特許第6231193号(P6231193)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231193
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】ユニバーサル遮断弁
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20171106BHJP
   F16K 24/00 20060101ALI20171106BHJP
   B60K 13/04 20060101ALI20171106BHJP
   B60K 15/035 20060101ALN20171106BHJP
【FI】
   F01N3/08 B
   F16K24/00 K
   B60K13/04 Z
   !B60K15/035 A
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-515953(P2016-515953)
(86)(22)【出願日】2014年7月22日
(65)【公表番号】特表2016-534286(P2016-534286A)
(43)【公表日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】EP2014065720
(87)【国際公開番号】WO2015018634
(87)【国際公開日】20150212
【審査請求日】2016年3月7日
(31)【優先権主張番号】102013013212.6
(32)【優先日】2013年8月9日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598001467
【氏名又は名称】カウテックス テクストロン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ポウル ヒーゼヴァング
【審査官】 首藤 崇聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−073881(JP,A)
【文献】 特開2010−000999(JP,A)
【文献】 特開2006−097537(JP,A)
【文献】 特開2000−352364(JP,A)
【文献】 特開2005−061416(JP,A)
【文献】 特表2009−526701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/08
F16K 24/00
B60K 13/04
B60K 15/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体リザーバ用の逃しおよび/または吸気弁であって、
該逃しおよび/または吸気弁は、作動流体リザーバの内部に固定することができる中空の弁ハウジング(10)を有し、
該弁ハウジング(10)は、弁ハウジング内部(15)と前記作動流体リザーバの内部との間での流体交換のための少なくとも1つの連通開口(13)を有し、
前記弁ハウジング(10)は、前記弁ハウジング内部(15)と逃しライン(2)との間でのガス交換のための逃し開口(12)を有し、
前記逃しおよび/または吸気弁は、前記弁ハウジング内部(15)に配置された弁体(20)を有し、
前記作動流体リザーバに前記逃しおよび/または吸気弁が取り付けられた位置において、前記作動流体リザーバの内部の作動流体レベルが遮断レベルよりも低いときに前記弁体(20)は前記逃し開口(12)から離れ、その結果、前記弁ハウジング内部(15)と前記逃しライン(2)とが流体連通し、
前記作動流体リザーバに前記逃しおよび/または吸気弁が取り付けられた位置において、前記作動流体リザーバの内部の作動流体レベルが前記遮断レベルよりも高いときに前記弁体(20)が前記逃し開口(12)を閉鎖するように、前記弁体(20)が、前記弁ハウジング内部(15)において前記作動流体から持上げ作用を受け、その結果、前記弁ハウジング内部(15)と前記逃しライン(2)とが流体連通されない、作動流体リザーバ用の逃しおよび/または吸気弁において、
前記逃しおよび/または吸気弁は、作動流体リザーバ壁部(1)の内面に固定することができるアダプタ(31,32)を有し、
該アダプタ(31,32)が前記作動流体リザーバ壁部(1)と前記弁ハウジング(10)との間に配置されるように前記弁ハウジング(10)を前記アダプタ(31,32)に固定することができ
前記アダプタ(31,32)は、第1の固定装置(34)を有し、
前記弁ハウジング(10)は、第2の固定装置(14)を有し、
前記弁ハウジング(10)を、前記第2の固定装置(14)および前記第1の固定装置(34)によって前記アダプタ(31,32)に固定することができ、
