(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板ボートは、前記複数の仕切りプレートの周縁部に係合し、前記複数枚の基板が支持される複数の第1の支持ティップを更に備える請求項1に記載の基板処理装置。
前記基板ボートは、それぞれの前記連結ロッドに形成された高さの異なる複数の係合溝に係合し、前記複数枚の基板が支持される複数の第2の支持ティップを更に備える請求項1に記載の基板処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態として実現され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。一方、本発明の実施形態を説明するために図面は誇張されているおり、図中、同じ符号は同じ構成要素を示す。
【0020】
選択的なエピタキシャル成長(Selective Epitaxial Growth;SEG)装備は、原料ガスに少量のエッチングガスを混合して供給することにより、基板上において蒸着反応とともにエッチング反応も行われる。このような蒸着及びエッチング反応は、多結晶層及びエピタキシャル層に対して比較的に異なる反応速度にて同時に起こる。蒸着プロセス中に、少なくとも一つの第2の層の上に既存の多結晶層又は非結晶層が蒸着される間に、エピタキシャル層は単結晶の表面の上に形成されるが、蒸着された多結晶層は、一般に、エピタキシャル層よりも高い速度にてエッチングされる。このため、エッチングガスの濃度を変化させることにより、ネット選択的なプロセスがエピタキシ材料の蒸着及び制限的又は非制限的な多結晶材料の蒸着をもたらす。例えば、選択的なエピタキシャル成長(SEG)装備は、蒸着物をスペーサの上に残留させずに、単結晶シリコン表面の上にシリコン含有材料のエピ層を形成することができる。
【0021】
本発明の一実施形態による基板処理装置100は、このような選択的なエピタキシャル成長(SEG)装備である。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による基板処理装置を示す断面図である。
【0023】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による基板処理装置100は、複数枚の基板10がそれぞれ積載される複数の積載空間を形成する複数の仕切りプレート111と、前記複数の仕切りプレート111を繋ぎ合わせる複数の連結ロッド112と、を有し、前記複数枚の基板10が前記複数の積載空間に多段に積載される基板ボート110と、内部に前記基板ボート110が収容される収容空間が形成され、前記基板ボート110に積載された基板10の処理工程が行われる内部の反応チューブ120と、噴射ノズル131を介して前記複数枚の基板10に原料ガス及びエッチングガスを含む工程ガスを供給するガス供給部130と、前記噴射ノズル131に対応するように形成された吸込み口141を介して、前記内部の反応チューブ120内の工程残渣を排気する排気部140と、を備える。
【0024】
本発明の一実施形態による基板処理装置100は、基板10の上にエピタキシャル層を形成する。このとき、基板処理装置100は、選択的なエピタキシャル成長(SEG)装置である。一般に、基板処理設備においては、搬送工程、洗浄工程及びエピタキシャル工程が行われるが、エピタキシャル工程には、洗浄工程に比べて長い時間がかかるため、複数台の基板処理装置100を用いて製造の歩留まり率を高めることができる。基板処理装置100は、エピタキシャル工程を行うが、エピタキシャル工程は、化学気相蒸着により行われ、エピタキシ表面の上にエピタキシャル層を形成する。例えば、基板10上のエピタキシ表面は、シリコンガス(例えば、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、SiH3Cl、Si2H6又はSiH4)及びキャリアガス(例えば、N2又はH2)を含む工程ガスに露出される。なお、エピタキシャル層にドーパントを含むことが求められる場合、シリコンガスは、ドーパント含有ガス(例えば、AsH3、PH3又はB2H6)を更に含む。
【0025】
基板ボート110は、バッチ式で工程を行うために、複数枚の基板10が多段に(又は、上下方向に)積載され、積載又は処理工程のために昇降する。例えば、基板ボート110は、22枚の基板10を多段に積載するが、基板ボート110が下部チャンバ162の内部に設けられた積載空間(又は、積載位置)内に位置する間に、基板10は基板ボート110内に積載される。より具体的に、基板ボート110の1段に1枚の基板10が積載されると、基板ボート110が上昇して基板10が積載された段の下の段に基板10が積載される。基板ボート110内に複数枚の基板10が全て積載されると、基板ボート110は内部の反応チューブ120の収容空間(又は、工程位置)に移動して内部の反応チューブ120の収容空間においてエピタキシャル工程が行われる。
【0026】
また、基板ボート110は、複数枚の基板10がそれぞれ積載される複数の積載空間を形成する複数の仕切りプレート111と、複数の仕切りプレート111を繋ぎ合わせる複数の連結ロッド112と、を備える。複数の仕切りプレート111は、複数枚の基板10がそれぞれ積載される個別的な複数の積載空間を形成して、複数枚の基板10がそれぞれの積載空間においてそれぞれ別々に処理されるようにする。すなわち、基板ボート110は、上下方向に多段の積載空間を有し、各積載空間に1枚の基板10が積載される。このため、基板ボート110の各積載空間に基板10の処理領域が個別的に形成されて各基板10に噴射された工程ガスが上部又は下部の基板10’にも影響を与えることを防ぐ。一方、仕切りプレート111の素材としては、セラミック、クォーツ、合成クォーツなどが使用可能である。
