(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記骨固定プレートが、工業用純チタングレード1、2、3、及び4の、Ti−6Al−7Nb、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−4VELI、Ti−15Mo、CCM(Co−28Cr−6Mo合金)、及びステンレス鋼のうちの1又は複数で形成されている、請求項5に記載のシステム。
ネジ付き頭と、長手軸に沿って近位端から遠位端まで延びるシャフトとを含む骨固定要素であって、前記頭の外面は、浸炭されている、及び窒化されている、のうちの一方であり、ネジ切りを中断する経路に沿って前記頭の外面内に延び、かつ前記ネジ切りの角度とは反対の角度に沿って延びる第1の溝を含む、骨固定要素。
前記プレート孔が、前記第1の表面に隣接した第1のテーパ領域、前記第2の表面に隣接した第2のテーパ部分、並びに前記第1及び第2のテーパ部分間を延びるネジ部分を含む、請求項16に記載の骨固定システム。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本発明の例示的実施形態による骨固定要素の第1の斜視図を示す。
【
図5】
図1の骨固定要素の頭の第4の斜視図を示す。
【
図6】本発明の代替的な実施形態による骨固定要素の斜視図を示す。
【
図7】本発明による骨プレートの第1の表面の斜視図を示す。
【
図8】
図7の骨プレートの第2の表面の斜視図を示す。
【
図10】
図7の骨プレートのプレート孔の部分断面図を示す。
【
図11】標準分析に対するシェフラー状態図を介して試験された従来の材料組成物のチャートを示す。
【
図13】標準分析に対するWRC−1992状態図を介して試験された従来の材料組成物のチャートを示す。
【
図14】
図13の材料に対するWRC−1992状態図を示す。
【
図15】標準分析に対するシェフラー状態図を介して試験された本発明による典型的な材料組成のチャートを示す。
【
図17】標準分析に対するWRC−1992状態図を介して試験された本発明による典型的な材料組成のチャートを示す。
【
図18】
図17の材料に対するWRC−1992状態図を示す。
【
図19】プレート内にテーパ状孔を有する骨プレートの長手方向断面を示す。
【
図20】プレート内に球状孔を有する骨プレートの長手方向断面を示す。
【
図21】プレート内の孔の内部ジャケット表面に3つの凹部を有する骨プレートの平面図を示す。
【
図22】
図21による骨プレートの変形であって、プレート内の孔の内部ジャケット表面により大きい凹部を有するものを示す。
【
図23】プレート内の楕円形の孔の内部ジャケット表面に4つの凹部を有するネジインサートを有する骨プレートの平面図を示す。
【
図24】
図19による骨プレートに骨ネジを挿入したものを上から見た斜視図を示す。
【
図25】
図19による骨プレートに骨ネジを挿入したものを下から見た斜視図を示す。
【
図26】骨ネジが角度のずれなく挿入された骨プレートの長手方向断面を示す。
【
図27】骨ネジが角度がずれて挿入された骨プレートの長手方向断面を示す。
【
図32】
図30のロッキング骨ネジの拡大された部分断面図である。
【
図33】本発明による角度可変ロッキングネジの斜視図である。
【
図34】
図33の角度可変ロッキングネジの頭の正面図である。
【
図35】
図33の角度可変ロッキングネジの頭の断面図である。
【
図36】本発明による角度可変ロッキングネジの別の実施形態の断面図である。
【
図37】本発明による角度可変ロッキングネジ頭の更に別の実施形態の断面図である。
【
図38】本発明による骨プレート孔の実施形態の第1の斜視図である。
【
図39】
図38の骨プレート孔の実施形態の第2の斜視図である。
【
図40】本発明の別の実施形態による骨プレート孔の平面図である。
【
図43】本発明の更に別の実施形態による骨プレート孔の平面図である。
【
図46】本発明の更に別の実施形態による骨プレート孔の断面図である。
【
図47】
図46の骨プレート孔のネジ山セグメントの柱の拡大された部分断面輪郭図である。
【
図48】本発明による角度可変ロッキングネジの選択可能角度の範囲を示す骨プレートシステムの実施形態の斜視図である。
【
図49】本発明による骨プレートとともに用いられる非ロッキング、ロッキング、及び角度可変ネジを示す骨プレートシステムの実施形態の斜視図である。
【
図51】本発明による骨プレート孔を通して挿入された非ロッキングネジの斜視図である。
【
図53】本発明による骨プレート孔内にねじ込まれたロッキングネジの斜視図である。
【
図55】本発明による骨プレート孔内にねじ込まれた角度可変ロッキングネジの斜視図である。
【
図57】本発明による角度可変ロッキング骨ネジのネジ頭の第1の実施形態の断面図である。
【
図58】本発明による角度可変ロッキング骨ネジのネジ頭の第2の実施形態の断面図である。
【
図59】本発明による角度可変ロッキング骨ネジのネジ頭の第3の実施形態の断面図である。
【
図60】本発明による角度可変ロッキング骨ネジのネジ頭の拡大された部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明及び添付図面を参照して、本発明が更に理解されるであろう。なお、図中、同様の要素は同じ参照符号により示されるものとする。本発明は骨の安定化に関し、詳細には、骨折ないしは別の方法で損傷を受けた骨の安定化を、骨ネジを骨固定装置(例えば、骨プレート)を通して挿入することによって行なうことに関する。本発明の例示的実施形態では、角度可変骨ネジであって、ネジ付き頭とネジ付きシャフトとを有し、その表面硬さを所望のレベルまで増加させるように構成された浸炭又は窒化外面を有する角度可変骨ネジについて説明する。ネジ付き頭は、骨ネジの長手軸に対してある角度をなしてその外面内に延びて、頭のネジ山と骨固定装置の角度可変ネジ孔のネジ山との位置合わせを助けるようになっている、1又は複数の溝を含む。シャフトは、角形成の許容範囲内で長手軸に対して任意の角度をなしてその外面内に延びている1又は複数のノッチを含み、これについては後でより詳しく説明する。一実施形態では、骨プレートを、所定の範囲内の硬さを示す金属合金で形成してもよい。骨ネジを浸炭又は窒化して、骨ネジの外面の硬さが骨プレートの硬さよりも大きくなるようにしてもよい。その結果、本発明による典型的な骨ネジによって、骨プレート内への挿入中に生じるネジのバーリングが最小になる一方で、一貫した接続強度が骨及び骨プレートに対して得られる。更に、当業者であれば分かるように、本発明による典型的なシステムによれば、使用中の摩損が減る一方で、標準ネジと比べて、例えば降伏強さ、引張強度、及び疲労強度の増加など、全体的な強度も増加する。本明細書で使用するとき、「近位」及び「遠位」という用語は、装置のユーザに向かう(近位)及びユーザから離れる(遠位)方向を指すことを意図することに注意されたい。
【0006】