前記第1の固定装置(34)は、掛止装置(34)として設計されており、前記第2の固定装置(14)は、掛止開口(14)として設計されているか、または、
前記第1の固定装置(34)は、掛止開口(14)として設計されており、前記第2の固定装置(14)は、掛止装置(34)として設計されている、
ことを特徴とする、作動流体リザーバ用の逃しおよび/または吸気弁。
【請求項2】
異なるアダプタ(31,32)の使用により、前記作動流体リザーバ壁部(1)と、前記連通開口(13)の上縁部との間の異なる距離を達成することができ、かつ、前記連通開口(13)の位置は、前記遮断レベルに前記作動流体が達したときに、前記作動流体レベルが前記連通開口(13)の領域内にあるように設定されている、請求項1記載の逃しおよび/または吸気弁。
【請求項3】
前記アダプタ(31,32)は、凹凸のはめあいによらずにおよび/または凹凸のはめあいによりおよび/または材料により、前記作動流体リザーバ壁部(1)に接続することができる、請求項1または2記載の作動流体リザーバ用の逃しおよび/または吸気弁。
【請求項4】
逃しライン(2)を有する作動流体リザーバにおいて、
該作動流体リザーバは、請求項1からまでのいずれか1項記載の逃しおよび/または吸気弁を備え、前記逃しライン(2)は、逃し開口(12)を通じて前記逃しおよび/または吸気弁と流体連通していることを特徴とする、作動流体リザーバ。
【請求項5】
逃しおよび/または吸気弁システムであって、
該逃しおよび/または吸気弁システムは、作動流体リザーバの内部に固定することができる中空の弁ハウジング(10)を有し、
該弁ハウジング(10)は、弁ハウジング内部(15)と前記作動流体リザーバの内部との間の流体交換のための少なくとも1つの連通開口(13)を有し、
前記弁ハウジング(10)は、前記弁ハウジング内部(15)と逃しライン(2)との間のガス交換用の逃し開口(12)を有し、
前記逃しおよび/または吸気弁は、前記弁ハウジング内部(15)に配置された弁体(20)を有し、
前記作動流体リザーバに前記逃しおよび/または吸気弁が取り付けられた位置において、前記作動流体リザーバの内部の作動流体レベルが遮断レベルよりも低いときに前記弁体(20)は前記逃し開口(12)から離れ、その結果、前記弁ハウジング内部(15)と前記逃しライン(2)とが流体連通し、
前記作動流体リザーバに前記逃しおよび/または吸気弁が取り付けられた位置において、前記作動流体リザーバの内部の作動流体レベルが前記遮断レベルよりも高いときに前記弁体(20)が前記逃し開口(12)を閉鎖するように、前記弁体(20)が、前記弁ハウジング内部(15)において前記作動流体から持上げ作用を受け、その結果、前記弁ハウジング内部(15)と前記逃しライン(2)とが流体連通されず、
該逃しおよび/または吸気弁システムは、それぞれ作動流体リザーバ壁部(1)の内面に固定することができる、第1のアダプタ(31)および第2のアダプタ(32)を備え、
前記弁ハウジング(10)に接続された前記アダプタ(31,32)が前記作動流体リザーバ壁部(1)と前記弁ハウジング(10)との間に配置されるように、前記弁ハウジング(10)を前記第1のアダプタ(31)または前記第2のアダプタ(32)に固定することができ、
前記弁ハウジング(10)が前記第1のアダプタ(31)に接続されているときには、前記連通開口(13)は、前記弁ハウジング(10)が前記第2のアダプタ(32)に固定されているときよりも前記作動流体リザーバ内へさらに深く入り込んでおり、その結果、前記第1のアダプタ(31)に対応する第1の遮断レベル(SOH1)が、前記第2のアダプタ(32)に対応する第2の遮断レベル(SOH2)よりも大きく、
前記第1のアダプタ(31)および前記第2のアダプタ(32)はそれぞれ、第1の固定装置(34)を有し、
前記弁ハウジング(10)は、第2の固定装置(14)を有し、
前記弁ハウジング(10)を、前記第2の固定装置(14)および前記第1の固定装置(34)によって前記第1のアダプタ(31)および/または前記第2のアダプタ(32)に固定することができ、
前記第1の固定装置(34)は、掛止装置(34)として設計されており、前記第2の固定装置(14)は、掛止開口(14)として設計されているか、または、
前記第1の固定装置(34)は、掛止開口(14)として設計されており、前記第2の固定装置(14)は、掛止装置(34)として設計されている、
ことを特徴とする、逃しおよび/または吸気弁システム。
【請求項6】
前記連通開口(13)の位置は、前記第1の遮断レベル(SOH1)および前記第2の遮断レベル(SOH2)のいずれに前記作動流体が達したときでも、前記作動流体レベルが前記連通開口(13)の領域内にあるように設定されている、請求項記載の逃しおよび/または吸気弁システム。
【請求項7】
