(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231057
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】生体物質精製用高活性シリカ磁性ナノ粒子及びこれの製造方法
(51)【国際特許分類】
C07K 1/14 20060101AFI20171106BHJP
B01J 20/30 20060101ALI20171106BHJP
B01D 15/00 20060101ALI20171106BHJP
B01J 20/10 20060101ALI20171106BHJP
C01G 49/08 20060101ALI20171106BHJP
H01F 1/36 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
C07K1/14
B01J20/30
B01D15/00 K
B01J20/10 A
C01G49/08 A
H01F1/36
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-191141(P2015-191141)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-221498(P2016-221498A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2015年9月29日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0074861
(32)【優先日】2015年5月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505140373
【氏名又は名称】バイオニア コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(74)【代理人】
【識別番号】100194973
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 祐朗
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】パク, ハン オ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジェ ハ
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジョン グワン
【審査官】
河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0089614(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0097576(KR,A)
【文献】
韓国特許第2010−0762969(KR,B1)
【文献】
特開2004−031792(JP,A)
【文献】
特開2007−089563(JP,A)
【文献】
特開2015−024407(JP,A)
【文献】
特表2001−523424(JP,A)
【文献】
特表2005−507316(JP,A)
【文献】
特許第3253638(JP,B2)
【文献】
Bianfang Shi 他,Superparamagnetic aminopropyl-functionalized silica core-shell microspheres as magnetically separable carriers for immobilization of penicillin G acylase,J.Mol.Catal. B Enzymatic,2010年,Vol.63,P.50-56
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 20/00 − 20/34
G01N 33/543
C12Q 1/00 − 3/00
C07K 1/00 − 19/00
C01G 49/08
H01F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカコーティング磁性ナノ粒子を核酸結合性担体として用いることを特徴とする核酸の分離精製方法であって、前記シリカコーティング磁性ナノ粒子が、
下記のステップ:
(a)蒸留水とアルコールの混合溶媒に磁性ナノ粒子、酸触媒又は塩基触媒、及び疎水性有機溶媒を添加して得られる溶液を超音波で分散させるステップ;並びに
(b)前記分散した溶液にシラン(silane)を添加してシリカ磁性ナノ粒子を製造するステップ
を含み、前記磁性ナノ粒子及び前記シランが、1:0.1〜1:3.0の重量比で添加されており、そして、前記シリカコーティング磁性ナノ粒子が、0.5〜2.5重量%のシリカ含量、300〜600nmの粒子の大きさ、及び1〜15nmのコーティングの厚さを有している、方法によって製造される、
核酸の分離精製方法。
【請求項2】
前記アルコールは、メチルアルコール(Methyl Alcohol)、エチルアルコール(Ethyl Alcohol)、プロピルアルコール(Propyl Alcohol)及びブチルアルコール(Butyl Alcohol)で構成された群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合溶媒は、30体積%以下の蒸留水を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記シラン(Silane)は、テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記酸触媒又は塩基触媒は、アンモニア水(NH4OH)、フッ化アンモニウム(NH4F)、塩酸(HCl)、硝酸(HNO3)、硫酸(H2SO4)、リン酸(H3PO4)、フッ酸(HF)、シュウ酸(Oxalic acid)及び酢酸(Acetic acid)で構成された群から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記シラン(Silane)は、蒸留水、アルコール、酸触媒又は塩基触媒、及び疎水性有機溶媒の全体積の100体積部に対して0.01〜0.5体積部の量で添加されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
