(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231145
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】L−ドーパ、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、およびそれらのための組成物の継続的投与
(51)【国際特許分類】
A61K 31/198 20060101AFI20171106BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20171106BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20171106BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20171106BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20171106BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20171106BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
A61K31/198
A61K47/18
A61K47/22
A61K9/08
A61K9/70 401
A61P25/16
A61P43/00 121
【請求項の数】9
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2016-47187(P2016-47187)
(22)【出願日】2016年3月10日
(62)【分割の表示】特願2013-538326(P2013-538326)の分割
【原出願日】2011年11月15日
(65)【公開番号】特開2016-106146(P2016-106146A)
(43)【公開日】2016年6月16日
【審査請求日】2016年4月4日
(31)【優先権主張番号】61/413,637
(32)【優先日】2010年11月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/524,064
(32)【優先日】2011年8月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513119196
【氏名又は名称】ニューロダーム リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NEURODERM LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ヤーコビ−ゼエビ,オロン
(72)【発明者】
【氏名】ネマス,マーラ
【審査官】
山村 祥子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭55−009023(JP,A)
【文献】
特表2009−543761(JP,A)
【文献】
特表2003−503454(JP,A)
【文献】
特表2002−513389(JP,A)
【文献】
特表2012−527447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61K 47/00−47/69
A61K 9/00− 9/72
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2.5重量%から7重量%のレボドパ;0重量%から2重量%のカルビドパ;5重量%から18重量%のアルギニン;および0.25重量%から3重量%のアスコルビン酸またはその薬学的に許容される塩を含み、25℃で9.1から9.8のpHを有する、薬学的に許容される液体組成物。
【請求項2】
前記アルギニンに対するレボドパおよびカルビドパ(存在する場合)のモル比は、約1:1.8から約1:3.5である、請求項1に記載の薬学的に許容される液体組成物。
【請求項3】
前記アスコルビン酸の塩は、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウム、パルミチン酸アスコルビル、またはステアリン酸アスコルビルから選択される、請求項1に記載の薬学的に許容される液体組成物。
【請求項4】
酸化生成物の形成を阻害する薬剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬学的に許容される液体組成物。
【請求項5】
前記薬剤は、L−システイン、N−アセチルシステイン(NAC)、グルタチオン(GSH)、Na2−EDTA、Na2−EDTA−Ca、亜硫酸水素ナトリウム、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項4に記載の薬学的に許容される液体組成物。
【請求項6】
前記組成物は、継続的な皮下、経皮、十二指腸内または静脈内投与するために調製される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬学的に許容される液体組成物。
【請求項7】
神経学的または運動障害の処置のための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬学的に許容される液体組成物。
【請求項8】
前記神経学的または運動障害は、パーキンソン病である、請求項7に記載の薬学的に許容される液体組成物。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬学的に許容される液体組成物を含有する経皮パッチ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、パーキンソン病等の神経学的または運動障害の処置に有用な薬学的組成物、および、前記組成物の実質的に継続的な皮下投与によりそのような障害を処置するための方法を提供する。
【0002】
〔背景技術〕
パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質ドーパミンの濃度の低下により特徴付けられる変性状態である。レボドパ(L−ドーパまたはL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン)は、ドーパミンとは異なり、血液脳関門を横断することができるドーパミンの直接代謝前駆体であり、最も一般的には、脳内のドーパミン濃度を修復するために使用される。過去40年間、レボドパは、パーキンソン病を処置するための最も効果的な治療薬であった。
【0003】
しかしながら、レボドパは、最善の一般的な現在の標準治療下であっても、血漿中での半減期が短く、拍動的なドーパミン作動性の刺激をもたらす。したがって、長期治療は、一部の患者にとっては重大な障害の源となり得る運動変動およびジスキネジアにより複雑化する。最終的により継続的および生理学的にレボドパ/ドーパミンを脳に送達することができる治療戦略は、運動性の合併症が低減された標準レボドパの利点を提供し、パーキンソン病および他の神経学的もしくは運動障害に罹患した患者から、より必要とされている(Olanow CW;Mov.Dis.2008,23(Suppl.3):S613−S622)。徐放性経口レボドパ製剤が開発されているが、そのような調製物は、せいぜい標準錠剤と同程度の有効性でしかないことが判明している。十二指腸内投与または注入によるレボドパの継続的投与もまた、携帯式ポンプまたはパッチを使用して試みられている。そのような処置、特に十二指腸内投与は、極めて侵襲的であり、不便である。
【0004】
レボドパからドーパミンへの代謝的転換は、腸粘膜、肝臓、脳および脳毛細血管内に特に高い濃度を有する遍在性酵素である、芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ酵素により触媒される。レボドパの脳外代謝の可能性に起因して、大用量のレボドパを投与することが必要であり、これは、一部の患者において吐き気を引き起こす高脳外濃度のドーパミンをもたらす。したがって、レボドパは、通常、臨床反応に必要なレボドパ用量を60〜80%低減し、したがってレボドパから脳外のドーパミンへの変換を阻害することにより、その副作用をある程度防止する、カルビドパまたはベンセラジド等のドーパデカルボキシラーゼ阻害剤の経口投与と同時に投与される。レボドパの代謝分解に関連した酵素の阻害剤と併せた様々な経口製剤、例えば、カルビドパおよびベンセラジド等のデカルボキシラーゼ阻害剤、エンタカポンおよびトルカポン等のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤、ならびにモクロベミド、ラサギリンまたはセレギリンまたはサフィナミド等のモノアミンオキシダーゼ(MAO)−AまたはMAO−B阻害剤が周知である。現在利用可能な経口薬剤は、カルビドパまたはレボドパを含むSINEMET(登録商標)およびSINEMET(登録商標)CR徐放性錠剤、カルビドパ、エンタカポンおよびレボドパを含有するSTALEVO(登録商標)錠剤、ならびにレボドパおよびベンセラジドを含有するMADOPAR(登録商標)錠剤を含む。パーキンソン病等の運動障害をより効果的に処置するために、L−ドーパの継続的刺激をもたらし得る方法および組成物が、依然として、および至急に必要とされている。それにもかかわらず、例えば皮下または経皮送達のための使用に好適な体積において効果的な濃度を有する安定な液体製剤は、これまで実現されていない。
【0005】
〔発明の概要〕
本開示は、概して、1つには、1)カルビドパおよび少なくとも約4重量%のレボドパを含む活性成分と、アルギニンおよび随意のメグルミンとを含む、薬学的に許容される組成物に関する。そのような組成物は、25℃で約9.1から約9.8のpHを有してもよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、アルギニンを有する開示される組成物は、約1:1.8から約1:3.5、または約1:2.3のアルギニンに対する活性成分のモル比を有してもよい。例示的実施形態において、開示される組成物は、約4重量%から約12重量%またはそれ以上のレボドパを含んでもよく、および/または、1重量%から約6重量%のカルビドパ、例えば約1重量%から約2重量%のカルビドパを含んでもよい。
