【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な有機電子素子用基板は、基材フィルムとして、ポリイミドフィルムを含むことができる。前記ポリイミドフィルムは光散乱性の粒子を最小限に使用するか、使用せずにもヘイズを発生させることができる。したがって、前記ポリイミドは一般のヘイズプラスチックフィルム対比優秀な平滑度を表すことができ、有機電子装置において優秀な効果を発揮することができる。前記ポリイミドフィルムは、さらに必要に応じて自由に屈折率の調節が可能であり、目的に応じて、従来プラスチックフィルムでは実現することが困難であった高屈折率の実現も可能である。必要な場合に前記基板は前記基材フィルムと共に高屈折層を含むことができる。
【0008】
ポリイミドは通常、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物を縮合反応させてポリアミック酸を製造した後、そのアミック酸をイミド化反応させて製造する。したがって、本発明のポリイミド基材フィルムも前記二無水物とジアミン化合物の縮合単位(すなわち、ポリアミック酸単位)またはそのイミド化単位(すなわち、ポリイミド単位)を含むことができる。
【0009】
本発明ではポリイミド基材フィルムに含まれる前記単位を少なくとも2種にして、前述したヘイズおよび屈折率中の一つ以上を調節することができる。これに伴い、前記ポリイミド基材フィルムは第1テトラカルボン酸二無水物および第1ジアミン化合物の縮合単位またはそのイミド化単位である第1単位と、第2テトラカルボン酸二無水物および第2ジアミン化合物の縮合単位またはそのイミド化単位である第2単位と、を含むことができる。
【0010】
前記第1および第2単位は一つの高分子内に含まれているか、別途の高分子に含まれて基材フィルム内に存在することができる。すなわち、前記基材フィルムを前記第1単位と第2単位を含む共重合体を含むか、あるいは前記第1単位を含む重合体と前記第2単位を含む重合体を含むことができる。また、前記第1および第2単位はそれぞれ所定の高分子内に含まれる鎖であるか、あるいはそれ自体が高分子であり得る。
【0011】
ヘイズおよび屈折率中の一つ以上の調節のために、前記第1および第2単位は相異する物性を有することができる。例えば、前記第1および第2単位は相異する屈折率を有するものであり得る。本発明において用語、屈折率とは、特に規定しない限り、550nm波長の光に対して測定した屈折率である。例えば、前記第1および第2単位のそれぞれの屈折率の差の絶対値は0.01以上であり得る。他の例示においては、前記屈折率差の絶対値は約0.02以上、約0.03以上、約0.04以上、約0.05以上または約0.06以上であり得る。前記屈折率の差の絶対値は約0.2以下、約0.15以下、約0.1以下または約0.08以下であり得る。第1および第2単位の屈折率を前記の通りに調節する方式は特に制限されず、例えば各単位を構成する成分を選択して調節することができる。例えば後述するように、前記単位を形成する二無水物とジアミン化合物はそれぞれ芳香族、脂肪族または指環族二無水物またはジアミン化合物の中で選択され得るが、前記の中で通常、高い屈折率を付与するものとして知られている芳香族系列の化合物を選択すると、相対的に高い屈折率の単位を形成することができる。
【0012】
他の例示においては、前記第1および第2単位は相異する極性(polarity)を有するものであり得る。例えば、前記第1および第2単位のうちいずれか一つまたは二つは一つ以上の極性官能基を含むことができる。このような場合に第1単位に含まれる極性官能基のモル数と第2単位に含まれる極性官能基のモル数の差の絶対値が2以上であり得る。前記モル数の差の絶対値は他の例示においては、10以下、8以下、6以下または4以下であり得る。前記極性官能基は、前述した二無水物またはジアミン化合物に置換されていることもあり得る。適用され得る極性官能基の種類は特に制限されないが、フッ素または塩素のようなハロゲン原子、フッ素または塩素のようなハロゲンで置換されているハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアネート基またはチオシアネート基などが挙げられ、適用の便宜の側面からはハロゲン原子またはハロアルキル基を用いることができる。前記において、ハロアルキル基またはアルコキシ基は炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のハロアルキル基またはアルコキシ基であり得る。前記のような極性官能基で置換されている二無水物またはジアミン化合物は多様に公知されているか、通常の方式で合成することができる。
【0013】
前記の通りに第1および第2単位の屈折率または極性の差を利用してポリイミド基材フィルムのヘイズを均一に調節することができる。前記のような屈折率または極性の差を有する異種のポリイミドの混合物は、不透明なエマルジョンを形成することができ、このようなエマルジョンの不透明度はフィルムに転写されるものと思われる。したがって、エマルジョンを形成する成分の屈折率または極性の差を調節することによってポリイミドフィルムのヘイズを調節することができる。また、前記過程で屈折率が高い単位の比率を調節することによって、全体的なフィルムの屈折率も容易に調節することができる。このように従来の散乱性粒子を用いてヘイズを付与する方法ではない、高分子の単位自体を通してヘイズを付与することによって均一なヘイズと共に高分子の表面平滑度も優秀に維持できる利点がある。
【0014】
基材フィルム内で前記第1および第2単位の比率は特に制限されず、目的とする屈折率、ヘイズなどを考慮して調節することができる。例えば、基材フィルムは前記第2単位100重量部対比約3重量部〜100重量部、3重量部〜80重量部、3重量部〜60重量部、3重量部〜40重量部、3重量部〜20重量部または3重量部〜15重量部の前記第1単位を含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0015】
前記のような第1および第2単位を含むポリイミドを形成する二無水物やジアミン化合物の種類およびそれを用いて前記単位を形成する方式は特に制限されない。ポリイミド関連分野では、ポリイミドを合成することができる多様な二無水物またはジアミン化合物が知られていて、このような公知の成分の中で目的とする屈折率乃至は極性を考慮して適正な種類を選択して使用することができる。
【0016】