前記第1のアダプタ(31)および/または前記第2のアダプタ(32)は、凹凸のはめあいによらずにおよび/または凹凸のはめあいによりおよび/または材料により、前記作動流体リザーバ壁部(1)に接続することができる、請求項5または6記載の逃しおよび/または吸気弁システム。
【請求項8】
前記第1の固定装置(34)は、掛止開口(14)として設計されており、前記第2の固定装置(14)は、掛止装置(34)として設計されている、請求項5記載の逃しおよび/または吸気弁システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動流体リザーバ用の、遮断弁とも呼ばれる逃しおよび/または吸気弁に関する。本発明は、さらに、逃しおよび/または吸気弁を有する作動流体リザーバ、および逃しおよび/または吸気弁システムに関する。
【背景技術】
【0002】
作動流体リザーバは、ディーゼル車両からの窒素酸化物エミッションを低減するためのSCR法(選択的触媒還元)に必要な水性尿素溶液用の流体リザーバであり得る。この水性尿素溶液は、例えば計量供給ポンプまたはインジェクタによってSCR触媒から排気セクション内へ噴射される。以下の説明では、燃料リザーバについて言及されるが、全ての実施の形態は、対応する形式で、水性尿素溶液用の流体リザーバ、またはより一般的に作動流体リザーバのために使用することもできる。
【0003】
燃料リザーバに燃料を充填するための通常のやり方は、燃料ポンプノズルを燃料リザーバ内への注入管内に挿入し、これにより、燃料を燃料リザーバ内へ導入させることである。燃料リザーバが妨げなく充填できるようにするためには、燃料リザーバ内の空気または燃料リザーバ内の空気/ガス混合物が燃料タンクから逃げ出すことができなければならない。なぜならば、そのようにしないと、燃料タンク内の圧力上昇が充填プロセスを妨げてしまうからである。
【0004】
空気を燃料リザーバから逃がすために、逃しラインと流体連通した1つまたは複数の逃し弁が燃料リザーバに設けられており、逃しラインは選択的に活性炭フィルタと流体連通させることができる。燃料リザーバから押し出される空気/ガス混合物は、活性炭フィルタによってろ過され、存在するとしても少量の燃料蒸気のみが環境中へ放出されるか、または、活性炭フィルタが存在しない場合は、直接に大気中へ放出されることが保証される。
【0005】
以下で単に逃し弁または遮断弁とも呼ばれる、従来技術より公知の逃しおよび/または吸気弁は、少なくとも1つの連通開口を有する中空の弁ハウジングを備え、連通開口によって弁ハウジング内部はその環境と流体連通している。逃し弁が燃料リザーバに取り付けられている場合、弁ハウジング内部は連通開口を通じて燃料リザーバ内部と流体連通しており、これにより、連通開口を通じた燃料リザーバ内部と弁ハウジング内部との間の燃料および燃料蒸気/空気混合物の交換を可能にしている。弁ハウジング内部は、弁座に配置された逃し開口を通じて逃しラインと流体連通している。弁ハウジング内部において自由に移動することができる、フロートまたはフロートエレメントまたは浮揚エレメントとも呼ばれる弁体は、燃料リザーバ内の所定の作動流体レベル以上において逃し開口を閉鎖し、これにより、液体および/またはガスが弁ハウジングから逃げ出すことを防止する。所定の作動流体レベルよりも低いと、弁体は逃し開口から離れ、その結果、弁ハウジング内部と、逃しラインとは流体連通する。
【0006】
逃し開口を閉鎖するほどに弁体が燃料によって持ち上げられる、作動流体レベルと、逃し弁が固定された燃料リザーバ内壁との間の距離は、遮断高さと呼ばれる。
【0007】
例えば隣接する排気システムまたは高い周囲温度により燃料リザーバが加熱されると、燃料リザーバ内の燃料の蒸気圧力が上昇する。遮断弁が燃料レベルによって閉鎖され、第2の逃し通路が設けられていないか、または第2の逃し通路が圧力リリーフ弁(圧力保持弁とも呼ばれる)によって閉鎖されている場合、タンク内部圧力は上昇し、燃料リザーバを膨張させる。その結果、燃料リザーバ内の作動流体レベルが下降し、結果として、弁体も弁ハウジング内で下降し、弁座から離反し、これにより、逃し開口を露出させる。これにより、燃料リザーバ内に生じた過剰な圧力は、再開放された弁を通って逃げ出すことができる。このプロセスは、熱の供給が停止するか、または熱の供給によるガスの遊離と圧力リリーフ弁を通る漏れとの間に平衡状態が確立されるまで、繰り返される。
【0008】
