1,3,4,7−テトラメチルジシロキサンが添加され、室温での攪拌が続けられた。87重量%までの直鎖シロキサンの平衡に到達したのち、反応混合物は70℃において21.23グラム(506.0mmol)の加湿された重炭酸ナトリウムによって中和された。低圧における反応混合物の真空蒸発は、541.4グラムの粘性のゴム状物質としての生成物をもたらした。生成物のNMR分析は、ポリマーがペンダントヒドリド基を持つスルホン化ポリジメチルシロキサンであることを示した。
【0051】
実施例5
末端ビニル基を持つスルホナート官能性ポリオルガノシロキサン
実施例2で得られたスルホン酸官能性シクロテトラシロキサン5.7グラム(8.0mmol)に対し、474.7グラム(1600mmol)のオクタメチルテトラシクロシロキサンと1.48グラム(8.0mmol)の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサンが添加され、室温で攪拌が続けられた。87重量パーセントまでの直鎖シロキサンの平衡に達したのち、反応混合物は、70℃で10.0グラム(128.0mmol)の加湿された重炭酸ナトリウムによって中和された。低圧力での反応混合物の真空蒸発により、粘性のゴム状物質として411.0グラムの生成物が得られた。生成物のNMR分析は、ポリマーがビニル末端スルホン化ポリジメチルシロキサンであることを示した(収量:84%)
【0052】
上述のように得られたスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサン10.00グラム(0.3mmol)に対し、0.28グラム(1.2mmol)の加湿された酸化銀が添加され、6時間70℃で攪拌が続けられ、末端ビニル基を持つスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンの銀塩が粘性のゴム状物質として得られた。ポリマーは、20℃においてHAAKE Rheometerで測定されると、10rad/sのせん断速度で55.8Pasの粘度を持っていた。
【0053】
同様に、スルホン酸官能性ポリオルガノシロキサンのNa、Ca2+、Mg2+、Al3+、Zn2+、Co2+塩が対応するオキシドを用いて合成された。また、クロルヘキシジンおよびビグアニドのような有機カチオンもその対応する塩溶液を用いて合成された。
【0054】
実施例6
ペンダントビニル基を持つスルホナート官能性ポリオルガノシロキサン
実施例1で得られたスルホン酸官能性ジシロキサン4.17グラム(7.9mmol)に対し、234.3グラム(790.0mmol)のオクタメチルテトラシクロシロキサンおよび5.4グラム(15.8mmol)の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7テトラビニルシクロテトラシロキサンが添加され、室温での攪拌が続けられた。87%までの平衡に到達したのち、反応混合物は70℃において5.3グラム(63.0mmol)の加湿された重炭酸ナトリウムによって中和された。低圧における反応混合物の真空蒸発は、215.0グラムの粘性のゴム状物質としての生成物をもたらした。生成物のNMR分析は、ポリマーがペンダントビニル基を持つスルホン酸官能性ポリジメチルシロキサンであることを示した。
【0055】
付加硬化組成物
実施例3〜6のスルホナート官能性ポリオルガノシロキサンのエラストマー系組成物への組み込み
【0056】
実施例7A
混合による配合
末端ヒドリド基を持つスルホナート官能性ポリオルガノシロキサン(実施例3)(25グラム)が液体シリコーンゴム(LSR2050 A成分とB成分、Momentive)(50グラム)である市販のエラストマー組成物と、ブレンダーにおいて混合された。
【0057】
実施例7B
混合による配合
末端ビニル基を持つスルホナート官能性ポリオルガノシロキサン(実施例5)(25グラム)がエラストマー(液体シリコーンゴム 2050 A成分とB成分)(50グラム)と、ブレンダーにおいて混合された。
【0058】
実施例8A
液体シリコーンゴム組成物のその場での付加硬化
スルホナート官能性ポリオルガノシロキサン(実施例5)(66グラム)がEvonicからのヒュームドシリカ(50.35グラム)、ヘキサメチルジシラザン(10.9グラム)、水(4.98グラム)および1Pasまでの粘度のビニルPDMS(U1、Momentive)(67.39グラム)とRoss Mixerで混合され、真空下で120℃まで加熱された。