シラン(Silane)の添加量によって、前記シリカ磁性ナノ粒子の表面にコーティングされたシリカの厚さが制御されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記磁性ナノ粒子は、鉄、コバルト、ニッケル、酸化鉄、コバルト酸化物、ニッケル酸化物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記磁性ナノ粒子は、酸化鉄、フェライト(Ferrite)及びこれらの混合物で構成された群から選択される1種以上の粒子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記磁性ナノ粒子は、蒸留水、アルコール、酸触媒又は塩基触媒、及び疎水性有機溶媒の全体積の100重量部に対して0.01〜0.5重量部の量で添加されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記疎水性有機溶媒は、ペンタン(Pentane)、シクロペンタン(Cyclopentane)、ヘキサン(Hexane)、シクロヘキサン(Cyclohexane)、トルエン(Toluene)、ベンゼン(Benzene)、キシレン(Xylene)、ジエチルエーテル(Diethyl ether)、ジオキサン(Dioxane)、クロロホルム(Chloroform)及びジクロロメタン(Dichloromethane)で構成された群から選択されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記核酸は、プラスミドDNA、ゲノムDNA、cDNA、PCR DNA(Polymerase chain reaction DNA)、RNA、siRNA、リボザイム(ribozymes)、アプタマー(aptamers)及びオリゴヌクレオチド(oligonucleotide)で構成された群から選択されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の核酸の分離精製方法。
【請求項13】
シリカコーティング磁性ナノ粒子をタンパク質精製、抗体精製、酵素免疫分析法、ペプチド精製及び内毒素(endotoxin)除去で構成される群から選択される過程に用いることを特徴とする方法であって、前記シリカコーティング磁性ナノ粒子が、
下記のステップ:
(a)蒸留水とアルコールの混合溶媒に磁性ナノ粒子、酸触媒又は塩基触媒、及び疎水性有機溶媒を添加して得られる溶液を超音波で分散させるステップ;並びに
(b)前記分散した溶液にシラン(silane)を添加してシリカ磁性ナノ粒子を製造するステップ
を含み、前記磁性ナノ粒子及び前記シランが、1:0.1〜1:3.0の重量比で添加されており、そして、前記シリカコーティング磁性ナノ粒子が、0.5〜2.5重量%のシリカ含量、300〜600nmの粒子の大きさ、及び1〜15nmのコーティングの厚さを有している、製造方法によって製造される、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造方法、前記方法で製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子、これを含む核酸分離用及び診断用組成物とキット、そして前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を利用した核酸の分離及び診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性粒子(Magnetic Particles)を利用してバイオ関連素材として応用した研究が最近盛んになっている。磁性粒子は、生命工学研究で用いられる基本素材物質として多く応用され始めて、磁性粒子を利用してバイオ物質を速くかつ簡単に分離するのに用いられている。従来のバイオ物質、特に核酸(Nucleic acid)の分離方法は、多くの時間と労力が必要な工程で何ステップかの抽出と遠心分離ステップを経るが、分離する核酸の収率及び純度が低く、自動化または大量分離方法で用いるには適切ではなかった。しかし最近の研究で、特別な磁性粒子が製造されて、適切なバッファー条件で磁性粒子を用いて非常に速く効率のよい核酸分離方法が開発された(米国特許第5,523,231号、米国特許第5,665,554号)。また、前記核酸分離方法を用いると、数多くの試料を同時に処理して、核酸を分離できる自動化方法を提供することができる。例えば、ロボット自動装置を使えば数百または数千の試料を自動で処理して所望の核酸を大量に分離することができる。
【0003】
生物学的試料からの核酸(DNAとRNA)の分離は、生化学研究及び診断プロセスで最も重要なステップである。試料から遺伝子物質を分離しなければ次のステップである遺伝子検出、遺伝子クローニング、遺伝子シーケンス、遺伝子増幅、cDNA合成などが行われることができない。様々な細胞混合物からDNAまたはRNAを分離するためには、効果的でかつ再現性のある分離方法が必要で、最近磁性粒子を利用した分離方法が開発されている。磁性粒子を利用した核酸の分離方法は、磁性粒子の遺伝子との結合を誘導した後、試料に外部磁場を適用して核酸を分離することを含む。一般にDNA、RNA、タンパク質などを分離精製するのに用いられる磁性粒子は、粒子の大きさが100nm〜10μm程度が適当と知られている。
【0004】
このように磁性粒子が遺伝子(核酸)やタンパク質分離精製に用いられるためには、粒子の表面に遺伝子や特定タンパク質と結合が可能な機能基を接合させなければならない。このためには、有機物機能基またはシリカを利用して磁性粒子をコーティングしなければならない。
【0005】