作動流体リザーバ用の、例えば燃料リザーバ用の異なる遮断高さを達成することができることが望ましい。これは、異なる規制が燃料リザーバに対して適用される異なる国で自動車が販売されるか、同じ弁が複数のリザーバのために使用される場合に必要となるであろう。このために、従来技術は、“立上り管式遮断弁”として公知のものを有し、この場合、横方向連通開口が、取り付けられた位置における所望の遮断高さまで延びており、より低い作動流体レベルの場合に逃し弁または立上り管式遮断弁を閉鎖することができる。異なる遮断高さのために、それぞれの場合に、それぞれ異なる弁ハウジングを備える異なる逃し弁または立上り管式遮断弁を使用する必要がある。この場合、連通開口の位置は所望の遮断高さに合致させられている。
【0009】
この種の立上り管式遮断弁を用いると、燃料リザーバの充填の間、連通開口が燃料リザーバ内の燃料によって閉鎖されない限り、押し出される燃料蒸気/空気混合物を、連通開口および逃し開口を通じて活性炭フィルタまたは大気中へ搬送することができる。このタイプの逃し弁を用いる場合、遮断高さは、燃料リザーバ内壁と、連通開口の上縁との間の距離である。作動流体レベルが遮断高さに達すると、燃料リザーバ内部と弁ハウジング内部との間のガス交換はもはや不可能である。さらに燃料が導入されると、燃料は注入管内で上昇し、燃料リザーバ内に対応する圧力上昇を生じさせ、これにより、弁ハウジング内の燃料コラム、ひいてはその浮力により弁体をも上昇させる。弁ハウジング内の所定の燃料レベルを超えると、弁体が逃し開口を閉鎖する。
【0010】
対応して設計された立上り管式遮断弁を有する燃料リザーバを備える自動車が、満たされたまたはほぼ満たされたタンクで停止させられ、その後燃料タンクが加熱されると、燃料の蒸発によって生じる過剰圧力が、圧力リリーフ弁によって排出されるべきである。しかしながら、このような圧力リリーフ弁の開放圧力は注入管の高さに合致させられており、その結果、燃料リザーバはしばしば圧力リリーフ弁が開く前に膨張する。このような場合、燃料リザーバにおける作動流体レベルが下降する。その結果、連通開口の上側部分はもはや燃料によって閉鎖されず、燃料タンクの補償体積における燃料蒸気/空気混合物を、連通開口の上側セクションを通って弁ハウジング内部へ拡散させる。弁ハウジング内部の作動流体レベルは燃料リザーバ内部の作動流体レベルよりも高いので、燃料蒸気/空気混合物は、気泡の形式で弁ハウジング内部において燃料コラムの表面まで上昇する。これは、ひいては、弁体に対する持上げ作用を低減する。なぜならば、燃料における気泡は、燃料の有効密度を低下させるからである。その結果、弁体はもはや逃し開口を閉鎖しない。
【0011】
燃料の表面へ上昇する気泡は、燃料の表面を通過するときに小さな滴の形式で燃料を引き込み、燃料も、換気開口の方向へ拡散し、換気開口を通って換気ラインに進入し、換気ラインを通って、活性炭フィルタへ到達する。温暖な環境に自動車が長期間停止させられると、上述の燃料損失のプロセスは、換気ラインを通じて長期間継続し、これにより、著しい量の燃料を、換気および/または吸気システムを介して損失する可能性がある。その結果、活性炭フィルタが機能する能力が大幅に損なわれ、より多くの燃料蒸気が環境中へ放出される。
EP1506889A2には、カバーに設けられたブラケットに調節可能にスナップロックされた取付けラグを有し、タンクアクセス開口を閉鎖するためにカバーが設けられている、プラスチックボディ燃料蒸気マネジメント弁が記載されている。これにより、弁は、ブラケットにおいて鉛直方向で選択的に配置される。燃料蒸気マネジメント弁は、燃料蒸気マネジメント弁がブラケットと係合させられたときに、カバーに設けられた蒸気換気フィッティングを収容する。カバーは、タンクアクセス開口を閉鎖するためにタンク壁部の外面と接続される。
US2010/0252125A1には、軸方向に調節可能な充填リミッタ逃し弁が記載されている。逃し弁は、上側ハウジング部材と、下側ハウジング部材とを有する。フロートが、上側ハウジング部材内に位置決めされている。上側ハウジング部材は、充填開口を有する。下側ハウジング部材は、上側ハウジング部材のフランジに対して可変の距離で上側ハウジングに固定することができる。これにより、上側ハウジング部材の充填開口は、下側ハウジング部材の上側端部によって部分的に閉鎖される。したがって、上側ハウジング部材20に設けられた弁座をフロートが閉鎖する燃料レベルは、可変である。逃し弁は、燃料が充填開口を通って逃し弁に流入するやいなやフロートが即座に弁座を閉鎖するように構成されている。
EP0773128A2には、一体的に組み込まれたフランジを介して燃料タンクの外側と接続されたカバーを有する、車両給油弁アセンブリが記載されている。カバーは、燃料タンクの外方へ延びる排出管と、燃料タンク内へ延びるブリード管とを有する。ブリード管は弁座を形成している。給油弁アセンブリは、さらに、フロートが挿入された弁閉込めセクションを有する。弁閉込めセクションには、蒸気出口ポートが設けられており、この蒸気出口ポートは、燃料タンクの内部を弁閉込めセクションの内部に流体通流可能に接続している。弁閉込めセクションは、カバーの開口に挿入されたタブを介してカバーと接続されている。カバーは、燃料タンクの開口を閉鎖している。
