(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、パルス幅変調(PWM)マイクロ波信号を生成するように前記マイクロ波発生器を制御し、かつ前記PWMマイクロ波信号のオフ期間中に雑音温度を測定するように前記放射計を制御するように構成されている、請求項1に記載のマイクロ波焼灼システム。
前記制御装置は、前記雑音温度曲線の傾きを決定するように構成され、前記傾きが、雑音温度測定値が単に前記組織の温度を表していることを示す所定の傾きに達した場合に、前記雑音温度測定値を記録するようにさらに構成されている、請求項3に記載のマイクロ波焼灼システム。
前記制御装置は、前記伝送網の前記雑音温度に基づいて、前記マイクロ波発生器によって生成されたマイクロ波信号を制御するようにさらに構成されている、請求項6に記載のマイクロ波焼灼システム。
前記マイクロ波信号は、パルス幅変調(PWM)マイクロ波信号であり、前記放射計が、前記PWMマイクロ波信号のオフ期間中に前記雑音温度を測定する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は一般に、マイクロ波伝送網の熱的特性およびマイクロ波照射装置の周りの生理環境を監視するためのマイクロ波温度測定回路網が組み込まれたマイクロ波焼灼システムに関する。マイクロ波放射測定は、熱放射とみなされる電磁エネルギーを測定するための技術であり、熱源から生じるマイクロ波エネルギーを検出および測定するために使用することができる。
【0024】
本開示に係るマイクロ波焼灼システムは、組織を焼灼するためのエネルギーを伝送するアンテナ(設定された「焼灼周波数」)と、平均温度に変換することができる加熱された組織によって発せられた熱雑音電力を受け取るアンテナ(設定された「放射計周波数」)とを組み合わせたものである。放射計周波数が十分に高い(例えば、3〜9GHz)場合、アンテナの周りの小さい十分な体積(例えば、l〜3mm)全体の温度を平均して、アンテナを熱電対として使用することができる。
【0025】
本開示に係るマイクロ波焼灼システムは、マイクロ波照射装置のカテーテルまたはそのシャフト断面の大きさを増加させることなく、組織およびマイクロ波焼灼システムの構成要素の熱監視を可能にするように、マイクロ波焼灼システムの既存の伝送網と組み合わせたマイクロ波温度測定を使用する。これらのシステムは、組織温度のリアルタイムな監視およびフィードバックを行い、焼灼の進行、完全性または完全性の欠如のリアルタイムな確認により処置の結果を高める。システム構成要素の温度の監視により、マイクロ波焼灼システムは、処置全体にわたる適切な冷却を保証し、それにより潜在的な装置の故障または潜在的な患者もしくは使用者の損傷を防止することができる。
【0026】
添付の図面を参照しながら、本マイクロ波焼灼システムおよび構成要素の実施形態について記載する。同様の符号は、図の説明の全体にわたって同様または同一の要素を指すものとする。図面に示され、かつ本記載で使用される「近位」という用語は、装置または装置の構成要素の使用者により近い部分を指し、「遠位」という用語は、装置またはその構成要素の使用者により遠い部分を指す。
【0027】
本記載では、「一実施形態では」「実施形態では」「いくつかの実施形態では」または「他の実施形態では」という語句を使用することがあるが、これらはそれぞれ、本開示に係る同一または異なる実施形態のうちの1つ以上を指すものとする。
【0028】
電磁エネルギーは一般に、エネルギーの増加または波長の減少によって、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線およびガンマ線に分類される。本記載で使用される「マイクロ波」とは一般に、300メガヘルツ(MHz)(3×10
8サイクル/秒)〜300ギガヘルツ(GHz)(3×10
11サイクル/秒)の周波数範囲の電磁波を指す。本記載で使用される「焼灼処置」とは一般に、例えば、マイクロ波焼灼、高周波(RF)焼灼またはマイクロ波もしくは高周波焼灼補助下切除などの任意の焼灼処置を指す。
【0029】
本記載で使用される「エネルギー照射装置」とは一般に、マイクロ波もしくはRF電気外科手術用発生器など電力発生源から組織にエネルギーを移動させるために使用することができる任意の装置を指す。本明細書の目的では、「エネルギー照射装置」という用語は、「エネルギー送達装置」という用語と同義である。本記載で使用される「伝送線路」とは一般に、ある点から別の点までの信号の伝播のために使用することができる任意の伝送媒体を指す。本記載で使用される「流体」とは一般に、液体、気体またはその両方を指す。
【0030】
本記載で使用される「制御装置」という用語は、デジタルおよび/またはアナログ信号を生成して別の装置を制御または駆動するためのデジタルおよび/またはアナログ部品を用いる任意の電気装置を指す。「制御装置」という用語は、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、または本明細書に記載されている方法のいくつかを実施するためのプロセッサ、メモリおよびI/Oポートを有するコンピュータを指すものとする。
【0031】
図1は、本開示の実施形態に係るマイクロ波焼灼システム100のブロック図である。マイクロ波焼灼システム100は、マイクロ波照射装置110、マイクロ波ケーブル120および125、結合回路130、マイクロ波発生器140、フィルタ135および放射計160を備える。マイクロ波発生器140は、マイクロ波信号を生成し、マイクロ波ケーブル120および125を介してマイクロ波照射装置110にそれを出力する。マイクロ波照射装置110は、マイクロ波信号がアンテナに印加された場合にマイクロ波放射線を放射する少なくとも1つのアンテナを備える。アンテナから放射されたマイクロ波放射線により腫瘍を焼灼することができるように、上記アンテナを腫瘍内に配置してもよい。
【0032】
結合回路130は、雑音温度信号またはマイクロ波ケーブル120および125を通って伝播している信号の少なくとも一部を放射計160に供給するために、マイクロ波発生器140とマイクロ波照射装置110との間に接続されている。フィルタ135は、マイクロ波信号の少なくとも一部から雑音温度信号を分離する。次いで、放射計160は雑音温度信号をサンプリングし、それを制御装置150に供給する。制御装置150は、アナログ/デジタル変換器(ADC)を用いてマイクロ波雑音温度信号をデジタルでサンプリングし、その結果を基準化して、マイクロ波雑音温度信号を温度読み取り値に変換してもよい。また、以下により詳細に記載するように、制御装置150を表示装置とインタフェースで接続して、温度読み取り値を表示してもよい。
【0033】
放射計160によって測定された雑音温度を使用して、温度フィードバック制御を可能にしてもよい。フィードバック制御は、所望の組織効果を達成し、かつ全体的な処置の結果を高めるために、開ループ制御(例えば、使用者による制御)または閉ループ制御(例えば、自律システム)を含んでもよい。また、放射計160および制御装置150を使用して、マイクロ波焼灼システム100の構成要素の温度を監視してもよい。例えば、放射計160および制御装置150を使用して、マイクロ波ケーブル120の温度を監視し、適切な冷却を保証し、かつ故障を回避してもよい。
【0034】
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係るマイクロ波焼灼システム200のブロック図である。マイクロ波焼灼システム200は、マイクロ波発生器220と、マイクロ波発生器220に接続されたマイクロ波照射装置210とを備える。マイクロ波照射装置210は、マイクロ波アンテナ230と、マイクロ波焼灼処置中に臨床医によるマイクロ波アンテナ230の操作を可能にする、マイクロ波アンテナ230に接続されたハンドル240とを備える。
【0035】
マイクロ波アンテナ230は、特定の外科手術、特定の管腔構造、特定の標的組織、臨床医の好みなどに対応する柔軟でない焼灼カテーテルまたは柔軟な焼灼カテーテルとして具体化してもよい。例えば、一実施形態では、患者の肺の比較的狭い気道を通って移動させるために非常に柔軟な焼灼カテーテルを有すると有利であることが分かるであろう。場合によっては、例えば、焼灼カテーテルにより組織を貫通または穿刺しなければならない場合には、僅かにのみ柔軟な焼灼カテーテルを有すると有利であることが分かるであろう。なおさらに、所望の量の柔軟性を達成するために、「マイクロ波エネルギー送達装置およびシステム(Microwave Energy-Delivery Device and System)」という発明の名称の米国特許出願第13/834,581号(その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている焼灼カテーテルを用いることが望ましい場合がある。当業者には、マイクロ波アンテナ230が、本開示の範囲から逸脱することなく、構造細部において簡略化またはより複雑化された他の焼灼カテーテルの実施形態を用いることができることが分かるであろう。
【0036】
正確な温度測定値を得るために、放射計160を、マイクロ波アンテナ230の放射部の可能な限り近くに配置して、放射計160の中に望ましくない雑音が入るのを制限する。例えば、
図2に示すように、放射計160および結合回路130をマイクロ波照射装置210のハンドル240内に配置する。結合回路130をマイクロ波供給伝送線路とアンテナ要素との間に接続して、アンテナ要素内を伝播しているマイクロ波信号の少なくとも一部を放射計160に供給する。放射計160は、結合回路130に接続されており、アンテナ230の周りの環境(例えば、焼灼される組織)の温度に比例する電圧信号V
0を出力する。この電圧信号V
oは、通信回線215を介してマイクロ波発生器220に供給される。
