(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231170
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】リボ核酸及びジエチレントリアミン五酢酸の高収量の迅速な結合方法
(51)【国際特許分類】
C07H 21/02 20060101AFI20171106BHJP
A61K 51/04 20060101ALN20171106BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20171106BHJP
【FI】
C07H21/02
!A61K51/04 320
!C12N15/00 AZNA
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-137056(P2016-137056)
(22)【出願日】2016年7月11日
(65)【公開番号】特開2017-114841(P2017-114841A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2016年7月11日
(31)【優先権主張番号】104143832
(32)【優先日】2015年12月25日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】599171866
【氏名又は名称】行政院原子能委員會核能研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】王美惠
(72)【発明者】
【氏名】胡家宇
(72)【発明者】
【氏名】楊浚泓
【審査官】
伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/126837(WO,A1)
【文献】
特表平10−508302(JP,A)
【文献】
特開平02−017445(JP,A)
【文献】
MERKEL, O. M. et al.,In Vivo SPECT and Real-Time Gamma Camera Imaging of Biodistribution and Pharmacokinetics of siRNA Delivery Using an Optimized Radiolabeling and Purification Procedure,Bioconjugate Chemistry,2009年,Vol. 20, No. 1,pp. 174-182
【文献】
HEYDUK, E. et al.,Conformational Changes of DNA Induced by Binding of Chironomus High Mobility Group Protein 1a (cHMG1a),THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY,1997年,Vol. 272, No. 32,19763-19770
【文献】
CHOE, J. G. et al.,Pharmacokinetics of 111In-labeled Triplex-forming Oligonucleotide Targeting Human N-myc Gene,Molecules and Cells,2002年,Vol. 14, No. 1,pp. 93-100
【文献】
HOVINEN, J.,Labeling of oligonucleotides with DTPA and DOTA on solid phase,Nucleosides, Nucleotides, and Nucleic Acids,2007年,Vol. 26,pp. 1459-1462
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
A61K
C12N
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を用いてリボ核酸、及び、ジエチレントリアミン五酢酸二無水物或いはイソチオシアネート‐ベンジル基‐ジエチレントリアミン五酢酸の加熱を行い、水相の重炭酸ナトリウム溶液中で94℃で5分間反応させ、或いは2‐10%の有機相を含むDMSO重炭酸ナトリウム溶液中で75℃で10分間反応させることで完成することを含むことを特徴とする迅速な結合方法。
【請求項2】
前記重炭酸ナトリウム溶液のpHは8.0〜8.5であることを特徴とする、請求項1に記載の迅速な結合方法。
【請求項3】
前記リボ核酸はアミンを含有する鎖リボ核酸或いはDNAであることを特徴とする、請求項1に記載の迅速な結合方法。
【請求項4】
反応体積が僅か50μL以下で反応が完全になることを特徴とする、請求項1に記載の迅速な結合方法。
【請求項5】