US5960816には、車両燃料タンクにおける様々な異なる取付け要求に適応可能な、燃料レベル応答式逃し弁アセンブリが記載されている。弁アセンブリは、フランジを有するトップカバーを含み、フランジを介してトップカバーはタンク燃料壁部の外面と接続可能である。これにより、トップカバーは、タンク燃料壁部に設けられなければならない開口を閉鎖する。弁アセンブリは、さらに、フロートが設けられた主弁体を有する。主弁体は、トップカバーに設けられた長手方向コネクタを介してトップカバーに接続されている。これにより、トップカバーに対する本体の可変の距離が実現可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の基礎となる課題は、異なる遮断高さを1つの弁ハウジングで達成することができ、本発明による逃しおよび/または吸気弁が取り付けられた作動流体リザーバが、満たされたまたはほぼ満たされた状態で熱にさらされたときに、存在するとしても著しく低減された燃料損失を生じる、作動流体リザーバ、例えば燃料リザーバまたはSCR流体リザーバ用の改良された逃しおよび/または吸気弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、この課題は、請求項1に示された特徴によって達成される。有利な実施の形態は従属請求項に示されている。
【0014】
より正確にいえば、本発明による逃しおよび/または吸気弁は、中空の弁ハウジングを有し、中空の弁ハウジングは、作動流体リザーバの内部に固定することができ、弁ハウジング内部と作動流体リザーバの内部との間の流体交換用の少なくとも1つの連通開口と、弁ハウジング内部と逃しラインとの間のガス交換用の逃し開口と、を有する。本発明による逃しおよび/または吸気弁は、さらに、弁ハウジング内部に配置された弁体を有する。作動流体リザーバにおける逃しおよび/または吸気弁の取り付けられた位置において、すなわち、逃しおよび/または吸気弁が作動流体リザーバに取り付けられているとき、作動流体リザーバ内の作動流体レベルが所定の遮断レベルよりも低いとき、弁体は逃し開口から離れており、その結果、弁ハウジング内部と逃しラインとは流体連通する。他方で、作動流体リザーバにおける逃しおよび/または吸気弁の取り付けられた位置において、弁体は、弁ハウジング内部における作動流体から持上げ作用を受け、これにより、作動流体リザーバの内部の作動流体レベルが遮断レベルよりも上方にあるときには、弁体が逃し開口を閉鎖し、その結果、弁ハウジング内部と逃しラインとは流体連通しない。逃しおよび/または吸気弁は、作動流体リザーバ壁部に固定することができるアダプタを備え、弁ハウジングを、アダプタが作動流体リザーバ壁部と弁ハウジングとの間に配置されるようにアダプタに固定することができることによって特徴付けられる。
【0015】
本発明による逃しおよび/または吸気弁は、1つの弁ハウジングのみを使用して、逃しおよび/または吸気弁が取り付けられた作動流体リザーバのために異なる遮断高さを達成することができるという利点を提供する。これは、遮断弁が遮断高さに直接的に関連しているため、それぞれを作動流体リザーバ壁部に接続することができる異なるアダプタを使用することにより、弁体が逃し開口を閉鎖する遮断レベルを、適切な形式で適応させることができるからである。遮断高さが大きくなるほど、遮断レベルは低くなる。
【0016】
さらに、異なる遮断高さを達成することができ、1つまたは複数の連通開口の位置は、遮断レベルに作動流体が達したにもかかわらず、作動流体レベルが連通開口の領域にあるように同時に選択することができる。その結果、作動流体リザーバが加熱されると、弁ハウジング内部と作動流体リザーバの内部との間のガス交換が引き続き可能である。作動流体リザーバの内部と弁ハウジング内部との間のガス交換のためにガスが弁ハウジング内の液体コラムを通って上昇しなくてもよいので、ガスは、液体の滴も一切引き込まず、したがって、液体が逃しラインに進入することはできない。本発明による逃しおよび/または吸気弁が取り付けられた燃料リザーバとして設計された作動流体リザーバの場合、前記リザーバは、結果として、満たされたまたはほぼ満たされた状態で燃料タンクが温暖な環境において停止させられ、これにより、燃料リザーバ内の燃料がかなりの程度まで蒸発させられたとしても、前記リザーバは、著しく低減された燃料損失を示す。
【0017】
本発明による逃しおよび/または吸気弁は、遮断弁と呼ぶこともできる。なぜならば、所定の作動流体レベルから、作動流体リザーバから環境へのガス交換を防止するように機能し、その結果、作動流体リザーバ内の圧力上昇を生じるように機能し、これにより、注入管に導入された作動流体のレベルが上昇し、これにより、充填プロセスを燃料ポンプノズルによって終了させることができるからである。