例えば、前記二無水物として用いることができる脂肪族、指環族または芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ペンタンテトラカルボン酸二無水物、ヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロプロパンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3、3'、4、4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3、4、9、10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4、4'-スルホニルジフタリックダイアンハイドライド、3、3'、4、4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1、2、5、6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2、3、6、7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1、4、5、8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2、3、5、6、-ピリジンテトラカルボン酸二無水物、m-ターフェニル-3、3'、4、4'-テトラカルボン酸二無水物、p-ターフェニル-3、3'、4、4'-テトラカルボン酸二無水物、4、4'-オキシジフタリックダイアンハイドライド、1、1、1、3、3、3-ヘキサフルオロ-2、2-ビス[(2、3または3、4-ジカルボキシフェノキシ)フェニルプロパンダイアンハイドライド、2、2-ビス[4-(2、3-または3、4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパンダイアンハイドライド、または1、1、1、3、3、3-ヘキサフルオロ-2、2-ビス[4-(2、3-または4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパンダイアンハイドライドなどが挙げられ、前記ジアミン化合物として用いることができる芳香族、脂肪族または指環族ジアミン化合物としては、p-フェニレンジアミン(PDA)、m-フェニレンジアミン(m-PDA)、2、4、6-トリメチル-1、3-フェニレンジアミン、2、3、5、6-テトラメチル-1、4-フェニレンジアミン、4、4'-ジアミノジフェニルエーテル、3、4'-ジアミノジフェニルエーテル、3、3'-ジアミノジフェニルエーテル、4、4'-ジアミノジフェニルスルフィド、4、4'-ジアミノジフェニルメタン、3、4'-ジアミノジフェニルメタン、3、3'-ジアミノジフェニルメタン、4、4'-メチレン-ビス(2-メチルアニリン)、4、4'-メチレン-ビス(2、6-ジメチルアニリン)、4、4'-メチレン-ビス(2、6-ジメチルアニリン)、4、4'-メチレン-ビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)、4、4'-メチレン-ビス(2、6-ジイソプロピルアニリンン)、4、4'-ジアミノジフェニルスルホン、3、3'-ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、o-トリジン、m-トリジン、3、3'、5、5'-テトラメチルベンジジン、2、2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、1、4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1、3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1、3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2、2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2、2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2、2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-フェニル]プロパン(6HMDA)、2、2'-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジジン(2、2'-bis(trifluoromethyl)benzidine、TFMB)、3、3'-ビス(トリフルオロメチル)-4、4'-ジアミノビフェニル(3、3'-TFDB)、4、4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン(DBSDA)、ビス(3-アミノフェニル)スルホン(3DDS)、ビス(4-アミノフェニル)スルホン(4DDS)、1、3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB-133)、1、4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB-134)、2、2'-ビス[3(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(3-BDAF)、2、2'-ビス[4(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(4-BDAF)、2、2'-ビス(3-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(3、3'-6F)、2、2'-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(4、4'-6F)または4、4'-オキシジアニリン(4、4'-oxydianiline、ODA)などの芳香族ジアミン;または1、6-ヘキサンジアミン、1、4-シクロヘキサンジアミン、1、3-シクロヘキサンジアミン、1、4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1、3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4、4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4、4'-ジアミノ-3、3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン、4、4'-ジアミノ-3、3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン、1、2-ビス-(2-アミノエトキシ)エタン、ビス(3-アミノプロピル)エーテル、1、4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、3、9-ビス(3-アミノプロピル)-2、4、8、10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカン、または1、3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどの脂肪族ジアミンなどが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0017】
前記のような基材フィルムは透光性フィルムであり得る。本明細書において用語、透光性フィルムは、例えば、可視光領域のうちいずれか一つの光または全可視光領域の光に対する透過率が50%以上、60%以上、70%以上または80%以上であるフィルムを意味し得る。
【0018】
前記基材フィルムのヘイズは必要に応じて調節することができ、例えば、約3%〜90%の範囲内で調節され得る。本発明において用語、ヘイズは、Haze Meter HM-150などの機器を用いてASTM D1003にしたがって測定した範囲であり得る。前記において、ヘイズの他の下限は、例えば、5%または10%程度であり得る。また、ヘイズの他の上限は、例えば、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%または30%程度であり得る。前述した通り、本発明では基材フィルムの高分子の単位の選択を通してヘイズを付与することができ、したがって、前記基材フィルムはいわゆる散乱性粒子を含まないか、最小量で含むことができる。本発明において用語、散乱性粒子は周辺マトリックスとは異なる屈折率を有し、また、入射光の波長にしたがって前記入射光を散乱させることができるほどの平均粒径を有する粒子を意味し得る。本発明の基材フィルムは前記のような散乱性粒子を基材フィルム全体重量対比約10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、4重量%以下、2重量%以下または1重量%以下で含むか、実質的に含まないこともある。