本発明の実施形態は、浸炭又は窒化外面を有するインプラントグレード材料で形成されている。インプラントグレード材料は、身体内での永久インプラントに適した材料である。すなわち、身体内に長時間残されても健康への悪影響がない材料である。浸炭又は窒化外面は、硬さが被処理骨のそれよりも大きくなるように選ぶ。骨固定装置として、非表面処理のインプラントグレード材料で形成されていて、穿孔、彫り、又はリーマ仕上げ力を受けたときに曲がるか又は壊れることが多いものとは対照的に、本発明による例示的な骨固定装置は、力のレベルの増加に、曲がることも他の場合には変形することもなく耐えることができる。本発明による例示的な骨固定装置は浸炭又は窒化外面を用いて形成されて、骨内への挿入中に生じるネジ山のバーリング又は鋭利表面の鈍化を最小にする。その結果、研ぎ又は交換を行なうことなく同じ骨固定装置を継続して使用することができる。更に本発明の例示的なインプラントグレード材料は、その破損を防止又は抑制するために触覚フィードバックを与える。具体的には、材料の形成を、過剰な力がそこに加わったときに装置が砕けるのではなくある程度曲がるように行なう。その結果、外科医又は他のユーザが曲がりに反応して、そこに印加された力を除去/低減して破損を防止することができる。本発明による例示的な浸炭又は窒化インプラントグレード材料によって得られる更なる優位性は、その小破片が装置から分離して身体に偶然入ったとしても、除去する必要はないということであり、これについては、以下でより詳しく説明する。装置が破損するようなことがあっても、本発明による例示的な材料処理によって破損部分の縁部は未処理材料と比べてより滑らかでより曲線的であるため、組織に対する外傷が小さい。したがって、当業者であれば分かるように、本発明による例示的な骨固定装置は、インプラントグレード材料で形成された非表面処理の骨固定装置と比べて、例えば降伏強さ、引張強度、及び疲労強度の増加など、全体的な強度の増加を示す。
【0007】
図1〜6に示すように、本発明の例示的実施形態による骨ネジ100は、頭104を含む近位端102から細長いシャフト106に沿って遠位端108まで延びている。例示的実施形態では、頭104の外面は実質的に球状であり、骨ネジ100を骨固定装置200内に角度可変で挿入することができる。これについては、後でより詳しく説明する。しかしながら、頭104を、本発明の範囲から逸脱することなく、(例えば、骨ネジ100を骨固定装置200内に単一角度で挿入できるように)任意の他の形状に形成してもよいことに留意すべきである。後でより詳しく説明するように、頭104の外面に、ピッチを有するネジ切り110が設けられており、ネジ切り110は、骨固定装置200を通って延びる開口部202の壁上に形成されたネジ切り212と固定可能に嵌合するように構成されている。1又は複数の溝112を頭104上に設けてもよい。各溝112は少なくとも部分的にネジ山110内に延び、骨ネジ100の長手軸114に対して実質的に斜めの軸に沿って延びている。溝112はネジ山110を中断するように構成されている。そのため、複数のネジ山始まりが形成されて、特に、骨ネジ100が、骨プレート孔の軸に対して斜めの骨プレート孔内に挿入されたとき(すなわち、頭104のネジ切りと骨プレート孔のネジ切りとの位置合わせが不良であるとき)に、ネジ山110と孔202のネジ山210との位置合わせを助けることが、動作構成において生じる。溝112によって更に、骨ネジ100が、ねじ込みメカニズム(図示せず)によって回転されたときに、遠位に進んで骨内に入ることができる。
【0008】
各溝112は、例えば、線分B−Bに対して約8.5±1°の角度で斜めであってもよいが、任意の他の角度を本発明の範囲から逸脱することなく用いてもよい。例示的実施形態では、溝112はネジ切り110の方向とは反対方向に斜めである。例えば、
図1に見られるように、線分B−Bはネジ切り110の経路に垂直であり、溝112は線分B−Bに対して斜めであるため、ネジ切り110に沿ってその近位端110Aから遠位端110Bに向かって移動すると、ネジ切り110と溝110との間の角度は、ネジ山の近位側で90°よりも大きく、ネジ山の遠位側で90°よりも小さい。別の実施形態では、溝112は、線分B−Bに対して約5〜85°(すなわち、ネジ切り110に対して95°〜175°)の角度で延びている。更に他の実施形態では、溝112は線分B−Bと実質的に平行に延びていてもよい。この実施形態による溝112はネジ切り110の実質的に完全長に沿って延びている。別の実施形態(図示せず)では、溝112はネジ切り110の部分長に対して延びていてもよい。
【0009】
本発明の第1の例示的実施形態では、骨ネジ100の形成を、
図5に示すように、5つの溝112を頭104の周囲に均一に互いから等距離に配置して行なってもよい。具体的には、この実施形態における各溝112は、隣接する溝112から約72°だけ離されている。別の実施形態で(図示せず)では、骨ネジ100は、互いから約60°だけ離されている6つの溝112を含む。更に他の実施形態では、
図6に示すように、骨ネジ100は、互いから約45°だけ離されている、8つの溝112を含んでもよい。
【0010】
頭104は更に、近位端102からその中に延びる凹部116を含んでもよい。当業者であれば分かるように、凹部116は、トルクを骨ネジ100に加えるためのねじ込みメカニズム(図示せず)の遠位端と嵌合できるように構成されている。
図1〜6の実施形態をトルクス形状の凹部116とともに示している。しかしながら、当業者であれば分かるように、任意の他の形状を、本発明の範囲から逸脱することなく用いてもよいことを理解されたい(例えば、スロット付、フィリップス、角、六角形など)。
【0011】
シャフト106には、ネジ山110のピッチと実質的に同じピッチを有するネジ切り118が設けられている。本発明の別の実施形態(図示せず)では、ネジ切り118のピッチはネジ山110のピッチより大きくてもよいし又は小さくてもよい。当業者であれば分かるように、シャフト106のネジ切り118を2つのリードを用いて形成しても良い。当業者であれば分かるように、ネジ切り118のマルチリード構成が骨ネジ100の骨内への直線前進を助ける。当業者であれば分かるように、シャフト106の長さは一般的に、対象手順の要求に適合するように選択される。当業者であれば分かるように、シャフト106の遠位部分には、1又は複数のノッチ120であって、ネジ山110の連続性の中に間隙を形成し、骨ネジ100のセルフタッピングを可能にするように構成されたノッチ120が含まれていてもよい。シャフト106の遠位部分をテーパ状にして遠位端106での直径を小さくして、例えば、挿入を助けるようにしてもよい。遠位端106を、必要に応じて鋭くしてもよいし又は鈍くしてもよい。
【0012】
骨ネジ100を形成する材料を、一緒に用いるべき骨固定装置200の材料より大きな硬さを有するように選択してもよい。具体的には、骨ネジ100をステンレス鋼及びCCM(Co−28Cr−6Mo合金)のうちの一方で形成してもよい。当業者であれば分かるように、骨ネジ100を次に浸炭又は窒化して、その表面硬さを更に増加させて約68HRC以上にしてもよい。例示的実施形態では、骨ネジ100の硬さは約67〜74HRCであっても良く、より詳細には67.5〜70.3HRCであってもよい。対照的に、骨固定装置200を、工業用純チタングレード1、2、3、及び4、Ti−6Al−7Nb、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−4V ELI、Ti−15Mo、CCM(Co−28Cr−6Mo合金)、ステンレス鋼、又は別の材料であって、骨ネジ100の材料とは異なるもので形成してもよい。当業者であれば分かるように、骨固定装置200の硬さは、約75HRB(例えば、CP1材料の場合)〜約45HRC(例えば、CCM材料の場合)であってもよい。この構成によって、骨ネジ100のネジ山110を骨固定装置100内に挿入したときのバーリングが最小になる一方で、骨内での骨固定システムの保持強度も増加する。