【0018】
フロートまたは浮揚エレメントとも呼ぶことができる弁体は、取り付けられた位置において鉛直方向に自由に移動することができる。
【0019】
アダプタは、例えば接着剤結合または溶接によって作動流体リザーバ壁部に固定することができる。代替的に、アダプタを掛止接続部によって作動流体リザーバ壁部に接続することができる。さらに、アダプタをリベット継手によって作動流体リザーバ壁部に接続することもできる。
【0020】
アダプタは、好適には第1の固定装置を有し、弁ハウジングは、好適には第2の固定装置を有する。第1の固定装置および第2の固定装置は、弁ハウジングを2つの固定装置によってアダプタに固定することができるように設計されている。
【0021】
第1の固定装置は、好適には掛止装置として設計されており、第2の固定装置は、好適には掛止開口として設計されている。代替的に、第1の固定装置を掛止開口として設計し、第2の固定装置を掛止装置として設計することもできる。
【0022】
これにより、弁ハウジングを単にアダプタに押し込むことによって弁ハウジングをアダプタに接続することができるので、アダプタへの弁ハウジングの迅速な固定が可能となる。
【0023】
しかしながら、代替的に、弁ハウジングをアダプタに接着剤結合または溶接することもできる。これは、弁ハウジングもアダプタも、特別な固定装置を有さなくてもよく、弁ハウジングとアダプタとの接続位置を決定する自由があるという利点を有する。その結果、異なる作動流体リザーバにおいて連続的な遮断高さを達成することができるが、1つの弁ハウジングを取り付けるだけでよい。その結果、作動流体リザーバ用の吸気システムを異なる弁ハウジングの異なる特性に適応させる必要はない。
【0024】
発明のその他の利点、詳細および特徴は、以下で説明される例示的な実施の形態から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1a】作動流体リザーバ壁部に固定された、逃し開口が弁体によって閉鎖されていない、従来技術より公知の、概略的に例示された遮断弁の断面図を示している。
図1b】逃し開口が弁体によって閉鎖されている、図1aに示された遮断弁を示している。
図2a】作動流体リザーバ壁部に固定された、逃し開口が弁体によって閉鎖されていない、従来技術より公知の、概略的に例示された立上り管式遮断弁の断面図を示している。
図2b】逃し開口が弁体によって閉鎖されている、図2aに示された立上り管式遮断弁を示している。
図3a】逃し開口が弁体によって閉鎖されていない、概略的に示された本発明による逃しおよび/または吸気弁の断面図を示している。
図3b】逃し開口が弁体によって閉鎖されている、図3aに示された逃しおよび/または吸気弁を示している。
図4】分解された状態の第1及び第2のアダプタを有する、概略的に示された本発明による逃しおよび/または吸気弁の断面図を示している。
図5a図4に示された逃しおよび/または吸気弁の弁ハウジングと第1のアダプタとが組み立てられたときに得られる、逃しおよび/または吸気弁の断面図を示している。
図5b図4に示された逃しおよび/または吸気弁の弁ハウジングと第2のアダプタとが組み立てられたときに得られる、逃しおよび/または吸気弁の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで以下に続く説明において、同じ参照符号は、同一の構成部材または同一の特徴を示し、したがって、1つの図面を参照して提供される1つの構成部材に関する説明は、他の図面にも当てはまり、説明の繰り返しを回避する。
【0027】
以下の図面では、さらに燃料リザーバおよび燃料リザーバ壁部について言及されるが、本発明は、より一般的に、例えばSCR流体リザーバの形式の流体リザーバに適用することができる。
【0028】
図1aおよび図1bのそれぞれにおいて、従来技術より公知の遮断弁が断面図で示されている。図1aにおける遮断弁は、作動流体リザーバの内部と環境との間のガス交換が可能な開放状態にあるのに対し、図1bにおける遮断弁は、作動流体リザーバの内部とその環境との間のガス交換が防止されている閉鎖状態で示されている。
【0029】
従来技術より公知の遮断弁は、例えば燃料リザーバ壁部1に固定された弁ハウジング10を有する。この固定は、弁ハウジング10を燃料リザーバ壁部1に溶接することによって達成することができる。例示された遮断弁において、弁ハウジング10は、弁ハウジング内部15と燃料リザーバ内部との間の流体交換のために設計された、3つの連通開口13を有する。弁ハウジング10は、さらに、弁座11に配置された、弁ハウジング内部15と逃しライン2との間のガス交換のために設計された逃し開口12を有する。