【0019】
基材フィルムは熱膨張係数(CTE)が約5ppm/℃〜70ppm/℃の範囲内であり得る。このような範囲は有機物層と無機物層が混在されている構造で発生し得る層間剥離などの欠陥の防止に有利となり得る。
【0020】
基材フィルムはガラス転移温度が約200℃以上であり得る。このようなガラス転移温度は基材フィルム自体のガラス転移温度や、後述するバッファー層が形成されている基材フィルムのガラス転移温度であり得る。このような範囲は有機電子装置の製造過程における蒸着またはパターンのための高温工程に適合し得る。ガラス転移温度は、他の例示においては、約210℃以上、約220℃以上、約230℃以上、約240℃以上または約250℃以上であり得る。ガラス転移温度の上限は特に制限されず、例えば、400℃、350℃または300℃程度であり得る。
【0021】
基材フィルムは表面粗さ(RMS、Root Mean Square)が約0.1nm〜5nmの範囲内に調節され得る。このような表面粗さは基材フィルム自体の表面に対するものであるか、後述するバッファー層が形成されている基材フィルムの前記バッファー層の表面に対するものであり得る。このような表面粗さの範囲は上部に形成される層の性能の改善に有利となり得る。例えば、バリア性を有する無機物層などを前記基材フィルムに形成する場合に前記範囲の表面粗さを有する表面に前記無機物層を形成すると、より優れた水分遮断性などを有する層を形成することができる。表面粗さは、他の例示においては、約4nm以下、約3nm以下、約2.5nm以下または約2nm以下であり得る。
【0022】
基材フィルムは、屈折率が約1.5以上、約1.6以上、約1.7以上、約1.75以上または約1.8以上であり得る。有機発光装置で基材フィルムの前記屈折率の範囲は装置の光効率を高めるときに有利となり得る。基材フィルムの屈折率の上限は特に制限されず、例えば、約2.0程度であり得る。このような基材フィルムの高い屈折率は前述した通り、前記フィルムを構成する単位の選択を通して調節するか、必要な場合に高い屈折率を有する成分を適正量配合して達成することができる。
【0023】
基材フィルムの厚さは特に制限されず、目的とする性能、例えば、可撓性や光抽出効率またはバリア性を考慮して適正範囲で選択できる。例えば、基材フィルムの厚さは約10μm〜約50μmの範囲内または約20μm〜約30μmの範囲内であり得る。
【0024】
基板は、必要な場合に前記基材フィルム上に形成された高屈折層をさらに含むことができる。本明細書において用語、高屈折層とは、550nmの波長に対する屈折率が1.7以上、1.8以上、1.85以上または1.9以上である層を意味し得る。前記高屈折層の屈折率の上限は例えば約2.0程度であり得る。前記で記述したことのような基材フィルムの上部に前記のような高屈折層を形成することによって、目的とする性能、例えば、光抽出効率を改善することができる。
【0025】
高屈折層は、例えば、バインダーと共に高屈折粒子を含むことができる。例えば、高屈折粒子をバインダーと混合した組成物を用いて高屈折層を形成することができる。前記において、バインダーとしては特に制限されることなく、公知の素材を用いることができる。バインダーとしては、例えば、この分野で公知された多様な有機バインダー、無機バインダーまたは有無機バインダーを用いることができる。素子の寿命や製作過程で遂行する高温工程、フォト工程や蝕刻工程に対する抵抗性が優秀であるという点を考慮して耐熱性と耐化学性が優秀な有機バインダー、無機バインダーまたは有無機バインダーを選択して用いることができる。バインダーは、例えば、約1.4以上、約1.45以上、約1.5以上、約1.6以上、約1.65以上または約1.7以上の屈折率を有することができる。バインダーの屈折率の上限は、一緒に配合される粒子の屈折率などを考慮して前記高屈折層の屈折率を満足させることができる範囲で選択され得る。バインダーとしては、例えば、ポリイミド、ポリアミック酸、フルオレン環を有するカルド系樹脂(caldo resin)、ウレタン、エポキシド、ポリエステルまたはアクリレート系列の熱または光硬化性の単量体性、オリゴマー性または高分子性有機材料や酸化ケイ素、窒化ケイ素(silicon nitride)、オキシ窒化ケイ素(silicon oxynitride)、エポキシ樹脂またはポリシロキサンなどの無機材料または有無機複合材料などが挙げられる。
【0026】
高屈折層は、高屈折粒子をさらに含むことができる。本発明において用語、「高屈折粒子」とは、例えば、屈折率が1.8以上、2.0以上、2.2以上、2.5以上、2.6以上または2.7以上である粒子を意味し得る。高屈折粒子の屈折率の上限は、例えば、一緒に配合されるバインダーなどの屈折率などを考慮して前記高屈折層の屈折率を満足させることができる範囲で選択され得る。高屈折粒子は、例えば、1nm〜100nm、10nm〜90nm、10nm〜80nm、10nm〜70nm、10nm〜60nm、10nm〜50nmまたは10nm〜45nm程度の平均粒径を有することができる。高屈折粒子としては、例えば、アルミナ、アルミノシリケート、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムなどが挙げられる。高屈折粒子としては、例えば、屈折率が2.5以上である粒子として、ルチル型酸化チタンを用いることができる。ルチル型の酸化チタンはその他の粒子に比べて高い屈折率を有しており、したがって相対的に少ない比率でも目的とする屈折率への調節が可能である。高屈折層内での高屈折粒子の比率は、特に制限されず、前述した高屈折層の屈折率が確保できる範囲内で調節され得る。
【0027】
基材フィルム上には無機物層が存在することができ、場合によっては前記無機物層が前述した高屈折層として作用し得る。本明細書において用語、無機物層とは、重量を基準として無機物を50%以上または60%含む層であり得る。無機物層は、無機物だけを含むか、前記範囲内で無機物を含むのであれば有機物のような他の成分を含むこともできる。
【0028】
無機物層は、例えば、バリア層であり得る。本明細書において用語、バリア層は、水分または湿気のように有機物層などの素子の性能に悪影響を及ぼし得る外部因子の浸透を遮断、抑制または緩和できる層であり得る。例えば、バリア層は、WVTR(water vapor transmission rate、WVTR)が10
-4g/m
2/day以下である層であり得る。本明細書でWVTRは、40℃および90%相対湿度条件で測定機(例えば、PERMATRAN-W3/31、MOCON、Inc.)を用いて測定される数値であり得る。
【0029】
バリア層は水分および酸素などの外部因子の浸透を緩和、防止または抑制できるものとして知られた素材を用いて形成することができる。このような素材としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、TiおよびNiなどの金属;TiO、TiO