【0059】
実施例8B
液体シリコーンゴム組成物のその場での付加硬化
スルホナート官能性ポリオルガノシロキサン(実施例5)(134グラム)がEvonicからの官能性ヒュームドシリカ(50.35グラム)、ヘキサメチルジシラザン(10.9グラム)、および水(4.98グラム)とRoss Mixerで混合され、真空下で120℃まで加熱された。
【0060】
実施例8C
液体シリコーンゴム組成物のその場での付加硬化
スルホナート官能性ポリオルガノシロキサン(実施例5)(66グラム)がイソプロパノール中のゾルゲルナノシリカ(312.5グラム)(16%固形分含量)、MomentiveからのU65ビニル官能性シロキサン(25グラム)およびMomentiveからのU10ビニル官能性シロキサン(59グラム)とRoss Mixerで混合され、真空下で120℃まで加熱された。
【0061】
官能性PDMSと配合されて混合されたスルホナート官能性ポリオルガノシロキサンと対照例(LSR2050)のレオロジーデータがその粘度(Pa・s)により測定され、表1に示される。
【表1】
【0062】
硬化
白金触媒による熱硬化
実施例9A
50グラムの実施例7Aの組成物が、180℃で10分間圧力下における圧縮成形により硬化され、弾性シートが得られた。
【0063】
実施例9B
50グラムの実施例7bの組成物が、180℃で10分間圧力下における圧縮成形により硬化され、弾性シートが得られた。
【0064】
実施例10A
50グラムの実施例8aの組成物が、白金触媒、ヒドリド架橋剤(Vern−730、Momentive)、阻害剤と混合され、180℃で10分間圧力下における圧縮成形により硬化され、弾性シートが得られた。
【0065】
実施例10B
50グラムの実施例8bの組成物が、白金触媒、ヒドリド架橋剤(Vern−730、Momentive Performance Materials)、阻害剤と混合され、180℃で10分間圧力下における圧縮成形により硬化され、弾性シートが得られた。
【0066】
実施例10C
50グラムの実施例8cの組成物が、白金触媒、ヒドリド架橋剤(Vern−730、Momentive Performance Materials)、阻害剤と混合され、180℃で10分間圧力下における圧縮成形により硬化され、弾性シートが得られた。
【0067】
実施例10D
50グラムの実施例8aの組成物が、白金触媒[トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(STREM Chemicals)]、ヒドリド架橋剤(Vern−730、Momentive)、阻害剤と混合され、200秒間、2000mW/cmのUVによって硬化された。
【0068】
物理特性および透明度のデータが測定され、値は表2に示される。ヒュームドシリカおよびナノシリカが充填された実施例の硬化反応速度論的データは、表3に示される。
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
活性剤の充填
実施例11
銀の充填
実施例10aのエラストマーは、ダークキャビネット内の褐色ガラス瓶中の0.1Mの水性硝酸銀中に30分間浸された。そしてサンプルは脱イオン水でリンスされ、乾燥させられ、SEMとEDX実験により銀の存在が分析された。銀充填によりエラストマーの色の微小な変化があった。大気に曝され、200℃で20日間の加熱した反射モードのL*a*b測定によって色の変化が測定され、表4に示される。
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
実施例12
銀の制御された放出
実施例11の銀が充填された弾性フィルムは、乾燥され、50mlのpH7の0.01M水性NaNO溶液に浸された。誘導結合プラズマ分析による銀の累積的放出を調べるために、定期的な間隔で20mlの溶液が取り出され、NaNO溶液によって交換された。120時間を越える時間で終了した。図1は、実施例10aからの時間に沿った銀の放出を示し、これは銀の初期放出を伴う制御された放出パターンに従う。
【0075】
室温硬化性ゲルの組成物
