(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231079
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】金属が充填されたビアを有するセラミック基板からなるセラミックプリント基板を製造する方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/40 20060101AFI20171106BHJP
C25D 7/00 20060101ALI20171106BHJP
C25D 5/20 20060101ALI20171106BHJP
H05K 3/18 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
H05K3/40 K
C25D7/00 J
C25D5/20
H05K3/18 G
【請求項の数】6
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2015-509420(P2015-509420)
(86)(22)【出願日】2013年4月30日
(65)【公表番号】特表2015-520944(P2015-520944A)
(43)【公表日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】EP2013059012
(87)【国際公開番号】WO2013164348
(87)【国際公開日】20131107
【審査請求日】2016年3月2日
(31)【優先権主張番号】102012207283.7
(32)【優先日】2012年5月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511004645
【氏名又は名称】セラムテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】CeramTec GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー イェーニヒ
【審査官】
内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−077496(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/000360(WO,A1)
【文献】
特開2011−238772(JP,A)
【文献】
特開2004−300462(JP,A)
【文献】
特開2004−103798(JP,A)
【文献】
特表2012−531728(JP,A)
【文献】
米国特許第06093443(US,A)
【文献】
特開2004−259795(JP,A)
【文献】
特開2006−111896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/11
H05K 3/10 〜 3/26
H05K 3/38 〜 3/42
C25D 5/00 〜 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属が充填されたビアを有するセラミック基板からなるセラミックプリント基板を製造するための方法において、
・前記ビアを有するセラミック基板の片側に、スクリーン印刷によって平坦な銅被覆を被着させ、
前記スクリーン印刷によって前記銅被覆を被着させた後、
・前記銅被覆を、めっきレジストによって部分的に覆い、
・次いで、前記ビアを、セラミック側から電気めっき工程によって銅浴内で銅を析出させることによって充填し、それと同時に、前記めっきレジストが載置されていない露出した部分を、層厚さ50乃至100μmまで強化し、
・その後、前記めっきレジストを再び化学的に除去し、前記めっきレジストが載置されていた、前記スクリーン印刷が施されている強化されていないより薄い部分を溶解する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記スクリーン印刷が施された部分を、HCl+FeCl3からなる混合物によって溶解する、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ビアの直径は、50乃至5000μmである、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記ビアを、レーザによって設ける、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
前記電気めっき工程時に、前記セラミック基板のセラミック側を、銅浴内で、めっき槽に取り付けられた陽極に向かって回転させ、電解質で洗浄する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
振動及び/又は超音波を使用することによって、めっき槽における物質移動を改善する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属が充填されたビアを有するセラミック基板からなるセラミックプリント基板を製造する方法に関する。
【0002】