【0027】
従来のバッチ式の基板処理装置は、複数枚の基板を垂直に積み重ねて工程を行うが、基板処理工程前の枚葉式工程やその他の工程若しくは搬送モジュールのエンドエフェクタから基板の下面に付着したパーチクルが基板の搬入及び搬出若しくは工程が行われる間に下部基板の膜質形成面に落下して成長膜の品質を阻害する要素として働いてきた。
【0028】
しかしながら、本発明の基板処理装置100は、複数の仕切りプレート111を有する基板ボート110を用いて、複数枚の基板10をそれぞれ独立して分離することにより、基板10の下面に付着したパーチクルが下部基板10’の膜質形成面に落下することを防ぎ、これにより、成長膜の品質低下が防がれる。
【0029】
また、従来のバッチ式の基板処理装置は、1本の工程ガス供給ラインを備えるため、内部の反応チューブ内に供給される工程ガスの量しか制御することができず、基板のそれぞれに供給される工程ガスの量をそれぞれ別々に制御することはできなかった。すなわち、各基板に供給される工程ガスの濃度を制御することができず、これにより、基板に形成される成長膜の膜厚を制御することができないため、基板ごとに成長膜の膜厚が異なってくるという問題が生じていた。なお、このような問題を解消するために、多段式のガス供給ノズル及びガス排出口を有するシステムを備えて、複数のガス供給ノズル(又は、噴射ノズル)を介してそれぞれの基板にそれぞれ独立して所定量の工程ガスを供給しても、従来の基板ボートは、基板と基板との間が開放された構造であるため、各ガス供給ノズルが上部又は下部に位置する基板にも影響を与えてしまい、その結果、基板ボート内の複数枚の基板に対して均一な基板処理が行われない。
【0030】
しかしながら、本発明の基板ボート110は、基板10と基板10’との間に仕切りプレート111を設けて複数枚の基板10をそれぞれ独立して分離することにより、各基板10に噴射された工程ガスが上部又は下部の基板10’にも影響を与えることを防ぎ、これにより、それぞれの基板10に同じ量の工程ガスが供給される。
【0031】
複数の連結ロッド112は、複数の仕切りプレート111を繋ぎ合わせるが、複数の仕切りプレート111を安定的に支持して基板10の処理工程が行われる間に複数の仕切りプレート111が傾くことやそれぞれの積載空間が変形されることを防ぐ。なお、複数の連結ロッド112は、複数の仕切りプレート111の基板ボート110の構成要素を一体に結合する。
【0032】
また、複数の連結ロッド112は、基板10の搬入方向(又は、積載方向)に対して対称的に配置される。複数の連結ロッド112は、安定的に複数の仕切りプレート111及び基板10を支持するために対称的に配置されるが、連結ロッド112が基板10の搬入方向を遮ると、基板10の積載(又は、搬入)に際して干渉を与えるだけではなく、積載できなくなるため、基板10の搬入方向に対して対称的に配置される。
【0033】
ここで、複数の連結ロッド112は、流入口210に最も近い対称状の連結ロッド112間の幅が基板10の幅よりも広い。複数の連結ロッド112が基板10の搬入方向に対して対称的に配置されても、流入口210に最も近い対称状の連結ロッド112間の幅が基板10の幅よりも狭くなると、同様に、基板10の積載に干渉を与えて積載できなくなる。これにより、流入口210に最も近い対称状の連結ロッド112間の幅が基板10の幅に等しいか或いはそれよりも広いが、連結ロッド112間の幅と基板10の幅とが等しければ、基板10が積載し難いため、僅かな差をおいて広く形成する。このとき、流入口210に最も近い対称状の連結ロッド112間の幅が基板10の幅よりも広くなるためには、流入口210に近い部分よりも流入口210から遠い部分に複数の連結ロッド112が偏って配置されなければならないが、これにより、複数の連結ロッド112は流入口210から遠い部分に偏って配置される。
【0034】
このように、複数の連結ロッド112を流入口210に最も近い対称状の連結ロッド112間の幅が基板10の幅よりも広くなるように基板10の搬入方向に対して対称的に配置すると、基板10の積載に際して干渉を与えないため、基板10を積載し易く、複数の連結ロッド112が対称的に配置されて複数の仕切りプレート111及び基板10が安定的に支持される。だけではなく、基板10の搬入方向に工程ガスを供給する場合、工程ガスが干渉を受けずに排気部140に向かって流れるので、工程ガスの流れが円滑に維持され、これにより、基板10の上に有効に成長膜が成膜される。
【0035】
一方、複数の連結ロッド112には、複数の仕切りプレート111が係合される複数のスロットが形成される。それぞれの連結ロッド112には、上下方向に複数のスロットが形成されるが、複数の仕切りプレート111を各スロットに嵌合する。この場合、仕切りプレート111を各スロットに嵌合したり仕切りプレート111を各スロットから引抜したりする方法として、各仕切りプレート111間の間隔(又は、高さ)を手軽に調節する方法が採用される。
【0036】