上述した核酸などバイオ物質の分離に用いられる磁性粒子材料中代表的な例が酸化鉄磁性粒子である。酸化鉄磁性粒子は、一般にマグネタイト(Magnetite;Fe
3O
4)、マグヘマイト(Maghemite;Fe
2O
3)または、ヘマタイト(Hematite;Fe
2O
3)で存在して、酸化鉄磁性粒子は、バイオ物質、例えば核酸(DNAとRNA)、タンパク質、ペプチド及びポリペプチド、脂質(Lipids)などの分離精製に使用が可能である。
【0006】
既存の核酸分離用磁性粒子製造方法は、鉄塩化合物から液状還元法で鉄または鉄酸化物磁性粒子を製造して、ここにシリカ、高分子または非磁性物質(例えば、金または銀)でコーティングしてこそ磁性粒子間の凝集と相互作用がない磁性粒子の製造が可能であった。最近になってこのような磁性粒子のうちシリカコーティング磁性粒子が多く開発されている(米国特許第6,027,945号、米国特許第6,673,631号、米国特許第7,183,002号、日本特許第3253638号)。しかし、このようなシリカコーティング磁性粒子は、製造過程が複雑で、シリカコーティング磁性粒子による核酸などバイオ物質の分離収率が低いという短所がある。
【0007】
そこで、本発明者等は、シリカ磁性粒子の化学的製造方法において、シラン処理方法を用いてアルコール溶媒に酸塩基触媒を添加してシリカ形成反応を誘導する場合、高活性シリカ磁性ナノ粒子を製造できることを確認して、本発明を完成するようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,523,231号明細書
【特許文献2】米国特許第5,665,554号明細書
【特許文献3】米国特許第6,027,945号明細書
【特許文献4】米国特許第6,673,631号明細書
【特許文献5】米国特許第7,183,002号明細書
【特許文献6】特許第3253638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、バイオ物質、特に核酸の精製効率が向上された高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、前記方法で製造されて、核酸精製効率が向上された高活性シリカ磁性ナノ粒子を提供することである。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を核酸結合性担体として用いることを特徴とする核酸の分離精製方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸精製用組成物を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸検出に基づく診断用組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸精製用キットを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する、核酸検出に基づく診断用キットを提供することである。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子をタンパク質精製、抗体精製、酵素免疫分析法、ペプチド精製及び内毒素(endotoxin)除去で構成される群から選択される過程に用いることを特徴とする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するために、本発明は、(a)蒸溜水とアルコールの混合溶媒に磁性ナノ粒子、酸塩基触媒及び水溶性疎水溶媒を添加した溶液を超音波で分散させるステップ;及び(b)前記分散した溶液にシラン(silane)を添加してシリカ磁性ナノ粒子を製造するステップを含む高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造方法を提供する。
【0016】
本発明はまた、シリカ含有量が0.5〜2.5重量%で、粒子の大きさは300〜600nm、コーティングの厚さは1〜15nmである高活性シリカ磁性ナノ粒子を提供する。好ましくは本発明に係る高活性シリカ磁性ナノ粒子は、本発明の高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造方法によって製造されることができる。
【0017】
本発明はまた、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を核酸結合性担体として用いることを特徴とする核酸の分離精製方法を提供する。
【0018】
本発明はまた、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸精製用組成物を提供する。
【0019】
本発明はまた、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸検出に基づく診断用組成物を提供する。
【0020】
本発明はまた、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸精製用キットを提供する。
【0021】
本発明はまた、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸検出に基づく診断用キットを提供する。
【0022】
本発明はまた、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子をタンパク質精製、抗体精製、酵素免疫分析法、ペプチド精製及び内毒素(endotoxin)除去で構成される群から選択される過程に用いることを特徴とする方法を提供する。
【0023】
有利な効果
本発明によって製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子は、シリカで完全にコーティングされた磁性ナノ粒子を含有し、バイオ物質、特に核酸の分離用試薬物質として用いられ、高収率で核酸を分離精製することができる。さらに、高活性シリカ磁性ナノ粒子は、タンパク質精製、抗体精製、酵素免疫分析法、ペプチド精製、内毒素(endotoxin)除去などにも使用することができる。