【0007】
開示される組成物中にメグルミンが存在する場合、アルギニンに対する活性成分のモル比は、例えば、約1:1.1から約1:1.9であってもよく、メグルミンに対する活性成分のモル比は、約1:0.3から約1:1.5であってもよく、例えば、メグルミンに対する活性成分のモル比は、約1:0.3から約1:1.2、または、例えば、約1:0.4もしくは約1:1.1であってもよい。そのような企図される組成物は、約2.0重量%から約11重量%のメグルミンを含んでもよい。上述のような企図される組成物は、例えば、10重量%から約35重量%のアルギニンを含んでもよい。
【0008】
開示される組成物は、酸化生成物の形成を阻害する薬剤をさらに含んでもよく、例えば、そのような薬剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸Na、L−システイン、N−アセチルシステイン(NAC)、グルタチオン(GSH)、Na
2−EDTA、Na
2−EDTA−Ca、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。例えば、本明細書で開示される薬学的に許容される組成物は、例示的実施形態において、アスコルビン酸またはその薬学的に許容される塩をさらに含んでもよい。別の、またはさらなる実施形態において、開示される組成物は、亜硫酸水素ナトリウムを含んでもよい。
【0009】
本明細書では、レボドパ、アルギニンおよび随意のメグルミンと、アスコルビン酸またはその薬学的に許容される塩とを含む、薬学的に許容される組成物が企図され、例えば、組成物は、約4重量%から約12重量%のレボドパを有してもよい。アスコルビン酸の塩は、例えば、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウム、パルミチン酸アスコルビル、およびステアリン酸アスコルビルからなる群から選択され得る。例えば、開示される薬学的に許容される組成物は、アスコルビン酸またはその薬学的に許容される塩、例えばアスコルビン酸ナトリウム、例えば、約0.25重量%以上のアスコルビン酸もしくはその薬学的に許容される塩、約0.2重量%から約3重量%のアスコルビン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または約0.5重量%から約1重量%のアスコルビン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含んでもよい。いくつかの実施形態において、企図される薬学的に許容される組成物は、約1:1.8から約1:3.5、例えば1:2.3のアルギニンに対するレボドパのモル比を有してもよい。
【0010】
そのような企図される組成物は、いくつかの実施形態において、カルビドパ、例えば1重量%から約2重量%のカルビドパをさらに含んでもよい。そのような実施形態において、アルギニンに対するレボドパおよびカルビドパを合わせたモル比は、約1:1.8から約1:3.5、例えば、約1:2.3であってもよい。そのような薬学的に許容される組成物は、25℃で約9.1から約9.8のpHを有してもよい。
【0011】
本明細書で開示される、企図される組成物および製剤は、例えば、室温で液体であってもよい。いくつかの実施形態において、開示される薬学的に許容される組成物は、エンタカポンまたはトルカポンをさらに含んでもよい。
【0012】
開示される薬学的に許容される製剤は、25℃±5℃で少なくとも2週間安定であってもよく、および/または、例えば、−20℃±5℃で少なくとも2ヶ月間安定であってもよい。
【0013】
本明細書では、一実施形態において、開示される薬学的に許容される組成物の投与に好適な経皮パッチが企図される。
【0014】
また、本明細書では、処置が必要な患者における、パーキンソン病等の神経学的または運動障害を処置する方法であって、本明細書に開示される組成物、例えば、レボドパおよび/またはカルビドパの液体組成物を、前記患者に投与することを含む方法が提供される。また、本明細書では、一実施形態において、神経学的障害、または患者の脳内のドーパミンのレベルの低下により特徴付けられる障害、および/または、例えば、パーキンソン病等の障害等の疾患または障害の治療のための方法であって、開示される組成物の投与(例えば、実質的に継続的な投与)を含む方法が提供される。一実施形態において、継続的投与は、経皮、皮内、皮下、静脈内、くも膜下、硬膜外、頭蓋内、または十二指腸内投与を含んでもよく、例えば、注入ポンプの使用を含んでもよい。そのような方法は、レボドパおよび/またはカルビドパ、ならびに随意にエンタカポンまたはトルカポンを経口投与することをさらに含んでもよい。
【0015】
開示される組成物は、皮下、および/または、例えば実質的に継続的に投与されてもよい。そのような皮下投与は、1つ以上の注入ポンプ、ならびに/または経皮および/もしくは皮膚パッチの使用を含んでもよい。例えば、開示される方法は、日中または患者の活動期間中、少なくとも約0.01ml/時間から約0.2ml/時間、または少なくとも約0.07ml/時間、または、例えば、約0.15ml/時間、および、休息または睡眠時に約0ml/時間から約0.075 0.25ml/時間の、開示される組成物を投与する速度を含んでもよい。代替として、開示される組成物は、十二指腸内または静脈内に投与されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、皮下投与することを含む方法は、例えば、日中または患者の活動期間中、約0.20ml/時間から約2.0ml/時間、例えば、約1.0±0.5ml/時間、または約1.25±0.5ml/時間、および夜間または休息時に約0ml/時間から約0.5ml/時間の、組成物を投与する速度での、1つ以上の注入ポンプの使用を含む。
【0017】
また、本明細書では、(i)カルビドパ、少なくとも4重量%のレボドパ、アルギニンおよび随意のメグルミン、または(ii)レボドパ、アルギニン、随意のメグルミン、およびアスコルビン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含む、神経学的または運動障害の処置における使用のための薬学的に許容される組成物が提供される。一実施形態において、神経学的または運動障害は、パーキンソン病である。
【0018】
本明細書では、一実施形態において、約2.5重量%から約7重量%のレボドパ、約0重量%から約2重量%のカルビドパ、約5重量%から約18重量%のアルギニン、および約0.25重量%から約3重量%のアスコルビン酸またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的に許容される製剤が開示される。
【0019】
一実施形態において、約8重量%から約12重量%のレボドパ、約1重量%から約3重量%のカルビドパ、約15重量%から約35重量%のアルギニンを含む、薬学的に許容される製剤が企図される。別の実施形態において、約8重量%から約12重量%のレボドパ、約1重量%から約3重量%のカルビドパ、および約12重量%から約15重量%のアルギニン、および約3重量%から約10重量%のメグルミンを含む、薬学的に許容される製剤が提供される。そのような組成物は、約0.25〜3重量%のアスコルビン酸をさらに含んでもよい。
【0020】
また、本明細書では、アルギニン、および少なくとも約7重量%のエンタカポンまたはトルカポン、例えば少なくとも約8重量%、または少なくとも約10重量%、または約7重量%から約12重量%のエンタカポンまたはトルカポンを含む、薬学的に許容される液体組成物が提供される。例えば、開示される組成物は、約1:0.5から約1:2.5、例えば約1:1から約1:1.5のモル比でエンタカポンまたはトルカポンおよびアルギニンを有してもよい。そのような液体組成物は、25℃で約6から約9のpHを有してもよく、および/または25℃で48時間以上実質的に安定であってもよい。
【0021】
本明細書では、一実施形態において、レボドパおよび/またはカルビドパ、ならびにアルギニンを含む安定な溶液を調製するためのプロセスであって、
レボドパおよび/またはカルビドパ、ならびにアルギニンを提供して、粉末混合物を形成することと、
前記粉末混合物に水を添加して、懸濁液を形成することと、
前記懸濁液を、約40℃から約90℃の温度で加熱して、溶液を形成することと、
前記溶液を冷却して、安定な液体組成物を提供することと、
を含むプロセスが提供される。いくつかの実施形態において、前記懸濁液を加熱することは、懸濁液を撹拌することをさらに含む。
【0022】
本開示は、少なくとも部分的に、アルギニンが、例えば継続的な皮下、経皮、皮内、静脈内および/または十二指腸内投与に好適である、安定な液体製剤を形成するために使用することができる、カルビドパおよび/もしくはレボドパ、ならびに/またはエンタカポンもしくはトルカポンの塩を形成することができるという発見に関連する。そのような開示される組成物は、カルビドパ、エンタカポン、トルカポンおよび/またはレボドパを、それを必要とする患者に実質的に継続的に投与することができる。例えば、本明細書では、レボドパおよび随意のエンタカポンもしくはトルカポンを実質的に継続的に投与すると共に、カルビドパ等のドーパデカルボキシラーゼ阻害剤を実質的に継続的に投与することが、実質的に継続的にL−ドーパを刺激し、したがって、例えば、レボドパ経口投薬計画の有効性を延長および/またはレボドパの一日用量を低減もしくは経口レボドパの必要性を排除する一方で、パーキンソン病等の運動および/または神経学的障害を効果的に処置することができるという、開示される発見に関連する組成物が開示される。
