(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231154
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】光走査システム
(51)【国際特許分類】
G02B 21/06 20060101AFI20171106BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20171106BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
G02B21/06
G01N21/64 E
G02B26/10 104Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-87290(P2016-87290)
(22)【出願日】2016年4月25日
(62)【分割の表示】特願2013-550444(P2013-550444)の分割
【原出願日】2011年12月29日
(65)【公開番号】特開2016-186635(P2016-186635A)
(43)【公開日】2016年10月27日
【審査請求日】2016年4月25日
(31)【優先権主張番号】61/434,557
(32)【優先日】2011年1月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598041463
【氏名又は名称】ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(74)【代理人】
【識別番号】100115462
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,ジェレミー・アール
【審査官】
瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−334319(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0268574(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00 − 21/36
G02B 26/10 − 26/12
G01N 21/62 − 21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口付き裏板を含む対物レンズと、
鏡と、
光源から出力された光線を受けるように配置された少なくとも1つの鏡を含む光走査システムであって、前記光線が、前記鏡で反射され前記開口内に位置する枢動点を通る経路を進むように、前記光線の走査を行う光走査システムとを備え、
少なくとも1つの鏡を含む前記光走査システムが、
走査鏡と、
前記走査鏡に向かって角度付けられた反射面を有する少なくとも2つの固定式鏡とを有し、
前記走査鏡は、
前記光線が前記走査鏡に当たると、前記光線は少なくとも6回反射し、前記光線は、最後に前記走査鏡で反射して前記枢動点を通る経路を進むように配置される、共焦点顕微鏡器具。
【請求項2】
前記走査鏡は、ある範囲の角度にわたって前後に回転する平坦鏡である、請求項1に記載の共焦点顕微鏡器具。
【請求項3】
前記走査鏡は検流計ミラーを有する、請求項1又は2に記載の共焦点顕微鏡器具。
【請求項4】
前記走査鏡は圧電制御された鏡を有する、請求項1又は2に記載の共焦点顕微鏡器具。
【請求項5】
前記少なくとも2つの固定式鏡が、前記走査鏡に向かって角度付けられた反射面を有する第1の固定式鏡と、前記走査鏡および前記第1の固定式鏡に向かって角度付けられた反射面を有する第2の固定式鏡とを備える、請求項1に記載の共焦点顕微鏡器具。
【請求項6】
前記少なくとも2つの固定式鏡は第1の固定式鏡および第2の固定式鏡を有し、
前記走査鏡、前記第1の固定式鏡、および前記第2の固定式鏡は、
前記光線が、前記走査鏡で第1の反射をし、前記第1の固定式鏡で第2の反射をし、前記第2の固定式鏡で第3の反射をし、前記走査鏡で第4の反射をし、前記第1の固定式鏡で第5の反射をし、前記走査鏡で第6の反射をして、前記枢動点を通る経路を進むように構成されている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の共焦点顕微鏡器具。
【請求項7】
前記少なくとも6回の反射が同じ平面内で行われる、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の共焦点顕微鏡器具。
【請求項8】
前記少なくとも2つの固定式鏡および前記走査鏡が、同じ平面内に存在する、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の共焦点顕微鏡器具。
