特許第6231187号(P6231187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231187アクセスネットワークシステムにおけるWLANリソース管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231187
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】アクセスネットワークシステムにおけるWLANリソース管理
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20171106BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20171106BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20171106BHJP
   H04L 12/911 20130101ALI20171106BHJP
   H04W 88/12 20090101ALI20171106BHJP
   H04W 88/16 20090101ALI20171106BHJP
【FI】
   H04W28/16
   H04W84/12
   H04W92/12
   H04L12/911
   H04W88/12
   H04W88/16
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-504772(P2016-504772)
(86)(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公表番号】特表2016-519884(P2016-519884A)
(43)【公表日】2016年7月7日
(86)【国際出願番号】IB2014000497
(87)【国際公開番号】WO2014155194
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年11月27日
(31)【優先権主張番号】201310111458.X
(32)【優先日】2013年3月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウエン,ハイボー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シュウイゲン
(72)【発明者】
【氏名】ビン,ファンシアン
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0275068(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0279701(US,A1)
【文献】 特表2006−526917(JP,A)
【文献】 XIANGQING CHANG,APPLICABILITY OF ACCESS NODE CONTROL MECHANISM TO WLAN 以下備考,IETF STANDARD-WORKING-DRAFT,スイス,IETF,2011年12月17日,P1-12,BASED BROADBAND NETWORKS; DRAFT-XQ-ANCP-WLAN-00.TXT
【文献】 Supporting Companies Alcatel-Lucent,3GPP-BBF Interworking Proposal for PCRF Based BPCF [online],FMC100020,2010年 2月11日,[retrievd on 2016.10.27],URL,http://www.3gpp.org/ftp/workshop/2010-02-18_FMC_BBF/Docs/FMC100020.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
H04L 12/911
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークゲートウェイと、アクセス制御装置と、アクセス制御装置によって制御されるワイヤレスアクセスノードとを含む、アクセスネットワークシステムにおけるワイヤレスローカルエリアネットワークWLANリソース管理の方法であって、
アクセスノード制御ANCPプロトコルベースの認証要求メッセージを、ネットワークゲートウェイで受信することと、
認証要求メッセージを受信すると、ネットワークゲートウェイは、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースの認証要求メッセージから変換されたアクセス要求をサードパーティサーバへ送信することと、
ネットワークゲートウェイによって、サードパーティサーバから、WLANリソース構成要求を受信することと、
ネットワークゲートウェイによって、受信したWLANリソース構成要求に従って、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージをアクセス制御装置に送信することと、
アクセス制御装置によって、WLANリソース構成メッセージに従って、WLANの構成管理を行うために対応するワイヤレスアクセスノードを制御することと
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージが、
他のANCPプロトコル種別のメッセージと区別するためのメッセージ種別と、
アクセスネットワークシステムにおけるワイヤレスアクセスノードのアドレス可能な情報と、
対応するWLANリソース構成パラメータと
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