また、仕切りプレート111により仕切られた前記積載空間の高さは、各積載空間ごとに異なるが、工程条件に応じて高さが異なってくる。このとき、各仕切りプレート111間の間隔は、連結ロッド112に形成された複数のスロットにより手軽に調節することができる。各前記積載空間の高さに応じて前記工程ガスの流れが異なり、各前記積載空間における前記工程ガスの供給条件に応じて各前記積載空間の高さを調節することもできる。例えば、噴射ノズル131の直径が異なる場合、噴射ノズル131の直径が大きくなると、前記工程ガスが噴射される噴射角が広くなるため、隣り合う積載空間に影響を与えないために、噴射ノズル131の直径に応じて各前記積載空間の高さが調節される。このとき、各前記積載空間の高さは、噴射ノズル131の直径に比例する。
【0037】
一方、前記工程ガスは、それぞれの前記積載空間(又は、位置など)に応じて原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの割合(又は、濃度)が異なる。原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの割合が異なると、前記工程ガスの流れも異なるため、原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの割合に応じて前記工程ガスの流れを調節するために、仕切りプレート111により仕切られた前記積載空間の高さを調節することができる。これにより、前記複数の積載空間は、それぞれの高さが異なる。
【0038】
内部の反応チューブ120には、内部に基板ボート110が収容される収容空間が形成され、基板ボート110に積載された基板10の処理工程が行われる。内部の反応チューブ120は円筒状に形成され、上部は閉鎖された状態で下部が開放されるが、基板ボート110が内部の反応チューブ120の収容空間に位置するために上下に昇降する場合、内部の反応チューブ120の開口部を介して内部の反応チューブ120の収容空間に引き込まれたり内部の反応チューブ120の収容空間から引き出されたりする。なお、内部の反応チューブ120の下部には、外部チューブ170又はチャンバ160の内壁と接続されて支持されるように、内部の反応チューブ120の周縁から外側に向かって突出して外部チューブ170又はチャンバ160に接続される突出部を配備される。
【0039】
また、内部の反応チューブ120は、基板10の処理工程が行われる基板処理領域を提供する。基板ボート110は、工程位置に切り換えられるときに基板処理領域に位置し、基板処理領域はその体積が減る。この場合、工程ガスの使用量を最小化させるだけではなく、工程ガスを基板ボート110内に積載された基板10に収集させる。
【0040】
一方、内部の反応チューブ120は、セラミックやクォーツ又はメタルにセラミックをコーティングした材質である。また、内部の反応チューブ120は、その側壁の周りに噴射ノズル131及び吸込み口141に対応するように貫通孔が形成され、噴射ノズル131が前記貫通孔に挿通される。
【0041】
ガス供給部130は、噴射ノズル131を介して基板10に原料ガス及びエッチングガスを含む工程ガスを供給するが、噴射ノズル131は線形に形成された単一の噴射ノズルであってもよく、線形に配置された複数の噴射ノズルであってもよい。噴射ノズル131が線形に配置された複数の噴射ノズルである場合には、複数の仕切りプレート111により仕切られた前記複数の積載空間ごとに(すなわち、複数の仕切りプレートの間ごとに)噴射ノズル131が形成される。この場合、一つの噴射ノズル131が1枚の基板10を処理することができて、それぞれの基板10に均一な成長膜が成膜され、各基板10ごとにそれぞれ独立して工程ガスを供給することができて、各基板の状況に応じて供給される工程ガスの量をそれぞれ別々に制御することができる。これにより、各基板10ごとに最上の条件下で処理工程が行われ、その結果、成長膜の品質が向上する。
【0042】
また、線形に配置された複数の噴射ノズル131は上下方向に配置され、ガス供給源(図示せず)から遠ざかるにつれて、直径が大きくなる。例えば、単一のガス供給ラインにより前記工程ガスが下部から上部に供給される場合、上側に配設された噴射ノズル131’の直径が下側に配設された噴射ノズル131の直径よりも大きくなる。
【0043】
より具体的に、ガス供給源に近い噴射ノズル131の場合には、前記工程ガスが近い位置から供給されて前記工程ガスが流入し易く、ガス供給源から遠くに配置される噴射ノズル131’の場合には、前記工程ガスが遠い位置から供給されて近い位置の噴射ノズル131よりも前記工程ガスが供給し難い。これにより、単一のガス供給ラインにより前記工程ガスが供給されて複数の噴射ノズル131により分配される場合、前記ガス供給源に近い下側の噴射ノズル131と、前記ガス供給源から遠くに配置される上側の噴射ノズル131’から噴射される前記工程ガスの量が異なる。このため、前記ガス供給源に近い位置の噴射ノズル131は直径を狭めて前記工程ガスが噴射される量を減らし、前記ガス供給源から遠い位置の噴射ノズル131’は直径を拡げて前記工程ガスが噴射される量を増やす。すなわち、前記ガス供給源に近い位置の噴射ノズル131と、前記ガス供給部から遠い位置の噴射ノズル131’が均一な量の前記工程ガスを供給するように噴射ノズル131の直径を調節する。これにより、各層の基板10に均一な量の前記工程ガスが供給されて工程の効率が向上する。
【0044】