【請求項9】
前記鏡は、
前記光線を反射し、標本の構成要素に取り付けられた蛍光プローブの蛍光体から発せられる蛍光を透過するダイクロイック鏡を有する、請求項1に記載の共焦点顕微鏡器具。
【請求項10】
前記鏡は全面反射鏡を備える、請求項1に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年1月20日出願の仮出願第61/434,557号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、蛍光顕微鏡検査法に関し、詳細には、標本の焦点面を照らし走査するために顕微鏡器具において使用され得る走査システムに関する。
【背景技術】
【0003】
レーザ走査共焦点顕微鏡法は、光学顕微鏡法において著しく進歩してきているものであり、その主な理由は、この技術は、生体および固定の細胞および組織内深くの視覚化を可能にし、標本の三次元レンダリングがそこから作り出され得るはっきりと画定された光学的断面を収集することができるためである。共焦点顕微鏡法は、従来の広角視野型光学顕微鏡と比べていくつかの利点を提供しており、これらの利点は、被写界深度に対する制御、焦点面からの背景情報の削除または低減、および厚い標本から連続的な光学的断面を収集する能力を含む。共焦点結像は通常、空間的にフィルタ処理された個々の標本点からの光の連続的収集、その後の電子信号処理、最終的には対応する画像点としての視覚的表示に依拠する。一般的な共焦点顕微鏡は、励起光の集束された光線または線を使用して標本内の点または線を照らす。標本焦点面上に集束された励起光線を走査することは、顕微鏡段を集束された励起光線の固定された位置に対して機械的に並進させることによって達成され得る。しかし、この段を機械的に並進させることは時間がかかるプロセスである。あるいは、励起光線は、回転式鏡から光線を反射させることによって焦点面上で走査され得る。しかし、鏡を回転させることにより、枢動軸が作り出され、この枢動軸は、励起光線の一部分が対物レンズの背後に位置する板によって切り取られる(clipped)という結果をしばしば生み出し、それによって焦点面に到達する励起光線の光輝を低減させる。
【0004】
技術者および顕微鏡設計者は、さまざまなレンズベースのシステムを設計して励起光線の経路を制御することによってこれらの問題を是正しようと試みている。しかし、レンズは、大きい走査角度に対して許容不可能な収差ならびにかなり増大された経路長さをシステム内にもたらし、レンズはまた、追加の整合自由度を必要とし、これはシステムの複雑性を助長し得る。上記で説明された理由により、技術者、科学者、および顕微鏡製造者は、焦点面の共焦点照明を走査するためのより早いシステムおよび方法を求め続けている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
標本内の焦点面の迅速な線毎の照明を実施するために使用され得るさまざまな光走査システムが、開示される。光走査システムは、共焦点顕微鏡器具内に組み込まれて、対物レンズの裏板にある開口内に存在する励起光線枢動軸を作り出すことができる。光走査システムは、光源から励起光の光線を受け、この励起光線を、集束された励起光線を焦点面上で連続的に走査する間対物レンズの裏板の開口内の枢動点を通り抜けるように方向付ける。光走査システムは、平坦な鏡で実施され、それによって励起光線の収差および減衰を限定する。鏡は、小さくまとめられた配置で装着されて経路長さを限定することができる。光走査システムはレンズを用いて実施されないため、励起光線を整合させるために4自由度のみが使用される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】例となる共焦点顕微鏡器具の概略図である。
【
図1B】蛍光の3つの光線が標本内の焦点面から発せられている、
図3に示された共焦点顕微鏡器具を示す図である。
【
図3】
図3Aは例となる光走査システムの上面図である。
図3Bは例となる光走査システムの等角図である。
【
図4】枢動点を通り抜けるさまざまな経路に沿って光の励起光線を出力する、
図3に示された光走査システムを示す図である。
【
図5】
図5Aは、励起光線が
図3に示された光走査システムを通って進行する経路の断片図である。
図5Bは、励起光線が
図3に示された光走査システムを通って進行する経路の断片図である。
図5Cは、励起光線が