末端ビニル基を持つスルホナート官能性ポリジオルガノシロキサン(実施例5)のさまざまな量を、ビニル末端化PDMS、(U1、 1Pa・s粘度、Momentive Performance Materials)、ヒドリド官能性PDMS架橋剤(Verm、Momentive)、およびヒドリド末端化PDMS鎖伸長剤(TP3359、Momentive Performance Materials)、阻害剤(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、MviMvi)と混合し、高速ミキサーで混合した。白金触媒がこの混合物に添加され、好適なポリスチレンの型に注がれ、PET基体上の薄いフィルムとされ、室温で硬化した。硬化して、柔らかい粘性の組成物が得られた。シリコーンヒドリド基対ビニルシリコーン基の比率が0.477から1の範囲になるように架橋剤と鎖伸長剤の含量が変化した(実施例13a〜13c)。これにより、柔らかさと粘性とが異なる組成物をもたらした(表6)
【0076】
【表6】
【0077】
実施例14
室温硬化性ゲルの水吸収
対照例、実施例13aおよび実施例13bのシリコーンイオノマー含有ゲルが秤量され、British Standard BS EN13726−1:2002(プライマリー創傷被覆の試験方法:パート1:吸収性の観点)に従って、模擬創傷体液(脱イオン水中の、142mM NaCl、2.5mM CaCl、2mM HO)中で37℃でインキュベートされた。実施例13cのゲルは脱イオン水中で室温でインキュベートされた。変化する時間間隔でゲルサンプルがブロットにより乾燥され秤量された。重量におけるパーセントの増加は、ゲルによる水の浸漬に対応し、水吸収の計算された。ゲルによる水吸収は、そのシリコーンイオノマー含量に比例し、インキュベーション時間と共に漸進的に増加した(図2および図3
【0078】
実施例15
室温硬化性ゲルの粘性測定
対照例、実施例13aおよび実施例13bのシリコーンイオノマー含有ゲルがポリスチレンの型中に2mm圧、60mm直径の円形のシートに入れられた。硬化して、シートは50℃、2時間でさらに硬化され、取り出され、粘性が平衡平板装着したDia−Stron Miniature tensile tester(MTT175)を用いて測定された。簡単に言うと、ゲルシートが、装置の力変換器へと接続したステンレス鋼の平板を占めた。そして上部平板が装置の力アームに固定され、整列され、ゲルシートを50グラム20秒の荷重で圧迫するのに用いられ、これに続いて、それは100mm/分で上方に引っ張られた。ゲルから上部平板を分離するのに必要とされる力の量が分離距離の関数として力変換器によって測定され、遭遇するピーク値が粘着力として記録される。試験はサンプル当たり20サイクル繰り返され、それぞれのゲルサンプルは二重で試験された。統計的に有意な粘性の減少は、ゲル中にシリコーンイオノマーを組み入れたときに起きた(表7)。
【0079】
【表7】
【0080】
実施例16
室温硬化性ゲルの水蒸気輸送速度の測定
シリコーンイオノマー含有ゲルの水蒸気輸送速度性能は、British Standard BS EN13726−1:2002(プライマリー創傷被覆の試験方法:パート1:吸収性の観点)に従って、測定された。実施例および実施例13bのゲルサンプルは、2mm圧の円形シートの形態で用いられ、以下の表(表8)に従って調製された。
【0081】
【表8】
【0082】
Paddington Cup(Surgical Materials Testing Laboratory、 Cardiff、UK)に類似の装置が使用された。装置は、両端が開口したアルミニウムカップからなる。ゲルサンプルは、既知のオリフィス面積を持つアルミニウムのフランジを用いてカップの一端に固定された。カップが既知の量の脱イオン水によって満たされ、残りの端部が閉止フランジによって閉じられた。真空グリースが水蒸気の損失を防ぐために全てのフランジの接合部に塗布された。閉じられた集合体が秤量され、「反転位置」(水が貼り付けられたゲルシートと接触する)に配置され、一定温度(25℃)と一定湿度(50%RH)環境におかれた。定期的に集合体が秤量されて、重量の損失がゲルシートを通って揮発する水の輸送の結果と考えられた。平均的な毎日の水輸送による損失(g/m2/日)が重量損失対時間の経過曲線の傾きより推定された。それぞれのゲル組成物は三重で試験された(図4)。
【0083】
実施例17
UV硬化性付加硬化シリコーン接着剤
付加硬化シリコーン接着剤組成物は、以下の表(表9)に従って調製された。