更に、ガス供給部130は、噴射ノズル131を介して複数枚の基板10に原料ガス及びエッチングガスを含む工程ガスを供給する。前記工程ガスは、原料ガス(例えば、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、SiH3Cl、Si2H6、SiH4などのシリコンガス)及びエッチングガスを含むが、原料ガス(又は、シリコンガス)としては、モノシラン(SiH4)、ジクロロシラン(DCS、SiH2Cl2)などが使用可能であり、エッチングガスとしては、塩化水素(HCl)が使用可能である。前記工程ガスにはキャリアガスが更に含まれるが、キャリアガスは、原料ガス又はエッチングガスの濃度を希釈し、キャリアガスとしては、窒素(N2)及び水素(H2)のうちの少なくともいずれか一方が使用可能である。このため、キャリアガスの供給量を制御して原料ガス又はエッチングガスの濃度を制御し、原料ガス、エッチングガス及びキャリアガスは分子量が異なるために混合され易い。しかしながら、工程ガスはこれに何ら限定されるものではなく、ドーパントガスなど様々なガスを更に含む。選択的なエピタキシャル成長工程は、蒸着反応及びエッチング反応を伴うが、エピタキシャル層がドーパントを含むことが求められる場合、ドーパントガス(例えば、AsH3、PH3又はB2H6)が含まれる。一方、塩化水素(HCl)を含むエッチングガスは、エッチングだけではなく、洗浄にも使用可能である。
【0045】
一方、ガス供給部130は、各基板10に異なる前記工程ガスを供給する。一般に、バッチ式の基板処理装置は、各基板に同じ前記工程ガスを供給して各基板10ごとに同じ基板処理工程を行うが、本発明においては、各基板10に異なる前記工程ガスを供給して複数の種類の成長膜を単一のチャンバにおいて単一の工程を用いて形成する。ここで、前記工程ガスは、各基板10ごとに異なり、複数枚の基板10のうちの一部のみが異なってもよく、グループ別に異なってもよい。また、前記工程ガスは、基板ボート110の各積載空間に異なるガス供給ラインにより供給される。これにより、各基板10に異なる前記工程ガスを供給することができるが、前記工程ガスがグループ別に異なる場合には、グループ別に同じガス供給ラインを用いる。複数の噴射ノズル131である場合には、基板ボート110の各積載空間にガスを別途に供給するために高さが異なるように形成されるが、下側の積載空間と接する噴射ノズル131は高さが小さく、上側の積載空間と接する噴射ノズル131’は高さが大きい。例えば、噴射ノズル131は、内部の反応チューブ120の周縁に沿って螺旋状に配置され、この場合、高さが最も小さな噴射ノズル131から高さが最も大きな噴射ノズル131’まで順次に複数の噴射ノズル131が配置される。これにより、高さの異なる複数の噴射ノズル131が不規則的に配置されるときよりも空間の効率が向上する。なお、線形に配置された複数の噴射ノズル131を介して必要に応じて選択的に各基板10ごとに異なる工程ガスを供給することができ、これにより、複数の種類の成長膜を単一のチャンバにおいて単一の工程を用いて形成することができる。
【0046】
このように、ガス供給部130は、基板ボート110の前記複数の積載空間ごとにそれぞれの噴射ノズル131が形成されて前記工程ガスを各積載空間ごとにそれぞれ別々に制御する。
【0047】
排気部140は、噴射ノズル131に対応するように形成された吸込み口141を介して内部の反応チューブ120内の工程残渣を排気するが、吸込み口141は噴射ノズル131に対称的に配置され、吸込み口141の数又は形状が噴射ノズル131と同じである。排気部140は、内部の反応チューブ120内の工程残渣を排気するが、前記工程残渣は、未反応ガス及び反応副産物を含む。噴射ノズル131が複数である場合、吸込み口141も複数である。複数の吸込み口141が複数の噴射ノズル131に対称となるように配設されると、未反応ガス及び反応副産物を含む工程残渣を有効に排気することができ、前記工程ガスの流れを有効に制御することができる。すなわち、排気速度(又は、排気強度)を調節して基板10の上に成長される成長膜の成長率を制御することができる。複数の吸込み口141である場合、複数の噴射ノズル131と同様に、高さが異なるように配置され、効果的な吸い込みのために吸込み口141がスロット状の断面を有する。
【0048】
一方、内部の反応チューブ120は、前記ガス供給ライン及び排気ラインを安定的に支持するように内部の反応チューブ120の周縁に配設されて前記ガス供給ライン及び排気ラインを支持する環状の支持部材(図示せず)を備えるが、内部の反応チューブ120の構造及び形状はこれに何ら限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0049】
図2は、本発明の一実施形態による基板ボートによる工程ガスの流れを説明するための概念図である。
【0050】
図2を参照すると、複数枚の基板10は、複数の仕切りプレート111から離れて積載される。この場合、前記工程ガスの流れを基板10の上面に導くことができ、基板10の全体の領域に均一に前記工程ガスが通る。しかしながら、基板10の下面が底面に密着されていると、基板10の上面が噴射ノズル131よりも下部に位置する場合には吸込み口141により基板10の上面を経ることなく排気される工程ガスが多量に発生され、基板10の上面と噴射ノズル131との間の高さ差により噴射速度(又は、噴射強度)に応じて基板10の両側部又は中央部にのみ多量の工程ガスが達して全体の領域に亘って均一に前記工程ガスを供給することが困難になる。なお、噴射ノズル131と基板10の上面の高さを合わせる場合にも、底面(すなわち、仕切りプレート)により前記工程ガスが干渉され、上部にのみガスの流れが導かれて噴射ノズル131に近い基板10の領域にのみ多量の工程ガスが達する。
