(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231071
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】冷却式の壁
(51)【国際特許分類】
F01D 5/18 20060101AFI20171106BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20171106BHJP
F02C 7/18 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
F01D5/18
F01D9/02 102
F02C7/18 C
F02C7/18 A
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-500938(P2015-500938)
(86)(22)【出願日】2013年3月21日
(65)【公表番号】特表2015-511679(P2015-511679A)
(43)【公表日】2015年4月20日
(86)【国際出願番号】EP2013055985
(87)【国際公開番号】WO2013139938
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2016年3月11日
(31)【優先権主張番号】12160876.4
(32)【優先日】2012年3月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ シュチュキン
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト マルミリッチ
【審査官】
山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−274001(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0226791(US,A1)
【文献】
米国特許第05695320(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/18
F01D 9/02
F02C 7/18
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却流(14)からガスタービンの高温ガス流路を分離するための、冷却式の壁(1,2)であって、冷却される壁(5)から冷却流(14)内に向かって延びる、少なくとも1つの乱流体リブ(5)を有しており、該乱流体リブ(5)は、該乱流体リブ(5)の根元にフィレットを有しているものにおいて、
前記乱流体リブ(5)の少なくとも一方の側におけるフィレットは、該フィレットが形成される前の冷却式の壁(1,2)の原形に対して、該冷却式の壁(1,2)の内部に向かって延びていて凹所を形成しており、該凹所は前記乱流体リブ(5)に隣接する冷却式の壁(1,2)の厚さを局所的に減少させることを特徴とする、冷却式の壁。
【請求項2】
少なくとも、運転中の前記冷却流(14)に関して前記乱流体リブ(5)の下流側にある前記フィレットは、前記冷却式の壁(1,2)の内部に向かって延びている、請求項1記載の冷却式の壁。
【請求項3】
前記冷却式の壁(1,2)の内部に向かって延びている前記フィレットと、後続の乱流体リブ(5)の開始部との間の移行部は、直線状である、請求項1又は2記載の冷却式の壁。
【請求項4】
前記冷却式の壁(1,2)の内部に向かって延びている前記フィレットと、後続の乱流体リブ(5)の開始部との間の移行部は、前記フィレットの曲率よりも小さな曲率で曲げられている、請求項1又は2記載の冷却式の壁。
【請求項5】
前記乱流体リブ(5)の両側に、側壁(1,2)の内部に向かって延びるフィレットが設けられている、請求項1から4までのいずれか1項記載の冷却式の壁。
【請求項6】
前記冷却式の壁(1,2)の内部に向かって延びる前記フィレットと、完全な壁厚(t)を有する隣接する壁区分との間の移行部は、直線状である、請求項5記載の冷却式の壁。
【請求項7】