【0037】
図1および
図2の結合回路130は、エネルギーを放射計160の中に案内する任意のマイクロ波結合回路網であってもよい。
図3A〜
図3Cは、
図1および
図2の結合回路130の例示的な実施形態のブロック図である。
図3Aは、マイクロ波伝送線路内を伝播している信号の一部をポート3に結合する方向性結合器300のブロック図である。次いで、信号の一部は放射計に供給され、放射計は、信号の一部内の雑音温度信号を測定する。
図3Bは、ポート2とポート3とを切り換えるスイッチ350のブロック図である。いくつかの実施形態では、スイッチ350は通常、マイクロ波信号がマイクロ波アンテナに供給されるようにポート2に切り換えられ、かつ放射計が雑音温度測定値を得ることができるように、一定間隔でポート3に周期的に切り換えられる。他の実施形態では、スイッチ350は、マイクロ波焼灼処置中に所定の時間、例えば、マイクロ波焼灼処置の開始時および終了時近くに、ポート3に切り換えてもよい。スイッチ350としては、ダイオードスイッチなどの固体スイッチまたは機械式リレーなどの移動型スイッチが挙げられる。
【0038】
図3Cに示すように、結合回路130は、代わりとして、1つ以上の雑音温度周波数を放射計160に通すための第1のLC共振バンドパスフィルタ380と、マイクロ波信号をマイクロ波照射装置に通すための第2のLC共振バンドパスフィルタ385とを有するT形回路網375を含んでもよい。
【0039】
図4Aは、
図1および
図2のマイクロ波焼灼システムに用いることができる放射計400の回路ブロック図である。放射計400は、低雑音増幅器402、局部発振器404、周波数混合器406、バンドパスフィルタ408、中間周波(IF)増幅器410、検出器412および積分器414を備える。低雑音増幅器402は、雑音温度信号を増幅して、増幅された雑音温度信号を得る。局部発振器404は正弦波を生成し、周波数混合器406は、増幅された雑音温度信号を正弦波と混合して、雑音温度信号をマイクロ波信号の周波数よりも低い中間周波数(IF)に変換する。中間周波数は、100Hz〜100kHzの範囲の周波数(例えば10kHz)であってもよい。
【0040】
バンドパスフィルタ408は、周波数混合器406からの信号出力を濾過し、IF増幅器410は、濾過した信号を増幅する。検出器412は雑音温度信号を検出し、積分器414は、検出された雑音温度信号を積分して、マイクロ波アンテナの周りの環境の温度に比例する電圧信号を供給する。利得変動を克服し、かつ温度測定値の精度を高めるために、放射計400は、長い積分時間(例えば10ミリ秒〜10秒)と、狭い帯域幅B(例えば、3.5GHz±35MHz)を有するバンドパスフィルタとを有する積分器を使用してもよい。
【0041】
放射計400からの電圧信号出力をさらに処理し、伝送網を通って伝播している信号を濾過して雑音温度信号を得てもよい。例えば、放射計400は、時間領域および/または周波数領域濾過技術を使用して、雑音温度信号、組織の雑音温度信号および伝送網の雑音温度信号を分離してもよい。
【0042】
図4Bは、本開示の別の実施形態に係る放射計420の回路ブロック図である。放射計400は、マイクロ波信号入力421と一定の温度T
cに維持される抵抗型負荷424とを切り換えるスイッチ422(「ディッケ変調装置」ともいう)を備える。抵抗型負荷424は、伝送網の温度を表す温度を測定するために伝送網と熱連通するように配置された熱電対であってもよい。抵抗型負荷424は、組織の雑音温度を分離するために、伝送網の雑音温度を打ち消すのに使用される基準温度を供給する。当該スイッチは、単極双投スイッチであってもよい。基準信号発生器426は、スイッチドライバ428を介してスイッチ422に供給される制御信号を生成して、スイッチ422のスイッチング周波数を制御する。
【0043】
スイッチ422からの出力は、増幅器430に送られ、増幅器430は、マイクロ波信号入力421の中に入る雑音温度信号または負荷温度信号入力424の中に入る基準温度信号を増幅する。増幅器430は、増幅器により雑音が雑音温度信号の中に入らないように低雑音増幅器であってもよい。増幅器430からの出力は、雑音温度信号の振幅を検出する検出器432に送られる。雑音温度信号の振幅は、増幅器434によって増幅され、位相検出器436に供給される。基準信号発生器426は、スイッチ422のスイッチングと同調して動作するように位相検出器436を制御する。次いで、位相検出器436からの出力を積分器438によって積分し、積分器438は、雑音温度信号における波動の振幅を減少させる。
【0044】
動作時に、基準信号発生器426は、受信機の利得変化が生じる周波数よりも高い周波数(例えば、30〜l000Hz)で矩形波を生成する。スイッチドライバ428は、生成された矩形波に従ってスイッチ422を駆動する。こうすることにより、受け取られた雑音温度に対する受信機の利得変化の効果(例えば、増幅器のドリフト)が除去される。
【0045】
図5は、
図1のマイクロ波焼灼システムに使用されるマイクロ波温度測定回路網モジュール500のブロック図である。マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、マイクロ波伝送網(例えばアンテナ)の熱的特性ならびにマイクロ波照射装置の周りの生理環境(例えば組織)を監視する。マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、放射計510、フィルタ520、伝送線路コネクタ580aおよび580b、伝送線路コネクタ580aおよび580b間に接続された伝送線路575ならびに伝送線路575に接続された結合回路網530を備える。
【0046】
結合回路網530は、伝送線路575を通って伝播している信号の少なくとも一部をフィルタ520に結合する。これらの信号は、高出力マイクロ波信号582および雑音温度信号584を含む。フィルタ520は、結合回路網530によって供給された信号を濾過して雑音温度信号584を分離する。例えば、フィルタ520は、低周波数の高出力マイクロ波信号(例えば、2450MHzのマイクロ波信号)から、高周波数の雑音温度信号(例えば、4GHzの雑音温度信号)を分離してもよい。フィルタ520は、雑音温度信号をさらに濾過して、組織からの雑音温度信号、本マイクロ波焼灼システムの構成要素からの雑音温度信号(例えば、マイクロ波伝送網からの雑音温度信号)を得てもよい。時間および/または周波数領域信号処理技術を使用して、高出力マイクロ波信号、組織からのマイクロ波雑音温度、および本マイクロ波焼灼システムの構成要素からのマイクロ波雑音温度を分離することができる。例えば、フィルタ520は、高速フーリエ変換(FFT)を用いて、雑音温度信号の振幅を決定してもよい。
【0047】
フィルタ520は、マイクロ波信号を雑音温度信号から分離することを目的とした様々なアナログおよびデジタル電子部品であってもよい。例えば、フィルタ520は、デジタル回路を用いて実装してもよく、その場合、フィルタ520は、結合回路網530によって供給されたマイクロ波信号の少なくとも一部をデジタル形式に変換するためのアナログ/デジタル変換器(ADC)を備えていてもよい。デジタル回路は、デジタル信号プロセッサまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)の中に実装してもよい。雑音温度信号を、本マイクロ波焼灼システムにおける雑音温度源(例えば、ケーブル、サーキュレータ、結合器、フィルタ、コネクタ、増幅器など)および組織の雑音温度源からのそれぞれの雑音温度にさらに分離してもよい。また、制御装置540は、制御信号、例えば、マイクロ波発生器を制御するためのパルス制御信号を生成して、その出力を調整し、例えば、以下により詳細に記載するように、放射計測定を向上または最適化することができる。
【0048】
マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、制御装置540、ユーザインタフェース(UI)550、表示装置ドライバ560、表示装置570ならびにデータバスコネクタ515aおよび515bをさらに備える。制御装置540は、放射計510から測定された雑音温度データを受け取り、測定された雑音温度データに基づいて温度情報を決定する。制御装置540の制御下で、表示装置ドライバ560および表示装置570を介してシステムの使用者に温度情報を直接表示して、リアルタイムな状態(例えば、医療処置の進行または完了)を使用者に知らせてもよい。制御装置540は、本システムの全体的な治療効果を最適化し、かつシステムのロバスト性および患者/使用者の安全性を確保するように設計されたフィードバックアルゴリズムへの入力として温度情報を使用してもよい。
【0049】
マイクロ波温度測定回路網モジュール500によって行われるリアルタイムな処置の監視により、焼灼処置の状態(例えば、焼灼の完全性または不完全性)に対応する温度値を、表示装置570を介して使用者に直接表示してもよい。制御装置540によって行われるシステムのロバスト性の監視により、マイクロ波伝送網すなわち同軸の伝送線路およびアンテナの温度を監視し、かつマイクロ波伝送網に対して定められた所定の温度限界に基づいて、マイクロ波出力を制限してもよい。
【0050】
ユーザインタフェース(UI)550は、最小限のインタフェースによる接続から最大限のインタフェースによる接続まで、温度測定回路網モジュール500と本マイクロ波焼灼システムの他の構成要素との間に様々なレベルのインタフェースを設けてもよい。最小限のインタフェースで接続された温度測定回路網モジュール500により、温度値を使用者に表示してもよく、その場合、温度測定回路網モジュールへのインタフェースとしては、温度測定回路網モジュール500の構成要素および電力供給ラインコネクタ525aおよび525bに接続された本マイクロ波焼灼システムの他の構成要素に電力を分配するための電力供給ラインコネクタ525aおよび525bが挙げられる。最小限のインタフェースで接続された温度測定回路網モジュール500は、伝送線路575への結合のための結合回路網530も備える。