図3に示された光走査システムを通って進行する経路の断片図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1Aは、例となる共焦点顕微鏡器具100の概略図を示している。共焦点顕微鏡器具および対応する光学経路には数多くのさまざまなタイプが存在する。器具100は、共焦点顕微鏡器具のさまざまなよく知られている変形形態すべての中の光学経路を表すことは意図されてはおらず、その代わり、一体式光走査システムを含む共焦点顕微鏡器具の一般的な原理を示すことが意図される。器具100は、光源102と、線形成要素103と、光走査システム104と、ダイクロイック鏡106と、裏板110付き対物レンズ108と、段112と、フィルタおよび結像光学素子114と、ローリング・ライン・シャッタ・モードの検出器116と、制御部118とを含む。光源102は、励起光120の、高輝度で実質的に単色の光線を発するレーザになることができ、この光線は、標本122内の特定の材料と結合するように設計された蛍光プローブの蛍光色素分子からの蛍光の発光を刺激するように選択される。光走査システム104は、
図3〜5を参照して以下でより詳細に説明される、走査鏡302および2つの固定式鏡304および306を含む。励起光線120は、線形成要素103を通り抜け、線形成要素103は、励起光線120を、鏡304、306、および308の平面に対してほぼ垂直に方向付けられる線形状の励起光線になるように成形するパウエルレンズになることができる。
【0008】
制御部118は、鏡308の位置を制御し、それにより、鏡304、306および308からの6回の反射後の励起光線120は、最終的には、「枢動点」と呼ばれる点124において交差する多くのさまざまな経路の1つに沿って出力される。たとえば、パターン形成された線126〜128は、光走査システム104が線形状の励起光線をそれに沿って出力する一連の別個の経路の3つだけを表す。経路126〜128は、枢動点124において交差する。光源102および光走査システム104は、枢動点124が裏板110の開口130にまたはその近くに位置するようダイクロイック鏡106が励起光線経路と交差するように器具100内に配置される。たとえば、
図1Aに示されるように、励起光線が、光走査システム104によって経路126〜128のいずれか1つ上に置かれたとき、線形状の励起光線は、ダイクロイック鏡106から反射され、開口130内に位置する枢動点124を通り抜ける。対物レンズ108は、励起光線を、焦点面132内に存在する焦線に集束させる。たとえば、光走査システム104が励起光線を3つの経路126〜128のいずれか1つ上に置くとき、対物レンズ108は、線形状の励起光線を焦線134〜136上にそれぞれ集束させ、焦線134〜136は、焦点面236内にあり、鏡304、306、308および106を含む平面に対して垂直に向けられる。光走査システム104は、枢動点124を通り抜ける一連の光線経路にわたって線形状の励起光線を走査することによって焦点面236の線走査を実施するために使用される。
【0009】
焦点面132内の各々の焦線に対して、焦線を取り囲む標本122内の蛍光色素分子から発せられた蛍光の一部分が、対物レンズ108によって捕捉され平行にされる。たとえば
図1Bは、光の3つの蛍光の光線138〜140が、焦点134〜136を取り囲む領域内の標本122から発せられている、共焦点顕微鏡器具100を示している。光線138〜140は、対物レンズ108によって形成され、ダイクロイック鏡106を通り抜け、フィルタおよび結像光学素子114によってフィルタ処理され検出器116の二次元センサ上に集束される。フィルタは励起光が検出器116に到達することを遮り、結像光学素子は、線形状の光線の蛍光を検出器116のセンサ上に集束させる。検出器116は、検出器116の二次元センサを形成するピクセルの二次元配置を備えたCMOS検出器またはCCD検出器になることができる。検出器116のセンサは、制御部118によって焦点面132の線走査と同期化されたローリング・ライン・シャッタ・モードで作動される。ローリング・ライン・シャッタ・モードでは、焦点面132の画像は、線形状の励起光線を焦点面132上で走査することによって作り出され、その間対応する集束されフィルタ処理された線形状の蛍光光線は、検出器116の二次元センサ上で走査される。センサの一方の端部から開始して、センサピクセルの列は、光線がセンサ上でセンサの対向する端部まで走査されるときに線形状の蛍光光線の光を読み取る。蛍光光線がセンサ上で走査される間、蛍光光線の前のピクセル列は、取り除かれまたはゼロにされて、ピクセルに蛍光光線を読み取らせる準備をする。蛍光光線がセンサの対向する端部に到達したとき、ピクセルによって読み取られた情報は、焦点面132の二次元画像を形成するように処理される。線形状の蛍光の現在位置を読み取るように同期化されたピクセルの1つの列または複数の列の外側のピクセルの列による光の検出は、焦点面132の外側から迷光を拒絶するために廃棄される。