【0051】
本発明においては、複数枚の基板10が複数の仕切りプレート111から離れているため、基板10を噴射ノズル131及び吸込み口141の中心に置いて前記工程ガスを噴射すると、前記工程ガスの流れが上部及び下部に有効に導かれて基板10の全体の領域に亘って均一に前記工程ガスが通る。すなわち、前記工程ガスの流れが基板10を中心として上部及び下部に流動するため、層流が形成されて基板10の全体の領域に亘って均一に成長膜が形成される。
【0052】
ここで、層流のためには、複数の仕切りプレート111により仕切られた前記積載空間の高さ(すなわち、複数の仕切りプレートの間隔)及び基板10と仕切りプレート111との間の間隔が重要であるが、原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの割合に応じて前記工程ガスの分子量(又は、質量、流量、濃度)が異なってきて前記工程ガスの流れが相違する。このため、原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの割合に応じて前記工程ガスの流れを調節して基板10の全体の領域に均一度を向上させるために層流が形成されるための前記積載空間の高さに仕切りプレート111により仕切られた積載空間の高さを調節する。また、基板10と仕切りプレート111との間の間隔にも前記工程ガスの流れが影響を受けて、これを解決するために、基板10と仕切りプレート111との間の間隔を調節することができるが、基板10と仕切りプレート111との間の間隔を調節する具体的な方法については、
図3及び
図4に基づいて説明する。これにより、前記複数の積載空間は、それぞれの高さが異なり、基板10と仕切りプレート111との間の間隔も異なる。
【0053】
一方、複数枚の基板10が複数の仕切りプレート111から離れている場合には、基板10の上面及び下面の両方ともにエピタキシャル層を成長させる。
【0054】
ガス供給部130は、複数の仕切りプレート111により仕切られた前記複数の積載空間ごとに形成されて内部の反応チューブ120を貫通し、複数の仕切りプレート111の周縁からは離れている複数の補助ノズル(図示せず)を更に備える。複数の補助ノズル(図示せず)は、基板処理工程において補助的なガスを複数の仕切りプレート111により仕切られた前記複数の積載空間に供給し、前記工程ガスとは異なるガスを供給する。前記複数の補助ノズルは、ドーパントガス、キャリアガス、エッチングガスのうちの少なくとも一種を供給する。ドーパントガスは、原料ガス(例えば、シリコンガス)と混合されて基板10の上に薄膜を蒸着し、キャリアガスは、原料ガス又はエッチングガスの濃度を希釈させる。これにより、基板10が処理されるそれぞれの前記積載空間内のドーパントガスの濃度を制御すると、成長膜(例えば、シリコン薄膜のドーピング濃度)をそれぞれ別々に制御することができる。また、それぞれの前記積載空間に供給されるキャリアガスの供給量を制御すると、原料ガス又はエッチングガスの濃度をそれぞれの前記積載空間ごとにそれぞれ別々に制御することができる。このため、複数の補助ノズルを介してドーパントガス、キャリアガス、エッチングガスを選択的に用いて、各前記積載空間別の基板処理工程を選択することができる。すなわち、複数の補助ノズルを介してエッチングガスのみを供給する場合には、前記積載空間内のエッチングガスの混合率が上がって基板10に対する選択的なエピタキシャル成長が行われるようにエッチング工程を行うことができ、ドーパントガスのみを供給する場合には、前記積載空間内のドーパントガスの混合率が上がって原料ガス及びドーパントガスが混合されて基板10の上に薄膜を形成することができる。なお、ガス供給源との距離差によりそれぞれの前記積載空間ごとに異なる前記工程ガスを各前記積載空間において同じ成分及び分子量を有するように制御することもできる。
【0055】
選択的なエピタキシャル成長について詳細に説明すると、エッチングガスのみを供給するか、或いは、エッチングガス及びキャリアガスのみを供給する場合、前記工程ガスと複数の補助ノズルを介して供給されたガスが混合されて前記積載空間内のエッチングガスの割合が上がる。これにより、基板10の薄膜の形成が遅い部分においては薄膜が成長する前にエッチングガスにより除去され、基板10の薄膜の形成が速い部分においては薄膜がエッチングガスにより除去される前に蒸着されて薄膜が成長する。このように、複数の補助ノズルを介してエッチングガスの濃度を制御して選択的なエピタキシャル工程を行うことができる。
【0056】
一方、複数の補助ノズルを介したガスの供給を中断すると、噴射ノズル131による工程ガスの供給により前記積載空間内の基板10の上に薄膜(例えば、シリコン薄膜)が形成される。また、それぞれの補助ノズルには、異なるガス供給ラインによりガスが供給されるが、これにより、それぞれの前記積載空間ごとにドーパントガス、キャリアガス、エッチングガスを選択的に供給することができる。更に、複数の補助ノズルは、基板ボート110の各積載空間ごとにガスを別途に供給するために高さが異なるように形成されるが、下側の積載空間と接する補助ノズルは高さが小さく、上側の積載空間と接する補助ノズルは高さが大きい。例えば、複数の補助ノズルは、内部の反応チューブ120の周縁に沿って螺旋状に配置され、この場合、高さが最も小さな補助ノズルから高さが最も大きな補助ノズルまで順次に複数の補助ノズルが配置される。これにより、高さの異なる複数の補助ノズルが不規則的に配置されるときよりも空間の効率が向上する。