【0051】
最大限のインタフェースで接続された温度測定回路網モジュールは、本マイクロ波焼灼システムの主制御装置として動作する制御装置540をさらに備える温度測定回路網モジュールであり、その場合、温度測定回路網モジュール500へのインタフェースとしては、データバスコネクタ515aおよび515bが挙げられ、そこを通して、混合された信号の制御および監視データが、制御装置540から、データバスコネクタ515aおよび515bを介して温度測定回路網モジュール500に接続された本マイクロ波焼灼システムの他の構成要素に伝送される。例えば、制御装置540は、コネクタ515bを介してマイクロ波発生器にコマンドを送って、マイクロ波信号の特性を変更するかマイクロ波信号の生成を完全に停止してもよい。
【0052】
図5のマイクロ波温度測定回路網モジュール500は全て、本マイクロ波焼灼システム内の同じ物理的位置に存在していてもよく、あるいは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500の各種要素は、本マイクロ波焼灼システム内の異なる位置に位置していてもよい(すなわち、分割構成であってもよい)。
図6および
図7は、
図5のマイクロ波温度測定回路網モジュール500の分割構成を示す。
図6は、結合回路網530によりマイクロ波伝送線路675から結合された、雑音温度信号の測定に関連するマイクロ波温度測定回路網モジュール500の構成要素を備える測定モジュール600である。
【0053】
結合回路網530は、
図3Aの方向性結合器300、
図3Bのスイッチ350、
図3CのT形回路網375、バンドパスフィルタまたはダイプレクサーなどの任意の公知のマイクロ波結合スキームによって実装してもよい。フィルタ520は、放射計510に入る結合されたマイクロ波エネルギーを目的の熱パラメータを表すものに制限する。フィルタ520は、周波数スペクトル選択を実行し、放射計510は、雑音温度信号を検出するための検出器(例えば、
図4Bの検出器432)を備える。
【0054】
測定モジュール600は、本マイクロ波焼灼システムの他の構成要素とインタフェースで接続するためのコネクタも備える。測定モジュール600は、雑音温度信号をデータバスコネクタ615aおよび615bを介して測定モジュール600に接続された本マイクロ波焼灼システムの他の構成要素に伝送することができるデータバスコネクタ615aおよび615bを備える。測定モジュール600は、入力供給ラインコネクタ625bに接続されたマイクロ波焼灼システムの別の構成要素から電力を受け取るための入力供給ラインコネクタ625b、および電力供給ラインコネクタ625aに接続されたマイクロ波焼灼システムのさらに別の構成要素に電力が供給される出力供給コネクタ625aも備える。
【0055】
測定モジュール600は、温度測定回路網モジュールの伝送線路575の両端に接続された伝送線路コネクタ680aおよび680bをさらに備える。伝送線路コネクタ680aおよび680bは、結合回路網530がマイクロ波発生器1000によってマイクロ波照射装置800に伝送されるマイクロ波信号の一部を得ることができるように、本マイクロ波焼灼システムの構成要素間に測定モジュール600を接続するために使用される。例えば、
図17Aに示すように、測定モジュール600をマイクロ波発生器1000とマイクロ波照射装置800との間に直接接続してもよい。あるいは、測定モジュール600を、マイクロ波照射装置800には直接接続するが、マイクロ波発生器1000には、マイクロ波ケーブル900に接続し、次いでそれをマイクロ波発生器1000に接続することにより間接的に接続してもよい。
【0056】
図7は、
図5のマイクロ波温度測定回路網モジュール500の分割構成の制御モジュール700を示す。制御モジュール700は、マイクロ波温度測定回路網モジュール500およびユーザインタフェース(UI)電子機器の「高性能部品」に関連する要素を備える。「高性能部品」としては、温度測定値(例えば、デジタルの形態の雑音温度信号)をデータバスコネクタ715を介して放射計510からを受け取り、かつマイクロ波出力を制限して所望のシステム応答を達成することにより温度情報に反応する制御装置540が挙げられる。制御装置540は、放射計510の性能および精度を高めるように、データバスコネクタ715を介してマイクロ波発生器1000と通信してもよい。例えば、制御装置540は、以下により詳細に記載するように、放射計がパルス間で雑音温度測定を行うことができるように、高出力マイクロ波治療エネルギーのパルスを出力するようにマイクロ波発生器1000を制御してもよい。
【0057】
ユーザインタフェース550に接続された制御装置540は、使用者に熱状態を警告(例えば、温度値を表示)するか、例えば、本マイクロ波焼灼システムの任意の構成要素を誤用した場合、安全性または装置のロバスト性のために、標的組織の温度またはマイクロ波照射装置の温度の限界値などの限界または値に達した場合に特定のシステムの機能を停止してもよい(例えば、MW電力出力を停止してもよい)。制御装置540は、本マイクロ波焼灼システムの別のモジュールから電力を受け取るための電力供給ラインコネクタ725も備える。例えば、電力供給ラインコネクタ725は、マイクロ波発生器1000の電力分配ユニット1045から電力を受け取るために、
図10のマイクロ波発生器1000の電力供給ラインコネクタ1025bに接続していてもよい。
【0058】
一般に、
図5〜
図7のマイクロ波温度測定回路網モジュール500、600および700のそれぞれに対して、回路網モジュールに接続された本マイクロ波焼灼システムの構成要素のうちの1つによって提供される調整電源によって電力を供給してもよい。例えば、マイクロ波温度測定回路網モジュール500、600および700は、マイクロ波発生器1000の電源1050および電力調整器1040から電力を受け取ってもよい。あるいは、これらのマイクロ波温度測定回路網モジュール500、600および700に対して、それら自体の電源および電力調整回路(例えば、電池、太陽電池または主電源)によって電力を供給してもよい。
【0059】
図8は、マイクロ波治療エネルギーを組織に送達して、組織に関連する疾患または望ましくない病状を治療するマイクロ波照射装置800のブロック図である。マイクロ波照射装置800は、マイクロ波エネルギーを送達するためのプローブまたはアンテナ810、照射装置回路820、ユーザインタフェース840、ハンドルまたはハブ830、入出力流体冷却/バッファポート850、データバスコネクタ815、電力供給ラインコネクタ825および伝送線路コネクタ880を備える。アンテナ810は、伝送線路コネクタ880を介してマイクロ波信号を受け取る。
【0060】
照射装置回路820は、熱電対バッファ、マイクロ波起動スイッチおよび/または装置識別情報を記憶するメモリ(例えば、EEPROM)備えていてもよい。熱電対バッファは、熱電対(例えば、
図20の熱電対2001、2002および2004)の電圧を、干渉に対してあまり敏感でない熱電対電圧を表す緩衝された電圧に変換する。装置識別情報をマイクロ波発生器(例えば、
図10のマイクロ波発生器1000)によって使用して、適切に識別されたマイクロ波照射装置800のみをマイクロ波発生器に接続させることができる。また、メモリは、マイクロ波照射装置800の動作パラメータ(例えば、時間、電力および線量限界)およびマイクロ波照射装置800の使用に関する情報を記憶していてもよい。使用監視により、本装置の単回使用または特定数の起動を超えるマイクロ波照射装置800の限定的再利用を可能にしてもよい。
【0061】
マイクロ波起動スイッチは、ユーザインタフェース840内の使用者によって選択可能な起動ボタンに接続されている。使用者が起動ボタンを選択すると、マイクロ波起動スイッチが閉じて、マイクロ波信号がマイクロ波照射装置800のアンテナ810に伝播可能になる。照射装置回路820は、データバスコネクタ815に接続している本マイクロ波焼灼システムの装置と通信することができるように、データバスコネクタ815に接続されている。例えば、照射装置回路820は、データバスコネクタ815に接続されたマイクロ波発生器に装置識別情報を提供してもよい。また、照射装置回路820は、電力供給ラインコネクタ880を介して電力を受け取ってもよい。
【0062】
入出力冷却/バッファポート850は、アンテナ810に冷却流体を供給して焼灼体積の大きさおよび形状を制御する流体システム(図示せず)に接続している。冷却流体は、電力の組織への移動を制御するために誘電体を含んでいてもよい。流体システムは、流体貯蔵部、入出力冷却/バッファポート850を通して冷却流体を送り出すための流体ポンプ、冷却流体を運ぶための管およびセンサ(図示せず)を備えていてもよい。流体システムの例は、同一出願人による米国特許出願第12/566,299号に詳細に記載されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
図9は、高出力マイクロ波信号をマイクロ波照射装置800に運ぶためのケーブル900のブロック図である。ケーブル900は再利用可能なケーブルであってもよく、ケーブル回路910、ケーブル回路910に接続されたユーザインタフェース920、データバスコネクタ915aおよび915b、電力供給ラインコネクタ925aおよび925bならびに伝送線路コネクタ980aおよび980bを備える。コネクタ915a、915b、925a、925b、980aおよび980bは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500、マイクロ波照射装置800、マイクロ波発生器1000などの本マイクロ波焼灼システムの任意の構成要素の対応するコネクタに接続するように構成されていてもよい。