WLANリソース構成パラメータがワイヤレスアクセスポイントの制御およびプロビジョニングCAPWAPプロトコル方式に基づくWLAN管理エレメントであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
サードパーティサーバがサードパーティ認証サーバであり、サードパーティ認証サーバが、アクセス認証とユーザからのWLANサービス要求の管理とを行うとともに、アクセスネットワークシステムにおけるネットワークゲートウェイのための対応するWLANリソース構成要求を生成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アクセス制御装置によって、WLANリソース構成が成功したか否かを確認するために、対応する応答メッセージをネットワークゲートウェイに送信すること
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
サードパーティサーバは、サードパーティ認証サーバまたはポリシサーバであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アクセスネットワークシステムにおけるWLANリソース管理のためのネットワークゲートウェイであって、
アクセスノード制御ANCPプロトコルベースの認証要求メッセージを、受信する手段と、
認証要求メッセージを受信すると、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースの認証要求メッセージから変換されたアクセス要求をサードパーティサーバへ送信する手段と、
サードパーティサーバから、WLANリソース構成要求を受信するように構成された受信モジュールと、
受信されたWLANリソース構成要求に従って、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージをアクセス制御装置に送信するように構成された送信モジュールと
を備えていることを特徴とする、ネットワークゲートウェイ。
【請求項8】
WLANリソース構成メッセージが、
他のANCPプロトコル種別のメッセージと区別するためのメッセージ種別パラメータと、
アクセスネットワークシステムにおけるワイヤレスアクセスノードのアドレス可能な情報と、
対応するWLANリソース構成パラメータと
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項7に記載のブロードバンドネットワークゲートウェイ。
【請求項9】
WLAN構成パラメータがワイヤレスアクセスポイントの制御およびプロビジョニングCAPWAPプロトコル方式に基づくWLAN管理エレメントであることを特徴とする、請求項に記載のブロードバンドネットワークゲートウェイ。
【請求項10】
サードパーティサーバは、サードパーティ認証サーバまたはポリシサーバであることを特徴とする、請求項7に記載のブロードバンドネットワークゲートウェイ。
【請求項11】
受信モジュールが、さらに、WLANリソース構成が成功したか否かを確認するために、応答メッセージをアクセス制御装置から受信することを特徴とする、請求項10に記載のブロードバンドネットワークゲートウェイ。
【請求項12】
送信モジュールが、さらに、応答メッセージに従って、WLANリソース構成結果をサードパーティ認証サーバまたはポリシサーバに送信することを特徴とする、請求項11に記載のブロードバンドネットワークゲートウェイ。
【請求項13】
ゲートウェイと、アクセス制御装置と、アクセス制御装置によって制御される複数のワイヤレスアクセスノードとを備えたアクセスネットワークシステムであって、
アクセスノード制御ANCPプロトコルベースの認証要求メッセージを、ネットワークゲートウェイが受信することと、
認証要求メッセージを受信すると、ネットワークゲートウェイは、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースの認証要求メッセージから変換されたアクセス要求をサードパーティサーバへ送信することと、
ネットワークゲートウェイが、サードパーティサーバから、WLANリソース要求を受信するとともにWLANリソース要求に従って、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージをアクセス制御装置に送信し、
アクセス制御装置がWLANリソース構成メッセージに従ってWLANの構成管理を行うために対応するワイヤレスアクセスノードを制御する
ことを特徴とする、アクセスネットワークシステム。
【請求項14】
サードパーティサーバは、サードパーティ認証サーバまたはポリシサーバであることを特徴とする、請求項13に記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項15】
サードパーティサーバがサードパーティ認証サーバであり、サードパーティ認証サーバが、アクセス認証とユーザからのWLANサービス要求の管理とを行うとともに、アクセスネットワークシステムにおけるネットワークゲートウェイのための対応するWLANリソース構成要求を生成することを特徴とする、請求項13に記載のアクセスネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、より詳細には、アクセスネットワークシステムにおけるWLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)のリソースの管理方法ならびにその装置およびシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