【0010】
図2は、例となる共焦点顕微鏡器具200の概略図を示している。器具200は、器具100のダイクロイック鏡106が、全面反射鏡202によって置き換えられ、線形成要素103から出力された励起光線120の経路内に位置するダイクロイック鏡204を含む以外は、器具100に類似するものである。器具200はまた、線フィルタ206および線検出器208も含む。ダイクロイック鏡204は、
図1Aを参照して上記で説明されたように焦点面132上で走査される励起光線120が通ることを可能にするように形作られる。蛍光は、励起光線と同じ経路に沿って進行してダイクロイック鏡204に戻り、ダイクロイック鏡204は、蛍光を、経路210に沿ってフィルタおよび結像光学素子114、フィルタ206内の線細溝212を通り抜け、線検出器208の線形状のセンサ上に反射する。たとえば、鏡308が、励起光線120を焦線136に至る経路126上に反射させるように配置されたとき、焦線136周りの蛍光色素分子から発せられた蛍光は、同じ経路126に沿って進行して鏡308まで戻り、ダイクロイック鏡204に反射される。蛍光は、フィルタ処理されて迷走励起波長を除去し、細溝212を通り抜ける線形状の光線に集束される。線フィルタ206は、焦線136の外側に位置する源からの迷光を遮り、それにより、本質的には、焦線136の近くまたはこれに沿って位置する蛍光色素分子から発せされた蛍光のみが、線検出器208の線形状のセンサに到達するようになる。線検出器208は、細溝212と整合されたピクセルの一次元または二次元のセンサ配列を備えたCMOSカメラまたはCCDカメラになることができる。センサ領域のクリアおよび読み取りは、制御部118によって焦点面132の走査と同期化される。たとえば、鏡308が第1の位置から第2の位置に回転され、それによって励起光線を焦点面132の第1の焦線から第2の焦線まで移動させるとき、線検出器208のセンサは、第2の焦線から発せられた蛍光を読み取るためにクリアされる。励起光線が焦点面132を一掃したとき、検出器208によって収集された情報は、焦点面132の二次元画像を形成するように処理される。
【0011】
図3A〜3Bは、例となる光走査システム204の上面図および等角図を示している。システム204は、中央に位置する走査鏡302と、走査鏡302に向かって角度付けされた反射表面を有する第1の平坦な固定式鏡304と、走査鏡302に向かって角度付けされた反射表面を有する第2の平坦な固定式鏡306とを含み、これらは上記の
図2に示されている。第1および第2の固定式鏡304および306はまた、互いに向かって角度付けされる。
図3A〜3Bの例では、鏡304、306、および308は、304、306および308の鏡の反射表面が、同じxy平面に対してほぼ垂直になるように配向される。走査鏡302は、検流計モータ310の回転式シャフトに取り付けられた平坦な枢動鏡308を含む検流計ミラーになることができる。あるいは、走査鏡は、圧電制御された鏡になることができる。
図3A〜3Bに示されるように、鏡308は、XY平面内である範囲の角度でモータ310によって前後に連続的に回転される。
【0012】
図4は、光ファイバ402を介してシステム204に導入された光400の光線と共に作動する光走査システム204を示している。たとえば光の光線は、上記で説明された光源202などの光源から出力された励起光線になることができ、この励起光線は、光ファイバ402によってシステム300内に運ばれる。光ファイバ402はまた、光線400を鏡308の特定の領域406上に集束させるためにファイバ402の末端部に配置されたレンズ404を含むこともできる。あるいは、光線400は、レーザから直接的に出力され得、この場合、光ファイバ402は省略され得る。
図4は、鏡308に対する一連の回転位置の3つだけを表す3つの位置1、2、および3に回転する鏡308を示している。異なってパターン形成された線408〜410は、枢動鏡308が、3つの位置1、2、および3それぞれの1つに回転されるときに光線がシステム300内で進行する経路を表している。
図4の例で示されるように、固定式鏡304および306ならびに枢動鏡308は、光線400を経路内に置き、この経路は、xy平面によって表された同じ平面内に存在する6回の反射を介して枢動点412を通り抜ける。実際、鏡308は、一連の位置の1つのいずれかに回転させることができ、これらの位置は、光線が、枢動点412を通り抜ける経路に沿ってシステム300から出力されるという結果を生み出す。
【0013】