【0013】
骨固定装置100は、限定されるものではないが、インプラント品質オーステナイト系ステンレス鋼(例えば、316L、22−13−5、Biodur 108)、コバルト合金例えばCCM(Co−28Cr−6Mo合金)、MP35N、L605、ASTM−F−1058、及びエルジロイ及びチタン、並びにその合金、例えばTi−6Al−4V、Ti−6Al−7Nb、及びTi−15Moを含む群から選択されたインプラントグレード材料で形成される。当業者であれば分かるように、選択材料は好ましくは非磁性であり、その結果、破片になって身体内に残されても、患者は悪影響を被ることなく磁気共鳴映像法(「MRI」)を受けることができる。更に、選択材料を浸炭/窒化処理することによって、鋭い縁部を含まない破片部分になるため、周囲の組織に対する外傷が防がれる。骨固定装置100の選択材料は従来の装置の場合と比べて実質的に柔らかいが、浸炭又は窒化外面を加えることによって、その剛性は増加して、骨固定装置100を内部で用いるべき骨の剛性よりも大きく、従来の骨固定装置よりも実質的に大きいレベルになる。具体的には、当業者であれば分かるように、骨固定装置100の表面硬さは約68HRC以上であってもよい。例示的実施形態では、骨固定装置100の硬さは、約67〜74HRC、より詳細には67.5〜70.3HRCであってもよい。当業者であれば分かるように、この構成によって、ネジ切り110、118の長期使用後の鈍化が最小になる一方で、代表的なリーマ仕上げ手順により骨固定装置100を骨内に挿入することも容易になる。骨固定装置100の浸炭又は窒化外面は、手術中、骨及び/又は金属を、鋭さを抑えずにまた失わずに切るのに役立つ。骨固定装置100の例示的な浸炭又は窒化外面によって、骨固定装置100を骨内で用いることが、過剰なバーリングが起こる危険も該バーリングに起因する保証期間内の交換も伴うことなく可能となる。更に、本発明の浸炭又は窒化材料によって、骨固定装置の剛性を高めることが、装置の幾何学的形状を大きくすることも別の方法で変えることも必要とせずに行なわれる。
【0014】
一実施形態では、骨固定装置をBioDur 108合金(本質的にニッケルフリーのオーステナイト系ステンレス合金)で形成してもよい。合金には、そのオーステナイト系構造を維持するために高い窒素含有量が含まれている。その結果、BioDur 108合金は、引張り及び疲労強度のレベルが、ニッケル含有合金、例えばタイプ316L(ASTMF138)、22Cr−13Ni−5Mn合金(ASTM F1314)、及び734合金(ASTM F1586)と比べて向上している。BioDur 108合金の耐孔食/隙間腐食性は、タイプ316L合金よりも優れており、22Cr−13Ni−5Mn及び734合金と同等である。BioDur 108合金の製造は、その微細構造完全性及び清浄性を保証するために、エレクトロスラグ再溶解法(ESR)プロセスによって行なう。合金は非磁性であり、本質的にフェライト相が無い。BioDur 108合金は耐食性が高く、その理由はそのクロム及び窒素のレベルが高いこと及びそのモリブデン含有による。合金は優れた耐孔食/隙間腐食性を示す。BioDur 108合金を、耐食性がニッケル含有合金である22Cr−13Ni−5Mn(ASTM F1314)及び734(ASTM F1586)と同等以上になるようにデザインした。これらの合金の耐食性レベルは、タイプ316L合金(ASTM F138)よりも優れている。臨海隙間腐食発生温度として10℃(50°F)がBioDur 108合金試料において測定された(ASTM G48、方法D)。臨海温度として5℃(41°F)が、22Cr−13Ni−5Mn合金の同様に調製された試料において測定された。これらの試験条件の下であれば、タイプ316L合金の臨海温度は0℃(32°F)を下回ったであろう。BioDur 108合金及び比較合金の相対的な耐食性が、アノード分極試験をリンガー溶液中で37℃(98.6°F)で行なうことで確認された。BioDur 108合金試験物は、非細胞毒性で、非毒性で、非溶血性で、無視できるほどの刺激性であると結論づけられ、毒性の徴候は何ら示さず、観察されて、試験物は、ISO 10993−11の要求を満たすと結論づけられ、パイロジェンを何ら含まず、使用した方法に基づいて非変異原性である。
【0015】
本発明による典型的な材料を低温浸炭を用いて処理する。低温浸炭は、他の処理方法とは対照的に、炭化物の形成が最小である。米国特許第6,464,448号、発明の名称「低温ケース硬化プロセス(Low Temperature Case Hardening Process)」(開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)には、工業用部品及びアセンブリに対する鉄系材料の低温浸炭について記載されている。これらのプロセスは、これまでインプラントグレード医療機器にもインプラントにも適用されなかった。その理由はおそらく、表面不完全性が存在していたからである。表面不完全性は、工業環境では問題とはならないが、材料が身体中に置かれたときに腐食の影響を受けやすくなる原因であった。本出願では、鋼鉄又は他の材料の低温浸炭を適用して、外科用器具で用いるのに十分な耐食材料を提供する。すなわち、本発明による例示的なシステム及び方法では、インプラントグレードのフェライトフリー材料を浸炭/窒化する新規な技法を、腐食が生じ得る当該技術分野で知られた他の材料と比べて腐食耐性が増した装置を形成することに適応させ、当該技術分野で知られた他の材料の腐食は、例えば、一つには、クロムが酸化物の形成に利用される代わりに炭化物に結合することが原因で生じ得る。本発明による材料中のモリブデンのレベルが高くなれば、その耐食性が更に増加する。当業者であれば分かるように、アニーリングと冷間加工との組み合わせを用いて、本明細書で説明した装置のいずれかを形成してもよい。結果として得られる材料には、炭素が格子間炭素の形態で母材を過飽和状態にした拡散層が含まれる。この過飽和の効果は、硬さ、耐摩耗性、及び耐食性の向上である。本発明の典型的な材料について以下に詳細に説明する。
【0016】
当業者であれば分かるように、鉄には3つの主な立方型がある。オーステナイト(FCC)、マルテンサイト(BCT)及びフェライト(BCC)である。マルテンサイト及びフェライトは両方とも磁性である一方で、オーステナイトはそうではない。そのため、従来のインプラント品質316Lステンレス鋼は、鋳放し状態でも完全にオーステナイト系となるように意図的に平衡されていて、医療機器とMRI磁界との相互作用を最小にするか又はなくすようにされている。これは、フェライト安定化元素をオーステナイト安定化元素で埋め合わせることを、鋳放し状態での平衡が確実にオーステナイト領域であるように実施することによって行なう。特定の元素がオーステナイト又はフェライトのいずれかを安定化させることが良く知られている。フェライト安定化元素の多く(例えばモリブデン及びクロム)も耐食性を促進するので、それらを、オーステナイト形成元素を増やすことによって埋め合わせなければならない、つまり合金にオーステナイトとともにフェライトが含まれることになる。仕様範囲が過度に広いと思われる場合がある。しかし、ある相平衡を形成する必要性を、耐食性を最大にする一方でコストを最小にする必要性とバランスさせると、実際の化学的性質が変化する範囲が仕様が示すものよりはるかに小さいことが明らかになる。従来の工業用316Lでは、ある量のフェライトが合金中に意図的に存在していて合金の溶接特性を改善している。なぜならば、フェライトによって溶接部での高温割れが減ることが知られているからである。製鋼業者にとっては、このことによって、溶融及び鋳造中(特に連続鋳造中)の高温割れが同様に減ることが得られる。典型的な市販316L材料は、大部分がオーステナイトでわずかな割合のフェライトが含まれる合金である。これは、鋳放し状態において言えることであり、また完成した鍛錬製品例えばバール、ワイヤ、シート、及びプレートにおいても言えることである。