【0057】
また、複数の補助ノズル(図示せず)は、内部の反応チューブ120の側壁の周縁を貫通して形成される。この場合、補助ノズルにより基板ボート110の積載空間に近い個所からガスを噴射することができて、上部又は下部の隣り合う積載空間に複数の補助ノズルを介して噴射されるガスが干渉されることを効果的に防ぐことができ、複数の補助ノズルを介して供給されたガスの流れも効果的に制御することができる。
【0058】
更に、複数の補助ノズル(図示せず)は、複数の仕切りプレート111の周縁から離れている。複数の補助ノズルを介して噴射されるガスが隣り合う積載空間に干渉されることを完全に遮断するためには、補助ノズルが基板ボート110の積載空間内においてガスを噴射することが最も好ましい。しかしながら、この場合には、基板ボート110の昇降に際して基板ボート110と仕切りプレート111が干渉される虞があるため、複数の補助ノズルは、複数の仕切りプレート111の周縁から離れている。ここで、離隔距離Lは、基板ボート110の昇降に際して基板ボート110が補助ノズルに干渉されないほどに最小化されるが、このような離隔距離Lは、補助ノズルと仕切りプレート111との間の高さ差hと噴射角度θなどを用いて求める。なお、噴射ノズル131も、補助ノズルと同様に、複数の仕切りプレート111の周縁から離れている。
【0059】
一方、前記ガス供給部は、それぞれの前記積載空間にそれぞれ独立して前記工程ガスを供給する。前記工程ガスは、前記原料ガス及びエッチングガスだけではなく、キャリアガス及びドーパントガスを更に含み、前記原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスは、前記複数の積載空間ごとに異なる量が供給される。このとき、自然に前記複数の積載空間ごとに異なる量が供給されてもよく、人為的に前記複数の積載空間ごとに異なる量が供給されてもよい。例えば、単一のガス供給ラインを用いて前記工程ガスを供給する場合、ガス供給源に近い噴射ノズル131とガス供給源から遠い噴射ノズル131’との間の流量差により異なる量が供給される。また、前記補助ノズルを介してそれぞれ独立して異なる量の前記原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスを前記複数の積載空間に供給する。
【0060】
本発明においては、このような前記原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの量の差により発生するガスの流れのバラツキを解消するために、それぞれの前記積載空間の高さを調節してガスの流れを基板10の全体の領域に亘って均一にする。これにより、自然に前記原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの量に差が生じてガスの流れがばらつくという問題を解消するだけではなく、人為的に前記原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの量を異ならせたときにも、ガスの流れを基板10の全体の領域に亘って均一にする。したがって、各工程条件に合うように基板10の処理工程を行うことができ、単一のチャンバにおいて行われる単一の基板処理工程を用いて種々の成長膜を効果的に成膜することができる。一方、複数の補助ノズルを用いてそれぞれの前記積載空間ごとに不足量のガスを供給することにより、それぞれの前記積載空間ごとに前記原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスの量を均一にする。
【0061】
また、基板ボート110の下部にはシャフト151が接続される。シャフト151は上下方向に延設され、上端が基板ボート110の下部と接続される。シャフト151は基板ボート110を支持する役割を果たし、シャフト151の下部は下部チャンバ162を貫通して下部チャンバ162の外側の昇降駆動部116及び回転駆動部153と接続される。
【0062】
昇降駆動部152はシャフト151と接続されてシャフト151を上下に昇降させ、これにより、シャフト151の上端に接続された基板ボート110もシャフト151の昇降に伴って上下に昇降する。例えば、昇降駆動部152の作動により基板ボート110が下側に移動して下部チャンバ162の内部(又は、積載位置)に位置し、搬送チャンバ200から下部チャンバ162へと搬入された基板10が下部チャンバ162の内部に位置する基板ボート110に積載される。次いで、複数枚の基板10が基板ボート110に全て積載されると、基板ボート110が昇降駆動部152により上側に移動して内部の反応チューブ120の収容空間(又は、工程位置)に移動する。これにより、内部の反応チューブ120の収容空間において基板10に対するエピタキシャル工程が行われる。
【0063】