リボ核酸‐ジエチレントリアミン五酢酸結合物の反応収率は100%であることを特徴とする、請求項1に記載の迅速な結合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リボ核酸分子影像の造影に用いられる前駆物質に適用される準備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロRNA(miRNAs)は内在性の微小RNA (約22個の核酸配列)であり、その発現に特定の遺伝子配列が結合されて遺伝子調節となる。現在、多くの研究においてマイクロRNAが、癌、感染症、心血管疾患、及び炎症を含む人間の多くの疾病の誘発に関わっていることが指摘されている。miRNAの作用を制御或いは抑制することで疾病の治療を行う方法として、毒性が極めて低い故に、現在マイクロRNA標的アンチセンスオリゴヌクレオチド治療法が既に臨床試験に応用されている。マイクロRNA標的治療法は化学的に修飾されたアンチセンスRNAによりmiRNAの機能を阻害する。主にリボースの2’炭素が修飾され、例えば、2’炭素ヒドロキシルが2’-フッ素、2’-酸素-メチル、2’-エトキシレート、2’、4’-シクロメトキシ(鎖リボ核酸とも呼ばれる)、3’-オキシリン酸硫化物、2’-デオキシリボ核酸等に置換される。既に多くのアンチセンスRNAが第II相試験に進んでおり、一定の安全性が確認されている。例えば、C型肝炎の治療に用いられるアンチセンスRNA、miravirsen(anti-miR122)は、15個のヌクレオシドの2’-ロックト核酸に3’-オキシリン酸硫化物が加えられる。臨床前にオラウータンに試験を行った結果、C型肝炎のウィルス量が100倍以上も有効的に低下し、第I相試験では如何なる副作用も無いことが証明され、既に第II相試験に進んでいる(Nature Reviews of Drug Discovery 13、 634、 2014.)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、マイクロRNA標的(miRNAs target)アンチセンスRNA治療薬を臨床で使用するためには、生物体分布及び薬物動態試験を完成させねばならない。従来の方法では多くのマウスを犠牲にして、各器官を取り出し、すり潰してマイクロRNAを採取すると共に酵素免疫測定法を用いて定量化するが、最大の難問はそのコストであり、現在化学修飾アンチセンスRNAの価格は頗る高く、放射性標識生体イメージングの技術により生物体分布を行う方法が経済的な負担が軽い。インジウム-111は臨床でよく使用される核種の一つであり、半減期が2.8日と適度であり、薬物の半減期が予知出来ない状況で、インジウム-111標識は好ましい選択と言える。
【0004】
アミド(amide)結合は一般的に全て無水物(anhydride)、酸エステル(acid ester)或いはcarbodiimide等のカップリング試薬の助けを借りて酸基(acid group)を活性化させる。Perreux氏等がTetrahedron58(2002)、 2155-2162.及びGelens氏等がTetrahedron Letters2005、 46(21)、 3751-3754.でマイクロ波放射の補助を利用して安息香酸及びbenzylamineアミド結合の結合を助け、10mLのmmol級の反応物カルボン酸(carboxylic acid)及びアミン(amine)によりアミド結合反応を完成させ、且つ収量が従来の17%から80%まで高まることが報道されている。但し、誰も微量のリボ核酸、特にnmol級のリボ核酸に応用できていない。リボ核酸をジエチレントリアミン五酢酸に結合させるためには、リボ核酸にアミンを含有させる必要があり、このため、我々はリボ核酸の末端に一段の6炭素アミン長腕を加え、ジエチレントリアミン五酢酸は我々はジエチレントリアミン五酢酸二無水物或いはイソチオシアネート-ベンジル基-ジエチレントリアミン五酢酸を使用し、アルカリ性の条件下でアミド結合を行った。現在文献上では化学修飾アンチセンスRNA放射標識に関する報道には限りがあり、ジエチレントリアミン五酢酸キレート剤を用いてインジウム-111をキレート化(Chelation)して造影剤とし、前記リボ核酸の生物体分布を観察する。但し、従来の方法には多くの欠点があり、反応時間が長く、収量が低かった。
【0005】
鎖リボ核酸は全ての化学修飾アンチセンスRNA中で安定性が最も高いリボ核酸であることが知られているが、但し、造影に関する研究及びジエチレントリアミン五酢酸との結合に関する研究は多くない。Olivia M.がBioconjuate Chem.2009、 20、 174-182.の報道において、10nmolのリボ核酸を0.1Mの重炭酸ナトリウム(pH 8.0~8.5)及び50倍のp-SCN-Bn-DTPAと反応させ、結合させてリボ核酸-ジエチレントリアミン五酢酸結合物を形成させることに成功している。但し、結合物の収量は非常に低く、32%にすぎない。反応時間を45分間から3時間まで延長させても、リボ核酸-ジエチレントリアミン五酢酸結合物の結合の収量は高まらず、反応時間が長くなるとリボ核酸の安定性が低下し、遺伝子が増加するために不安定になって断裂する確率が高まる。このため、我々は加熱方式により夜通し反応させ、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置による分析を行って、多量のジエチレントリアミン五酢酸(50倍)を加えたが、それでもリボ核酸をジエチレントリアミン五酢酸に完全に結合させることはできなかった。いわゆるゲルクロマトグラフィーにより大きさの異なる分子量化合物を分離させることはできるが、但し、リボ核酸-ジエチレントリアミン五酢酸結合物とリボ核酸との間の分子量の差異が小さ過ぎ、分子量は390-542前後の差しかなく、純化において一定の難度が存在する。反応に必要な時間が長過ぎ、一部分のリボ核酸しかジエチレントリアミン五酢酸に結合されない等の欠点があり、リボ核酸の分子影像技術の発展を妨げていた。