従来技術においては、完全に金属が充填されたビア(直径約100〜300μm)を有するセラミックプリント基板は、セラミック基板に設けられたビアを、メタルマスクを用いて繰り返し充填し、約100μmを超えるまでスクリーン印刷、焼き付け、めっき強化を行うことにより平面金属被覆を形成することによって製造することができる。1回の充填工程(ビアフィル工程)では、銅ペーストによってビアを完全に充填することはできない。
【0003】
本発明の基礎となる課題は、請求項1の上位概念に記載の方法を改善して、1回の充填工程でビアを充填できるようにすることである。
【0004】
本発明の課題は、
・ビアを有するセラミック基板の片側に、スクリーン印刷によって平坦な銅被覆を被着させるか、又は、DCB/DBC法によって100〜300μmの銅箔を接合させ、
・前記ビアを、セラミック側から電気めっき工程によって銅浴内で銅を析出させることによって充填する、
ことによって解決される。
【0005】
銅被覆又は銅箔を被着させることによって、電圧を印加することができる。この場合には、銅被覆又は銅箔がビアの片側を覆うように注意すべきである。その後の電気めっき工程では、銅被覆又は銅箔に対して銅浴内で電圧が印加され、セラミック側からビアが充填される。セラミック側というのは、銅被覆又は銅箔を有する側とは反対の側を意味する。この方法によれば、ビアを1回の充填工程で充填することが可能となる。
【0006】
以下、本発明の方法の2つの実施形態について説明する。
【0007】
第1の実施形態においては、スクリーン印刷によって銅被覆を被着させた後、この銅被覆をめっきレジストによって部分的に覆い、次いで、ビアを、電気めっき工程によって銅浴内で充填し、それと同時に、めっきレジストが載置されていない露出した部分を層厚さ50〜100μmまで強化し、その後、めっきレジストを再び化学的に除去し、めっきレジストが載置されていた、スクリーン印刷が施されている強化されていないより薄い部分を溶解する。このようにして、任意の厚さを有する任意の金属被覆を製造することができる。ビアは、銅によって完全に充填されている。
【0008】
第2の実施形態においては、銅箔を接合させてビアを充填した後、場合によって突出している銅のバリを、例えばブラッシング、ラッピング、又は、研磨等によって機械的に除去し、その後、DCB/DBC法によってセラミック基板が完成される。この方法ステップによっても、任意の厚さを有する任意の金属被覆を製造することができる。ビアは、銅によって完全に充填されている。
【0009】
第1の実施形態において、好ましくは、スクリーン印刷が施された部分は、HCl+FeCl
3からなる混合物によって溶解される。
【0010】
ビアの直径は、好ましくは50〜5000μmであり、好ましくはレーザによって設けられる。
【0011】
本発明の1つの発展形態においては、電気めっき工程時に、セラミック基板のセラミック側が、銅浴内で、めっき槽に取り付けられた陽極に向かって回転され、電解質で洗浄される。これによって、ビアの充填は格段に改善される。
【0012】
振動及び/又は超音波を使用することによって、めっき槽内における物質移動が改善される。
【0013】
つまり、本発明の第1の実施形態では、例えばレーザによって前もってビアが開孔されたセラミック基板の片側に、スクリーン印刷によって銅被覆が被着される。しかしながらこの銅被覆は、制御不能にビアの中に押し込まれる。被覆の厚さは、焼き付け後には通常は6〜12μmである。ビアは、縁部が金属被覆されているが、気密には封止されていない。その後、銅被覆が、めっきレジストによって部分的に覆われる。めっきレジストとは、めっきレジストが覆う表面箇所におけるめっきの析出を阻止するために、金属被覆又は銅箔の上に被着される材料である。
【0014】
めっきレジストを被着させた後、セラミック基板が銅浴の中に沈められる。銅浴において、電気めっき工程によって銅を析出させることによりビアを成長させることができ、(めっきレジストが載置されていない)露出した部分を、層厚さ50〜100μmまで強化することができる。その後、めっきレジストが再び化学的に除去(溶解)される。スクリーン印刷された薄い部分は、例えばHCl+FeCl
3からなる混合物によって溶解される。金属被覆のより厚い部分は、ほんの僅かしか薄くならない。比較的価値の高い製品の場合には、めっきが施されたレイアウトを、レジストを剥離する前に錫めっき又はフォトレジストによって保護することができる。
【0015】
本発明の第2の実施形態は、あらゆる形式及び厚さを有するセラミック基板にレーザによってビアを開孔し、セラミック基板の片側をDCB/DBC法によって100〜300μmの銅箔で被覆することである。その後、ビア(直径50〜5000μm)を、上に説明した方法によって充填することができる。充填後、突出している銅のバリは、例えばブラッシング、ラッピング、又は、研磨等によって機械的に除去される。このようにして処理された半基板は、その後、DCB・DBC方法によって完成され、信頼性の高いスルーコンタクトを有する。
【0016】
陰極によってビアを充填し、層を強化するために、セラミック基板のセラミック側を、銅浴内で、めっき層に取り付けられた陽極に向かって回転させ、電解質で洗浄する。つまりビアは、セラミック側から充填される。振動及び/又は超音波を使用することによって、物質移動を一層改善することが可能である。集中的な物質移動により、ビアは、銅によって特に急速に成長する。