【0017】
他方で、インプラント品質316Lは、合金中にフェライトが存在しないように化学的に平衡されている。仕様(例えばASTM F 138)に与えられた化学的な範囲はフェライトの製造が可能であるが、仕様は最終製品にフェライトが含まれていないことを要求している。これを行なうため、製造業者は、実際の化学的性質を平衡させて100%オーステナイト領域にする。ステンレス鋼中のオーステナイト−フェライト平衡を予測するための多くの方法がある。もっとも一般的なものの2つは、シェフラー及びWRC−1992状態図である。これらの技法のそれぞれにおいて、クロム等量、ニッケル等量、及び相平衡の間で相関関係が形成されている。クロム及びニッケル当量は、存在するフェライト又はオーステナイト形成元素の総量を、それらの、クロム及びニッケルの基本元素に対する安定効果と関係付けるものである。浸炭は、拡散制御されたプロセスであって、装置の外部表面層付近の小さい領域(20μm〜35μmのオーダーの厚さ)のみが浸炭される。フェライト粒子がこの領域内に依然として存在すると、浸炭されずに未浸炭領域が形成される。この領域には浸炭層ほどの耐食性はない。腐食トンネリング効果がこれらの領域で生じる可能性があり、腐食が物品の中心まで浸透することができるため突発故障が起こる可能性がある。
【0018】
本発明による代表的な材料では、インプラント品質316Lを浸炭用に用いる。なぜならば、インプラント品質316Lはフェライトを全く含有しないので、フェライト粒子の存在が浸炭層を乱す危険が緩和されるからである。フェライト形成に対する傾向を示すために、以下のものを比べた。(1)ASTM F138、ASTM F 139、及びISO 5832−1の要件を満たすシンセスで受け取られたインプラント品質316L、試料規模−1366試料、及び(2)ASTM A 276の要件を満たすように供給元によって製造された工業用品質316L、−試料規模−3,556試料。それぞれの平均的な化学的性質をプロットしてフェライト含有量を決定することを、シェフラー及びWRC−1992法を用いて行なった。これを以下の表に示す。
【0021】
図11〜18に示すように、上記開示材料の比較が示すところによれば、インプラント品質316Lは100%オーステナイト領域内で平衡し、一方で、工業用品質316Lは約7〜8%フェライトで平衡している。各技法ではまた、可能な%フェライトバンドを仕様範囲に基づいて示している。具体的には、
図12に、
図11の種々のタイプの従来の工業用強度微細構造の溶接特性についての情報を、それに含まれる合金元素の関数として示す。
図12のチャートは、以下の材料組成物に対する標準分析の範囲に対するシェフラー状態図に対応する。
図14に、
図13の従来の工業用強度微細構造の種々のタイプの溶接特性についての情報を、それに含まれる合金元素の関数として示す。
図14のチャートは、以下の材料組成物に対する標準分析の範囲に対するWRC−1992状態図に対応する。
図15〜18は、本発明による典型的なインプラントグレード材料に対する同じデータを示しており、
図16は
図15のデータのシェフラー状態図に対応し、
図18は
図17のデータのWRC−1992に対応する。前述を考慮すれば、本発明による代表的な材料によって100%オーステナイト領域で平衡するインプラントグレード材料が提供され、従来の材料中に一般に生成されるフェライトが除去されることが明らかである。
【0022】
本明細書で示す例示的な構成は骨固定装置100(例えば骨ネジ)に向けられているが、本発明の考え方は、本発明の範囲から逸脱することなく任意の他の骨固定装置/インプラントとともに用いてもよい。このような骨固定装置としては、これらに限定されないが、骨ピン、バットレスピン、骨プレート、髄内釘、転子釘などが挙げられる。
【0023】
図7〜10に示すのは、本発明による例示的な骨固定装置200である。図示した装置200は骨プレートであるが、任意の他の骨固定装置を、本発明の範囲から逸脱することなく用いてもよいことが示される(例えば、髄内釘など)。骨プレート200は、例えば、4.5mm幅の角度可変圧縮プレートであって、ボディ204を通って延びる8つの孔202を含むものであってもよい。孔202の一部又は全部を、第1の角度可変孔部分206と第2の圧縮孔部分208(第1の孔部分に対して開いている)とを含む角度可変の組み合わせ孔として形成してもよい。第1の孔部分206は、第1の表面203に隣接して形成された第1のリリーフカット210、第1のリリーフカット210から遠位に延びる第2の円柱型ネジ部分212、及び第2の表面205(動作構成において骨と接触するように構成されている)に隣接して形成された第3のリリーフカット214を含んでいてもよい。リリーフカット210は孔202の長手軸に対して約15°の角度で延びてもよいが、本発明の範囲から逸脱することなく他の角度を用いてもよい。第1の孔部分206は、その外壁上に設けられた1又は複数のスロット207を含み、スロット207はネジ孔軸に実質的に垂直に延びている。当業者であれば分かるように、スロット207はネジ部分212のネジ山を中断して、複数のネジ山始まりを与えている。ネジ山始まりは、ネジ部分212と骨ネジ100との位置合わせを助けている。第2の孔部分208は、第1のテーパ状孔部分216とそこから遠位に延びる第2のテーパ状孔部分218とを含んでいてもよい。骨固定装置200を8つの孔とともに示しているが、本発明の範囲から逸脱することなく任意の他の数の孔を用いても良く、これらの孔には、任意の種々の既知の骨ネジ取り付け孔が含まれていてもよいことに注意されたい。骨固定装置200はまた、任意の数及び組み合わせの角度可変孔、単一孔、及び組み合わせ孔を、本発明の範囲から逸脱することなく含んでいてもよい。当業者であれば分かるように、第2の表面205は更に、骨固定装置200と骨との間の接触面積を減らして、例えば、インプラント後に生じる血液供給の障害を減らすように構成された、複数のアンダーカット220を含んでいてもよい。
【0024】
動作構成では、骨ネジ100を骨固定装置200を通して骨内に挿入する。当業者であれば分かるように、医師又は他のユーザが、特定の処置要求に適合するように所望の角度の挿入を選んでもよい。頭104上に設けられた溝112によって提供された複数のネジ山始まりと、孔202内に設けられたスロット207とが、頭のネジ山110と孔202のネジ部分212との位置合わせを助ける。骨ネジ100がネジ回しされて骨固定装置200を通って骨内に入る際、骨ネジ100の浸炭又は窒化外面によってネジ山110のバーリングが最小にされている。また骨固定装置200に対する骨ネジ100の剛性が増したことによって、骨ネジ100を取り出して骨内に再挿入すること(例えば、骨内での骨ネジ100の位置を修正するため)が、そのバーリングを起こすことなく可能である。
【0025】