2、Ti
3O
3、Al
2O
3、MgO、SiO、SiO
2、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe
2O
3、Y
2O
3、ZrO
2、Nb
2O
3および、CeO
2およびなどの金属酸化物;SiNなどの金属窒化物;SiONなどの金属酸窒化物;またはMgF
2、LiF、AlF
3およびCaF
2などの金属フッ化物などやその他、吸収率1%以上である吸水性材料や吸収係数0.1%以下である防湿性材料などとして知られた材料が含まれ得る。
【0030】
無機物層は、例えば、低い結晶化度を有するか実質的に非結晶性であり得る。無機物層を一般の蒸着方式で形成する場合に材料の属性上、結晶化が進行される可能性が高く、これにより、前記に記載された結晶化度を満足させることは容易ではない。ところが、後述するように形成される無機物層を金属酸化物のような酸化物層にする方式、薄い厚さの層を複数回繰返し形成させる方式、前記複数回繰返し形成時に隣接する各サブ層の材料を異ならせて制御する方式および前記各サブ層の材料をそれぞれ相異ならせるものの、各サブ層がすべて金属酸化物のような酸化物層となるようにする方式のうちいずれか一つの方式を採用することによって、前記言及した結晶化度を満足させる無機物層を形成することができる。
【0031】
無機物層は基材フィルムとの屈折率の差ができる限り小さい方が好ましい。このような場合には、特に光抽出効率が優秀な基板を形成することに寄与することができる。例えば、無機物層と基材フィルムとの屈折率の差の絶対値は、約1以下、約0.7以下、約0.5以下または約0.3以下であり得る。したがって、基材フィルムが前述の通り、高い屈折率を有する場合には無機物層にもそれと同等な水準の屈折率が確保されなければならない。例えば、無機物層の屈折率は、約1.5以上、約1.6以上、約1.7以上または約1.75以上であり得る。本発明の基板が適用される有機電子装置が有機発光装置の場合、基材フィルムの前記屈折率の範囲は装置の光効率を高めるときに有利となり得る。無機物層の屈折率の上限は特に制限されず、例えば、約2.0程度であり得る。
【0032】
無機物層の厚さは目的、用途による効果によって決定することができ、その範囲は特に制限されないが、一実施例において、約10nm〜100nm、10nm〜90nm、10nm〜80nm、10nm〜70nm、10nm〜60nm、10nm〜50nmまたは20nm〜50nmの範囲内であり得る。
【0033】
無機物層は単層または多層構造であり得るが、前述のような結晶化度を満足させるために多層構造であることが要求され得る。多層構造は、同種または異種の無機物層が積層された構造を含むことができる。無機物層を多層構造に形成することは、前述した界面密着性を有し、前記言及した結晶化度を有する無機物層の形成に寄与することができる。また、多層構造に無機物層を形成することは、前述した屈折率を有する無機物層の形成にも寄与することができる。
【0034】
多層構造の場合に無機物層は、少なくとも第1サブ層と第2サブ層の積層構造を含むことができる。無機物層に要求される界面密着性、結晶化度、バリア性乃至は屈折率などを考慮して第1および第2サブ層の厚さが調節され得る。例えば、第1および第2サブ層の厚さは両方とも7nm以下、6nm以下、5nm以下、4nm以下、3nm以下または2nm以下の範囲で調節され得る。サブ層の厚さの下限は特に制限されない。前記サブ層はその厚さが薄いほど界面密着性、結晶化度、バリア性および屈折率調節などに対する寄与度が増加するが、前記サブ層の厚さが薄くなると、目的の厚さに到達するために必要な工程数が増加する恐れがある。したがって、前記サブ層の厚さの下限は目的とする厚さなどを考慮して適正範囲に設定することができ、例えば、約0.1nm以上の範囲で調節され得る。
【0035】
界面密着性、結晶化度、バリア性および屈折率などを考慮して、多層構造の無機物層に含まれるすべてのサブ層の厚さは前記範囲内で調節され得る。このような場合に無機物層は厚さが10nm、9nm、8nm、7nm、6nmまたは5nmを超過するサブ層は含まないこともある。
【0036】
無機物層内に含まれるサブ層の数は特に制限されない。前記はサブ層の厚さと目的とする無機物層の厚さにより決定され得る。一実施例において、前記無機物層は、2個〜50個のサブ層を含むことができる。前記範囲において、サブ層は4個以上、6個以上、8個以上または10個以上含まれ得る。また、前記範囲内でサブ層は45個以下、40個以下、35個以下、30個以下、25個以下、20個以下または15個以下で含まれ得る。無機物層が3つ以上のサブ層を含む場合に、各サブ層はすべて前記第1または第2サブ層の場合もあり、それ以外に第3サブ層またはそれ以上のサブ層も含まれ得る。
【0037】
サブ層は多様な材料で形成することができるが、界面密着性、結晶化度、バリア性および屈折率などに寄与する側面から多様な金属または非金属の酸化物、窒化物または酸窒化物などで形成することができる。したがって、前記第1および第2サブ層は酸化物層、窒化物層または酸窒化物層であり得る。必要であれば、無機物層に含まれるすべてのサブ層は前記酸化物で形成され得る。このような場合に使用できる酸化物の種類は特に制限されず、前記言及したバリア層の形成が可能な酸化物のうち適宜選択できる。サブ層中で互いに接触しているサブ層はそれぞれ異なる材料で形成した方が界面密着性、結晶化度、バリア性および屈折率などに寄与することができる。したがって、前記第1および第2サブ層が互いに接触しているのであれば、前記はそれぞれ異なる材料、例えば、相異なる酸化物、窒化物または酸窒化物で形成され得る。無機物層が前記した通り第3サブ層、第4サブ層またはそれ以上のサブ層を含む場合にも互いに接触しているサブ層は相異なる材料、例えば異なる酸化物で形成した方が有利となり得る。
【0038】
第1サブ層は第1屈折率を有し、第2サブ層は前記第1屈折率とは異なる第2屈折率を有することができる。このような層を積層すると、前述した効果を確保しながらも無機物層の屈折率を前記言及した範囲で調節するのに有利となり得る。第1屈折率と第2屈折率の差の絶対値は、例えば、0.1以上であり得る。前記絶対値は他の例示においては、0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上または0.6以上であり得る。また、前記絶対値は他の例示においては、2以下、1.8以下、1.6以下、1.4以下または1.2以下の範囲内であり得る。第1および第2屈折率それぞれの範囲は前記屈折率の範囲が確保されるのであれば特に制限されないが、例えば第1サブ層の屈折率は、1.4〜1.9の範囲内、第2サブ層の屈折率は2.0〜2.6の範囲内であり得る。前記のような第1および第2サブ層は、それぞれ金属酸化物層であり得る。例えば、前記第1サブ層の適合素材としては、Al
2O
3などがあり、第2サブ層の適合素材としてはTiO
2などがあるが、それぞれ前述した屈折率を有しつつ、最終的な積層構造がバリア性を有することができるのであれば、この他にも多様な素材を適用することができる。
【0039】
無機物層または各サブ層は、公知の方式を通して形成することができるが、界面密着性の確保などの観点からALD(Atomic Layer Deposition)方式で形成した方が有利である。ALD方式は、例えば、有機金属のような前駆体と水のような前駆体を交互に被着表面上に蒸着させる過程を含み、この過程で前記前駆体の単層(monolayer)が交互に形成されながら相互反応して無機物層が形成され得る。このようなALD方式によって形成される層は、基材フィルムに所定官能基、例えば、前述したヒドロキシ基などが存在する場合には、その官能基と形成過程において反応することができ、これによって、目的とする界面密着性が確保され得る。本明細書において特に規定しない限り、用語ALD層はALD方式で形成された無機物層を意味し得る。