【0064】
以下に記載するように、マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、再利用可能なケーブルの中に組み込まれていてもよい。
図8の照射装置回路820と同様に、ケーブル回路910は、装置識別、熱電対バッファおよび/またはマイクロ波起動を支持してもよい。ケーブル回路910は、データバスコネクタ915aおよび915bを介して、本マイクロ波焼灼システム内の他の構成要素とも通信する。
【0065】
図10は、本開示の実施形態に係るマイクロ波発生器1000のブロック図である。マイクロ波発生器1000は、マイクロ波信号発生器1010、マイクロ波信号発生器1010の出力に接続されたマイクロ波モジュール増幅器1020、マイクロ波モジュール増幅器の出力に接続された伝送線路コネクタ1082および
図8のマイクロ波照射装置800に接続された別のケーブルに接続するための同軸ケーブルコネクタアセンブリを備える。マイクロ波信号発生器1010は、マイクロ波信号を生成し、その信号は、マイクロ波モジュール増幅器1020によって増幅されて、高出力マイクロ波信号582が生成される。高出力マイクロ波信号582は、伝送線路コネクタ1082を介してマイクロ波発生器1000から出力される。本明細書に記載されているように、伝送線路コネクタ1082は、マイクロ波焼灼システムの別の構成要素、例えば、高出力マイクロ波信号582をマイクロ波照射装置(例えば、
図8のマイクロ波照射装置800)に運ぶ
図9のケーブル900に接続している。
【0066】
マイクロ波発生器1000は、本マイクロ波焼灼システムの各種構成要素に電力を供給するための発電システムをさらに備える。発電システムは、電源1050、電力調整器1040および電力分配回路1045を備える。電源1050は、主電源コネクタ1078(主電源ライン(図示せず)を介して標準的なAC出口に接続していてもよい)からの交流(AC)を直流(DC)に変換する。電力調整器1040は、電源1050からのDC出力を各種電力レベルの調整されたDCに変換する。
【0067】
電力調整器1040は、マイクロ波信号発生器1010、システム制御装置1060および電力分配回路1045に低電力DCを供給する。次いで、電力分配回路1045は、マイクロ波発生器1000に接続している構成要素に電力を供給するために、電力供給ラインコネクタ1025aおよび1025bに電力を供給する。特に、電力分配回路1045は、電力供給ラインコネクタ1025bを介して、
図7の制御モジュール700などの外部制御/監視回路に低電力DCを供給する。電力分配回路1045は、マイクロ波照射装置800ならびに電力供給ラインコネクタ1025aおよび1025bに直接または間接的に接続している本マイクロ波焼灼システムの他の構成要素にも低電力DCを供給する。また、電力調整器1040は、伝送線路コネクタ1082を介して、高出力マイクロ波信号582を出力するマイクロ波モジュール増幅器1020にも高出力DCを供給する。
【0068】
システム制御装置1060は、マイクロ波モジュール増幅器1020からのマイクロ波信号582出力の位相、周波数および他のパラメータを制御するために、マイクロ波信号発生器1010に接続されている。システム制御装置1060は、マイクロ波発生器1000と本開示のマイクロ波温度測定回路網モジュール500を含むマイクロ波発生器1000に接続している本マイクロ波焼灼システムの各種構成要素との通信を可能にするために、データバスコネクタ1015aおよび1015bにも接続されている。実施形態では、システム制御装置1060は、データバスコネクタ1015aおよび1015bを通してフィードバック信号を受信して、高出力マイクロ波信号582のパラメータを制御してもよい。例えば、
図5のマイクロ波温度測定回路網モジュール500の制御装置540は、例えば、高出力マイクロ波信号582のパルス出力、停止または変更により、高出力マイクロ波信号582を制御することができる。
【0069】
マイクロ波発生器1000は、表示装置1030および表示装置ドライバ1035を含む入出力装置も備える。システム制御装置1060は、本マイクロ波焼灼システムの動作に関する情報を表示装置1030に表示するように表示装置ドライバ1035を制御する。マイクロ波発生器1000は、足踏みスイッチ制御装置に接続するための足踏みスイッチコネクタ1076も備える。システム制御装置1060は、マイクロ波発生器1000からの出力を制御するために、足踏みスイッチ制御装置からコマンド信号を受け取る。
【0070】
マイクロ波発生器1000には、遠隔温度プローブ(図示せず)に接続するための温度プローブコネクタ1080も組み込まれている。以下に記載するように、マイクロ波温度測定回路網モジュール500の温度測定値を較正するために、遠隔温度プローブを使用して患者の体温を測定して患者の体温測定値を得てもよい。また、温度プローブコネクタ1080は、T型熱電対配置を許容するものであってもよい。マイクロ波温度測定回路網モジュール500の制御装置は、放射計出力をT型信号に調整することができる。この特徴を使用して、前面パネル7セグ表示装置を介して使用者に温度を表示することができる。
【0071】
図11A〜
図11Cおよび
図12A〜
図12Dは、
図5のマイクロ波温度測定回路網モジュール500を用いる本マイクロ波焼灼システムの異なる例示的構成を示す。
図11A〜
図11Cおよび
図12A〜
図12Dに示すように、温度測定回路網モジュール500は、マイクロ波発生器1000とマイクロ波照射装置800との間にマイクロ波伝送経路に沿って配置されている。
【0072】
図11A〜図llCは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500が、互いに接続可能な3〜4つの別個の構成要素に分割されたマイクロ波焼灼システム内の独立型構成要素である構成を示す。
図11Aでは、マイクロ波温度測定回路網モジュールは、マイクロ波照射装置とマイクロ波発生器モジュールとの間に接続可能である。例えば、マイクロ波発生器1000およびマイクロ波温度測定回路網モジュール500が携帯可能なマイクロ波焼灼システムのハンドル内に配置され、マイクロ波温度測定回路網モジュール500がマイクロ波照射装置800とマイクロ波発生器1000との間に接続されるようにマイクロ波照射装置800がハンドルに接続可能であり、かつマイクロ波温度測定回路網モジュール500がハンドルに接続可能である携帯可能なマイクロ波焼灼システムに、
図11Aの構成を使用してもよい。
【0073】
図11Bでは、マイクロ波温度測定回路網モジュールは、ケーブル900の遠位端およびマイクロ波照射装置800に接続可能である。
図11Cでは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、ケーブル900の近位端およびマイクロ波発生器1000に接続可能である。
【0074】
図12A〜
図12Dは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500が、互いに接続可能な2または3つの別個の構成要素に分割されたマイクロ波焼灼システムの構成要素のいずれか1つの中に組み込まれている構成を示す。
図12Aでは、測定モジュール600も、マイクロ波照射装置800とマイクロ波発生器1000との間に接続可能な独立型構成要素である。
図12Aでは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、マイクロ波照射装置800の中に組み込まれている。
図12Bでは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、マイクロ波発生器1000の中に組み込まれている。
図12Cでは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、ケーブル900の遠位端においてコネクタアセンブリの中に組み込まれている。
図12Dでは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、ケーブル900の近位端においてコネクタアセンブリの中に組み込まれている。
【0075】
図13は、
図5に示されているマイクロ波温度測定回路網モジュール500の回路が組み込まれた独立型マイクロ波温度測定回路網モジュール1300の斜視図である。マイクロ波温度測定回路網モジュール1300は、
図11Aおよび
図11Cの構成に示されているようにマイクロ波発生器1000に直接接続するため、または
図11Bの構成に示されているようにマイクロ波ケーブル900に接続するために、その近位端にコネクタ1320を備える。
【0076】
第1のコネクタには、温度測定回路網モジュール1300とマイクロ波発生器との通信を可能にするために、同軸コネクタ1322と同心のデータバスコネクタ1324が組み込まれている。温度測定回路網モジュール1300は、表示装置1350と、セレクタ1330およびスイッチ1360を有するユーザインタフェースとを備える。表示装置1350は、例えば、
図5の温度測定回路網モジュール500の放射計510によって得られた熱測定値に基づいて制御装置540によって決定される温度を表示する。
【0077】