【0006】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に到った。
【0007】
本発明は、以上の従来技術の課題を解決する為になされたものである。即ち、本発明の目的は、リボ核酸及びジエチレントリアミン五酢酸の高収量の迅速な結合方法を提供する。特に、マイクロ波加熱法によりアミンを含有するリボ核酸及びイソチオシアネート-ベンジル基-ジエチレントリアミン五酢酸或いはジエチレントリアミン五酢酸二無水物のアミド結合反応を行う。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るリボ核酸及びジエチレントリアミン五酢酸の高収量の迅速な結合方法は、マイクロ波によりリボ核酸及びジエチレントリアミン五酢酸の加熱を行い、水相の重炭酸ナトリウム溶液中で94℃で5分間反応させ、或いは2-10%の有機相を含むDMSO重炭酸ナトリウム溶液中で75℃で10分間反応させることで完成することを含むことを特徴とする。
【0009】
好ましい実施態様において、重炭酸ナトリウム溶液のpHは実質8.0〜8.5である。
【0010】
好ましい実施態様において、リボ核酸はアミンを含有する鎖リボ核酸或いはDNAである。
【0011】
好ましい実施態様において、ジエチレントリアミン五酢酸はジエチレントリアミン五酢酸二無水物或いはイソチオシアネート-ベンジル基-ジエチレントリアミン五酢酸である。
【0012】
好ましい実施態様において、リボ核酸はnmol級である。
【0013】
好ましい実施態様において、反応体積が僅か50μL以下で反応が完全になる。
【0014】
好ましい実施態様において、リボ核酸-ジエチレントリアミン五酢酸結合物の反応収率は100%である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るリボ核酸及びジエチレントリアミン五酢酸の高収量の迅速な結合方法によると、本方法ではマイクロ波加熱法によりnmol級のリボ核酸を補助して10分以内にジエチレントリアミン五酢酸に結合させると共に100%の結合収量を達成させる。本発明により得られる新規性のリボ核酸-ジエチレントリアミン五酢酸結合物は、結合収量が高く、再現性も好ましく、安定的に100%のリボ核酸-ジエチレントリアミン五酢酸結合物が生成可能であり、後続の分子影像放射性標識の前駆物質に適合する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来の加熱法p-SCN-Bn-DTPAにより、DNAのMALDI-TOFを結合するスペクトルである。
【
図2】DMSOにおいて、p-SCN-Bn-DTPAにマイクロ波加熱を行い、DNAのMALDI-TOFを結合するスペクトルである。
【
図3】DMSOにおいて、DTPA anhydrideにマイクロ波加熱を行い、DNAのMALDI-TOFを結合するスペクトルである。
【
図4】水相において、p-SCN-Bn-DTPAにマイクロ波加熱を行い、DNAのMALDI-TOFを結合するスペクトルである。
【
図5】DMSOにおいて、p-SCN-Bn-DTPAにマイクロ波加熱を行い、ロックト核酸(LNA:locked nucleic acid)のMALDI-TOFを結合するスペクトルである。
【
図6A】マイクロ波加熱反応温度及びパワー変化(94C,5min)を示す図である。
【
図6B】マイクロ波加熱反応温度及びパワー変化(94C,5min)を示す図である。
【
図7A】マイクロ波加熱反応温度及びパワー変化(75C,10min)を示す図である。
【
図7B】マイクロ波加熱反応温度及びパワー変化(75C,10min)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0018】
(第1実施形態:従来のp-SCN-Bn-DTPAをDNAに結合させる試験)
まず、16merの一本鎖DNA (5`-ATGGAATTCAGTTCTC-3`) 32.4nmolを20 μLの0.5MのNaHCO
3溶液に溶かす。次に、36μLのDMSO (ジメチルスルホキシド、Dimethyl sulfoxide)を加え、DMSOは50倍のDNAモル数のp-SCN-Bn-DTPA(イソチオシアン酸p-ベンジル基-ジエチレントリアミン五酢酸、2-(4-isothiocyanatobenzyl)-diethylenetriaminepentaacetic acid)を含有する。その後、室温で夜通し振動反応を行う(overnight、12時間以上)。そして、獲得した反応物を遠心分離機で1000gの回転速度で3分間持続させる条件の下、Centri-Pure MINI SEQ Z−25 size exclusion column (emp BIOTECH社製、一種の脱塩遠沈管)で遠心分離を行う。続いて、溶離液を収集し、即ちDTPA−DNAである。それから、質量分析計を使用して分析を行い、過程は以下に簡潔に述べる:純化されたDTPA-DNAから0.5μL及び1.5μLの3-HPA (3-Hydroxypicolinic acid) を取って基質とし、均一に混合させた後に試験盤に載せ、混合液が自然に乾くまで待ち、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF) によりDTPA-DNAの分子量の鑑定を行う。16merの一本鎖DNAの分子量は質量分析計による分析では5200Daであり、p-SCN-Bn-DTPAに結合された後には、質量分析計による分析では分子量のピークが5766Daになる。但し、多量のDNAがp-SCN-Bn-DTPAに結合されない(