【0040】
ALD方式の他に適用することができる無機物層またはサブ層の形成方式としては、スパッタリング(sputtering)、PLD(Pulsed Laser Deposition)、電子ビーム蒸着(Electron beam evaporation)、熱蒸着(thermal evaporation)またはL-MBE(Laser Molecular Beam Epitaxy)などのようなPVD(physical Vapor Deposition)またはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)、iCVD(initiated chemical vapor deposition)またはPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)などのCVD(Chemical Vapor Deposition)などの方式が挙げられる。必要な場合に前記方式の中で使用素材に応じて適切な方式を選択することによって無機物層の性能を極大化することができる。
【0041】
本発明の基板は、追加の層を含むことができる。例えば、本発明の基板は前述した無機物層と基材フィルム間の界面密着性の達成のために無機物層と基材フィルムの間にバッファー層をさらに含むことができる。ただし、バッファー層は必須の構成ではなく、例えば、界面密着性が達成されるのであれば前記バッファー層は要求されないこともある。
【0042】
本発明の基板はさらに、追加の層として、前記無機物層上に存在する電極層を含むことができる。
【0043】
電極層としては、有機電子装置で通常、用いられる正孔注入性または電子注入性電極層を用いることができる。前記電極層は透明電極層であるか反射電極層であり得る。
【0044】
正孔注入性である電極層は、例えば、相対的に高い仕事関数(work function)を有する材料を用いて形成することができ、必要な場合に透明または反射材料を用いて形成することができる。例えば、正孔注入性電極層は、仕事関数が約4.0eV以上の金属、合金、電気伝導性化合物または前記のうち2種以上の混合物を含むことができる。このような材料としては、金などの金属、CuI、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZTO(Zinc Tin Oxide)、アルミニウムまたはインジウムがドープされた亜鉛オキシド、マグネシウムインジウムオキシド、ニッケルタングステンオキシド、ZnO、SnO
2またはIn
2O
3などの酸化物材料や、ガリウムニトライドのような金属ニトライド、亜鉛セレニドなどのような金属セレニド、亜鉛スルフィドのような金属スルフィドなどが挙げられる。透明な正孔注入性電極層は、また、Au、AgまたはCuなどの金属薄膜とZnS、TiO
2またはITOなどのような高屈折の透明物質の積層体などを用いても形成することができる。
【0045】
正孔注入性電極層は、蒸着、スパッタリング、化学蒸着または電気化学的手段などの任意の手段で形成され得る。また、必要に応じて形成された電極層は公知されたフォトリソグラフィやシャドーマスクなどを用いた工程を通してパターン化されることもある。
【0046】
電子注入性電極層は、例えば、相対的に小さい仕事関数を有する材料を用いて形成することができ、例えば、前記正孔注入性電極層の形成のために用いられる素材の中で適切な透明または反射素材を用いて形成することができるが、これに制限されるものではない。電子注入性電極層も、例えば、蒸着法またはスパッタリング法などを用いて形成することができ、必要な場合に適切にパターニングされ得る。
【0047】
電極層の厚さは、例えば、約90nm〜200nm、90nm〜180nmまたは約90nm〜150nm程度の厚さを有するように形成され得る。
【0048】
本発明はさらに有機電子装置に関するものである。前記有機電子装置は、前述した有機電子素子用基板;および前記基板の無機物層上に存在する第1電極層、有機物層および第2電極層を有する素子領域を含むことができる。有機電子素子用基板が前述した電極層を含む場合には前記電極層が前記第1電極層として作用することもある。
【0049】
例示的な有機電子装置は、上部方向に順次存在する前記基材フィルムと無機物層を含む前記基板、第1電極層、有機物層、第2電極層、第2無機物層およびカバーフィルムを含むことができる。前記各層は隣接する層との間に他の層が存在していない状態で直接積層されているか、あるいは他の層を媒介に積層されていることもあり得る。
【0050】
本明細書において用語、上部方向とは、特に規定しない限り、第1電極層から第2電極層に向かった方向を意味し、用語、下部方向とは、特に規定しない限り、第2電極層から第1電極層に向かった方向を意味する。
【0051】
以下、明細書においては、説明の便宜を図るために、前記構造において第1電極層の下部に存在するすべての要素(第1電極層を除く)を含む領域を基板領域、第1電極層と第2電極層およびその間に存在するすべての要素を含む領域を素子領域とし、第2電極層の上部に存在するすべての要素(第2電極層を除く)を含む領域を上部領域とする。
【0052】
基板領域は、前記言及した基材フィルムなどにさらに他の層を含むことができる。基板領域に追加的に存在できる層としては、キャリア基板、バリアフィルムまたは接着層などが挙げられる
【0053】
基板領域に含まれ得る他の層としては、バリアフィルムが挙げられる。ガラス基板などのように材料属性上、バリア性の優秀な基板が用いられるリジッド構造に比べて、フレキシブル構造ではバリア性が相対的に低い基材フィルムが適用され、これによってバリア性の補完のために追加のバリアフィルムが、例えば基材フィルムの下部に存在し得る。バリアフィルムとしては特に制限されず、適切なバリア性と必要な場合に透光性を確保できるものを用いることができる。
【0054】
バリアフィルムは例えば、接着層によって基材フィルムに付着していることができる。この時バリアフィルムは、基材フィルムの前記無機物層が形成される面とは反対面に付着され得る。本明細書において用語、接着層とは、通常、接着剤として呼称されている物質はもちろん、いわゆる粘着剤として呼称される素材または粘接着剤として呼称される素材などを用いて形成された層も包括する用語である。前記接着層を形成する素材は特に制限されず、例えば、アクリルポリマー、シリコンポリマー、ゴム系ポリマー、EVA(Ethylene vinyl acetate)ポリマーまたはPIB(polyisobutylene)などのようなオレフィンポリマーなどのような公知の粘/接着素材を用いて形成することができる。
【0055】
接着層には適切な水分遮断素材が配合され得る。以下、本明細書において水分遮断素材が配合された接着層は遮断性接着層と呼称され得る。本明細書において用語、「水分遮断素材」は物理的または化学的反応などを通して、外部から流入する水分または湿気などを吸着または除去することができる成分を総称する意味で使用され得る。接着層に配合され得る水分遮断素材の具体的な種類は特に制限されず、例えば、金属酸化物、有機金属酸化物、金属塩または五酸化燐(P
2O