【0023】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、インビトロおよびエクスビボでのレボドパの安定性に対するカルビドパの効果を示す図である。A.様々な濃度(2%、1.5%、1%、0.5%)のカルビドパを含む、またはカルビドパを含まない、6重量%のレボドパおよびアルギニン溶液を、インビトロでの物理的安定性について試験した。結果は、カルビドパが、用量に依存して、空気の存在下で濃い黄色の形成を防止し(右側の小バイアル)、空気の非存在下(ヘッドスペースにN
2が存在)では、0.5%のカルビドパが、この色の形成を阻害するのに十分であった(図の左側の大バイアル)。B.2重量%のカルビドパを含む、または含まない、7重量%のレボドパおよびアルギニン溶液を、5×5cmの新鮮なブタの全層皮膚の皮下組織内に投与した。右側は、カルビドパを含むレボドパ製剤の使用による酸化の阻害を示す。
【0024】
図2は、レボドパ溶液中1%のカルビドパの存在が、ブタにおける局所的なレボドパ依存性皮下毒性の重症度および範囲を低減することを示す図である。
【0025】
図3は、ブタにおけるレボドパの薬物動態に対するカルビドパの効果を示すグラフである。A:様々な量のカルビドパを含む6%レボドパの継続的皮下投与後の、レボドパの血漿濃度を示すグラフである。B:レボドパ/カルビドパ製剤の継続的皮下投与後に得られた、レボドパの血漿定常状態濃度と、カルビドパの配合濃度との間の相関を示すグラフである。C:レボドパ/カルビドパ製剤の継続的皮下投与後のカルビドパの血漿定常状態濃度と、カルビドパの配合濃度との間の相関を示すグラフである。
【0026】
図4は、レボドパ/カルビドパ製剤の皮下投与後の、ブタ皮膚試料の皮下組織におけるエクスビボでのレボドパの酸化に対する様々な薬剤の効果を示す図である。
【0027】
図5Aは、ブタにおけるSinemet(100/25レボドパ/カルビドパ)の経口投与後の、レボドパの血漿濃度(ng/ml)に対する継続的皮下(SC)エンタカポン(200mg/24時間)および/またはカルビドパ(CD)(40mg/24時間)の効果を示すグラフである。
【0028】
図5Bは、ブタにおけるSinemet(100/25)の経口投与後の、レボドパの血漿濃度に対する継続的SC CD(40mg/24時間)および/またはレボドパ(LD)(140mg/24時間)投与の効果を示すグラフである。
【0029】
図6は、ブタにおける0.16ml/時間での24時間の継続的皮下投与後の、レボドパの局所的皮下毒性に対するカルビドパの効果を示す図である。
【0030】
〔発明を実施するための形態〕
本明細書では、一実施形態において、レボドパのアルギニン塩(例えば、アルギニンおよびレボドパ)ならびに随意にカルビドパを含む、室温で安定な液体組成物が開示される。そのような開示される組成物は、効果的な量のレボドパ、カルビドパ、および/または他の活性薬剤、例えばエンタカポンもしくはトルカポンの、患者に対する継続的送達を、低侵襲的に促進することができる。さらに、開示される製剤は、例えば、経皮、皮下、静脈内、くも膜下、硬膜外、頭蓋内、または十二指腸内投与に好適なpHを有する。
【0031】
例えば、本明細書では、投与後にCOMT活性の実質的に一定な阻害を得ることができ、それにより、投与されたレボドパの半減期を増加させると共に、レボドパ血漿レベルの拍動性を実質的に低減し、血漿レボドパの低トラフレベルを回避することができる製剤および方法が提供される。
【0032】
さらに、本明細書では、例えば実質的に継続的な皮下または経皮投与のために、例えば許容されるpHで、より高濃度(例えば、2重量%超)のレボドパの安定な溶解を予想外にも可能にする、レボドパおよび随意のカルビドパの製剤が提供される。そのような製剤はまた、静脈内、皮内、経口または十二指腸内投与にも好適となり得る。例えば、本明細書では、実質的に一定な血漿レボドパ濃度を得ると共に、レボドパ血漿レベルの拍動性を実質的に低減し、血漿レボドパの低トラフレベルを回避することができる製剤および方法が提供される。
【0033】
本発明による、継続的レボドパおよびカルビドパ(ならびに/またはエンタカポンもしくはトルカポン)投与の処置戦略は、実質的に継続的にL−ドーパをシミュレートすることができる。例えば、本発明の治療および/または方法は、レボドパ経口投薬計画を約2回/日から約3回/日に延長する、ならびに/またはレボドパの1日用量を低減する、ならびに/またはレボドパおよびカルビドパの経口投薬を低減もしくはさらに排除することができる。
【0034】
(組成物)
本明細書では、一実施形態において、レボドパのアルギニン塩を含む液体製剤、またはアルギニンおよびレボドパを含む液体製剤が提供される。本明細書では、一実施形態において、約1:1.5から約1:2.5、もしくは約1:2から約1:2.3のレボドパ:アルギニンのモル比でレボドパおよびアルギニンを含む液体製剤、または、例えば、そのような液体組成物がカルビドパをさらに含む場合、約1:2から約1.3.5、もしくは約1:1.8から約1:3.5のカルビドパ:アルギニンを含む液体製剤が提供される。
【0035】
そのようなレボドパおよびアルギニン製剤または溶液は、皮下投与に薬学的に許容されるpH、例えば25℃で約8から約10、例えば約9.1から約9.8、例えば9.2から9.6のpHを有してもよい。レボドパおよびアルギニンを有する開示される製剤は、少なくとも約7重量%、8重量%、9重量%またはそれ以上のレボドパを含んでもよく、例えば、約10重量%、20重量%またはそれ以上のレボドパを含んでもよい。いくつかの実施形態において、開示される製剤は、約2.5重量パーセントから約10重量パーセントのレボドパ、4重量パーセントから約7重量パーセントのレボドパ、または約7.5重量パーセントから約12重量パーセントのレボドパ、または約5重量%から約30重量%もしくは約10重量パーセントから約20重量パーセントのレボドパを含んでもよく、また、さらに、約9重量パーセントから約20重量パーセントのアルギニン、または約9重量パーセントから約30重量パーセントのアルギニン、例えば約10重量パーセントから約18重量パーセントのアルギニン、約10重量%から約20重量%もしくは約15重量%から約30重量%もしくはそれ以上のアルギニン、または約12、13、14、もしくは15重量パーセントのアルギニンを含んでもよい。例えば、アルギニンは、企図される製剤中に、アルギニン:全活性成分(例えばレボドパ、カルビドパ等を含んでもよい)の比として、約1.5:1から約3:1、例えば1.8:1から約3.5:1のモル比で存在してもよい。
【0036】
例えば、本明細書では、活性成分レボドパおよびカルビドパ(例えば、約4重量%以上のレボドパ)、ならびにアルギニンおよび/またはメグルミンを含む、25℃で約9.1から約9.8のpHを有する薬学的に許容される組成物が開示される。例えば、レボドパおよびアルギニンを有する企図される組成物は、さらにカルビドパを含んでもよく、例えば、さらに少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約4重量%、例えば約2重量%から約4重量%のカルビドパを含んでもよい。例えば、本明細書では、アルギニン、および約2重量%から約12重量%またはそれ以上のレボドパ(例えば、約4重量%から約10重量%、約4重量%から約7重量%、約5重量%から約10重量%、もしくは約6重量%から約11重量%のレボドパ、または約5重量%から約20重量%のレボドパ)、および約1重量%から約6重量%、約1重量%から約2重量%(例えば、約1.25重量%または約1.5%)、あるいは約2重量%から約5重量%または約2重量%から約4重量%のカルビドパを含む組成物が提供される。皮下および/または皮膚投与される場合、レボドパおよびカルビドパを有するそのような組成物は、例えば、レボドパのみを含む組成物(例えば、レボドパ/アルギニン組成物)の皮下または皮膚投与と比較して、最小限の局所的組織損傷をもたらすことができる。さらに、そのようなレボドパおよびアルギニン組成物は、さらにカルビドパを含む場合、より高い安定性を有することができる(例えば、レボドパおよびアルギニンのみを有する組成物と比較して、経時的に不要な酸化生成物を形成することができない)。
【0037】
別の実施形態において、開示される製剤は、メグルミン等のアミノ糖を含んでもよく、これは、例えば、製剤中に存在するアルギニンの一部または全てを置き換えることができる。例えば、本明細書では、レボドパおよび/またはカルビドパならびにメグルミンを含む製剤が開示される。また、本明細書では、レボドパのメグルミン塩およびカルビドパのメグルミン塩が企図される。一実施形態において、組成物は、アルギニンを含み、またレボドパおよびカルビドパ等の活性薬剤を有し、アルギニンに対する活性薬剤のモル比は、約1:2未満であり、そのような組成物の安定性を改善するために、この例示的組成物は、さらに、例えば約1:0.3から約1.1.5のメグルミンに対する活性薬剤の比で、メグルミンを含んでもよい。例えば、本明細書では、活性成分としてのレボドパまたはカルビドパ(またはその組み合わせ)、アルギニン、およびメグルミンを有する組成物が提供され、アルギニンに対する活性成分のモル比は、約1:1.1から約1:1.9(例えば、1:1.3)であり、メグルミンに対する活性成分のモル比は、約1:0.3から約1:1.2(例えば、約1:0.4、1:0.5、1:0.8、1:1.1)である。企図される組成物は、レボドパ(例えば、約4重量%から約10重量%またはそれ以上)、カルビドパ(例えば約0.5重量%から約3重量%、例えば約1重量%または2重量%)、約9重量%から約16重量%のアルギニン、および約2重量%から約10重量%のメグルミンを含むことができる。
【0038】
また、本明細書では、一実施形態において、レボドパ、アルギニン、および/またはカルビドパ、ならびに、随意で、例えば酸化生成物の形成を阻害する薬剤を含む製剤が提供される。そのような製剤は、室温で約9.1から9.8のpHを有する液体であってもよい。例えば、本明細書では、アスコルビン酸またはその塩を含む組成物が提供される。
【0039】
一実施形態において、開示される組成物は、さらに、酸化生成物の形成を阻害する1種以上の薬剤を含んでもよい。そのような薬剤は、例えば、チロシナーゼ阻害剤および/またはo−キノンスカベンジャーおよび/またはCu
