特許第6231036号(P6231036)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231036偏光フィルム用粘着剤組成物、偏光フィルム用粘着剤層、粘着剤層付偏光フィルム、及び画像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231036
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】偏光フィルム用粘着剤組成物、偏光フィルム用粘着剤層、粘着剤層付偏光フィルム、及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/00 20060101AFI20171106BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20171106BHJP
   C09J 7/02 20060101ALI20171106BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   C09J133/00
   C09J11/06
   C09J7/02 Z
   G02B5/30
【請求項の数】11
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-76809(P2015-76809)
(22)【出願日】2015年4月3日
(65)【公開番号】特開2016-196566(P2016-196566A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2017年3月2日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 有
(72)【発明者】
【氏名】外山 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】藤田 昌邦
【審査官】 牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−514387(JP,A)
【文献】 特開2011−241311(JP,A)
【文献】 特開2014−048497(JP,A)
【文献】 特表2008−506833(JP,A)
【文献】 特表2011−511853(JP,A)
【文献】 特開2014−114334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00〜201/10
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル系ポリマー(A)、オニウム−アニオン塩(B1)、アルカリ金属塩(B2)およびチオール系シランカップリング剤(C1)を含有し、
前記オニウム−アニオン塩(B1)のアニオン成分は、下記一般式(1)〜(4)、
(1):(C2n+1SO (但し、nは1〜10の整数)、
(2):CF(C2mSO (但し、mは1〜10の整数)、
(3):S(CFSO (但し、lは1〜10の整数)、
(4):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるものであり、
前記アルカリ金属塩(B2)のアニオン部は、下記一般式(1)〜(4)、
(1):(C2n+1SO (但し、nは1〜10の整数)、
(2):CF(C2mSO (但し、mは1〜10の整数)、
(3):S(CFSO (但し、lは1〜10の整数)、
(4):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるものであり、
前記アルカリ金属塩(B2)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.4〜3.5重量部含有し、
前記アルカリ金属塩(B2)とオニウム−アニオン塩(B1)の重量比(B2/B1)が、1.2〜4であることを特徴とする、偏光フィルム用粘着剤組成物。
【請求項2】
前記チオール系シランカップリング剤(C1)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.001〜5重量部であることを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルム用粘着剤組成物。
【請求項3】
前記オニウム−アニオン塩(B1)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.1〜1.5重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の偏光フィルム用粘着剤組成物。
【請求項4】
さらに、架橋剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光フィルム用粘着剤組成物。
【請求項5】
前記架橋剤(D)は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部含有することを特徴とする請求項4に記載の偏光フィルム用粘着剤組成物。
【請求項6】
前記架橋剤(D)が、イソシアネート系化合物、及び過酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の架橋剤であることを特徴とする請求項4又は5に記載の偏光フィルム用粘着剤組成物。
【請求項7】
さらに、アセトアセチル基含有シランカップリング剤(C2)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の偏光フィルム用粘着剤組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の偏光フィルム用粘着剤組成物から形成されることを特徴とする偏光フィルム用粘着剤層。
【請求項9】
偏光フィルムと、当該偏光フィルムに設けられた粘着剤層を有する粘着剤層付偏光フィルムであって、
前記偏光フィルムは、偏光子の片側にのみ透明保護フィルムを有し、前記粘着剤層は、前記偏光子の前記透明保護フィルムを有さない面に設けられており、かつ、
前記粘着剤層が、請求項8に記載の偏光フィルム用粘着剤層であることを特徴とする粘着剤層付偏光フィルム。
【請求項10】
前記偏光子の厚みが10μm以下であることを特徴とする請求項9に記載の粘着剤層付偏光フィルム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の粘着剤層付偏光フィルムを少なくとも1つ用いたことを特徴とする画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光フィルム用粘着剤組成物、当該偏光フィルム用粘着剤組成物から形成される偏光フィルム用粘着剤層、及び前記偏光フィルム用粘着剤層を用いた粘着剤層付偏光フィルムに関する。さらには、本発明は、前記粘着剤層付偏光フィルムを用いた、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置等は、その画像形成方式から液晶セルの両側に偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には偏光フィルムが貼着されている。前記偏光フィルムを液晶セルに貼着する際には、通常、光の損失を低減するため、それぞれの材料は粘着剤を用いて密着されている。このような場合に、偏光フィルムを固着させるのに乾燥工程を必要としないこと等のメリットを有することから、粘着剤は、偏光フィルムの片側に予め粘着剤層として設けられた粘着剤層付偏光フィルムが一般的に用いられる。粘着剤層付偏光フィルムの粘着剤層には、通常、離型フィルムが貼り付けられている。
【0003】
液晶表示装置の製造時、前記粘着剤層付偏光フィルムを液晶セルに貼り付ける際には、粘着剤層付偏光フィルムの粘着剤層から離型フィルムを剥離するが、当該離型フィルムの剥離により静電気が発生する。このようにして発生した静電気は、液晶表示装置内部の液晶の配向に影響を与え、不良を招くようになる。例えば、液晶表示装置の使用時の静電気によって、黒表示の際に白色ムラが発生した場合、その白色ムラが、数分間は消えないという現象が発生して、画面の表示特性が劣化するという問題点を有していた。またテレビ等に実装した後であっても、バックライトと偏光板が擦れた時に発生する静電気が原因で、同様の白色ムラが発生する場合があった。
【0004】
静電気の発生は、例えば、偏光フィルムの外面に帯電防止層を形成することにより抑えることができるが、その効果は少なく、静電気発生を根本的に防止できないという問題点がある。そのため、静電気発生の根本的な位置で発生を抑えるためには、粘着剤層に帯電防止機能を付与することが求められる。粘着剤層に帯電防止機能を付与する手段として、例えば、粘着剤層を形成する粘着剤に、イオン性化合物を配合することが提案されている(例えば、特許文献1又は2参照)。特許文献1では、粘着剤層を形成する粘着剤に、イオン性液体、アルカリ金属塩を帯電防止剤として用いることで、帯電防止性に優れることが記載されている。特許文献2では、イオン性化合物として、オニウム−アニオン塩に加え、アルカリ金属塩を併用することで、厳しい条件下の加湿試験後においても、帯電防止機能と耐久性を維持できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−152235号公報