5)などの一種または2種以上の混合物が挙げられる。前記において、金属酸化物の具体的な例としては、酸化リチウム(Li
2O)、酸化ナトリウム(Na
2O)、酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)または酸化マグネシウム(MgO)などが挙げられ、金属塩の例としては、硫酸リチウム(Li
2SO
4)、硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)、硫酸カルシウム(CaSO
4)、硫酸マグネシウム(MgSO
4)、硫酸コバルト(CoSO
4)、硫酸ガリウム(Ga
2(SO
4)
3)、硫酸チタン(Ti(SO
4)
2)または硫酸ニッケル(NiSO
4)などのような硫酸塩、塩化カルシウム(CaCl
2)、塩化マグネシウム(MgCl
2)、塩化ストロンチウム(SrCl
2)、塩化イットリウム(YCl
3)、塩化銅(CuCl
2)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化タンタリウム(TaF
5)、フッ化ニオブ(NbF
5)、臭化リチウム(LiBr)、臭化カルシウム(CaBr
2)、臭化セシウム(CeBr
3)、臭化セレニウム(SeBr
4)、臭化バナジウム(VBr
3)、臭化マグネシウム(MgBr
2)、ヨード化バリウム(BaI
2)またはヨード化マグネシウム(MgI
2)などのような金属ハロゲン化物;または過塩素酸バリウム(Ba(ClO
4)
2)または過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO
4)
2)などのような金属塩素酸塩などが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0056】
接着層には適切な散乱粒子が配合されていることがあり、これにより、接着層自体が適切なヘイズを表すこともできる。接着層にヘイズを表すようにする場合には光抽出効率が改善され得る。接着層に配合され得る散乱粒子の種類は特に制限されず、接着層を形成する樹脂の屈折率を考慮して前記散乱層に含まれる散乱粒子の中で適切な種類を選択して使用することができる。
【0057】
基板領域に存在できる他の層としては、さらに前記基材フィルムの下部に一時的または永久的に付着していることができるキャリア基板が挙げられる。通常キャリア基板にはガラス基板のような剛性基板が適用され得る。
【0058】
基板領域は、多様な構造で形成され得る。例えば、基板領域は、下部方向に前記無機物層と基材フィルムが順次形成された構造、前記無機物層と基材フィルムの間に前述したバッファー層または散乱層が形成されている構造、前記基材フィルムの下部にキャリアフィルムまたはバリアフィルムが必要であれば接着剤層によって付着している構造などを有することができる。
【0059】
第1および第2電極層の間には有機物層が存在する。前記有機物層は少なくとも1個または2個以上の発光ユニットを含むことができる。このような構造において、発光ユニットから発生した光は反射電極層によって反射する過程などを経て透明電極層側に放出され得る。
【0060】
発光ユニットが2個以上存在する場合には、適切な発光のために、前記複数の発光ユニットの間に中間電極層または電荷発生層がさらに存在することができる。したがって発光ユニットは電荷発生特性を有する中間電極層や電荷発生層(CGL;Charge Generating Layer)などによって分割されている構造を有することもできる。
【0061】
発光ユニットを構成する材料は特に制限されない。業界では多様な発光中心波長を有する蛍光または燐光有機材料が公知されていて、このような公知材料の中で適切な種類を選択して前記発光ユニットを形成することができる。発光ユニットの材料としては、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)(tris(4-methyl-8-quinolinolate)aluminum(III))(Alg3)、4-MAlq3またはGaq3などのAlq系列の材料、C-545T(C
26H
26N
2O
2S)、DSA-アミン、TBSA、BTP、PAP-NPA、スピロ-FPA、Ph
3Si(PhTDAOXD)、PPCP(1、2、3、4、5-pentaphenyl-1、3-cyclopentadiene)などのようなシクロペナジエン(cyclopenadiene)誘導体、DPVBi(4、4'-bis(2、2'-diphenylyinyl)-1、1'-biphenyl)、ジスチリルベンゼンまたはその誘導体またはDCJTB(4-(Dicyanomethylene)-2-tert-butyl-6-(1、1、7、7、-tetramethyljulolidyl-9-enyl)-4H-pyran)、DDP、AAAP、NPAMLI、;またはFirpic、m-Firpic、N-Firpic、bon
2Ir(acac)、(C
6)
2Ir(acac)、bt
2Ir(acac)、dp
2Ir(acac)、bzq
2Ir(acac)、bo
2Ir(acac)、F
2Ir(bpy)、F
2Ir(acac)、op
2Ir(acac)、ppy
2Ir(acac)、tpy
2Ir(acac)、FIrppy(fac-tris[2-(4、5'-difluorophenyl)pyridine-C'2、N] iridium(III))またはBtp
2Ir(acac)(bis(2-(2'-benzo[4、5-a]thienyl)pyridinato-N、C3') iridium(acetylactonate))などのような燐光材料などが挙げられるが、これに制限されるものではない。発光ユニットは、前記材料をホスト(host)として含み、またペリレン(perylene)、ジスチリルビフェニル(distyrylbiphenyl)、DPT、キナクリドン(quinacridone)、ルブレン(rubrene)、BTX、ABTXまたはDCJTBなどをドーパントで含むホスト-ドーパントシステム(Host-Dopant system)を有することもできる。
【0062】
発光ユニットはさらに後述する電子受容性有機化合物または電子供与性有機化合物の中で発光特性を表す種類を適切に採用して形成することもできる。
【0063】
有機物層は、発光ユニットを含む限り、当該分野に公知された他の多様な機能性層をさらに含む多様な構造で形成され得る。有機物層に含まれ得る層としては、電子注入層、正孔阻止層、電子輸送層、正孔輸送層および正孔注入層などが挙げられる。
【0064】