前記冷却式の壁(1,2)の内部に向かって延びる前記フィレットと、完全な壁厚(t)を有する隣接する壁区分との間の移行部は、フィレットの曲率よりも小さな曲率で曲げられている、請求項5記載の冷却式の壁。
【請求項8】
前記フィレットは、半径(R1)を有しており且つ該フィレット半径(R1)の0.5〜1.5倍の侵入深さ(δ)で前記冷却式の壁(1,2)の内部に向かって侵入している、請求項1から7までのいずれか1項記載の冷却式の壁。
【請求項9】
前記側壁(1,2)の内部に向かって延びている前記フィレットの侵入深さ(δ)は、前記フィレット半径(R1)よりも小さい、請求項1から7までのいずれか1項記載の冷却式の壁。
【請求項10】
前記側壁(1,2)の内部に向かって延びている前記フィレットの侵入深さ(δ)は、前記壁厚(t)の1/4未満である、請求項1から9までのいずれか1項記載の冷却式の壁。
【請求項11】
前記乱流体リブ(5)は、幅(w)を有しており、少なくとも2つの乱流体リブ(5)が、2つの後続の乱流体リブ(5)の間に間隔(L)を置いて配置されており、前記乱流体リブ幅(w)は、2つの後続の乱流体リブ(5)の間の間隔(L)の5%〜20%である、請求項1から10までのいずれか1項記載の冷却式の壁。
【請求項12】
前記冷却式の壁(1,2)は、高温ガス流路から冷却流路(4)を分離する冷却アセンブリの側壁(1,2)であり、乱流体リブの高さ(h)は、前記冷却流路(4)の高さ(H)の5%〜20%である、請求項1から11までのいずれか1項記載の冷却式の壁。
【請求項13】
前記乱流体リブ(5)は、前記冷却式の壁(1,2)の一体部分であり且つ/又は前記冷却式の壁(1,2)と前記乱流体リブ(5)とは、1体の鋳造部品である、請求項1から12までのいずれか1項記載の冷却式の壁。
【請求項14】
前記冷却式の壁(1,2)は、翼(3)の側壁(1,2)であり、前記翼(3)は、第1の側壁(1)と、対向する第2の側壁(2)とを有しており、これらの第1及び第2の側壁は、前縁と後縁とにおいて互いに結合されていて、根元部から先端部まで長手方向に延びており、前記翼(3)は内部冷却流路(4)を有しており、該内部冷却流路(4)は、前記翼(3)を冷却する冷却媒体を案内するために、前記第1及び第2の側壁(1,2)間で長手方向に延びている、請求項1から13までのいずれか1項記載の冷却式の壁。
【請求項15】
前記冷却式の壁(1,2)は、ガスタービンの高温ガス通路内に設けられたヒートシールドであるか、又はガスタービンのバーナ又は燃焼室の側壁である、請求項1から13までのいずれか1項記載の冷却式の壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱伝達を高めるための乱流体を備えた冷却式の壁に関する。
【0002】
背景技術
従来型のガスタービンでは、圧縮機が空気を加圧し、加圧された空気は燃焼器に案内されて燃料と混合され、燃焼ガスを発生させるために点火される。燃焼ガスは、燃焼器の下流側に配置されたタービンに流入する。タービンは、圧縮機及び発電機を駆動するために、エネルギを高温燃焼ガスから取り出す。
【0003】
従来型のタービンは、典型的には反応によって燃焼ガスからエネルギを取り出す静翼と動翼の1つ又は複数の段を有している。燃焼器、動翼及び静翼は、ガスタービンエンジンにおける許容可能な寿命を与えるために、圧縮機により加圧された空気の一部によって、典型的には空冷される。しかしながら、高温ガス通路部材(燃焼器、動翼、静翼等)を冷却するために利用される圧縮空気の如何なる部分も、燃焼のためには利用することができず、このことはエンジンの全体効率及び出力を低下させる。よって、高温ガス部材の比較的長い耐用年数の獲得と矛盾することなしに、高温ガス通路部材、特に動翼及び静翼の冷却において、可能な限り少量の圧縮空気を使用することが望ましい。このことは、典型的には細長い乱流体リブのような、熱伝達を高める要素を高温ガス通路部材の冷却側に供給することにより成し遂げられる。
【0004】
例えば燃焼ガスが流れる翼部分のような、ガスタービンエンジン高温ガス通路部材は、典型的には冷却空気を案内するための内部通路を備えた冷却側壁を有している。本明細書で用いられる高温ガス通路部材という用語は、バーナ壁、燃焼器壁又はライナ、並びに動翼又は静翼のような、高温燃焼ガスが流れるガスタービンエンジン流路内に配置されたあらゆる要素を意味する。動翼又は静翼は、以下の説明では、単にブレードと云う。