【特許文献2】特開2014−48497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から問題とされていた静電気は、比較的小さいものであり、従来の帯電防止機能を有する粘着剤層を用いることで、白色ムラが数秒で消失するため問題とはならなかった。しかしながら、発生する静電気が大きい場合、従来の帯電防止機能を有する粘着剤層では発生した電荷を十分に中和することができないため、白色ムラを短時間で消失することができない場合があった。この場合、画面上に白色ムラが存在し、いわゆる「白抜け」と呼ばれるムラが発生してしまう。前記特許文献1、2に記載のイオン性化合物を含有する粘着剤組成物では、イオン性化合物とアルカリ金属塩の添加量が十分に制御されていないため、発生する静電気が大きい場合に白抜けが発生する場合もあり、帯電防止機能の点でさらなる検討の余地があった。
【0007】
前述のように発生する静電気が大きい場合、粘着剤に高い帯電防止機能性を付与することで発生した白色ムラを短時間で消失できる。粘着剤に高い帯電防止機能性を付与する方法としては、導電剤量を多くする方法が考えられる。しかしながら、単に導電剤の量を多くすると、粘着剤中で結晶化が起こってしまい外観不良が発生してしまう場合があった。また、導電剤の量を多くすると、被着体界面付近に導電剤が偏析し、その結果、ハガレが生じる可能性があった(すなわち、信頼性や耐久性に劣る)。そのため高い帯電防止機能と信頼性を両立できる粘着剤層が切望されていた。
【0008】
本発明は、大きな静電気が発生した場合であっても、発生した白色ムラを短時間で消失することができ、厳しい条件下の加熱加湿試験後においても耐久性を満足することができ、かつ、優れた外観を有する粘着剤層を形成することができる偏光フィルム用粘着剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記粘着剤組成物から形成される粘着剤層、当該粘着剤層を用いた粘着剤層付偏光フィルム、及び当該粘着剤層付偏光フィルムを用いた画像表示装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記偏光フィルム用粘着剤組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、オニウム−アニオン塩(B1)、アルカリ金属塩(B2)を含有し、
前記アルカリ金属塩(B2)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.4〜3.5重量部含有し、
前記アルカリ金属塩(B2)とオニウム−アニオン塩(B1)の重量比(B2/B1)が、1.2〜4であることを特徴とする、偏光フィルム用粘着剤組成物に関する。
【0011】
本発明の偏光フィルム用粘着剤組成物に、さらに、チオール系シランカップリング剤(C1)を含むことが好ましい。
【0012】
前記チオール系シランカップリング剤(C1)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.001〜5重量部であることが好ましい。
【0013】
前記オニウム−アニオン塩(B1)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.1〜1.5重量部であることが好ましい。
【0014】
本発明の偏光フィルム用粘着剤組成物に、さらに、架橋剤(D)を含有することが好ましい。
【0015】
前記架橋剤(D)は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部含有することが好ましい。
【0016】
前記架橋剤(D)が、イソシアネート系化合物、及び過酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の架橋剤であることが好ましい。
【0017】
本発明の偏光フィルム用粘着剤組成物に、さらに、アセトアセチル基含有シランカップリング剤(C2)を含有することが好ましい。
【0018】
また、本発明は、前記偏光フィルム用粘着剤組成物から形成されることを特徴とする偏光フィルム用粘着剤層に関する。
【0019】
また、本発明は、偏光フィルムと、当該偏光フィルムに設けられた粘着剤層を有する粘着剤層付偏光フィルムであって、
前記偏光フィルムは、偏光子の片側にのみ透明保護フィルムを有し、前記粘着剤層は、前記偏光子の前記透明保護フィルムを有さない面に設けられており、かつ、
前記粘着剤層が、前記偏光フィルム用粘着剤層であることを特徴とする粘着剤層付偏光フィルムに関する。
【0020】
前記偏光子の厚みが10μm以下であることが好ましい。
【0021】
さらに、本発明は、前記粘着剤層付偏光フィルムを少なくとも1つ用いたことを特徴とする画像表示装置に関する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の偏光フィルム用粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、オニウム−アニオン塩(B1)、及びアルカリ金属塩(B2)を含有し、かつ、前記オニウム−アニオン塩(B1)とアルカリ金属塩(B2)の添加量を特定の範囲とすることで、大きな静電気が発生した場合であっても、発生した白色ムラを短時間で消失することができ、厳しい条件下の加熱加湿試験後においても耐久性を満足することができ、かつ、優れた外観を有する粘着剤層を形成することができる。
【0023】
また、本発明の偏光フィルム用粘着剤組成物から形成された粘着剤層、及び当該粘着剤層を含む粘着剤層付偏光フィルムは、優れた帯電防止機能及び耐久性を満足するものである。また、本発明の粘着剤層付偏光フィルムを有する画像表示装置は、白色ムラ(白抜け)の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.偏光フィルム用粘着剤組成物
本発明の偏光フィルム用粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)、オニウム−アニオン塩(B1)、アルカリ金属塩(B2)を含有し、
前記アルカリ金属塩(B2)は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.4〜3.5重量部含有し、
前記アルカリ金属塩(B2)とオニウム−アニオン塩(B1)の重量比(B2/B1)が、1.2〜4であることを特徴とする。以下、本発明の偏光フィルム用粘着剤組成物の組成について詳細に説明する。
【0025】
(1)(メタ)アクリル系ポリマー(A)
本発明の偏光フィルム用粘着剤組成物は、ベースポリマーとして(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含む。(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、通常、モノマー単位として、アルキル(メタ)アクリレートを主成分として含有する。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。
【0026】
(メタ)アクリル系ポリマー(A)の主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するものを例示できる。例えば、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、イソミリスチル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等を例示できる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0027】
前記アルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成する全モノマー中の主成分とするものである。ここで、主成分とは、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成する全モノマー中、アルキル(メタ)アクリレートが80〜100重量%程度であることをいい、85〜99.9重量%程度が好ましく、90〜99.9重量%程度がより好ましい。
【0028】
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)中には、接着性や耐熱性の改善を目的に、(メタ)アクリロイル基又はビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有する、1種類以上の共重合モノマーを共重合により導入することができる。そのような共重合モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の燐酸基含有モノマー等が挙げられる。
【0029】