図1参照)。
【0019】
(第2実施形態:ジメチルスルホキシド有機相でp-SCN-Bn-DTPAのマイクロ波加熱を行ってデオキシリボ核酸に結合させる試験)
まず、16merの一本鎖DNA (5`-ATGGAATTCAGTTCTC-3`)32.4nmolを25μLの0.5MのNaHCO
3溶液中に溶かす。次に、25μLのDMSOを加え、DMSOは1mgのp-SCN-Bn-DTPAを含有する。その後、Biotage Initiatorマイクロ波加熱器で75°Cの環境下で10分間反応させる(マイクロ波加熱反応温度及びパワー変化について、
図7A及び
図7B参照)。続いて、獲得した反応物を遠心分離機を使用して1000gの回転速度で3分間持続させる条件の下、Z-25 size exclusion columnで遠心分離を行う。そして、溶離液を収集し、即ちDTPA-Bn-SCN-DNAである。マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF)により生成物の分子量の鑑定を行い、
図2に示すように、p-SCN-Bn-DTPAのマイクロ波加熱を行ってDNAに結合させる試験からは、100%のDTPA-Bn-SCN-DNAが得られる。
【0020】
(第3実施形態:DMSO中でDTPA anhydrideのマイクロ波加熱を行ってDNAに結合させる試験)
まず、32.4nmolのDNAを37.5μLの0.5MのNaHCO
3に溶かし、62.5μLのDMSOを獲得し、DMSOには濃度8mg/mLのDTPA anhydrideが含まれる。その後、均一に混合させた後にマイクロ波加熱器により75°Cの環境で10分間反応させる(マイクロ波加熱反応温度及びパワー変化について、
図7A及び
図7B参照)。次に、獲得した反応物を遠心分離機を用いて1000gの回転速度で3分間持続させる条件の下、Z-25 size exclusion columnで遠心分離を行う。そして、溶離液を収集し、即ち、DTPA-DNAである。質量分析計(MALDI-TOF) により生成物の分子量の鑑定を行い、
図3に示すように、DTPA anhydrideにマイクロ波加熱を行ってDNAに結合させる試験からは、100%のDTPA -DNAが得られる。
【0021】
(第4実施形態:水相でp-SCN-Bn-DTPAのマイクロ波加熱を行ってDNAに結合させる試験)
まず、10 nmolのDNAを10μLの二次水に溶かし、10μLの0.5MのNaHCO
3を獲得し、NaHCO
3は0.333mgのp-SCN-Bn-DTPAを含む。その後、30μLの二次水を補給して総体積を50μLにする。均一に混合させた後、マイクロ波加熱器を用いて94°Cの環境で5分間反応させる(マイクロ波加熱反応温度及びパワー変化について、
図6A及び
図6B参照)。次に、得られた反応物を遠心分離機を用いて1000gの回転速度で3分間持続させる条件の下、Z-25 size exclusion columnで遠心分離を行い、溶離液を収集し、即ち、DTPA-Bn-NCS-DNAである。質量分析計により生成物の分子量の鑑定を行い、100%のDTPA-Bn-SCN-DNAが得られたことを確認する(
図4参照)。但し、水相で75°Cで10分間マイクロ波反応を行った場合、結合反応は発生しない。
【0022】
(第5実施形態:ジメチルスルホキシド有機相でp-SCN-Bn-DTPAのマイクロ波加熱を行って鎖リボ核酸(LNA、 locked nucleic acid)に結合させる試験)
まず、16merの配列が(5`-ATGGAATTCAGTTCTC-3`)のLNA30nmolを25μLの0.25MのNaHCO
3溶液に溶かす。その後、30μLのDMSOを加え、DMSOは1mgのp-SCN-Bn-DTPAを含有する。続いて、Biotage Initiatorマイクロ波加熱器により75°Cの環境で10分間反応させる(マイクロ波加熱反応温度及びパワー変化について、
図7A及び
図7B参照)。次に、獲得した反応物を遠心分離機を用いて1000gの回転速度で3分間持続させる条件の下、Z-25 size exclusion columnで遠心分離を行い、溶離液を収集し、即ち、DTPA-Bn-SCN-LNAである。マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計により生成物の分子量の鑑定を行い、
図5に示すように、p-SCN-Bn-DTPAのマイクロ波加熱を行ってLNAを結合させる試験からは、100%のDTPA-Bn-SCN-LNAが得られる。
【0023】
従って、本明細書に開示された実施形態は、本発明を限定するものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の思想と範囲が限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲により解釈すべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。