特許第6231065号(P6231065)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231065半導体デバイス、および半導体デバイスを製作する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231065
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】半導体デバイス、および半導体デバイスを製作する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/329 20060101AFI20171106BHJP
   H01L 29/872 20060101ALI20171106BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20171106BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20171106BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20171106BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   H01L29/86 301P
   H01L29/86 301D
   H01L29/86 301M
   H01L29/91 K
   H01L21/28 301R
   H01L21/28 301B
   H01L29/48 D
   H01L29/48 M
   H01L29/48 P
【請求項の数】2
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-244897(P2015-244897)
(22)【出願日】2015年12月16日
(65)【公開番号】特開2016-115942(P2016-115942A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2015年12月17日
(31)【優先権主張番号】10 2014 118 874.8
(32)【優先日】2014年12月17日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506236358
【氏名又は名称】インフィネオン テクノロジーズ オーストリア アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コンラート, イェンス ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ケルン, ロニ−
(72)【発明者】
【氏名】クリヴェック, シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ストーバー, ラウラ
【審査官】 綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−190749(JP,A)
【文献】 特開2013−120822(JP,A)
【文献】 特開昭62−213158(JP,A)
【文献】 特開昭60−039870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/285
H01L 21/329
H01L 29/47
H01L 29/872
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイス(1)を製作する方法であって、
バンドギャップが2eVよりも大きく、かつ10eVよりも小さい半導体材料(100、120、180、200)と接触する接触層(130)を形成することにより、前記半導体材料(100、120、180、200)と前記接触層(130)との間に非オーミック接触を形成すること
を含み、
前記接触層(130)は金属窒化物から形成されており、前記接触層(130)を形成することは、前記金属窒化物の組成比を選択して、前記接触層(130)の仕事関数を定めることを含み、
前記接触層(130)が、窒素を反応物として用いた反応性スパッタリングプロセスによって形成され、
前記反応性スパッタリングプロセス時の窒素の分圧が、MNおよびMNの混合相(Mは金属、Nは窒素を表す)を含む前記金属窒化物を形成するように定められ、
前記反応性スパッタリングプロセス時の前記窒素の分圧と全圧との比が0.1〜1.0の範囲内にあり、
前記反応性スパッタリングプロセス時の前記窒素の分圧を定めることにより、前記接触層(130)の仕事関数が定められ
前記金属窒化物が、モリブデン、チタン、タンタル、およびタングステンからなる群から選択される金属を含む、
方法。
【請求項2】
前記半導体材料(100、120、180、200)がSiCである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
金属−半導体接合を含むショットキーダイオードは整流デバイスとして広く用いられている。特に、パワーエレクトロニクスの分野においてSiCショットキーダイオードの使用が広まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、金属−半導体接合を含む半導体デバイスを改善することを目的とする。さらに、このような半導体デバイスを製作する方法を提供することを目的とする。