++キレート剤および/または酸化防止剤であってもよい。いくつかの実施形態において、カルビドパは、酸化生成物の形成を阻害する薬剤として機能してもよい。例えば、企図される製剤は、N−アセチルシステイン、グルタチオン、アスコルビン酸、アスコルビン酸Na、および/またはL−システイン等であるがこれらに限定されない、o−キノンスカベンジャーを含んでもよい。一実施形態において、製剤は、カプトプリル、メチマゾール、クェルセチン、アルブチン、アロエシン、N−アセチルグルコースアミン、レチノイン酸、α−トコフェリルフェルレート、MAP(リン酸アスコルビルMg)、基質類似体(例えば、安息香酸ナトリウム、L−フェニルアラニン)、Cu
++キレート剤、例えばNa
2−EDTA、Na
2−EDTA−Ca、DMSA(サクシマー)、DPA(D−ペニシラミン)、トリエンチン−HCl、ジメルカプロール、クリオキノール、チオ硫酸ナトリウム、TETA、TEPA、クルクミン、ネオクプロイン、タンニン、および/またはクプリゾン等の、チロシナーゼ阻害剤の1種以上から選択される薬剤を含んでもよい。開示される製剤の一部を形成し得る他の企図される酸化防止剤は、亜硫酸塩(例えば、亜硫酸水素ナトリウムまたはメタ重亜硫酸ナトリウム)、ジ−tert−ブチルメチルフェノール、tert−ブチル−メトキシフェノール、ポリフェノール、トコフェノール、および/またはコーヒー酸を含むがこれに限定されないユビキノンを含む。
【0040】
本明細書では、具体的実施形態において、レボドパ、カルビドパ、アルギニン、随意のメグルミン、およびアスコルビン酸またはその薬学的に許容される塩を含む組成物が提供される。例えば、企図される組成物は、さらに、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、ステアリン酸アスコルビル、および/またはパルミチン酸アスコルビルを含んでもよい。例えば、組成物は、約0.5重量パーセント以上(例えば、約0.5重量パーセントから約3重量パーセント、または約0.2重量パーセントから約2重量パーセント、または約0.5重量パーセントから約1重量パーセント、例えば約0.75重量%のアスコルビン酸またはその塩を含んでもよい。
【0041】
本明細書では、一実施形態において、エンタカポンまたはトルカポンの実質的に継続的な投与を可能とする、エンタカポン(またはトルカポン)およびアルギニンを含む薬学的に許容される製剤が提供される。例えば、本明細書では、例えばエンタカポンまたはトルカポンを含み、患者への実質的に継続的な投与に好適となり得る安定な液体製剤が提供される。さらに、そのような製剤は、生理学的に許容されるpH、例えば約6から約9.5、または約6.5から約8.5、または約7から約8のpHを有してもよい。
【0042】
例えば、エンタカポン(またはトルカポン)およびアルギニンは、水溶液(例えば、25℃または30℃で約6から9、例えば約6.5から約8.5、例えば約7から8のpHを有する)に溶解されてもよい。代替として、エンタカポン(遊離塩基)(またはトルカポン(遊離塩基))および塩基性アミノ酸塩(例えば、アルギニンおよび/またはリシン)が、一緒に液体(例えば水性液体)中に溶解され、開示される液体製剤を形成する。開示される液体製剤は、約2重量%のエンタカポンまたはトルカポン、約4重量%のエンタカポンまたはトルカポン、または約2重量%から約12重量%のエンタカポンまたはトルカポンを含んでもよく、例えば、約7重量%以上、約8重量%以上、または約10重量%以上のエンタカポンまたはトルカポンを含んでもよく、約3重量%から約20重量%またはそれ以上のエンタカポンまたはトルカポン、例えば約5重量%から約8重量%、約8重量%から約12重量%のエンタカポンまたはトルカポンを含んでもよい。例えば、液体製剤は、エンタカポンおよび塩基性アミノ酸(例えばアルギニン)を、約1:0.5から約1:2.5、または約1:1から約1:2、例えば約1:1または1:1.5のモル比で含んでもよい。そのような液体製剤は、さらに、カルビドパ、例えば少なくとも約2重量%または少なくとも約4重量%のカルビドパ、例えば約2重量%から約6重量%またはそれ以上のカルビドパを含んでもよい。別の実施形態において、そのような液体製剤は、さらに、レボドパ、例えば少なくとも約2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、または7重量のレボドパ、例えば約2.5重量%から約12重量%のレボドパを含んでもよい。例示的実施形態において、トルカポンまたはエンタカポンを含む組成物は、さらに、α、βもしくはγシクロデキストリンまたは誘導体等の賦形剤を含んでもよい。
【0043】
開示される液体製剤(例えば、レボドパ、カルビドパ、エンタカポン、トルカポン、または2種以上の組み合わせ、ならびにアルギニン(および/またはメグルミン)を含む液体組成物、例えば、レボドパおよびアルギニンを含む開示される製剤)は、25℃で24時間、48時間、7日間、またはそれ以上安定であってもよい。例えば、例示的液体製剤は、約1:1のモル比のエンタカポン:アルギニン(またはトルカポン:アルギニン)を、約5重量%から約15重量%、または約6重量%から約12重量%、または6重量%から約10重量%のエンタカポンで含んでもよい。そのようなエンタカポン、アルギニン液体製剤は、より安定となることができ、いくつかの実施形態において、エンタカポンのリシンまたはヒスチジン塩を含む液体組成物と比較して、7日間安定となることができる。一実施形態において、レボドパおよびアルギニンを含む開示される製剤は、室温で、例えば20℃から30℃で、例えば25℃で少なくとも1週間、または少なくとも2週間、またはそれ以上安定となることができる。一実施形態において、レボドパおよびアルギニンを含む開示される製剤は、氷点下で、例えば−10℃および/または−20℃で、−18℃で、または例えば−20℃から−80℃で少なくとも1ヶ月間、または少なくとも2ヶ月間安定となることができる。これに関連して、「安定」という用語は、製剤が溶液から著しく沈殿しない、および/または、活性薬剤が相当な期間著しく分解しないことを意味する。
【0044】
いくつかの実施形態において、開示される液体製剤または組成物は、溶液、すなわち、実質的に均質な液体混合物である。そのような液体混合物は、水および/または他の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。別の実施形態において、開示される液体組成物は、実質的に非水性であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、開示される液体製剤は、室温で1日、2日、3日、1週間もしくは1ヶ月またはそれ以上の期間安定である。本発明の一実施形態において、開示される液体製剤は、さらに、例えばN−メチルピロリドン(NMP)もしくはポリビニルピロリドン(PVP)、EDTA(もしくはその塩)、システイン、N−アセチルシステイン、および/または亜硫酸水素ナトリウム等の薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0046】
例えば、本明細書では、一実施形態において、約4重量%から約12重量%のレボドパ、および/またはカルビドパ(例えば、約1重量%から約6重量%、もしくは約2重量%から約6重量%)、および/またはエンタカポンもしくはトルカポン(例えば、約7重量%から約12重量%)、および約1重量%から約40重量%のアルギニン、約0重量%から約10%のNMP、約0重量%から約5重量%%のPVP、および/または約0重量%から約3.5重量%の1種以上の水溶性酸化防止剤を含む、安定な液体製剤が提供される。
【0047】
本発明は、さらに、レボドパ、カルビドパもしくはエンタカポンのアルギニン塩、または、レボドパ、カルビドパもしくはエンタカポンの2種以上の組み合わせを含む、安定な凍結乾燥粉末を提供する。一実施形態において、そのような安定な凍結乾燥粉末は、約20〜99%のレボドパまたはエンタカポン塩、約0〜60%のNMP、約0〜15%のPVP、および約0〜10%の1種以上の水溶性酸化防止剤を含んでもよい。凍結乾燥粉末は、水のみの、または水およびNMPの添加により液体製剤に戻すことができ、酸化防止剤を含んでもよく、または含まなくてもよい。
【0048】
本明細書では、いくつかの実施形態において、例えば約4重量%から約7重量%のレボドパ、約1重量%から約2重量%のカルビドパ、および約10重量%から約18重量%のアルギニンを含む、継続的皮下投与に好適な製剤が提供される。そのような製剤は、さらに、いくつかの実施形態において、約1重量%のアスコルビン酸(もしくはその薬学的に許容される塩)、および/または随意で約0.2重量%のNa
2EDTA−Caを含んでもよい。
【0049】
別の実施形態において、少なくとも約8重量%のレボドパ(例えば8%から約12%)、少なくとも約1.5重量%のカルビドパ(例えば約1.5%から約3%)、および少なくとも約15重量%のアルギニン(例えば約15重量%から約30重量%、もしくは約15重量%から約20重量%)を含む、十二指腸内または静脈内投与に好適な製剤が提供される。そのような製剤は、約1重量%のアスコルビン酸、および約0.2重量%のNa
2EDTA−Caを含んでもよい。また、本明細書では、継続的十二指腸内または静脈内投与のための、少なくとも約8重量%のレボドパ(例えば8%から約12%)、少なくとも約1.5重量%のカルビドパ(例えば約1.5%から約3%)、少なくとも約10重量%のアルギニンもしくは約12重量%のアルギニン(例えば約10重量%から約15重量%、もしくは約12重量%から約15重量%)、少なくとも約3重量%のメグルミン(例えば約3%から約8%、もしくは約3%から約5%)、および随意で約1重量%のアスコルビン酸(もしくはその塩)、および/または随意で約0.2%のNa
2EDTA−Caを含む、十二指腸内または静脈内投与に好適な製剤が提供される。そのような製剤は、水を含んでもよい。
【0050】