本発明による例示的な浸炭又は窒化外面は骨ネジ100に限定されない。別の実施形態では、浸炭又は窒化外面及びフェライトフリー構成を、任意の従来の骨ネジ(例えば、限定することなく、角度可変骨ネジ、ロッキングネジ、圧縮ネジ、又は当該技術分野で知られた任意の他の骨ネジ)に適用してもよい。例示的な骨ネジは、頭104上に何ら溝112を設けずに形成してもよい。頭104の外輪郭は、テーパ状、曲線、球状、及び円柱型のうちの1つであってもよい。
【0026】
一実施形態では、骨ネジの形成を、米国特許第8,343,196号、発明の名称「骨プレート(Bone Plate)」(開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示された骨ネジ10と同様に行なってもよい。具体的には、
図19及び21に示すように、骨プレート1は、その骨接触側の下面2と、上面8と、下面2を上面8と接続するプレート内の複数の孔3とを有し、孔は中央の孔軸5を有している。プレート内の孔3は、下面2に向かってテーパー状になっている内部ジャケット表面4を有する。更に内部ジャケット表面4は、半径方向に孔の孔軸5から離れるように互いから120度の一定間隔で延びている3つの凹部6を有する。それらの周辺での広がりは約40度であり、それらは内部ジャケット表面4内のみに延びている。凹部6は、骨プレート1の高さ全体に渡って上面8から下面2までテーパ状に延びている。加えて、内部ジャケット表面4には、ネジ山の形状の三次元構造体7が設けられている。
【0027】
図22に例示するのは、
図21による実施の変形であり、凹部が、半径方向に孔の軸から離れるように、内部ジャケット表面を過ぎて延びている。
【0028】
図20及び23に例示するのは更なる代替的な実施形態であり、プレート内の孔3が楕円形孔として構成されている。骨プレートは基本的に、プラスチック材料(PEEK)にチタン製の金属ネジインサート9が埋め込まれたものから作られており、孔3がプレート内に形成されている。この実施形態の場合、プレート内の孔3は4つの凹部6を有しており、凹部6は、半径方向に孔の軸5から離れるように、内部ジャケット表面4を過ぎて延びている。内部ジャケット表面4は4つのジャケット表面部分に分割されている。凹部は、骨プレート1の高さ全体に渡って上面8から下面2までテーパ状に延びている。加えて、内部ジャケット表面4には、多条ネジの形状の三次元構造体7が設けられている。材料に関する限り、この実施形態を逆にしてもよい。すなわち、骨プレートを基本的に金属(チタン)から作り、そこに埋め込まれるネジインサート9をプラスチック材料(PEEK)から作って、孔3をプレート内に形成する。骨プレート1は代替的に、前述の実施形態に関してより詳しく説明したような硬さを示す当該技術分野で知られた任意の他の材料で形成されてもよい。骨ネジ10を、浸炭又は窒化外面を有するフェライトフリー生体適合性材料で形成してもよい。これについてもすでにより詳しく説明している。
【0029】
図24に例示するのは、
図19による骨プレートに骨ネジ10を挿入したものを上から見た図であり、その頭部分11は球状である。
図25に示すのは、同じ骨プレート1を下から見た図である。
【0030】
図26において、骨プレート1に骨ネジ10を角度のずれなく挿入したものを例示する。骨プレート1の孔の内部ジャケット表面4と、骨ネジ10の頭部11とは、合致するネジ山13を有している。
図27に例示するのは、
図26と同じ変形であるが、骨ネジ10の角度がずれているものである。
【0031】
別の実施形態では、骨ネジは、米国特許出願公開第2008/0140130号(開示内容がやはり参照により本明細書に組み込まれる)の骨ネジ100、200、300、500、600、702、1360、14100、14200、31200と同様であってもよい。具体的には、
図28に典型的な非ロッキング骨ネジ150を示す。これは皮質骨螺子としても知られている。一般的に、非ネジ付き頭152を有する任意の外科骨ネジであって、非ネジ付き頭152は略平滑面を有し、その寸法及び幾何学的形状は選択したプレート孔にとって適切なものである外科骨ネジを、本発明による典型的な材料及び浸炭又は窒化外面を用いて形成することができる。頭152の形状は例えば、円錐形のテーパ状、角形、球状、半球などであってもよい。非ロッキングネジ150のシャフト154は、骨に取り付けるように少なくとも部分的にネジ付きである。シャフト154の長さ及びシャフトネジ山157のネジ山構成(例えば、ピッチ、輪郭など)は、用途に応じて変えることができる。当該技術分野で知られているように、先端156及びシャフトネジ山157を、骨内へのインプラントを容易にするために、セルフタッピング及び/又はセルフドリリングにしてもよい。また頭152とシャフト154とは、適切な配置を助けるガイドワイヤを受け取るためにカニューレ158を有していてもよい。
【0032】
図29に典型的なロッキングネジ160を示す。一般的に、ネジ付き頭162を有する任意の外科骨ネジを本発明とともに使用できるのは、頭162の寸法及び幾何学的形状が選択したプレート孔にとって適切なものであり、ネジ山163がプレート孔内のネジ山セグメントの柱とはまり合う場合である。頭162の形状は通常、円錐形のテーパ状であるが、例えば角形であってもよい。ロッキングネジ160は、骨に取り付けるために少なくとも部分的にネジ付きであるシャフト164を有する。シャフト164の長さ及びシャフトネジ山167のネジ山構成(例えば、ピッチ、輪郭など)とは、用途に応じて変えることができる。当該技術分野で知られているように、先端166とシャフトネジ山167とを、骨内へのインプラントを容易にするために、セルフタッピング及び/又はセルフドリリングにしてもよい。頭162とシャフト164とはまた、適切な配置を助けるガイドワイヤを受け取るために管状であってもよい。
【0033】
図30及び31に示すのは、典型的なロッキングネジ300の頭302である。頭302上のネジ山303の輪郭は、
図32に示すように、斜面311によって互いに接続されるネジ山頂点310及び谷312を含み、2つの隣接する斜面311によってネジ山の角度317が形成されている。頭302(既知のロッキングネジの場合によくあるように円錐形に形作られている)の配向は通常、ネジ山頂点310が直線(例えば線分313又は315)上に位置し、ネジ山谷312が別の直線(例えば線分314又は316)上に位置するように行われている。ここで、線分(313、314)及び(315、316)の対は互いに平行である。更に、各ネジ山頂点310と各ネジ山谷312とのネジ山輪郭線は、互いに平行に、及びネジの中心軸319に垂直又は直角に延びている。これは、
図31に示す谷輪郭線318a〜eによって表わされている。輪郭線318a〜eの形成は、ネジ切りフライスの切削ビット305の長手軸301を、切削ビットが頭の外面302に接触してネジ山303を切るときに延ばすことによって行なわれる。また典型的なロッキングネジは、中心軸(例えば、319)に沿って測定すると、ネジ山ピッチ(頂点から頂点、谷から谷、又は輪郭線から輪郭線までの距離)が一定である。
【0034】
本発明による角度可変ロッキングネジは、少なくとも部分的に球状であるネジ頭を有する。頭の球状部分は、その外面上のネジ山が好ましくは二条ネジ山である。ネジ山の輪郭は、頭の球状部分の円弧状(すなわち、非直線)の曲率半径に従う。なお、ネジ山ピッチは、曲率半径に沿って測定すれば一定であるが、ネジの中心軸に沿って頭の球状部分の一方の端部(例えば、最上部)から他方の端部(例えば、最下部)まで測定すれば狭−広−狭と変化する(例えば、以下の