光線400が、枢動点412を通る経路に置かれるという結果を生み出す枢動鏡308の各々の回転位置では、光線400は、枢動鏡308から3回、第1の固定式鏡304から1回、第2の固定式鏡306から2回反射され、合計6回の反射となる。
図5A〜5Cは、枢動鏡308が3つの位置1、2、および3それぞれに回転されたときに光線400がシステム300内で進行する内部経路の断片を示している。
図5Aでは、枢動鏡308は位置1に回転される。光線400は点502において枢動鏡308に当たり、鏡304、306および308からの6回の反射を受け、この反射は、1、2、3、4、5、および6と連続的に番号付けされる。点502近くの枢動鏡308からの6番目の反射は、光線を
図4に示される経路408内に置く。
図5Bでは、枢動鏡308は、位置2に回転される。光線400は、点504において枢動鏡308に当たり、鏡304、306および308からの6回の反射を受け、この反射は、1’、2’、3’、4’、5’、および6’と連続的に番号付けされる。点506における枢動鏡308からの6’番目の反射は、光線を
図4に示される経路409内に置く。
図5Cでは、枢動鏡308は、位置3に回転される。光線400は、点508において枢動鏡308に当たり、鏡304、306および308からの6回の反射を受け、この反射は、1”、2”、3”、4”、5”、および6”と連続的に番号付けされる。点510における枢動鏡308からの6”番目の反射は、光線を
図4に示される経路410上に置く。
【0014】
鏡308から枢動点の距離は、鏡304、306および308が互いからどれだけ遠く離間されるかによって決定され得る。鏡304、306および308が互いから遠くに離間されるほど、枢動点は鏡308から遠くになる。他方では、枢動点を鏡308により近く配置するために、鏡304、306および308間の距離は縮められる。
【0015】
下流側の枢動点を生み出す能力の裏にある原理は、枢動鏡からの複数の反射に依存するものである。枢動鏡を含む一般的な光学的配置では、光線は枢動鏡から1回だけ反射する。この配置では、枢動鏡が機械的角度Δθで走査されるとき、出力光線は、角度2・Δθで走査され、このとき出力光線の枢動軸は、ほぼ枢動鏡の反射面に位置している。さらなる固定された鏡がこの配置に追加され、それにより、光線が、枢動鏡からの第2の反射に関して転換される場合、2・Δθのさらなる走査角度が、元の走査角度まで付加されまたは差し引かれる。第1と第2の枢動鏡反射間の固定された鏡反射の回数が奇数である場合、第2の枢動鏡反射からの2・Δθの走査角度が、4・Δθの合計走査角度になるように追加される。第1と第2の枢動鏡反射間の固定された鏡反射の回数が偶数である場合、第2の枢動鏡反射からの2・Δθの走査角度が、0の合計走査角度になるように差し引かれる。この第2の場合、合計走査角度がゼロであるにもかかわらず、第1と第2の枢動鏡反射間の合計光経路長さに比例する非ゼロの横方向光線並進が存在する。この横方向の光線並進が第3の枢動鏡反射に施されるとき、この並進は、光線を、1つまたは複数の固定された鏡の反射を介して枢動鏡上へと再度転換させることによって達成されるものであり、正味の効果は、元の2・Δθに等しいが、並進された光線枢動軸を伴う最終走査角度である。第2と第3の枢動鏡反射間の固定された鏡反射の回数が偶数である場合、枢動軸は事実上の枢動点まで上流に並進されるが、第2と第3の枢動鏡反射間の固定された鏡反射の回数が奇数である場合、枢動軸は実際の枢動点まで下流に並進される。これらの原理に基づき、またさらなる枢動鏡および固定された鏡の反射により、並進される枢動軸を備えた同じ光線走査を生み出す数多くの方法が存在する。本明細書で説明されたシステムは、複数の枢動鏡反射が利用されて、走査された光線の枢動軸内に所望の並進を生み出すことができる、数多くの方法のうちの1つの例だけを表している。
【0016】
説明の目的のための前述の説明は、本開示の完全な理解をもたらすために特有の用語を使用してきた。しかし、本明細書で説明されたシステムおよび方法を実施するために、特有の詳細が必要とされないことが当業者に明らかになるであろう。特有の例の前述の説明は、例示および説明のために提示される。これらは、包括的であるように、または本開示を説明された正確な形態に限定するようには意図されない。明確なことに、数多くの改変形態および変更が上記の教示に照らして可能である。本例が示され説明されて、本開示の原理および実用的な用途の適用範囲を最適に説明し、それによって当業者が本開示、および企図された特有の用途に適合させたさまざまな改変形態を有するさまざまな例を最適に利用することを可能にする。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその等価物によって定義されることが意図される。