また、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等の(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド、N−アクリロイルモルホリン等のスクシンイミド系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミドやN−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミドやN−フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド系モノマー、等も改質目的のモノマー例として挙げられる。
【0030】
さらに改質モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー等も使用することができる。さらには、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエーテル等が挙げられる。
【0031】
さらに、上記以外の共重合可能なモノマーとして、ケイ素原子を含有するシラン系モノマー等が挙げられる。シラン系モノマーとしては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルブチルトリメトキシシラン、4−ビニルブチルトリエトキシシラン、8−ビニルオクチルトリメトキシシラン、8−ビニルオクチルトリエトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0032】
また、共重合モノマーとしては、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物等の(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上有する多官能性モノマーや、ポリエステル、エポキシ、ウレタン等の骨格にモノマー成分と同様の官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上付加したポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等を用いることもできる。
【0033】
前記共重合モノマーの割合は、特に制限されないが、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成する全モノマー中、0〜20重量%程度であり、0.1〜15重量%程度が好ましく、0.1〜10重量%程度がより好ましい。
【0034】
これら共重合モノマーの中でも、接着性、耐久性の点から、ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーが好ましく用いられる。ヒドロキシル基含有モノマー及びカルボキシル基含有モノマーは併用することができる。これら共重合モノマーは、粘着剤組成物が架橋剤を含有する場合に、架橋剤との反応点になる。ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー等は分子間架橋剤との反応性に富むため、得られる粘着剤層の凝集性や耐熱性の向上のために好ましく用いられる。
【0035】
共重合モノマーとして、ヒドロキシル基含有モノマーを含有する場合、その割合は、0.01〜15重量%が好ましく、0.03〜10重量%がより好ましく、さらには0.05〜7重量%が好ましい。共重合モノマーとして、カルボキシル基含有モノマーを含有する場合、その割合は、10重量%以下が好ましく、0.05〜10重量%がより好ましく、0.1〜8重量%がさらに好ましく、0.2〜6重量%が特に好ましい。
【0036】
本発明の(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、通常、重量平均分子量が50万〜300万の範囲のものが用いられる。耐久性、特に耐熱性を考慮すれば、重量平均分子量は70万〜270万であるものを用いることが好ましい。さらには80万〜250万であることが好ましい。重量平均分子量が50万よりも小さいと、耐熱性の点で好ましくない。また、重量平均分子量が300万よりも大きくなると、塗工するための粘度に調整するために多量の希釈溶剤が必要となり、コストアップとなることから好ましくない。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値をいう。
【0037】
このような(メタ)アクリル系ポリマー(A)の製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合等の公知の製造方法を適宜選択できる。また、得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等いずれでもよい。
【0038】
なお、溶液重合においては、重合溶媒として、例えば、酢酸エチル、トルエン等が用いられる。具体的な溶液重合例としては、反応は窒素等の不活性ガス気流下で、重合開始剤を加え、通常、50〜70℃程度で、5〜30時間程度の反応条件で行われる。
【0039】
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等は特に限定されず適宜選択して使用することができる。なお、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜のその使用量が調整される。
【0040】
重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(商品名:VA−057、和光純薬工業(株)製)等のアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせ等の過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
前記重合開始剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100重量部に対して、0.005〜1重量部程度であることが好ましく、0.02〜0.5重量部程度であることがより好ましい。
【0042】
なお、重合開始剤として、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリルを用いて、前記重量平均分子量の(メタ)アクリル系ポリマー(A)を製造するには、重合開始剤の使用量は、モノマー成分の全量100重量部に対して、0.06〜0.2重量部程度とするのが好ましく、0.08〜0.175重量部程度とするのがより好ましい。
【0043】
また、連鎖移動剤、乳化剤等は、従来公知のものを適宜用いることができる。それらの添加量についても、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定することができる。
【0044】
(2)オニウム−アニオン塩(B1)
前記オニウム−アニオン塩(B1)は「イオン性化合物」に係り、イオン性液体、イオン性固体とも言われる。前記オニウム−アニオン塩(B1)は、カチオン成分とアニオン成分とから構成されている、カチオン−アニオン塩に係る。本発明では、当該カチオン−アニオン塩の中でも、カチオンがオニウムである、オニウム−アニオン塩を用いる。
【0045】
<アニオン成分>
アニオン成分としては、例えば、Cl、Br、I、AlCl、AlCl、BF、PF、ClO、NO、CHCOO、CFCOO、CHSO、CFSO、(CFSO、AsF、SbF、NbF、TaF、(CN)、CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)NS(CFSO、や下記一般式(1)〜(4)、
(1):(C2n+1SO (但し、nは1〜10の整数)、
(2):CF(C2mSO (但し、mは1〜10の整数)、
(3):S(CFSO (但し、lは1〜10の整数)、
(4):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p、qは1〜10の整数)、
で表わされるもの等が用いられる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。特に、アニオン成分は、フッ素含有イミドアニオンが好ましい。
【0046】
≪フッ素含有イミドアニオン≫
前記フッ素含有イミドアニオンとしては、例えば、ペルフルオロアルキル基を有するイミドアニオンを例示できる。
具体的には、前記例示のアニオン成分の中の、(CFSO)(CFCO)N、や前記一般式(1)、(2)、(4)、
(1):(C2n+1SO (但し、nは1〜10の整数)、
(2):CF(C2mSO (但し、mは1〜10の整数)、
(4):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p、qは1〜10の整数)、