図57〜60及びその説明を参照)。このネジ山輪郭によって、角度可変ロッキングネジは本発明の骨プレート孔と角度範囲内の選択可能角度において嵌合することができ、一方で、選択角度とは関係なく骨プレートとの接触を同程度に有利に維持する。すなわち、骨プレート孔の中心軸に対するネジの角度は、許容可能な角度範囲内にあるならば、ネジ頭ネジ山をプレート孔の内面に対して嵌合することに影響しない。ネジを骨プレート孔内に挿入する角度(角度範囲内)とは関係なく、ネジと骨プレートとの間にきつい固定が有利に得られる。なぜならば、ネジ頭の球状部分上のネジ山がネジ山セグメントの柱と嵌合することが正確に同じ方法で行われるために、良好なはめ合いが確実に生じるからである。
【0035】
図33〜35に示すのは、本発明による角度可変ロッキングネジの実施形態である。角度可変ロッキングネジ500は、部分的に球状の頭502とシャフト504とを有している。頭502はネジ山503を有し、シャフト504はネジ山507を有している。頭502は好ましくは、ネジを骨及び骨プレート孔との間でねじ込んで取り出すツールを受け取るための凹部509を有している。好ましくは、先端506とシャフトネジ山507とを、骨内へのインプラントを容易にするために、セルフタッピング及び/又はセルフドリリングにする。頭502とシャフト504とは、適切な配置を助けるガイドワイヤを受け取るために管状であってもよい。
図34及び35に示すのは、曲率半径525に有利に従うネジ山503の輪郭である。一実施形態では、半径は約2mmである。ネジ山503の対応する頂点510及び谷512は、輪郭に見られるように、好ましくは等しい角度増分によって分離されている。頂点510及び谷512は、斜面511によってネジ山角度517で接続されている。ネジ山角度517は、この実施形態では、好ましくは約60度である。ネジ山輪郭線518a〜fは谷512を通って延びており、曲率半径525の中心526と交わる一連の線分となっている。輪郭線518a〜fの形成は、ネジ切りフライスの切削ビット505の長手軸501を、切削ビットが頭502の外球面に接触してネジ山503を切るときに延ばすことによって行なう。この実施形態では、切削ビット505は常に、ネジ山503を切るときに頭502の外球面に垂直である。またこの実施形態では、曲率半径は、半径中心526がネジ500の中心軸519上に位置するようなものとなっている。ネジの半径及び寸法の長さに応じて、中心526はネジの中心軸上に位置してもよいしそうでなくてもよい。また、半径が大きくなるのにネジの寸法が一定のままの場合、半径中心はネジ頭の外側に移動する。これを、例えば
図36に示す。
【0036】
図36に示すのは、本発明の角度可変ロッキングネジの別の実施形態である。この実施形態では、角度可変ロッキングネジ600のネジ頭602は、ネジ500よりも大きい曲率半径625を有する。この結果、谷輪郭線618a〜fが曲率半径中心626と交わる。曲率半径中心626は、ネジ600の中心軸619から(垂直に測定した)距離630である。例えば、半径624が10mmならば、距離630は、2.4mmネジ(2.4mmはシャフト604の外径を指す)に対して約8.2mmであってもよい。但し、曲率半径が長くなるとネジ頭は次第に形状が球状ではなくなるため、既知のロッキングネジ頭の場合と同様に、ネジ山輪郭が直線(例えば、線分313〜316など)とだんだん位置合わせされてくる。
【0037】
図37に示すのは、本発明による角度可変ロッキングネジ頭の更に別の実施形態である。ネジ頭702は、中心軸719、ネジ山703、及びねじ込み/取り出しツールを受け取るための凹部709を有している。これまでの実施形態と同様に、ネジ山703の輪郭は、有利には、円弧状(すなわち、非直線)の曲率半径725に従っており、ネジ山頂点710、谷712、及び斜面711を含んでいる。しかし、これまでの実施形態とは異なり、ネジ山輪郭線は曲率半径の中心と交わっていない。その代わりに、ネジ山輪郭線(谷輪郭線718a〜fによって表わされる)は互いに平行に延びて、中心軸719に垂直である。これらの線分がこのように延びているのは、ネジ切りフライスの切削ビット705が頭702の外球面と接触してネジ山703を切る仕方のせいであり、線分718a〜fは切削ビット705の長手軸701の延びを表わしている。機能的に、この違いの結果、ネジ頭/孔ネジ山嵌合はそれほど理想的ではない。しかし、ネジ頭702は現在のところ、ネジ頭502よりも作製が簡単である。
【0038】
図38及び39に示すのは、本発明による骨プレート孔940を有する骨プレート900である。従来のロッキングネジ骨プレート孔の場合と同様にプレート孔の内面935の周りに螺旋状のネジ山がある代わりに、本発明の骨プレート孔では、好ましくはネジ山セグメントの別個の垂直柱942が、孔の内面の周りに配置されている。ネジ山セグメント柱は、互いに結合するように拡大したら(すなわち内面935の周りに完全に拡大したら)、螺旋状のネジ山が形成されるであろう。柱は上面937から下面939の方向に延びて、好ましくは孔の内面の周りに等距離に離れて離間に配置されている。柱当たりのネジ山セグメント921の数は、外科的応用並びに骨プレート及び骨ネジの寸法(例えば、プレート厚さ及びネジ山ピッチ)に応じて変えることができる。しかし、各柱は、ネジとプレートとの間の固定された角度関係を確実にするために、少なくとも2つのネジ山セグメント(好ましくはもっと多く)を有していなければならない。
【0039】
なお、ネジ山セグメントの代わりに、柱942には代替的に複数の歯が形成されていてもよい。歯の柱を、互いに結合するように拡大したら(すなわち、内面935の周りに完全に拡大したら)、螺旋状のネジ山は形成されないが、骨プレート孔の中心軸に垂直な一連の同心の尾根及び溝が形成される。このような歯の柱も、非ロッキング、ロッキング、及び角度可変ロッキング骨ネジを受け取ることができるが、歯がロッキング及び角度可変ロッキング骨ネジのネジ頭ネジ山と嵌合することは、ネジ山セグメントがロッキング及び角度可変ロッキング骨ネジのネジ頭ネジ山と嵌合することほど理想的ではない。
【0040】
本発明の骨プレート孔は好ましくは、
図38及び39に示すように、4つのネジ山セグメント柱942を有している。しかし、本発明の骨プレート孔は代替的に、他の数のネジ山セグメント柱を有していてもよい。
【0041】
例えば、
図40〜42及び43〜45の2つの実施形態にそれぞれ例示したように、個々の骨プレート1000A及び1000Dの骨プレート孔1040A及び1040Dはそれぞれ、6つのネジ山セグメント柱を有している(なお、斜視図を示しているため、
図42及び45では3つの柱のみが見えている)。ネジ山セグメント柱1042Aとネジ山セグメント柱1042Dとの違いは、ネジ山セグメント1042Aの柱幅1041Aが、ネジ山セグメント1042Dの柱幅1041Dの約2倍であるということである。1つの例示的実施形態では、3〜6のネジ山柱を設けてもよい。しかし、任意の数のネジ山柱を、本発明の範囲から逸脱することなく用いてもよいことに注意されたい。
【0042】