セレクタ1330は、使用者にマイクロ波電力を停止する温度限界を選択させることができる摘み1335を備える。制御装置540は、測定された温度が選択された温度限界を超えていると制御装置540が判定した場合に停止させるメッセージをマイクロ波発生器1000に送ってもよい。あるいは、ケーブルは、測定された温度が選択された温度限界を超えていると制御装置540が判定した場合に開かれる、マイクロ波照射装置からのマイクロ波電力を遮断するスイッチ(図示せず)を備えていてもよい。スイッチ1360により、使用者は、マイクロ波照射装置800への電力を供給または停止することができる。いくつかの実施形態では、表示装置1350は、タッチスクリーンディスプレイであり、セレクタ1330および/またはスイッチ1360は、タッチスクリーンディスプレイにおいて「仮想」のセレクタおよび/またはスイッチとして実装されている。他の実施形態では、セレクタ1330および/またはスイッチ1360は、物理的セレクタおよび/またはスイッチとして実装されている。
【0078】
マイクロ波温度測定回路網モジュール1300は、
図11Aおよび
図11Bの構成に示されているようにマイクロ波照射装置800に直接接続するため、または
図11Cの構成に示されているようにマイクロ波ケーブル900に接続するために、その遠位端に別のコネクタ1310を備える。コネクタ1320と同様に、コネクタ1310には、温度測定回路網モジュール1300とマイクロ波照射装置800との通信を可能にするために、同軸のコネクタ1312を有する同心のデータバスコネクタ1314が組み込まれている。コネクタ1310は、捩じることでマイクロ波照射装置との接続を確立または解除するように構成されていてもよい。
【0079】
図14は、
図5のマイクロ波温度測定回路網モジュール500がマイクロ波照射装置のコネクタアセンブリ1405の中に組み込まれたマイクロ波照射装置1400の斜視図である。コネクタアセンブリ1405は、放射部1410を有するプローブ1408に接続されている。
図13と同様に、コネクタアセンブリ1405は、温度測定値を表示する表示装置と、使用者が温度設定値を変更し、かつプローブ1408に供給されているマイクロ波信号を停止して放射部1410にマイクロ波放射線を放射させることができるユーザインタフェースとを備える。
【0080】
コネクタアセンブリ1405は、
図12Aの構成に示されているようにマイクロ波発生器1000に直接接続するか、マイクロ波ケーブルを介してマイクロ波発生器1000に接続するように構成された、
図13のコネクタ1310および1320と同様のコネクタ1406を備える。温度測定データを、コネクタ1406のデータバスを介してマイクロ波発生器1000に伝送してもよい。
【0081】
図15は、同軸ケーブル1501と、同軸ケーブル1501の近位端に取り付けられたコネクタアセンブリ1503と、同軸ケーブル1501の遠位端に取り付けられたコネクタアセンブリ1505とを備えたマイクロ波ケーブルアセンブリ1500の斜視図である。本実施形態では、
図5のマイクロ波温度測定回路網モジュール500の構成要素は、
図12Cの構成に示されているように、マイクロ波ケーブルアセンブリ1500のコネクタアセンブリ1505内に組み込まれている。
図14のコネクタアセンブリ1405と同様に、コネクタアセンブリ1505は、温度測定値を表示する表示装置と、使用者に温度設定値を変更させ、かつマイクロ波ケーブルアセンブリ1500によって運ばれているマイクロ波信号を停止することができるユーザインタフェースとを備える。
【0082】
あるいは、マイクロ波温度測定回路網モジュール500は、
図12Dの構成に示されているように、マイクロ波ケーブルアセンブリ1500の近位端においてコネクタアセンブリ1503の中に組み込まれていてもよい。コネクタアセンブリ1503および1505はそれぞれ、
図13のコネクタ1310および1320と同様に、コネクタ1504および1506を備える。
図12Cの構成に示されているように、コネクタ1504は、マイクロ波発生器1000に直接接続するように構成されており、コネクタ1506は、マイクロ波照射装置800に直接接続するように構成されている。この構成では、温度データを、コネクタ1504のデータバスを介してマイクロ波発生器1000に伝送してもよい。
【0083】
マイクロ波温度測定回路網モジュール500の構成要素をマイクロ波ケーブルに組み込むことにより、本開示に係るマイクロ波温度測定を組み込むためにマイクロ波照射装置800および/またはマイクロ波発生器1000に対して行わなければならない変更の数を最小限に抑える。場合によっては、システム制御装置1060の回路は、マイクロ波温度測定回路網モジュール500の制御装置540から温度データを受け取るように単に再構成されている。
【0084】
図16A〜
図16Dおよび
図17A〜
図17Dは、
図6および
図7に示すようなマイクロ波温度測定回路網モジュールの分割構成を用いて、本マイクロ波焼灼システムの異なる例示的構成を示す。
図16A〜
図16Dおよび
図17A〜
図17Dに示すように、測定モジュール600は、マイクロ波発生器1000とマイクロ波照射装置800との間にマイクロ波伝送線路に沿って配置されている。制御モジュール700は、本焼灼システム内の任意の場所に配置されていてもよい。
【0085】
図16A〜
図16Dは、制御モジュール700がマイクロ波発生器1000の中に組み込まれ、かつ本マイクロ波焼灼システムが互いに接続可能な3つの別個の構成要素に分割されている構成を示す。
図12Aでは、測定モジュール600は、ケーブル900の遠位端の中に組み込まれている。
図12Bでは、測定モジュール600は、マイクロ波照射装置800の中に組み込まれている。
図12Cでは、測定モジュール600は、ケーブル900の近位端に接続可能である。
図12Dでは、測定モジュールは、マイクロ波照射装置とマイクロ波発生器との間に接続されている独立型構成要素である。例えば、マイクロ波発生器1000および制御モジュール700が携帯可能なマイクロ波焼灼システムのハンドル内に配置され、測定モジュール600がマイクロ波照射装置800とマイクロ波発生器1000との間に接続されるようにマイクロ波照射装置800がハンドルに接続可能であり、かつ測定モジュール600がハンドルに接続可能である携帯可能なマイクロ波焼灼システムに、
図12Dの構成を使用してもよい。
【0086】
図17A〜
図17Dは、制御モジュール700がマイクロ波発生器1000に接続可能な独立型構成要素であり、かつ本マイクロ波焼灼システムが互いに接続可能な3または4つの別個の構成要素に分割されている構成を示す。
図17Aでは、測定モジュール600も、マイクロ波照射装置800とマイクロ波発生器1000との間に接続可能な独立型構成要素である。構成17Bでは、測定モジュール600は、マイクロ波照射装置800の中に組み込まれている。
図17Cでは、測定モジュール600は、ケーブル900の遠位端の中に組み込まれている。
【0087】
図17Dでは、本マイクロ波焼灼システムは、3つの別個の構成要素に分割されており、測定モジュール600は、マイクロ波発生器1000の中に組み込まれている。
図16Dの構成のように、例えば、マイクロ波発生器1000および測定モジュール600が携帯可能なマイクロ波焼灼システムのハンドル内に配置され、マイクロ波照射装置800が測定モジュール600に接続されるようにマイクロ波照射装置800がハンドルに接続可能であり、かつ制御モジュール700がマイクロ波発生器1000に接続されるように制御モジュール700がハンドルに接続可能である携帯可能なマイクロ波焼灼システムに、
図17Dの構成を使用してもよい。
【0088】
図18は、本開示の他の実施形態に係るマイクロ波焼灼システム1800のブロック図である。マイクロ波焼灼システム1800は、マイクロ波焼灼システム1800が、制御装置150によって制御されるフィルタ1802および1804を備えること以外は、
図1に示すマイクロ波焼灼システム100と同じである。第1のフィルタ1802は、高出力マイクロ波信号から雑音温度信号を分離してもよい。次いで、第2のフィルタ1804は、第1のフィルタ1802からの雑音温度出力から組織の雑音温度および伝送網の雑音温度を抽出してもよい。
【0089】
制御装置150は、同調信号、ゲート信号および他の信号を供給して、結合回路によって供給されたマイクロ波エネルギーを第1のフィルタ1802および第2のフィルタ1804により濾過する方法を制御してもよい。第2のフィルタ1804は、伝送網の雑音温度または組織の雑音温度の成分を分離するようにさらに構成されていてもよい。例えば、伝送網の異なる構成要素は、異なる周波数で雑音温度信号を生成することがある。第2のフィルタ1804は、周波数領域技術を用い、異なる周波数で雑音温度信号を分析して、伝送網の各構成要素の雑音温度を決定してもよい。あるいは、第2のフィルタ1804は、時間領域および周波数領域技術の両方を用いて、マイクロ波発生器1000などの意図的な発生源からの雑音温度信号をケーブルおよび組織などの他の雑音温度源から分離してもよい。
【0090】
いくつかの状況では、伝送網(例えば、マイクロ波照射装置および/またはマイクロ波ケーブル)からの雑音温度により、組織の雑音温度が不明瞭になることがある。この問題を克服するために、オフ期間にマイクロ波発生器からのマイクロ波信号出力をオフにしてもよく、放射計は、このオフ期間中の温度を監視してもよい。さらに、周囲の冷却または能動的流体冷却のいずれかにより、伝送網を急激に冷却して、伝送網の雑音温度および組織の雑音温度の分離を可能にしてもよい。伝送網を十分に冷却したら、放射計により温度を測定して、組織の雑音温度を得てもよい。
【0091】
図19のグラフ1900によって示されているように、マイクロ波エネルギー源を時間t=0でオフにした場合、雑音温度1902の大きさは、伝送網の雑音温度と組織の雑音温度との組み合わせを表す。周囲冷却または能動的流体冷却のいずれかにより伝送網が冷却されると、雑音温度の大きさは、雑音温度曲線の急な傾き1904によって示されているように急激に低下する。伝送網を、雑音温度の大きさが組織温度1906を表す点(例えば、時間t=t
1)まで冷却したら、放射計により雑音温度を測定して、組織のみの雑音温度を得てもよい。温度曲線の穏やかな傾き1908は、組織温度の低下によるものである。次いで、マイクロ波信号を時間t=t