電子注入層または電子輸送層は、例えば、電子受容性有機化合物(electron accepting organic compound)を用いて形成することができる。前記において、電子受容性有機化合物としては、特に制限されず、公知された任意の化合物を用いることができる。このような有機化合物としては、p-ターフェニル(p-terphenyl)またはクオターフェニル(quaterphenyl)などのような多環化合物またはその誘導体、ナフタレン(naphthalene)、テトラセン(tetracene)、ピレン(pyrene)、コロネン(coronene)、クリセン(chrysene)、アントラセン(anthracene)、ジフェニルアントラセン(diphenylanthracene)、ナフタセン(naphthacene)またはフェナントレン(phenanthrene)などのような多環炭化水素化合物またはその誘導体、フェナントロリン(phenanthroline)、バソフェナントロリン(bathophenanthroline)、フェナントリジン(phenanthridine)、アクリジン(acridine)、キノリン(quinoline)、キノキサリン(quinoxaline)またはフェナジン(phenazine)などの複素還化合物またはその誘導体などが挙げられる。また、フルオレセイン(fluoroceine)、ペリレン(perylene)、フタロペリレン(phthaloperylene)、ナフタロペリレン(naphthaloperylene)、ペリノン(perynone)、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン(diphenylbutadiene)、テトラフェニルブタジエン(tetraphenylbutadiene)、オキサジアゾール(oxadiazole)、アルダジン(aldazine)、ビスベンゾオキサゾリン(bisbenzoxazoline)、ピススチリル(bisstyryl)、ピラジン(pyrazine)、シクロペンタジエン(cyclopentadiene)、オキシン(oxine)、アミノキノリン(aminoquinoline)、イミン(imine)、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール(diaminocarbazole)、ピラン(pyrane)、チオピラン(thiopyrane)、ポリメチン(polymethine)、メロシアニン(merocyanine)、キナクリドン(quinacridone)またはルブレン(rubrene)などやその誘導体、日本特許公開第1988-295695号、日本特許公開第1996-22557号、日本特許公開第1996-81472号、日本特許公開第1993-009470号または日本特許公開第1993-017764号などの公報で開示する金属キレート錯体化合物、例えば、金属キレート化オキサノイド化合物であるトリス(8-キノリノラト)アルミニウム[tris(8-quinolinolato)aluminium]、ビス(8-キノリノラト)マグネシウム、ビス[ベンゾ(エフ)-8-キノリノラト]亜鉛{bis[benzo(f)-8-quinolinolato]zinc}、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム、トリス(8-キノリノラト)インジウム[tris(8-quinolinolato)indium]、トリス(5-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム、8-キノリノラトリチウム、トリス(5-クロロ-8-キノリノラト)ガリウム、ビス(5-クロロ-8-キノリノラト)カルシウムなどの8-キノリノラトまたはその誘導体をコーディネーターとして一つ以上有する金属錯体、日本特許公開第1993-202011号、日本特許公開第1995-179394号、日本特許公開第1995-278124号または日本特許公開第1995-228579号などの公報に開示されたオキサジアゾール(oxadiazole)化合物、日本特許公開第1995-157473号公報などに開示されたトリアジン(triazine)化合物、日本特許公開第1994-203963号公報などに開示されたスチルベン(stilbene)誘導体や、ジスチリルアリーレン(distyrylarylene)誘導体、日本特許公開第1994-132080号または日本特許公開第1994-88072号公報などに開示されたスチリル誘導体、日本特許公開第1994-100857号や日本特許公開第1994-207170号公報などに開示されたジオレフィン誘導体;ベンゾオキサソール(benzooxazole)化合物、ベンゾチアゾール(benzothiazole)
化合物またはベンゾイミダゾール(benzoimidazole)化合物などの蛍光増白剤;1、4-ビス(2-メチルスチリル)ベンゼン、1、4-ビス(3-メチルスチリル)ベンゼン、1、4-ビス(4-メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1、4-ビス(2-エチルスチリル)ベンジル、1、4-ビス(3-エチルスチリル)ベンゼン、1、4-ビス(2-メチルスチリル)-2-メチルベンゼンまたは1、4-ビス(2-メチルスチリル)-2-エチルベンゼンなどのようなジスチリルベンゼン(distyrylbenzene)化合物;2、5-ビス(4-メチルスチリル)ピラジン、2、5-ビス(4-エチルスチリル)ピラジン、2、5-ビス[2-(1-ナフチル)ビニル]ピラジン、2、5-ビス(4-メトキシスチリル)ピラジン、2、5-ビス[2-(4-ビフェニル)ビニル]ピラジンまたは2、5-ビス[2-(1-ピレニル)ビニル]ピラジンなどのジスチリルピラジン(distyrylpyrazine)化合物、1、4-フェニレンジメチルリジン、4、4'-フェニレンジメチルリジン、2、5-キシレンジメチルリジン、2、6-ナフチレンジメチルリジン、1、4-ビフェニレンジメチルリジン、1、4-パラ-ターフェニレンジメチルリジン、9、10-アントラセンジイルジメチルリジン(9、10-anthracenediyldimethylidine)または4、4'-(2、2-ジ-ティ-ブチルフェニルビニル)ビフェニル、4、4'-(2、2-ジフェニルビニル)ビフェニルなどのようなジメチルリジン(dimethylidine)化合物またはその誘導体、日本特許公開第1994-49079号または日本特許公開第1994-293778号公報などに開示されたシラナミン(silanamine)誘導体、日本特許公開第1994-279322号または日本特許公開第1994-279323号公報などに開示された多官能スチリル化合物、日本特許公開第1994-107648号または日本特許公開第1994-092947号公報などに開示されているオキサジアゾール誘導体、日本特許公開第1994-206865号公報などに開示されたアントラセン化合物、日本特許公開第1994-145146号公報などに開示されたオキシネート(oxynate)誘導体、日本特許公開第1992-96990号公報などに開示されたテトラフェニルブタジエン化合物、日本特許公開第1991-296595号公報などに開示された有機3官能化合物、日本特許公開第1990-191694号公報などに開示されたクマリン(coumarin)誘導体、日本特許公開第1990-196885号公報などに開示されたペリレン(perylene)誘導体、日本特許公開第1990-255789号公報などに開示されたナフタレン誘導体、日本特許公開第1990-289676号や日本特許公開第1990-88689号公報などに開示されたフタロペリノン(phthaloperynone)誘導体または日本特許公開第1990-250292号公報などに開示されたスチリルアミン誘導体なども低屈折層に含まれる電子受容性有機化合物として用いることができる。また、前記において、電子注入層は、例えば、LiFまたはCsFなどのような材料を用いて形成することもできる。
【0065】
正孔阻止層は、注入された正孔が発光ユニットを通って電子注入性電極層に進入することを防止して素子の寿命と効率を向上させることができる層であり、必要な場合に公知の材料を用いて発光ユニットと電子注入性電極層の間に適切な部分に形成され得る。
【0066】