本発明の液体製剤は、エンタカポン、トルカポン、カルビドパおよび/またはレボドパの、それを必要とする患者への継続的投与用に設計されてもよい。例えば、患者は、アルギニンおよびエンタカポンを含む、開示されるエンタカポン組成物を含む製剤を、継続的に(例えば皮下、経皮、十二指腸内、皮内、または静脈内)投与されてもよく、一方で、例えば異なるデバイスの、または同じデバイス内の別個の区画内の、同じデバイスを介した別個の組成の、または同じ組成の、カルビドパ、カルビドパ塩、またはカルビドパを含む組成物もまた実質的に継続的に投与され、ならびに/または随意にレボドパおよび/もしくはカルビドパが、個別の間隔で、例えば1日2回、3回、4回、または5回で投与される。
【0051】
本明細書において使用される場合、「レボドパを含む組成物」または「レボドパ組成物」は、随意でデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤、および/またはMAO−AもしくはMAO−B阻害剤と共にレボドパを含む製剤を企図する。例えば、レボドパを含む組成物は、レボドパ(またはその塩)および随意に他の薬物を含む投薬製剤を含み、投薬製剤は、経口投与に好適な、即時放出、制御放出、2段階放出または多段階放出製剤であってもよい。
【0052】
「デカルボキシラーゼ阻害剤」という用語は、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えば、カルビドパおよびベンセラジド等の芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼによるレボドパからドーパミンへの末梢代謝を阻害する薬剤を指す。
【0053】
運動障害は、異常随意もしくは不随意運動、または遅い、低下した運動を引き起こす神経系の状態を指す。
【0054】
神経学的障害は、身体の神経系の障害である。
【0055】
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」は、本明細書において使用される場合、医薬品投与に適合するありとあらゆる溶媒、分散媒、保存料、酸化防止剤、コーティング、等張および吸収遅延剤等を指す。薬学的活性物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。組成物はまた、補足的、追加的または向上した治療機能を提供する他の活性化合物を含有してもよい。
【0056】
「薬学的または薬理学的に許容される」は、動物、または人間に適宜投与された場合に、副作用的、アレルギー性、または他の有害な反応を生成しない分子的実体および組成物を含む。人間への投与の場合、調製物は、U.S.FDA Office of Biologics基準により規定される無菌性、発熱性、一般的安全性および純度の基準を満たすべきである。
【0057】
「薬学的組成物」という用語は、本明細書において使用される場合、1種以上の薬学的に許容される担体と共に製剤化された本明細書において開示される少なくとも1種の活性薬剤を含む組成物を指す。
【0058】
「生理学的に許容されるpH」という用語は、例えば著しい悪影響を及ぼすことなく患者への組成物の投与を促進する組成物のpH、例えば、約4から約9.8(例えば、約4±0.3から約9.5±0.3)のpHを意味するように理解される。
【0059】
COMT阻害剤は、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼによるレボドパの3−メチルドパへの分解を阻害し、レボドパ、例えばエンタカポンまたはトルカポンの作用を延長する阻害剤を指す。例えば、本明細書において企図されるレボドパを含む組成物はまた、デカルボキシラーゼ阻害剤(カルビドパまたはベンセラジド)およびエンタカポン、例えば「3段階治療薬」を含んでもよい。
【0060】
MAO−AまたはMAO−B阻害剤は、モノアミンオキシダーゼ、例えばモクロベミド、ラサギリン、セレギリンまたはサフィナミド、例えばラサギリンによるドーパミンの破壊を防止する。
【0061】
(キットおよびデバイス)
本明細書では、1つには、本明細書において開示されるような組成物を含む、例えば、本明細書において開示されるように、レボドパおよびカルビドパ、ならびにアルギニンを含む組成物、ならびに随意にカルビドパおよび/またはレボドパを含む組成物を含んでもよい、活性薬剤の経皮または皮下投与に好適な経皮パッチが企図される。そのようなパッチは、同じまたは異なる組成物を有してもよい1つ以上の区画を有してもよく、例えば、1つの区画は開示される製剤を有してもよく、別の区画は異なる開示される製剤、または異なる活性製剤を有してもよい。経皮パッチは、開示される組成物を形成する活性薬剤の1種以上を、皮膚または粘膜を通して患者の血流中に送達することができる任意のデバイスを指す。
【0062】
また、本明細書では、a)カルビドパおよびアルギニンを含む開示される組成物を含む第1の製剤であって、継続的(例えば皮膚または皮下)投与に好適な第1の製剤;随意に、b)レボドパもしくはレボドパのアルギニン塩を含む第2の製剤であって、継続的投与に好適な第2の製剤;随意に、c)エンタカポンおよびアルギニンを含む第3の製剤であって、継続的投与に好適な第3の製剤、ならびに/または、随意に、d)トルカポンおよびアルギニンを含む第4の製剤であって、継続的投与に好適な第4の製剤、随意に、e)レボドパおよび随意にカルビドパを含む第5の組成物であって、皮下投与に好適な第5の製剤;ならびに/または、随意に、f)レボドパおよび/もしくは随意にカルビドパを含む第6の組成物であって、経口投与に好適な第6の製剤;ならびに、g)製剤a)〜f)の少なくとも1つの投与のための説明を含むキットが企図される。製剤a)〜e)は、経皮、静脈内、皮下、皮内、筋肉内、または十二指腸内等の任意の好適な経路による継続的投与に好適であってもよい。
【0063】
一実施形態において、第1の製剤は、開示されるカルビドパ塩を含み、皮下投与に好適である。企図されるキットの第6の製剤は、レボドパ、レボドパ塩、またはレボドパを含む組成物を含んでもよく、ピル、錠剤、分散性錠剤、カプセル、液体等であるがこれらに限定されない任意の好適な経口剤形として存在してもよい。一実施形態において、第4の製剤は、レボドパおよびベンセラジドの両方、またはレボドパおよびカルビドパの両方を含む、即時放出、制御放出、または2段階放出経口製剤の形態であってもよい。ピル、錠剤等の形態のそのような経口製剤は、約1:10から1:4、好ましくは約1:4から1:1の、レボドパに対するカルビドパまたはベンセラジドの比を含んでもよい。他の企図される第2の製剤は、例えばレボドパ、カルビドパ、およびエンタカポン(もしくはトルカポン)を含む錠剤、または、例えばレボドパアルギニン塩および/もしくはカルビドパアルギニンを含む錠剤等の製剤を含む。
【0064】
企図されるキットは、レボドパアルギニン塩(および/もしくはカルビドパアルギニン塩)、または、レボドパ、カルビドパ、および/もしくはエンタカポン(または組み合わせ)、およびアルギニンを有する液体組成物を含んでもよい。そのような組成物は、液体もしくは液体製剤に戻すことができる凍結乾燥粉末であってもよく、または、例えば経皮パッチの一部を形成してもよく、経皮、静脈内、皮下、皮内、筋肉内もしくは十二指腸内等であるがこれらに限定されない任意の好適な経路による継続的投与用に設計されてもよい。
【0065】
別の実施形態において、キットは、これらに限定されないが、経皮、静脈内、皮下、皮内、筋肉内、十二指腸内の継続的投与に好適な、カルビドパおよびアルギニン(ならびに随意にレボドパおよび/またはエンタカポンもしくはトルカポン)を含む第1の液体製剤、ならびにレボドパおよびカルビドパを含む、即時放出、制御放出または2段階放出経口製剤の形態の第2の製剤、ならびに/あるいは、これらに限定されないが、経皮、静脈内、皮下、皮内、筋肉内、十二指腸内の継続的投与に好適な、エンタカポンおよびアルギニン(またはトルカポンおよびアルギニン)を含む第2の液体製剤を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、開示される液体組成物(例えば、レボドパ、アルギニンおよび随意のカルビドパを含む)は、例えば、患者または医師による使用に好適な事前に充填されたカートリッジとして提供されてもよい。例えば、本明細書では、開示される液体製剤がカートリッジ(例えば、単一用量または患者への単回投与に好適な用量のレボドパおよびアルギニン溶液(および随意のカルビドパ)を有する事前に充填されたカートリッジ)内に配置された、事前に充填されたカートリッジ、ならびに随意の取扱説明書を備えるキットが提供される。
【0067】
(組成物の調製)
開示される製剤または組成物は、アルギニンおよび/またはメグルミンを、レボドパおよび/またはカルビドパ、ならびに随意で酸化防止剤(複数種を含む)と、上で開示された量で混合し、例えば粉末混合物を形成することにより調製することができる。混合物に水を添加して、懸濁液を形成してもよい。懸濁液は、例えば、予熱された水を添加することにより、および/または、随意に撹拌しながら、混合物を湯浴(例えば72±5℃)内に(例えば約3分、約5分、約10分またはそれ以上(例えば約10分まで))設置することにより、例えば約40℃から約100℃、または約60℃から90℃、例えば72±5℃で加熱されて溶液を形成し、溶液を冷却して組成物を形成してもよい。容器のヘッドスペースにはN
2が提供されてもよい。次いで、例えば、混合物を湯浴から取り出し、室温に冷却し、例えばその直後に、N
2雰囲気下で随意の酸化防止剤(複数種を含む)を添加し、続いて撹拌してもよい。例えばレボドパ、カルビドパ、およびアルギニンがまず粉末として互いに混合され、水で懸濁液が形成され、次いで加熱される上記のような調製は、成分の個々の水懸濁液の段階的調製および後の組み合わせを含む調製と比較して、より安定な溶液をもたらすことができる。
【0068】