2で再びオンにし、組織治療を継続する。
【0092】
図19のグラフ1900において、例えば、時間t=0で発生器をオフにした直後に最初に温度を測定して、伝送網の雑音温度を得てもよい。この温度は、伝送網の温度と組織の温度を組み合わせた温度を表す。従って、伝送網の温度を得るために、発生器がオフになった直後に測定された雑音温度から組織の雑音温度を減算する。
【0093】
マイクロ波信号をオンにする代わりに、冷却流体の流れを時間t=t
2で停止することができ、その結果、冷却流体の温度が組織温度に上昇するにつれて、雑音温度曲線が上昇する。冷却流体温度が組織温度に等しくなるにつれて、冷却流体温度のこの上昇はロールオフする。このロールオフ点をさらに使用して組織温度を示してもよい。次いで、所望の温度が達成されていない場合は、マイクロ波信号を時間t=t
3でオンにする。
【0094】
図20は、温度の大きさが組織温度を表す時点を決定するために伝送網および冷却流体の温度測定を行うための熱電対を有するマイクロ波照射装置2000を示す。マイクロ波照射装置2000は、流体入口2011に入る流体の温度を測定するための流体入口2011に位置する第1の熱電対2001と、流体出口2012から出る流体の温度を測定するための流体出口2012に位置する第2の熱電対2002とを備える。マイクロ波照射装置2000は、伝送網の代表的な温度を正確に測定するのに適した伝送網に沿った位置に位置する第3の熱電対2004をさらに備える。例えば、第3の熱電対2004は、伝送網の同軸ケーブルコネクタ2006の内側導体2008の近くに位置していてもよい。
【0095】
放射計によって測定された雑音温度が組織温度を表す時点を決定するために、熱電対2001、2002および2004を使用して冷却流体および伝送網の温度を測定する。制御装置が放射計測定値を制御することができるように、これらの組織測定値を、通信インタフェース2010を介して、マイクロ波照射装置2000の外部にある制御装置(例えば、
図5の温度測定回路網モジュール500の制御装置540)に伝送してもよい。具体的には、制御装置が、熱電対2004によって測定された伝送網の温度が熱電対2001および2002によって測定された冷却流体の温度と同じであると判定した場合、伝送網は雑音温度にもはや寄与していない。この時点では、組織が雑音温度に寄与する唯一のものになり得る。従って、制御装置は、この時点で雑音温度を測定して組織の雑音温度を得るように、放射計を制御してもよい。
【0096】
あるいは、制御装置は、入口を通って流れる冷却流体の温度(熱電対2001により測定)が出口を通って流れる冷却流体の温度(熱電対2002により測定)と同じである場合に、雑音温度を測定して組織温度測定値を得るように、放射計を制御してもよい。別の代替形態としては、制御装置は、温度曲線の傾きが、以下により詳細に記載するように、
図19の組織温度の傾き1908に安定した場合に雑音温度を測定するように、放射計を制御してもよい。
【0097】
図21Aおよび
図21Bは、本開示の他の実施形態に係る放射計による温度測定のタイミングを示すタイミング図である。
図21Aに示すように、マイクロ波発生器によって生成されたマイクロ波信号は、可変的平均電力を得るための最大の発生器ピーク電力におけるパルス幅変調(PWM)信号2102であってもよい。オフ時間2104とオン時間2106との合計は、PWM信号2102の期間tを定め、ここでは、1/tはPWM変調周波数であり、1kHz〜100kHzであってもよく、マイクロ波周波数は、500MHz〜15GHzである。PWM信号2102の平均出力P
平均は、以下の方程式によって与えられる:
【数1】
(式中、P
最大は最大ピーク電力である)
【0098】
図21Bに示すように、本開示に係る放射計は、マイクロ波PWM信号のオフ時間中に本マイクロ波焼灼システムの雑音温度をサンプリング2108してもよい。PWM信号のデューティサイクルが100%未満である限り、放射計が雑音温度をサンプリングできるオフ時間が存在する。オフ時間中に雑音温度をサンプリングすることにより、雑音温度信号を高出力マイクロ波治療エネルギーから分離する。
【0099】
他の実施形態では、本マイクロ波焼灼システムは、長期間(例えば、5〜60秒)にわたってマイクロ波信号をさらにオフにしてもよく、それにより、本システムを(能動的または受動的に)冷却し、かつ
図19において上に記載したように、放射計に時間の関数である雑音温度曲線を測定させることができる。これは、
図22のタイミング図によって示されている。
図18の制御装置150は、第1の期間2212にパルス幅変調(PWM)信号であるマイクロ波信号2202を生成し、かつ第2の期間2222にPWM信号をオフにするようにマイクロ波発生器140を制御するように構成されていてもよい。同時に、制御装置150またはマイクロ波発生器140の制御装置は、PWM信号のデューティサイクルを変更して出力を変更してもよい。また、制御装置150は、マイクロ波信号2202に沿って各種時点2204で雑音温度を測定して雑音温度測定信号2206を得るように、放射計160を制御してもよい。
【0100】
具体的には、制御装置150は、本マイクロ波焼灼システムの最大の雑音温度を監視するためにPWMオフ期間2214中に雑音温度を測定するように、放射計160を制御してもよい。PWMオフ期間2204の雑音温度測定値2216を、制御装置(例えば、マイクロ波発生器からのマイクロ波信号出力を制御することができる
図5および
図7の制御装置540)へのフィードバックとして提供してもよい。例えば、制御装置540によって雑音温度測定値2216を使用して、PWM信号2212のデューティサイクルを減少させ、伝送網の温度を許容される限界内に維持して、本マイクロ波焼灼システムの適切な冷却を保証するか誤用を防止してもよい。制御装置540は、雑音温度測定値2216のいずれかが所定の雑音温度値よりも大きいか否かを判定してもよく、雑音温度測定値2216のいずれかが所定の雑音温度値よりも大きい場合に、マイクロ波信号をオフにするかPWMマイクロ波信号のデューティサイクルを減少させてもよい。
【0101】
さらに、放射計は、マイクロ波信号をオフにした第2の期間2222の間に、より長い連続的なサンプル2224を取得するように構成されていてもよい。得られた雑音温度曲線2226を使用して、上記のように伝送網の冷却挙動を観察することにより、各種雑音温度寄与成分を分離する(例えば、伝送網の雑音温度を組織の雑音温度から分離する)ことができる。マイクロ波PWM信号を周期的に、例えば、30〜60秒ごとにオフにすることにより、システム制御装置は、伝送網および本マイクロ波焼灼システムの他の構成要素を冷却することができ、本システムの制御装置は、伝送網および本システムの他の構成要素の温度を好適な温度レベルに低下させるために、PWM信号のデューティサイクルの低下を回避することができる。
【0102】
マイクロ波信号がオフにする期間2222がPWMオン時間2212の僅かな割合である場合、マイクロ波照射装置に送達される平均電力を高くするか、発生器増幅器の最大出力近くに維持してもよい。例えば、最大出力P
最大が115Wであり、マイクロ波信号オフ時間が1分ごとに5秒間であり、95%のデューティサイクルを有するPWM信号を用いた場合、発生器からの平均マイクロ波出力Pは、
【数2】
である。
【0103】
図23は、本開示の一実施形態に係るマイクロ波焼灼システムの動作方法2300のフローチャートである。方法2300を工程2301で開始した後、工程2302では、伝送網を介してPWMマイクロ波信号をアンテナに供給する。PWMマイクロ波信号のデューティサイクルを調整するマイクロ波発生器によってPWMマイクロ波信号を生成して、所望の組織効果を達成する電力レベルを得てもよい。工程2304では、PWMマイクロ波信号のオフ期間中に、放射計によって雑音温度を測定する。工程2306では、PWMマイクロ波信号がアンテナに供給される第1の所定の期間が経過したか否かを判定する。第1の所定の期間が経過したら、方法2300は、工程2302でPWM信号を供給し続け、工程2304で雑音温度を測定する。
【0104】
第1の所定の期間が経過したら、工程2308では、PWMマイクロ波信号をオフにし、それにより、本マイクロ波焼灼システムの流体冷却システムからの冷却流体により伝送網を急激に冷却させる。工程2310では、例えば、
図20の熱電対2001、2002および2004によって冷却流体の温度および伝送網の温度を測定する。工程2312では、冷却流体の温度が伝送網の温度と等しいまたは実質的に等しいか否かを判定する。冷却流体の温度が伝送網の温度と等しいまたは実質的に等しいと判定した場合、工程2313で、冷却流体の流れを停止する。ラジエータまたはアンテナの周りに流れる冷却流体により、組織の雑音温度の測定が難しくなることがある。冷却流体の流れを停止することにより、組織によりラジエータまたは焼灼区域の周りの停滞した冷却流体を加熱し、冷却流体を組織の温度またはほぼその温度にし、このようにして、組織の雑音温度測定値の精度を高めることができる。冷却流体の流れを停止した後の冷却流体の温度曲線(例えば、傾きおよび最大のロールオフ)を使用して、組織治療の完了の成功を示してもよい。
【0105】
工程2313で冷却流体の流れを停止した後に、工程2314では、雑音温度を放射計によって測定し、それを組織の雑音温度として記録する。冷却流体の流れを停止してから所定量の時間が経過した後に、組織の雑音温度を放射計によって測定してもよい。
【0106】