【表9】
【0084】
組成物は混合され、UV活性化添加硬化触媒トリメチル(η−メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(STREM Chemicals)が混合物に添加された。混合物は、320nm波長のUV光(105mW/cm)で90秒間照射され、混合物の完全な硬化を生じ、粘着性の接着剤をもたらした。
【0085】
実施例18
抗菌剤を含むイオン性シリコーンマスターバッチとそのゲルの調製
上述のように調整されたビニル官能性スルホン化シリコーンはヘキサンに溶解された。溶液は、ナトリウムイオンとクロルヘキシジンもしくは銅とを交換するため、それぞれクロルヘキシジングルコナート20%溶液もしくは1MのCuSOと接触された。48時間の接触ののち、シリコーン含有有機相が分離され、メタノールと水の1:1溶液によって数回洗浄され、非特異的に結合した銅およびクロルヘキシジングルコナートが除去された。水と残余の溶媒とを除去するために有機相はロータリーエバポレーターによって乾燥された。
【0086】
接着剤組成物は、下(表10)に記載される量の成分を用いてマスターバッチから調製された。
【表10】
【0087】
この混合物に対し、UV硬化Pt触媒トリメチル(η−メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(STREM Chemicals)が添加され、混合物はPETシートに投入され、105mW/cmのUV照射を用いて硬化された。硬化サンプルは、C/H/N分析を用いて窒素量を推定することによってクロルヘキシジン含量について分析された。銅含量は、接着剤をHFによって消化し、消化物をICP誘導結合プラズマを用いて解析することによって推定された。2.5%のクロルヘキシジン含量と1%w/wの銅含量がこれらの方法を用いて得られた。
【0088】
硬化した接着剤は、好適な対イオンの溶液中に浸すことにより抗菌剤の放出について試験された。クロルヘキシジングルコナートの放出は50mMリン酸緩衝液中で実施された。銅の放出は0.1M NaNO溶液中で実施された。分割サンプル中には銅イオンは検出されなかった一方でクロルヘキシジンジグルコナートの継続した放出が観察された(図5)。
【0089】
実施例19
スルホン化シリコーンマスターバッチに基づいたポリ(ヘキサメチレン)ビグアニドの抗菌剤接着剤
スルホン化シリコーンマスターバッチは、抗菌剤がポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド(PHMB)(Arch Biocides)10%水溶液であることを除いて実施例18に記載されるように調製された。接着組成物は以下の表11に示される成分からなる。
【0090】
【表11】
【0091】
これに対し、UV硬化白金触媒トリメチル(η−メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(STREM Chemicals)が添加された。組成物はPETシート上に投下され、UV照射(105mW/cm)のもと硬化され、半透明の接着フィルムがもたらされた。接着剤はC/H/N分析に供され、PHMB含量を測定され、PHMBのppmに対応する0.2%w/w窒素の充填が得られた。
【0092】
実施例20
ペルオキシド硬化シリコーンゴムを含むイオン性シリコーン
ビニル官能性スルホン化シリコーン(実施例5)が、Momentive Performance Materialsからの一般用高濃度ゴム(HCR)組成物TSE221−5Uへと50重量パーセントの充填で混合された。もともと存在する充填剤に加えてさまざまな量のナノクレイ(Cloisite 30B)が組成物に添加された。組成物はペルオキシド熱開始剤の独自混合物を用いて180℃の温度で圧縮成形された。生じるゴムシートは機械的性能および硬度について評価され、以下の結果が得られた(表12)。
【0093】
【表12】
【0094】
以上の記載は多くの具体例を含むが、これらの具体例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、その好ましい実施態様の例示に過ぎない。当業者なら、本明細書に添付する請求項によって定義される本発明の範囲および精神に包含される多くの他の可能な変更を想到し得るであろう。

図1
図2
図3
図4
図5