【0024】
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
下記のステップを含む高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造方法:
(a)蒸溜水とアルコールの混合溶媒に磁性ナノ粒子、酸塩基触媒及び水溶性疎水溶媒を添加して得られる溶液を超音波で分散させるステップ;及び
(b)前記分散した溶液にシラン(silane)を添加してシリカ磁性ナノ粒子を製造するステップ。
(項目2)
前記アルコールは、メチルアルコール(Methyl Alcohol)、エチルアルコール(Ethyl Alcohol)、プロピルアルコール(Propyl Alcohol)及びブチルアルコール(Butyl Alcohol)で構成された群から選択されることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目3)
前記混合溶媒は、30体積%以下の蒸留水を含むことを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目4)
前記シラン(Silane)は、テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランであることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目5)
前記酸塩基触媒は、アンモニア水(NH
4OH)、フッ化アンモニウム(NH
4F)、塩酸(HCl)、硝酸(HNO
3)、硫酸(H
2SO
4)、リン酸(H
3PO
4)、フッ酸(HF)、シュウ酸(Oxalic acid)及び酢酸(Acetic acid)で構成された群から選択されることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目6)
前記シラン(Silane)は、溶媒100体積部に対して0.01〜0.5体積部の量で添加されることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目7)
シラン(Silane)の添加量によって、前記シリカ磁性ナノ粒子の表面にコーティングされたシリカの厚さが制御されることを特徴とする項目6に記載の方法。
(項目8)
前記磁性ナノ粒子は、鉄、コバルト、ニッケル、酸化鉄、コバルト酸化物、ニッケル酸化物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の粒子であることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目9)
前記磁性ナノ粒子は、酸化鉄、フェライト(Ferrite)及びこれらの混合物で構成された群から選択される1種以上の粒子であることを特徴とする項目8に記載の方法。
(項目10)
前記磁性ナノ粒子は、蒸留水、アルコール、酸塩基触媒及び水溶性疎水溶媒の100重量部に対して0.01〜0.5重量部の量で添加されることを特徴とする項目7に記載の方法。
(項目11)
前記水溶性疎水溶媒は、ペンタン(Pentane)、シクロペンタン(Cyclopentane)、ヘキサン(Hexane)、シクロヘキサン(Cyclohexane)、トルエン(Toluene)、ベンゼン(Benzene)、キシレン(Xylene)、ジエチルエーテル(Diethyl ether)、ジオキサン(Dioxane)、クロロホルム(Chloroform)及びジクロロメタン(Dichloromethane)で構成された群から選択されることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目12)
前記磁性ナノ粒子と前記シランは、1:0.1〜1:3.0の重量比で添加されることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目13)
シリカ含有量は0.5〜2.5重量%、粒子の大きさは300〜600nm、コーティングの厚さは1〜15nmである高活性シリカ磁性ナノ粒子。
(項目14)
項目1から項目11のいずれかに記載の方法によって製造されることを特徴とする項目13に記載の高活性シリカ磁性ナノ粒子。
(項目15)
項目13に記載の高活性シリカ磁性ナノ粒子を核酸結合性担体として用いることを特徴とする核酸の分離精製方法。
(項目16)
前記核酸は、プラスミドDNA、ゲノムDNA、cDNA、PCR DNA(Polymerase chain reaction DNA)、RNA、siRNA、リボザイム(ribozymes)、アプタマー(aptamers)及びオリゴヌクレオチド(oligonucleotide)で構成された群から選択されることを特徴とする項目15に記載の核酸の分離精製方法。
(項目17)
項目13に記載の高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸精製用組成物。
(項目18)
項目13に記載の高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸検出による診断用組成物。
(項目19)
項目13に記載の高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸精製用キット。
(項目20)
項目13に記載の高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸検出による診断用キット。
(項目21)
項目13に記載の高活性シリカ磁性ナノ粒子をタンパク質精製、抗体精製、酵素免疫分析法、ペプチド精製及び内毒素(endotoxin)除去で構成される群から選択される過程に用いることを特徴とする方法。
(本開示の摘要)
本発明は、高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造方法、前記方法で製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子及び前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を利用した核酸の分離方法に関する。