回転駆動部153は、基板ボート110を回転させるために、基板ボート110と接続されたシャフト151に接続される。回転駆動部153は、シャフト151の上下方向の中心軸を基準としてシャフト151を回転させる。これにより、シャフト151と接続された基板ボート110も上下方向の中心軸を基準として回転する。基板10の処理工程が行われるとき、内部の反応チューブ120の一方の側に供給された前記工程ガスが基板ボート110に積載された基板10を通過して内部の反応チューブ120の他方の側に排出される。このとき、回転駆動部153の作動により基板ボート110が回転すると、基板ボート110を通過しようとするガスが混合され、これにより、基板10上の全体の領域に亘って均一に前記工程ガスが分布される。このため、基板10の上に蒸着される膜の品質が向上する。
【0064】
チャンバ160は、四角筒状又は円筒状に形成され、内部空間を有する。また、チャンバ160は、上部チャンバ161及び下部チャンバ162を備え、上部チャンバ161及び下部チャンバ162は互いに連通される。下部チャンバ162の一方の側には、搬送チャンバ200と連通される嵌込口が配設されるが、これにより、基板10が搬送チャンバ200からチャンバ160へと搬入される。チャンバ160の嵌込口と対応する搬送チャンバ200の一方の側には流入口210が形成され、流入口210と嵌込口との間にはゲート弁220が配設される。これにより、搬送チャンバ200の内部空間及びチャンバ160の内部空間はゲート弁220により隔離される。また、流入口210及び嵌込口はゲート弁220により開閉されるが、このとき、嵌込口は下部チャンバ162に配設される。
【0065】
外部チューブ170は、上部が開放された下部チャンバ162の上側又は上部チャンバ161に配置され、チャンバ160と内部の反応チューブ120との間に位置する。外部チューブ170は、エピタキシャル工程又は選択的なエピタキシャル工程が行われる内部の反応チューブ120が収容される内部空間を有し、下部が開放される。
【0066】
支持板180はシャフト151に設けられ、基板ボート110とともに上昇して内部の反応チューブ120又は外部チューブ170の内部の工程空間を外部から密閉させる役割を果たす。支持板180は、基板ボート110の下側に離れて配置されるが、支持板180と内部の反応チューブ120との間又は支持板180と外部チューブ170との間にはOリング状の封止部材181が配設されて工程空間を密閉させる。なお、支持板180とシャフト151との間には軸受け部材182が配設され、シャフト151は軸受け部材182により支持された状態で回転する。
【0067】
ヒータ190はチャンバ160の内部に配設され、内部の反応チューブ120又は外部チューブ170の側面の周縁及び上部を取り囲むように配置される。ヒータ190は、内部の反応チューブ120又は外部チューブ170に熱エネルギーを提供して内部の反応チューブ120又は外部チューブ170の内部空間を加熱する役割を果たし、内部の反応チューブ120又は外部チューブ170の内部空間の温度をエピタキシャル工程が行える温度に調節する。
【0068】
図3は、本発明の一実施形態による第1の支持ティップを有する基板ボートを示す図であり、
図3の(a)は、基板ボートの断面図であり、
図3の(b)は、基板ボートの平面図である。
【0069】
図3を参照すると、基板ボート110は、複数の仕切りプレート111の周縁部と係合され、複数枚の基板10が支持される複数の第1の支持ティップ113を更に備える。複数の第1の支持ティップ113は、垂直柱部及び水平支持部を備えるが、垂直柱部は、一方の側が仕切りプレート111と係合され、他方の側が水平支持部と接続され、水平支持部は、垂直柱部の他方の側において折れ曲がって形成されるか、或いは、その中心が垂直柱部に支持されて形成される。これにより、複数枚の基板10が安定的に支持され、複数枚の基板10が複数の仕切りプレート111から離れる。なお、複数の第1の支持ティップ113は対称的に形成されるが、この場合、より安定的に複数枚の基板10が支持される。
【0070】
また、複数の第1の支持ティップ113は、前記複数の積載空間に応じて異なる高さを有する。第1の支持ティップ113は、高さの異なる2以上の形状に形成される。このとき、第1の支持ティップ113を仕切りプレート111から取り外して高さが異なる形状の第1の支持ティップ113’を係合することにより高さを変更することができ、高さの異なる形状の第1の支持ティップ113’が係合された仕切りプレート111に取り替えて高ささを変更することもできる。すなわち、第1の支持ティップ113は、高さの異なる色々な形状に形成され、工程条件に応じて異なる高さの第1の支持ティップ113に変更することができる。このとき、同じ仕切りプレート111と係合される第1の支持ティップ113の高さはいずれも同様である。成長膜の膜厚及び形状は、第1の支持ティップ113の高さ(又は、基板の位置)に応じて異なるが、実験により工程に合う高さを決定する。前記複数の積載空間ごとに前記原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスが異なる量で供給されるが、この場合には、前記積載空間の位置に応じて第1の支持ティップ113が異なる高さを有する。また、前記積載空間の工程条件に応じて第1の支持ティップ113が異なる高さを有する。一方、第1の支持ティップ113は、基板10の厚さ又は形状に応じて変更して取り付けるが、基板10の厚さに応じて異なる高さに変更して取り付けてもよく、基板10の形状に応じて支持位置を変更して取り付けてもよい。なお、基板10と仕切りプレート111との間の間隔を調節して前記工程ガスの流れを制御することもできる。