で表わされるもの等が用いられる。これらフッ素含有イミドアニオンは、イオン解離性の良いイオン性化合物が得られることから好ましく用いられる。また、前記フッ素含有イミドアニオンは、炭素数1〜4のフッ化アルキル基又はフッ化アルキレン基を有するものが、表面抵抗値を小さく制御でき静電気ムラを抑えるうえで好ましい。前記フッ素含有イミドアニオンとしては、(CFSO、(CSO、等の前記一般式(1)で表わされる、(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドが好ましく、特に(CFSO、で表わされる(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
【0047】
<オニウム>
前記オニウム−アニオン塩(B1)におけるカチオン部を構成するオニウムとしては、オニウムイオンになる原子がプロトン化したものである。また、本発明のオニウムは、二重結合、三重結合等の不飽和結合によってオニウム塩を形成していないものが好ましい。すなわち、本発明のオニウムとしては、有機基等による置換によってオニウムイオンを形成した有機オニウムが好ましい。
【0048】
また、前記有機オニウムにおける有機基としては、アルキル基、アルコキシル基、アルケニル基等を例示できる。これらの中でも、不飽和結合を有しないものが好ましい。アルキル基の炭素数は例えば、1〜12から選択することができるが、好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1〜4である。有機オニウムとしては、全ての置換基が、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルオニウムであることが好ましい。アルキル基は直鎖又は分岐鎖を用いることができるが、直鎖が好ましい。また、有機オニウムが環状構造を有する場合は、オニウムが5員環もしくは6員環を有し、その他の置換基が、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
【0049】
前記オニウムとしては、特に制限はないが、例えば、含窒素オニウム、含硫黄オニウム、含リンオニウム等が挙げられる。これらの中でも含窒素オニウム、含硫黄オニウムが好ましい。
【0050】
含窒素オニウムとしては、アンモニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、等が挙げられる。これらの中でも、アンモニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオンが好ましく、特に、ピロリジニウムが好ましい。具体的な含窒素オニウムとしては、テトラアルキルアンモニウムカチオン、アルキルピペリジニウムカチオン、アルキルピロリジニウムカチオンが好ましい。
【0051】
含硫黄オニウムとしは、スルホニウムカチオン等が挙げられる。また含リンオニウムとしては、ホスホニウムカチオン等が挙げられる。
【0052】
前記オニウム−アニオン塩(B1)は、上記オニウム成分とアニオン成分との組み合わせからなる化合物が適宜選択して用いられる。本発明では、当該オニウム−アニオン塩(B1)の中でも、アニオンがフッ素含有イミドアニオンである、オニウム−フッ素含有イミドアニオン塩が好ましい。
【0053】
オニウム−フッ素含有イミドアニオン塩の具体例としては、上記オニウム成分とフッ素含有イミドアニオン成分との組み合わせからなる化合物が適宜選択して用いられ、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩及び含リンオニウム塩から選ばれるいずれか少なくとも1種が好適に用いられる。さらには、アンモニウム塩、ピロリジニウム塩、ピペリジニウム塩及びスルホニウム塩から選ばれるいずれか少なくとも1種が好適に用いられる。
【0054】
例えば、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、等が挙げられる。これらの市販品として、例えば、「CIL−314」(日本カーリット(株)製)、「ILA2−1」(広栄化学工業(株)製)等が使用可能である。
【0055】
また、例えば、テトラメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、等が挙げられる。
【0056】
また、例えば、1−ジメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1―プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1―エチル−1−ヘプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1―ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1―へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ヘキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1―プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル‐1−エチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ヘプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルポニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1―ジブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
【0057】
また、上記化合物のオニウム成分の代わりに、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオンを用いた化合物等が挙げられる。
【0058】
また、上記のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの代わりに、ビス(ペンタフルオロスルホニル)イミド、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、トリフルオロメタンスルホニルノナフルオロブタンスルホニルイミド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド、ペンタフルオロエタンスルホニルノナフルオロブタンスルホニルイミド、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドアニオン等を用いた化合物等が挙げられる。
【0059】
オニウム−フッ素含有イミドアニオン塩以外のオニウム−アニオン塩(B1)としては、上記オニウム成分とフッ素含有イミドアニオン塩以外のアニオン成分との組み合わせからなる化合物が適宜選択して用いられる。例えば、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、3−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、ジアリルジメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、グリシジルトリメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3メチルピリジン−1−イウムトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられる。
【0060】
本発明においては、上記オニウム−アニオン塩(B1)を1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。また、これらの中でも、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
【0061】
本発明の粘着剤組成物におけるオニウム−アニオン塩(B1)の割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.1〜1.5重量部が好ましい。前記オニウム−アニオン塩(B1)が0.1重量部未満では、帯電防止性能の向上効果が十分ではない場合がある。前記オニウム−アニオン塩(B1)は、0.2重量部以上が好ましく、さらには0.5重量部以上であるのが好ましい。一方、前記オニウム−アニオン塩(B1)が1.5重量部より多いと、耐久性や外観が十分ではなくなる場合がある。前記オニウム−アニオン塩(B1)は、1.3重量部以下が好ましく、1.0重量部以下がより好ましく、1.0重量部未満がさらに好ましい。前記オニウム−アニオン塩(B1)の割合は、前記上限値又は下限値を採用して好ましい範囲を設定できる。
【0062】
また、前記の中でも、例えば、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのように、固体であり、かつ分子が大きいものは、添加量を1.5重量部より多くすると、粘着剤中で結晶化が起こってしまい外観不良が発生してしまう場合があり、特に好ましくない。
【0063】
(3)アルカリ金属塩(B2)
アルカリ金属塩(B2)としては、アルカリ金属の有機塩及び無機塩を用いることができる。