本発明によって製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子は、シリカで完全にコーティングされた磁性ナノ粒子を含有し、バイオ物質、特に核酸の分離用試薬物質として使われて高い収率で核酸を分離精製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施例1で製造した高活性シリカ磁性ナノ粒子の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【
図2】実施例1で製造した高活性シリカ磁性ナノ粒子の透過電子顕微鏡(TEM)写真である。
【
図3】実施例1で製造した高活性シリカ磁性ナノ粒子の透過電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光器(TEM−EDS)分析した結果を示したものである。
【
図4】実施例1で製造した高活性シリカ磁性ナノ粒子のゼータ電位を分析した結果を示したものである。
【
図5】実施例2で製造した高活性シリカ磁性ナノ粒子の透過電子顕微鏡(TEM)写真である。
【
図6】実施例3で製造した高活性シリカ磁性ナノ粒子の透過電子顕微鏡(TEM)写真である。
【
図7】実施例4で製造した高活性シリカ磁性ナノ粒子を用いて抽出したDNAに対する電気泳動写真である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
特段滴定されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的用語および化学的用語は、当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に、以下に記載される本明細書で使用される命名法はおよび実験方法は、よく知られており、当該分野で一般に使用されるものである。
本発明では、従来のシリカ磁性粒子の製造方法に比べて簡略であり、シリカ磁性粒子にコーティングされたシリカの量を制御できる新しいシリカ磁性ナノ粒子の製造方法を開発した。本発明によると、ナノサイズのシリカ磁性粒子を用いて表面積を最大化することによって、既存シリカ磁性粒子に比べて核酸に対する抽出効率が高い高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造を可能にした。
【0027】
従って、一観点において、本発明は、(a)蒸溜水とアルコールの混合溶媒に磁性ナノ粒子、酸塩基触媒及び水溶性疎水溶媒を添加した溶液を超音波で分散させるステップ;及び(b)前記分散した溶液にシラン(silane)を添加してシリカ磁性ナノ粒子を製造するステップを含む高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造方法に関する。
【0028】
本発明に係る製造方法で溶媒は、蒸溜水とアルコールの混合溶媒が用いられる。本発明において、アルコールは、メチルアルコール(Methyl Alcohol)、エチルアルコール(Ethyl Alcohol)、プロピルアルコール(Propyl Alcohol)、ブチルアルコール(Butyl Alcohol)または、これらのうちの2種以上の混合物を用いることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるのではない。また、本発明において、蒸溜水は、2次蒸溜水または3次蒸溜水(超純水)を用いることが好ましい。
【0029】
本発明において、前記混合溶媒は、30体積%以下の蒸溜水を含むのが好ましい。
本発明に係る製造方法で、ステップ(b)でシラン化合物を添加するが、前記シラン化合物は、酸塩基触媒と反応して磁性ナノ粒子の表面にシリカコーティングが形成される。
【0030】
本発明に係る製造方法で使用可能なシラン(Silane)の例としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランまたはこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されるのではない。
【0031】
前記シラン(Silane)化合物は、溶媒として用いる蒸溜水とアルコール、そして添加した酸塩基触媒及び水溶性疎水溶媒の全体積の100体積部に対して0.01〜0.5体積部の量で添加されて、好ましくは、0.01〜0.2体積部の量で添加され得る。もし、0.5体積部を超える量でシラン化合物が添加されると、シリカ形成に影響を与えてシリカ磁性ナノ粒子が凝集し、0.01体積部未満であると、磁性ナノ粒子の表面にシリカコーティングが形成されない。
【0032】
本発明で使用できる前記酸塩基触媒の例は、アンモニア水(NH
4OH)、フッ化アンモニウム(NH
4F)、塩酸(HCl)、硝酸(HNO
3)、硫酸(H
2SO
4)、リン酸(H
3PO
4)、フッ酸(HF)、シュウ酸(Oxalic acid)及び酢酸(Acetic acid)等が挙げられるが、これに限定されず、好ましくはアンモニア水を用いることができる
【0033】
また、本発明に係る製造方法は、前記シラン化合物を添加する量によって、シリカ磁性ナノ粒子の表面にコーティングされるシリカの厚さが制御できる特徴がある。
【0034】
本発明に係る製造方法で使用される磁性ナノ粒子は、酸化鉄(Hematite、Maghemite;Fe
2O
3、Magnetite;Fe
3O
4)、フェライト(Ferrite)、鉄、コバルト、ニッケル、鉄酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上でできている金属ナノ粒子であるが、必ずしもこれに限定するのではない。最も好ましくは、金属ナノ粒子は、100〜500nmの大きさの酸化鉄(Magnetite)ナノ粒子である。本発明において、酸化鉄磁性ナノ粒子は、合成により製造したり市販されるのを購入して使用され、酸化鉄、フェライト(Ferrite)またはこれらの混合物が使用され得る。