【0005】
典型的には冷却される翼内で使用される乱流体リブは、通常、ブレード鋳造部分として形成されていて、冷却空気が案内されるブレードの内部冷却通路の内側に向かって突出している。リブは、内面から剥離され且つリブの下流側で再び付着させられる冷却空気境界層を剥離又は崩壊させることにより、ブレードの内面に沿った対流熱伝達率を向上させる。前記熱伝達率の向上は通常、リブによりもたらされる対流熱伝達率を、乱流体リブを有さない平滑面上での対流熱伝達率によって除したものと定義され、後者の値の数倍に達する値を有している。典型的には、他の高温ガス通路部材のリブも、例えば鋳造中に高温ガス通路部材の部分として一体的に成形される。
【0006】
熱伝達率の向上は通常、内部通路の内側に向かうリブの高さ又は突出量、内部通路の対向する壁間の距離、及びリブ間の長手方向距離又は間隔に関係する。典型的な乱流体リブは、冷却流の方向に対して垂直に配置されたリブ、冷却空気流の方向に対して傾斜したリブ、及び内部通路の対向する壁に、長手方向に見て一列に又は互いにずらされて配置されたリブ、を含んでいてよい。
【0007】
乱流体リブは、局所的に増大された熱伝達率向上をもたらし、このことは、各個別のリブの下流側の値を急速に低下させる。冷却される壁面に沿って概ね均一な冷却向上を得るために、リブは、典型的にはそれぞれ構成、高さ又は内部通路の内側に向かう突出量、及び長手方向間隔において同一である。
【0008】
種々様々な従来型の乱流体リブに基づき、熱伝達率が向上する量はそれぞれ異なっていることに加え、これに付随して圧力損失が生ぜしめられる。リブは、内部通路の内側に向かって突出し且つ内部通路を通流する冷却空気の自由流れを部分的に遮断するため、冷却空気の流れに対する抵抗を生ぜしめており、その結果、圧力損失が生ぜしめられる。より高いリブの方が一般に熱伝達率向上を増大させるが、これに付随して圧力低下も増大してしまう。よって、乱流体リブの効果は、有効な熱伝達率向上を、これに付随する望ましくないレベルの圧力損失無しでもたらす能力によって評価されねばならない。
【0009】
冷却を向上させるための従来型の理想的な乱流体リブを備えた冷却式の壁1,2の一部が
図2に示されている。冷却式の壁1,2は、壁厚さtを有している。高温側15の表面は平滑であり、乱流体リブ5は冷却流14内に延びる高さhと幅wとを有している。理想的な乱流体リブは、熱伝達を良好に向上させるために、その先端部及び根元に鋭角の角隅部を有している。乱流体リブは、間隔pをおいて離されている。
【0010】
図2に示した理想的な乱流体リブが熱伝達を良好に向上させるとしても、その形状は通常、実際的な理由から実現され得ない。鋭角部の製造は通常、機械加工を必要とする。しかしながら、ガスタービンの高温ガス部材の多くは鋳造品であることから、最低限の半径が要求される。更に、高温ガス部材は、典型的にはコーティングされる。コーティング材料は、鋭い角隅部を平滑にして、あらゆるカーブ形状の半径を増大させる傾向がある。実際には、乱流体リブ5を備えた冷却式の壁1,2は、
図2に示した理想的な形状からは解離していて、乱流体リブ5は、丸み付けられた角隅部を有している。
図3には、冷却向上のために、実際の従来型の乱流体リブ5を備えた冷却式の壁1,2の一部が示されている。乱流体5の根元は、半径R1を有するフィレットを備えて形成されており、先端部は、半径R2で丸み付けられている。
【0011】
開示の要約
本開示の一つの側面は、高温ガス流路を冷却流路から分離する、ガスタービン用の冷却式の壁を提案することにある。この冷却式の壁は、乱流体リブの丸み付けられた先端部の輪郭と根元のフィレットとによる乱流体リブの冷却効率の損失を、少なくとも部分的に補償する。更に、翼の側壁、ヒートシールド、バーナ又は燃焼室を形成するこのような冷却式の壁が、開示の対象となる。本開示の付加的な構成は、従属請求項に記載されている。
【0012】