【0064】
アルカリ金属塩(B2)のカチオン部を構成するアルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムの各イオンが挙げられる。これらアルカリ金属イオンの中でもリチウムイオンが好ましい。
【0065】
アルカリ金属塩のアニオン部は有機物で構成されていてもよく、無機物で構成されていてもよい。有機塩を構成するアニオン部としては、例えば、CHCOO、CFCOO、CHSO、CFSO、(CFSO、CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)NS(CFSO、PF、CO2−、や下記一般式(1)〜(4)、
(1):(C2n+1SO (但し、nは1〜10の整数)、
(2):CF(C2mSO (但し、mは1〜10の整数)、
(3):S(CFSO (但し、lは1〜10の整数)、
(4):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p、qは1〜10の整数)、
で表わされるもの等が用いられる。特に、フッ素原子を含むアニオン部は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。無機塩を構成するアニオン部としては、Cl、Br、I、AlCl、AlCl、BF、PF、ClO、NO、AsF、SbF、NbF、TaF、(CN)、等が用いられる。アニオン部としては、(CFSO、(CSO、等の前記一般式(1)で表わされる、(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドが好ましく、特に(CFSO、で表わされる(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
【0066】
アルカリ金属の有機塩としては、具体的には、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(CFSOC、KOS(CFSOK、LiOS(CFSOK等が挙げられ、これらのうちLiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(CFSOC等が好ましく、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON等のフッ素含有リチウムイミド塩がより好ましく、特に(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドリチウム塩が好ましい。
【0067】
また、アルカリ金属の無機塩としては、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウムが挙げられる。
【0068】
本発明においては、上記アルカリ金属塩(B2)を1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
【0069】
本発明の粘着剤組成物におけるアルカリ金属塩(B2)の割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.4〜3.5重量部である。前記アルカリ金属塩(B2)が0.4重量部未満では、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層表面の表面抵抗値が高くなり、結果として白色ムラが発生してしまう場合があった。前記アルカリ金属塩(B2)は、0.5重量部以上がより好ましい。一方、前記アルカリ金属塩(B2)が3.5重量部より多いと、厳しい条件の加湿試験後における帯電防止性能の向上効果が十分ではない。また、前記アルカリ金属塩(B2)が多いと、粘着剤組成物から形成される粘着剤層と偏光フィルム等の被着体との界面付近にアルカリ金属塩(B2)が偏析し、その結果、ハガレが生じる場合があり、信頼性や耐久性に劣るものであった。前記アルカリ金属塩(B2)は、3.0重量部以下が好ましく、2.0重量部以下がより好ましい。前記アルカリ金属塩(B2)の割合は、前記上限値又は下限値を採用して好ましい範囲を設定できる。
【0070】
また、前記アルカリ金属塩(B2)とオニウム−アニオン塩(B1)の重量比(B2/B1)は、1.2〜4であり、1.2〜3.5であることが好ましく、1.2〜3.0であることがより好ましい。前記重量比(B2/B1)が1.2未満であると、高レベルな導電性能が得られず、重量比(B2/B1)が4を超えると、アルカリ金属塩の析出による外観悪化や耐湿試験時の性能悪化が生じやすくなる。
【0071】
(4)チオール系シランカップリング剤(C1)
本発明の偏光フィルム用粘着剤組成物は、チオール系シランカップリング剤(C1)を含むことが好ましい。チオール系シランカップリング剤(C1)は、導電性能に悪影響を及ぼしにくいため、粘着剤層の導電性能を損なうことなく、被着体との接着耐久性を向上できる。そのため、従来の帯電防止粘着剤組成物では解消できなかった大きな静電気が発生した場合であっても白色ムラを抑えることができるものである。
【0072】
チオール系シランカップリング剤(C1)としては、例えば、シロキサン骨格とメルカプト基を有するものであればよく、例えば、X−41−1810(商品名、メルカプト当量:450g/mol)、X−41−1805(商品名、メルカプト当量:800g/mol)、X−41−1818(商品名、メルカプト当量:850g/mol)(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができ、これらを一種単独で又は二種以上を混合して使用することができる。また、これらの中でも、粘着剤層の急激な粘着力上昇をおさえて、被着体からリワークすることが可能な点から、X−41−1810が好ましい。
【0073】
チオール系シランカップリング剤(C1)のチオール基の含有量は、例えば、メルカプト基の場合、メルカプト当量1000g/mol以下であることが好ましく、850g/mol以下であることがより好ましく、急激な粘着力上昇をおさえて被着体からリワークすることが可能な点から、650g/mol以下であることがより好ましい。また、メルカプト当量の下限値は特に限定されるものではないが、例えば、100g/mol以上であることが好ましい。
【0074】
本発明の粘着剤組成物におけるチオール系シランカップリング剤(C1)の割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましい。前記チオール系シランカップリング剤(C1)が0.001重量部未満では、ガラス及びITO等の透明導電層表面に対する信頼性を向上することが困難である場合がある。前記チオール系シランカップリング剤(C1)は、0.01重量部以上が好ましく、さらには0.1重量部以上であるのが好ましい。一方、前記チオール系シランカップリング剤(C1)が5重量部より多いと、粘着剤層の粘着力の上昇が過剰になるため、当該粘着剤層を被着体からリワークすることが困難になる場合がある。前記チオール系シランカップリング剤(C1)は、4重量部以下が好ましく、3重量部以下が好ましく、2.5重量部以下が好ましく、さらには2重量部以下であるのが好ましい。前記チオール系シランカップリング剤(C1)の割合は、前記上限値又は下限値を採用して好ましい範囲を設定できる。
【0075】
(5)その他
本発明の粘着剤組成物には、前記以外にも、架橋剤(D)を含有することできる。架橋剤(D)としては、有機系架橋剤や多官能性金属キレートを用いることができる。有機系架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤等が挙げられる。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合又は配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等が挙げられる。共有結合又は配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等が挙げられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等が挙げられる。
【0076】
架橋剤(D)としては、イソシアネート系架橋剤及び過酸化物形架橋剤からなる群から選択される1種以上の架橋剤が好ましく、イソシアネート系架橋剤と過酸化物形架橋剤を併用して用いることがより好ましい。イソシアネート系架橋剤に係る化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネートモノマー及びこれらイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパン等と付加したイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらにはポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等を挙げることができる。特に好ましくは、ポリイソシアネート化合物であり、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートからなる群より選択される1種又はそれに由来するポリイソシアネート化合物である。ここで、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートからなる群より選択される1種又はそれに由来するポリイソシアネート化合物には、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリオール変性ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリオール変性水添キシリレンジイソシアネート、トリマー型水添キシリレンジイソシアネート、及びポリオール変性イソホロンジイソシアネート等が含まれる。例示したポリイソシアネート化合物は、水酸基との反応が、特にポリマーに含まれる酸、塩基を触媒のようにして、迅速に進むため、特に架橋の早さに寄与し、好ましい。