【0035】
1つの方法において、酸化鉄磁性ナノ粒子は、例えば、カルボニル鉄を高温の溶媒に瞬間的に注入すると、熱分解によって二酸化炭素が発生しながら鉄磁性粒子が製造され、製造された鉄磁性粒子を酸化させて製造することができる。また他の製造方法で、FeCl
2とFeCl
3混合液にアンモニア水(NH
4OH)を添加して酸化鉄を製造する方法も広く知られている。
【0036】
前記磁性ナノ粒子は、総重量(蒸溜水、アルコール、酸塩基触媒、水溶性疎水溶媒)100重量部に対して0.01〜0.5重量部の量で用いられ、0.05〜0.3重量部の量で用いられるのが好ましい。もし、0.5重量部を超える量で磁性ナノ粒子が使用されると、シリカ磁性ナノ粒子が凝集する問題点があって、0.01重量部未満であると、溶媒に含まれる磁性粒子の数が少なすぎて生産性が低い問題点がある。
【0037】
本発明において使用される前記水溶性疎水溶媒は、ペンタン(Pentane)、シクロペンタン(Cyclopentane)、ヘキサン(Hexane)、シクロヘキサン(Cyclohexane)、トルエン(Toluene)、ベンゼン(Benzene)、キシレン(Xylene)、ジエチルエーテル(Diethyl ether)、ジオキサン(Dioxane)、クロロホルム(Chloroform)及びジクロロメタン(Dichloromethane)から成る群から選択されることが好ましいが、これに限定されず、さらに好ましくはトルエンを用いることができる。
【0038】
本発明において、前記磁性ナノ粒子と前記シラン化合物は、1:0.1〜1:3.0の重量比で添加されることが好ましい。もし、1:3.0重量比を超えて前記磁性ナノ粒子と前記シラン化合物が添加されると、シリカ磁性ナノ粒子が凝集する問題点があって、1:0.1重量比未満であると、シリカコーティングが充分でない問題点がある。
【0039】
また、本発明に係る製造方法は、ステップ(b)以後に通常のろ過、洗浄、乾燥のステップをさらに含んでもよい。ろ過ステップは、濾過紙を使って行い、洗浄ステップはエタノール及び超純水を用いてろ過物質を数回洗浄して行われる。最後のステップである乾燥ステップは、空気循環乾燥装置に製造したシリカ磁性ナノ粒子を100〜300℃、好ましくは100〜200℃で2時間以上乾燥させることによって行われる。
【0040】
他の観点において、本発明は、シリカ含有量が0.5〜2.5重量%で、粒子の大きさは300〜600nm、コーティングの厚さは1〜15nmである高活性シリカ磁性ナノ粒子に関する。
【0041】
本発明において、高活性シリカ磁性ナノ粒子は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造方法によって製造されることを特徴とする。
【0042】
本発明の一実施形態で製造される高活性シリカ磁性ナノ粒子は、
図1、
図2、
図5及び
図6に示した通り、粒子の大きさが400〜450nmである。
【0043】
本発明に係る製造方法で製造された球状のシリカ磁性ナノ粒子は、数十〜数百ナノメートルの大きさの磁性粒子がシリカでコーティングされるが、シリカのヒドロキシ(OH)基によって、ゼータ電位を測定すると、負の値を示すことになり、その値は−30〜−50mVの数値を示す。
【0044】
また他の観点において、本発明は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を核酸結合性担体として用いることを特徴とする核酸の分離精製方法に関する。
【0045】
シリカを利用した核酸分離方法は、カオトロピック(Chaotropic)試薬を利用して行われるが、これは広く知られた方法である(R.Boom et al.,J.Clin.Microbiol.,Vol 28(3),p495−503(1990))。この方法において、シリカでコーティングされた磁性粒子は、カオトロピック試薬を利用して核酸と結合した場合、外部磁力を利用してシリカ磁性粒子を分離することによって核酸を分離することになる。
【0046】
本発明に係る製造方法で製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子は、様々な形態の核酸を分離するために使用されるが、前記核酸としては、プラスミドDNA、ゲノムDNA、cDNA、PCR DNA(Polymerase chain reaction DNA)、RNA、siRNA、リボザイム(ribozymes)、アプタマー(aptamers)、オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)およびDNAプライマー(primers)等があるが、必ずしもこれに限定はしない。
【0047】
本発明に係る高活性シリカ磁性ナノ粒子を利用して核酸を分離精製する方法は、下記のとおりである。最初のステップは、分離しようとする核酸が含まれた試料に本発明の高活性シリカ磁性ナノ粒子を添加して核酸がシリカ磁性ナノ粒子に結合するように誘導する。この時、結合バッファー(binding buffer)を用いる。結合バッファーとしてはカオトロピック(chaotropic)試薬を用いる。カオトロピック試薬には、グアニジン塩、ウレア、塩化物、ヨウ化物、過塩素酸塩、(イソ)チオシアネートなどが含まれ、具体的な例としては、過塩素酸ナトリウム(Sodium perchlorate)、グアニジンヒドロクロリド(Guanidine hydrochloride)、グアニジンイソチオシアネート(Guanidine isothiocyanate)、ヨウ化カリウム(Potassium iodide)、チオシアン酸カリウム(Potassium thiocyanate)、塩化ナトリウム(Sodium chloride)、イソチオシアン酸ナトリウム(Sodium isothiocyanate)、塩化マグネシウム(Magnesium chloride)、ヨウ化ナトリウム(Sodium iodide)等が挙げられるが、これに限定するのではない。カオトロピック試薬は1〜8M(mol/L)濃度で用いることが好ましい。