【0003】
本発明によれば、上述の目的は、独立請求項に係るクレームされた事項によって達成される。従属請求項においてはさらなる実施形態が定義される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によれば、半導体デバイスは、2eVよりも大きく、かつ10eVよりも小さいバンドギャップを有する半導体材料と、この半導体材料と接触する接触層であって、この接触層は金属窒化物を含む、接触層と、を含む。半導体材料と接触層との間に非オーミック接触が形成される。
【0005】
さらなる実施形態によれば、半導体デバイスは、2eVよりも大きく、かつ10eVよりも小さいバンドギャップを有する半導体材料を含む半導体本体と、この半導体本体の第1の表面と接触する接触層と、を含む。接触層は金属窒化物を含む。接触層は第1の負荷端子に電気接続され、半導体本体と接触層との間に非オーミック接触が形成される。半導体本体の第2の表面は第2の負荷端子に電気接続され、第2の表面は第1の表面の反対側にある。
【0006】
さらなる実施形態によれば、半導体デバイスは、2eVよりも大きく、かつ10eVよりも小さいバンドギャップを有する半導体材料を含む半導体本体と、この半導体本体の第1の表面と接触する接触層と、を含む。接触層は金属窒化物を含む。接触層は第1の負荷端子に電気接続される。半導体本体と接触層との間に非オーミック接触が形成される。半導体本体の第2の表面は第2の負荷端子に電気接続され、第2の表面は第1の表面の反対側にある。
【0007】
添付の図面は、本発明の実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は本発明の実施形態を図解し、明細書とともに原理を説明する役割を果たす。本発明の他の実施形態および意図されている利点の多くは、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるため、容易に認識されるであろう。図面の要素は必ずしも互いに対して原寸に比例しているとはかぎらない。同様の参照符号は、対応する類似の部分を指定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】一実施形態に係る半導体デバイスの一例の断面図を示す。
図1B】さらなる実施形態に係る半導体デバイスの断面図を示す。
図1C】さらなる実施形態に係る半導体デバイスの断面図を示す。
図1D】さらなる実施形態に係る半導体デバイスの断面図を示す。
図2A】オーミック接触の電流−電圧特性の一例を示す。
図2B】非オーミック接触の電流−電圧特性の一例を示す。
図3】ショットキー接触のエネルギーバンド図を示す。
図4】一実施形態に係る半導体デバイスを製作するために用いられてもよい反応チャンバの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本発明が実施されてもよい特定の実施形態が例として示される添付の図面を参照する。その際、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「前方(front)」、「裏(back)」、「先頭の(leading)」、「末尾の(trailing)」など等の方向用語は、説明されている図の向きを基準として用いられる。本発明の実施形態の構成要素は多数の異なる向きに位置付けることができるため、方向用語は説明の目的のために用いられ、決して限定的なものではない。請求項によって定義される範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、構造的変更または論理的変更が行われてもよいことを理解されたい。
【0010】
実施形態の説明は限定的なものではない。特に、以下において説明される実施形態の要素は異なる実施形態の要素と組み合わせられてもよい。
【0011】
以下の説明において用いられる用語「ウェハ」、「基板」または「半導体基板」は、半導体表面を有する任意の半導体ベースの構造を含んでもよい。ウェハおよび構造は、シリコン、シリコン・オン・インシュレータ(silicon−on−insulator、SOI)、シリコン・オン・サファイア(silicon−onsapphire、SOS)、ドープ半導体および非ドープ半導体、基礎の半導体下地によって支持されるシリコンのエピタキシャル層、ならびにその他の半導体構造を含むと理解されるべきである。半導体はシリコンベースである必要はない。半導体は、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、またはヒ化ガリウムであることもできるであろう。他の実施形態によれば、ダイヤモンド、炭化ケイ素(SiC)または窒化ガリウム(GaN)が半導体基板材料を形成してもよい。
【0012】