WLANは、近年、広帯域無線技術の1つとして急速な発展を遂げている。ネットワークオペレータはWLANを各自のアクセスネットワークシステムに導入して、WLANなどのワイヤレス技術によってより一層の付加価値のあるサービスを実現することを期待している。ネットワークアクセスサービスを提供すべく、ネットワークオペレータらは空港、ホテル、カンファレンスセンター、住宅等といったホットスポットエリアに公衆WLANを設置している。集中型WLANアーキテクチャが第一の選択肢となる。アクセスネットワークにおいては複数のAC(アクセスコントローラ)が利用されており、ACはアクセスネットワーク内に独立して存在していてもよく、あるいは、アクセスノードAN上に統合化されていてもよい。CAPWAP(ワイヤレスアクセスポイントの制御およびプロビジョニング)プロトコルによって、各ACは、相当数のワイヤレスターミネーションポイント(Wireless Termination Point)WTP上でWLAN制御管理を行うとともに、端末ユーザのアクセス管理を行う。ACはちょうどアクセスノードに対応する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ネットワーク規模が絶えず拡大するとともにWLANの配備も増々多岐にわたるようになっていることから、ACによって(WLANの構築および解放等を含め)WLANを管理し、もって端末ユーザの柔軟な要求事項を満たすために、アクセスネットワークシステムにおいて統一化されかつ効果的なメカニズムをどのようにして利用するかが解決されるべき喫緊の課題となっている。
【0004】
アクセスネットワークにおいては、各ユーザについてQoS(サービス品質)が要求されるとともにサービスに関連する処理を行うために、BBF標準化機構は、アクセスノードとブロードバンドネットワークゲートウェイとの間で動作するレイヤ2制御メカニズムを規定しているが、他方、IETF(インターネット技術タスクフォース;Internet Engineering Task Force)は、ここで関連性を有するアクセスノード制御プロトコル(Access Node Control Protocol)ANCPを定式化している。ANCPプロトコルにより、ネットワークオペレータは、統一化された管理制御態様のもとで様々なアクセス技術(例えば、xDSL、sPON)を管理することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アクセスネットワークシステムにおけるWLANリソース管理を支援するための技術的解決手段を提供することを意図するものであって、この解決手段は、ネットワークゲートウェイBNGとアクセス制御装置ACとの間のアクセスノード制御プロトコルANCPによって、特定のWLANリソース構成要求に基づいて、アクセスネットワークにおけるWLANリソース構成管理を実現することができる。
【0006】
本発明の一態様によれば、ネットワークゲートウェイと、アクセス制御装置と、アクセス制御装置によって制御されるワイヤレスアクセスノードとを備えたアクセスネットワークシステム、におけるWLANリソース管理の方法であって、ネットワークゲートウェイがWLANリソース構成要求を受信し、受信したWLANリソース構成要求に従って、アクセスノード制御プロトコルANCPベースのWLANリソース構成メッセージをアクセス制御装置に送信し、アクセス制御装置がWLANリソース構成メッセージに従って、WLANの構成管理を行うために対応するワイヤレスアクセスノードを制御する、WLANリソース管理の方法が提供される。
【0007】
本発明の別の態様によれば、アクセスネットワークシステムにおけるWLANリソース管理のためのネットワークゲートウェイであって:WLANリソース構成要求を受信するように構成された受信モジュールと、WLANリソース構成要求に従って、アクセスノード制御プロトコルANCPベースのWLANリソース構成メッセージをアクセス制御装置に送信するように構成された送信モジュールと、を備えている、ネットワークゲートウェイが提供される。
【0008】
本発明のさらなる別の態様によれば、アクセスネットワークシステムにおけるWLANリソース管理のためのアクセス制御装置であって:アクセスノード制御プロトコルANCPベースのWLANリソース構成メッセージをアクセスネットワークシステムにおけるネットワークゲートウェイから取得するように構成された受信モジュールと、WLANリソース構成メッセージに従って、WLANの構成管理を行うために、対応するワイヤレスアクセスノードを制御するように構成された制御モジュールと、を備えている、アクセスネットワークシステムにおけるWLANリソース管理のためのアクセス制御装置が提供される。
【0009】
本発明のさらにまた別の態様によれば、WLANリソース管理のための認証サーバであって:モバイルサイトからのWLANサービス要求を受信するように構成された受信モジュールと、WLANサービス要求の認証を行い認証結果に基づいてWLANアクセスパラメータをモバイルサイトに割り当てるように構成された認証モジュールと、WLANアクセスパラメータをモバイルサイトに送信し、かつ、WLANリソース構成要求をアクセスネットワークシステムにおけるネットワークゲートウェイBNGに送信するように構成された送信モジュールとを備え、WLANリソース構成要求が、ワイヤレスアクセスノードに対して、モバイルサイトがアクセスネットワークシステムにアクセスするように構成された対応するWLANの構成管理を行うために用いられる、WLANリソース管理のための認証サーバが提供される。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、ネットワークゲートウェイと、アクセス制御装置と、アクセス制御装置によって制御される複数のワイヤレスアクセスノードとを備えたアクセスネットワークシステムであって、ネットワークゲートウェイが、WLANリソース構成要求を受信するとともにWLANリソース構成要求に従って、アクセスノード制御プロトコルANCPベースのWLANリソース構成メッセージをアクセス制御装置に送信し、かつ、アクセス制御装置がWLANリソース構成メッセージに従ってWLANの構成管理を行うために対応するワイヤレスアクセスノードを制御する、アクセスネットワークシステムが提供される。