開示される製剤は、例えば、ナイロンまたはPVDF膜を用いたフィルタ等の0.2μΜフィルタを使用して滅菌することができる。いくつかの実施形態において、開示される製剤の調製は、カルビドパおよびレボドパが同時に存在する場合、ならびに/または、他の酸化防止剤(例えば亜硫酸水素ナトリウム)ではなく、ある特定の酸化防止剤(例えばアスコルビン酸もしくはその塩)を使用して調製される場合、望ましくない副生成物(例えば毒性副生成物)または汚染物質(例えばヒドラジン)がより少ない。別の実施形態において、開示される製剤の調製は、上で開示されたように予熱された水が添加される場合、予熱された水の添加なしで調製された製剤と比較して、望ましくない副生成物がより少ない。別の実施形態において、レボドパおよび/またはカルビドパは、開示される調製手順が使用されない限り溶解することができない。そのような上述の開示される調製は、湯の添加または加熱なしで調製された製剤と比較して、より安定な製剤を提供することができる。
【0069】
(処置方法)
さらなる態様において、本発明は、神経学的または運動障害等の疾患または障害の治療のための方法であって、開示される組成物を実質的に継続的に投与すること、および/または、レボドパを含む組成物を投与すること(例えば、レボドパ組成物を経口投与すること、もしくは開示されるレボドパ組成物等を皮下投与すること)、および、随意に、治療上効果的な量のCOMT阻害剤を含む、本明細書において開示されるような組成物(例えばエンタカポンおよびアルギニンを含むエンタカポン組成物、またはトルカポンおよびアルギニンを含むトルカポン組成物)を実質的に継続的に投与することと共に、随意に、治療上効果的な量の、デカルボキシラーゼ阻害剤またはその塩を含む組成物(例えば、カルビドパおよびアルギニンを含む)を、それを必要とする患者に実質的に継続的に同時投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、提供される方法は、例えばカルビドパおよびエンタカポンまたはトルカポンの両方を含む組成物を実質的に継続的に投与することを含んでもよく、または、2つの別個の組成物(例えば、1つはエンタカポンまたはトルカポンを有し、1つはカルビドパおよび/またはレボドパを有する)、例えば本明細書において開示される組成物を実質的に継続的に投与することを含んでもよい。実施例において示されるように、カルビドパおよびエンタカポンの継続的投与と共にレボドパが投与された患者は、当業者がカルビドパまたはエンタカポン単独の継続的投与から期待する血漿レベルと比較して、レボドパのより高い血漿レベルをも呈することができる。
【0070】
例えば、本明細書では、レボドパおよび/またはカルビドパを含む組成物の経口投与(ならびに随意にCOMT阻害剤を含む組成物の経口投与)を含み、また本明細書において開示されるようなカルビドパ組成物、または本明細書において開示されるようなレボドパおよび/もしくはカルビドパの両方を含む組成物の皮下投与を含む(また、レボドパおよびカルビドパの皮下投与は、別個の組成物、またはレボドパおよびカルビドパの両方を含む組成物であってもよい)、神経学的または運動障害を治療する方法が提供される。そのような方法はまた、異なる製剤または1つの製剤であってもよい、レボドパおよび/またはCOMT阻害剤の皮下投与を含むことができる。
【0071】
また、本明細書では、レボドパの治療血漿レベルを維持するのに十分となり得るレボドパの個別の(例えば経口)投与がなくても、レボドパおよび随意でカルビドパを含む組成物(例えば、液体組成物)の実質的に継続的な皮下または皮膚投与を含む(およびカルビドパを含む組成物を随意に実質的に投与することを含んでもよい)、神経学的または運動障害を処置する方法が提供される。一実施形態において、企図される方法は、例えば約10:1から約1:1のレボドパ:カルビドパ重量比で、レボドパおよびカルビドパ(同じ組成物または別個の組成物として)を実質的に継続的に投与することを含んでもよい。一実施形態において、企図される方法は、カルビドパおよび/または経口COMT阻害剤あり、またはなしでレボドパを実質的に継続的に投与することを含んでもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、レボドパを含む組成物(例えば開示される液体組成物)は、約0.07ml/時間、または例えば約0.01ml/時間から約0.2ml/時間の速度で投与されてもよい。そのような速度は、日中または夜間を通して一定であってもよく、または患者の必要性に従い変動してもよく、例えば、患者の休息または睡眠スケジュールおよび覚醒またはより高い活動レベルのスケジュールを反映してもよい。例えば、本明細書において開示されるような液体組成物(例えばレボドパを含む)は、朝(例えば覚醒前の約2〜3時間)は約0.15ml/時間、日中もしくは活動時間中(例えば約10時間から約12時間)は約0.1ml/時間、および/または休息時もしくは夜間は約0.035ml/時間の速度で投与されてもよい。別の実施形態において、本明細書において開示されるもの等の液体組成物(例えばレボドパを含む開示される組成物)は日中または活動時間中(例えば覚醒前の約2〜3時間およびその後約10時間から約12時間)は約1.0ml/時間、ならびに休息時または夜間は0ml/時間から約0.5ml/時間の速度で、例えば十二指腸内投与されてもよい。別の実施形態において、本明細書において開示されるような液体組成物(例えばレボドパおよびアルギニンを含む)は、日中または活動時間中(例えば覚醒前もしくは覚醒後約2〜3時間およびその後約10時間から約14時間)は約1.25ml/時間(例えば約1.25±0.5ml/時間)、ならびに休息時または夜間は0ml/時間から約0.5ml/時間(例えば約0.5±0.25ml/時間)の速度で投与されてもよい。
【0073】
開示される方法に従う、例えばカルビドパ、エンタカポン、トルカポン、および/またはレボドパの企図される投与は、典型的には、定義された期間(選択される組み合わせに依存して、通常は数週間、数ヶ月または数年)にわたり行うことができる。企図される治療は、1つには、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤および随意でCOMT阻害剤(例えばエンタカポンまたはトルカポン)が、レボドパが個別の間隔で投与される間に実質的に継続的に投与される様式での、複数の治療薬剤の投与、ならびに、実質的に同時の、同じ組成で投与されてもよい、または例えば同時であるが異なる組成とし投与されてもよい、企図される治療薬剤、または治療薬剤の少なくとも2種(例えば、レボドパおよびカルビドパ、ならびに随意でエンタカポンもしくはトルカポン、またはレボドパおよびエンタカポンもしくはトルカポン)の投与を包含するように意図される。投与は、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、皮内経路、皮下、経皮、および粘膜組織を通した直接的吸収を含むがこれらに限定されない、任意の適切な経路により達成することができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、レボドパは、例えば企図されるカルビドパ製剤の投与と比較して、同じ経路により、または異なる経路により投与することができる。例えば、カルビドパは、例えば実質的に継続的に皮下投与されてもよく、一方、レボドパは、例えば別個の間隔で経口投与されてもよい。一実施形態において、開示される液体カルビドパ組成物(例えばカルビドパおよびアルギニンを有する)ならびに液体エンタカポン組成物(例えばエンタカポンおよびアルギニンを有する)は、実質的に継続的に投与され、一方、レボドパを含む(ならびにドーパデカルボキシラーゼ阻害剤および/もしくはCOMT阻害剤等の1種以上の他の活性薬剤も含んでもよい)経口組成物は、別個の間隔で投与される。代替として、例えば、レボドパおよびカルビドパの両方が、皮下または経皮投与されてもよい。開示される組成物は、12時間、1日、1週間、またはそれ以上にわたり、実質的に継続的に投与されてもよい。
【0075】
本明細書において企図される、脳内のドーパミンのレベルの低下により特徴付けられる疾患または障害は、下肢静止不能症候群、パーキンソン病、続発性パーキンソン症候群、ハンチントン病、シャイ・ドレーガー症候群および一酸化炭素またはマンガン中毒を含む脳損傷からもたらされる状態を含む、神経学的または運動障害である。処置を必要とする患者におけるそのような障害を処置するための方法は、例えば、開示される組成物を(例えば皮下)投与することにより提供される。一実施形態において、処置される疾患は、パーキンソン病である。
【0076】
一実施形態において、例えば液体製剤を使用して実質的に継続的に投与することは、約10〜250μl/時間、もしくは約160±40μl/時間で24時間継続した;約200±50μl/時間で16時間継続した(覚醒時間中)、および夜間(例えば8時間)約0μl/時間から80μl/時間の平均速度での皮下注入用ポンプ(インスリンポンプ)によるもの、または経皮パッチによるものであってもよい。一実施形態において、例えば液体製剤を使用した実質的に継続的な静脈内または腹腔内投与は、約0.2〜2ml/時間、もしくは約1±0.5ml/時間、24時間継続して;約1.0±0.5ml/時間、16時間継続して(覚醒時間中)、および夜間(例えば8時間)約0ml/時間から0.5ml/時間の平均速度での、ポンプもしくは経皮パッチ、または、例えば皮下、静脈内、くも膜下、または経十二指腸に好適な送達デバイスの組み合わせによるものであってもよい。
【0077】
ここで、本発明を全般的に説明するが、本発明のある特定の態様および実施形態の例示のみを目的として含められ、いかなる様式でも本発明を限定することは意図されない以下の実施例を参照することにより、本発明はより容易に理解される。
【0078】
〔実施例〕
(実施例1:皮下投与用溶液/製剤の調製)
A.予熱された0.1%亜硫酸水素Na溶液を、カルビドパ[ASSIA Ltd.]に添加することにより、2%カルビドパ溶液/製剤を調製した。アルギニン[MERCK]を添加し、1:1.2のCD(カルビドパ):arg(アルギニン)の最終モル比を得た。完全な溶解が得られるまで、混合物を60℃で撹拌した。加熱を停止し、調製物を8.5の室温pHまで冷却した。無菌0.22μΜ PVDF膜を使用して、溶液を濾過した。