工程2316では、方法2300は、第2の所定の期間が経過するまで待機した後、工程2302に戻ってPWMマイクロ波信号をオンにする。第2の所定の期間は、5秒〜5分の範囲であってもよい。第2の所定の期間は、焼灼処置の間に変動してもよい。例えば、比較的短い(例えば5秒間の)第2の所定の期間を焼灼処置の間に数回使用して、処置時間を著しく遅延させることなく組織治療のリアルタイムな進行を監視してもよい。より短い期間では、流体の流れを僅かな時間にわたって停止してもよく、あるいは、流体の流れを全く停止しなくてもよい。次いで、第2の所定の期間を長くてして(例えば5分間)、焼灼処置後に焼灼処置の最終的な結果を監視し、かつ所望の結果が達成されたことを確認してもよい。より長い期間では、流体の流れを停止してもよい。
【0107】
図24は、PWMマイクロ波信号のオフ期間中に放射計によって得られた雑音温度測定値を用いる伝送網の温度の制御方法2300と共に用いることができる、本開示の一実施形態に係るマイクロ波焼灼システムの動作方法2400のフローチャートである。
図23の方法2300と同様に、工程2302では、伝送網を介して所望のパルス幅を有するPWMマイクロ波信号をアンテナに供給する。
【0108】
工程2304では、PWMマイクロ波信号のオフ期間中に、雑音温度を放射計によって測定する。工程2402では、放射計によって測定された雑音温度が所定の最大温度よりも大きいか否かを判定する。大きい場合、工程2404でPWMマイクロ波信号のデューティサイクルを低下させて伝送網の温度を低下させる。あるいは、伝送網の冷却速度を増加させるために、冷却流体の流量を増加させてもよい。別の代替形態としては、所定の期間にわたってPWMマイクロ波信号をオフにして、伝送網を冷却してもよい。
【0109】
図25は、本開示の別の実施形態に係るマイクロ波焼灼システムの動作方法のフローチャートである。方法2500を工程2501で開始した後、工程2302では、伝送網を介してマイクロ波信号をアンテナに供給する。工程2506では、マイクロ波信号がアンテナに供給される第1の所定の期間が経過したか否かを判定する。第1の所定の期間は、処置の種類に応じて3秒間〜1分間またはそれ以上の範囲であってもよい。例えば、大きな体積の焼灼のために、第1の所定の期間はより長くなり、腎臓の脱神経では、この期間はより長くなる。第1の所定の期間が経過していない場合、工程2502では、方法2500は、マイクロ波信号をアンテナに供給し続ける。
【0110】
第1の所定の期間が経過したら、工程2506でマイクロ波信号をオフにし、工程2508で第1の雑音温度を放射計によって測定する。マイクロ波信号をオフにした直後に第1の雑音温度を測定してもよい。工程2510では、雑音温度を測定し、雑音温度曲線の傾きを計算する。現在の雑音温度および1つ以上の過去の雑音温度測定値に基づいて、雑音温度曲線の傾きを計算してもよい。工程2512では、計算した傾きが、伝送網の温度が基準温度に達し、かつ測定された雑音温度が組織の雑音温度を表すことを示す所定の傾きにおよそ等しいか否かを判定する。計算した傾きが所定の傾きにおよそ等しくないと判定した場合、方法2500は、工程2510に戻って雑音温度を測定し、かつ雑音温度曲線の傾きを計算する。
【0111】
工程2512において計算した傾きが所定の傾きにおよそ等しいと判定した場合、工程2514では、放射計は、第2の雑音温度を測定し、それを組織の雑音温度として記録する。工程2516では、第1の雑音温度と第2の雑音温度との差を決定し、伝送網の雑音温度として記録する。次いで、工程2518では、方法2500は、第2の所定の期間が経過するまで待機した後、工程2502に戻ってマイクロ波信号をオンにする。
【0112】
上記マイクロ波焼灼システムは、マイクロ波エネルギーを組織の中に導くことができ、様々な処置および手術での使用に適し得る。上記マイクロ波焼灼システムは、用手補助内視鏡および腹腔鏡下手術での利用に適し得る。上記マイクロ波焼灼システムは、観血的手術用途での利用にも適し得る。
【0113】
本開示の態様は、肺の癌および他の疾患の治療に使用される上記マイクロ波焼灼システムの使用である。肺疾患、特に喫煙による癌の位置および治療は、肺の通路の蛇行した経路、大きさが極めて小さい末梢の肺の通路ならびに診断手順および治療中の肺の動きによりかなり難しい。
【0114】
癌性もしくは罹患した標的組織を特定する有効な方法には、コンピュータ断層撮影(CT)画像の使用が含まれる。診断ツールとしてのCTの使用は、現在では日常的なものになっており、現在では、CTの結果は、病変部の大きさおよび位置に関する実施者に利用可能な主要な情報源であることが非常に多い。この情報は、生検などの手術処置の計画の際に実施者によって使用されるが、通常、処置の開始前に実施者の能力が及ぶ範囲で記憶しなければならない「オフライン」情報としてのみ利用可能である。以下に記載するように、標的情報の入力に加えて、CTデータとの一体化によりシステムの機能性を高め、それにより、特定された標的への経路計画を非常に容易にし、かつ標的位置まで体内を誘導する能力が得られる。
【0115】
本開示に係るマイクロ波焼灼システムは、患者の体内の解剖学的管腔網内の標的位置への経路を構築、選択および提示するためのシステムおよび方法を用いてもよい。これらのシステムおよび方法は、特に限定されるものではないが、肺の気管支気道を通したプローブ(例えば、
図8のマイクロ波照射装置800)の案内およびナビゲーションに適している。これらのシステムおよび方法は、術前および手術構成要素を含む。術前構成要素はナビゲーション前に行い、経路計画として分類することができる。手術構成要素はナビゲーション中に行い、ナビゲーションとして分類することができる。
【0116】
経路計画段階は、同一出願人による「マイクロ波エネルギー送達装置およびシステム(MICROWAVE ENERGY-DELIVERY DEVICE AND SYSTEM)」という発明の名称の米国出願第13/834,581号および「経路計画システムおよび方法(PATHWAY PLANNING SYSTEM AND METHOD)」という発明の名称の米国出願第13/838,805号により詳細に記載されている3つの一般的な工程を含み、それらの各開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。第1の工程では、気管支樹(「BT」)の3次元モデルを生成および表示するためにソフトウェアグラフィカルインタフェースを使用する。第2の工程では、所望であれば、自動的、半自動的または手動で、BT上の経路を選択するためにソフトウェアグラフィカルインタフェースを使用する。第3の工程では、経路を、表示装置上に可視化することができる経路に沿ったウェイポイントのセットに自動的に領域分割する。気道は、分岐状の解剖学管腔網の一例として本明細書に使用されていることを理解されたい。従って、「BT」という用語は、任意のそのような管腔網を表すように一般的な意味で使用されており、頭文字の「BT」は他の管腔網には当てはまらないが、気管支樹のみを指すものとして解釈されるべきではない。
【0117】
CT画像内の気管と標的とを繋ぐBT内の経路を特定したら、システムは、ナビゲーション段階で、マイクロ波照射装置800により標的に到達しなければならない。そのようなシステムの1つは、同一出願人による「マイクロ波エネルギー送達装置およびシステム(MICROWAVE ENERGY-DELIVERY DEVICE AND SYSTEM)」という発明の名称の米国出願第13/834,581号に記載されている。
【0118】
経路計画段階のためにCTデータ(画像)を用いてもよい。また、ナビゲーション段階のためにCTデータを使用してもよい。CTデータは、その独自の座標系を有するため、他の画像診断法にも好ましい。2つの座標系すなわちCTの座標系と患者の座標系との一致は、レジストレーションとして一般に知られている。レジストレーションは一般に、CT内および体表または体内の両方の位置を特定し、かつ両系のそれらの座標を測定することにより行われる。
【0119】
CTデータおよび患者データの手動および半自動化レジストレーションの方法は、例えば、コヴィディエン社に譲渡された米国特許第7,233,820号に詳細に記載されており、それらは参照により本明細書に組み込まれる。特に手動のレジストレーションは、なお実行可能なレジストレーション方法ではあるが、やや時間がかかり、複数の工程を必要とするため、多くの実施者は、本開示のソフトウェアにより使用可能な自動レジストレーション技術に依存している。但し、場合によっては、特にCT画像データの質が十分でない場合は、なお手動レジストレーションを行うことが必要であったり望ましかったりすることがある。
【0120】
上で参照したレジストレーション技術の手動基準点の指定は非常に効果的であるが、サンプリングされる点の数の選択が必ず精度と効率とのトレードオフを表すため、自動レジストレーションが、大部分の処置での標準となっている。同様に、半自動化技術は実行可能な選択肢であるが、それはカテーテルアセンブリの遠位端に画像センサを必要とし、それによりシステムの複雑さがさらに増してしまう。
【0121】
自動レジストレーション技術については、同一出願人による米国特許出願第12/780,678号に詳細に記載されており、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる。分岐構造のデジタル画像と分岐構造内部のセンサの位置を表すリアルタイムインジケータとの自動レジストレーションは、その構造内部のデジタル画像を「ペイントする」ためにセンサを用いることにより達成される。十分な位置データが収集されると、レジストレーションが達成される。レジストレーションは、分岐構造を通るナビゲーションにより、さらなる位置データが必ず収集され、その結果、レジストレーションが絶えず精製されるという意味で「自動」である。
【0122】