【0071】
更に、第1の支持ティップ113は、ティップの先端にスポット状突起を形成して処理工程中に基板10が第1の支持ティップ113に挟み込まれることを防ぐ。
【0072】
図4は、本発明の一実施形態による第2の支持ティップを有する基板ボートを示す図であり、
図4の(a)は、基板ボートの断面図であり、
図4の(b)は、基板ボートの平面図である。
【0073】
図4を参照すると、基板ボート110は、それぞれの連結ロッド112に形成された高さの異なる複数の係合溝に係合され、複数枚の基板10が支持される複数の第2の支持ティップ114を更に備える。複数の第2の支持ティップ114は「―」字状などに形成して複数枚の基板10を安定的に支持し、複数枚の基板10を複数の仕切りプレート111から離す。なお、複数の第2の支持ティップ114は、連結ロッド112の位置に応じて突出する方向が異なるように形成されるが、この場合、より安定的に複数枚の基板10が支持される。
【0074】
また、前記複数の係合溝は、複数の仕切りプレート111により仕切られた前記複数の積載空間ごとに複数配設され、複数の第2の支持ティップ114は、前記複数の積載空間に応じて異なる高さをもって前記係合溝に係合される。第2の支持ティップ114は、基板10と仕切りプレート111との間の間隔を調節するために高さが調節されるが、高さが異なるように垂直に形成された前記係合溝に第2の支持ティップ114を係合させる簡単な方法を用いて第2の支持ティップ114の高さを調節する。それぞれの連結ロッド112は、基板ボート110の前記複数の積載空間ごとに上下方向に高さが異なるように複数の係合溝が形成される。このとき、前記複数の係合溝は一定の間隔をあけて形成され、この間隔は、必要に応じて変更可能である。また、第2の支持ティップ114は、前記係合溝に嵌め込まれる嵌込部と、基板10が支持される支持部と、を備える。成長膜の膜厚及び形状は、第1の支持ティップと同様に、第2の支持ティップ114の高さ(又は、基板の位置)に応じて異なるが、実験により工程に合う高さを決定する。前記複数の積載空間ごとに前記原料ガス、エッチングガス、キャリアガス及びドーパントガスが異なる量で供給されるが、この場合には、前記積載空間の位置に応じて第2の支持ティップ114が異なる高さを有する。また、前記積載空間の工程条件に応じて第2の支持ティップ114が異なる高さを有してもよい。なお、基板10と仕切りプレート111との間の間隔を調節して前記工程ガスの流れを制御することもできる。
【0075】
一方、第1の支持ティップ113及び第2の支持ティップ114を同時に使用してもよい。この場合、第2の支持ティップ114が形成され難い部分に第1の支持ティップ113を形成してより安定的に基板10を支持する。基板10が搬入される側には基板10の搬入に干渉されないように連結ロッド112を配置することができず、連結ロッド112に形成する第2の支持ティップ114も基板10が搬入される側に形成することができない。これにより、第2の支持ティップ114が形成できない基板10が搬入される側に第1の支持ティップ113を形成して支持ティップ113又は114が片側に偏ることなく安定的に基板10を支持することができる。このとき、第1の支持ティップ113は、連結ロッド112とは異なり、基板10が搬入及び搬出可能な上部空間を提供するため、基板10が搬入される側に形成することができる。しかしながら、基板10が搬入される側にあまりにも多数の第1の支持ティップ113が形成されると、前記工程ガスの流れに影響を及ぼしてしまうため、第1の支持ティップ113の数を最小化させることができる。
【0076】
このように、本発明においては、複数の仕切りプレートを用いて複数枚の基板がそれぞれ積載される複数の積載空間を形成して、それぞれの積載空間に多段に積載される各基板に対してそれぞれ独立して工程を行うことができる。これにより、基板処理工程前の枚葉式工程やその他の工程若しくは搬送モジュールのエンドエフェクタから基板の下面に付着したパーティクルが基板の搬入及び搬出若しくは工程が行われる間に下部基板の膜質形成面に落下することが防がれ、それぞれの基板に同じ量の工程ガスが供給される。このため、各基板ごとに均一であり、しかも、品質に優れた成長膜が得られる。また、各基板ごとにそれぞれ独立してガスを供給することができるので、各基板の状況に応じて供給されるガスの量をそれぞれ別々に制御することができる。これにより、各基板ごとに最上の条件下で処理工程が行われ、その結果、成長膜の品質が向上する。なお、処理工程の状況に応じて選択的に各基板ごとに異なる工程ガスを供給することができて、各種の成長膜を単一のチャンバにおいて単一の工程を用いて形成することができる。
【0077】
以上述べたように、本発明の詳細な説明の欄においては、具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において種々に変形可能である。よって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限られて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけではなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。