【0030】
弁ハウジング内部15には、弁ハウジング内部において鉛直方向に自由に移動することができる弁体20が配置されている。作動流体または燃料に沈められると、弁体20は対応する持上げ作用を受け、その結果、燃料レベルにしたがって弁ハウジング10における鉛直方向位置を変化させる。
【0031】
図1aにおいて、燃料レベル4が低いので、弁体20は逃し開口12から離れており、その結果、弁ハウジング内部15と逃しライン2とは互いに流体連通している。つまり、例えば加熱により燃料タンク内のガス圧が上昇すると、生じた過剰な圧力を、弁ハウジング10の側壁に配置された連通開口13と、逃し開口12とを通じて、逃しライン2へ放出することができる。
【0032】
図1bでは、燃料レベル4が、図1aに示された燃料レベルよりも高く、したがって、持上げ作用により弁体20が逃し開口12を閉鎖しており、その結果、弁ハウジング内部15と逃しライン2とはもはや互いに流体連通していない。燃料が燃料タンクへ導入されつづけると、連通開口13と逃し開口12とを通じて過剰圧力を逃しライン2へ平衡させることはもはや不可能である。したがって、燃料のさらなる導入は、注入管における燃料コラムの上昇につながり、注入管内の燃料コラムが燃料ポンプノズルにまで達すると、充填プロセスは自動的に中断される。
【0033】
他方で、燃料リザーバが満たされた状態またはほぼ満たされた状態で車両が停止させられ、燃料リザーバが加熱されると、燃料リザーバ内の燃料の一部は蒸発し、燃料リザーバの内部圧力を上昇させる。この加圧により、燃料リザーバは膨張し、したがって、燃料レベル4は再び低下する。燃料レベルが低下すると、弁体20も逃し開口12から離反し、燃料リザーバ内の過剰圧力を放散させることができる。
【0034】
図1aおよび図1bに示された遮断弁は、異なる遮断高さが必要な異なる燃料リザーバのために異なる遮断弁が使用されなければならないという欠点を有している。
【0035】
この問題を解決するために、“立上り管式遮断弁”が従来技術より公知であり、図2aおよび図2bに概略的に示されている。
【0036】
図2aおよび図2bに示された立上り管式遮断弁の場合、横方向連通開口13は、取り付けられた位置における所望の遮断高さSOHまで下降させられ、より低い作動流体レベルまたは燃料レベルで立上り管式遮断弁を閉鎖することができる。したがって、異なる遮断高さSOHのためには、それぞれの場合に異なる弁ハウジング10を備える異なる逃し弁または立上り管式遮断弁を使用する必要があり、弁ハウジング10の側壁における連通開口13の位置は、所望の遮断高さSOHに合致するように適応させられなければならない。
【0037】
立上り管式遮断弁の場合、燃料リザーバの充填の間、移動させられた燃料蒸気/空気混合物は、横方向連通開口13が燃料リザーバにおける燃料によって閉鎖されない限り、弁ハウジングの側壁に配置された連通開口13と、逃し開口12と、逃しライン2とを通じて、活性炭フィルタへ搬送することができる。したがって、このタイプの立上り管式遮断弁を備える遮断高さSOHは、燃料リザーバ内壁1と、横方向連通開口13の上縁部との間の距離である。燃料レベル4が遮断高さに達すると、燃料リザーバ内部と弁ハウジング内部15との間のガス交換はもはや不可能である。この状態が図2aに示されている。さらに燃料が導入されると、燃料は、燃料リザーバ内へ開口した注入管において上昇し、その結果、燃料リザーバ内の対応する圧力上昇を生じ、弁ハウジング10内の燃料コラム、ひいては弁体20もが、その浮力により上昇させられる。図2bに示したように、弁ハウジング10内の所定の燃料レベルから、弁体20は逃し開口12を閉鎖する。
【0038】
対応して設計された立上り管式弁を備える燃料リザーバを有する自動車が、燃料タンクが満たされたまたはほぼ満たされた状態(図2bにおける状態)で停止させられ、その後燃料タンクが加熱されると、燃料の蒸発によって生ぜしめられた過剰な圧力は、圧力リリーフ弁によって排出されるべきである。しかしながら、圧力リリーフ弁の開放圧力は注入管の高さに合致させられており、その結果、燃料リザーバはしばしば圧力リリーフ弁が開く前に膨張する。燃料タンクの膨張は燃料リザーバ内の燃料レベルを低下させ、その結果、横方向連通開口13の上側部分はもはや燃料によって閉鎖されなくなる。したがって、燃料リザーバの補償体積における燃料蒸気/空気混合物は、連通開口13の上側セクションを通って弁ハウジング内部15内へ拡散することができる。しかしながら、弁ハウジング内部15における燃料レベルは燃料リザーバ内部における燃料レベルよりも高いので、燃料蒸気/空気混合物は、気泡の状態で、弁ハウジング内部15において燃料コラムの表面へ上昇する。これは、燃料における気泡が燃料の有効密度を低下させるため、弁ハウジング内部15における弁体20に対する持上げ作用を低下させる。その結果、弁体10が下降し、したがって、もはや逃し開口12を閉鎖しない。