【0011】
本発明は、以下の潜在的な技術的利点を有する。
【0012】
アクセスネットワークオペレータは、統一化されたANCPプロトコルによって、アクセスネットワークシステムにおける、アクセスネットワークに展開された集中型WLANを含め様々なアクセス技術を管理および制御することができ、対応するWTP上の特定の要求事項を満たすWLANを効率的に構築/削除することができるとともに、ユーザのWLANアクセスを制御および管理することができる。
【0013】
本発明の特徴、属性および利点は、添付の図面を参照し、以下の詳細な説明を通してより一層明らかになるであろう。添付の図面において同様の要素は同じ識別子を有するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明において提供されるアクセスネットワークシステムにおけるWLAN配置図である。
図2図2は、本発明において提供されるANCPプロトコルのWLAN制御メッセージの実施形態を示した図である。
図3図3は、本発明において提供されるアクセスネットワークシステムにおけるWLANの動的構築の実施形態を示した図である。
図4図4は、本発明において提供されるアクセスネットワークシステムにおけるWLANの動的解放の実施形態を示した図である。
図5図5は、本発明において提供されるアクセスネットワークシステムにおけるWLANの動的解放の実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明において提供されるアクセスネットワークシステムにおけるWLAN配備図である。数個のWiFiモバイルサイトUE1、UE2、UE3が、各々のワイヤレスアクセスノードWTP1、WTP2を介して、アクセスコントローラAC1に接続され、またはアクセスコントローラACを有するアクセスノードANに接続されている。アクセスネットワークシステムにおけるアクセスコントローラAC1およびアクセスノードANは、Ethernet(登録商標)におけるスイッチによって連結されていてもよく、アクセスネットワークシステムのエッジに位置しているブロードバンドネットワークゲートウェイBNGに収斂されていてもよく、さらにバックボーンネットワークであるIP/MPLS(マルチプロトコルラベルスイッチング)ネットワークに接続されていてもよい。
【0017】
図1に示すブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、一方で、アクセスネットワークシステムにおけるユーザネットワーク接続を終端するとともにユーザのトラヒックを収斂させる機能を担うネットワークベアラの機能性を行う。他方で、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、制御および実装機能を行い、この制御および実装機能は、ユーザアクセスの認証、課金および管理を実現するために認証システム、課金システム、クライアント管理システムおよびサービスポリシ制御システムと連携することができる。ここで、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGはさらに、アクセスネットワークシステムにおけるWLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)リソース管理を行う。ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、WLANリソース構成要求を、特定のプロトコルインタフェースを介してサードパーティサーバから受信してもよく、前記WLANリソース構成要求に従って、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージを、アクセス制御装置AC1へ、または、アクセス制御ACとしての機能性をもつアクセスノードANへ、ANCPプロトコルインタフェースを介して送信してもよい。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、上述したWLANリソース構成要求は、AAA認証サーバによって生成されてもよい。AAA認証サーバは、ユーザの識別子および/またはトラヒックを認証するなどのアクセス認証機能を行い、AAA認証サーバは、ユーザ識別子情報および関連するトラヒック属性などのユーザデータを保存する。AAA認証サーバがアクセス認証要求をユーザから受信すると、AAA認証サーバは、ユーザデータのデータベースへの問合せをサポートし、認証結果をユーザ端末およびそのネットワークアクセス装置に提供する。ここで、AAA認証サーバは、WiFiモバイルサイトUE1、UE2、UE3からのWLANサービス要求を認証する。一方でAAA認証サーバは、モバイルサイトがアクセスネットワークシステムにアクセスするように構成された対応するWLANの構成管理をワイヤレスアクセスノードWTP1、WTP2に対して行うために、認証結果に基づいて、WLANリソース構成要求をアクセスネットワークシステムにおけるブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへ送信する。典型的には、AAAサーバとブロードバンドネットワークゲートウェイBNGとの間のプロトコルインタフェース方式としては、RADIUSプロトコル方式を採用することができる。他方で、AAA認証サーバは、過去のWLAN構成管理応答に従って対応するWLANアクセスパラメータをモバイルサイトに割り当てて、当該パラメータをWiFiモバイルサイトに提供してもよい。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、上述したWLANリソース構成要求は、動作要件に従って幾つかの特定のWTP上に何らかのWLANを構築するようにBNGに対して通知をするために、ポリシサーバによって開始されてもよい。