このような、ガスタービン内の高温ガス流を冷却流路から分離するための冷却式の壁は、壁から冷却通路の内側に向かって延びる、少なくとも1つの乱流体リブを有している。乱流体リブは更に、この乱流体リブの根元における、フィレット半径を有するフィレットと、先端部半径を有する、先端部における典型的には丸み付けられた角隅部とを有している。第1の構成において、乱流体リブの少なくとも一方の側におけるフィレットは、冷却式の壁の内部に向かって延びている。フィレットは、典型的には所定の半径を有していて、冷却式の壁に凹所を形成している。フィレット又は凹所は、リブに隣接する壁の厚さを局所的に減少させる。フィレットは、リブの一方の側から冷却式の壁までの、平滑な移行部を形成しており、リブの前記一方の側は、典型的には冷却式の壁に対して垂直になっている。フィレットは、弧の形状を有していてよい。この弧の中心角は、90°よりも大きい。典型的には、弧は円弧である。弧の一方の端部は、リブの一方の側に対する接線である。弧の他方の端部は、側壁の高温側から離間する方向に向けられた角度で傾斜されている。
【0013】
提案した、リブに隣接する平滑な弧を形成するフィレットによる壁厚さの局所的な減少は、ブレードの結合性を保つと共に、圧力損失の目立った増大をもたらすことはない。乱流促進体の高さは最適に選択され、製造プロセス(鋳造、コーティング)の不備が避けられる。1つの構成では、フィレットによる壁厚さの局所的な減少は、隣接する2つのリブ間の間隔の50%にまで至る。別の構成では、フィレットによる壁厚さの局所的な減少は、隣接する2つのリブ間の間隔の20%にまで至る。
【0014】
フィレットは、更なる熱伝達向上のために、所定の侵入深さで冷却式の壁の内部に向かって延びている。
【0015】
運転中、冷却流は冷却流路を通流する。1つの構成では、運転中の冷却流に対して乱流体リブの下流側にあるフィレットは、冷却式の壁の内部に向かって延在している。
【0016】
典型的には、冷却流は、冷却式の壁の表面に対して平行な主方向に流れる。
【0017】
別の構成では、冷却式の壁の内部に向かって延びるフィレットと、冷却式の壁の、後続の乱流体リブの開始部との間の移行部は、直線状である。
【0018】
択一的な構成において、側壁の内部に向かって延びるフィレットと、後続の乱流体リブの開始部との間の移行部は、フィレットの曲率よりも小さな曲率で曲げられている。
【0019】
付加的に、乱流体リブの上流側で冷却式の壁の内部に向かって延びているフィレットが、更なる熱伝達向上のために設けられてよい。つまり、乱流体リブの両側に、側壁の内部に向かって延びるフィレットが設けられてよい。
【0020】
上流側のフィレットは、所定の侵入深さで、冷却式の壁の内部に向かって延在している。
【0021】
1つの構成では、侵入深さは、フィレットの両側で同じであってよい。
【0022】
乱流体リブの上流側と下流側とにおいて、側壁の内部に向かって延在するフィレットを備えた冷却式の壁は、側壁の内部に向かって延びているフィレットと、完全な壁厚を有する隣接する壁区分との間に移行領域を有している。1つの構成では、この移行部は直線状である。択一的な構成では、前記移行部は、フィレットの曲率よりも小さな曲率で曲げられている。
【0023】
乱流体リブによって生ぜしめられる乱流の増大に加え、更に側壁の内部に向かって延びているフィレットは、熱伝達のための有効表面をも増大させる。よって、フィレットは熱伝達率と、有効熱伝達面積とを増大させる。乱流体リブの丸み付けられた先端部と、根元のフィレットの不都合な影響を補償するために、フィレットは、冷却式の壁の内部に向かう最低限の侵入深さを必要とする。しかしながら、深い侵入は、壁の機械的な強度を低下させしまうので、侵入深さは制限されている。1つの構成では、冷却式の壁の内部に向かうフィレットの侵入深さは、フィレット半径の0.5〜1.5倍である。別の構成では、侵入深さはフィレット半径よりも小さくなっている。
【0024】
更に別の構成では、侵入深さは、冷却式の壁の厚さに直接に関係している。この場合、侵入深さは、壁厚さ(t)の1/4に制限されている。より具体的な構成では、侵入深さは、冷却式の壁の厚さの2%〜20%の範囲に制限されている。
【0025】
乱流体リブを備える冷却式の壁の内部に向かって延びるフィレットの相互作用は、乱流体の先端部の幅、高さ及び後続の乱流体リブの間の間隔に左右される。顕著なポジティブな効果を奏するために、後続の乱流体リブの間の間隔に対する乱流体の先端部の幅の比は、大きすぎるべきではない。更に、乱流体間には最低限の間隔が必要とされる。好適には、乱流体の先端部の幅は、2つの後続の乱流体リブの間の間隔の5%〜20%である。