【0039】
燃料の表面へ上昇する気泡は、燃料の表面を通過するときに小さな滴の形式で燃料を引き込み、燃料も、逃し開口12の方向へ拡散し、逃し開口12を通って逃しライン2に進入し、逃しライン2を通って、活性炭フィルタへ到達する。温暖な環境に自動車が長期間停止させられると、燃料損失のこのプロセスは、逃しラインを通じて長期間継続する。これにより、比較的大量の燃料を、逃しおよび/または吸気システムを介して損失する可能性がある。
【0040】
遮断弁と呼ぶこともできる本発明による逃しおよび/または吸気弁が、図3aおよび図3bに断面図で示されている。図3aにおける遮断弁は、逃し開口12が弁体20によって閉鎖されていない状態で示されているのに対し、図3bには、遮断弁が、弁開口12が弁体20によって閉鎖された状態で示されている。遮断弁は、作動流体リザーバ壁部1に固定することができるアダプタ31,32を有する。図示された例示的な実施の形態では燃料リザーバ壁部1である作動流体リザーバ壁部1におけるこの固定は、例えば、接着部、溶接継手またはリベット継手によって達成することができる。代替的に、アダプタは、対応して設計された掛止装置によって燃料リザーバ壁部に接続することもできる。図3aおよび図3bから、アダプタ31,32が燃料リザーバ壁部1と弁ハウジング10との間に配置されるように弁ハウジング10がアダプタ31,32に固定されていることが分かる。
【0041】
弁ハウジング10をアダプタ31,32に固定するために、アダプタ31,32は、掛止突起34の形式の1つまたは複数の掛止装置34の形式の固定装置34を有し、弁ハウジング10は、掛止装置34の数に対応する数の掛止開口14の形式の第2の固定装置14を有している。弁ハウジング10をアダプタ31,32に押し込むことにより、掛止突起34が掛止開口14に掛止するまで、掛止突起34が弁ハウジング側壁を押し広げる。代替的に、弁ハウジング10を接着部または溶接継手によってアダプタ31,32に固定することもできる。代替的に、アダプタ31,32を弁ハウジング10に螺合させることもできる。アダプタ31,32をねじとして設計することも考えられる。こうすると、連続的に可変の適応が可能になる。
【0042】
図3aおよび図3bに示された遮断弁が作動する形式は、その他の点では、図1aおよび図1bに示された遮断弁と同じである。その結果、本発明による遮断弁は、燃料タンクが圧力にさらされたとき、図2aおよび図2bに示された立上り管式遮断弁を備える場合のように、燃料が液体形式で逃しライン2に進入する可能性があるという欠点を有さない。さらに、異なるアダプタ31,32は、異なる遮断高さSOHを達成することができ、その結果、異なる燃料リザーバのための異なる遮断高さを達成するために1つの弁ハウジング10しか必要でない。これは、遮断弁のストックを著しく簡単にする。なぜならば、異なる燃料リザーバのために、またはより一般的には異なる作動流体リザーバのために、異なる遮断弁を使用する必要がないからである。
【0043】
図4は、分解された状態における第1のアダプタ31および第2のアダプタ32を有する、本発明による逃しおよび/または吸気システムを断面図で示している。図4から、第1のアダプタ31の軸方向範囲が第2のアダプタ32の軸方向範囲よりも大きいことが分かる。
【0044】
図4に示された弁ハウジング10が、第1のアダプタ31と組み立てられ、その後、燃料リザーバ壁部1において燃料リザーバに取り付けられると、図5aに示された遮断弁が得られる。他方で、図4に示された弁ハウジングが第2のアダプタ32に接続されると、図5bに示された遮断弁が得られる。
【0045】
図5aに示された遮断弁では、第1のアダプタ31に対応する第1の遮断高さSOH1は、第2のアダプタ32に対応する第2の遮断高さSOH2よりも大きい。したがって、様々な遮断高さSOHを達成するために、それぞれが同じ弁ハウジング10に接続されなければならない異なるアダプタ31,32をストックしておけば十分である。
【符号の説明】
【0046】
1 作動流体リザーバ壁部/燃料リザーバ壁部
2 逃しライン
4 作動流体レベル/燃料レベル
10 弁ハウジング
11 弁座
12 逃し開口
13 連通開口
14 (弁ハウジングの)固定開口/掛止開口
15 弁ハウジング内部
20 弁体/浮揚エレメント/フロート
31 アダプタ/第1のアダプタ
32 アダプタ/第2のアダプタ
34 (アダプタの)固定装置/掛止装置/掛止突起
SOH 遮断高さ
SOH1 第1の遮断高さ
SOH2 第2の遮断高さ
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5a-5b】