【0079】
B.10%トルカポン溶液/製剤を、以下のように調製した:それぞれの量のH
2Oをトルカポン[Synfine Research]に添加し、撹拌中にアルギニンを徐々に添加して、1:1の最終モル比を得ることにより、10%のトルカポンを含有する溶液を調製した。完全な溶解が得られるまで、混合物を撹拌する。冷却後、溶液のpHは7.8であった。
【0080】
C.それぞれの量のH
2Oをエンタカポン[Suven Life Sciences]に添加し、30〜35℃で撹拌し、アルギニンを徐々に添加して、1:1の最終モル比を得ることにより、10%のエンタカポンを含有する溶液を調製した。完全な溶解が得られるまで、混合物を撹拌する。冷却後、溶液のpHは6.9であった。より低濃度の溶液(6%)のpHは、7.8であった。調製後、そのようなエンタカポン溶液を、2重量%、3重量%または4重量%の製剤に希釈することができる。
【0081】
エンタカポンは、ヒスチジンおよびグルタミン酸等の他のアミノ酸と、または様々なpHの緩衝液中に溶解しなかった(1%を超える濃度で)。
【0082】
D.予熱された0.1%亜硫酸水素Na溶液をアルギニンに添加することにより、7%レボドパ/2%カルビドパ溶液を調製した。レボドパを添加して、1:2のLD:argの最終モル比を得た。完全な溶解が得られるまで、混合物を75〜80℃で撹拌した。60℃に冷却した後、カルビドパおよびアルギニンを添加し、1:1.2のCD(カルビドパ):arg(アルギニン)の最終モル比を得た。完全な溶解が得られるまで、混合物を60℃で撹拌した。冷却後、約12.5%のさらなるアルギニンを、溶液に添加した。溶液のpHは、約9.2であった。
【0083】
E.予熱された0.1%亜硫酸水素Na溶液をアルギニンに添加することにより、7重量%レボドパ溶液を調製した。レボドパを添加して、1:2のLD:argの最終モル比を得た。完全な溶解が得られるまで、混合物を75〜80℃で撹拌した。冷却後、溶液のpHは約9.4であった。
【0084】
(実施例2:製剤調製手順)
レボドパ(LD)およびカルビドパ(CD)製剤は、以下のように調製することができる。しかしながら、表Aに示されるように、調製方法は、得られる組成物の物理的および化学的安定性に大きく影響する。
【0085】
方法#1(L−Arg溶液):L−ArgおよびNa−Bis(亜硫酸Na)を水に溶解した。溶液を、LDおよびCD粉末に添加した。完全に溶解するまで、混合物を75℃で13分間撹拌しながら加熱した。LD/CD溶液を、室温(RT)で10分間保持し、冷却した。
【0086】
方法#2(全ての粉末を一緒に):全ての粉末(LD、CDおよびL−Arg)を秤量し、Na−Bisを含む水を添加した。完全に溶解するまで、懸濁液を75℃で13分間撹拌しながら加熱した。LD/CD溶液を、RTで10分間保持し、冷却した。
【0087】
方法#3(#2と同じであるがNa−Bis予熱なし):全ての粉末(LD、CDおよびL−Arg)を一緒に秤量し、水を添加した。完全に溶解するまで、懸濁液を75℃で13分間撹拌しながら加熱した。LD/CD溶液を、RTで10分間保持し、冷却した。
【0088】
方法#4(段階的調製):LDおよびそれぞれの量のL−Argを秤量し、水およびNa−Bis溶液を添加した。完全に溶解するまで、懸濁液を75℃で7分間加熱し、続いてRTで7分間静置した。CDおよびそれぞれの量のL−Argを秤量し、完全に溶解するまでLD−arg溶液を60℃で添加した。最後に、追加のL−Argを添加した。
【0089】
方法#5(#4と同じであるがNa−Bis予熱なし):LDおよびそれぞれの量のL−Argを秤量し、水を添加した。完全に溶解するまで、懸濁液を75℃で7分間加熱し、続いてRTで7分間静置した。CDおよびそれぞれの量のL−Argを秤量し、完全に溶解するまでLD−arg溶液を60℃で添加した。最後に、追加のL−Argを添加した。
【0090】
冷却後、全ての方法による全ての製剤を3つのバイアルに分割し、水、Na−Bis溶液またはNa−Bis−Arg溶液を各バイアルに添加した。物理的および化学的安定性を評価したが、それらを表A1およびA2に示す。
【0092】
調製の最後、およびRTで5日間の安定性の後、HPLC分析用に製剤をサンプリングした。RTで5日間後の回収は、T=0と比較して計算された。
【0094】
表A1およびA2中の結果は、製剤調製の方法が、その物理的および化学的安定性に対する大きな影響を有することを明確に示している。方法#3の製剤は、大幅により大きな安定性を示している。
【0095】
(実施例3:レボドパおよびレボドパ/カルビドパ組成物の長期安定性に対するアルギニンの効果)
実施例2において概説した手順、ならびに、異なる濃度のアルギニンおよび/またはアミノ糖(例えばメグルミン)および/または糖(例えばデキストロース)および/または塩基(NaOH)もしくは別の塩基性アミノ酸(例えばリシン、ヒスチジン)を含む製剤に対する比較研究を用いて、レボドパ、カルビドパおよびアルギニンを含む液体製剤を調製した。結果を表Bに示す。
【0096】
表Bは、アルギニンが、1:2.5より低いモル比で高濃度のレボドパおよびカルビドパ(>2.5%)と共に安定な溶液を形成し、一方で、他の塩基性アミノ酸LDと共にこれらの条件下で溶解すらしないことを示している。アルギニンに対するLD/CDのモル比が1:<2では、溶液はメグルミンまたは別の対イオンが使用されない限り、長期安定性を有さず、メグルミンは、LD/CDに対するアルギニンのモル比を低減するために使用することができる。
【0098】
全ての粉末(LD、CDおよびL−Arg)を秤量し、73±3℃に予熱された水を添加することにより、液体製剤を調製した。懸濁液を73±3℃の水浴に入れ、完全に溶解するまで10分間撹拌した。LD/CD溶液を、RTで10分間保持し、冷却した。次いで、アスコルビン酸を添加した。溶液をガラスバイアルに分割し、+25℃および−20℃で、指定された期間保持した。分析前に、完全に解凍されるまで凍結バイアルをRTで静置した。次いで、製剤を混合し、安定性分析に供した。
【0099】
表Cは、+25℃および−20℃での物理的および化学的長期安定性に対する1−アルギニンの効果を示す。
【0100】
全ての粉末(LD、CDおよびL−Arg)を秤量し、73±3℃に予熱された水を添加することにより、液体製剤を調製した。懸濁液を73±3℃の水浴に入れ、完全に溶解するまで10分間撹拌した。LD/CD溶液を、RTで10分間保持し、冷却した。次いで、アスコルビン酸を添加した。溶液をガラスバイアルに分割し、+25℃および−20℃で、指定された期間保持した。分析前に、完全に解凍されるまで凍結バイアルをRTで静置した。次いで、製剤を混合し、安定性分析に供した。
【0107】
表C1〜C6は、LD/CDに対するアルギニンのモル比と安定性との間に相関があることを示しており、一般に、より多くのアルギニンを有する組成物が、より長い安定性を有する。LD/CD:アルギニン溶液(1:≧9.1のモル比)は、RTおよび−20±5℃で少なくとも1ヶ月安定である。溶液は、非常に高い固体濃度(全部で45%超)であっても安定である。
【0108】
溶液の物理的安定性に対するpHおよびL−アルギニン濃度の効果を調査するために、6/1.5%および5.4/1.5%LD/CDおよび様々なL−Arg濃度を含有する製剤を、酢酸(100%)または乳酸(85%)で滴定した。表Dは、その結果を示す。
【0110】
表Eは、表Dに示される安定性試験に使用された6/1.5/14.8%LD/CD/Arg製剤の、調製から3週間後の物理的および化学的安定性を示す。
【0112】
表Dは、アスコルビン酸が、アスコルビン酸Naと比較してpHを0.1〜0.15単位低減すること、および他の有機酸が、製剤のpHをさらに低減することができることを示している。しかしながら、物理的安定性試験結果は、製剤が、pH<9.15±0.5においては大きくは安定ではないことを示している。アスコルビン酸Naを含む製剤は、所与のL−アルギニン濃度において、アスコルビン酸を含む製剤よりも安定であると思われる。したがって、過剰の酸は、適切な量のL−Argがない場合、沈殿物をもたらし得ることが示唆される。
【0113】
(実施例4:インビトロおよびエクスビボでカルビドパを含むレボドパ製剤の安定性)
レボドパ製剤に対するカルビドパの効果を調査した。0重量%、0.5重量%、1重量%、1.5重量%および2重量%のカルビドパ(CD)および一定濃度のアルギニンを用いてレボドパ(LD)製剤を調製した。表Fに示されるように、物理的および化学的安定性を評価した。
【0115】
図1A(図を参照されたい)に示される実験結果は、カルビドパが、用量に依存して、空気の存在下で濃い黄色の形成を防止したことを示している。空気の非存在下(ヘッドスペースにN
2が存在)では、0.5%のCDが、この色の形成を阻害するのに十分であった。CDがインビトロでLDの酸化を阻害することが示唆される。表Fに示される実験結果は、カルビドパが、レボドパの化学的安定性に対して大きな効果を有さないことを示している。また、沈殿を防止するためには、アルギニンと全活性成分との間の比が重要であり、すなわち、製剤の物理的安定性は、アルギニンの相対濃度に依存することを示している。
【0116】
追加実験において、0%、0.5%、1%および2%CDならびにそれぞれの濃度のアルギニンを用いてLD製剤を調製した。物理的および化学的安定性を評価したが、結果を表Gに示す。
【0118】
適切な濃度のL−アルギニンの存在下では、表Gに示されるように、エクスビボの全ての製剤が、解凍後RTで少なくとも1ヶ月間安定であった。
【0119】
レボドパ製剤の安定性に対するカルビドパの効果を、
図1に示す。2%CDを含む、または含まない、7%LD−アルギニン溶液を、5×5cmの新鮮なブタの全層皮膚に、0.08ml/h×18h、37℃で継続的に投与した。
図1の右側は、黒色副生成物形成の欠落を示し、これは、CDが、エクスビボでLDの酸化を阻害し、またo−キノンおよびメラニンの形成も阻害することができることを示唆している。
【0120】
(実施例5:レボドパを含むカルビドパ製剤の安定性)