図および説明は、ドープ型「n」または「p」の隣に「−」または「+」を指示することによって相対ドーピング濃度を示す。例えば、「n」は、「n」ドーピング領域のドーピング濃度よりも低いドーピング濃度を意味し、その一方で、「n」ドーピング領域は、「n」ドーピング領域よりも高いドーピング濃度を有する。同じ相対ドーピング濃度のドーピング領域は必ずしも同じ絶対ドーピング濃度を有するわけではない。例えば、2つの異なる「n」ドーピング領域は、同じか、または異なる絶対ドーピング濃度を有してもよい。図および説明では、より良く理解するために、しばしば、ドープ部分は、「p」または「n」型にドープされていると指定される。当然理解されるように、この指定は決して限定を意図されてはいない。説明されている機能性が達成される限り、ドープ型は任意であることができる。さらに、全ての実施形態において、ドープ型は逆にすることができる。
【0013】
本明細書において用いるとき、用語「結合される」および/または「電気結合される」は、要素は互いに直接結合されなければならないことを意味することを意図されてはいない−「結合される」または「電気結合される」要素との間に介在要素が提供されてもよい。用語「電気接続される」は、互いに電気接続される要素間の低抵抗電気接続を記述することを意図する。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「〜を有する(having)」、「〜を包含する(containing)」、「〜を含む(including)」、「〜を備える(comprising)」および同様のものは、述べられている要素または特徴の存在を指示するが、追加の要素または特徴を除外しないオープンエンドな用語である。冠詞「a」、「an」および「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形も単数形も含むことが意図される。
【0015】
用語「横(lateral)」および「水平(horizontal)」は、本明細書で使用するとき、半導体基板または半導体本体の第1の表面と平行な向きを記述することを意図する。これは、例えば、ウェハまたはダイの表面であることができる。
【0016】
用語「鉛直(vertical)」は、本明細書で使用するとき、半導体基板または半導体本体の第1の表面と垂直に配置される向きを記述することを意図する。
【0017】
図1Aは、一実施形態に係る半導体デバイス1の断面図を示す。図1Aに示される半導体デバイス1は、半導体材料100と、半導体材料100と接触する接触層130と、を含む。以下において説明されるように、接触層130は金属窒化物を含み、半導体材料100と接触層130との間に非オーミック接触が形成される。半導体材料100のバンドギャップは2eVよりも大きく、かつ10eVよりも小さく、例えば、6eVよりも小さい。さらなる実施形態によれば、半導体材料のバンドギャップは0.9または1eVよりも大きく、かつ10eVよりも小さくてもよい。
【0018】
半導体材料100は、両側に1つ以上のドープ部分またはドープ層を含む半導体本体101であってもよい。ドープ部分は、イオン打ち込み、拡散、およびドープ層のエピタキシャル成長などの様々な方法によって形成されてもよい。例えば、半導体材料は、1eVよりも大きいバンドギャップを有する材料であってもよい。例として、半導体材料は、炭化ケイ素、ダイヤモンド、窒化ガリウム、リン化インジウム、AlGaAsおよびIII−V半導体のさらなる例を含んでもよい。
【0019】
例えば、半導体本体101は高濃度にn型にドープされてもよく、より低いドーピングレベルでn型にドープされた部分を含んでもよく、この部分は半導体本体の第1の表面110において配設される。接触層130は、金属および窒素を含む、化学量論的化合物と非化学量論的化合物との組み合わせを含んでもよい。例えば、接触層130は、xおよびyについて異なる値を有するMの混合を含んでもよい。ここで、Mは金属を表す。例えば、金属窒化物層は、MNおよびMの混合、あるいはMNおよびMの混合を含んでもよい。概して、これらの化学式において、xは1に等しくてもよく、yは、0<y<3を満たす実数であってもよい。代替的に、yは1に等しくてもよく、xは、0<x<3を満たす実数であってもよい。例えば、金属は、モリブデン、チタン、タンタル、およびタングステンの群から選択されてもよい。さらに、金属窒化物は、MoTiNなど、2つの金属を含んでもよい。
【0020】
接触層130はアノード端子に電気接続されてもよい。さらに、半導体デバイス1は、半導体本体101へのオーミック接触を形成する後側メタライゼーション160を含んでもよい。後側メタライゼーション160は、第1の表面110の反対側の、半導体本体101の第2の表面115において配設される。後側メタライゼーション160はカソード端子に電気接続されてもよい。用語「オーミック接触」、「ショットキー接触」、および「整流接触」は、以下において図2Aおよび図2Bを参照しながら説明される。
【0021】