【0020】
図1におけるアクセスノードANは、アクセスコントローラACの機能性をもつDSLAM(デジタル加入者線アクセス多重化器)またはOLT(光回線終端装置)、LANスイッチ等とすることができる。アクセスノードANおよびアクセスコントローラAC1は、アクセスをしているワイヤレスアクセスノードWTP1、WTP2に対して、CAPWAPまたはLWAPP(軽量アクセスポイントプロトコル)などの特定のプロトコルによって、集中型のWLAN構成管理を行ってもよい。ここで、アクセスノードANおよびアクセスコントローラAC1は、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージを、アクセスネットワークシステムにおけるブロードバンドネットワークゲートウェイBNGからANCPプロトコルインタフェースを介して受信し、WLANの構成管理を行うために、CAPWAPプロトコルインタフェースを介して、WLANリソース構成メッセージに従って、その対応するワイヤレスアクセスノードWTP1、WTP2を制御する、例えば、モバイルサイトUE1、UE2に対してWTP1でのトラヒックアクセスを提供することができるWLANを構築するとともに、モバイルサイトUE3に対してWTP2でのトラヒックアクセスを提供することができるWLANを構築することができる。
【0021】
図2は、本発明の実施形態において提供されるANCPプロトコルによるWLAN制御メッセージの実施形態を示した図であって、これは、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGがWLANリソース構成管理メッセージをアクセスコントローラへ送信するために用いることができるものであり、また、アクセスコントローラが、WLANリソースをブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへレポートしてWLANリソース構成管理メッセージに応答するために用いることができるものである。
【0022】
ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGが一例としてWLANリソース構成管理メッセージをアクセスコントローラへ送信する場合、WLANリソース構成管理メッセージは、少なくとも、以下の情報要素を含む。
【0023】
他のANCPプロトコル種別のメッセージと区別するための1つのメッセージ種別(Message Type)パラメータ。
【0024】
アクセスネットワークシステムにおけるワイヤレスアクセスノードWTPのアドレス可能な情報は、バージョン(v)と、ワイヤレスアクセスノード識別子(WTP識別子)とを用いて識別され得る。WTP識別子は、WTPのIPアドレスとすることができ、vパラメータは、WTPのIPアドレスの種別を表すために用いられる。例えば、vパラメータ「0」はIPアドレスがIPv4ベースのアドレス種別であることを表し、vパラメータ「1」はIPアドレスがIPv6ベースのアドレス種別であることを表す。
【0025】
対応するWLANリソース構成パラメータ(CAPWAP IEEE 802.11 WLAN Message Element)。これは、ACに対してWTP上で提供されるサービスを変更することを指示するための、CAPWAPプロトコル方式に基づくWLAN管理要素とすることができる。WLAN管理要素は、WTP上でWLANを構築、更新または削除するために用いることができる。CAPWAP IEEE802.11 WLANの様々なメッセージ要素については、RFC5416を参照されたい。
【0026】
図3は、本発明の実施形態において提供されるアクセスネットワークシステムにおけるWLANの動的構成の例を示した図である。図3においては、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、WiFiモバイルサイトUE3に対して、AAAサーバからのWLANリソース構成要求に従って、モバイルサイトがアクセスネットワークシステムにアクセスするように構成されたWLANを、動的に構築する。
【0027】
ステップS301において、WiFiモバイルサイトUE3は、アクセスネットワークシステムにおけるワイヤレスアクセスノードWTP2に公衆サービスセット識別子(SSID)を介して関連付けされていてもよく、また、これに応じて認証要求を開始してもよく、これは、アカウント、パスワード、所属ドメイン(または必要なトラヒック種別)等といったユーザ情報を含む。WTP2は、CAPWAPプロトコルにより認証要求メッセージをアクセスコントローラAC1へ送信する。認証要求メッセージを受信すると、アクセスコントローラAC1はさらに、WTP2それ自体の識別情報(例えば、WTPのIPアドレス情報)およびAC1の識別情報(例えば、ACのIPアドレス)を、認証要求メッセージ内に配置して、当該認証要求メッセージを、ANCPプロトコル方式に基づいてブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへ送信する。
【0028】
ステップS302において、認証要求メッセージを受信すると、ブロードバンドネットワークゲートウェイはさらに、RADIUSプロトコル方式ベースのアクセス要求(Access_Request)パケットをAAAサーバへ送信する。
【0029】