図46に示すのは、本発明による骨プレート孔の断面図である。骨プレート孔1140が骨プレート1100内に形成されて、骨プレート1100を通って上面1137から下部の骨嵌合面1139まで完全に延びている。孔1040は、最上部1144、中央部分1146、及び最下部1148を含む内面1135を有している。最上部1144は、上面1137から中央部分1146まで延びている。中央部分1146は、最上部1144から最下部1148まで延びており、好ましくは孔の直径が最小である。また最下部1148は、中央部分1146から下面1139まで延びている。最上部1144はネジ山が付いておらず、好ましくは滑らかな内面1143を有しており、好ましくは内側が下面に向かって円錐形のテーパ状である。骨プレート孔1140は、最上部1144と中央部分1146(これは各柱において第1のネジ山セグメントの最上部である)との交差部に肩1145を有している。肩1145は、孔1140を通して挿入される非ロッキング骨ネジのネジ頭に対する止め具として機能しても良く、一実施形態では、孔の中心軸に対して約60度の角度を形成するように斜めである。なお、内面1143又は上面1137は、頭の寸法及び形状に応じて、非ロッキング骨ネジのネジ頭に対する止め具として機能してもよい。また最下部1148は、好ましくは滑らかな内面1149を有し、好ましくはアンダーカット球状の形態で上面に向かって内側にテーパ状になっている。本発明の一実施形態では、アンダーカット球状の半径は約1.75mmである。骨プレート厚さが約2mmの場合、例えば、最上部の長さは約1mmであっても良く、中央部及び最下部の長さはそれぞれ約0.5mmであってもよい。
【0043】
この実施形態では、骨プレート孔1140の中央部分1146は、4つの別個のネジ山セグメント柱1142を内面1135上に有している。各柱1142は好ましくは、下面1139に向かって内側に、角度1150(中心軸1119に対して測定)で傾斜している。一実施形態では、角度1150は好ましくは約15度である。また各柱1142は好ましくは、4つ又は5つのネジ山セグメント1121を有している。他の実施形態では、前述したように、ネジ山セグメントはもっと多くてもよいし又はもっと少なくてもよい。骨プレート孔が2.4mm角度可変ロッキングネジを収容する場合、各ネジ山セグメントの柱幅1141は好ましくは約0.35mmである。他の実施形態では、用途に応じて、他の柱幅を有していてもよい。
【0044】
図47に示すのは、ネジ山セグメント1221の柱1242の一部についての断面輪郭である。(なお、代替的な歯柱の断面輪郭は、前述したように、ネジ山セグメントと同じように見える)。
図47では、柱1242の5つのネジ山セグメント1221のうちの2つを示す。ネジ山セグメントの柱1242は好ましくは、骨プレートの下面に向かって角度1250で傾斜している。一実施形態では、角度1250は約15度である。輪郭に見られるように、ネジ山セグメント1221の柱1242は、斜面1211によってネジ山角度1217で互いに接続される頂点(又は尾根)1210及び谷(又は底)1212を有している。頂点1210は好ましくは長さ1252を有しており、一実施形態では約0.04mmである。谷1212は好ましくは半径1254を有しており、一実施形態では約0.03mmである。角度1217は好ましくは約60度であり、谷1212の二等分(谷輪郭線1218によって表わされる)は、好ましくは約30度(斜面1211から測定)の角度1256で起こる。骨プレート孔ネジ山−セグメント柱の他の実施形態では代替的に、柱傾斜角度、頂点長さ、谷半径、ネジ山角度、及び二等分角度(ネジ山の角度の関数である)の他の値を有していてもよい。
【0045】
有利には、本発明の角度可変ロッキング骨ネジを、骨内にねじ込んで、骨プレートに選択可能角度の範囲内の選択可能角度で固定することができる。
図48に示すのは、本発明の実施形態として、骨プレート1300が本発明により構成された骨プレート孔1340を有する場合である。各孔1340は、有利には、角度可変ロッキングネジ1360(やはり本発明により構成されている)を、角度範囲内の任意の方向において選択可能角度で受け取ることができる。角度範囲は、角度1362(この実施形態では約30度)を有する円錐を形成している。言い換えれば、角度可変ロッキングネジ1360を孔1340内に挿入し、骨プレート1340の中心軸1319に対する任意の方向において0度〜15度の範囲の選択可能角度で骨プレート1300に固定することができる。
【0046】
図49〜56に示すのは、本発明により構成された骨プレート孔の有利な特徴である。骨プレート1400は少なくとも3つの骨プレート孔1440を有している。各孔1440は、4つのネジ山セグメント柱1542を有し、有利には、非ロッキング、ロッキング、又は角度可変ロッキング骨ネジのうちのいずれか1つを受け取ることができる。
【0047】
図49、50、51、及び53に示すように、従来の非ロッキング骨ネジ14100を骨プレート孔1440のうちの1つを通して挿入することができる。非ロッキング骨ネジ14100は、非ネジ付きネジ頭14102とネジ付き軸部14104とを有しており、それぞれ孔1440と用いるための適切なサイズ及び構成となっている。なお、非ロッキング骨ネジ14100は、孔1440を通して孔の中心軸と同軸に挿入する必要はないが、その代わりに、孔1440を通して選択可能角度で挿入してもよい。これを、
図50に示す。
図53に示すのは、ネジ頭14102がネジ山セグメント柱1542と嵌合しないで孔1440の肩1545と接触することが、そこに完全に配置されたときに起こる様子である。
【0048】
図49、50、52、及び54に示すのは、従来のロッキング骨ネジ14200を第2の骨プレート孔1440を通して挿入した場合である。ロッキング骨ネジ14200は、外面にネジ山14203が設けられているネジ頭14202を有する。ネジ頭及びネジ山の両方が適切なサイズ及び寸法に設定されて、ネジ山14203がネジ山セグメント柱1542とネジ切り的に嵌合してはまり合えるようになっている。ネジ山セグメント1542柱と適切に嵌合してはまり合うように、ロッキング骨ネジ14200を、孔1440を通して孔の中心軸1419と同軸に挿入しなければならない。またネジ14200は、骨と嵌合するためのネジ付き軸部14204を有している。軸部14204も、孔1440を通して挿入するための適切なサイズ及び寸法になっている。
【0049】
図49、50、55及び56に示すのは、角度可変ロッキング骨ネジ1460を第3の骨プレート孔1440を通して挿入した場合である。角度可変ロッキング骨ネジ1460(本発明により構成されている)は、ネジ付き軸部1404と、その外面に設けられたネジ山1403を有する部分的に球状の頭1402とを有している。ネジ頭ネジ山1403は、頭1402の球状部分の円弧状(すなわち、非直線)の曲率半径に有利に従う輪郭を有する。ネジ1460は、図示では、第3の孔1440内に中心軸1719と非同軸に挿入されて、ネジ山1403はネジ山セグメント柱1542と確実に嵌合している。
【0050】
本発明により構成された角度可変ロッキング骨ネジのネジ頭ネジ山特徴部に戻って、
図57〜59に角度可変ロッキングネジのネジ頭の3つの実施形態を示す。実施形態は、各ネジの中心軸に沿って測定したネジ山ピッチ(例えば、頂点間距離)の変化を例示している。以下の表に列挙するのは、例示したネジ頭が属する角度可変ネジの寸法とピッチ変化である(寸法はすべてミリメートル)。
【0052】
本発明の角度可変ロッキング骨ネジの他の実施形態は、他のネジ山ピッチ変化を有していてもよい。
【0053】
なお、それぞれの場合において、隣接したネジ山頂点(又は隣接したネジ山谷)間の角距離は、曲率半径に沿って測定すると一定である。これを、