【0026】
1つの構成では、冷却式の壁は、高温ガス流路から冷却流路を分離する冷却アセンブリの冷却式の壁として構成されている。冷却流路内に延在するフィレットは、乱流体リブの高さが、隣接する冷却流路の高さの5%〜20%である場合に、乱流体リブの効果を最も良く増大させる。
【0027】
1つの構成では、乱流体リブは、冷却式の壁の一体部分である。典型的には、側壁と乱流体リブとは、一体に鋳造されている。
【0028】
本開示の対象となるものは、冷却式の壁自体の他にも、冷却式の壁の特定の応用がある。
【0029】
特定の構成では、乱流体リブを備えた冷却式の壁は、翼の側壁として構成されている。翼は、第1の側壁と、対向する第2の側壁とを有しており、第1及び第2の側壁は、前縁と後縁とにおいて互いに結合されていて、根元から先端部まで、長手方向に延びている。翼は更に、内部冷却流路を有しており、この内部冷却流路は、前記第1及び第2の側壁間で長手方向に延びていて、翼を冷却するための冷却媒体を案内する。翼自体は、タービンブレードの部品である。
【0030】
択一的な構成では、冷却式の壁は、ガスタービンの高温ガス通路内のヒートシールドとして構成されているか、ガスタービンのバーナ又は燃焼器の側壁として構成されている。
【0031】
付加的に、冷却式の壁は、冷却流路側に表面コーティングを有していてよい。典型的には、このような表面コーティングは、酸化防止コーティングとして構成されている。
【0032】
冷却される部材の高温ガス通路側は、典型的には断熱コーティングで被覆されている。
【0033】
以下に、添付の図面に基づき本開示、その性質並びにその利点をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】圧縮機と、燃焼器と、タービンとを有するガスタービン制御システムの一例を示す図である。
【
図2】冷却を向上させるための従来型の理想的な乱流体リブを備える冷却式の壁の一部を示した図である。
【
図3】冷却を向上させるための従来型の実際の乱流体リブを備える冷却式の壁の一部を示した図である。
【
図4】冷却を向上させるために乱流体リブの下流側で冷却式の壁の内部に向かって延びているフィレットを備えた乱流体リブの典型的な実施形態の一部を示した図である。
【
図5】乱流体リブの下流側で冷却式の壁の内部に向かって延びているフィレットと、乱流体リブの上流側で冷却を向上させるために冷却式の壁の内部に向かって延びているフィレットとを備えた乱流体リブの典型的な実施形態の一部を示した図である。
【
図6】内部冷却ダクトと、側壁に設けられた乱流体リブとを備えた翼の典型的な断面図である。
【
図7】ガスタービン翼の側壁に設けられた乱流体リブの典型的な配置を示す図である。
【0035】
詳細な説明
同一の、又は機能的に同一の要素には、同じ符号が用いられる。記載された値及び寸法は例示された値に過ぎず、このような寸法又は実施形態に限定されるものではない。
【0036】
図1にはガスタービン10の一例が示されている。圧縮機8が、流入空気6を加圧する。圧縮された空気は燃焼器9に案内されて、燃料12と混合され、燃焼ガスを発生させるために点火される。燃焼ガスは、燃焼器9の下流側に配置されたタービン11に流入する。タービン11は、圧縮機及び発電機13を運転するためのエネルギを、高温の燃焼ガスから取り出す。排出ガス7の熱は、典型的には引き続き、後続のHRSG(heat recovery steam generator/排熱回収ボイラ)において、水蒸気サイクル用の蒸気を発生させてプロセス熱を得るために使用される(図示せず)。例えばバーナ壁、ライナ、ヒートシールド等の、高温燃焼ガスの流路を包囲する部材の壁、並びにタービン11内の高温ガスに晒されるブレードは、典型的には冷却空気又は蒸気等の冷却媒体で冷却される。冷却側の熱伝達を高めるためには、乱流体リブを用いることができる。
【0037】