【0077】
過酸化物としては、加熱又は光照射によりラジカル活性種を発生して粘着剤組成物のベースポリマーの架橋を進行させるものであれば適宜使用可能であるが、作業性や安定性を勘案して、1分間半減期温度が80℃〜160℃である過酸化物を使用することが好ましく、90℃〜140℃である過酸化物を使用することがより好ましい。
【0078】
用いることができる過酸化物としては、たとえば、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:90.6℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.4℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:103.5℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:109.1℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:110.3℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジ−n−オクタノイルパーオキシド(1分間半減期温度:117.4℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(1分間半減期温度:124.3℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド(1分間半減期温度:128.2℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(1分間半減期温度:136.1℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度:149.2℃)等が挙げられる。なかでも特に架橋反応効率が優れることから、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)等が好ましく用いられる。
【0079】
なお、過酸化物の半減期とは、過酸化物の分解速度を表す指標であり、過酸化物の残存量が半分になるまでの時間をいう。任意の時間で半減期を得るための分解温度や、任意の温度での半減期時間に関しては、メーカーカタログ等に記載されており、たとえば、日本油脂(株)「有機過酸化物カタログ第9版(2003年5月)」等に記載されている。
【0080】
架橋剤(D)の使用量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、さらには0.03〜10重量部が好ましい。なお、架橋剤(D)が0.01重量部未満では、粘着剤の凝集力が不足する傾向があり、加熱時に発泡が生じるおそれがあり、一方、20重量部より多いと、耐湿性が十分ではなく、信頼性試験等で剥がれが生じやすくなる。
【0081】
上記イソシアネート系架橋剤は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、前記イソシアネート系架橋剤を0.01〜2重量部含有してなることが好ましく、0.02〜2重量部含有してなることがより好ましく、0.05〜1.5重量部含有してなることがさらに好ましい。凝集力、耐久性試験での剥離の阻止等を考慮して適宜含有させることが可能である。
【0082】
前記過酸化物は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、前記過酸化物0.01〜2重量部であり、0.04〜1.5重量部含有してなることが好ましく、0.05〜1重量部含有してなることがより好ましい。加工性、リワーク性、架橋安定性、剥離性等の調整のために、この範囲内で適宜選択される。
【0083】
なお、反応処理後の残存した過酸化物分解量の測定方法としては、たとえば、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により測定することができる。
【0084】
より具体的には、たとえば、反応処理後の粘着剤組成物を約0.2gずつ取り出し、酢酸エチル10mlに浸漬し、振とう機で25℃下、120rpmで3時間振とう抽出した後、室温で3日間静置する。次いで、アセトニトリル10ml加えて、25℃下、120rpmで30分振とうし、メンブランフィルター(0.45μm)によりろ過して得られた抽出液約10μlをHPLCに注入して分析し、反応処理後の過酸化物量とすることができる。
【0085】
さらに、本発明の粘着剤組成物には、アセトアセチル基含有シランカップリング剤(C2)を含むことが耐久性の向上の観点から好ましい。アセトアセチル基含有シランカップリング剤(C2)としては、綜研化学(株)製のA−100(商品名)等を挙げることができる。
【0086】
前記シランカップリング剤(C2)は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、前記シランカップリング剤(C2)0.001〜5重量部が好ましく、さらには0.01〜1重量部が好ましく、さらには0.02〜1重量部がより好ましく、さらには0.05〜0.6重量部が好ましい。耐久性を向上させ、偏光フィルムへの接着力を適度に保持する量である。
【0087】
前記シランカップリング剤(C2)と前記チオール系シランカップリング剤(C1)との割合は特に限定されるものではないが、(C2)/(C1)の重量比が、0.1〜2程度であることが好ましく、0.1〜1程度であることがより好ましく、0.2〜0.6程度であることがさらに好ましい。前記シランカップリング剤(C2)と前記チオール系シランカップリング剤(C1)との配合割合が、前記範囲にあることで、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層を被着体に貼付した場合に、貼付初期において被着体から粘着剤層をリワークすることが可能であり、さらに、経時での粘着力耐久性を付与することができるため好ましい。
【0088】
また、本発明の粘着剤組成物には、チオール系シランカップリング剤(C1)、アセトアセチル基含有シランカップリング剤(C2)以外のシランカップリング剤を含有することもでき、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらの添加量としては、特に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で添加できるが、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、0.2重量部未満であることが好ましく、本発明においては添加しない方が好ましい。
【0089】
さらに本発明の粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのポリエーテル化合物、着色剤、顔料等の粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機又は有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物等を使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。
【0090】
2.偏光フィルム用粘着剤層
本発明の偏光フィルム用粘着剤層は、前記偏光フィルム用粘着剤組成物から形成されることを特徴とする。
【0091】
粘着剤層を形成する方法としては、例えば、前記粘着剤組成物を剥離処理したセパレータ等に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を形成する方法を挙げることができる。また、後述する偏光フィルムに前記粘着剤組成物を塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を偏光フィルムに形成する方法等により作製することもできる。なお、粘着剤組成物の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
【0092】