【0048】
核酸分離方法の二つ目のステップは、核酸が結合したシリカ磁性ナノ粒子を分離するステップであり、このステップでは、外部磁力で核酸が結合したシリカ磁性ナノ粒子を容器壁面に集めて、結合されない物質を分離、洗浄する。
【0049】
三回目のステップは、外部磁力を除去して、核酸が結合したシリカ磁性ナノ粒子から核酸を分離するステップであり、このステップでは、シリカ磁性粒子に結合した核酸を溶離バッファー(Elusion buffer;tris−(hydroxymethyl)amino methane buffer)を用いて分離する。
【0050】
本発明に係る実施例1で製造した高活性シリカ磁性ナノ粒子は、核酸に対する分離収率が非常に高いことを確認することができた。したがって、本発明により製造した高活性シリカ磁性ナノ粒子は、核酸に対する分離効率が優秀であることがわかる。
【0051】
また他の観点において、本発明は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸精製用組成物及びキットに関する。
【0052】
核酸精製用組成物またはキットは、核酸とシリカ磁性ナノ粒子を結合させるためのカオトロピック試薬を含んでもよい。
【0053】
本発明の核酸精製用キットは、シリカ磁性ナノ粒子と核酸を結合させるための結合バッファー、洗浄バッファー、溶離バッファー、およびにシリカ磁性ナノ粒子を分離するための磁石を含んでもよい。
【0054】
また他の観点において、本発明は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子を含有する核酸検出に基づく診断用組成物及びキットに関する。
【0055】
核酸検出に基づく診断用組成物またはキットは、核酸とシリカ磁性ナノ粒子を結合させるためのカオトロピック試薬を含んでもよい。
【0056】
本発明の核酸検出に基づく診断用キットは、シリカ磁性ナノ粒子と核酸を結合させるための結合バッファー、洗浄バッファー、溶離バッファー、およびシリカ磁性ナノ粒子を分離するための磁石を含んでもよい。
【0057】
本発明のキットは取扱説明書を含んでもよい。「取扱説明書」とは、キット使用法、例えば、核酸作製用試薬製造方法、推奨製造条件などを説明する印刷物である。取扱説明書は、キットに付着したラベル、キットを含むパッケージなどの上にあるもの、ならびにパンフレットまたはリーフレット形態の案内ブックを含む。また、取扱説明書は、インターネットのように電気媒体を介して公開されるか提供される情報を含む。
【0058】
また他の観点において、本発明は、前記高活性シリカ磁性ナノ粒子をタンパク質精製、抗体精製、酵素免疫分析法、ペプチド精製及び内毒素(endotoxin)除去で構成される群から選択される過程に用いることを特徴とする方法に関する。
【0059】
前記高活性シリカ磁性ナノ粒子とタンパク質、酵素、ペプチドまたは内毒素との結合のためには、シリカ磁性ナノ粒子を有機溶媒に分散させた後、シリカ磁性ナノ粒子を、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、またはN’−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレントリアミンなどのアミン系化合物と反応させてアミノ置換基を持つ高活性シリカナノ粒子を製造して用いてもよい。
【実施例】
【0060】
以下、本発明を実施例を挙げて詳述する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に制限されないことは当業者にとって自明である。
実施例1:高活性シリカ磁性ナノ粒子の製造
3Lフラスコにエタノール1,600mlを入れて、超純水400mlを添加した。その後、酸化鉄磁性ナノ粒子(Magnetite;Dreamtech,Korea)を1.5g溶液に入れて超音波で1時間分散させた。前記分散された溶液にアンモニア溶液(Ammonia solution、28〜30wt%、Samchun純薬工業)15ml、およびトルエン(Toluene、99.5%、Samchun純薬工業)100mlを入れて、超音波で30分の間分散させた。フラスコを常温で維持しながらテトラエトキシシラン(TEOS;Tetraethoxy silane、98%、Samchun純薬工業)0.5mlを5分間添加して、混合物を常温で4時間反応させた。反応を終了した後、反応器の内容物をフィルターで分離して、エタノールと超純水を用いて2回以上洗浄した。得られたシリカ磁性ナノ粒子を乾燥器に入れて、120℃で2時間乾燥させて高活性シリカ磁性ナノ粒子を製造する。
【0061】
製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子の走査電子顕微鏡(SEM)分析結果と透過電子顕微鏡(TEM)結果をそれぞれ
図1及び
図2に示した。
【0062】
図2に示された通り、酸化鉄磁性ナノ粒子がシリカで2nm程度の厚さでコーティングされているのを確認することができた。
【0063】
製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子について、エネルギー分散分光器(EDS)分析を行った結果、シリカ成分が検出されることを確認した(
図3)。製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子のゼータ電位は−41.0mVと測定されてシリカ表面にヒドロキシ基があることが示された(
図4)。さらに、製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子の平均粒子の大きさは420nmと測定された。
【0064】
実施例2:TEOSを2倍量添加したシリカ磁性ナノ粒子の製造
添加されるテトラエトキシシラン(TEOS;Tetraethoxy silane、98%、Samchun純薬工業)の量を1.0mlまで増やしたことを除いては実施例1と同じ方法で、高活性シリカ磁性ナノ粒子を製造した。
【0065】