図4には、フィレットを備えた乱流体リブ5の典型的な実施形態の一部が示されており、フィレットは、冷却向上のために、乱流体リブ5の下流側で、冷却式の壁1,2の内部に向かって延びている。フィレットが形成される前の冷却式の壁1,2の原形は、破線で示されている。半径R1を有するフィレットは、冷却式の壁の内部に侵入深さδで侵入しており、これにより、少なくとも部分的に、丸み付けられた先端角隅部及びフィレットのネガティブな影響は補償されている。本実施形態では、冷却式の壁1,2の内部に向かって延びているフィレットの基部から、後続の乱流体リブ5の開始部までの間に、直線状の移行部が示されている。即ち、曲率半径R3は無限大である。有限の半径を有する曲率も考えられるか、或いは1つの移行部において曲線区間と直線区間の組み合わせを用いてもよい。
【0038】
図5には、乱流体リブ5の第2の典型的な実施形態の一部が示されている。この実施形態では、1つのフィレットは冷却向上のために乱流体リブ5の下流側で冷却式の壁1,2の内部に向かって延びており、且つ1つのフィレットは冷却向上のために乱流体リブ5の上流側で冷却式の壁1,2の内部に向かって延びている。図示の実施形態において半径R1を有する両フィレットは、侵入深さδまで、冷却式の壁1,2の内部に侵入している。フィレットは、90°よりも大きな中心角Φを有する弧の形状を有している。フィレットが形成される前の冷却式の壁1,2の原形は、破線で示されている。本実施形態では、冷却式の壁1,2の内部に向かって延びるフィレットの基部から、冷却式の壁1,2の本来の壁の厚さまで移行している移行部が示されている。この移行部は、直線区間を有しており、この直線区間には、有限の半径R3を有する曲線部が続いている。
【0039】
図6には、翼3の典型的な断面図が示されている。翼3は、第1の側壁1と、対向する第2の側壁2とを有しており、第1及び第2の側壁1,2は、前縁と後縁とにおいて互いに結合されていて、根元から先端部まで、長手方向に延びている。翼3は更に、内部冷却流路4を有しており、この内部冷却流路4は、前記第1及び第2の冷却側壁1,2の間で長手方向に延びていて、翼3を冷却するための冷却流14を案内する。内部冷却流路4は、第1の冷却側壁1と第2の冷却側壁2とに乱流体リブ5を有している。
【0040】
図7(
図6のA−Aに沿った長手方向断面図)には、ガスタービン翼3の冷却側壁2に設けられた乱流体リブ5の典型的な配置が示されている。翼3は、第1の冷却側壁1と第2の冷却側壁2との間で長手方向に延びていて、翼3を冷却するための冷却流路4に冷却媒体を案内する複数の内部通路を有している。より詳細には、冷却媒体としての冷却空気は、通常、ガスタービン10(
図1)の圧縮機8からブレードの根元を通って上昇し、翼3内へ案内される。図示の典型的な実施形態における冷却流路4は、根元から上方に向かって翼3を貫通して先端部まで延びる前縁通路と、根元から上方に向かって翼3を貫通して先端部まで延びる蛇行通路とを有している。この蛇行通路内で、冷却流は、戻し通路内へ180°方向転換されて、長手方向下方に向かって流れる。付加的に、図示の翼は先端部まで延びる後縁通路を有している。本実施形態では、乱流体リブ5は最初の3つの冷却通路内に配置されている。乱流体リブ5の異なる可能な断面B−B及びC−Cの例は、従来型の理想的な乱流体リブについては
図2に、及び従来型の実際の乱流体リブについては
図3に、典型的な実施形態については
図4及び
図5に示されている。
【0041】
このように、当業者は本発明の思想又は本質的な特徴から逸脱することなく、本発明を別の形態で構成することができる。したがって、ここで開示した構成は、全ての点において例示したものであるに過ぎず、これに限定されるものではない。本開示の範囲は、上述した説明ではなく、添付請求項によって示されており、意味及び範囲及び均等範囲におけるあらゆる変更が含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1,2 冷却式の壁、 3 翼、 4 冷却流路、 5 乱流体リブ、 6 流入空気、 7 排出ガス、 8 圧縮機、 9 燃焼器、 10 ガスタービン、 11 タービン、 12 燃料、 13 発電機、 14 冷却流、 15 高温側、 h 乱流体リブの高さ、 H 冷却流路の高さ、 P 間隔、 R1 フィレットの半径、 R2 乱流体先端角隅部の半径、 R3 曲線接続部の半径、 w 乱流体リブの幅、 δ 侵入深さ