図1Bは、半導体デバイス1のさらなる実施形態を示す。図1Bに示される半導体デバイス1は、半導体材料200、例えば、半導体本体201と、半導体材料と接触する接触層130と、を含む。接触層130は金属窒化物を含み、半導体材料200と接触層130との間に非オーミック接触が形成される。概して、半導体材料200は、さらなるドープ部分を含む半導体本体201であってもよい。例えば、これらのドープ部分は半導体本体201の第1の表面210または第2の表面115に隣接して配設されてもよい。図1Aの実施形態と異なり、図1Bの半導体デバイス1は第2の導電型のドープ領域180をさらに含む。例えば、半導体材料200はn型にドープされてもよく、ドープ部分180はp型にドープされてもよい。ドープ部分180は半導体本体201の第1の表面210において配設されてもよく、例えば、n型にドープされた、半導体材料200の部分は第1の表面210において存在してもよい。接触層130は半導体材料200およびドープ部分180と接触してもよい。図1Bに示される半導体デバイス1は、半導体本体201の第2の表面において、高濃度nドープ領域170をさらに含む。半導体デバイスは、ドープ層170へのオーミック接触を形成する後側メタライゼーション層160をさらに含む。後側メタライゼーション層160はカソード端子に電気接続されてもよい。接触層130はアノード端子に電気接続されてもよい。半導体材料は、上述した材料のうちの任意のものを含んでもよい。例えば、半導体材料は炭化ケイ素であってもよい。
【0022】
図1Bに示される半導体デバイスは、p打ち込み部分180を含むジャンクション・バリア・ショットキー(Junction−Barrier Schottky、JBS)ダイオードを実装してもよい。半導体デバイスに逆電圧が印加されると、n部分200とp部分180との間の界面において形成される空乏領域が、デバイスのショットキー接触から生じ得るリーク電流を挟んで狭める。したがって、このようなジャンクション・バリア・ショットキー・ダイオードは、低減されたリーク電流を有する。このようなJBSはスイッチモード電源内で好適に用いることができる。
【0023】
さらなる実施形態によれば、半導体デバイス1はマージドPINショットキー(MPS)ダイオードを実装してもよい。図1CはこのようなマージドPINショットキーダイオードの断面図を示す。MPSはJBSと同様の構成要素を含み、これらの構成要素は、JBSの対応する構成要素と同じ参照符号を有する。具体的には、MPSのp部分185は、n部分175内に順方向に小数キャリアを注入するように構成される。例えば、p部分185は高ドーピング濃度、例えば1019〜1020cm−3、でドープされてもよい。
【0024】
図1Dは半導体デバイスのさらなる例を示す。図示されているように、半導体デバイス1は、2eVよりも大きく、かつ10eVよりも小さいバンドギャップを有する半導体材料を含む半導体本体101と、半導体本体101の第1の表面110と接触する接触層130であって、接触層130は金属窒化物を含む、接触層130と、を含む。接触層130は第1の負荷端子240に電気接続される。半導体本体101と接触層130との間に非オーミック接触が形成される。半導体本体101の第2の表面115は第2の負荷端子250に電気接続される。第2の表面115は第1の表面110の反対側にある。
【0025】
例えば、接触層130はドープ部分120と接触してもよい。一実施形態によれば、半導体本体101は高濃度にn型にドープされてもよく、n導電型のものであってもよい。ドープ部分120は、n型ドーパントのより低濃度における、n導電型のものであってもよい。
【0026】
例えば、図1Dに示される半導体デバイスは、ショットキーダイオード、またはショットキーダイオード関連デバイスを実装してもよい。この場合には、第1の負荷端子240はアノード端子であってもよく、第2の負荷端子250はカソード端子であってもよい。半導体デバイスの異なる実装形態に従属して、例えば、MOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)またはJFET(junction field effect transistor、接合型電界効果トランジスタ)の場合には、第1の負荷端子240はソース端子であってもよく、第2の負荷端子250はドレイン端子であってもよい。さらなる例によれば、例えば、IGBT(insulated gate bipolar transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)の場合には、第1の負荷端子240はエミッタ端子であってもよく、第2の負荷端子250はコレクタ端子であってもよい。
【0027】
半導体デバイスは活性領域181と接合端子区域182とを含んでもよい。活性領域181内において、接触層130は半導体本体101と接触する。接合端子区域182は機能および構造に関して活性領域181と異なる。より具体的に言うと、活性領域181内においては、半導体デバイスの負荷端子、例えば、アノード端子は電流導通の目的のために半導体本体に電気接続される。対照的に、接合終端区域の目的は、半導体デバイス1の周辺における電界ピークを低減するためのエッジ終端である。接合終端区域の典型的な構造要素は、例えば、フィールドプレート、フローティングガードリングもしくはリングセグメントなどのリング構造、接合終端拡張(junction termination extension、JTE)構造、および横方向ドーピング変形(variation of lateral doping、VLD)構造のうちの1つ以上を含む。
【0028】
図2Aは、オーミック接触の電流−電圧特性の一例を示す。図から分かるように、電流は印加電圧に対してほぼ比例する。電圧と電流との比は接触の抵抗として表される。
【0029】