製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子の透過電子顕微鏡(TEM)写真を
図5に示す。示されるように、酸化鉄磁性ナノ粒子は、約5nmの厚さにシリカでコーティングされ、実施例1に比べて厚かった。製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子のゼータ電位は、−33.2mVと測定されて、シリカ表面にヒドロキシ基があることが示されたさらに、製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子の平均粒子の大きさは430nmと測定された。
【0066】
実施例3:TEOSを4倍量添加したシリカ磁性ナノ粒子の製造
添加されるテトラエトキシシラン(TEOS;Tetraethoxy silane、98%、Samchun純薬工業)が2.0mlであったことを除いては実施例1と同じ方法で、高活性シリカ磁性ナノ粒子を製造した。
【0067】
製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子の透過電子顕微鏡(TEM)写真を
図6に示す。
図6に示されるように、酸化鉄磁性ナノ粒子は約13nmの厚さにシリカでコーティングされ、実施例1に比べて厚かった。製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子のゼータ電位は、−37.1mVと測定されて、シリカ表面にヒドロキシ基があることが示された。さらに、製造された高活性シリカ磁性ナノ粒子の平均粒子の大きさは450nmと測定された。
【0068】
TEOS添加量に応じた磁性ナノ粒子の表面のシリカコーティングの厚さの変化を表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】
実施例4:高活性シリカ磁性ナノ粒子を用いた核酸の分離
実施例1で製造した高活性シリカ磁性粒子の核酸の分離効率を分析するために次の実験を行った。
DNA試料(Fragmented DNA 10.2kb、5kb、2kb、1.6kbをそれぞれ1μgずつ含み計4μg)200μlと結合溶液(Binding Solution;バイオニアExiprep
TM kit K−3215)900μlを含有した溶液に実施例1で製造したシリカ磁性粒子1mgを添加して混合した。ネオジウム磁石を利用してシリカ磁性粒子を上澄み液から分離してマイクロピペットを利用して上澄み液を完全に除去した。具体的には、900μlの1次洗浄溶液(1st Washing Solution;バイオニアExiprep
TM kit K−3215)をシリカ磁性粒子に添加してマイクロピペットを利用して完全に混ぜた後ネオジウム磁石を利用してシリカ磁性粒子を上澄み液から分離した。マイクロピペットを利用して上澄み液を全部除去した後、1000μlの2次洗浄溶液(2nd Washing Solution;バイオニアExiprep
TM kit K−3215)をシリカ磁性粒子に添加してマイクロピペットを利用して完全に混ぜた後、ネオジウム磁石を利用してシリカ磁性粒子を上澄み液から分離した。マイクロピペットを利用して上澄み液を全部除去した後、1000μlの3次洗浄溶液(3rd Washing Solution;バイオニアExiprep
TM kit K−3215)をシリカ磁性粒子に添加してマイクロピペットを利用して完全に混ぜた後ネオジウム磁石を利用してシリカ磁性粒子を上澄み液から分離した。マイクロピペットを利用して上澄み液を全部除去した後、残存洗浄溶液を除去するためにシリカ磁性粒子を60℃オーブンで10分間乾燥させた。完全に乾燥されたシリカ磁性粒子に溶離バッファー(Elution buffer;バイオニアExiprep
TM kit K−3215)100μlを入れてよく混ぜた後、混合物として60℃ヒーティングブロックで5分間放置してシリカ磁性粒子から核酸がよく溶離できるようにした。ネオジウム磁石を利用してシリカ磁性粒子を分離して、核酸を含む上澄み液をマイクロピペットで取った後、新しい1.5mlチューブに移して入れた。そして、比較のためにバイオニアの既存シリカ磁性粒子(AccuBead
TM TS−1010)5mgを用いて前記方法と同じ方法でDNA抽出実験を行った。
【0071】
既存バイオニアのマイクロサイズのシリカ磁性粒子(TS−1010)と本発明の高活性シリカ磁性ナノ粒子を用いて前記方法で抽出したDNAの電気泳動の結果を示す写真を
図7に示した。
図7でレーン1とレーン2は、既存マイクロシリカ磁性粒子を用いて抽出されたDNAの電気泳動結果を示し、レーン3とレーン4は本発明に係る高活性シリカ磁性ナノ粒子を用いて抽出されたDNA電気泳動結果を示し、Controlは抽出前のDNA自体の電気泳動結果である。電気泳動結果から大きさが異なる4種類のDNAが抽出が良好であることが分かる。尚、抽出したDNAを定量するため、紫外線吸光光度計を利用して定量分析した結果を表2に示した。
【0072】
【表2】
【0073】
表2の結果は、既存のマイクロシリカ磁性粒子の結合能力(Binding Capacity)は0.793μg−DNA/mg−beadsで、本発明の高活性シリカ磁性ナノ粒子の結合能力(Binding Capacity)は2.18μg−DNA/mg−beadsであると示された。この結果から本発明の高活性シリカ磁性ナノ粒子が、既存粒子より結合能力が約2.7倍高いことが分かる。したがって、本発明の高活性シリカ磁性ナノ粒子は、核酸分離効率が優秀であることを確認することができる。
【0074】
以上、本発明の具体的な特徴について詳述したが、当該分野における通常の知識を持った者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施態様に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されることはないという点は明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は特許請求の範囲とこれらの等価物により定義されると言える。