図60に例示する。すなわち、曲率半径3525に沿って測定すると隣接したネジ山頂点3510間の各角距離35ADは同じであり、ネジ山ピッチ35P01〜35P05とは対照的である。ネジ山ピッチ35P01〜35P05は、
図57〜59に例示するように、中心軸3519に沿って又はこれと平行に測定すると変化する。
【0054】
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の構成及び方法に対して様々な修正及び変形を加えることができることは当業者には明らかであろう。具体的には、本明細書で記載した特徴及び説明を単独で用いてもよいし、又は他の特徴及び実施形態と任意に組み合わせて用いてもよい。したがって、本発明の改変及び変更が、付属する特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲に含まれるものであれば本発明はそれらを包含するものとする。
【0055】
〔実施の態様〕
(1) 骨固定用システムであって、
動作構成において骨内への挿入用に構成されたシャフトを有する細長い骨インプラントであって、前記骨インプラントの外面は、浸炭されている、及び窒化されている、のうちの一方であり、かつ第1の硬さを有する、細長い骨インプラントと、
骨固定プレートであって、動作構成において前記骨と接触するように構成された第1の表面から前記第1の表面と反対側に配置された第2の表面まで前記骨固定プレートを通って延びる開口部を有し、前記開口部は、その中を通る前記骨インプラントを受け取るように構成され、前記骨固定プレートは第2の硬さを有する、骨固定プレートと、を備え、
前記第1の硬さは前記第2の硬さよりも大きく、前記第1の硬さは67〜74HRCの範囲である、骨固定用システム。
(2) 前記骨インプラントが、ネジ付き頭を有する骨ネジである、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記頭が曲線的な外輪郭を含む、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記頭は実質的に球状の外輪郭を含む、実施態様1に記載のシステム。
(5) 第1の開口部が角度可変孔である、実施態様1に記載のシステム。
【0056】
(6) 前記第2の硬さが、74HRB〜44HRCの範囲である、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記骨インプラントが、ステンレス鋼及びCCMのうちの一方で形成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記骨固定プレートが、工業用純チタングレード1、2、3、及び4の、Ti−6Al−7Nb、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−4VELI、Ti−15Mo、CCM(Co−28Cr−6Mo合金)、及びステンレス鋼のうちの1又は複数で形成されている、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記骨インプラントがフェライトフリーインプラントグレード材料で形成されている、実施態様1に記載のシステム。
(10) ネジ付き頭と、長手軸に沿って近位端から遠位端まで延びるシャフトとを含む骨固定要素であって、前記頭の外面は、浸炭されている、及び窒化されている、のうちの一方であり、ネジ切りを中断する経路に沿って前記頭の外面内に延び、かつ前記ネジ切りの角度とは反対の角度に沿って延びる第1の溝を含む、骨固定要素。
【0057】
(11) 前記骨固定要素の材料が、前記骨固定要素が挿入されるべき骨プレートの材料よりも硬くなるように選択される、実施態様10に記載の骨固定要素。
(12) 前記第1の溝が、前記骨固定要素の前記長手軸に垂直な溝軸に沿って延びている、実施態様10に記載の骨固定要素。
(13) 前記シャフトの前記遠位端に隣接して形成されたノッチを更に含む、実施態様10に記載の骨固定要素。
(14) 前記骨固定要素の近位端にある凹部を更に含み、前記凹部が、ねじ込みメカニズムと嵌合するように構成されている、実施態様10に記載の骨固定要素。
(15) 前記頭が5つの溝及び8つの溝のうちの一方を含む、実施態様10に記載の骨固定要素。
【0058】
(16) 前記シャフトがネジ付きである、実施態様10に記載の骨固定要素。
(17) 前記シャフトのネジ山のピッチが、前記頭のネジ山のピッチと同じである、実施態様16に記載の骨固定要素。
(18) 前記シャフトのネジ山が、複数のリードを含む、実施態様16に記載の骨固定要素。
(19) 前記頭が、実質的に球状である、実施態様10に記載の骨固定装置。
(20) 骨固定システムであって、
ネジ付き頭と長手軸に沿って近位端から遠位端まで延びるシャフトとを含む骨固定要素であって、前記頭の外面は、浸炭されている、及び窒化されている、のうちの一方であり、ネジ切りを中断する経路に沿って前記頭の外面内に延び、かつ前記ネジ切りの角度とは反対の角度に沿って延びる第1の溝を含む、骨固定要素と、
プレート軸に沿って延びる細長い骨プレートであって、第1の表面から動作構成において骨と接触するように構成された第2の表面まで前記骨プレートを通って延びるプレート孔を有する、骨プレートと、を含む骨固定システム。
【0059】
(21) 前記骨固定要素の材料が、前記骨固定要素が挿入されるべき前記骨プレートの材料よりも硬くなるように選択される、実施態様20に記載の骨固定システム。
(22) 前記第1の溝が、前記骨固定要素の前記長手軸に垂直な溝軸に沿って延びている、実施態様20に記載の骨固定システム。
(23) 前記プレート孔が、組み合わせ孔及び角度可変孔のうちの一方である、実施態様20に記載の骨固定システム。
(24) 前記骨プレートの前記第2の表面が複数のアンダーカットを含む、実施態様20に記載の骨固定システム。
(25) 前記プレート孔が、前記第1の表面に隣接した第1のテーパ領域、前記第2の表面に隣接した第2のテーパ部分、並びに前記第1及び第2のテーパ部分間を延びるネジ部分を含む、実施態様20に記載の骨固定システム。
【0060】
(26) 前記骨ネジの前記遠位端に隣接したノッチを更に含む、実施態様20に記載の骨固定システム。
(27) 前記骨ネジの近位端にある凹部を更に含み、前記凹部が、ねじ込みメカニズムと嵌合するように構成されている、実施態様20に記載の骨固定システム。
(28) 前記シャフトがネジ付きである、実施態様20に記載の骨固定システム。
(29) 前記シャフトのネジ山のピッチが前記頭のネジ山のピッチと同じである、実施態様20に記載の骨固定システム。
(30) 第2の開口部がスロットを含む角度可変孔であって、前記スロットは、前記孔の壁に沿って延び、そのネジ山を中断するように構成されている、実施態様20に記載の骨固定システム。
【0061】
(31) 骨を処理するための方法であって、
骨固定装置を対象骨上に配置することであって、前記骨固定装置は、プレート軸に沿って延び、第1の表面から動作構成において前記骨と接触するように構成された第2の表面まで前記骨固定装置を通って延びる孔を有する、配置することと、
骨固定要素を前記孔を通して前記骨内に挿入することであって、前記骨固定要素は、ネジ付き頭と長手軸に沿って近位端から遠位端まで延びるシャフトとを含み、前記頭の外面は、浸炭されている、及び窒化されている、のうちの一方であり、ネジ切りを中断する経路に沿って前記頭の外面内に延び、かつ前記ネジ切りの角度とは反対の角度に沿って延びる第1の溝を含む、挿入することと、を含む方法。