ステップS303において、AAAサーバは、Access_Requestパケットを受信してこの要求が正当な要求であるか否かを認証する。認証を通過すると、AAAサーバは、WiFiモバイルサイトUE3に対応するWTP2がアクセス条件に適合するWLANを有しているか否かを決定する。WIT(WLAN情報テーブル)が特定の条件に適合するWLANをもつ場合には、AAAサーバは、WiFiモバイルサイトUE3に対応する識別情報を対応するWITエントリに追加して、対応するWLANアクセスパラメータをモバイルサイトへ割り当てかつ送信する。WITが特定の条件に適合するWLANをもたない場合には、AAAサーバは、対応するWLANアクセスパラメータ(例えばWLANの対応するSSID、暗号化/復号方法等)をWiFiモバイルサイトUE3に対して割り当てる。他方、AAAサーバは、サービスを提供するためにサイトUE3が対応してアクセスしているWTP2上に、対応するWLANを構築することを要求するために、WLANリソース構成要求をアクセスネットワークシステムにおけるブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへ送信する。
【0030】
ステップS304において、AAAサーバからWLANリソース構成要求を受信後、かつ、WLANリソース要求に基づいて、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージをアクセス制御装置AC1へ送信する。
【0031】
ステップS305において、アクセス制御装置AC1は、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージをネットワークゲートウェイBNGから取得して、前記WLANリソース構成メッセージに従ってWLANの構成管理を行うために、対応するワイヤレスアクセスノードWTPを制御する、すなわち、サービスを提供するために、WiFiモバイルサイトUE3が対応してアクセスしているWTP2上に対応するWLANを構築する。
【0032】
ステップS306において、アクセス制御装置AC1がWTP2上にWLANを構築することに成功した後で、アクセス制御装置AC1は、前記WLANリソース構成が成功したか失敗したかを確認するために対応する応答メッセージをブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへ送信する。
【0033】
ステップS307において、前記応答メッセージを受信後、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGはさらに、WLANリソース構成結果をAAA認証サーバ(またはポリシサーバ)へ送信する。
【0034】
ステップS308において、AAAサーバは、応答メッセージに基づいてアクセス許可(Access_Accept)パケットを送信するが、このパケットによって、WiFiモバイルサイトUE3に割り当てられた対応するWLANアクセスパラメータが搬送される。
【0035】
ステップS309において、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGはさらに、対応する方式で、Access_AcceptパケットにおけるWLANアクセスパラメータを、認証を要求している当事者−モバイルサイトUE3へ送信する。
【0036】
ステップS310において、モバイルサイトUE3は、構築されたWLANへ取得されたWLANアクセスパラメータを用いて接続するために、802.11アソシエーションまたは再アソシエーションを行うとともに、モバイルサイトUE3に対して、例えばDHCPプロトコルによりモバイルネットワーク端末に対するIPアドレスを構成するなど、ネットワークアクセスパラメータを割り当てて、モバイルネットワーク端末が関連性のあるネットワークリソースを取得する能力を獲得するようにする。
【0037】
図4は、本発明の実施形態において提供されるWLANの動的解放の例を示した図である。図4においては、モバイルサイト通知方式に基づいて、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、AAAサーバからのWLANリソース構成要求に従って、アクセスネットワークシステムにおけるモバイルサイトUE3のためのWLANアクセスリソースを解放する。
【0038】
ステップS401において、モバイルサイトUE3がWLANから退出するとき、モバイルサイトUE3はDHCP解放メッセージをDHCPサーバへ送信する。
【0039】
ステップS402において、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、取得されたDHCPプロトコルメッセージに基づいてモバイルサイトが退出することを決定したうえでAAAサーバに対して課金を停止するように通知する。
【0040】
ステップS403において、課金停止のメッセージを受信すると、AAAサーバは、WLANリソース構成更新を行うか否かを決定する。まず、AAAサーバは、対応するWITエントリを更新する、すなわち、モバイルサイト情報を対応するWLANから削除する。WLANにユーザがいない場合には、AAAサーバは、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGがアクセスネットワークシステムの対応するWLANを削除してリソースを解放するように要求するために、WLANリソース構成要求をアクセスネットワークシステムにおけるブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへ送信する。
【0041】
ステップS404において、AAAサーバからWLANリソース構成要求を受信後、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、サービスの提供を停止するために、モバイルサイトが対応してアクセスしている当該WTPにおける対応するWLANの削除を要求する前記WLANリソース要求に従って、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージをアクセス制御装置AC1へ送信する。