他方では、図2Bに示されるように、非オーミック接触を横切る場合、電流は電圧に対して比例する必要はない。むしろ、図から分かるように、図2Bに示されるチャートの左側では、印加される電圧と無関係に、電流はほとんど流れていなくてもよい。さらに、正電圧を印加すると、電流は非線形的に増大してもよい。電流が印加電圧に対して非線形である任意の種類の電流−電圧特性は、非オーミック接触を確立するものと見なされてもよい。例えば、接触は、逆方向の低電圧が印加されると、少量の電流、すなわち、逆方向飽和電流のみが流れる、例えば、pn接合またはショットキー接合などの整流接触であってもよい。より高い電圧が逆方向に印加されると、降伏電流が流れてもよい。
【0030】
本明細書の文脈では、用語「非オーミック接触」は、非線形電流−電圧特性を有する任意の種類の接触を表現すると理解される。さらなる変更によれば、用語「整流接触」は、逆方向の電圧が印加されると、電流はごくわずかしか流れないか、または全く流れず、電流は印加電圧に対して比例しない、任意の種類の接触を表現すると見なされる。
【0031】
図3は、整流金属半導体接合のエネルギーバンド図の一例を示す。図3の右側は半導体材料内のエネルギーバンド図を示す。ここで、Wは伝導帯のエネルギー準位を表し、Wは価電子帯のエネルギー準位を表し、Wは半導体材料のフェルミ準位を表す。伝導帯のエネルギー準位Wと価電子帯のエネルギー準位Wとの差ΔWは半導体材料のバンドギャップを表す。図3のエネルギーバンド図の左手部分は金属の仕事関数q x φを示す。金属および半導体材料が接合を形成すると、金属Wのフェルミ準位と半導体材料の価電子帯との間の界面において電位障壁が発生される。電位障壁の高さq x φは接触の「ショットキー障壁」とも呼ばれる。
【0032】
概して、広いバンドギャップを有する半導体材料を含むショットキー接触は、用いられる接触金属の仕事関数およびショットキー障壁のために、大きな順電圧降下を有する。説明されている実施形態によれば、金属窒化物を含む接触層を選択することによって、ショットキー障壁の高さは調整されてもよい。具体的には、金属窒化物の窒素含有量を変更することによって、金属の仕事関数は好適に定められてもよい。結果として、ショットキー障壁、およびそれゆえ順電圧降下は、金属窒化物の窒素含有量を定めることによって定められてもよい。例えば、金属窒化物の窒素含有量は10at%よりも多く、かつ50at%よりも少なく、より具体的には、38〜45at%であってもよい。例えば、窒素含有量は、オージェイオン分光法、二次イオン質量分析法(secondary ion mass spectroscopy、SIMS)またはX線光電子分光法(X−Ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)を用いて判定されてもよい。
【0033】
半導体デバイスは、ショットキーダイオード、マージドpnショットキーダイオード、JFET、MESFET、組み込みフライバックダイオード、整流器、インバータおよび電源からなる群から選択されてもよい半導体構成要素であってもよい。
【0034】
図4は、金属窒化物を含む接触層が内部で形成されてもよいスパッタ処理装置の反応チャンバを示す。半導体基板430が、回転可能な台440上に配設されてもよい。スパッタターゲット410が支持要素415に取り付けられてもよい。ターゲットは、金属窒化物を形成する金属を含んでもよい。例えば、ターゲットは、モリブデン、チタン、タンタル、およびタングステンからなる群から選択される金属で作られてもよい。さらに、ターゲット410はこれらの金属の組み合わせを含んでもよい。チャンバ400は、アルゴンなどのプラズマ生成用不活性ガスが反応チャンバ内に送り込まれてもよいガス注入口420を含む。さらに、注入口420を介して窒素(N)が送り込まれてもよい。点火後に、プラズマ窒素が、ターゲット410の原子と反応する反応ガスとなる。スパッタリング装置に電界ならびに磁界が印加されてもよい。スパッタリング方法のさらなる詳細は広く知られている。
【0035】
一実施形態によれば、窒素の分圧を定めることによって、堆積された金属窒化物層内の窒素の含有量が決定されてもよい。これによって接触層の仕事関数が変更されてもよいことは示した。例えば、炭化ケイ素層と接触するMo金属の障壁の高さは0.94eV〜1.12eVであってもよい。例えば、スパッタリングチャンバ内の全圧は4〜15mTorrであってもよい。窒素(N/(N+Ar))の分圧は0.1〜1.0であってもよい。
【0036】
以上において本発明の実施形態を説明したが、さらなる実施形態が実施されてもよいことは明らかである。例えば、さらなる実施形態は、請求項に記載されている特徴の任意のサブコンビネーション、または上述の例において説明された要素の任意のサブコンビネーションを含んでもよい。したがって、添付の請求項のこの趣旨および範囲は、本明細書に含まれている実施形態の説明に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0037】
1 半導体デバイス
100、120、180、200 半導体材料
101、201 半導体本体
110 第1の表面
115 第2の表面
130 接触層
180 ドープ部分
240 第1の負荷端子
250 第2の負荷端子
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4