カルビドパの安定性に対するレボドパの効果を調査した。表Hは、その結果を示す。
【0122】
表Hは、CDが、酸化および分解により敏感ではなく、LDの存在下でより安定であったことを示している。R.T.4.82、5.65、12.7、13.53および14.55での不純物のエリアは、LDが存在しない場合、好気状態下で大幅に増加し、R.T.4.82および13.53での不純物のエリアは、酸素の非存在下であっても増加した。LDは、CDの分解を防止することができると思われる。
【0123】
(実施例6:カルビドパを含むレボドパ製剤の毒性および薬物動態)
レボドパの局所的毒性に対するカルビドパの効果を、ブタにおいて調査した。6%LDおよび0%、0.5%または1%CD、ならびにそれぞれの量のアルギニン(それぞれ13.5%、14.2%または14.8%)を含有する溶液を、0.16ml/h×24hで継続的にブタにSC投与した。各製剤は、2匹のブタに投与した。それから8±1日後に皮膚試料を採取した。
図2は、1%のカルビドパの存在が、インビボにおいて、レボドパ依存性毒性の重症度および範囲を低減することを示している。
【0124】
レボドパおよびカルビドパの薬物動態に対するカルビドパの効果を調査した。6%LDおよび0%、0.5%、1%または2%CD、ならびにそれぞれの量のアルギニン(それぞれ13.5%、14.2%、14.8%または16.5%)を含有する溶液を、0.16ml/h×24hで継続的にブタにSC投与した。
図3は、CDが、LDの薬物動態に対し大きな効果を有することを示している。この効果は、実施例6のように、用量依存性であり、±0.3%CDから±1.2%CDの間で直線的であった。
【0125】
(実施例7:チロシナーゼ阻害剤の効果)
ブタ皮膚の皮下組織に37℃でレボドパ/カルビドパ製剤を継続的皮下投与した後のレボドパ(LD)に対する酸化への、チロシナーゼ阻害剤、基質類似体、Cu
++キレート剤、およびO−キノンスカベンジャーの効果を、エクスビボで試験した。
【0126】
ブタの全層皮膚試料(皮下組織を含む)を、37℃に設定されたインキュベータ内で、暖かいPBSで頂部まで充填された100mlガラス瓶の上に置いた。皮膚はPBSに直接接触し、次いで、可能な限り空気から皮膚の内側を保護するために、皮膚および瓶をパラフィルムで被覆した。22G翼状針および0.08ml/hに設定された注入ポンプを使用して、製剤を皮下投与した。
【0127】
様々な潜在的レボドパ安定剤、および酸化/分解/代謝阻害剤のリストを、表Iに列挙する。各群からの代表およびその組み合わせの効果をエクスビボで試験し、
図4に示す。
【0128】
各皮膚試料の数は、以下の表Jに従い投与された番号付きの製剤に対応する。
【0131】
図4は、0.5%以上の濃度のアスコルビン酸塩が、ブタ皮膚試料において、レボドパおよびカルビドパの色の変化を阻害するのに十分であったことを示している。試験した他の化合物は、より効果が低かった。
【0132】
(実施例8 インビボでの皮下毒性に対するチロシナーゼ阻害剤の効果)
ブタにおけるLD/CDの24時間継続皮下投与後の皮下毒性に対するチロシナーゼ阻害剤の効果を、投与から6〜11日後において試験した。結果を表Kに示す。
【0134】
使用した実験条件下で、カプトプリルおよび/またはCa−Na
2EDTAは、1%アスコルビン酸塩のみと比較して、局所的毒性からの保護において補助的な効果を有さなかった。
【0135】
(実施例9:皮下投与後のレボドパの血漿レベル)
この実験において、目的は、ブタにおける、カルビドパ、レボドパまたはエンタカポンおよびそれらの組み合わせの、経口LD/CDとの継続的皮下投与後のLD(レボドパ)の血漿レベルを決定することであった。
【0136】
体重約22kgのランドレース×大ヨークシャー種の雌のブタを、表1に従い、1日目の15:00から開始して、経口LD/CD100/25、ならびに、上述のようなアルギニンと配合したカルビドパ、レボドパまたはエンタカポンおよびそれらの組み合わせを含有するそれぞれの試験製剤で処置し、0.08ml/hの速度で、皮膚パッチ(Omnipod(登録商標))により継続的に皮下投与した。
【0137】
表Lは、各群の処置プロトコルを示す。実施例1および2のように、製剤を調製した。
【0139】
3回目の経口投薬後に、所定の時点で血液試料を採取し、レボドパ、カルビドパおよび3−OMDの血漿レベルをHPLC−ECDにより分析した。
【0140】
図5は、ブタにおけるA)エンタカポン(200mg/24h)±CD(40mg/24h)またはB)レボドパ(140mg/24h)±CD(40mg/24h)の継続的SC投与を含むSinemet(経口100/25LD/CD)の経口投与後の平均レボドパ血漿濃度を示す(全ての皮下製剤は、上述のようにアルギニンを含んでいた)。
【0141】
結果は、CDおよびエンタカポンそれぞれ単独の継続的SC投与後にLDの血漿濃度を加えた後に得られた計算LD血漿PKと比較して、継続的に同時皮下投与された場合、レボドパの血漿PK(ng/ml)に対して、エンタカポン(200mg/24h)とCD(40mg/24h)との間の相乗効果があることを示している(
図1Aおよび表2、C対B+D)。結果はまた、CDおよびLDそれぞれ単独の継続的SC投与後にLDの血漿濃度を加えた後に得られた計算LD血漿PKと比較して、継続的に同時皮下投与された場合、レボドパの血漿PK(ng/ml)に対して、レボドパ(140mg/24h)とCD(40mg/24h)との間の追加的効果があることを示している(
図1Bおよび表2、E対D+F)。さらに、結果は、LDおよびCDの継続的SC投与が、経口LD/CD投与の非存在下であっても、一定の継続的レボドパ血漿濃度を維持するために十分となり得ることを示唆している(
図5Bの点線および表Mの「EマイナスA」)。表Mは、経口LD/CD投与から6
1/
2および8h後の血漿レボドパのトラフ濃度を示す。
【0143】
図6は、レボドパ−カルビドパアルギニン組み合わせ製剤、ならびにレボドパ/アルギニン製剤の適用部位からの組織生検を示す。レボドパ−カルビドパアルギニン製剤において、視認可能な組織刺激または損傷は見られなかった。レボドパ−アルギニン製剤が投与された部位は、組織のある程度の黒色化を有するようである。いかなる理論にも限定されないが、カルビドパおよびアルギニンをレボドパ(アルギニン)製剤と一緒にすることは、レボドパから刺激性の副生成物への酸化を防止することにより、局所組織をレボドパの局所的損傷から保護すること、ならびにカルビドパが有効な酸化防止剤であることが考えられる。
【0144】
〔均等物〕
主題の本発明の具体的実施形態を説明してきたが、上記明細書は例示的であり、限定的ではない。本明細書を検討すれば、本発明の多くの変形例が当業者に明らかとなる。本発明の完全な範囲は、そのような変形例と共に、請求項およびその全ての範囲の均等物、ならびに明細書を参照することにより決定されるべきである。
【0145】
別段に指定されない限り、明細書および特許請求の範囲において使用される、成分の量、反応条件等を表現する全ての数は、全ての場合において、「約」という用語で修飾されるものとして理解されたい。したがって、異なるように示されていない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲内に記載される数値パラメータは、本発明により得られることが求められる所望の特性に依存して変動し得る概数である。
【0146】
〔参照による援用〕
本明細書において引用される全ての特許、特許出願公開、ウェブサイトおよび他の参考文献の全内容は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【
図1A】インビトロおよびエクスビボでのレボドパの安定性に対するカルビドパの効果を示す図である。
【
図1B】インビトロおよびエクスビボでのレボドパの安定性に対するカルビドパの効果を示す図である。
【
図2】レボドパ溶液中1%のカルビドパの存在が、ブタにおける局所的なレボドパ依存性皮下毒性の重症度および範囲を低減することを示す図である。
【
図3A】ブタにおけるレボドパの薬物動態に対するカルビドパの効果を示すグラフである。
【
図3B】ブタにおけるレボドパの薬物動態に対するカルビドパの効果を示すグラフである。
【
図3C】ブタにおけるレボドパの薬物動態に対するカルビドパの効果を示すグラフである。
【
図4A】レボドパ/カルビドパ製剤の皮下投与後の、ブタ皮膚試料の皮下組織におけるエクスビボでのレボドパの酸化に対する様々な薬剤の効果を示す図である。
【
図4B】レボドパ/カルビドパ製剤の皮下投与後の、ブタ皮膚試料の皮下組織におけるエクスビボでのレボドパの酸化に対する様々な薬剤の効果を示す図である。
【
図4C】レボドパ/カルビドパ製剤の皮下投与後の、ブタ皮膚試料の皮下組織におけるエクスビボでのレボドパの酸化に対する様々な薬剤の効果を示す図である。
【
図4D】レボドパ/カルビドパ製剤の皮下投与後の、ブタ皮膚試料の皮下組織におけるエクスビボでのレボドパの酸化に対する様々な薬剤の効果を示す図である。
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図5A】ブタにおけるSinemet(100/25レボドパ/カルビドパ)の経口投与後の、レボドパの血漿濃度(ng/ml)に対する継続的皮下(SC)エンタカポン(200mg/24時間)および/またはカルビドパ(CD)(40mg/24時間)の効果を示すグラフである。
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図5B】ブタにおけるSinemet(100/25)の経口投与後の、レボドパの血漿濃度に対する継続的SC CD(40mg/24時間)および/またはレボドパ(LD)(140mg/24時間)投与の効果を示すグラフである。
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図6】ブタにおける0.16ml/時間での24時間の継続的皮下投与後の、レボドパの局所的皮下毒性に対するカルビドパの効果を示す図である。