標的を特定し、経路を計画し、位置特定可能ガイドを含む気管支鏡を患者の体内に挿入し、かつ仮想の気管支鏡画像を気管支鏡の画像データと共に記録すると、本システムは、位置センサを患者の肺の中の標的に誘導する準備が整った状態となる。コンピュータは、標的を特定し、かつ仮想の気管支鏡画像を示す表示装置を提供する。但し、表示装置上の各画像中に現れるのは、位置センサの現在の位置から標的までの経路である。これは、上記経路計画段階中に確立された経路である。この経路は、例えば色のついた線によって表してもよい。また、各画像中に現れるのは、位置特定可能ガイドおよび位置センサの遠位先端部の表示である。位置特定可能ガイドを前進させ、かつ経路を辿ることにより、医学の専門家は、標的までの特定された経路を辿ることができる。時には、上に記載したように、仮想の気管支鏡画像では、特に肺の胸膜境界において十分な精度が得られないことがある。そのような場合、使用者は、より詳細な情報を得るために、CT画像に頼ることができる。
【0123】
位置センサの位置をリアルタイムで測定するが、標的位置が見つからないことがある。標的は一般に、センサによってリアルタイムで監視される患者の体の位置に対して固定されているものとみなされている。しかし、呼吸により生じる周期的な胸の動きにより、ナビゲーション精度が低下することがある。この周期的な動きの影響を低下させるために、患者の呼吸数を減少させるなどの予防措置を行うことが好ましい。また、周期的な動きの極値でのみ測定がなされるように、位置センサの位置を選択的にサンプリングすることにより、ソフトウェアにおいてこの動きを補償してもよい。患者の胸の動きの極値は、呼吸周期中のセンサの周期的な変位により、容易に特定することができる。最大呼気状態は典型的に、最大吸気状態よりも呼吸周期の比較的大きな割合において安定なままであるという理由から、測定のために最大呼気状態を使用することが好ましいと思われる。あるいは、連続的に測定を行い、さらなる処理によって周期的な変動を排除または減少させることができる。この処理としては、測定値に低周波フィルタを適用することが挙げられる。あるいは、周期的な動きの期間における測定値の平均値を計算および使用して、標的位置の近似値を求める支援をしてもよい。これは、CTデータが完全に息を吸い込んだか吐き出した位置で患者から得られたものであるか否かを知ることにより支援され、これを比較および位置決めのより良好な近似値のために使用することができる。
【0124】
位置特定可能ガイドを標的位置まで上手く誘導したら、位置特定可能ガイドを取り出し、ツール(例えば、マイクロ波照射装置800)を標的位置に導くために、シースをガイドチャネルとして配置したままにすることが好ましい。
【0125】
本開示の計画/ナビゲーションシステムおよび方法は、マーカーを用いてもよい。これらのマーカーを、経過観察分析および監視のために腫瘍および病変部を特定するなどの様々な目的のために使用して、生検サンプリングが行われた位置を特定し、かつ治療用途のために腫瘍または病変部の境界または中心を特定することができる。本開示の範囲に含まれる他の使用は、当業者によって理解されるであろう。マーカーの配置は、ビデオ補助下胸腔鏡外科手術(VATS)肺処置を行う場合に特に有用であり得、それについては、同一出願人による米国出願第13/834,581号により詳細に記載されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0126】
埋め込まれたマーカーの位置を特定するために、蛍光透視法、超音波および他の画像診断法などの様々な技術を用いることができる。マーカーに例えば金で作られた放射線不透過性部分が設けられている場合に、これらは特に有用である。特に、VATS処置により、特に肺の胸膜境界近くの組織の治療を行う際に、それのみで視覚的識別が得られる。可視化を向上させるためのいくつかの技術では、インクまたは染料を患者に注射して、マーカーの位置を特定する。これらの技術は、むしろ視覚的識別のための臨床医によるその場限りの解決になりやすい。
【0127】
最初の問題として、特に変色した罹患した肺組織において任意の種類のマーカーを可視化することは非常に難しい可能性がある。さらに、従来の染料および溶液は、特にマーカーが外科手術の数時間以上前に配置された場合に、あまりに広く拡散するため、特定される組織の正確な特定ができなくなる傾向がある。通常は、染料の注射から72時間以内に外科手術に着手しなければならない。他方、金基準マーカーは、不可能ではないとしても、画像診断法を全く行わずに特定することは難しく、時として、現在利用可能な基準マーカーは時間と共に、あるいは患者の咳によっても移動する傾向がある。
【0128】
同一出願人による米国出願第13/834,581号(その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、本計画/ナビゲーションシステムおよび方法の一実施形態は、上記マイクロ波焼灼システムを用いて組織を経皮的に焼灼することができるように、VATSの間に目的の組織の視覚的識別を促進するためのマーカーの配置に関する。
【0129】
特定の計画/ナビゲーションシステムに関して本明細書に記載されているが、本開示の範囲を逸脱することなく、他の経路計画/ナビゲーションシステムを用いてもよい。例えば、同一出願人による米国特許出願第13/477,279号、第13/477,291号、第13/477,374号、第13/477,395号、第13/477,406号および第13/477,417号に記載されているシステム(その各開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)ならびに、例えば現在ではActiviewes社に譲渡されている米国特許第7,876,942号に記載されているシステムを用いてもよい。
【0130】
肺組織の治療に関して本明細書に記載されているが、本開示の実施形態は、他の組織の治療への使用に等しく適用可能である。例えば、本開示のシステムおよび方法を使用して、肝臓組織、腎臓組織、膵臓組織、胃腸組織、間質性腫瘤(interstitial masses)ならびにマイクロ波焼灼により治療可能であることが当業者に知られている体の他の部分を治療し得ると考えられる。
【0131】
本開示に記載されているハンドピース、ケーブルおよび温度測定モジュールとして用いることができるマイクロ波照射装置(一般に装置という)は、その中に装置を識別するためのデータを記憶することができる1つ以上のデータ記憶部品(例えば、EEPROM、PROMなど)を備えていてもよい。記憶されたデータは、装置の識別子ならびに装置の使用に関するデータ(例えば、起動数または使用のタイムスタンプ)および装置の再処理に関するデータを含んでいてもよい。上記装置が本システムの他の構成要素と適合可能であり、特定の地理的位置での動作が許可され、規定の使用数または使用時間を超えておらず、かつ適度に無菌であることが保証されていることを確認するために、データ記憶部品から読み込まれるデータを、
図10のマイクロ波発生器1000などの本システムの他の構成要素によって読み込んでもよい。
【0132】
あるいは、本装置は、本装置およびマイクロ波発生器を識別するバーコードを含んでいてもよく、あるいは、本マイクロ波焼灼システムの他の構成要素は、バーコードから識別子を読み取るためのバーコードリーダーも備えていてもよい。次いで、バーコードリーダーは、コンピュータが本装置の使用を追跡することができるように、読み取られた識別子をバーコードリーダーに接続されたコンピュータに提供してもよい。
【0133】
装置の意図しない使用を防止する方法の1つは、本装置の再処理を要求する前に使用数を制限することである。単回使用装置に関する一つの例として、装置(例えば、
図8のマイクロ波照射装置800)を発生器(例えば、
図10のマイクロ波発生器1000)に接続した後、または装置の最初の使用後に、タイムスタンプをデータ記憶部品のデータフィールドに書き込んでもよい。このデータフィールドを絶えず確認して、そのタイムスタンプからあまりに長い期間が経過してないことを確認してもよい。装置の接続/起動と同時または最初のタイムスタンプから許可された使用時間の満了後に、データをデータ記憶部品内の別個のデータフィールドに書き込んでもよい。単回使用装置の例では、データフィールドが、本システムの他の構成要素によって読み込むことができるそこに書き込まれた任意のデータを有すると、他の構成要素は、装置の使用を許可することを拒否し、使用者に、再処理のために装置を送付しなければならないというメッセージを提供してもよい。また、本開示の範囲を逸脱することなく、当業者によって理解される他の使用スキームを使用してもよい。
【0134】
装置を検査することができ、摩耗部分を交換することができ、データ記憶部品に記憶されたデータを読み込むことができ、かつ装置を滅菌することができる認可された再処理施設で、再処理を行ってもよい。データ記憶部品から読み込まれたデータを、点検および分析のために元の製造業者に送り戻してもよい。データ記憶部品は、装置を処理した回数を特定するデータフィールドを含んでいてもよい。このデータフィールドは、装置を再処理するたびに更新される。
【0135】
装置を再処理することができる回数も制限してもよい。従って、指定された限度に達したら、装置を完全に破壊しなければならない。再処理の一部として、別の構成要素への挿入または第1の起動からの上記タイムスタンプを上書きしてもよく、このようにして、別の構成要素への次の挿入時に装置が使用可能になる。限定された例に関して一般に本明細書に記載してきたが、再処理を様々なスキームで行ってもよく、データ記憶部品上のデータフィールドの数を読み込むまたは上書きするか、データをそれらに書き込んで、装置の安全性および無菌性を確保してもよい。
【0136】
例示および記載のために、添付の図面を参照しながら実施形態を詳細に記載してきたが、当然のことながら、本発明の方法および装置は、それらにより限定されるものとして解釈されるべきではない。当業者には、本開示の範囲を逸脱することなく、上記実施形態に対して様々な修飾をなし得ることは明らかであろう。