剥離処理したセパレータとしては、シリコーン剥離ライナーが好ましく用いられる。このようなライナー上に本発明の粘着剤組成物を塗布、乾燥させて粘着剤層を形成する場合、粘着剤を乾燥させる方法としては、目的に応じて、適宜、適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記塗布膜を加熱乾燥する方法が用いられる。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、さらに好ましくは、50℃〜180℃であり、特に好ましくは70℃〜170℃である。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤を得ることができる。
【0093】
乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分、さらに好ましくは5秒〜10分、特に好ましくは、10秒〜5分である。
【0094】
前記粘着剤組成物の塗布方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコート法等の方法が挙げられる。
【0095】
粘着剤層の厚さは、特に制限されず、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは、2〜50μm、より好ましくは2〜40μmであり、さらに好ましくは、5〜35μmである。
【0096】
3.粘着剤層付偏光フィルム
本発明の粘着剤層付偏光フィルムは、偏光フィルムと、当該偏光フィルムに設けられた粘着剤層を有し、
前記偏光フィルムは、偏光子の片側にのみ透明保護フィルムを有し、前記粘着剤層は、前記偏光子の前記透明保護フィルムを有さない面に設けられており、かつ、
前記粘着剤層が、本発明の偏光フィルム用粘着剤層であることを特徴とする。
【0097】
粘着剤層を形成する方法としては、前述の通りである。
【0098】
本発明の粘着剤層付偏光フィルムは、粘着剤層を剥離処理したセパレータ等上に形成した場合、当該セパレーター上の粘着剤層を偏光フィルムの透明保護フィルムを有さない面に転写することで形成することができる。また、偏光フィルムの透明保護フィルムを有さない面に前記粘着剤組成物を塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を偏光フィルムに形成する方法によっても作製される。
【0099】
また、前記偏光フィルムの粘着剤組成物を塗布する表面(偏光フィルムの透明保護フィルムを有さない面)に、アンカー層を形成したり、コロナ処理、プラズマ処理等の各種易接着処理を施した後に粘着剤層を形成することができる。また、粘着剤層の表面には易接着処理をおこなってもよい。
【0100】
前記粘着剤層付偏光フィルムの粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(セパレータ)で粘着剤層を保護してもよい。
【0101】
セパレータの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム、紙、布、不織布等の多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、及びこれらのラミネート体等の適宜な薄葉体等を挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
【0102】
そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等が挙げられる。
【0103】
前記セパレータの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。前記セパレータには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型及び防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型等の帯電防止処理もすることもできる。特に、前記セパレータの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
【0104】
なお、上記の粘着剤層付偏光フィルムの作製にあたって用いた、剥離処理したシートは、そのまま粘着剤層付偏光フィルムのセパレータとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
【0105】
偏光フィルムは、偏光子の片側にのみ透明保護フィルムを有するものが用いられる。
【0106】
偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好ましく、ヨウ素及び/又はヨウ素イオンを含有するヨウ素系偏光子がより好ましい。また、これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に5〜80μm程度である。
【0107】
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
【0108】
また、本発明においては、厚みが10μm以下の薄型偏光子も用いることができる。薄型化の観点から言えば当該厚みは1〜7μmであるのが好ましい。このような薄型の偏光子は、厚みムラが少なく、視認性が優れており、また寸法変化が少ないため耐久性に優れ、さらには偏光フィルムとしての厚みも薄型化が図れる点が好ましい。
【0109】
薄型の偏光子としては、代表的には、特開昭51−069644号公報や特開2000−338329号公報や、国際公開第2010/100917号パンフレット、国際公開第2010/100917号パンフレット、または特許4751481号明細書や特開2012−073563号公報に記載されている薄型偏光膜を挙げることができる。これら薄型偏光膜は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂ともいう)層と延伸用樹脂基材を積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法により得ることができる。この製法であれば、PVA系樹脂層が薄くても、延伸用樹脂基材に支持されていることにより延伸による破断などの不具合なく延伸することが可能となる。
【0110】
前記薄型偏光膜としては、積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法の中でも、高倍率に延伸できて偏光性能を向上させることのできる点で、国際公開第2010/100917号パンフレット、国際公開第2010/100917号パンフレット、または特許4751481号明細書や特開2012−073563号公報に記載のあるようなホウ酸水溶液中で延伸する工程を含む製法で得られるものが好ましく、特に特許4751481号明細書や特開2012−073563号公報に記載のあるホウ酸水溶液中で延伸する前に補助的に空中延伸する工程を含む製法により得られるものが好ましい。
【0111】
透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤等が挙げられる。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50重量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
【0112】
前記偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされる。偏光子と透明保護フィルムとの接着処理には、接着剤が用いられる。接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等を例示できる。前記接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5〜60重量%の固形分を含有してなる。上記の他、偏光子と透明保護フィルムとの接着剤としては、紫外硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等が挙げられる。電子線硬化型偏光フィルム用接着剤は、上記各種の透明保護フィルムに対して、好適な接着性を示す。また本発明で用いる接着剤には、金属化合物フィラーを含有させることができる。
【0113】
3.画像表示装置
本発明は、前記粘着剤層付偏光フィルムを少なくとも1つ用いたことを特徴とする画像表示装置に関する。
【0114】
本発明の粘着剤層付偏光フィルムは、液晶表示装置等の各種画像表示装置の形成等に好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セル等の表示パネルと粘着剤層付偏光フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むこと等により形成されるが、本発明においては本発明による粘着剤層付偏光フィルムを用いる点を除いて特に限定は無く、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型、VA型、IPS型等の任意なタイプ等の任意なタイプのものを用いうる。
【0115】