正孔注入層または正孔輸送層は、例えば、電子供与性有機化合物(electron donating organic compound)を含むことができる。電子供与性有機化合物としては、N、N'、N'-テトラフェニル-4、4'-ジアミノフェニル、N、N'-ジフェニル-N、N'-ジ(3-メチルフェニル)-4、4'-ジアミノビフェニル、2、2-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)プロパン、N、N、N'、N'-テトラ-p-トリル-4、4'-ジアミノビフェニル、ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N、N'-ジフェニル-N、N'-ジ(4-メトキシフェニル)-4、4'-ジアミノビフェニル、N、N、N'、N'-テトラフェニル-4、4'-ジアミノジフェニルエーテル、4、4'-ビス(ジフェニルアミノ)クアドリフェニル[4、4'-bis(diphenylamino)quadriphenyl]、4-N、N-ジフェニルアミノ-(2-ジフェニルビニル)ベンゼン、3-メトキシ-4'-N、N-ジフェニルアミノスチルベンゼン、N-フェニルカルバゾール、1、1-ビス(4-ジ-p-トリアミノフェニル)シクロヘキサン、1、1-ビス(4-ジ-p-トリアミノフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、ビス(4-ジメチルアミノ-2-メチルフェニル)フェニルメタン、N、N、N-トリ(p-トリル)アミン、4-(ジ-p-トリルアミノ)-4'-[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]スチルベン、N、N、N'、N'-テトラフェニル-4、4'-ジアミノビフェニルN-フェニルカルバゾール、4、4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニル-アミノ]ビフェニル、4、4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]p-ターフェニル、4、4'-ビス[N-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル、4、4'-ビス[N-(3-アセナフテニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル、1、5-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ナフタレン、4、4'-ビス[N-(9-アントリル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルフェニルアミノ]ビフェニル、4、4'-ビス[N-(1-アントリル)-N-フェニルアミノ]-p-ターフェニル、4、4'-ビス[N-(2-フェナントリル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル、4、4'-ビス
[N-(8-フルオランテニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル、4、4'-ビス[N-(2-ピレニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル、4、4'-ビス[N-(2-ペリレニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル、4、4'-ビス[N-(1-コロネニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(4、4'-bis[N-(1-coronenyl)-N-phenylamino]biphenyl)、2、6-ビス(ジ-p-トリルアミノ)ナフタレン、2、6-ビス[ジ-(1-ナフチル)アミノ]ナフタレン、2、6-ビス[N-(1-ナフチル)-N-(2-ナフチル)アミノ]ナフタレン、4、4'-ビス[N、N-ジ(2-ナフチル)アミノ]ターフェニル、4、4'-ビス{N-フェニル-N-[4-(1-ナフチル)フェニル]アミノ}ビフェニル、4、4'-ビス[N-フェニル-N-(2-ピレニル)アミノ]ビフェニル、2、6-ビス[N、N-ジ-(2-ナフチル)アミノ]フルオレンまたは4、4'-ビス(N、N-ジ-p-トリルアミノ)ターフェニル、およびビス(N-1-ナフチル)(N-2-ナフチル)アミンなどのようなアリールアミン化合物が代表的に例示されるが、これに制限されるものではない。
【0067】
正孔注入層や正孔輸送層は、有機化合物を高分子中に分散させるか、前記有機化合物から由来した高分子を用いて形成することもできる。また、ポリパラフェニレンビニレンおよびその誘導体などのようにいわゆるπ-共役高分子(π-conjugated polymers)、ポリ(N-ビニルカルバゾール)などの正孔輸送性非共役高分子またはポリシランのσ-共役高分子なども使われることができる。
【0068】
正孔注入層は、銅フタロシアニンのような金属フタロシアニンや非金属フタロシアニン、カーボン膜およびポリアニリンなどの電気的に伝導性の高分子を用いて形成するか、前記アリールアミン化合物を酸化剤としてルイス酸(Lewis acid)と反応させて形成することもできる。
【0069】
有機物層の具体的な構造は特に制限されない。この分野では正孔または電子注入電極層と有機物層、例えば、発光ユニット、電子注入または輸送層、正孔注入または輸送層を形成するための多様な素材およびその形成方法が公知されていて、前記有機電子装置の製造には前記のような方式をすべて適用することができる。
【0070】
有機電子装置の上部領域は上部方向に順次形成された無機物層とカバーフィルムを含むことができる。前記有機電子素子用基板での無機物層と区分するために、前記上部領域に含まれる無機物層は以下、第2無機物層と呼称し、基板に含まれる無機物層は第1無機物層と呼称することがある。
【0071】
第2無機物層は、外部物質の浸透を遮断、抑制または緩和して耐久性を確保するために存在し、具体的な素材および形成方式は前記第1無機物層の項目で言及したものと類似し得る。ただし、光が基板領域側に放出されるように設計される場合は、第2無機物層は第1無機物層のように高い屈折率を有するように形成される必要はない。
【0072】
第2無機物層の上部に存在するカバーフィルムは、有機電子装置を保護する構造であって、例えば、公知のバリアフィルム、金属シートまたは伝導性フィルムなどや、前記のうち2種以上の積層構造であり得る。上部領域でカバーフィルムは、接着層、例えば、前述した遮断性接着層を通して第2無機物層の上部に付着していることができる。
【0073】
本発明はさらに前記有機電子装置、例えば、有機発光装置の用途に関するものである。前記有機発光装置は、例えば、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)のバックライト、照明、各種センサー、プリンタ、コピー機などの光源、車両用計器の光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾または各種ライトなどに効果的に適用することができる。一実施例において、本発明は、前記有機発光素子を含む照明装置に関するものである。前記照明装置またはその他の用途に前記有機発光素子が適用される場合に、前記装置などを構成する他の部品やその装置の構成方法は特に制限されず、前記有機発光素子が用いられる限り、該当分野に公知されている任意の材料や方式をすべて採用することができる。