【0042】
ステップS405において、アクセス制御装置AC1は、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージをネットワークゲートウェイBNGから取得して、WLANリソース構成メッセージに従ってWLANの構成管理を行うために、対応するワイヤレスアクセスノードWTPを制御する、すなわち、サービスの提供を停止するために、WiFiモバイルサイトUE3が対応してアクセスしているWTP2上に対応するWLANを構築する。
【0043】
ステップS406において、WTP2のWLANを削除することに成功した後で、アクセス制御装置AC1は、前記WLANリソース構成が成功したことを確認するために対応する応答メッセージをブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへ送信する。
【0044】
ステップS407において、応答メッセージを受信後、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGはさらに、WLANリソース構成結果をAAA認証サーバ(またはポリシサーバ)へ送信する。
【0045】
図5は、本発明の実施形態において提供されるアクセスネットワークシステムにおけるWLANの動的解放の実施形態を示した図である。同図においては、WLANリソースを検出して報告するWTP2に基づいて、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、AAAサーバからのWLANリソース構成要求に従ってアクセスネットワークシステムにおけるモバイルサイトUE3に対するWLANアクセスリソースを解放する。
【0046】
ステップS501において、モバイルサイトUE3が何の兆候または通知もなしにWLANから離脱すると、所定の時間の経過後、WTP2はモバイルサイトUE3がオーバータイムとなったことを検出し、アクセスコントローラAC1に対してこのモバイルサイトを削除するように通知するために、CAPWAPプロトコルベースのメッセージをアクセスコントローラAC1へ送信する。
【0047】
ステップS502において、アクセスコントローラAC1は、そのモバイルサイトUE3がWTP2から退出したことを示すために、ANCPプロトコル方式ベースのWLANリソース制御メッセージを介してブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへ通知する。
【0048】
ステップS503において、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、モバイルサイトの退出をAAAサーバへレポートする。
【0049】
ステップS504において、AAAサーバは、前記リソースレポートに基づいてWLANリソース構成更新を行うべきか否かを決定する。まず、AAAサーバは、対応するWITエントリを更新する、すなわち、モバイルサイトUE3の情報を対応するWLANエントリから削除する。WLANにユーザがいない場合には、AAAサーバは、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGが対応するWLANを削除してリソースを解放するように要求するために、WLANリソース構成要求をアクセスネットワークシステムにおけるブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへ送信する。
【0050】
ステップS505において、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGは、アクセスコントローラAC1がWTP2上の対応するWLANを削除することを要求するために、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージをアクセスコントローラAC1へ送信する。
【0051】
ステップS506において、アクセスコントローラAC1は、サービスを提供するために、WTP2が対応してアクセスした対応するWLANを削除するために、アクセスノード制御ANCPプロトコルベースのWLANリソース構成メッセージに従ってWLANの構成管理を行うように、その対応するワイヤレスアクセスノードWTP2を制御する。
【0052】
ステップS507において、WTPにおいてWLANの削除に成功後、アクセス制御装置AC1は、WLANリソース構成の成功を確認するための対応する応答メッセージをブロードバンドネットワークゲートウェイBNGへ送信する。
【0053】
ステップS508において、応答メッセージを受信後、ブロードバンドネットワークゲートウェイBNGはさらに、WLANリソース構成結果をAAA認証サーバ(またはポリシサーバ)へ送信する。
【0054】
当業者であれば、上述した手段および機能が、プログラム制御マイクロプロセッサと汎用コンピュータのソフトウェア機能との組合せにおいて実装され得ること、および/または、特定用途向け集積回路(ASIC)を用いて実装され得ることを理解するはずである。また、本発明は主として方法および装置の形で説明されたが、本発明は、コンピュータプロセッサと当該プロセッサに接続されたメモリとを含み、このメモリがここに記載された機能を行う1つまたは複数のプログラムでエンコードされ得る、コンピュータプログラム製品およびシステムに具現化され得ることを理解されたい。
【0055】
本発明を説明するために幾つかの実施形態を上記のとおり提供したが、これらの実施形態は、本発明の保護範囲を限定するために用いられるべきではない。当業者であれば、本発明の範囲と趣旨とを逸脱しないで実施形態に対して様々な変更を行うことができる。かかる変更はすべて本発明の範囲に属するものである。
図1
図2
図3
図4
図5