液晶セル等の表示パネルの片側又は両側に粘着剤層付偏光フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたもの等の適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による粘着剤層付偏光フィルムは液晶セル等の表示パネルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散層、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散シート、バックライト等の適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【実施例】
【0116】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部及び%はいずれも重量基準である。以下に特に規定のない室温放置条件は全て23℃65%RHである。
【0117】
製造例1(アクリル系ポリマー(A−1)の調製)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99部及びアクリル酸4−ヒドロキシブチル1部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、前記モノマー混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を60℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて、固形分濃度30%に調整した、重量平均分子量140万のアクリル系ポリマー(A−1)の溶液を調製した。
【0118】
得られた(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、以下の方法により測定した。
<(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量の測定>
(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
・分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC
・カラム:東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL
・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm 計90cm
・カラム温度:40℃
・流量:0.8ml/min
・注入量:100μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準試料:ポリスチレン
【0119】
製造例2(薄型偏光フィルムの作製)
薄型偏光層を作製するため、まず、非晶性PET基材に9μm厚のPVA層が製膜された積層体を延伸温度130℃の空中補助延伸によって延伸積層体を生成し、次に、延伸積層体を染色によって着色積層体を生成し、さらに着色積層体を延伸温度65℃のホウ酸水中延伸によって総延伸倍率が5.94倍になるように非晶性PET基材と一体に延伸された4μm厚のPVA層を含む光学フィルム積層体を生成した。このような2段延伸によって非晶性PET基材に製膜されたPVA層のPVA分子が高次に配向され、染色によって吸着されたヨウ素がポリヨウ素イオン錯体として一方向に高次に配向された高機能偏光層を構成する、厚さ4μmのPVA層を含む光学フィルム積層体を生成することができた。更に、当該光学フィルム積層体の偏光層の表面にポリビニルアルコール系接着剤を塗布しながら、けん化処理した40μm厚のトリアセチルセルロースフィルムを貼合せたのち、非晶性PET基材を剥離して、薄型偏光層を用いた薄型偏光フィルムを作製した。
【0120】
実施例1
(粘着剤組成物の調製)
製造例1で得られたアクリル系ポリマー(A−1)溶液の固形分100部に対して、オニウム−アニオン塩(B1)として、エチルメチルピロリジニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東京化成工業(株)製)0.7部、アルカリ金属塩(B2)として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(三菱マテリアル電子化成(株)製)1部を配合し、さらに、架橋剤(D)として、トリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(商品名:タケネートD110N、三井化学(株)製)0.095部と、ジベンゾイルパーオキサイド(商品名:ナイパーBMT40SV、日本油脂(株)製)0.3部、チオール系シランカップリング剤(C1)として、メチル基及びメルカプト基含有アルコキシシリル樹脂(商品名:X−41−1810、信越化学工業(株)製)0.2部、アセトアセチル基含有シランカップリング剤(C2)として、アセトアセチル基含有シランカップリング剤(商品名:A−100、綜研化学(株)製)0.2部を配合して、アクリル系粘着剤溶液を調製した。
【0121】
(粘着剤層付偏光フィルムの作製)
次いで、上記アクリル系粘着剤溶液を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータフィルム)の表面に、ファウンテンコータで均一に塗工し、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥し、セパレータフィルムの表面に厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、製造例2で作製した薄型偏光フィルムの偏光子の偏光層の側に、セパレータフィルム上に形成した粘着剤層を転写して、粘着剤層付偏光フィルムを作製した。
【0122】
実施例2〜10、比較例1〜11
実施例1において、粘着剤組成物の調製にあたり、オニウム−アニオン塩(B1)、アルカリ金属塩(B2)の添加量、及びシランカップリング剤の種類とその添加量を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付偏光フィルムを作製した。
【0123】
上記実施例及び比較例で得られた、粘着剤層付偏光フィルムについて以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0124】
<表面抵抗値>
実施例、比較例で得られた粘着剤層付偏光フィルムのセパレータフィルムを剥がした後、粘着剤表面の表面抵抗値(Ω/□)を(株)三菱化学アナリテック製、MCP−HT450を用いて測定した。表面抵抗値は、1.0×1011Ω/□未満であるのが好ましく、9.0×1010Ω/□以下であるのが好ましく、5.0×1010Ω/□以下であるのがより好ましい。
【0125】
<液晶パネルの白色消失時間>
実施例、比較例で得られた粘着剤層付偏光フィルムを100mm×100mmの大きさに切断し、液晶パネルに貼り付けた。このパネルを10000cdの輝度を持つバックライト上に置き、静電気発生装置であるESD(ESD−8012A、SANKI社製)を用いて、5kV、15kVの静電気を発生させることで液晶の配向乱れを起こした。その配向不良による表示不良の回復時間(秒)を、瞬間マルチ測光検出器(MCPD−3000、大塚電子(株)製)を用いて測定した。表示不良の回復時間は、5kV、15kVのいずれの場合も10秒以下であることが好ましく、5秒以下であることがより好ましい。
【0126】
<接着耐久性>
実施例、比較例で得られた粘着剤層付偏光フィルムのセパレータフィルムを剥がし、厚さ0.7mmの無アルカリガラス(コーニング社製、1737)にラミネーターを用いて貼着した。次いで、50℃、5atmで、15分間のオートクレーブ処理を行って、上記粘着剤層付偏光フィルムを完全に無アルカリガラスに密着させた。次いで、これを、85℃の加熱オーブン(加熱)及び60℃/95%RHの恒温恒湿機(加湿)の条件下にそれぞれ投入して、500時間後の偏光フィルムの剥がれの有無を、下記基準で評価した。また、上記無アルカリガラスをITOガラス(商品名:IT20−N−ES160−60、ジオマテック(株)製)に変更し、同様の評価を行った。
◎:全く剥がれが認められなかった。
○:目視では確認できない程度の剥がれが認められた。
△:目視で確認できる小さな剥がれが認められた。
×:明らかな剥がれが認められた。
【0127】
<外観>
実施例、比較例で得られた粘着剤層付偏光フィルムについて、目視で結晶の析出の有無を確認し、以下の評価基準にて評価した。評価結果を表1に示す。
○:結晶の析出が認められなかった。
×:結晶が析出しているのが認められた。
【0128】
【表1】
【0129】
表1中、
(C2)は、アセトアセチル基含有シランカップリング剤(商品名:A−100、綜研化学(株)製)、
(C3)は、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学工業(株)製)、
(C4)は、エポキシ基含有シランカップリング剤(商品名:X−41−1056、信越化学工業(株)製)、
を示す。